JP3926477B2 - 住宅用ガスケットおよび住宅用ガスケットのパネル材への取付け方法 - Google Patents
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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ユニット住宅等の建物の目地に取着される住宅用ガスケットおよび住宅用ガスケットのパネル材への取付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅などで、外壁間をはじめ、パネル材(人造板,繊維板,合板,ボード等)が組み合わされる継ぎ目部分には目地が存在する。集合住宅の二階の外廊下等においても、廊下パネルが組み合わさってできるため、同様の目地が存在する。斯る目地をそのまま放置すると、目地から雨水等が侵入するため、防水処理を施すことになる。
目地の防水処理にあたっては、コーキング処理を行うこともあったが、施工が複雑であり雨天時の作業ができないといった問題や経年劣化による防水性低下の問題等があり、これに代って、近年、施工の簡易性,確実性から、押出成形で得られるゴム製品たる定形ガスケットを用いることが多くなってきた。
【0003】
このガスケットを用いる場合は、施工時の予想外のバラツキにも防水性能を維持できるように、図15のごとく目地9中のガスケットaのさらに奥の壁下地材8上に粘着剤からなる二次止水材bを設け、防水の信頼性を高めることが一般化している。ただ、外壁板にサイジングボードと呼ばれるパネル材7を用いる時は、サイジングボードの厚みが一般に薄いので(10〜16mm)、二次止水材bを目地中に設けることが困難となる。そのため、図16のごとく、基部c1,d1を張り出させて、この部分をサイジングボード7の裏面へ当接させ二次止水の機能を持たせているケースが多くなっている。
【0004】
ところが、サイジングボード形のパネル材7は、図17のごとくボード単体Pの高さが60cm程度と小さいものが多く、該ボードPを複数枚用いて所定高さのパネル材7に造りあげていくが、図示のように施工のバラツキが生じ易く、ボード毎に位置がズレ、一つの目地に段が生じるために図16(イ)のようなガスケットcでは見栄えに問題があった。一方、図16(ロ)のガスケットdのように二つの部品d1,d2を組み合わせた場合には、目地の段差は隠れるが、二部品で構成しているため、コストが高くなり、また施工も複雑となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記問題に、実開昭63−85747号公報第3図のごとくのガスケットタイプのものであれば解決できるが、同図のように施工するにはパネル材7を真横からガスケットに挿入するよう施工しなければならず、手順が固定された。ガスケットへ真横から複数枚のパネル材を押し込む作業は、前面からパネル材を押しつけるのに比べ非常に手間がかかった。
これだけにとどまらず、パネル材を住宅の外周に貼りめぐらしていった場合に、図18(イ)のごとく、どうしても最低1箇所はパネル材7を上方(前面)から押し込んで施工しなければならなかった。そして、このとき、図18(ロ)のように意匠面をつくる外装部c2 の片方がパネル材7に押されて屈曲した状態となった。その結果、ヘラT等を用いて外装部c2 を表に出し(図18のハ)、外装部周縁c21がパネル材7の表面に当接するようにしなればならず、これが結構手間のかかる作業となっていた。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するもので、ガスケットに向けてパネル材を前面から押し込む作業を可能にして、しかも、ヘラなどを使わずして簡単に外装部の屈曲を直して正規の状態に挿着できる住宅用ガスケットおよび住宅用ガスケットのパネル材への取付け方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、長手方向等断面形状の長尺成形品からなり、帯板状にして目地幅を封じ且つ上面に意匠面を形成する外装部と、該外装部から断面T字状に垂下する柱部と、該柱部の下端で両サイドに張出し前記外装部と柱部とで断面エ字状とする基部と、を備えるガスケット本体(A)と、前記基部の両サイドにパネル材を載せ、該パネル材が組み合わさってできる目地幅を前記外装部の封止により、パネル材と外装部裏面と柱部と基部上面とで囲まれた内空間に配置される紐状体(B)と、を具備することを特徴とする住宅用ガスケットにある。ここで、「柱部の下端で両サイドに張出し前記外装部と柱部とで断面エ字状とする基部」には、外装部の両サイドに張出す具合と同等の基部も含むものとする。
請求項2に記載の発明に係る住宅用ガスケットは、請求項1で、柱部の両サイドから外方に張り出すヒレが設けられ、該ヒレに前記紐状体が係止されたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明に係る住宅用ガスケットは、請求項1,2で、紐状体がガスケット本体と一体成形されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明の要旨は、長手方向等断面形状の長尺成形品からなり、帯板状にして目地幅を封じ且つ上面に意匠面を形成する外装部と、該外装部から断面T字状に垂下する柱部と、該柱部の下端で両サイドに張出し前記外装部と柱部とで断面エ字状とする基部と、を備えるガスケット本体(A)と、該ガスケットとは別体の紐状体(C)を用意し、該紐状体を前記外装部の裏面側又は柱部又は基部上面に沿わせた状態にして、パネル材を柱部両サイドに張り出す前記基部に押し当て、その後、前記紐状体を引っ張り上げてパネル材によって押し曲げられていた前記外装部の折曲を解除することを特徴とする住宅用ガスケットのパネル材への取付け方法にある。
【0008】
請求項1〜4の発明のごとく、紐状体が配設されると、パネル材を基部に押し当てた後、紐状体を引っ張り上げることによって、その方向に外装部を持ち上げることになるので、パネル材の押し当てで曲げられていた外装部をたやすく修復できる。
請求項3の発明のごとく、紐状体がガスケット本体と一体成形されると、紐状体をガスケット本体の長手方向に沿わせて配設する手間が省けるので、作業性向上につながる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づいて詳述する。
(1)実施形態1
図1〜図3は、本発明に係る住宅用ガスケット(以下、単に「ガスケット」という。)の一実施形態を示す。図1はガスケットの横断面図、図2,図3は該ガスケットの目地への一取付け手順を示す斜視図である。
ガスケットGは押出成形で得られる加硫ゴム製品で、その横断面が図示のごとくの長手方向等断面形状で左右対称になっている。ガスケット本体は、弾性変形が可能で(弾性率やヤング率が低い)、軟らかくて粘り強く、よく伸びる加硫ゴムの基本的な特徴が生かされている。
【0010】
ガスケットGは、ガスケット本体Aと紐状体Bとからなり、該ガスケット本体Aは、ここでは、外装部1と柱部2と基部3とからなる。外装部1が隣接する外壁パネル等でつくられる横断面凹形の目地幅W1 を封じ込んで水分封止する機能を発揮する(図3)。具体的には、基部3がパネル材7に裏当てして柱部2が目地9内を通過し、外装部1がパネル材7の表側に出てゴムの弾性力を生かすようにして目地9を覆いシールする。
【0011】
外装部1は、帯板状にして、その上面に外装色に合わせた例えば梨地状の意匠面1aが形成される。外装部1の幅W2 は目地幅W1 より大きく設定し、目地9にガスケットGが取着されると、外装部1が目地9に覆い被ぶさり、外装部両サイドが外壁パネル上面に当接して目地9を封じるようにしている。外装部1の意匠面1aは図1に示すごとく円弧面を描き、一方、外装部下面は緩やかな湾曲面を形成し、外側に向かってやや下降傾斜する。目地9に取着した際、弾性変形した外装部の復元力により外装部周縁12が外壁パネルに密着する。
尚、意匠面1aを形成する上層部分11は、外装色の色調に合わせたり耐候性を向上させるため、他のガスケット本体主要部とゴム成分を多少変えている。
【0012】
柱部2は外装部1に対し横断面T字状に垂下する主骨である。目地中で、ガスケットが傾いたりグラついたりしないよう、柱部2は、通常、他の構成部分より厚めに形成される。図示を省略するが、柱部2には必要に応じ芯材がインサート成形で埋設される。
柱部2の高さh1 はガスケットに挿着されるパネル材7の厚みt1 にほぼ等しくする(図2,図3)。
【0013】
基部3は、盤形状で、柱部2の下端で両サイド水平に外装部1よりも長めに張り出し、外装部1と柱部2とで横断面エ字状としている。基部長さW3 >外装部長さW2 となる(図1)。基部3を外装部1よりも張り出させることによって、図3のごとく基部3がパネル材7の裏面に当接するようになり、二次止水の機能を発揮する。基部3は壁下地材8に安定支持されるよう裏面(図1の下側)を平らにし、一方、基部上側には爪状の小突起31を設ける。小突起31の弾撥力により二次止水機能が一層高められる。
【0014】
紐状体Bは、基部3の両サイドにパネル材7を載せ、該パネル材が組み合わさってできる目地幅W1 を前記外装部1の封止により、パネル材7と外装部裏面と柱部と基部上面とで囲まれた内空間Oに配置される(図3)。
ここでは、紐状体Bは、断面積がほぼ円形太めの長尺ゴムで、その一部分5が括れ部となってガスケット本体Aとつながる。紐状体Bはガスケット本体主要部と同じゴム質で、上記ガスケット本体Aと一体成形で造られる。ガスケット本体A,紐状体Bは、既述のごとくゴム製であり、必要に応じてゴム材料の他、熱硬化性樹脂,熱可塑性樹脂,補強剤,軟化剤,加硫助剤,加工助剤,加硫促進剤,加硫剤,消泡剤等が添加されている。
紐状体Bの一部分が柱部2の側面(外装部裏面やパネル材が載らない基部上面でも可)に線状に結合して係止し、ガスケット本体Aの長手方向に向けて紐状体Bが付随するようにしてガスケット本体Aと一体成形される。紐状体Bは括れ部5で柱部側面に係止されているので、紐状体Bを手で引っ張ることでガスケット本体Aから該紐状体Bを容易に引き離すことができる。紐状体Bの引き離しで、該紐状体Bが簡単に切れないよう文字通り太めの紐状になっている。
なお、製法にやや手間がかかるが、別体の紐状体B(材質を変えてもよい)をガスケット本体Aに接合や粘着テープなどの仮止め等により係止させることもできる。
【0015】
次に、このように構成したガスケットのパネル材7への取付け方法の一例を説明する。
まず、図2(イ)のごとく、ガスケットを所定の長さLにカットする。この長さLは、例えばガスケット本体Gとして3m必要な場合には余剰分L1 を加味して3m10cmとする。
次いで、ガスケット端部にある紐状体Bを11〜15cm程度引き剥す(図2のロ)。しかる後、余剰分L1 に係るガスケット本体の箇所を切断カットする。
こうして出来たガスケットを壁下地材8に載せ、続いて、図3(イ)のように所定のパネル材7を上(前面)から押し込んでいく。パネル材7が押し当てられることによって外装部1は図示のごとく下方に押し曲げられる。
その後、前述の引き剥された紐状体部分B1 を手に持って、図3(ロ)の矢印方向(上方)へ引っ張り上げる。紐状体Bを引っ張り上げ、ガスケット本体Aから該紐状体Bを引き剥していくことで、外装部1が一緒に持ち上げられて折曲が解除される。紐状体Bを上方へ引き上げる力の方が外装部1が下方に押し曲げられている抵抗より大になるため、紐状体Bの引き上げで、外装部周縁12が上昇しパネル材表面に当接し、ガスケット本体Aがパネル材7にうまく挿着される。
【0016】
(2)実施形態2
本実施形態のガスケットは、図4のごとく、長手方向等断面形状の長尺成形品である。
紐状体Bには伸び難く且つ前記紐状体Bに用いたゴム質より強度的に優れた丈夫な材質が選択されている。具体的には、繊維原料或いは金属線などを紐状,糸状にしたもの等である。実施形態1ではガスケット本体Aと同じゴム質からなるため、紐状体Bを引っ張り上げた時、不必要に伸びたり切れたりすることがある。そこで、引張強度が大きな紐状体Bを採用することによって、斯る不具合を解消する。
紐状体Bをインサートしてガスケット本体Aと一体成形し、紐状体Bを柱部2の側面に係止する。一体成形で、該紐状体Bにゴム質の薄い被覆膜6が形成されている。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省略する。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0017】
(3)実施形態3
本実施形態のガスケットは、図5のような長手方向等断面形状の長尺成形品である。紐状体Bが外装部1の裏面に係止される形を採る。他の構成は実施形態1と同様でその説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0018】
(4)実施形態4
本実施形態のガスケットは、図6のごとくの長手方向等断面形状の長尺成形品である。紐状体Bが外装部1の裏面に係止され、さらにヒレ4が柱部2を起点に左右横方向に張り出す。ヒレ地点での横幅は、目地幅より大きく設定される。ゴム弾性の特長を活かし、ヒレ4を屈曲変形させて目地内でのシール機能をもたすためである。ヒレ4は、その弾性復元力で目地内壁を押圧することで、ガスケット本体Aを目地9に固定する働きもなす。他の構成は実施形態1と同様でその説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
斯るガスケットにおいても、実施形態1で述べたのと同様の取付け方法を採ることができる。ガスケット端部にある紐状体Bを11〜15cm程度引き剥しておいてから、該ガスケットを壁下地材8に載せ、パネル材7を上(前面)から押し込んでいく(図6)。パネル材7が押し当てられることによって、外装部1は図示のごとく下方に押し曲げられる。
その後、引剥された紐状体Bを手に持って上方へ引っ張り上げれば、図7のごとく、外装部1が持ち上げられる。これに伴い、外装部周縁12がパネル材表面に当接し、ガスケットがパネル材7に按配よく取着される。外装部裏面はフラット面を形成し、外側に向って下降傾斜させている。その結果、図示のごとくパネル材7に対向するフラット面が全面に亘ってパネル材7に当接する。なお、前記紐状体Bは、最終的に括れ部5で引き剥され、ガスケット本体Aから分離する。
【0019】
(5)実施形態5
本実施形態のガスケットは、図8のごとく長手方向等断面形状の長尺成形品である。ガスケットGの高さを壁下地材8からパネル材上面までの距離t2 より小さく設定している。また、実施形態4と同様、紐状体Bを外装部1の裏面に係止し、更にヒレ4を柱部2から左右横方向に張り出している。他の構成は実施形態1と同様でその説明を省く。実施形態1,4と同一符号は同一又は相当部分を示す。
このようなガスケットにおいても、実施形態4で述べたのと同様の取付け方法を採ることができる。本実施形態では、紐状体Bを手に持って上方へ引っ張り上げ、外装部1が一緒に引き上げられても、外装部周縁12はパネル材表面に出現せず、外装部周縁12は目地中でパネル材7の厚み形成部分に当接する。厚みのあるパネル材7を使い、該パネル材7の目地9を構成する側縁に図17のようなガタツキが起らないケースでは、斯る発明品も問題なく使用でき、本発明の効果が得られる。なお、ガスケットがゴム質であるため、柱部2が目地内で倒れるケースがあるが、図9のように外装部1が上向きに変形しヒレ4が下向きに変形すると、柱部2が倒れ難くなるメリットがある。
【0020】
(6)実施形態6
本実施形態のガスケットは、図10〜図12のごとく、ヒレ4を柱部2の略中間位置で左右横方向に張り出し、両ヒレ4の下面に紐状体Bを係止している。また、基部長さW3 は外装部長さW2 とほぼ等しくする。基部長さが短くなる分、基部3による二次止水機能が弱まるが、本発明の基本的な作用,効果は発揮できる。他の構成は実施形態1と同様でその説明を省く。実施形態1〜5と同一符号は同一又は相当部分を示す。
このように構成したガスケットのパネル材7への取付け方法としては、実施形態1で述べたように、まず、ガスケット端部にある紐状体Bを11〜15cm程度引き剥し、余剰分L1 に係るガスケット本体の箇所を切断カットする。
しかる後、ガスケットを壁下地材8に載せ、続いて、図11の矢印のように基部上にパネル材7を上から押し込んでいく。パネル材7が押し当てられることによって外装部1及びヒレ4は図示のごとく下方に押し曲げられる。
その後、前述の引き剥された紐状体部分を手に持って、白抜き矢印方向へ引っ張り上げる。紐状体Bを引っ張り上げ、ガスケット本体Aから該紐状体Bを引き剥していくことで、ヒレ4及び外装部1が一緒に持ち上げられて折曲が解除される。紐状体Bの引き上げで、外装部周縁12が上昇しパネル材表面に当接し、下向きにあったヒレ4も上向きとなり、ガスケット本体Aがパネル材7にうまく挿着される。
【0021】
(7)実施形態7
本実施形態は、図13のごとく、長手方向等断面形状の長尺成形品のガスケット本体Aと、これと別体の紐状体Cとからなる。
ここでは、図4のガスケット本体Aから紐状体Cが初めから離れた状態にあり、ガスケット本体Aには当然ながら被覆膜6がない形になっている。また、ヒレ4が柱部2を起点に左右横方向に張り出している。他の構成は実施形態2と同様で、その説明を省略する。実施形態2と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0022】
次に、上記ガスケット本体Aと紐状体Cを使ったガスケットGのパネル材7への一取付け方法について説明する。
まず、ガスケット本体Aをパネル材7に合わせた所定長さにカットする。紐状体Cが当初からガスケット本体Aと別体であるため、実施形態1で述べた余剰分L1 を加味する必要はない。
次いで、紐状体Cを外装部1の裏面側(柱部又はパネル材が載らない基部上面でもよい)に沿わせる。そして、紐状体Cの両端を支持した状態下で、パネル材7を上から柱部両サイドに張り出す基部上に押し当てる。この押し当てによって、パネル材7が基部3に載り、外装部1は目地内でパネル材7に折り曲げられることとなる(図13)。
その後、紐状体Cの一端を固定しながら他端を引っ張り上げてパネル材7によって押し曲げられていた外装部1を引き上げ、外装部1の折曲を解除する。
かくして、図14のごとく外装部周縁12が上昇しパネル材表面に当接して、ガスケット本体Aがパネル材7に挿着されることとなる。
【0023】
(8)効果
このように構成した住宅用ガスケットおよび住宅用ガスケットのパネル材7への取付け方法は、ガスケットGの真横からパネル材7を押し込む方法を採らず、ガスケットに向けて上から押し込む作業を可能にするので、ガスケットのパネル材7への取り付けが楽になる。
さらに、ガスケットGに向けて上からのパネル材7の押え込みで折り曲った外装部1も、紐状体Bを引っ張り上げることによって一緒に引き上げられ、簡単に折曲を解除できるので、外装部1の修正作業が容易になる。紐状体Bは、引っ張り上げられる過程で、ガスケット本体Aから括れ部5のところで引き裂かれていき、外装部周縁12の屈曲が全域に亘って解除されたところで、ガスケット本体Aからきれいに引き離すことができる。図15のごとく、ヘラTなどを使って屈曲した外装部1を持ち上げる従来の苦労から開放される。
【0024】
そして、実施形態1〜6では、紐状体Bがガスケット本体Aと一体成形されて造られるので、パネル材へのガスケット本体の取付け作業が容易になる。同時成形で造るので、後から接着剤等で付ける製造工程が省け、生産性向上,低コスト化を達成できる。
ところで、実施形態3のように外装部裏面に紐状体Bを係止してもよいが、このケースだと、紐状体Bを大きくした場合に外装部1の垂れ下がりや、紐状体Bを引っ張り上げ、パネル材7へガスケット本体Aを挿着する際に外装部1にクセを付けてしまうことがある。こうしたことから、実施形態1,2のように柱部2に紐状体Bを係止するとより好ましくなる。上記不具合がなくなる。
また、実施形態2のように紐状体Bにゴム質と違って伸び難く強度的にも十分なものを使用すると、施工時に紐状体Bが切れたりせず、ガスケットの取付け作業を円滑に進めることができる。該紐状体Bが被覆膜6で包んで一体成形されると、紐状体Bを接着剤等でガスケット本体Aに後付けする手間がなくなる。さらに、薄い被覆膜6であるため、該紐状体Bを引っ張り上げる際、被覆膜6が破れ易くなっており、ガスケットの取付け作業がはかどる。
実施形態4〜6のようにヒレ4があると、ヒレ4による止水機能も発揮し、止水性能を一段と高める。
一方、実施形態7のように、紐状体Cが別体のものは、ガスケット本体Aに一体化したものに比べて作業性がやや劣る。ガスケットの取付け作業に先立ち、紐状体Cを外装部1の裏面側や柱部2,基部3に沿わせたり、紐状体Cの一端部を引っ張り上げ、外装部1を持ち上げる際に他端部を固定する必要があったりする。しかしながら、本発明の基本的効果は得られ、ガスケットに向けて前面から押し込む作業を可能にする。また、ガスケットに向けてのパネル材7の押し込みで折り曲った外装部1も紐状体Cを持ち上げることによって解除できる。
【0025】
尚、本発明においては、前記実施例に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。ガスケット本体A,紐状体B,C等の形状,大きさ,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。
【0026】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明の住宅用ガスケットおよび住宅用ガスケットのパネル材への取付け方法は、パネル材を前面からガスケットに向けて押し込む作業を可能にし、さらに、押し込み作業で屈曲した外装部をヘラ等を使わずにいとも簡単に修復できるなど現場での取付け作業に優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の住宅用ガスケットの横断面図である。
【図2】図1の住宅用ガスケットに係るガスケット本体の目地への一取付け手順を示す斜視図である。
【図3】図1の住宅用ガスケットに係るガスケット本体の目地への一取付け手順を示す斜視図である。
【図4】実施形態2の住宅用ガスケットの横断面図である。
【図5】実施形態3の住宅用ガスケットの横断面図である。
【図6】実施形態4の住宅用ガスケットにパネル材が押し当てられた状態の横断面図である。
【図7】図6の住宅用ガスケットに係るガスケット本体がパネル材に挿着された横断面図である。
【図8】実施形態5の住宅用ガスケットにパネル材が押し当てられた状態の横断面図である。
【図9】図8の住宅用ガスケットに係るガスケット本体がパネル材に挿着された横断面図である。
【図10】実施形態6の住宅用ガスケットの横断面図である。
【図11】実施形態6の住宅用ガスケットにパネル材が押し当てられた状態の横断面図である。
【図12】図10の住宅用ガスケットに係るガスケット本体がパネル材に挿着された横断面図である。
【図13】実施形態7の住宅用ガスケットにパネル材が押し当てられた状態の横断面図である。
【図14】図13の住宅用ガスケットに係るガスケット本体がパネル材に挿着された横断面図である。
【図15】従来技術の説明断面図である。
【図16】従来技術の説明断面図である。
【図17】サイジングボードのパネル材の説明図である。
【図18】従来技術の説明断面図である。
【符号の説明】
1 外装部
1a 意匠面
2 柱部
3 基部
4 ヒレ
7 パネル材
A ガスケット本体
B,C 紐状体
G 住宅用ガスケット
O 内空間
W1 目地幅
【産業上の利用分野】
本発明は、ユニット住宅等の建物の目地に取着される住宅用ガスケットおよび住宅用ガスケットのパネル材への取付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅などで、外壁間をはじめ、パネル材(人造板,繊維板,合板,ボード等)が組み合わされる継ぎ目部分には目地が存在する。集合住宅の二階の外廊下等においても、廊下パネルが組み合わさってできるため、同様の目地が存在する。斯る目地をそのまま放置すると、目地から雨水等が侵入するため、防水処理を施すことになる。
目地の防水処理にあたっては、コーキング処理を行うこともあったが、施工が複雑であり雨天時の作業ができないといった問題や経年劣化による防水性低下の問題等があり、これに代って、近年、施工の簡易性,確実性から、押出成形で得られるゴム製品たる定形ガスケットを用いることが多くなってきた。
【0003】
このガスケットを用いる場合は、施工時の予想外のバラツキにも防水性能を維持できるように、図15のごとく目地9中のガスケットaのさらに奥の壁下地材8上に粘着剤からなる二次止水材bを設け、防水の信頼性を高めることが一般化している。ただ、外壁板にサイジングボードと呼ばれるパネル材7を用いる時は、サイジングボードの厚みが一般に薄いので(10〜16mm)、二次止水材bを目地中に設けることが困難となる。そのため、図16のごとく、基部c1,d1を張り出させて、この部分をサイジングボード7の裏面へ当接させ二次止水の機能を持たせているケースが多くなっている。
【0004】
ところが、サイジングボード形のパネル材7は、図17のごとくボード単体Pの高さが60cm程度と小さいものが多く、該ボードPを複数枚用いて所定高さのパネル材7に造りあげていくが、図示のように施工のバラツキが生じ易く、ボード毎に位置がズレ、一つの目地に段が生じるために図16(イ)のようなガスケットcでは見栄えに問題があった。一方、図16(ロ)のガスケットdのように二つの部品d1,d2を組み合わせた場合には、目地の段差は隠れるが、二部品で構成しているため、コストが高くなり、また施工も複雑となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記問題に、実開昭63−85747号公報第3図のごとくのガスケットタイプのものであれば解決できるが、同図のように施工するにはパネル材7を真横からガスケットに挿入するよう施工しなければならず、手順が固定された。ガスケットへ真横から複数枚のパネル材を押し込む作業は、前面からパネル材を押しつけるのに比べ非常に手間がかかった。
これだけにとどまらず、パネル材を住宅の外周に貼りめぐらしていった場合に、図18(イ)のごとく、どうしても最低1箇所はパネル材7を上方(前面)から押し込んで施工しなければならなかった。そして、このとき、図18(ロ)のように意匠面をつくる外装部c2 の片方がパネル材7に押されて屈曲した状態となった。その結果、ヘラT等を用いて外装部c2 を表に出し(図18のハ)、外装部周縁c21がパネル材7の表面に当接するようにしなればならず、これが結構手間のかかる作業となっていた。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するもので、ガスケットに向けてパネル材を前面から押し込む作業を可能にして、しかも、ヘラなどを使わずして簡単に外装部の屈曲を直して正規の状態に挿着できる住宅用ガスケットおよび住宅用ガスケットのパネル材への取付け方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、長手方向等断面形状の長尺成形品からなり、帯板状にして目地幅を封じ且つ上面に意匠面を形成する外装部と、該外装部から断面T字状に垂下する柱部と、該柱部の下端で両サイドに張出し前記外装部と柱部とで断面エ字状とする基部と、を備えるガスケット本体(A)と、前記基部の両サイドにパネル材を載せ、該パネル材が組み合わさってできる目地幅を前記外装部の封止により、パネル材と外装部裏面と柱部と基部上面とで囲まれた内空間に配置される紐状体(B)と、を具備することを特徴とする住宅用ガスケットにある。ここで、「柱部の下端で両サイドに張出し前記外装部と柱部とで断面エ字状とする基部」には、外装部の両サイドに張出す具合と同等の基部も含むものとする。
請求項2に記載の発明に係る住宅用ガスケットは、請求項1で、柱部の両サイドから外方に張り出すヒレが設けられ、該ヒレに前記紐状体が係止されたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明に係る住宅用ガスケットは、請求項1,2で、紐状体がガスケット本体と一体成形されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明の要旨は、長手方向等断面形状の長尺成形品からなり、帯板状にして目地幅を封じ且つ上面に意匠面を形成する外装部と、該外装部から断面T字状に垂下する柱部と、該柱部の下端で両サイドに張出し前記外装部と柱部とで断面エ字状とする基部と、を備えるガスケット本体(A)と、該ガスケットとは別体の紐状体(C)を用意し、該紐状体を前記外装部の裏面側又は柱部又は基部上面に沿わせた状態にして、パネル材を柱部両サイドに張り出す前記基部に押し当て、その後、前記紐状体を引っ張り上げてパネル材によって押し曲げられていた前記外装部の折曲を解除することを特徴とする住宅用ガスケットのパネル材への取付け方法にある。
【0008】
請求項1〜4の発明のごとく、紐状体が配設されると、パネル材を基部に押し当てた後、紐状体を引っ張り上げることによって、その方向に外装部を持ち上げることになるので、パネル材の押し当てで曲げられていた外装部をたやすく修復できる。
請求項3の発明のごとく、紐状体がガスケット本体と一体成形されると、紐状体をガスケット本体の長手方向に沿わせて配設する手間が省けるので、作業性向上につながる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づいて詳述する。
(1)実施形態1
図1〜図3は、本発明に係る住宅用ガスケット(以下、単に「ガスケット」という。)の一実施形態を示す。図1はガスケットの横断面図、図2,図3は該ガスケットの目地への一取付け手順を示す斜視図である。
ガスケットGは押出成形で得られる加硫ゴム製品で、その横断面が図示のごとくの長手方向等断面形状で左右対称になっている。ガスケット本体は、弾性変形が可能で(弾性率やヤング率が低い)、軟らかくて粘り強く、よく伸びる加硫ゴムの基本的な特徴が生かされている。
【0010】
ガスケットGは、ガスケット本体Aと紐状体Bとからなり、該ガスケット本体Aは、ここでは、外装部1と柱部2と基部3とからなる。外装部1が隣接する外壁パネル等でつくられる横断面凹形の目地幅W1 を封じ込んで水分封止する機能を発揮する(図3)。具体的には、基部3がパネル材7に裏当てして柱部2が目地9内を通過し、外装部1がパネル材7の表側に出てゴムの弾性力を生かすようにして目地9を覆いシールする。
【0011】
外装部1は、帯板状にして、その上面に外装色に合わせた例えば梨地状の意匠面1aが形成される。外装部1の幅W2 は目地幅W1 より大きく設定し、目地9にガスケットGが取着されると、外装部1が目地9に覆い被ぶさり、外装部両サイドが外壁パネル上面に当接して目地9を封じるようにしている。外装部1の意匠面1aは図1に示すごとく円弧面を描き、一方、外装部下面は緩やかな湾曲面を形成し、外側に向かってやや下降傾斜する。目地9に取着した際、弾性変形した外装部の復元力により外装部周縁12が外壁パネルに密着する。
尚、意匠面1aを形成する上層部分11は、外装色の色調に合わせたり耐候性を向上させるため、他のガスケット本体主要部とゴム成分を多少変えている。
【0012】
柱部2は外装部1に対し横断面T字状に垂下する主骨である。目地中で、ガスケットが傾いたりグラついたりしないよう、柱部2は、通常、他の構成部分より厚めに形成される。図示を省略するが、柱部2には必要に応じ芯材がインサート成形で埋設される。
柱部2の高さh1 はガスケットに挿着されるパネル材7の厚みt1 にほぼ等しくする(図2,図3)。
【0013】
基部3は、盤形状で、柱部2の下端で両サイド水平に外装部1よりも長めに張り出し、外装部1と柱部2とで横断面エ字状としている。基部長さW3 >外装部長さW2 となる(図1)。基部3を外装部1よりも張り出させることによって、図3のごとく基部3がパネル材7の裏面に当接するようになり、二次止水の機能を発揮する。基部3は壁下地材8に安定支持されるよう裏面(図1の下側)を平らにし、一方、基部上側には爪状の小突起31を設ける。小突起31の弾撥力により二次止水機能が一層高められる。
【0014】
紐状体Bは、基部3の両サイドにパネル材7を載せ、該パネル材が組み合わさってできる目地幅W1 を前記外装部1の封止により、パネル材7と外装部裏面と柱部と基部上面とで囲まれた内空間Oに配置される(図3)。
ここでは、紐状体Bは、断面積がほぼ円形太めの長尺ゴムで、その一部分5が括れ部となってガスケット本体Aとつながる。紐状体Bはガスケット本体主要部と同じゴム質で、上記ガスケット本体Aと一体成形で造られる。ガスケット本体A,紐状体Bは、既述のごとくゴム製であり、必要に応じてゴム材料の他、熱硬化性樹脂,熱可塑性樹脂,補強剤,軟化剤,加硫助剤,加工助剤,加硫促進剤,加硫剤,消泡剤等が添加されている。
紐状体Bの一部分が柱部2の側面(外装部裏面やパネル材が載らない基部上面でも可)に線状に結合して係止し、ガスケット本体Aの長手方向に向けて紐状体Bが付随するようにしてガスケット本体Aと一体成形される。紐状体Bは括れ部5で柱部側面に係止されているので、紐状体Bを手で引っ張ることでガスケット本体Aから該紐状体Bを容易に引き離すことができる。紐状体Bの引き離しで、該紐状体Bが簡単に切れないよう文字通り太めの紐状になっている。
なお、製法にやや手間がかかるが、別体の紐状体B(材質を変えてもよい)をガスケット本体Aに接合や粘着テープなどの仮止め等により係止させることもできる。
【0015】
次に、このように構成したガスケットのパネル材7への取付け方法の一例を説明する。
まず、図2(イ)のごとく、ガスケットを所定の長さLにカットする。この長さLは、例えばガスケット本体Gとして3m必要な場合には余剰分L1 を加味して3m10cmとする。
次いで、ガスケット端部にある紐状体Bを11〜15cm程度引き剥す(図2のロ)。しかる後、余剰分L1 に係るガスケット本体の箇所を切断カットする。
こうして出来たガスケットを壁下地材8に載せ、続いて、図3(イ)のように所定のパネル材7を上(前面)から押し込んでいく。パネル材7が押し当てられることによって外装部1は図示のごとく下方に押し曲げられる。
その後、前述の引き剥された紐状体部分B1 を手に持って、図3(ロ)の矢印方向(上方)へ引っ張り上げる。紐状体Bを引っ張り上げ、ガスケット本体Aから該紐状体Bを引き剥していくことで、外装部1が一緒に持ち上げられて折曲が解除される。紐状体Bを上方へ引き上げる力の方が外装部1が下方に押し曲げられている抵抗より大になるため、紐状体Bの引き上げで、外装部周縁12が上昇しパネル材表面に当接し、ガスケット本体Aがパネル材7にうまく挿着される。
【0016】
(2)実施形態2
本実施形態のガスケットは、図4のごとく、長手方向等断面形状の長尺成形品である。
紐状体Bには伸び難く且つ前記紐状体Bに用いたゴム質より強度的に優れた丈夫な材質が選択されている。具体的には、繊維原料或いは金属線などを紐状,糸状にしたもの等である。実施形態1ではガスケット本体Aと同じゴム質からなるため、紐状体Bを引っ張り上げた時、不必要に伸びたり切れたりすることがある。そこで、引張強度が大きな紐状体Bを採用することによって、斯る不具合を解消する。
紐状体Bをインサートしてガスケット本体Aと一体成形し、紐状体Bを柱部2の側面に係止する。一体成形で、該紐状体Bにゴム質の薄い被覆膜6が形成されている。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省略する。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0017】
(3)実施形態3
本実施形態のガスケットは、図5のような長手方向等断面形状の長尺成形品である。紐状体Bが外装部1の裏面に係止される形を採る。他の構成は実施形態1と同様でその説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0018】
(4)実施形態4
本実施形態のガスケットは、図6のごとくの長手方向等断面形状の長尺成形品である。紐状体Bが外装部1の裏面に係止され、さらにヒレ4が柱部2を起点に左右横方向に張り出す。ヒレ地点での横幅は、目地幅より大きく設定される。ゴム弾性の特長を活かし、ヒレ4を屈曲変形させて目地内でのシール機能をもたすためである。ヒレ4は、その弾性復元力で目地内壁を押圧することで、ガスケット本体Aを目地9に固定する働きもなす。他の構成は実施形態1と同様でその説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
斯るガスケットにおいても、実施形態1で述べたのと同様の取付け方法を採ることができる。ガスケット端部にある紐状体Bを11〜15cm程度引き剥しておいてから、該ガスケットを壁下地材8に載せ、パネル材7を上(前面)から押し込んでいく(図6)。パネル材7が押し当てられることによって、外装部1は図示のごとく下方に押し曲げられる。
その後、引剥された紐状体Bを手に持って上方へ引っ張り上げれば、図7のごとく、外装部1が持ち上げられる。これに伴い、外装部周縁12がパネル材表面に当接し、ガスケットがパネル材7に按配よく取着される。外装部裏面はフラット面を形成し、外側に向って下降傾斜させている。その結果、図示のごとくパネル材7に対向するフラット面が全面に亘ってパネル材7に当接する。なお、前記紐状体Bは、最終的に括れ部5で引き剥され、ガスケット本体Aから分離する。
【0019】
(5)実施形態5
本実施形態のガスケットは、図8のごとく長手方向等断面形状の長尺成形品である。ガスケットGの高さを壁下地材8からパネル材上面までの距離t2 より小さく設定している。また、実施形態4と同様、紐状体Bを外装部1の裏面に係止し、更にヒレ4を柱部2から左右横方向に張り出している。他の構成は実施形態1と同様でその説明を省く。実施形態1,4と同一符号は同一又は相当部分を示す。
このようなガスケットにおいても、実施形態4で述べたのと同様の取付け方法を採ることができる。本実施形態では、紐状体Bを手に持って上方へ引っ張り上げ、外装部1が一緒に引き上げられても、外装部周縁12はパネル材表面に出現せず、外装部周縁12は目地中でパネル材7の厚み形成部分に当接する。厚みのあるパネル材7を使い、該パネル材7の目地9を構成する側縁に図17のようなガタツキが起らないケースでは、斯る発明品も問題なく使用でき、本発明の効果が得られる。なお、ガスケットがゴム質であるため、柱部2が目地内で倒れるケースがあるが、図9のように外装部1が上向きに変形しヒレ4が下向きに変形すると、柱部2が倒れ難くなるメリットがある。
【0020】
(6)実施形態6
本実施形態のガスケットは、図10〜図12のごとく、ヒレ4を柱部2の略中間位置で左右横方向に張り出し、両ヒレ4の下面に紐状体Bを係止している。また、基部長さW3 は外装部長さW2 とほぼ等しくする。基部長さが短くなる分、基部3による二次止水機能が弱まるが、本発明の基本的な作用,効果は発揮できる。他の構成は実施形態1と同様でその説明を省く。実施形態1〜5と同一符号は同一又は相当部分を示す。
このように構成したガスケットのパネル材7への取付け方法としては、実施形態1で述べたように、まず、ガスケット端部にある紐状体Bを11〜15cm程度引き剥し、余剰分L1 に係るガスケット本体の箇所を切断カットする。
しかる後、ガスケットを壁下地材8に載せ、続いて、図11の矢印のように基部上にパネル材7を上から押し込んでいく。パネル材7が押し当てられることによって外装部1及びヒレ4は図示のごとく下方に押し曲げられる。
その後、前述の引き剥された紐状体部分を手に持って、白抜き矢印方向へ引っ張り上げる。紐状体Bを引っ張り上げ、ガスケット本体Aから該紐状体Bを引き剥していくことで、ヒレ4及び外装部1が一緒に持ち上げられて折曲が解除される。紐状体Bの引き上げで、外装部周縁12が上昇しパネル材表面に当接し、下向きにあったヒレ4も上向きとなり、ガスケット本体Aがパネル材7にうまく挿着される。
【0021】
(7)実施形態7
本実施形態は、図13のごとく、長手方向等断面形状の長尺成形品のガスケット本体Aと、これと別体の紐状体Cとからなる。
ここでは、図4のガスケット本体Aから紐状体Cが初めから離れた状態にあり、ガスケット本体Aには当然ながら被覆膜6がない形になっている。また、ヒレ4が柱部2を起点に左右横方向に張り出している。他の構成は実施形態2と同様で、その説明を省略する。実施形態2と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0022】
次に、上記ガスケット本体Aと紐状体Cを使ったガスケットGのパネル材7への一取付け方法について説明する。
まず、ガスケット本体Aをパネル材7に合わせた所定長さにカットする。紐状体Cが当初からガスケット本体Aと別体であるため、実施形態1で述べた余剰分L1 を加味する必要はない。
次いで、紐状体Cを外装部1の裏面側(柱部又はパネル材が載らない基部上面でもよい)に沿わせる。そして、紐状体Cの両端を支持した状態下で、パネル材7を上から柱部両サイドに張り出す基部上に押し当てる。この押し当てによって、パネル材7が基部3に載り、外装部1は目地内でパネル材7に折り曲げられることとなる(図13)。
その後、紐状体Cの一端を固定しながら他端を引っ張り上げてパネル材7によって押し曲げられていた外装部1を引き上げ、外装部1の折曲を解除する。
かくして、図14のごとく外装部周縁12が上昇しパネル材表面に当接して、ガスケット本体Aがパネル材7に挿着されることとなる。
【0023】
(8)効果
このように構成した住宅用ガスケットおよび住宅用ガスケットのパネル材7への取付け方法は、ガスケットGの真横からパネル材7を押し込む方法を採らず、ガスケットに向けて上から押し込む作業を可能にするので、ガスケットのパネル材7への取り付けが楽になる。
さらに、ガスケットGに向けて上からのパネル材7の押え込みで折り曲った外装部1も、紐状体Bを引っ張り上げることによって一緒に引き上げられ、簡単に折曲を解除できるので、外装部1の修正作業が容易になる。紐状体Bは、引っ張り上げられる過程で、ガスケット本体Aから括れ部5のところで引き裂かれていき、外装部周縁12の屈曲が全域に亘って解除されたところで、ガスケット本体Aからきれいに引き離すことができる。図15のごとく、ヘラTなどを使って屈曲した外装部1を持ち上げる従来の苦労から開放される。
【0024】
そして、実施形態1〜6では、紐状体Bがガスケット本体Aと一体成形されて造られるので、パネル材へのガスケット本体の取付け作業が容易になる。同時成形で造るので、後から接着剤等で付ける製造工程が省け、生産性向上,低コスト化を達成できる。
ところで、実施形態3のように外装部裏面に紐状体Bを係止してもよいが、このケースだと、紐状体Bを大きくした場合に外装部1の垂れ下がりや、紐状体Bを引っ張り上げ、パネル材7へガスケット本体Aを挿着する際に外装部1にクセを付けてしまうことがある。こうしたことから、実施形態1,2のように柱部2に紐状体Bを係止するとより好ましくなる。上記不具合がなくなる。
また、実施形態2のように紐状体Bにゴム質と違って伸び難く強度的にも十分なものを使用すると、施工時に紐状体Bが切れたりせず、ガスケットの取付け作業を円滑に進めることができる。該紐状体Bが被覆膜6で包んで一体成形されると、紐状体Bを接着剤等でガスケット本体Aに後付けする手間がなくなる。さらに、薄い被覆膜6であるため、該紐状体Bを引っ張り上げる際、被覆膜6が破れ易くなっており、ガスケットの取付け作業がはかどる。
実施形態4〜6のようにヒレ4があると、ヒレ4による止水機能も発揮し、止水性能を一段と高める。
一方、実施形態7のように、紐状体Cが別体のものは、ガスケット本体Aに一体化したものに比べて作業性がやや劣る。ガスケットの取付け作業に先立ち、紐状体Cを外装部1の裏面側や柱部2,基部3に沿わせたり、紐状体Cの一端部を引っ張り上げ、外装部1を持ち上げる際に他端部を固定する必要があったりする。しかしながら、本発明の基本的効果は得られ、ガスケットに向けて前面から押し込む作業を可能にする。また、ガスケットに向けてのパネル材7の押し込みで折り曲った外装部1も紐状体Cを持ち上げることによって解除できる。
【0025】
尚、本発明においては、前記実施例に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。ガスケット本体A,紐状体B,C等の形状,大きさ,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。
【0026】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明の住宅用ガスケットおよび住宅用ガスケットのパネル材への取付け方法は、パネル材を前面からガスケットに向けて押し込む作業を可能にし、さらに、押し込み作業で屈曲した外装部をヘラ等を使わずにいとも簡単に修復できるなど現場での取付け作業に優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の住宅用ガスケットの横断面図である。
【図2】図1の住宅用ガスケットに係るガスケット本体の目地への一取付け手順を示す斜視図である。
【図3】図1の住宅用ガスケットに係るガスケット本体の目地への一取付け手順を示す斜視図である。
【図4】実施形態2の住宅用ガスケットの横断面図である。
【図5】実施形態3の住宅用ガスケットの横断面図である。
【図6】実施形態4の住宅用ガスケットにパネル材が押し当てられた状態の横断面図である。
【図7】図6の住宅用ガスケットに係るガスケット本体がパネル材に挿着された横断面図である。
【図8】実施形態5の住宅用ガスケットにパネル材が押し当てられた状態の横断面図である。
【図9】図8の住宅用ガスケットに係るガスケット本体がパネル材に挿着された横断面図である。
【図10】実施形態6の住宅用ガスケットの横断面図である。
【図11】実施形態6の住宅用ガスケットにパネル材が押し当てられた状態の横断面図である。
【図12】図10の住宅用ガスケットに係るガスケット本体がパネル材に挿着された横断面図である。
【図13】実施形態7の住宅用ガスケットにパネル材が押し当てられた状態の横断面図である。
【図14】図13の住宅用ガスケットに係るガスケット本体がパネル材に挿着された横断面図である。
【図15】従来技術の説明断面図である。
【図16】従来技術の説明断面図である。
【図17】サイジングボードのパネル材の説明図である。
【図18】従来技術の説明断面図である。
【符号の説明】
1 外装部
1a 意匠面
2 柱部
3 基部
4 ヒレ
7 パネル材
A ガスケット本体
B,C 紐状体
G 住宅用ガスケット
O 内空間
W1 目地幅
Claims (4)
- 長手方向等断面形状の長尺成形品からなり、帯板状にして目地幅を封じ且つ上面に意匠面を形成する外装部と、該外装部から断面T字状に垂下する柱部と、該柱部の下端で両サイドに張出し前記外装部と柱部とで断面エ字状とする基部と、を備えるガスケット本体(A)と、
前記基部の両サイドにパネル材を載せ、該パネル材が組み合わさってできる目地幅を前記外装部の封止により、パネル材と外装部裏面と柱部と基部上面とで囲まれた内空間に配置される紐状体(B)と、を具備することを特徴とする住宅用ガスケット。 - 前記柱部の両サイドから外方に張り出すヒレが設けられ、該ヒレに前記紐状体が係止された請求項1に記載の住宅用ガスケット。
- 前記紐状体がガスケット本体と一体成形される請求項1または2に記載の住宅用ガスケット。
- 長手方向等断面形状の長尺成形品からなり、帯板状にして目地幅を封じ且つ上面に意匠面を形成する外装部と、該外装部から断面T字状に垂下する柱部と、該柱部の下端で両サイドに張出し前記外装部と柱部とで断面エ字状とする基部と、を備えるガスケット本体(A)と、該ガスケット本体とは別体の紐状体(C)を用意し、
該紐状体を前記外装部の裏面側又は柱部又は基部上面に沿わせた状態にして、パネル材を柱部両サイドに張り出す前記基部に押し当て、その後、前記紐状体を引っ張り上げてパネル材によって押し曲げられていた前記外装部の折曲を解除することを特徴とする住宅用ガスケットのパネル材への取付け方法。
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