JP3926431B2 - Hardening method for thin plate parts - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄板部品の焼入れ方法に関し、より特定的には、薄板部品が少なくとも浸炭室と冷却室とを連続的に移動可能な連続炉において薄板部品を焼入れする方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ニードル軸受(針状ころ軸受)の外輪やスラスト軸受軌道輪には、1mm程度もしくはそれ以下の厚みの薄板が用いられる場合がある。このような薄板部品には、たとえば軸受などの各用途に応じた機能を果たすため、ある程度の硬さが必要とされる。この機能に応じた硬さを得るためには、薄板部品に浸炭直後に焼入れを行なう必要があり、このような処理は、薄板部品が炉内で連続または断続的に移動できる搬送機構を装置した加熱炉、いわゆる連続炉等で行なう必要があった。
【0003】
そして従来では、このような連続炉等で、薄板部品に浸炭処理を施した直後に油などの液体を用いて焼入れを行なうことで、各用途に応じた硬さを得ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、油などの液体を用いて焼入れを行なった場合、薄板部品の冷却速度が過大となってしまう。冷却速度が過大となると、薄板部品が非常に薄い厚みを有していることもあって、薄板部品に熱処理歪み(反り歪み)が生じてしまう。特にニードル軸受(針状ころ軸受)の外輪やスラスト軸受軌道輪などに熱処理歪みが生じた場合には、転動体が正常に動作し難くなり、軸受の性能劣化につながる。したがって、この歪みを取るために歪み取りを行なう必要があるという問題点があった。
【0005】
また、従来では、薄板部品をたとえば油などの液体中に浸漬することにより冷却するため、薄板部品の表面に油などの液体が付着してしまう。このため、薄板部品から液体を除去するための洗浄工程が必要になるという問題点もあった。
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、たとえば軸受などの機能に応じた硬さを容易に得るとともに、歪み取りや洗浄などの工程が不要な薄板部品の焼入れ方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄板部品の焼入れ方法は、薄板部品が少なくとも浸炭室と冷却室とを連続的に移動可能な連続炉において、浸炭室にて浸炭された後、速やかに冷却室にて焼入れされる薄板部品の焼入れ方法であって、薄板部品はスラスト軸受軌道輪であり、焼入れは、ガス圧力が2〜5kgf/cm 2 の窒素ガスで薄板部品を冷却することにより行なわれる。
【0008】
本発明の薄板部品の焼入れ方法では、窒素ガスにより薄板部品が焼入れされる。窒素ガスは、液体よりも薄板部品の冷却速度が遅く、また窒素ガスの圧力や種類の調整により容易に薄板部品の冷却速度を制御できる。このため、薄板部品に、機能、用途に応じた硬さを与えるとともに熱処理歪みの発生を抑制することができる。したがって、歪み取りが不要となり、薄板部品の処理工程の削減が可能となる。
【0009】
また、窒素ガスによる焼入れでは、液体による焼入れのように薄板部品に付着した液体を洗浄する工程が不要となる。したがって、薄板部品の洗浄工程も不要となる。
また、薄板部品がスラスト軸受軌道輪であるため、容易な方法で歪みが少なく、かつ液体の付着のない精度の高いスラスト軸受軌道輪を得ることができる。
また、窒素のガス圧力が2kgf/cm 2 未満の場合には、反り量は小さくなるが、十分な焼入れの効果が得られない。また、窒素のガス圧力が5kgf/cm 2 を超えると、反り量が大きくなり過ぎ、軸受特性の劣化を招く。
【0010】
上記局面において好ましくは、冷却室内の気体の圧力を調整し、加圧下で薄板部品が冷却される。これにより、薄板部品に機能、用途に応じた硬さを与えるとともに熱処理歪みを効果的に防止することができる。
【0011】
上記局面において好ましくは、焼入れの際に、冷却室内の気体を攪拌し、その攪拌の速度および時間が調整される。これにより、薄板部品に機能、用途に応じた硬さを与えるとともに熱処理歪みを効果的に防止することができる。
【0012】
上記局面において好ましくは、薄板部品の主面に対して気体は平行に整流で衝てられる。
【0013】
上記局面において好ましくは、薄板部品はリング形状である。これにより、容易な方法で歪みが少なく、かつ液体の付着のない精度の高いリング形状の薄板部品を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施の形態における薄板部品の焼入れ方法を説明するためのブロック図である。図1を参照して、まず連続炉を構成する各室が、一旦真空ポンプと不活性ガスとにより置換される。この後、浸炭室3に浸炭性のガスを入れ、連続炉の入口よりトレイに載せたワーク(薄板部品)が投入される。このワークは、ベスチブル1を通って加熱室2へ移動し、この加熱室2で所望温度に加熱される。この後、浸炭室3へ移動され、ここでワークに浸炭処理が施される。この浸炭が完了した後、速やかに加圧冷却室4にトレイが移動され、同時に加圧冷却室4にたとえば窒素ガスなどの不活性ガスが入れられて加圧される。この加圧冷却室4では、プロペラにより不活性ガスを攪拌しながら、トレイごとにワークが冷却(焼入れ)される。
【0017】
次に、ワークがスラスト軸受軌道輪の場合の加圧冷却による焼入れについて詳細に説明する。
【0018】
図2(a)は、スラスト軸受軌道輪の平面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線に沿う断面図を示している。図2(a)、(b)を参照して、ワークがたとえばスラスト軸受軌道輪の場合には、ワーク10は、軸を挿通するための孔を有するリング状に形成されている。
【0019】
そして、このワーク10は、図3に示すように一定間隔をおいて治具15に複数枚吊り下げられた状態で、図4に示すようにバスケット16およびトレー17にセットされる。この状態で浸炭が終了した後、ローラハース、クランクなどで移動してきたバスケット16およびトレー17は、図5に示す密閉された冷却室20へ投入される。投入と同時に弁22が開けられて、予め圧力が調整された不活性ガスが冷却室20へ封入された後、弁22が閉じられる。この不活性ガスの封入後、加圧冷却室20内に設けた攪拌扇(プロペラ)23が回転されることにより、図6に示すようにガス流がワーク10の主面10aに対して略平行に衝て続けられてワーク10が急冷される。
【0020】
なお、図6に示すようにワーク10の主面10aに対して平行となるように冷却用気体ガスを衝てることで、乱流を生じることなく整流のままで気体ガス流をワーク10に衝てることができる。仮に気体ガス流に乱流が生じた場合、ワーク10に冷却むらが生じ、反り歪みが起こりやすくなる。しかし、図6に示すように整流で気体ガス流をワーク10に衝てる場合には、冷却むらが生じにくく、均一にワーク10を冷却でき、反り歪みが生じにくくなる。
【0021】
また、攪拌扇23の回転数および回転時間は、外部のインバータおよびタイマーにより制御され、これによりワーク10の冷却速度がコントロールされる。これにより、たとえばワーク10のMs点直上温度までは比較的早く、そしてMs点直上温度以降は比較的ゆっくりと冷却させることによりワーク10が歪まないようにコントロールすることもできる。
【0022】
このようにしてワーク10が外気温まで冷却された後、排気弁21が開けられ加圧冷却室20内の不活性ガスが外部へ放出されて焼入れが完了する。
【0023】
なお上記の実施の形態および実施例では、不活性ガスとしてたとえば窒素ガスを用いた場合について説明したが、これに限られず他のガスであってもよい。
【0024】
また、浸炭直後に焼入れされるワークとして、スラスト軸受軌道輪について説明したが、これに限られず、たとえば厚みが1mm程度もしくはそれ以下の薄板部品であれば本発明の焼入れ方法を適用することが可能である。
【0025】
本実施の形態の薄板部品の焼入れ方法では、不活性ガスなどの気体によってワークが加圧冷却されることにより、液体により焼入れする場合よりも冷却速度が遅く、またガス圧力やガス種の調整により容易に薄板部品の冷却速度を制御できる。このため、ワークに、機能、用途に応じた硬さを与えるとともに熱処理歪みの発生を抑制することができる。したがって、歪み取りの工程が不要となり、ワークの処理工程の削減が可能となる。
【0026】
また、ガスによる焼入れでは、液体による焼入れのように薄板部品に付着した液体を洗浄する工程が不要となり、洗浄工程を削減することもできる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0028】
本願発明者は、連続炉において浸炭直後に気体を用いて焼入れした場合と液体を用いて焼入れした場合との双方でワークに生ずる熱処理歪みの程度を調べた。その実験の方法および結果について以下に説明する。
【0029】
まず、板厚0.78mmのSCM415材を準備し、その試料に浸炭直後に塩浴焼入れしたものを従来例とし、加圧ガスによる焼入れを行なったものを本発明例とした。本発明例での加圧ガスによる焼入れは、ガス圧力を5.5kgf/cm2 (絶対圧力)とした窒素ガスを用いて行なった。そして従来例と本発明例との各試料(ワーク)の反り量(熱処理歪み量)を測定した。
【0030】
ここで試料の反り量は、平行平板の間に試料を挟み、その平板の間に300kgfの荷重をかけたときの平行平板の間隔Hを1/100ダイヤルゲージで測定し、その間隔Hから試料の板厚を引いた値とした。このようにして複数の試料について反り量を測定した結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
表1において試料の反り量の右側に示された数値は、その反り量となった試料の個数を比で表わしたものである。
【0033】
以上の結果より、浸炭直後に加圧ガスにより焼入れを行なった本発明例は、塩浴焼入れを行なった比較例よりも、ワークに生ずる熱処理歪みを大幅に少なくできることがわかった。
【0034】
また、焼入れに用いるガスの圧力および種類などを変えることにより、液体の場合よりも容易にワークの硬さおよび熱処理歪みを制御できることも判明した。
【0035】
また本願発明者は、浸炭直後のガスによる焼入れにおける加圧冷却室内の圧力と熱処理歪みとの関係についても調べた。その実験の結果および方法について説明する。
【0036】
板厚0.78mmのSCM415材を準備し、この試料に冷却用ガスとして窒素ガスを用いて焼入れを行なった。この際、窒素ガスの圧力を各試料ごとに変化させ、その各試料ごとの反り量を測定した。この反り量の測定は、上述した平行平板を用いた反り量の測定と同様に行なった。その結果を図7に示す。
【0037】
図7を参照して、上記の実験の結果、窒素ガスの圧力を高くするほど、反り量が大きくなることが判明した。また、窒素のガス圧力が2kgf/cm2 未満の場合には、反り量は小さくなるが、十分な焼入れの効果が得られないことが判明した。また、窒素のガス圧力が5kgf/cm2 を超えると、反り量が大きくなり過ぎ、軸受特性の劣化を招くことが判明した。
【0038】
上記の結果より、浸炭直後にガスを用いてたとえばニードル軸受部品を焼入れする場合には、加圧冷却室のガス圧は2〜5kgf/cm2 が好ましいことが判明した。
【0039】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0040】
【発明の効果】
本発明の薄板部品の焼入れ方法では、気体により薄板部品が焼入れされる。気体は液体よりも薄板部品の冷却速度が遅く、また気体の圧力や種類の調整により液体よりも容易に薄板部品の冷却速度を制御できるため、薄板部品に機能、用途に応じた硬さを与えるとともに熱処理歪みの発生を抑制することができる。このため、歪み取りが不要となり、薄板部品の処理工程の削減が可能となる。
【0041】
また、気体による焼入れは、液体による焼入れのように薄板部品に付着した液体を洗浄する工程は不要であり、薄板部品の洗浄工程を削減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における連続炉における薄板部品の処理工程を示すブロック図である。
【図2】薄板部品の一例としてスラスト軸受軌道輪の構成を示す平面図(a)、断面図(b)である。
【図3】連続炉において各処理が施されるワークの状態を示す概略斜視図である。
【図4】連続炉において各処理が施されるワークの状態をバスケットおよびトレイと合わせて示す概略斜視図である。
【図5】冷却室内でワークが冷却される様子を説明するための概略断面図である。
【図6】ワークに気体ガス流を当てる様子を説明するための図である。
【図7】窒素ガスを用いて焼入れを行なった場合の窒素ガス圧力とワークの反り量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ワーク
15 治具[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for quenching thin plate parts, and more particularly to a method for quenching thin plate parts in a continuous furnace in which the thin plate parts can continuously move at least between a carburizing chamber and a cooling chamber.
[0002]
[Prior art]
A thin plate having a thickness of about 1 mm or less may be used for an outer ring or a thrust bearing race of a needle bearing (needle roller bearing). Such a thin plate component requires a certain degree of hardness in order to fulfill a function corresponding to each application such as a bearing. In order to obtain hardness according to this function, it is necessary to quench the thin plate parts immediately after carburizing, and such a process is equipped with a transport mechanism that allows the thin plate parts to move continuously or intermittently in the furnace. It was necessary to carry out in a heating furnace, so-called continuous furnace.
[0003]
Conventionally, in such a continuous furnace or the like, hardness according to each application has been obtained by quenching using a liquid such as oil immediately after carburizing the thin plate part.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, when quenching is performed using a liquid such as oil, the cooling rate of the thin plate component becomes excessive. If the cooling rate is excessive, the thin plate component may have a very thin thickness, and heat treatment strain (warp strain) occurs in the thin plate component. In particular, when heat treatment distortion occurs in an outer ring of a needle bearing (needle roller bearing), a thrust bearing raceway, or the like, the rolling element becomes difficult to operate normally, leading to deterioration of the performance of the bearing. Therefore, there is a problem that it is necessary to remove the distortion in order to remove the distortion.
[0005]
Further, conventionally, since the thin plate component is cooled by immersing it in a liquid such as oil, a liquid such as oil adheres to the surface of the thin plate component. For this reason, there also existed a problem that the washing | cleaning process for removing a liquid from a thin plate component was needed.
[0006]
The present invention has been made to solve the above-described problems. For example, it is easy to obtain hardness according to the function of a bearing or the like, and quenching a thin plate component that does not require steps such as distortion removal and cleaning. Is to provide a method.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The thin plate component quenching method of the present invention is a thin plate in which a thin plate component is carburized in the carburizing chamber and then rapidly quenched in the cooling chamber in a continuous furnace capable of continuously moving at least between the carburizing chamber and the cooling chamber. A method of quenching a component, wherein the thin plate component is a thrust bearing race, and quenching is performed by cooling the thin plate component with nitrogen gas having a gas pressure of 2 to 5 kgf / cm 2 .
[0008]
In the quenching method for thin plate parts of the present invention, the thin plate parts are quenched by nitrogen gas . Nitrogen gas has a slower cooling rate for thin plate components than liquid, and the cooling rate for thin plate components can be easily controlled by adjusting the pressure and type of nitrogen gas . For this reason, the thin plate parts can be given hardness according to the function and application, and the occurrence of heat treatment distortion can be suppressed. Accordingly, it is not necessary to remove distortion, and the processing steps for thin plate parts can be reduced.
[0009]
Further, in the quenching with nitrogen gas , a process of cleaning the liquid adhering to the thin plate parts as in the quenching with the liquid becomes unnecessary. Accordingly, a thin plate component cleaning process is not required.
In addition, since the thin plate component is a thrust bearing ring, an accurate method can be obtained with a high precision thrust bearing ring with little distortion and no liquid adhesion.
Further, when the nitrogen gas pressure is less than 2 kgf / cm 2 , the amount of warpage is small, but a sufficient quenching effect cannot be obtained. On the other hand, if the nitrogen gas pressure exceeds 5 kgf / cm 2 , the amount of warpage becomes excessively large, leading to deterioration of bearing characteristics.
[0010]
Preferably in the above aspect, the pressure of the gas in the cooling chamber is adjusted, and the thin plate component is cooled under pressure. Thereby, the hardness according to a function and a use can be given to a thin-plate component, and heat processing distortion can be prevented effectively.
[0011]
Preferably, in the above aspect, the gas in the cooling chamber is agitated during quenching, and the agitation speed and time are adjusted. Thereby, the hardness according to a function and a use can be given to a thin-plate component, and heat processing distortion can be prevented effectively.
[0012]
Preferably, in the above aspect, the gas to the main surface of the thin plate part is Terra opposition by the rectifier into a flat row.
[0013]
Preferably in the above aspect, the thin plate component has a ring shape. Thereby, it is possible to obtain a ring-shaped thin plate component having a high accuracy with little distortion and no liquid adhesion by an easy method.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0016]
FIG. 1 is a block diagram for explaining a quenching method for a thin plate component according to an embodiment of the present invention. Referring to FIG. 1, first, each chamber constituting the continuous furnace is temporarily replaced with a vacuum pump and an inert gas. Thereafter, a carburizing gas is introduced into the
[0017]
Next, quenching by pressure cooling when the workpiece is a thrust bearing race will be described in detail.
[0018]
Fig.2 (a) is a top view of a thrust bearing raceway, FIG.2 (b) has shown sectional drawing in alignment with the AA of Fig.2 (a). Referring to FIGS. 2 (a) and 2 (b), when the workpiece is, for example, a thrust bearing race, the
[0019]
Then, a plurality of the
[0020]
As shown in FIG. 6, by impinging the cooling gas gas so as to be parallel to the main surface 10a of the
[0021]
Moreover, the rotation speed and rotation time of the stirring
[0022]
After the
[0023]
In the above-described embodiment and examples, the case where, for example, nitrogen gas is used as the inert gas has been described. However, the present invention is not limited to this, and other gases may be used.
[0024]
The thrust bearing race has been described as a workpiece to be quenched immediately after carburizing. However, the present invention is not limited to this. For example, the quenching method of the present invention can be applied to thin plate parts having a thickness of about 1 mm or less. It is.
[0025]
In the quenching method for thin plate parts of the present embodiment, the workpiece is pressurized and cooled by a gas such as an inert gas, so that the cooling rate is slower than when quenching with a liquid, and by adjusting the gas pressure and gas type The cooling rate of thin plate parts can be easily controlled. For this reason, while giving the workpiece | work the hardness according to a function and a use, generation | occurrence | production of heat processing distortion can be suppressed. Accordingly, the process for removing distortion is not required, and the number of work processing steps can be reduced.
[0026]
Further, in the quenching with gas, a process of cleaning the liquid adhering to the thin plate parts as in the quenching with the liquid becomes unnecessary, and the cleaning process can be reduced.
[0027]
【Example】
Examples of the present invention will be described below.
[0028]
The inventor of the present application examined the degree of heat treatment distortion generated in the workpiece both in the case of quenching using gas immediately after carburizing and in the case of quenching using liquid in a continuous furnace. The method and results of the experiment will be described below.
[0029]
First, an SCM415 material having a plate thickness of 0.78 mm was prepared, and the sample was subjected to salt bath quenching immediately after carburizing, and a sample obtained by quenching with a pressurized gas was defined as an example of the present invention. Quenching with pressurized gas in the examples of the present invention was performed using nitrogen gas with a gas pressure of 5.5 kgf / cm 2 (absolute pressure). Then, the warpage amount (heat treatment strain amount) of each sample (work) in the conventional example and the present invention example was measured.
[0030]
Here, the amount of warpage of the sample is determined by measuring the distance H between the parallel plates when a load of 300 kgf is applied between the flat plates with a 1/100 dial gauge. The thickness was subtracted. Table 1 shows the results of measuring the amount of warpage for a plurality of samples in this way.
[0031]
[Table 1]
[0032]
In Table 1, the numerical value shown on the right side of the amount of warpage of the sample represents the number of samples that have the amount of warpage as a ratio.
[0033]
From the above results, it was found that the inventive example in which quenching was performed immediately after carburizing with pressurized gas can significantly reduce the heat treatment distortion generated in the workpiece as compared with the comparative example in which salt bath quenching was performed.
[0034]
It has also been found that by changing the pressure and type of gas used for quenching, the hardness and heat treatment distortion of the workpiece can be controlled more easily than in the case of liquid.
[0035]
The inventor of the present application also examined the relationship between the pressure in the pressure-cooling chamber and the heat treatment distortion in quenching with gas immediately after carburizing. The result and method of the experiment will be described.
[0036]
An SCM415 material having a thickness of 0.78 mm was prepared, and this sample was quenched using nitrogen gas as a cooling gas. At this time, the pressure of nitrogen gas was changed for each sample, and the amount of warpage for each sample was measured. The measurement of the amount of warpage was performed in the same manner as the measurement of the amount of warpage using the parallel plate described above. The result is shown in FIG.
[0037]
Referring to FIG. 7, as a result of the above experiment, it was found that the amount of warpage increases as the pressure of nitrogen gas is increased. Further, it has been found that when the nitrogen gas pressure is less than 2 kgf / cm 2 , the amount of warpage is small, but a sufficient quenching effect cannot be obtained. Further, it has been found that when the nitrogen gas pressure exceeds 5 kgf / cm 2 , the amount of warpage becomes excessively large, leading to deterioration of bearing characteristics.
[0038]
From the above results, it was found that the gas pressure in the pressurized cooling chamber is preferably 2 to 5 kgf / cm 2 when, for example, a needle bearing part is quenched using gas immediately after carburizing.
[0039]
It should be understood that the embodiments and examples disclosed herein are illustrative and non-restrictive in every respect. The scope of the present invention is defined by the terms of the claims, rather than the description above, and is intended to include any modifications within the scope and meaning equivalent to the terms of the claims.
[0040]
【The invention's effect】
In the method for quenching a thin plate component of the present invention, the thin plate component is quenched by gas. Since the cooling rate of thin plate parts is slower than that of liquids and the cooling rate of thin plate parts can be controlled more easily than liquids by adjusting the pressure and type of gas, it gives hardness to thin plate parts according to the function and application. At the same time, the occurrence of heat treatment distortion can be suppressed. For this reason, it is not necessary to remove distortion, and the processing steps for thin plate parts can be reduced.
[0041]
In addition, the quenching with gas does not require a process of cleaning the liquid adhering to the thin plate parts like the quenching with liquid, and the cleaning process of the thin plate parts can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing processing steps for thin plate parts in a continuous furnace in an embodiment of the present invention.
2A and 2B are a plan view and a cross-sectional view showing a configuration of a thrust bearing race as an example of a thin plate part.
FIG. 3 is a schematic perspective view showing a state of a workpiece subjected to each treatment in a continuous furnace.
FIG. 4 is a schematic perspective view showing a state of a work subjected to each treatment in a continuous furnace together with a basket and a tray.
FIG. 5 is a schematic cross-sectional view for explaining a state in which a workpiece is cooled in a cooling chamber.
FIG. 6 is a diagram for explaining a state in which a gaseous gas flow is applied to a workpiece.
FIG. 7 is a graph showing the relationship between nitrogen gas pressure and workpiece warpage when quenching is performed using nitrogen gas.
[Explanation of symbols]
10
Claims (5)
前記薄板部品はスラスト軸受軌道輪であり、
前記焼入れは、ガス圧力が2〜5kgf/cm 2 の窒素ガスで前記薄板部品を冷却することにより行なわれる、薄板部品の焼入れ方法。A thin plate component quenching method in which a thin plate component is rapidly quenched in the cooling chamber after being carburized in the carburizing chamber in a continuous furnace capable of continuously moving at least between the carburizing chamber and the cooling chamber. ,
The thin plate component is a thrust bearing race,
The quenching is performed by cooling the thin plate part with nitrogen gas having a gas pressure of 2 to 5 kgf / cm 2 .
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