JP3925888B2 - Photosensitive composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な光重合開始系、特に、高感度でかつ、安定性に優れた光重合開始系を含有する感光性組成物に関する。また、本発明は、特に、ディジタル信号に基づいた走査露光により製版可能な平版印刷版用原版の材料として優れた感光性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、平版印刷版としては親水性支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するPS版が広く用いられ、その製版方法として、通常は、リスフイルムを介してマスク露光(面露光)後、非画像部を溶解除去することにより所望の印刷版を得ていた。
近年、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理、蓄積、出力する、ディジタル化技術が広く普及してきている。そして、その様なディジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用される様になってきた。その結果レーザ光のような指向性の高い光をディジタル化された画像情報に従って走査し、リスフイルムを介す事無く、直接印刷版を製造するコンピュータ トゥ プレート(CTP)技術が切望されており、これに適応した印刷版用原版を得ることが重要な技術課題となっている。
【0003】
このような走査露光可能な平版印刷版を得る方式の一つとして、従来より、親水性支持体上に設けるインク受容性の感光性樹脂層(以下、感光層という)として、感光スピードに優れた光重合系組成物を用いた構成が提案され、既に上市されている。該構成の原版は、現像処理が簡便であり、さらに解像度、着肉性、耐刷性、汚れ性に優れるといった望ましい刷版、印刷性能を有する。
【0004】
上記光重合性組成物は基本的にはエチレン性不飽和化合物、光重合開始系、バインダー樹脂からなり、画像形成は、光開始系が光吸収し、活性ラジカルを生成、エチレン性不飽和化合物の付加重合を引き起こし、感光層の不溶化を生じるものである。従来の、走査露光可能な光重合性組成物に関する提案の大部分は、感光性に優れた光開始系の使用を開示したものであり、例えば、Bruce M. Monroeら著、Chemical Revue,93,435(1993).やR.S.Davidson著、Journal of Photochemistry and biology A:Chemistry,73.81(1993).に多く記載されている。
【0005】
これらの光開始系からなる光重合性組成物と光源としてArレーザー(488nm)やFD−YAGレーザー(532nm)のような長波長の可視光源を用いた、従来のCTPシステムに関しては、製版行程の生産性を上げるために、さらに高速で書き込む事が望まれているが、光源の出力が十分高くないことや感材の感度が十分高くないためにその目的は達成されていない。
【0006】
一方、近年、例えば、InGaN系の材料を用い、350nmから450nm域で連続発振可能な半導体レーザが実用段階となっている。これらの短波光源を用いた走査露光システムは、半導体レーザが構造上、安価に製造できるため、十分な出力を有しながら、経済的なシステムを構築できるといった長所を有する。さらに、従来のFD−YAGやArレーザを使用するシステムに比較して、より明るいセーフライト下での作業が可能な感光域が短波な感材が使用できる。
【0007】
しかしながら、350nmから450nmの短波長域で走査露光に十分な感度を有する光開始系は現在までに知られていない。
従来、比較的感度の高い光開始系として特定の色素とチタノセン化合物の組み合わせた開始系が開示されている。特開平9−230913においてカルバゾール誘導体とチタノセン光開始剤の組み合わせが開示されているが、吸収波長が長波長なために短波長光源には適さない。また、特開平9−80750ではスチリル系色素とチタノセンの組み合わせが開示されており、確かに高感度であったが十分ではなかった。特開昭62-212643、特開昭63-32540にはカルバゾール誘導体とトリアジン光開始剤の組み合わせ、特開昭63-32539においてはカルバゾール誘導体とヨードニウム塩光開始剤との組み合わせ、特開昭63-325401ではカルバゾール誘導体とチオキサントン型光開始剤との組み合わせが開示されているが、実用上十分な感度は得られず、さらに保存安定性に問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、作業性、経済性に優れた、CTPシステムに適合した走査露光用平版印刷版の材料として用いる感光性組成物を提供することにあり、安価な短波半導体レーザの発振波長に対し高感度な平版印刷版用原版の材料として用いる感光性組成物を提供する事にある。また、本発明の他の目的は、広く350nmから450nmの波長に対し高感度な新規な光重合開始系を用いる感光性組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物とチタノセン化合物を組み合わせた場合に、感度・安定性に非常に優れた光重合開始系が得られ、特に350nmから450nmでの露光に適した光重合開始系が得られる事を見いだしたものである。さらに、この光重合開始系と、ラジカルまたは酸によって反応しその物理的または化学的特性が変化して保持される化合物、具体的にはエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物とからなる感光性組成物を用いた光重合型平版印刷版用原版により、短波半導体レーザの発振波長に対し十分な感度を有し、しかも、明るいセーフライト下でも取り扱う事のできる平版印刷版用原版が得られる事を見いだし、本発明に到達したものである。
【0010】
一般式(1)
【化3】
【0011】
〔一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表す。但し、R1およびR3のうちの少なくとも一つは、下記部分構造式(1)に示す一価の有機残基で表される。また、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立に、脂肪族性または芳香族性の環を形成するため結合することができる。
【0012】
部分構造式(1)
【化4】
【0013】
(部分構造式(1)中、R10は、水素原子または一価の非金属原子団を表し、Zは隣接する原子と共同して、置換基を有しても良い5員環酸性核を形成するのに必要な2価の非金属原子団を表す。また、R10は、前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8またはR9と、脂肪族性または芳香族性の環を形成するため結合することができる。)〕
【0014】
本発明の感光性組成物は、前記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物(以下、単にカルバゾール化合物ともいう)と、チタノセン化合物と、ラジカルまたは酸によって反応しその物理的または化学的特性が変化して保持される化合物からなる。
本発明の感光性組成物は、カルバゾール化合物とチタノセン化合物との両者を同時に併用することで、特にカルバゾール化合物の吸収帯に対応する波長域での感度が著しく向上する事を見いだしたものである。本発明に於ける2種の化合物の機能は明確ではないが、カルバゾール化合物が増感色素として機能し、露光光を吸収、励起状態を生成し、共存するチタノセン化合物からの開始ラジカル発生を促進するものと考えられる(この様なプロセスを以下、色素増感という)。
【0015】
本発明の増感色素が特に優れる一つの理由は、その吸収波長が350から450nm域であることにある。また、後述するチタノセン化合物の多くは、それ自体、紫外から500nm付近までの波長域に弱い吸収を持ち、そこでも感光性を有するが、本発明の特定構造の増感色素はチタノセンの感光性を著しく向上せしめるため、例えばチタノセン化合物の使用量を比較的少量にとどめることで、短波での感光性を十分に高めながら、同時に、チタノセン自体による500nm域での感光性を低感度にすることが可能であり、セーフライト適性の向上が図れる。本発明者らは、増感色素が次のような構造上の特徴を満たす場合に、上記のような特性が得られることを見出し、本発明に至った。即ち、スチリル型色素の塩基性核がカルバゾール構造を有し、かつ酸性核が5員環カルボニル構造を有する場合に非常に高い感度と優れた吸収特性が得られることが判明した。ここで“酸性核”の定義は、T. H. James,“The Theory of The Photographic Process” fourth edition Macmillan の第8章に記載されている。メロシアニンに代表される増感色素は、一般的に1)塩基性(電子供与性)および2)酸性(電子受容性)のヘテロ環を末端に有するが、1)塩基性(電子供与性)ヘテロ環を塩基性核、2)の酸性(電子受容性)ヘテロ環を酸性核と呼ぶ。酸性核、塩基性核の例は先述のT. H. James,“The Theory of The Photographic Process” fourth edition Macmillan の第8章に多数記載されている。
【0016】
本発明における特定構造の増感色素が特に色素増感能に優れる理由は色素増感の機構が不明のため、詳述することはできないが、以下の様に考えることができる。即ち、本発明の増感色素は高強度の発光(ケイ光又はリン光)スペクトルを示す。このことから、一つの可能性として、上記部分構造(1)を有する本発明の増感色素は励起状態の寿命が比較的長いため、活性剤との反応を、効率化するように作用していることが考えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について詳細に説明する。
「A.光重合開始系」
本発明の感光性組成物に使用される光重合開始系は、カルバゾール系増感色素とチタノセン化合物からなる。
(A1)増感色素
本発明の感光性組成物に用いられる光重合開始系を構成するカルバゾール系増感色素は、下記一般式(1)であらわされるものである。
【0018】
一般式(1)
【化5】
【0019】
〔一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表す。但し、R1およびR3のうちの少なくとも一つは、下記部分構造式(1)に示す一価の有機残基で表される。また、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立に、脂肪族性または芳香族性の環を形成するため結合することができる。
【0020】
部分構造式(1)
【化6】
【0021】
(部分構造式(1)中、R10は、水素原子または一価の非金属原子団を表し、Zは隣接する原子と共同して、置換基を有しても良い5員環酸性核を形成するのに必要な2価の非金属原子団を表す。またR10は、前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8またはR9と脂肪族性または芳香族性の環を形成するため結合することができる。)〕
【0022】
一般式(1)および部分構造式(1)について詳しく説明する。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10は、それぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団であり、好ましくは、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換の芳香族複素環残基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子を表す。
【0023】
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10の好ましい例について具体的に述べる。好ましいアルキル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
【0024】
置換アルキル基の置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、
【0025】
アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、
【0026】
アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、
【0027】
アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、
【0028】
ホスフォノ基(−PO3H2)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO3H2)及びその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
【0029】
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。
【0030】
ヘテロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する単環、もしくは多環芳香族環が用いられ、特に好ましいヘテロアリール基の例としては、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジン等が挙げられ、これらは、更にベンゾ縮環しても良く、また置換基を有していても良い。
【0031】
また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
【0032】
アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。
これら置換基の内、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
【0033】
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
【0034】
該置換基とアルキレン基を組み合わせる事により得られるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10として好ましい置換アルキル基の置換基は、任意であるが、好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、
【0035】
N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、
【0036】
N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
【0037】
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10として好ましいアリール基の具体例としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
【0038】
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10として好ましい置換アリール基の具体例としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。この様な、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、
【0039】
スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基等を挙げることができる。
【0040】
次に、一般式(1)および部分構造式(1)中のZについて説明する。Zは隣接する原子と共同して置換基を有しても良い5員環酸性核を形成するのに必要な2価の非金属原子団を表し、酸性核の具体例としては、1,3−ジカルボニル核(例えば、1,3−インダンジオン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン等)、ピラゾリノン核(例えば、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(2−ベンゾチアゾリル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン等)、イソオキサゾリノン核(例えば、3−フェニル−2−イソオキサゾリン−5−オン、3−メチル−2−イソオキサゾリン−5−オン等)、オキシインドール核(例えば、1−アルキル−2,3−ジヒドロ−2−オキシインドール等)、2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核(例えば、ローダニンおよびそのN置換誘導体、例えば、3−メチルローダニン、3−エチルローダニン、3−フェニルローダニン、3−アリルローダニン、3−ベンジルローダニン、3−カルボキシメチルローダニン、3−カルボキシエチルローダニン、3−メトキシカルボニルメチルローダニン、3−ヒドロキシエチルローダニン、3−モルフォリノエチルローダニン等)、2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン核(即ち、2−チオ−2,4−(3H,4H)−オキサゾールジオン核、例えば、2−エチル−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン等)、チアナフテノン核(例えば、3(2H)−チアナフテノン、3(2H)−チアノフテノン−1,1−ジオキサイド等)、2−チオー2,5−チアゾリジンジオン核(例えば、3−エチル−2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン等)、2,4−チアゾリジンジオン核(例えば、2,4−チアゾリジンジオン、3−エチル−4−チアゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−チアゾリジンジオン等)、チアゾリジノン核(例えば、4−チアゾリジノン、3−エチル−4−チアゾリジノン、2−エチルメルカプト−4−チアゾリジノン、2−メチルフェニルアミノ−4−チアゾリジノン等)、2−イミノ−2−オキサゾリン−4−オン核(即ち、擬ヒダントイン核)、2,4−イミダゾリジンジオン核(即ち、ヒダントイン核、例えば、2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,4−イミダゾリジンジオン、1,3−ジエチル−2,4−イミダゾリジンジオン等)、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン核(即ち、チオヒダントイン核、例えば、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、1,3−ジエチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン等)、イミダゾリン−5−オン核(例えば、2−プロピルメルカプト−2−イミダゾリン−5−オン等)、フラン−5−オン核、チオインドキシル核(例えば、5−メチルチオインドキシル等)が挙げられ、これらの酸性核はさらに置換基を有してもよい。
【0041】
以上に述べた一般式(1)および部分構造式(1)で表されるカルバゾール系増感色素の内、下記一般式(2)〜(6)で表される構造を有する色素は、高い増感能を有する上、保存安定性にも非常に優れた、感光性組成物を与えるため、特に好ましい。
【0042】
【化7】
【0043】
(一般式(2)〜(6)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10は、前記一般式(1)および部分構造式(1)中のものと同義であり、X1、X2、X3およびX4はそれぞれ独立に、O原子、S原子またはNR20、YはO原子、S原子またはNR21を表し、R11〜R21はそれぞれ独立に、水素原子または、一価の非金属原子団であり、それぞれ互いに、置換基を有しても良い、脂肪族性または芳香族性の環を形成するため結合することができる。)
【0044】
一般式(2)〜(6)について詳しく説明する。一般式(2)〜(6)中、 R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10は、一般式(1)中と同義であり、R11〜R21はそれぞれ独立に、水素原子または一価の非金属原子団を表し、好ましくは、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子を表す。また、R13〜R19は、それぞれ互いに、置換基を有しても良い、脂肪族性または芳香族性の環を形成するため結合することができる。R11〜R21の好ましい例としては、一般式(1)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10の説明で述べたものと同様の例が挙げられる。
【0045】
一般式(2)〜(6)中、X1、X2、X3およびX4はそれぞれ独立に、O原子、S原子またはNR20を表し、YはO原子、S原子またはNR21を表す。
【0046】
前記一般式(1)〜(6)で表される増感色素は、上に示したような酸性核や、活性メチレン基を有する酸性核と、置換、もしくは非置換のカルバゾールカルボアルデヒドとの縮合反応によって得られるが、これらは特公昭59−28329を参照して合成することができる。
以下に一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例(D1)から(D31)を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。また、酸性核とカルバゾール骨格を結ぶ2重結合による異性体については明らかではなく、本発明はどちらかの異性体に限定されるものでもない。
【0047】
【化8】
【0048】
【化9】
【0049】
【化10】
【0050】
【化11】
【0051】
本発明の感光性組成物に含まれるカルバゾール系増感色素に関しては、さらに、平版印刷版用原版とした場合、その感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、該増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させる事で、露光膜の高強度化や、露光後の膜からの色素の不要な析出抑制を行う事ができる。また、該増感色素と後述のチタノセン化合物やその他のラジカル発生パート(例えば、ハロゲン化アルキル、オニウム、過酸化物、ビイミダゾール、オニウム、ビイミダゾール等の還元分解性部位や、ボレート、アミン、トリメチルシリルメチル、カルボキシメチル、カルボニル、イミン等の酸化解裂性部位)との結合により、特に光重合開始系の濃度の低い状態での感光性を著しく高める事ができる。さらに、本発明の感光性組成物を用いた平版印刷版用原版の好ましい使用態様である、(アルカリ)水系現像液への処理適性を高める目的に対しては、親水性部位(カルボキシル基並びにそのエステル、スルホン酸基並びにそのエステル、エチレンオキサイド基等の酸基もしくは極性基)の導入が有効である。特にエステル型の親水性基は、平版印刷版用原版の感光層中では比較的疎水的構造を有するため相溶性に優れ、かつ、現像液中では、加水分解により酸基を生成し、親水性が増大するという特徴を有する。その他、例えば、平版印刷版用原版の感光層中での相溶性向上、結晶析出抑制のために適宜置換基を導入する事ができる。例えば、ある種の感光系では、アリール基やアリル基等の不飽和結合が相溶性向上に非常に有効である場合があり、また、分岐アルキル構造導入等の方法により、色素π平面間の立体障害を導入する事で、結晶析出が著しく抑制できる。また、ホスホン酸基やエポキシ基、トリアルコキシシリル基等の導入により、金属や金属酸化物等の無機物への密着性を向上させる事ができる。そのほか、目的に応じ、増感色素のポリマー化等の方法も利用できる。
【0052】
これらの増感色素のどの構造を用いるか、単独で使用するか2種以上併用するか、添加量はどうか、といった使用法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて適宜設定できる。例えば、増感色素を2種以上併用することで、平版印刷版用原版の感光層への相溶性を高める事ができる。増感色素の選択は、感光性の他、使用する光源の発光波長でのモル吸光係数が重要な因子である。モル吸光係数の大きな色素を使用する事により、色素の添加量は比較的少なくできるので、経済的であり、かつ感光層の膜物性の点からも有利である。感光層の感光性、解像度や、露光膜の物性は光源波長での吸光度に大きな影響を受けるので、これらを考慮して増感色素の添加量を適宜選択する。例えば、吸光度が0.1以下の低い領域では感度が低下する。また、ハレーションの影響により低解像度となる。但し、例えば5μm以上の厚い膜を硬化せしめる目的に対しては、この様な低い吸光度の方がかえって硬化度をあげられる場合もある。また、吸光度が3以上の様な高い領域では、感光層表面で大部分の光が吸収され、より内部での硬化が阻害され、例えば印刷版として使用した場合には膜強度、基板密着性の不十分なものとなる。比較的薄い膜厚で使用する平版印刷版用原版としての使用に際しては、増感色素の添加量は、感光層の吸光度が0.1から1.5の範囲、好ましくは0.25から1の範囲となるように設定するのが好ましい。平版印刷版用原版として利用する場合には、これは、通常、感光層成分100重量部に対し、0.05〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.2〜10重量部の範囲である。
【0053】
(A2)チタノセン化合物
本発明の感光性組成物において光重合開始系として用いられるチタノセン化合物は、前記した増感色素との共存下で光照射した場合、活性ラジカルを発生し得るチタノセン化合物であればいずれであってもよく、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41483号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−291号、特開平3−27393号、特開平3−12403号、特開平6−41170号公報に記載されている公知の化合物を適宜に選択して用いることができる。
【0054】
さらに具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル(以下「T−1」ともいう。)、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフエニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフエニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)フェニル)チタニウム(以下「T−2」ともいう。)等を挙げることができる。
【0055】
本発明の感光性組成物に含まれるチタノセン化合物に関しても、先の増感色素と同様、さらに、平版印刷版用原版の感光層とした場合、その特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素や、付加重合性不飽和化合物その他のラジカル発生パートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
【0056】
これらのチタノセン化合物の使用法に関しても、先述の付加重合性化合物、増感色素同様、感材の性能設計により適宜、任意に設定できる。例えば、2種以上併用することで、平版印刷版用原版の感光層への相溶性を高める事ができる。チタノセン化合物の使用量は通常多い方が感光性の点で有利であり、感光層成分100重量部に対し、0.5〜80重量部、好ましくは1〜50重量部の範囲で用いることで十分な感光性が得られる。一方、本発明の主要な目的である、黄色等、白色灯化での使用に際しては、500nm付近の光によるカブリ性の点からチタノセンの使用量は少ない事が好ましいが、前述の増感色素との組み合わせによりチタノセンの使用量は6重量部以下、さらに1.9重量部以下、さらには1.4重量部以下にまで下げても十分な感光性を得ることができる。
【0057】
「B.ラジカルまたは酸によって反応しその物理的または化学的特性が変化して保持される化合物」
本発明の感光性組成物は、前述の光重合開始系の他、ラジカルまたは酸のによって反応しその物理的または化学的特性が変化して保持される化合物を含有する。
このような化合物としては、具体的には少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、より詳細には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いる事ができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類があげられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
【0058】
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナト基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用する事も可能である。
【0059】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
【0060】
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0061】
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
【0062】
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
【0063】
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものをあげる事ができる。
【0064】
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(V)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0065】
CH2=C(R)COOCH2CH(R′)OH (V)
(ただし、RおよびR′はHあるいはCH3を示す。)
【0066】
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
【0067】
さらに、特開昭63−277653,特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
【0068】
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等もあげることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌 vol. 20、No. 7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0069】
これらの、付加重合性化合物について、どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて、任意に設定できる。例えば次のような観点から選択される。感光スピードの点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上がこのましい。また、平版印刷版用の感光層に用いた場合、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものが良く、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感光性と、強度を両方を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や、疎水性の高い化合物は感光スピードや、膜強度に優れる反面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく無い場合がある。また、該感光層中の他の成分(例えば後述のバインダーポリマー、前述の光重合開始剤(系)、後述の着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうる事がある。また、支持体、オーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。該感光層中の付加重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましく無い相分離が生じたり、感光層の粘着性による製造工程上の問題(例えば、感材成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液からの析出が生じる等の問題を生じうる。これらの観点から、好ましい配合比は、多くの場合、組成物全成分に対して5〜80重量%、好ましくは25〜75重量%である。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
【0070】
(C)バインダーポリマー
本発明の感光性組成物を、その好ましい実施形態である平版印刷版用原版の感光層への適用に際しては、前述の光重合開始系および付加重合性化合物の他にさらにバインダーポリマーを使用することが好ましい。バインダーとしては線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。このような「線状有機高分子重合体」としては、どれを使用しても構わない。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とする水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性である線状有機高分子重合体が選択される。線状有機高分子重合体は、組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
【0071】
特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体および〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体は、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
【0072】
また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特願平10−116232号の明細書等に記載される、酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。
また、特願平9−363195号明細書記載のアミド基を有するバインダーは、優れた現像性と膜強度を併せ持ち、好適である。
【0073】
さらにこの他に水溶性線状有機高分子として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。これらの線状有機高分子重合体は全組成物中に任意な量を混和させることができる。しかし90重量%を超える場合には形成される画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ましくは30〜85重量%である。また光重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と線状有機高分子重合体は、重量比で1/9〜7/3の範囲とするのが好ましい。好ましい実施様態においてバインダーポリマーは実質的に水不要でアルカリに可溶なものが用いられる。そうすることで、現像液として、環境上好ましくない有機溶剤を用いないかもしくは非常に少ない使用量に制限できる。この様な使用法においてはバインダーポリマーの酸価(ポリマー1gあたりの酸含率を化学等量数で表したもの)と分子量は画像強度と現像性の観点から適宜選択される。好ましい酸価は、0.4〜3.0meq/gであり好ましい分子量は3000から50万の範囲で、より好ましくは、酸価が0.6〜2.0分子量が1万から30万の範囲である。
【0074】
「D.その他の成分」
本発明の感光性組成物を平版印刷版用原版の感光層として用いるには、さらにその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましい添加剤に関し例示する。
(D1)共増感剤
ある種の添加剤(以後、共増感剤という)を用いることで、該感光層の感度をさらに向上させる事ができる。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、先述の光重合開始系の光吸収により開始される光反応、と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、過酸化物、酸化剤、還元剤等)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(c)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用するもの、に分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。
【0075】
(a)還元されて活性ラジカルを生成する化合物
炭素−ハロゲン結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。
酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
フェロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。
【0076】
(b)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等が挙げられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
α−置換メチルカルボニル化合物:酸化により、カルボニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換したものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロノン−1類、並びに、これらと、ヒドロキシアミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化したオキシムエーテル類をあげる事ができる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的は、アリールスルフィン酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0077】
(c)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、もしくは連鎖移動剤として作用する化合物:例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等が挙げられる。
【0078】
これらの共増感剤のより具体的な例は、例えば、特開平9−236913中に、感度向上を目的とした添加剤として、多く記載されている。以下に、その一部を例示するが、本発明はこれらに限定されるものはない。
【0079】
【化12】
【0080】
これらの共増感剤に関しても、先の増感色素と同様、さらに、平版印刷版用原版の感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素やチタノセン、付加重合性不飽和化合物その他のラジカル発生パートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
これらの共増感剤は、単独でまたは2種以上併用して用いることができる。使用量はエチレン性不飽和二重結合を有する化合物100重量部に対し0.05〜100重量部、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは3〜50重量部の範囲が適当である。
【0081】
(D2)重合禁止剤
また、本発明の感光性組成物においては、以上の基本成分の他に、その製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.01重量%〜約5重量%が好ましい。また平版印刷版用原版等の感光層として塗布する場合、必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で該感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5重量%〜約10重量%が好ましい。
【0082】
(D3)着色剤等
本発明の感光性組成物を平版印刷版用原版等の感光層として用いる場合、さらに、該感光層の着色を目的として染料もしくは顔料を添加してもよい。これにより、平版印刷版用原版としての、製版後の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版性を向上させる事ができる。着色剤としては、多くの染料は光重合系感光層の感度の低下を生じるので、着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5重量%〜約5重量%が好ましい。
【0083】
(D4)その他の添加剤
本発明の感光性組成物を平版印刷版用原版等の感光層に用いる場合、さらに、その硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、その他可塑剤、該感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、バインダーポリマーを使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とバインダーポリマーとの合計重量に対し10重量%以下添加することができる。
【0084】
また、後述する平版印刷版用原版の感光層の膜強度(耐刷性)向上を目的とした、現像後の加熱・露光の効果を強化するための、UV開始剤や、熱架橋剤等の添加もできる。
その他、該感光層と支持体との密着性向上や、未露光感光層の現像除去性を高めるための添加剤、中間層を設ける事を可能である。例えば、ジアゾニウム構造を有する化合物や、ホスホン化合物等、後述の基板と比較的強い相互作用を有する化合物の添加や下塗りにより、密着性が向上し、耐刷性を高める事が可能であり、一方ポリアクリル酸や、ポリスルホン酸のような親水性ポリマーの添加や下塗りにより、非画像部の現像性が向上し、汚れ性の向上が可能となる。
【0085】
本発明の感光性組成物を平版印刷版用原版の感光層として支持体上に塗布する際には、種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50重量%が適当である。
【0086】
前記感光層の支持体被覆量は、主に、感光層の感度、現像性、露光膜の強度・耐刷性に影響しうるもので、用途に応じ適宜選択することが望ましい。被覆量が少なすぎる場合には、耐刷性が十分でなくなる。一方多すぎる場合には、感度が下がり、露光に時間がかかる上、現像処理にもより長い時間を要するため好ましくない。本発明の感光性組成物の主要な使用目的である走査露光用平版印刷版としては、その被覆量は乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.5〜5g/m2である。
【0087】
「支持体」
本発明の感光性組成物の主要な使用目的の一つである、平版印刷版用原版を得るには該感光性組成物からなる感光層を、表面が親水性の支持体上に設ける事が望ましい。親水性の支持体としては、従来公知の平版印刷版用原版に使用される親水性支持体を限定無く使用することができる。使用される支持体は寸度的に安定な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙若しくはプラスチックフィルム等が含まれ、これらの表面にたいし、必要に応じ親水性の付与や、強度向上、等の目的で適切な公知の物理的、化学的処理を施しても良い。
【0088】
特に、好ましい支持体としては、紙、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板があげられ、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であり、必要に応じた表面処理により親水性や強度にすぐれた表面を提供できるアルミニウム板は特に好ましい。また、特公昭48−18327号に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートも好ましい。
【0089】
好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネート又は蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0090】
また金属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合には、粗面化(砂目立て)処理、珪酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理がなされていることが好ましい。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸、硝酸等の電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。また、アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するために、例えば、界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
【0091】
さらに、粗面化したのちに珪酸ナトリウム水溶液に浸漬処理されたアルミニウム板が好ましく使用できる。特公昭47−5125号に記載されているようにアルミニウム板を陽極酸化処理したのちに、アルカリ金属珪酸塩の水溶液に浸漬処理したものが好適に使用される。陽極酸化処理は、例えば、燐酸、クロム酸、硫酸、硼酸等の無機酸、もしくは蓚酸、スルファミン酸等の有機酸またはそれらの塩の水溶液または非水溶液の単独または二種以上を組み合わせた電解液中でアルミニウム板を陽極として電流を流すことにより実施される。
また、米国特許第3658662号に記載されているようなシリケート電着も有効である。
【0092】
さらに、特公昭46−27481号、特開昭52−58602号、特開昭52−30503号に開示されているような電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化処理および珪酸ソーダ処理を組合せた表面処理も有用である。
また、特開昭56−28893号に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレイン、陽極酸化処理さらに珪酸ソーダ処理を順に行ったものも好適である。
【0093】
さらに、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えば硼酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。
さらに特開平7−159983号に開示されているようなラジカルによって付加反応を起こし得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
【0094】
その他好ましい例として、任意の支持体上に表面層として耐水性の親水性層を設けたものも挙げることができる。この様な表面層としては例えばUS3055295や、特開昭56−13168号記載の無機顔料と結着剤とからなる層、特開平9−80744号記載の親水性膨潤層、特表平8−507727号記載の酸化チタン、ポリビニルアルコール、珪酸類からなるゾルゲル膜等を上げる事ができる。
これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とするために施される以外に、その上に設けられる感光性組成物の有害な反応を防ぐため、かつ感光層の密着性の向上等のために施されるものである。
【0095】
「保護層」
本発明の感光性組成物の望ましい使用態様である、走査露光用平版印刷版においては、通常、露光を大気中で行うため、該感光性組成物からなる層の上に、さらに、保護層を設ける事が好ましい。保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従って、この様な保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できる事が望ましい。この様な、保護層に関する工夫が従来よりなされており、米国特許第3、458、311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。
【0096】
保護層に使用できる材料としては例えば、比較的、結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いる事がよく、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが知られていが、これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いる事が、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテルおよびアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100%加水分解され、分子量が300から2400の範囲のものをあげる事ができる。
【0097】
具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等があげられる。
【0098】
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。しかしながら、極端に酸素遮断性を高めると、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。また、画像部との密着性や、耐傷性も版の取り扱い上極めて重要である。即ち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を親油性の重合層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす。
【0099】
これに対し、これら2層間の接着性を改善すべく種々の提案がなされている。たとえば米国特許第292、501号、米国特許第44、563号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョンまたは水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを20〜60重量%混合し、重合層の上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明における保護層に対しては、これらの公知の技術をいずれも適用する事ができる。このような保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,458,311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。
【0100】
さらに、保護層に他の機能を付与する事もできる。例えば、露光に使う、350nmから450nmの光の透過性に優れ、かつ500nm以上の光を効率良く吸収しうる着色剤(水溶性染料等)の添加により、感度低下を起こすことなく、セーフライト適性をさらに高める事ができる。
【0101】
本発明の感光性組成物を用いた感光材料を画像形成材料として使用する際には、通常、画像露光したのち、現像液で感光層の未露光部を除去し、画像を得る。これらの感光性組成物を平版印刷版用原版に使用する際、その好ましい現像液としては、特公昭57−7427号に記載されているような現像液が挙げられ、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤やモノエタノールアミンまたはジエタノールアミンなどのような有機アルカリ剤の水溶液が適当である。このようなアルカリ溶液の濃度が0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%になるように添加される。
【0102】
また、このようなアルカリ性水溶液には、必要に応じて界面活性剤やベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ブトキシエタノールのような有機溶媒を少量含むことができる。例えば、米国特許第3375171号および同第3615480号に記載されているものを挙げることができる。
さらに、特開昭50−26601号、同58−54341号、特公昭56−39464号、同56−42860号の各公報に記載されている現像液も優れている。
【0103】
その他、本発明の感光性組成物を感光層に用いた平版印刷版用原版からの平版印刷版の製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱しても良い。この様な加熱により、該感光層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは全面露光を行う事も有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行う事が好ましい。温度が高すぎると、非画像部迄がかぶってしまう等の問題を生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる。
【0104】
本発明の感光性組成物を感光層に用いた平版印刷版用原版の露光方法は、公知の方法を制限なく用いる事ができる。望ましい、光源の波長は350nmから450nmであり、具体的にはInGaN系半導体レーザが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでも良い。また、該感光層成分は、高い水溶性のものを使用する事で、中性の水や弱アルカリ水に可溶とすることもできるが、この様な構成の平版印刷版用原版は印刷機上に装填後、機上で露光−現像といった方式を行う事もできる。
【0105】
また、本発明による光重合性組成物に対するその他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視および紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
350nm〜450nmの入手可能なレーザー光源としては以下のものを利用することができる。
ガスレーザーとして、Arイオンレーザー(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザー(356nm、351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザー(441nm、325nm、1mW〜100mW)、
固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm、10mW)、
【0106】
半導体レーザー系として、KNbO3リング共振器(430nm、30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)
その他、パルスレーザーとしてN2レーザー(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)
特にこの中でAlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
【0107】
また走査露光方式の平版印刷版露光装置としては、露光機構として内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式があり、光源としては上記光源の中で連続発振可能なものが好ましく利用することができる。現実的には感材感度と製版時間の関係で、以下の露光装置が特に好ましい。
・内面ドラム方式で総出力20mW以上の半導体レーザーとなる様に、ガスレーザーあるいは固体レーザー光源を1個以上使用するシングルビーム〜トリプルビームの露光装置
・フラットベッド方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザー、ガスレーザーあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(1〜10本)の露光装置
・外面ドラム方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザー、ガスレーザーあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(1〜9本)の露光装置
・外面ドラム方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザーあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(10本以上)の露光装置
以上のようなレーザー直描型の平版印刷版においては、一般に感材感度X(J/cm2)、感材の露光面積S(cm2)、レーザー光源1個のパワーq(W)、レーザー本数n、全露光時間t(s)との間に式(eq 1)が成立する。
【0108】
X・S=n・q・t −−(eq 1)
【0109】
i)内面ドラム(シングルビーム)方式の場合
レーザー回転数f(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)の間には一般的に式(eq 2)が成立する。
【0110】
f・Z・t=Lx −−(eq 2)
【0111】
ii)外面ドラム(マルチビーム)方式の場合
ドラム回転数F(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq 3)が成立する。
【0112】
F・Z・n・t=Lx −−(eq 3)
【0113】
iii)フラットヘッド(マルチビーム)方式の場合
ポリゴンミラーの回転数H(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq 4) が成立する。
【0114】
F・Z・n・t=Lx −−(eq 4)
【0115】
実際の印刷版に要求される解像度(2560dpi)、版サイズ(A1/B1、副走査長42inch)、20枚/1時間程度の露光条件と本発明の感光性組成物の感光特性(感光波長、感度:約0.1mJ/cm2)を上記式に代入することで、本発明の感光性組成物を用いた感材においては総出力20mW以上のレーザーを用いたマルチビーム露光方式との組み合わせが特に好ましいことが理解できる。さらに操作性、コスト等を掛け合わせることにより外面ドラム方式の半導体レーザーマルチビーム(10本以上)露光装置との組み合わせが最も好ましいことになる。
【0116】
また、本発明による感光性組成物の用途としては走査露光用平版印刷版の他、広く、光硬化樹脂の用途として知られるものに制限なく適用できる。例えば、必要に応じカチオン重合性化合物と併用した液状の光重合性組成物に適用することで、高感度な光造形用材料が得られる。また、光重合にともなう、屈折率の変化を利用し、ホログラム材料とすることもできる。光重合に伴う、表面の粘着性の変化を利用して様々な転写材料(剥離感材、トナー現像感材等)にも応用できる。マイクロカプセルの光硬化にも適用できる。フォトレジスト等の電子材料製造、インクや塗料、接着剤等の光硬化樹脂材料にも応用できる。
【0117】
さらに、本発明の感光性組成物に含まれるカルバゾール化合物、チタノセンからなる光重合開始系は、感光性に優れ、かつ安定性に優れた光重合開始系であり、上記に詳述した感光性組成物以外にも、種々の利用法を使用することができる。例えば、光による高効率でのラジカル生成は例えば、トリフェニルメタン系ロイコ染料の酸化発色を高感度で引き起こす事ができる。また、ある種のポリメチン系色素に対し、ラジカル付加による消色反応を引き起こすことができる。また、該光重合開始系は光によりラジカルと同時に、酸成分も発生するので、酸により吸収の変化する化合物や、酸により架橋反応を起こす樹脂組成物、酸により分解し溶解性が向上しうる樹脂組成物と組み合わせる事で、高感度な画像形成材料を作成する事ができる。
【0118】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
「実施例1から8、比較例1から6」
(支持体の調製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板を10重量%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20重量%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて1重量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。引き続いて1重量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬後30重量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20重量%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2において、陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように、2分間陽極酸化処理した。その表面粗さを測定したところ、0.3μm (JIS B0601によるRa表示)であった。
【0119】
このように処理された基板の裏面に下記のゾル−ゲル反応液をバーコーターで塗布し100℃で1分間乾燥し、乾燥後の塗布量が70mg/m2のバックコート層を設けた支持体を作成した。
【0120】
ゾル−ゲル反応液
テトラエチルシリケート 50重量部
水 20重量部
メタノール 15重量部
リン酸 0.05重量部
【0121】
上記成分を混合、撹拌すると約5分で発熱が開始した。60分間反応させた後、以下に示す液を加えることによりバックコート塗布液を調製した。
【0122】
【0123】
(感光層の調製)
このように処理されたアルミニウム板上に、下記組成の光重合性組成物を乾燥塗布量が1.0g/m2となるように塗布し、80℃、2分間乾燥させ感光層を形成させた。
【0124】
【0125】
(保護層の調製)
この感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度550)の3重量%の水溶液を乾燥塗布重量が2g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥した。
【0126】
(感光性、セーフライト適性の評価)
この様に得られた平版印刷版用原版上に富士写真フイルム(株)製の富士ステップガイド(△D=0.15で不連続的に透過光学濃度が変化するグレースケール)を密着させ、光学フィルター(ケンコーBP−40)を通したキセノンランプを用い、既知の露光エネルギーとなるように露光を行った。光学フィルターとしては、短波半導体レーザへの露光適性を見積もる目的で、400nmのモノクロミックな光で露光が可能なケンコーBP−40を用いた。その後、下記組成の現像液に25℃、10秒間浸漬し、現像を行い、画像が完全に除去される最高の段数から感度(クリア感度)を算出した(表1)。ここで、クリア感度とは、画像の形成に最低限必要なエネルギーを表し、この値が低いほど高感度である。
【0127】
【表1】
【0128】
この様に、本発明の感光性組成物を用いた平版印刷版用原版は非常に高感度であり、走査露光方式に十分な感度を示す。
また、本発明の感光性組成物に含まれる光重合開始系は増感色素を使用しない場合に比較して、高感度であり、特にチタノセンの添加量が少ない場合においても、十分な感度を示す。
なお、上記実施例1〜8、比較例1〜6で用いた現像液は、下記組成からなるpH13の水溶液である。
【0129】
1Kケイ酸カリウム 3.0 重量部
水酸化カリウム 1.5 重量部
下記式1の化合物 0.2 重量部
水 95.3 重量部
【0130】
【化13】
【0131】
「実施例9〜16、比較例7」
以下の手順で平版印刷版用原版を作製し、印刷性能を評価した。結果を表2に示す。
「支持体の前処理」
厚さ0.3mmの材質1Sのアルミニウム板を8号ナイロンブラシと800メッシュのパミストンの水懸濁液を用い、その表面を砂目だてした後、よく水で洗浄した。10重量%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後、20重量%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。これをVA=12.7Vの条件で、正弦波の交番波形電流を用いて1重量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ、0.45μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
【0132】
「支持体表面の親水化処理」
上記の支持体を、3号ケイ酸ソーダ(SiO2=28〜30%、Na2O=9〜10%、Fe=0.02%以下)の2.5重量%、pH=11.2、70℃の水溶液に13秒浸漬し、続いて水洗した。表面の蛍光X線分析により求めた、Si元素量から、表面シリケート量は10mg/m2と求められた。
【0133】
「中間層の塗設」
上記の親水化支持体表面上に、フェニルホスホン酸の塗布量が20mg/m2となるようにように、下記(A)に示す組成の塗布液を調製し、ホイラーにて180rpmの条件で塗布後、80℃で30秒間乾燥させた。
【0134】
(中間層塗布液A)
フェニルホスホン酸 0.07〜1.4g
メタノール 200 g
【0135】
「感光層の塗設」
上記中間層を設けた支持体上に、下記組成の感光液を調製し、塗布量が1.0〜2.0g/m2になるように、ホイラーで塗布し、100℃で1分間乾燥させた。
【0136】
【0137】
「保護層の塗設」
この感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度550)の3重量%の水溶液を乾燥塗布重量が2g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥した。
「平版印刷版原版の露光」
上記のようにして得られた平版印刷版用原版を、光源として400nmの単色光を用い、版面露光エネルギー密度200μJ/cm2となる様に露光パワーを調節し、ベタ画像露光および、175線/インチ、1%刻みで1から99%となる網点画像露光を行った。
【0138】
「現像/製版」
富士写真フイルム(株)製自動現像機LP−850に所定の現像液(表2中に記載)と富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFP−2Wをそれぞれ仕込み現像液温度30℃、現像時間18秒の条件で露光済みの版を、現像/製版し、平版印刷版を得た。
【0139】
「耐刷性試験」
印刷機としてローランド社製R201を使用し、インキとして大日本インキ社製GEOS−G(N)を使用した。ベタ画像部の印刷物を観察し、画像がかすれはじめた枚数によって耐刷性を調べた。数字が多きほど耐刷性が良い。
「網点耐刷性強制試験」
印刷機としてローランド社製R201を使用し、インキとして大日本インキ社製GEOS−G(N)を使用した。印刷開始から5000枚目に富士写真フイルム(株)製PSプレートクリーナーCL−2を印刷用スポンジにしみこませ、網点部を拭き、版面のインキを洗浄した。その後、10,000枚印刷を行い、印刷物における網点の版飛びの有無を目視で観察した。
【0140】
「汚れ性試験」
印刷機としてローランド社製R201を使用し、インキとして大日本インキ社製GEOS−G(S)を使用した。非画像部(未露光部)の印刷物を観察し、汚れ性を評価した。
【0141】
【表2】
【0142】
(表2中の付加重合性化合物)
(M−1)
ペンタエルスリトールテトラアクリレート
(新中村化学工業(株)製;NKエステルA−TMMT)
(M−2)
グリセリンジメタクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー
(共栄社化学(株)製;UA101H)
【0143】
(表1中のバインダーポリマー)
(B−1)
アリルメタクリレート/メタクリル酸/N−イソプロピルアクリルアミド(共重合モル比67/13/20)
NaOH滴定により求めた実測酸価1.15meq/g
GPC測定より求めた重量平均分子量13万
(B−2)
アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合モル比83/17)
NaOH滴定により求めた実測酸価1.55meq/g
GPC測定より求めた重量平均分子量12.5万
(B−3)
下記ジイソシアネートとジオールの縮重合物であるポリウレタン樹脂
4,4‘−ジフェニルメタンジイソイソシネート(MDI)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)
ポリプロピレングイリコール、重量平均分子量1000(PPG1000)
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニックアシッド(DMPA)
共重合モル比(MDI/HMDI/PPG1000/DMPA)40/10/15/35
NaOH滴定により求めた実測酸価1.05meq/g
GPC測定より求めた重量平均分子量4.5万
【0144】
(表2中の現像液)
(DV−1)
下記組成からなるpH10の水溶液
モノエタノールアミン 0.1 重量部
トリエタノールアミン 1.5 重量部
前記式1の化合物 4.0 重量部
下記式2の化合物 2.5 重量部
下記式3の化合物 0.2 重量部
水 91.7 重量部
【0145】
【化14】
【0146】
(DV−2)
下記組成からなるpH10の水溶液
炭酸水素ナトリウム 1.2 重量部
炭酸ナトリウム 0.8 重量部
上記式1の化合物 3.0 重量部
上記式2の化合物 2.0 重量部
上記式3の化合物 0.2 重量部
水 92.8 重量部
【0147】
(DV−3)
下記組成からなるpH13の水溶液
1Kケイ酸カリウム 3.0 重量部
水酸化カリウム 1.5 重量部
前記式3の化合物 0.2 重量部
水 95.3 重量部
【0148】
表2から明らかな様に、本発明による平版印刷版用原版は走査露光により高い生産性をもって製版可能な条件、即ち、非常に低エネルギーの露光条件によっても、優れた平版印刷版を提供する。一方、本発明の光開始系を用いない、比較例7では、実用可能な平版印刷版は得られなかった。
【0149】
「実施例17」
光開始系を下記のような組成に変え、光重合層の膜厚を1.5g/m2に変えた以外は実施例1〜6と同様に、平版印刷版用原版を調製した。
【0150】
光開始系 光重合層全固形分中の含有量
増感色素 D14 1.2wt%
チタノセン T−2 1.5wt%
共増感剤 H−1 7.0wt%
【0151】
得られた平版印刷版用原版に対し、発振波長400nmのInGaN系半導体レーザを用い、版面でのビーム系25μm、露光エネルギー密度0.2mJ/cm2となる条件で、走査露光を行った。次に、版を100℃で、10秒間加熱後、先述の現像処理を実施した。
視認性に優れた、青色の画像を有する平版印刷版が得られた。得られた版を用い、ハイデルベルグ社KOR−D機を用い、オフセット印刷を実施したところ、画像濃度、汚れ性に優れた印刷物を5万枚以上得ることができた。
【0152】
「実施例18」
実施例17の版を、湿度65%、45℃の強制保存条件下で3日間保存後、実施例17と同様に、製版・印刷を実施した。実施例17と同様の良好な結果が得られた。
「実施例19」
一般的に用いられる、セーフライトの発光強度分布を測定し、短波側での発光強度分布の立ち上がる位置(短波端)を測定した。また、それぞれのセーフライト下での作業性を評価した。
【0153】
【表3】
【0154】
この様に、作業性を考慮すると黄色灯が望まれ、黄色灯下での取り扱い可能な感材は、少なくとも520nm、望ましく490nmより長波での感光性が低い事が必要であるが、本発明の色素群は400nm付近に吸収極大を持つために、この点でも利点を持つ。
【0155】
「実施例20」
光開始系を下記のような組成に変え、光重合層の膜厚を2.0g/m2に変えた以外は実施例17と同様に、平版印刷版用原版を調製した。
【0156】
光開始系 光重合層全固形分中の含有量
増感色素 D14 1.5wt%
チタノセン T−2 1.5wt%
共増感剤 H−1 5.0wt%
【0157】
得られた平版印刷版用原版に対し、発振波長400nmのInGaN系半導体レーザを用い、版面でのビーム系25μm、露光エネルギー密度0.15mJ/cm2となる条件で、走査露光を行った。次に、版を100℃で、10秒間加熱後、先述の現像処理を実施した。視認性に優れた、青色の画像を有する平版印刷版が得られた。得られた版を、さらに、300℃で5分間加熱後、ハイデルベルグ社KOR−D機を用い、オフセット印刷を実施したところ、画像濃度、汚れ性に優れた印刷物を20万枚以上得ることができた。
【0158】
「実施例21」
実施例20の版を露光前に黄色灯下に30分間さらした後、全く同様に製版・印刷を実施した。実施例20と全く同様の良好な結果が得られた。
「比較例8」
実施例17において増感色素をD14(極大吸収波長410nm)からH4(極大吸収波長500nm)に変えた以外は、実施例17と同様にして平版印刷版用原版を調製した。得られた平版印刷版用原版を、実施例17と同様に、発振波長400nmのInGaN系半導体レーザを用いて製版してみたところ、画像流れという結果になった。また、得られた平版印刷版用原版を実施例21と同様にして、露光前に黄色灯下に30分間さらした後、全く同様に製版・印刷を実施したところ、全面ベタとなり、カブリが発生した。
なお、本実施例中のカルバゾール系増感色素の構造は本明細書中に例示したものであり、その他の化合物の構造は以下の通りである。
【0159】
【化15】
【0160】
【発明の効果】
本発明の感光性組成物を用いた平版印刷版用原版はInGaNの様な短波長の半導体レーザによる走査露光に適した十分な感度を有し、かつ耐刷性・汚れ性に優れた平版印刷版を与える。本発明の感光性組成物を用いた走査露光用平版印刷版用原版は、黄色灯下でのカブリが著しく改良されており、版を取り扱う作業性が大幅に改善する事ができる。また、本発明の感光性組成物は感度に優れると同時に、非常に保存安定性に優れたものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a photosensitive composition containing a novel photopolymerization initiation system, in particular, a photopolymerization initiation system having high sensitivity and excellent stability. The present invention also particularly relates to a photosensitive composition that is excellent as a material for a lithographic printing plate precursor capable of making a plate by scanning exposure based on a digital signal.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a lithographic printing plate, a PS plate having a configuration in which a lipophilic photosensitive resin layer is provided on a hydrophilic support is widely used. As a plate making method, mask exposure (surface exposure) is usually performed through a lithographic film. After exposure), the desired printing plate was obtained by dissolving and removing the non-image area.
In recent years, digitization techniques that electronically process, store, and output image information using a computer have become widespread. Various new image output methods corresponding to such digitization technology have come into practical use. As a result, computer-to-plate (CTP) technology that scans highly directional light such as laser light according to digitized image information and directly produces a printing plate without going through a lithographic film is eagerly desired. Obtaining a printing plate precursor adapted to this is an important technical issue.
[0003]
As one of the methods for obtaining such a lithographic printing plate capable of scanning exposure, an ink-receptive photosensitive resin layer (hereinafter referred to as a photosensitive layer) provided on a hydrophilic support has been excellent in photosensitive speed. A configuration using a photopolymerization composition has been proposed and is already on the market. The original plate having such a constitution has a desirable printing plate and printing performance such that the development process is simple, and further, the resolution, the inking property, the printing durability, and the stain resistance are excellent.
[0004]
The photopolymerizable composition basically comprises an ethylenically unsaturated compound, a photopolymerization initiating system, and a binder resin. Image formation is performed by the photoinitiating system absorbing light and generating active radicals. It causes addition polymerization and causes insolubilization of the photosensitive layer. Most previous proposals for photopolymerizable compositions capable of scanning exposure disclosed the use of photoinitiating systems with excellent photosensitivity, for example, Bruce M. Monroe et al., Chemical Revue, 93, 435 ( 1993) and RSD Davidson, Journal of Photochemistry and biology A: Chemistry, 73.81 (1993).
[0005]
For the conventional CTP system using a photopolymerizable composition comprising these photoinitiating systems and a long-wavelength visible light source such as an Ar laser (488 nm) or an FD-YAG laser (532 nm) as a light source, In order to increase productivity, it is desired to write at higher speed, but the purpose is not achieved because the output of the light source is not sufficiently high and the sensitivity of the light-sensitive material is not sufficiently high.
[0006]
On the other hand, in recent years, for example, a semiconductor laser using an InGaN-based material and capable of continuous oscillation in a 350 nm to 450 nm region has become a practical stage. The scanning exposure system using these short-wave light sources has an advantage that an economical system can be constructed while having a sufficient output because a semiconductor laser can be manufactured at a low cost because of its structure. Furthermore, a light-sensitive material having a short photosensitive area capable of working under a brighter safelight can be used as compared with a system using a conventional FD-YAG or Ar laser.
[0007]
However, no photoinitiation system having a sufficient sensitivity for scanning exposure in a short wavelength region of 350 nm to 450 nm is known to date.
Conventionally, an initiation system in which a specific dye and a titanocene compound are combined has been disclosed as a relatively sensitive photoinitiation system. Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-230913 discloses a combination of a carbazole derivative and a titanocene photoinitiator, but is not suitable for a short wavelength light source because of its long absorption wavelength. Japanese Laid-Open Patent Publication No. 9-80750 discloses a combination of a styryl dye and titanocene, which is certainly high sensitivity but not sufficient. JP-A-62-212643 and JP-A-63-32540 have a combination of a carbazole derivative and a triazine photoinitiator, and JP-A-63-32539 has a combination of a carbazole derivative and an iodonium salt photoinitiator. Although 325401 discloses a combination of a carbazole derivative and a thioxanthone type photoinitiator, sufficient sensitivity for practical use was not obtained, and there was a problem in storage stability.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a photosensitive composition which is excellent in workability and economy and is used as a material for a lithographic printing plate for scanning exposure suitable for a CTP system. On the other hand, it is intended to provide a photosensitive composition used as a material for a lithographic printing plate precursor having high sensitivity. Another object of the present invention is to provide a photosensitive composition that uses a novel photopolymerization initiation system that is highly sensitive to wavelengths from 350 nm to 450 nm.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive investigations to achieve the above object, the present inventors have found that light having excellent sensitivity and stability is obtained when a carbazole compound represented by the following general formula (1) and a titanocene compound are combined. It has been found that a polymerization initiation system can be obtained, and in particular, a photopolymerization initiation system suitable for exposure at 350 to 450 nm can be obtained. Furthermore, from this photopolymerization initiation system and a compound that reacts with radicals or acids to change and maintain its physical or chemical properties, specifically, an addition polymerizable compound having an ethylenically unsaturated double bond A lithographic printing plate precursor that has sufficient sensitivity to the oscillation wavelength of a short-wave semiconductor laser and that can be handled even under a bright safelight. It has been found that it can be obtained and has reached the present invention.
[0010]
General formula (1)
[Chemical Formula 3]
[0011]
[In general formula (1), R1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8And R9Each independently represents a hydrogen atom or a monovalent nonmetallic atomic group. However, R1And RThreeAt least one of these is represented by a monovalent organic residue represented by the following partial structural formula (1). R1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8And R9Can be linked independently to form an aliphatic or aromatic ring.
[0012]
Partial structural formula (1)
[Formula 4]
[0013]
(In the partial structural formula (1), RTenRepresents a hydrogen atom or a monovalent nonmetallic atomic group, and Z is a divalent nonmetallic necessary for forming an optionally substituted 5-membered ring acidic nucleus in cooperation with an adjacent atom. Represents an atomic group. RTenR1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8Or R9To form an aliphatic or aromatic ring. )]
[0014]
The photosensitive composition of the present invention reacts with a carbazole compound represented by the general formula (1) (hereinafter also simply referred to as a carbazole compound) and a titanocene compound by a radical or an acid, and has a physical or chemical property. Consists of compounds that are retained in change.
The photosensitive composition of the present invention has been found to significantly improve the sensitivity particularly in the wavelength region corresponding to the absorption band of the carbazole compound by simultaneously using both the carbazole compound and the titanocene compound. Although the functions of the two compounds in the present invention are not clear, the carbazole compound functions as a sensitizing dye, absorbs exposure light, generates an excited state, and promotes initiation radical generation from the coexisting titanocene compound. (This process is hereinafter referred to as dye sensitization).
[0015]
One reason why the sensitizing dye of the present invention is particularly excellent is that its absorption wavelength is in the 350 to 450 nm region. In addition, many of the titanocene compounds described below themselves have weak absorption in the wavelength region from ultraviolet to around 500 nm, and also have photosensitivity there. However, the sensitizing dye having a specific structure of the present invention has no photosensitivity to titanocene. In order to improve significantly, for example, by using a relatively small amount of titanocene compound, it is possible to sufficiently increase the sensitivity in the short wave while simultaneously reducing the sensitivity of the titanocene itself in the 500 nm region. Therefore, the suitability for safelight can be improved. The present inventors have found that the above characteristics can be obtained when the sensitizing dye satisfies the following structural characteristics, and have reached the present invention. That is, it was found that very high sensitivity and excellent absorption characteristics can be obtained when the basic nucleus of the styryl dye has a carbazole structure and the acidic nucleus has a 5-membered carbonyl structure. Here, the definition of “acid nucleus” is described in Chapter 8 of T. H. James, “The Theory of The Photographic Process” fourth edition Macmillan. Sensitizing dyes typified by merocyanine generally have 1) basic (electron-donating) and 2) acidic (electron-accepting) heterocycles, but 1) basic (electron-donating) heterocycles. The ring is called a basic nucleus, and the acidic (electron-accepting) heterocycle of 2) is called an acidic nucleus. Many examples of acidic and basic nuclei are described in Chapter 8 of the aforementioned T. H. James, “The Theory of The Photographic Process” fourth edition Macmillan.
[0016]
The reason why the sensitizing dye having a specific structure in the present invention is particularly excellent in dye sensitizing ability cannot be described in detail because the mechanism of dye sensitization is unknown, but can be considered as follows. That is, the sensitizing dye of the present invention exhibits a high-intensity emission (fluorescence or phosphorescence) spectrum. From this, one possibility is that the sensitizing dye of the present invention having the partial structure (1) has a relatively long lifetime in the excited state, so that the reaction with the activator is effective. It is possible that
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described in detail.
"A. Photopolymerization initiation system"
The photopolymerization initiation system used in the photosensitive composition of the present invention comprises a carbazole sensitizing dye and a titanocene compound.
(A1) Sensitizing dye
The carbazole-based sensitizing dye constituting the photopolymerization initiation system used in the photosensitive composition of the present invention is represented by the following general formula (1).
[0018]
General formula (1)
[Chemical formula 5]
[0019]
[In general formula (1), R1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8And R9Each independently represents a hydrogen atom or a monovalent nonmetallic atomic group. However, R1And RThreeAt least one of these is represented by a monovalent organic residue represented by the following partial structural formula (1). R1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8And R9Can be linked independently to form an aliphatic or aromatic ring.
[0020]
Partial structural formula (1)
[Chemical 6]
[0021]
(In the partial structural formula (1), RTenRepresents a hydrogen atom or a monovalent nonmetallic atomic group, and Z is a divalent nonmetallic necessary for forming an optionally substituted 5-membered ring acidic nucleus in cooperation with an adjacent atom. Represents an atomic group. Also RTenR1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8Or R9To form an aliphatic or aromatic ring. )]
[0022]
The general formula (1) and the partial structural formula (1) will be described in detail. R1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8, R9And RTenEach independently represents a hydrogen atom or a monovalent non-metallic atomic group, preferably a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, a substituted or unsubstituted group. An aromatic heterocyclic residue, a substituted or unsubstituted alkoxy group, a substituted or unsubstituted alkylthio group, a hydroxy group, and a halogen atom are represented.
[0023]
R1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8, R9And RTenA preferred example will be specifically described. Examples of preferable alkyl groups include linear, branched, and cyclic alkyl groups having 1 to 20 carbon atoms. Specific examples thereof include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, Butyl, pentyl, hexyl, heptyl, octyl, nonyl, decyl, undecyl, dodecyl, tridecyl, hexadecyl, octadecyl, eicosyl, isopropyl, isobutyl, s-butyl, Examples thereof include t-butyl group, isopentyl group, neopentyl group, 1-methylbutyl group, isohexyl group, 2-ethylhexyl group, 2-methylhexyl group, cyclohexyl group, cyclopentyl group and 2-norbornyl group. Of these, linear alkyl groups having 1 to 12 carbon atoms, branched alkyl groups having 3 to 12 carbon atoms, and cyclic alkyl groups having 5 to 10 carbon atoms are more preferable.
[0024]
As the substituent of the substituted alkyl group, a monovalent nonmetallic atomic group excluding hydrogen is used, and preferred examples include a halogen atom (—F, —Br, —Cl, —I), a hydroxyl group, an alkoxy group, Aryloxy group, mercapto group, alkylthio group, arylthio group, alkyldithio group, aryldithio group, amino group, N-alkylamino group, N, N-dialkylamino group, N-arylamino group, N, N-diarylamino group N-alkyl-N-arylamino group, acyloxy group, carbamoyloxy group, N-alkylcarbamoyloxy group, N-arylcarbamoyloxy group, N, N-dialkylcarbamoyloxy group, N, N-diarylcarbamoyloxy group, N-alkyl-N-arylcarbamoyloxy group, alkylsulfoxy group,
[0025]
Arylsulfoxy group, acylthio group, acylamino group, N-alkylacylamino group, N-arylacylamino group, ureido group, N′-alkylureido group, N ′, N′-dialkylureido group, N′-arylureido Group, N ′, N′-diarylureido group, N′-alkyl-N′-arylureido group, N-alkylureido group, N-arylureido group, N′-alkyl-N-alkylureido group, N′- Alkyl-N-arylureido group, N ', N'-dialkyl-N-alkylureido group, N', N'-dialkyl-N-arylureido group, N'-aryl-N-alkylureido group, N'- Aryl-N-arylureido group, N ′, N′-diaryl-N-alkylureido group, N ′, N′-diaryl-N-ary Ruureido group, N'- alkyl -N'- aryl -N- alkylureido group, N'- alkyl -N'- aryl -N- arylureido group,
[0026]
Alkoxycarbonylamino group, aryloxycarbonylamino group, N-alkyl-N-alkoxycarbonylamino group, N-alkyl-N-aryloxycarbonylamino group, N-aryl-N-alkoxycarbonylamino group, N-aryl-N -Aryloxycarbonylamino group, formyl group, acyl group, carboxyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, N-alkylcarbamoyl group, N, N-dialkylcarbamoyl group, N-arylcarbamoyl group, N, N-diarylcarbamoyl group, N-alkyl-N-arylcarbamoyl group,
[0027]
Alkylsulfinyl group, arylsulfinyl group, alkylsulfonyl group, arylsulfonyl group, sulfo group (-SOThreeH) and conjugated base groups thereof (hereinafter referred to as sulfonate groups), alkoxysulfonyl groups, aryloxysulfonyl groups, sulfinamoyl groups, N-alkylsulfinamoyl groups, N, N-dialkylsulfinamoyl groups, N-aryls Rufinamoyl group, N, N-diarylsulfinamoyl group, N-alkyl-N-arylsulfinamoyl group, sulfamoyl group, N-alkylsulfamoyl group, N, N-dialkylsulfamoyl group, N-aryl Sulfamoyl group, N, N-diarylsulfamoyl group, N-alkyl-N-arylsulfamoyl group,
[0028]
Phosphono group (-POThreeH2) And conjugated base groups thereof (hereinafter referred to as phosphonate groups), dialkylphosphono groups (—POThree(alkyl)2), Diarylphosphono group (—POThree(aryl)2), An alkylarylphosphono group (—POThree(alkyl) (aryl)), monoalkylphosphono group (—POThreeH (alkyl)) and its conjugate base group (hereinafter referred to as alkyl phosphonate group), monoaryl phosphono group (—POThreeH (aryl)) and its conjugate base group (hereinafter referred to as aryl phosphonate group), phosphonooxy group (-OPOThreeH2) And conjugated base groups thereof (hereinafter referred to as phosphonatooxy groups), dialkylphosphonooxy groups (—OPO)Three(alkyl)2), Diarylphosphonooxy group (-OPOThree(aryl)2), An alkylarylphosphonooxy group (—OPOThree(alkyl) (aryl)), monoalkylphosphonooxy group (—OPOThreeH (alkyl)) and its conjugate base group (hereinafter referred to as alkyl phosphonatooxy group), monoaryl phosphonooxy group (—OPO)ThreeH (aryl)) and its conjugate base group (hereinafter referred to as arylphosphonatooxy group), cyano group, nitro group, aryl group, heteroaryl group, alkenyl group and alkynyl group.
[0029]
Specific examples of the alkyl group in these substituents include the above-described alkyl groups, and specific examples of the aryl group include a phenyl group, a biphenyl group, a naphthyl group, a tolyl group, a xylyl group, a mesityl group, and a cumenyl group. , Chlorophenyl group, bromophenyl group, chloromethylphenyl group, hydroxyphenyl group, methoxyphenyl group, ethoxyphenyl group, phenoxyphenyl group, acetoxyphenyl group, benzoyloxyphenyl group, methylthiophenyl group, phenylthiophenyl group, methylamino Phenyl group, dimethylaminophenyl group, acetylaminophenyl group, carboxyphenyl group, methoxycarbonylphenyl group, ethoxyphenylcarbonyl group, phenoxycarbonylphenyl group, N-phenylcarbamoylphenyl group, cyanophene Group, sulfophenyl group, sulfonatophenyl group, phosphonophenyl phenyl group, and a phosphonophenyl phenyl group.
[0030]
As the heteroaryl group, a monocyclic or polycyclic aromatic ring containing at least one of nitrogen, oxygen and sulfur atoms is used. Examples of particularly preferred heteroaryl groups include thiophene, thiathrene, furan, Pyran, isobenzofuran, chromene, xanthene, phenoxazine, pyrrole, pyrazole, isothiazole, isoxazole, pyrazine, pyrimidine, pyridazine, indolizine, isoindolizine, indoyl, indazole, purine, quinolidine, isoquinoline, phthalazine, naphthyridine, Quinazoline, sinoline, pteridine, carbazole, carboline, phenanthrine, acridine, perimidine, phenanthroline, phthalazine, phenazazine, phenoxazine, furazane, phenoxazine, etc. These further may be benzo-fused or may have a substituent.
[0031]
Examples of alkenyl groups include vinyl, 1-propenyl, 1-butenyl, cinnamyl, 2-chloro-1-ethenyl, etc. Examples of alkynyl include ethynyl, 1 -Propynyl group, 1-butynyl group, trimethylsilylethynyl group and the like.
[0032]
Acyl group (G1G in CO-)1Examples thereof include hydrogen, and the above alkyl groups and aryl groups.
Among these substituents, even more preferred are halogen atoms (—F, —Br, —Cl, —I), alkoxy groups, aryloxy groups, alkylthio groups, arylthio groups, N-alkylamino groups, N, N— Dialkylamino group, acyloxy group, N-alkylcarbamoyloxy group, N-arylcarbamoyloxy group, acylamino group, formyl group, acyl group, carboxyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, N-alkylcarbamoyl group N, N-dialkylcarbamoyl group, N-arylcarbamoyl group, N-alkyl-N-arylcarbamoyl group, sulfo group, sulfonate group, sulfamoyl group, N-alkylsulfamoyl group, N, N-dialkylsulfamoyl group Group, N-arylsulfa Yl group, N-alkyl-N-arylsulfamoyl group, phosphono group, phosphonate group, dialkyl phosphono group, diaryl phosphono group, monoalkyl phosphono group, alkyl phosphonate group, monoaryl phosphono group, aryl phosphine group Examples include an onato group, a phosphonooxy group, a phosphonateoxy group, an aryl group, and an alkenyl group.
[0033]
On the other hand, examples of the alkylene group in the substituted alkyl group include a divalent organic residue obtained by removing any one of the hydrogen atoms on the alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. Can include linear alkylene groups having 1 to 12 carbon atoms, branched chains having 3 to 12 carbon atoms, and cyclic alkylene groups having 5 to 10 carbon atoms.
[0034]
R obtained by combining the substituent and an alkylene group1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8, R9And RTenThe substituents of the preferred substituted alkyl group are arbitrary, but specific examples of the preferred substituted alkyl group include chloromethyl group, bromomethyl group, 2-chloroethyl group, trifluoromethyl group, methoxymethyl group, methoxyethoxyethyl group. Allyloxymethyl group, phenoxymethyl group, methylthiomethyl group, tolylthiomethyl group, ethylaminoethyl group, diethylaminopropyl group, morpholinopropyl group, acetyloxymethyl group, benzoyloxymethyl group,
[0035]
N-cyclohexylcarbamoyloxyethyl group, N-phenylcarbamoyloxyethyl group, acetylaminoethyl group, N-methylbenzoylaminopropyl group, 2-oxoethyl group, 2-oxopropyl group, carboxypropyl group, methoxycarbonylethyl group, allyl Oxycarbonylbutyl group, chlorophenoxycarbonylmethyl group, carbamoylmethyl group, N-methylcarbamoylethyl group, N, N-dipropylcarbamoylmethyl group, N- (methoxyphenyl) carbamoylethyl group, N-methyl-N- (sulfo) Phenyl) carbamoylmethyl group, sulfobutyl group, sulfonatobutyl group, sulfamoylbutyl group, N-ethylsulfamoylmethyl group, N, N-dipropylsulfamoylpropyl group, N-tolylsulfamoyl group Propyl group,
[0036]
N-methyl-N- (phosphonophenyl) sulfamoyloctyl group, phosphonobutyl group, phosphonatohexyl group, diethylphosphonobutyl group, diphenylphosphonopropyl group, methylphosphonobutyl group, methylphosphonatobutyl group , Tolylphosphonohexyl group, tolylphosphonatohexyl group, phosphonooxypropyl group, phosphonateoxybutyl group, benzyl group, phenethyl group, α-methylbenzyl group, 1-methyl-1-phenylethyl group, p-methyl Benzyl group, cinnamyl group, allyl group, 1-propenylmethyl group, 2-butenyl group, 2-methylallyl group, 2-methylpropenylmethyl group, 2-propynyl group, 2-butynyl group, 3-butynyl group, etc. be able to.
[0037]
R1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8, R9And RTenSpecific examples of preferred aryl groups include those in which 1 to 3 benzene rings form a condensed ring, and those in which a benzene ring and a 5-membered unsaturated ring form a condensed ring. Includes a phenyl group, a naphthyl group, an anthryl group, a phenanthryl group, an indenyl group, an acenaphthenyl group, and a fluorenyl group, and among these, a phenyl group and a naphthyl group are more preferable.
[0038]
R1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8, R9And RTenSpecific examples of the preferred substituted aryl group include those having a monovalent nonmetallic atomic group excluding hydrogen as a substituent on the ring-forming carbon atom of the aryl group. Examples of preferred substituents include the alkyl groups, substituted alkyl groups, and those previously shown as substituents in the substituted alkyl group. Preferred examples of such a substituted aryl group include biphenyl group, tolyl group, xylyl group, mesityl group, cumenyl group, chlorophenyl group, bromophenyl group, fluorophenyl group, chloromethylphenyl group, trifluoromethylphenyl group. Hydroxyphenyl group, methoxyphenyl group, methoxyethoxyphenyl group, allyloxyphenyl group, phenoxyphenyl group, methylthiophenyl group, tolylthiophenyl group, ethylaminophenyl group, diethylaminophenyl group, morpholinophenyl group, acetyloxyphenyl group, Benzoyloxyphenyl group, N-cyclohexylcarbamoyloxyphenyl group, N-phenylcarbamoyloxyphenyl group, acetylaminophenyl group, N-methylbenzoylaminophenyl group, carbo Cyphenyl group, methoxycarbonylphenyl group, allyloxycarbonylphenyl group, chlorophenoxycarbonylphenyl group, carbamoylphenyl group, N-methylcarbamoylphenyl group, N, N-dipropylcarbamoylphenyl group, N- (methoxyphenyl) carbamoylphenyl group N-methyl-N- (sulfophenyl) carbamoylphenyl group,
[0039]
Sulfophenyl group, sulfonatophenyl group, sulfamoylphenyl group, N-ethylsulfamoylphenyl group, N, N-dipropylsulfamoylphenyl group, N-tolylsulfamoylphenyl group, N-methyl-N- (Phosphonophenyl) sulfamoylphenyl group, phosphonophenyl group, phosphonatophenyl group, diethylphosphonophenyl group, diphenylphosphonophenyl group, methylphosphonophenyl group, methylphosphonatophenyl group, tolylphosphonophenyl group , Tolylphosphonate phenyl group, allyl group, 1-propenylmethyl group, 2-butenyl group, 2-methylallylphenyl group, 2-methylpropenylphenyl group, 2-propynylphenyl group, 2-butynylphenyl group, 3- List butynylphenyl groups, etc. It can be.
[0040]
Next, Z in the general formula (1) and the partial structural formula (1) will be described. Z represents a divalent nonmetallic atomic group necessary for forming a 5-membered ring acidic nucleus which may have a substituent in cooperation with an adjacent atom. Specific examples of the acidic nucleus include 1, 3 -Dicarbonyl nucleus (for example, 1,3-indandione, 1,3-dioxane-4,6-dione, etc.), pyrazolinone nucleus (for example, 3-methyl-1-phenyl-2-pyrazolin-5-one, 1 -Phenyl-2-pyrazolin-5-one, 1- (2-benzothiazolyl) -3-methyl-2-pyrazolin-5-one, etc.), isoxazolinone nucleus (for example, 3-phenyl-2-isoxazoline- 5-one, 3-methyl-2-isoxazolin-5-one, etc.), oxindole nucleus (for example, 1-alkyl-2,3-dihydro-2-oxindole, etc.), 2-thio-2,4- Thiazolidinedione nucleus (for example, , Rhodanine and its N-substituted derivatives, such as 3-methyl rhodanine, 3-ethyl rhodanine, 3-phenyl rhodanine, 3-allyl rhodanine, 3-benzyl rhodanine, 3-carboxymethyl rhodanine, 3-carboxy Ethyl rhodanine, 3-methoxycarbonylmethyl rhodanine, 3-hydroxyethyl rhodanine, 3-morpholinoethyl rhodanine, etc.), 2-thio-2,4-oxazolidinedione nucleus (ie 2-thio-2,4) -(3H, 4H) -oxazoledione nuclei, such as 2-ethyl-2-thio-2,4-oxazolidinedione, etc., thianaphthenone nuclei (for example, 3 (2H) -thianaphthenone, 3 (2H) -thianoftenone-1 , 1-dioxide etc.), 2-thio-2,5-thiazolidinedione nucleus (for example, 3-ethi -2-thio-2,5-thiazolidinedione), 2,4-thiazolidinedione nucleus (for example, 2,4-thiazolidinedione, 3-ethyl-4-thiazolidinedione, 3-phenyl-2,4-thiazolidinedione) Etc.), thiazolidinone nucleus (for example, 4-thiazolidinone, 3-ethyl-4-thiazolidinone, 2-ethylmercapto-4-thiazolidinone, 2-methylphenylamino-4-thiazolidinone, etc.), 2-imino-2-oxazoline-4 -One nucleus (i.e. pseudohydantoin nucleus), 2,4-imidazolidinedione nucleus (i.e. hydantoin nucleus, e.g. 2,4-imidazolidinedione, 3-ethyl-2,4-imidazolidinedione, 1,3 -Diethyl-2,4-imidazolidinedione, etc.), 2-thio-2,4-imidazolidinedione nucleus (ie Ohydantoin nuclei such as 2-thio-2,4-imidazolidinedione, 3-ethyl-2-thio-2,4-imidazolidinedione, 1,3-diethyl-2-thio-2,4-imidazolidine Dione etc.), imidazolin-5-one nucleus (eg 2-propylmercapto-2-imidazolin-5-one etc.), furan-5-one nucleus, thioindoxyl nucleus (eg 5-methylthioindoxyl etc.) These acidic nuclei may further have a substituent.
[0041]
Among the carbazole-based sensitizing dyes represented by the general formula (1) and the partial structural formula (1) described above, dyes having structures represented by the following general formulas (2) to (6) are highly sensitized. It is particularly preferable because it gives a photosensitive composition that has sensitivity and also excellent storage stability.
[0042]
[Chemical 7]
[0043]
(In the general formulas (2) to (6), R1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8, R9And RTenIs synonymous with that in the general formula (1) and the partial structural formula (1).1, X2, XThreeAnd XFourEach independently represents an O atom, S atom or N R20, Y is an O atom, S atom or N Rtwenty oneRepresents R11~ Rtwenty oneAre each independently a hydrogen atom or a monovalent nonmetallic atomic group, and can be bonded to each other to form an aliphatic or aromatic ring which may have a substituent. )
[0044]
General formulas (2) to (6) will be described in detail. In the general formulas (2) to (6), R1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8, R9And RTenIs as defined in general formula (1), and R11~ Rtwenty oneEach independently represents a hydrogen atom or a monovalent nonmetallic atomic group, preferably a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, a substituted or unsubstituted group. A heteroaryl group, a substituted or unsubstituted alkoxy group, a substituted or unsubstituted alkylthio group, a hydroxyl group, and a halogen atom are represented. R13~ R19Can be bonded to each other to form an aliphatic or aromatic ring which may have a substituent. R11~ Rtwenty oneAs a preferable example of R, R in the general formula (1)1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8, R9And RTenExamples similar to those described in the explanation of the above are given.
[0045]
In general formulas (2) to (6), X1, X2, XThreeAnd XFourEach independently represents an O atom, S atom or N R20Y represents O atom, S atom or N Rtwenty oneRepresents.
[0046]
The sensitizing dyes represented by the general formulas (1) to (6) are a condensation of an acidic nucleus as shown above, an acidic nucleus having an active methylene group, and a substituted or unsubstituted carbazole carbaldehyde. Although obtained by reaction, these can be synthesized with reference to JP-B-59-28329.
Preferred specific examples (D1) to (D31) of the compound represented by the general formula (1) are shown below, but the present invention is not limited thereto. In addition, the isomer due to the double bond connecting the acidic nucleus and the carbazole skeleton is not clear, and the present invention is not limited to either isomer.
[0047]
[Chemical 8]
[0048]
[Chemical 9]
[0049]
[Chemical Formula 10]
[0050]
Embedded image
[0051]
Regarding the carbazole-based sensitizing dye contained in the photosensitive composition of the present invention, when it is used as a lithographic printing plate precursor, various chemical modifications can be made to improve the characteristics of the photosensitive layer. . For example, by combining the sensitizing dye and an addition polymerizable compound structure (for example, acryloyl group or methacryloyl group) by a method such as covalent bond, ionic bond, hydrogen bond, and the like, It is possible to suppress unnecessary precipitation of the dye from the film after exposure. In addition, the sensitizing dye and titanocene compounds described later and other radical generating parts (for example, reductive decomposable sites such as alkyl halides, oniums, peroxides, biimidazoles, oniums, biimidazoles, borates, amines, trimethylsilyls) The photosensitivity at a low concentration of the photopolymerization initiating system can be remarkably enhanced by the combination with oxidatively cleavable sites such as methyl, carboxymethyl, carbonyl, and imine. Furthermore, for the purpose of improving the processability to an (alkali) aqueous developer, which is a preferred use mode of a lithographic printing plate precursor using the photosensitive composition of the present invention, a hydrophilic site (carboxyl group and its It is effective to introduce an ester, a sulfonic acid group and an acid group or a polar group such as an ester or an ethylene oxide group. In particular, ester-type hydrophilic groups have a relatively hydrophobic structure in the photosensitive layer of a lithographic printing plate precursor, so that they are excellent in compatibility. In the developer, acid groups are generated by hydrolysis, and thus hydrophilic. Has the characteristic of increasing. In addition, for example, a substituent can be appropriately introduced in order to improve the compatibility of the lithographic printing plate precursor in the photosensitive layer and to suppress crystal precipitation. For example, in certain types of photosensitive systems, unsaturated bonds such as aryl groups and allyl groups may be very effective in improving compatibility. By introducing the obstacle, crystal precipitation can be remarkably suppressed. In addition, by introducing a phosphonic acid group, an epoxy group, a trialkoxysilyl group, or the like, adhesion to an inorganic substance such as a metal or a metal oxide can be improved. In addition, a method such as polymerization of a sensitizing dye can be used depending on the purpose.
[0052]
Details of the usage such as which structure of these sensitizing dyes are used, whether they are used alone or in combination of two or more, and how much is added, can be appropriately set according to the performance design of the final photosensitive material. . For example, the compatibility of the lithographic printing plate precursor with the photosensitive layer can be increased by using two or more sensitizing dyes in combination. In selecting the sensitizing dye, in addition to the photosensitivity, the molar extinction coefficient at the emission wavelength of the light source used is an important factor. By using a dye having a large molar extinction coefficient, the amount of the dye added can be made relatively small, which is economical and advantageous from the viewpoint of film physical properties of the photosensitive layer. Since the photosensitivity and resolution of the photosensitive layer and the physical properties of the exposure film are greatly affected by the absorbance at the light source wavelength, the addition amount of the sensitizing dye is appropriately selected in consideration of these. For example, the sensitivity decreases in a low region where the absorbance is 0.1 or less. Also, the resolution becomes low due to the influence of halation. However, for the purpose of curing a thick film of, for example, 5 μm or more, there are cases where such a low absorbance can be increased instead. In the region where the absorbance is as high as 3 or more, most of the light is absorbed on the surface of the photosensitive layer, and the internal curing is further inhibited. For example, when used as a printing plate, the film strength and the substrate adhesion are poor. It will be insufficient. When used as a lithographic printing plate precursor used in a relatively thin film thickness, the addition amount of the sensitizing dye is such that the absorbance of the photosensitive layer is in the range of 0.1 to 1.5, preferably 0.25 to 1. It is preferable to set the range. When used as a lithographic printing plate precursor, this is generally 0.05 to 30 parts by weight, preferably 0.1 to 20 parts by weight, more preferably 0.2 to 100 parts by weight of the photosensitive layer component. It is the range of -10 weight part.
[0053]
(A2) Titanocene compound
The titanocene compound used as the photopolymerization initiation system in the photosensitive composition of the present invention may be any titanocene compound that can generate an active radical when irradiated with light in the presence of the sensitizing dye. Well, for example, JP-A-59-152396, JP-A-61-151197, JP-A-63-41483, JP-A-63-41484, JP-A-2-249, JP-A-2-291, Known compounds described in JP-A-3-27393, JP-A-3-12403, and JP-A-6-41170 can be appropriately selected and used.
[0054]
More specifically, di-cyclopentadienyl-Ti-di-chloride, di-cyclopentadienyl-Ti-bis-phenyl, di-cyclopentadienyl-Ti-bis-2,3,4,5 , 6-pentafluorophen-1-yl (hereinafter also referred to as “T-1”), di-cyclopentadienyl-Ti-bis-2,3,5,6-tetrafluorophen-1-yl, di- -Cyclopentadienyl-Ti-bis-2,4,6-trifluorophen-1-yl, di-cyclopentadienyl-Ti-bis-2,6-difluorophen-1-yl, di-cyclo Pentadienyl-Ti-bis-2,4-difluorophen-1-yl, di-methylcyclopentadienyl-Ti-bis-2,3,4,5,6-pentafluorophen-1-yl Di-methylcyclopentadi Nyl-Ti-bis-2,3,5,6-tetrafluorophen-1-yl, di-methylcyclopentadienyl-Ti-bis-2,4-difluorophen-1-yl, bis (cyclo And pentadienyl) -bis (2,6-difluoro-3- (pyr-1-yl) phenyl) titanium (hereinafter also referred to as “T-2”).
[0055]
The titanocene compound contained in the photosensitive composition of the present invention is also subjected to various chemical modifications to improve the characteristics of the lithographic printing plate precursor as in the case of the sensitizing dye. It is also possible. For example, bonding with sensitizing dyes, addition polymerizable unsaturated compounds and other radical generating parts, introduction of hydrophilic sites, compatibility improvement, introduction of substituents to suppress crystal precipitation, introduction of substituents to improve adhesion A method such as polymerization can be used.
[0056]
The usage of these titanocene compounds can be arbitrarily set as appropriate according to the performance design of the light-sensitive material, as in the case of the aforementioned addition polymerizable compound and sensitizing dye. For example, the compatibility of the lithographic printing plate precursor with the photosensitive layer can be increased by using two or more kinds in combination. A larger amount of the titanocene compound is usually advantageous in terms of photosensitivity, and it is sufficient to use it in the range of 0.5 to 80 parts by weight, preferably 1 to 50 parts by weight per 100 parts by weight of the photosensitive layer component. High photosensitivity can be obtained. On the other hand, for use in white lighting such as yellow, which is the main object of the present invention, it is preferable that the amount of titanocene used is small in terms of fogging by light near 500 nm. With this combination, sufficient photosensitivity can be obtained even when the amount of titanocene is reduced to 6 parts by weight or less, further 1.9 parts by weight or less, and further 1.4 parts by weight or less.
[0057]
“B. A compound that reacts with radicals or acids and changes its physical or chemical properties and is retained”
The photosensitive composition of the present invention contains, in addition to the above-described photopolymerization initiation system, a compound that reacts with a radical or an acid to change and maintain its physical or chemical properties.
Such a compound is specifically an addition-polymerizable compound having at least one ethylenically unsaturated double bond, and more specifically, at least one, preferably two, terminal ethylenically unsaturated bonds. It is selected from the compounds having the above. Such a compound group is widely known in the industrial field, and can be used without any particular limitation in the present invention. These have chemical forms such as monomers, prepolymers, i.e. dimers, trimers and oligomers, or mixtures thereof and copolymers thereof. Examples of monomers and copolymers thereof include unsaturated carboxylic acids (for example, acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, crotonic acid, isocrotonic acid, maleic acid, etc.), esters and amides thereof. In this case, an ester of an unsaturated carboxylic acid and an aliphatic polyhydric alcohol compound, or an amide of an unsaturated carboxylic acid and an aliphatic polyvalent amine compound is used.
[0058]
In addition, unsaturated carboxylic acid ester having a nucleophilic substituent such as hydroxyl group, amino group, mercapto group, amide and monofunctional or polyfunctional isocyanate, addition reaction product of epoxy, monofunctional or polyfunctional A dehydration condensation reaction product with a functional carboxylic acid is also preferably used. In addition, an unsaturated carboxylic acid ester having an electrophilic substituent such as an isocyanato group or an epoxy group, an addition reaction product of an amide with a monofunctional or polyfunctional alcohol, an amine or a thiol, a halogen group, Also suitable are substitution reaction products of unsaturated carboxylic acid esters and amides with monofunctional or polyfunctional alcohols, amines and thiols having a leaving substituent such as a tosyloxy group. As another example, it is also possible to use a group of compounds substituted with unsaturated phosphonic acid, styrene, vinyl ether or the like instead of the unsaturated carboxylic acid.
[0059]
Specific examples of the monomer of an ester of an aliphatic polyhydric alcohol compound and an unsaturated carboxylic acid include acrylic acid esters such as ethylene glycol diacrylate, triethylene glycol diacrylate, 1,3-butanediol diacrylate, and tetramethylene glycol. Diacrylate, propylene glycol diacrylate, neopentyl glycol diacrylate, trimethylolpropane triacrylate, trimethylolpropane tri (acryloyloxypropyl) ether, trimethylolethane triacrylate, hexanediol diacrylate, 1,4-cyclohexanediol diacrylate , Tetraethylene glycol diacrylate, pentaerythritol diacrylate, pentaerythritol triacrylate , Pentaerythritol tetraacrylate, dipentaerythritol diacrylate, dipentaerythritol hexaacrylate, sorbitol triacrylate, sorbitol tetraacrylate, sorbitol pentaacrylate, sorbitol hexaacrylate, tri (acryloyloxyethyl) isocyanurate, polyester acrylate oligomer.
[0060]
Methacrylic acid esters include tetramethylene glycol dimethacrylate, triethylene glycol dimethacrylate, neopentyl glycol dimethacrylate, trimethylolpropane trimethacrylate, trimethylolethane trimethacrylate, ethylene glycol dimethacrylate, 1,3-butanediol dimethacrylate, Hexanediol dimethacrylate, pentaerythritol dimethacrylate, pentaerythritol trimethacrylate, pentaerythritol tetramethacrylate, dipentaerythritol dimethacrylate, dipentaerythritol hexamethacrylate, sorbitol trimethacrylate, sorbitol tetramethacrylate, bis [p- (3-methacryloxy- 2-hydroxypro ) Phenyl] dimethyl methane, bis - [p- (methacryloxyethoxy) phenyl] dimethyl methane.
[0061]
Itaconic acid esters include ethylene glycol diitaconate, propylene glycol diitaconate, 1,3-butanediol diitaconate, 1,4-butanediol diitaconate, tetramethylene glycol diitaconate, pentaerythritol diitaconate Sorbitol tetritaconate, etc.
Examples of crotonic acid esters include ethylene glycol dicrotonate, tetramethylene glycol dicrotonate, pentaerythritol dicrotonate, and sorbitol tetradicrotonate.
[0062]
Examples of isocrotonic acid esters include ethylene glycol diisocrotonate, pentaerythritol diisocrotonate, and sorbitol tetraisocrotonate.
Examples of maleic acid esters include ethylene glycol dimaleate, triethylene glycol dimaleate, pentaerythritol dimaleate, and sorbitol tetramaleate.
Examples of other esters include aliphatic alcohol esters described in JP-B-46-27926, JP-B-51-47334, JP-A-57-196231, JP-A-59-5240, JP-A-59-5241. Those having an aromatic skeleton described in JP-A-2-226149 and those containing an amino group described in JP-A-1-165613 are also preferably used.
Furthermore, the ester monomers described above can also be used as a mixture.
[0063]
Specific examples of amide monomers of aliphatic polyvalent amine compounds and unsaturated carboxylic acids include methylene bis-acrylamide, methylene bis-methacrylamide, 1,6-hexamethylene bis-acrylamide, 1,6-hexamethylene bis. -Methacrylamide, diethylenetriamine trisacrylamide, xylylene bisacrylamide, xylylene bismethacrylamide and the like.
Examples of other preferable amide monomers include those having a cyclohexylene structure described in JP-B-54-21726.
[0064]
In addition, urethane-based addition polymerizable compounds produced by using an addition reaction of isocyanate and hydroxyl group are also suitable, and specific examples thereof include, for example, one molecule described in JP-B-48-41708. A vinyl urethane compound containing two or more polymerizable vinyl groups in one molecule obtained by adding a vinyl monomer containing a hydroxyl group represented by the following formula (V) to a polyisocyanate compound having two or more isocyanate groups. Etc.
[0065]
CH2= C (R) COOCH2CH (R ′) OH (V)
(However, R and R 'are H or CH.ThreeIndicates. )
[0066]
Also, urethane acrylates such as those described in JP-A-51-37193, JP-B-2-32293, and JP-B-2-16765, JP-B-58-49860, JP-B-56-17654, Urethane compounds having an ethylene oxide skeleton described in JP-B-62-39417 and JP-B-62-39418 are also suitable.
[0067]
Further, by using addition polymerizable compounds having an amino structure or a sulfide structure in the molecule described in JP-A-63-277653, JP-A-63-260909, and JP-A-1-105238, In addition, a photopolymerizable composition excellent in photosensitive speed can be obtained.
[0068]
Other examples include polyester acrylates, epoxy resins and (meth) acrylic acid as described in JP-A-48-64183, JP-B-49-43191, JP-B-52-30490, and JP-B-52-30490. Examples thereof include polyfunctional acrylates and methacrylates such as reacted epoxy acrylates. In addition, specific unsaturated compounds described in JP-B-46-43946, JP-B-1-40337, and JP-B-1-40336, and vinylphosphonic acid compounds described in JP-A-2-25493 can also be exemplified. . In some cases, a structure containing a perfluoroalkyl group described in JP-A-61-22048 is preferably used. Furthermore, those introduced as photocurable monomers and oligomers in Journal of Japan Adhesion Association vol. 20, No. 7, pages 300 to 308 (1984) can also be used.
[0069]
For these addition-polymerizable compounds, details on how to use them, such as what type of structure is used, whether they are used alone or in combination, and how much is added, according to the performance design of the final photosensitive material, Can be set arbitrarily. For example, it is selected from the following viewpoints. From the viewpoint of the speed of photosensitivity, a structure having a high unsaturated group content per molecule is preferable, and in many cases, a bifunctional or higher functionality is preferable. In addition, when used in a photosensitive layer for a lithographic printing plate, in order to increase the strength of the image area, that is, the cured film, it is preferable to have a trifunctional or higher functional group. A method of adjusting both photosensitivity and strength is also effective by using a combination of an ester, a methacrylic ester, a styrene compound, or a vinyl ether compound. A compound having a large molecular weight or a compound having a high hydrophobicity is not preferable in terms of development speed and precipitation in a developing solution, although it is excellent in photosensitive speed and film strength. In addition, the selection of the addition polymerization compound is also required for compatibility and dispersibility with other components in the photosensitive layer (for example, the binder polymer described later, the photopolymerization initiator (system) described above, the colorant described later, etc.). -The usage method is an important factor. For example, compatibility may be improved by using a low-purity compound or using two or more kinds in combination. In addition, a specific structure may be selected for the purpose of improving the adhesion of the support, overcoat layer and the like. As for the compounding ratio of the addition polymerizable compound in the photosensitive layer, a larger amount is advantageous in terms of sensitivity. Problems such as transfer of photosensitive material components (manufacturing defects due to adhesion) and precipitation from the developer may occur. From these viewpoints, the preferred blending ratio is often 5 to 80% by weight, preferably 25 to 75% by weight, based on the total components of the composition. These may be used alone or in combination of two or more. In addition, the use method of the addition polymerizable compound can be arbitrarily selected from the viewpoint of polymerization inhibition with respect to oxygen, resolution, fogging, refractive index change, surface adhesiveness, etc. Depending on the case, a layer configuration and coating method such as undercoating and overcoating can be performed.
[0070]
(C) Binder polymer
When the photosensitive composition of the present invention is applied to the photosensitive layer of the lithographic printing plate precursor as a preferred embodiment thereof, a binder polymer is used in addition to the above-mentioned photopolymerization initiation system and addition polymerizable compound. Is preferred. The binder preferably contains a linear organic high molecular polymer. Any such “linear organic polymer” may be used. Preferably, a linear organic high molecular weight polymer that is soluble in water or weakly alkaline water or swellable that enables water development or weak alkaline water development is selected. The linear organic high molecular polymer is selected and used not only as a film-forming agent for the composition but also according to its use as water, weak alkaline water or an organic solvent developer. For example, when a water-soluble organic polymer is used, water development is possible. Examples of such linear organic high molecular polymers include addition polymers having a carboxylic acid group in the side chain, such as JP 59-44615, JP-B 54-34327, JP-B 58-12777, and JP-B. 54-25957, JP-A-54-92723, JP-A-59-53836, JP-A-59-71048, ie, methacrylic acid copolymer, acrylic acid copolymer, itacon Examples include acid copolymers, crotonic acid copolymers, maleic acid copolymers, and partially esterified maleic acid copolymers. Similarly, there is an acidic cellulose derivative having a carboxylic acid group in the side chain. In addition, those obtained by adding a cyclic acid anhydride to an addition polymer having a hydroxyl group are useful.
[0071]
Among these, [benzyl (meth) acrylate / (meth) acrylic acid / other addition-polymerizable vinyl monomers as required] copolymers and [allyl (meth) acrylate / (meth) acrylic acid / as needed Other addition-polymerizable vinyl monomers] are preferred because they are excellent in the balance of film strength, sensitivity and developability.
[0072]
In addition, Japanese Patent Publication No. 7-2004, Japanese Patent Publication No. 7-120041, Japanese Patent Publication No. 7-120042, Japanese Patent Publication No. 8-12424, Japanese Patent Laid-Open No. 63-287944, Japanese Patent Laid-Open No. 63-287947, Japanese Patent Laid-Open No. The urethane-based binder polymer containing an acid group described in the specifications of No. 271741 and Japanese Patent Application No. 10-116232 is very excellent in strength, and is advantageous in terms of printing durability and low exposure suitability. is there.
A binder having an amide group described in Japanese Patent Application No. 9-363195 is suitable because it has both excellent developability and film strength.
[0073]
In addition, polyvinyl pyrrolidone, polyethylene oxide, and the like are useful as the water-soluble linear organic polymer. In order to increase the strength of the cured film, alcohol-soluble nylon, polyether of 2,2-bis- (4-hydroxyphenyl) -propane and epichlorohydrin, and the like are also useful. These linear organic high molecular polymers can be mixed in an arbitrary amount in the entire composition. However, when it exceeds 90% by weight, a favorable result is not given in terms of the strength of the formed image. Preferably it is 30 to 85% by weight. The weight ratio of the photopolymerizable compound having an ethylenically unsaturated double bond and the linear organic polymer is preferably 1/9 to 7/3. In a preferred embodiment, a binder polymer that does not require water and is soluble in alkali is used. By doing so, an organic solvent that is not environmentally preferable is not used as the developer, or the amount can be limited to a very small amount. In such a method of use, the acid value of the binder polymer (the acid content per gram of polymer expressed as a chemical equivalent number) and the molecular weight are appropriately selected from the viewpoint of image strength and developability. The preferred acid value is 0.4 to 3.0 meq / g, the preferred molecular weight is in the range of 3000 to 500,000, more preferably the acid value is 0.6 to 2.0 and the molecular weight is in the range of 10,000 to 300,000. It is.
[0074]
"D. Other ingredients"
In order to use the photosensitive composition of the present invention as a photosensitive layer of a lithographic printing plate precursor, other components suitable for its use, production method and the like can be added as appropriate. Hereinafter, preferred additives will be exemplified.
(D1) Co-sensitizer
The sensitivity of the photosensitive layer can be further improved by using a certain kind of additive (hereinafter referred to as a co-sensitizer). These mechanisms of action are not clear, but many are thought to be based on the following chemical processes. That is, a photoreaction initiated by light absorption of the above-described photopolymerization initiation system, and various intermediate active species (radicals, peroxides, oxidizing agents, reducing agents, etc.) generated in the course of the subsequent addition polymerization reaction, It is presumed that the co-sensitizer reacts to generate a new active radical. These are broadly divided into (a) those capable of generating active radicals upon reduction, (b) those capable of being oxidized to generate active radicals, and (c) radicals having higher activity by reacting with radicals having lower activity. However, there are many cases where there is no general rule as to which individual compounds belong to them.
[0075]
(A) Compound that is reduced to produce an active radical
Compound having carbon-halogen bond: It is considered that the carbon-halogen bond is reductively cleaved to generate an active radical. Specifically, for example, trihalomethyl-s-triazines and trihalomethyloxadiazoles can be preferably used.
Compound having nitrogen-nitrogen bond: It is considered that the nitrogen-nitrogen bond is reductively cleaved to generate an active radical. Specifically, hexaarylbiimidazoles and the like are preferably used.
Compound having oxygen-oxygen bond: It is considered that the oxygen-oxygen bond is reductively cleaved to generate an active radical. Specifically, for example, organic peroxides are preferably used.
Onium compounds: It is considered that carbon-hetero bonds and oxygen-nitrogen bonds are reductively cleaved to generate active radicals. Specifically, for example, diaryliodonium salts, triarylsulfonium salts, N-alkoxypyridinium (azinium) salts and the like are preferably used.
Ferrocene and iron arene complexes: An active radical can be reductively generated.
[0076]
(B) Compounds that are oxidized to produce active radicals
Alkylate complex: It is considered that an active radical is generated by oxidative cleavage of a carbon-hetero bond. Specifically, for example, triarylalkyl borates are preferably used.
Alkylamine compound: It is considered that the C—X bond on carbon adjacent to nitrogen is cleaved by oxidation to generate an active radical. X is preferably a hydrogen atom, a carboxyl group, a trimethylsilyl group, a benzyl group, or the like. Specific examples include ethanolamines, N-phenylglycines, N-trimethylsilylmethylanilines, and the like.
Sulfur-containing and tin-containing compounds: Compounds in which the nitrogen atoms of the above-described amines are replaced with sulfur atoms and tin atoms can generate active radicals by the same action. Further, a compound having an SS bond is also known to be sensitized by SS cleavage.
α-Substituted methylcarbonyl compound: An active radical can be generated by oxidative cleavage of the carbonyl-α carbon bond. Moreover, what converted carbonyl into the oxime ether also shows the same effect | action. Specifically, 2-alkyl-1- [4- (alkylthio) phenyl] -2-morpholinopronone-1 and these and a hydroxylamine were reacted, and then N—OH was etherified. Oxime ethers can be listed.
Sulfinic acid salts: An active radical can be reductively generated. Specific examples include sodium arylsulfinate.
[0077]
(C) Compounds that react with radicals to convert into highly active radicals or act as chain transfer agents: For example, a group of compounds having SH, PH, SiH, GeH in the molecule is used. These can generate hydrogen by donating hydrogen to a low-activity radical species to generate radicals, or after being oxidized and deprotonated. Specifically, 2-mercaptobenzimidazoles etc. are mentioned, for example.
[0078]
More specific examples of these co-sensitizers are described, for example, in JP-A-9-236913 as additives for the purpose of improving sensitivity. Some examples are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0079]
Embedded image
[0080]
These co-sensitizers can also be subjected to various chemical modifications for improving the characteristics of the photosensitive layer of the lithographic printing plate precursor as in the case of the sensitizing dye. For example, bonds with sensitizing dyes, titanocene, addition polymerizable unsaturated compounds and other radical generating parts, introduction of hydrophilic sites, improved compatibility, introduction of substituents for suppressing crystal precipitation, substituents for improving adhesion Methods such as introduction and polymerization can be used.
These co-sensitizers can be used alone or in combination of two or more. The amount used is suitably in the range of 0.05 to 100 parts by weight, preferably 1 to 80 parts by weight, more preferably 3 to 50 parts by weight, per 100 parts by weight of the compound having an ethylenically unsaturated double bond.
[0081]
(D2) Polymerization inhibitor
In the photosensitive composition of the present invention, in addition to the above basic components, in order to prevent unnecessary thermal polymerization of a compound having an ethylenically unsaturated double bond that can be polymerized during its production or storage. It is desirable to add a small amount of thermal polymerization inhibitor. Suitable thermal polymerization inhibitors include hydroquinone, p-methoxyphenol, di-t-butyl-p-cresol, pyrogallol, t-butylcatechol, benzoquinone, 4,4'-thiobis (3-methyl-6-t-butylphenol ), 2,2'-methylenebis (4-methyl-6-t-butylphenol), N-nitrosophenylhydroxyamine primary cerium salt and the like. The addition amount of the thermal polymerization inhibitor is preferably about 0.01% by weight to about 5% by weight with respect to the weight of the total composition. In addition, when applied as a photosensitive layer such as a lithographic printing plate precursor, a higher fatty acid derivative such as behenic acid or behenic acid amide is added as necessary to prevent polymerization inhibition by oxygen, and after coating, It may be unevenly distributed on the surface of the photosensitive layer in the course of drying. The amount of the higher fatty acid derivative added is preferably from about 0.5% to about 10% by weight of the total composition.
[0082]
(D3) Colorant, etc.
When the photosensitive composition of the present invention is used as a photosensitive layer such as a lithographic printing plate precursor, a dye or pigment may be added for the purpose of coloring the photosensitive layer. As a result, it is possible to improve the so-called plate inspection properties such as visibility after plate making and suitability for an image density measuring machine as a lithographic printing plate precursor. As the colorant, many dyes cause a decrease in the sensitivity of the photopolymerization type photosensitive layer. Therefore, it is particularly preferable to use a pigment as the colorant. Specific examples include pigments such as phthalocyanine pigments, azo pigments, carbon black and titanium oxide, and dyes such as ethyl violet, crystal violet, azo dyes, anthraquinone dyes, and cyanine dyes. The amount of dye and pigment added is preferably from about 0.5% to about 5% by weight of the total composition.
[0083]
(D4) Other additives
When the photosensitive composition of the present invention is used for a photosensitive layer such as a lithographic printing plate precursor, an inorganic filler, other plasticizers, and ink deposits on the surface of the photosensitive layer are used to further improve the physical properties of the cured film. You may add well-known additives, such as a fat-sensitizing agent which can improve property.
Examples of plasticizers include dioctyl phthalate, didodecyl phthalate, triethylene glycol dicaprylate, dimethyl glycol phthalate, tricresyl phosphate, dioctyl adipate, dibutyl sebacate, and triacetyl glycerin. 10% by weight or less can be added with respect to the total weight of the compound having a polymerizable unsaturated double bond and the binder polymer.
[0084]
In addition, for the purpose of improving the film strength (printing durability) of the photosensitive layer of a lithographic printing plate precursor described later, a UV initiator, a thermal crosslinking agent, etc. Can also be added.
In addition, it is possible to provide an additive and an intermediate layer for improving the adhesion between the photosensitive layer and the support and for improving the development removability of the unexposed photosensitive layer. For example, by adding or undercoating a compound having a relatively strong interaction with a substrate described later, such as a compound having a diazonium structure or a phosphone compound, adhesion can be improved and printing durability can be increased. By adding or undercoating with a hydrophilic polymer such as acrylic acid or polysulfonic acid, the developability of the non-image area is improved, and the stain resistance can be improved.
[0085]
When the photosensitive composition of the present invention is applied on a support as a photosensitive layer of a lithographic printing plate precursor, it is used after being dissolved in various organic solvents. Solvents used here include acetone, methyl ethyl ketone, cyclohexane, ethyl acetate, ethylene dichloride, tetrahydrofuran, toluene, ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol dimethyl ether, propylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monoethyl ether, Acetylacetone, cyclohexanone, diacetone alcohol, ethylene glycol monomethyl ether acetate, ethylene glycol ethyl ether acetate, ethylene glycol monoisopropyl ether, ethylene glycol monobutyl ether acetate, 3-methoxypropanol, methoxymethoxyethanol, diethylene glycol monomethyl ether, Ethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol dimethyl ether, diethylene glycol diethyl ether, propylene glycol monomethyl ether acetate, propylene glycol monoethyl ether acetate, 3-methoxypropyl acetate, N, N-dimethylformamide, dimethyl sulfoxide, γ-butyrolactone, methyl lactate, lactic acid There are ethyl and the like. These solvents can be used alone or in combination. The solid content in the coating solution is suitably 2 to 50% by weight.
[0086]
The support coating amount of the photosensitive layer mainly affects the sensitivity of the photosensitive layer, the developability, the strength and printing durability of the exposed film, and is preferably selected as appropriate according to the application. When the coating amount is too small, the printing durability is not sufficient. On the other hand, if the amount is too large, the sensitivity is lowered, it takes time for exposure, and a longer time is required for development processing, which is not preferable. The lithographic printing plate for scanning exposure, which is the main purpose of use of the photosensitive composition of the present invention, has a coating amount of about 0.1 g / m by weight after drying.2~ About 10g / m2The range of is appropriate. More preferably 0.5 to 5 g / m2It is.
[0087]
"Support"
In order to obtain a lithographic printing plate precursor, which is one of the main uses of the photosensitive composition of the present invention, a photosensitive layer comprising the photosensitive composition may be provided on a support having a hydrophilic surface. desirable. As the hydrophilic support, a conventionally known hydrophilic support used for a lithographic printing plate precursor can be used without limitation. The support used is preferably a dimensionally stable plate, for example, paper, paper laminated with plastic (eg, polyethylene, polypropylene, polystyrene, etc.), metal plate (eg, aluminum, zinc). , Copper, etc.), plastic films (eg, cellulose diacetate, cellulose triacetate, cellulose propionate, cellulose butyrate, cellulose acetate butyrate, cellulose nitrate, polyethylene terephthalate, polyethylene, polystyrene, polypropylene, polycarbonate, polyvinyl acetal, etc.), Paper or plastic film, etc., laminated or vapor-deposited with such metals is included, and these surfaces are appropriately known with known physical and chemical treatments for the purpose of imparting hydrophilicity and improving the strength as necessary. May be applied.
[0088]
In particular, preferred supports include paper, polyester film or aluminum plate, among which dimensional stability is good, relatively inexpensive, and a surface with excellent hydrophilicity and strength is provided by surface treatment as required. An aluminum plate which can be used is particularly preferred. A composite sheet in which an aluminum sheet is bonded on a polyethylene terephthalate film as described in Japanese Patent Publication No. 48-18327 is also preferable.
[0089]
A suitable aluminum plate is a pure aluminum plate or an alloy plate containing aluminum as a main component and containing a trace amount of foreign elements, and may be a plastic film on which aluminum is laminated or vapor-deposited. Examples of foreign elements contained in the aluminum alloy include silicon, iron, manganese, copper, magnesium, chromium, zinc, bismuth, nickel, and titanium. The content of foreign elements in the alloy is at most 10% by weight. Particularly suitable aluminum in the present invention is pure aluminum, but completely pure aluminum is difficult to produce in the refining technique, and may contain slightly different elements. Thus, the composition of the aluminum plate applied to the present invention is not specified, and an aluminum plate made of a publicly known material can be appropriately used. The thickness of the aluminum plate used in the present invention is about 0.1 mm to 0.6 mm, preferably 0.15 mm to 0.4 mm, and particularly preferably 0.2 mm to 0.3 mm.
[0090]
In the case of a support having a surface of metal, particularly aluminum, roughening (graining) treatment, immersion treatment in an aqueous solution of sodium silicate, potassium fluoride zirconate, phosphate, etc., or anodic oxidation treatment, etc. It is preferable that surface treatment is performed.
The surface roughening treatment of the aluminum plate is performed by various methods. For example, a method of mechanically roughening, a method of electrochemically dissolving and roughening a surface, and a method of selectively dissolving a surface chemically. This is done by the method of As the mechanical method, a known method such as a ball polishing method, a brush polishing method, a blast polishing method, or a buff polishing method can be used. In addition, as an electrochemical surface roughening method, there is a method of performing alternating current or direct current in an electrolytic solution such as hydrochloric acid or nitric acid. Further, as disclosed in JP-A-54-63902, a method in which both are combined can also be used. Further, prior to roughening the aluminum plate, for example, a degreasing treatment with a surfactant, an organic solvent, an alkaline aqueous solution, or the like is performed in order to remove the rolling oil on the surface, if desired.
[0091]
Furthermore, an aluminum plate that has been roughened and then immersed in an aqueous sodium silicate solution can be preferably used. As described in Japanese Examined Patent Publication No. 47-5125, an aluminum plate which has been anodized and then immersed in an aqueous solution of an alkali metal silicate is preferably used. The anodizing treatment is carried out in an electrolytic solution in which an inorganic acid such as phosphoric acid, chromic acid, sulfuric acid or boric acid, or an organic acid such as oxalic acid or sulfamic acid, or a salt solution thereof, or a combination of two or more thereof, is used. This is carried out by passing an electric current using the aluminum plate as an anode.
Silicate electrodeposition as described in US Pat. No. 3,658,662 is also effective.
[0092]
Furthermore, a combination of a support with electrolytic grains as disclosed in JP-B-46-27481, JP-A-52-58602, JP-A-52-30503, and the above-mentioned anodizing treatment and sodium silicate treatment Surface treatment is also useful.
Further, those obtained by performing mechanical surface roughening, chemical etching, electrolytic graining, anodizing treatment, and sodium silicate treatment in this order as disclosed in JP-A-56-28893 are also suitable.
[0093]
Furthermore, after performing these treatments, water-soluble resins such as polyvinylphosphonic acid, polymers and copolymers having sulfonic acid groups in the side chain, polyacrylic acid, water-soluble metal salts (for example, zinc borate) or Those having a primer such as a yellow dye or an amine salt are also suitable.
Further, a sol-gel treated substrate in which a functional group capable of causing an addition reaction by a radical as disclosed in JP-A-7-159983 is covalently used.
[0094]
Other preferred examples include those in which a water-resistant hydrophilic layer is provided as a surface layer on an arbitrary support. Examples of such a surface layer include a layer comprising an inorganic pigment and a binder described in US3055295 and JP-A-56-13168, a hydrophilic swelling layer described in JP-A-9-80744, and JP-A-8-507727. The sol-gel film made of titanium oxide, polyvinyl alcohol, silicic acid or the like described in the above can be raised.
These hydrophilic treatments are performed to make the surface of the support hydrophilic, in order to prevent harmful reactions of the photosensitive composition provided thereon, and to improve the adhesion of the photosensitive layer, etc. It is given for.
[0095]
"Protective layer"
In the lithographic printing plate for scanning exposure, which is a desirable use mode of the photosensitive composition of the present invention, since exposure is usually performed in the air, a protective layer is further formed on the layer made of the photosensitive composition. It is preferable to provide it. The protective layer prevents exposure of low molecular weight compounds such as oxygen and basic substances present in the atmosphere that hinder the image formation reaction caused by exposure in the photosensitive layer, and enables exposure in the atmosphere. To do. Therefore, the properties desired for such a protective layer are low permeability of low-molecular compounds such as oxygen, and further, transmission of light used for exposure is not substantially inhibited, and adhesion to the photosensitive layer is excellent. And it is desirable that it can be easily removed in the development process after exposure. Such a device relating to the protective layer has been conventionally devised, which is described in detail in US Pat. No. 3,458,311 and JP-A-55-49729.
[0096]
As a material that can be used for the protective layer, for example, a water-soluble polymer compound having relatively excellent crystallinity is preferably used. Specifically, polyvinyl alcohol, polyvinyl pyrrolidone, acidic celluloses, gelatin, gum arabic, Water-soluble polymers such as acrylic acid are known, but among these, the use of polyvinyl alcohol as a main component gives the best results in terms of basic properties such as oxygen barrier properties and development removability. The polyvinyl alcohol used for the protective layer may be partially substituted with an ester, an ether and an acetal as long as it contains an unsubstituted vinyl alcohol unit for having necessary oxygen barrier properties and water solubility. Similarly, some of them may have other copolymer components. Specific examples of polyvinyl alcohol include those having a hydrolysis rate of 71 to 100% and a molecular weight in the range of 300 to 2400.
[0097]
Specifically, Kuraray Co., Ltd. PVA-105, PVA-110, PVA-117, PVA-117H, PVA-120, PVA-124, PVA-124H, PVA-CS, PVA-CST, PVA-HC, PVA-203, PVA-204, PVA-205, PVA-210, PVA-217, PVA-220, PVA-224, PVA-217EE, PVA-217E, PVA-220E, PVA-224E, PVA-405, PVA- 420, PVA-613, L-8 and the like.
[0098]
Components of the protective layer (selection of PVA, use of additives), coating amount, and the like are selected in consideration of fogging, adhesion, and scratch resistance in addition to oxygen barrier properties and development removability. In general, the higher the hydrolysis rate of the PVA used (the higher the content of the unsubstituted vinyl alcohol unit in the protective layer), the thicker the film thickness, the higher the oxygen barrier property, which is advantageous in terms of sensitivity. However, when the oxygen barrier property is extremely increased, there arises a problem that unnecessary polymerization reaction occurs during production and raw storage, and unnecessary fogging and image line thickening occur during image exposure. In addition, adhesion to the image area and scratch resistance are extremely important in handling the plate. That is, when a hydrophilic layer made of a water-soluble polymer is laminated on an oleophilic polymer layer, film peeling due to insufficient adhesion tends to occur, and the peeled part causes defects such as poor film hardening due to inhibition of oxygen polymerization.
[0099]
On the other hand, various proposals have been made to improve the adhesion between these two layers. For example, in US Pat. Nos. 292,501 and 44,563, an acrylic emulsion or a water-insoluble vinyl pyrrolidone-vinyl acetate copolymer or the like is contained in a hydrophilic polymer mainly composed of polyvinyl alcohol. It is described that sufficient adhesion can be obtained by mixing by weight% and laminating on the polymerized layer. Any of these known techniques can be applied to the protective layer in the present invention. Such a coating method of the protective layer is described in detail in, for example, US Pat. No. 3,458,311 and JP-A-55-49729.
[0100]
Furthermore, other functions can be imparted to the protective layer. For example, by adding a colorant (such as a water-soluble dye) that excels in light transmission from 350 nm to 450 nm used for exposure and can absorb light of 500 nm or more efficiently, it does not cause a decrease in sensitivity and is suitable for safe light. Can be further enhanced.
[0101]
When the photosensitive material using the photosensitive composition of the present invention is used as an image forming material, usually, after image exposure, an unexposed portion of the photosensitive layer is removed with a developer to obtain an image. When these photosensitive compositions are used for lithographic printing plate precursors, preferred developers include those described in JP-B-57-7427, such as sodium silicate and potassium silicate. , Sodium hydroxide, potassium hydroxide, lithium hydroxide, tribasic sodium phosphate, dibasic sodium phosphate, tribasic ammonium phosphate, dibasic ammonium phosphate, sodium metasilicate, sodium bicarbonate, aqueous ammonia etc. An inorganic alkaline agent and an aqueous solution of an organic alkaline agent such as monoethanolamine or diethanolamine are suitable. Such an alkaline solution is added so that the concentration is 0.1 to 10% by weight, preferably 0.5 to 5% by weight.
[0102]
Such an alkaline aqueous solution may contain a small amount of a surfactant, an organic solvent such as benzyl alcohol, 2-phenoxyethanol, and 2-butoxyethanol as necessary. Examples thereof include those described in US Pat. Nos. 3,375,171 and 3,615,480.
Further, the developers described in JP-A-50-26601, 58-54341, JP-B-56-39464, and 56-42860 are also excellent.
[0103]
In addition, as a plate-making process of a lithographic printing plate from a lithographic printing plate precursor using the photosensitive composition of the present invention as a photosensitive layer, the entire surface can be used before exposure, during exposure, and from exposure to development as necessary. May be heated. By such heating, the image forming reaction in the photosensitive layer is promoted, and advantages such as improvement in sensitivity and printing durability and stabilization of sensitivity may occur. Further, for the purpose of improving the image strength and printing durability, it is also effective to subject the developed image to full post heating or full exposure. Usually, the heating before development is preferably performed under a mild condition of 150 ° C. or less. If the temperature is too high, problems such as covering up to the non-image area occur. Very strong conditions are used for heating after development. Usually, it is the range of 200-500 degreeC. If the temperature is low, sufficient image strengthening action cannot be obtained. If the temperature is too high, problems such as deterioration of the support and thermal decomposition of the image area occur.
[0104]
As a method for exposing a lithographic printing plate precursor using the photosensitive composition of the present invention for a photosensitive layer, a known method can be used without limitation. Desirably, the wavelength of the light source is 350 nm to 450 nm, and specifically, an InGaN-based semiconductor laser is suitable. The exposure mechanism may be any of an internal drum system, an external drum system, a flat bed system, and the like. Further, the photosensitive layer component can be made soluble in neutral water or weak alkaline water by using a highly water-soluble component, and the lithographic printing plate precursor having such a configuration is used in a printing machine. After loading on top, exposure-development can be performed on the machine.
[0105]
In addition, other exposure light rays for the photopolymerizable composition according to the present invention include ultrahigh pressure, high pressure, medium pressure, and low pressure mercury lamps, chemical lamps, carbon arc lamps, xenon lamps, metal halide lamps, and various visible and ultraviolet lasers. A lamp, a fluorescent lamp, a tungsten lamp, sunlight, etc. can also be used.
As available laser light sources of 350 nm to 450 nm, the following can be used.
As a gas laser, Ar ion laser (364 nm, 351 nm, 10 mW to 1 W), Kr ion laser (356 nm, 351 nm, 10 mW to 1 W), He—Cd laser (441 nm, 325 nm, 1 mW to 100 mW),
As a solid state laser, Nd: YAG (YVOFour) And SHG crystal x 2 combinations (355 nm, 5 mW to 1 W), Cr: LiSAF and SHG crystal combination (430 nm, 10 mW),
[0106]
As a semiconductor laser system, KNbOThreeRing resonator (430 nm, 30 mW), a combination of waveguide type wavelength conversion element and AlGaAs, InGaAs semiconductor (380 nm to 450 nm, 5 mW to 100 mW), a combination of waveguide type wavelength conversion element, AlGaInP, AlGaAs semiconductor (300 nm to 350 nm, 5 mW to 100 mW), AlGaInN (350 nm to 450 nm, 5 mW to 30 mW)
In addition, N as a pulse laser2Laser (337 nm, pulse 0.1 to 10 mJ), XeF (351 nm, pulse 10 to 250 mJ)
In particular, an AlGaInN semiconductor laser (commercially available InGaN-based semiconductor laser 400 to 410 nm, 5 to 30 mW) is preferable in terms of wavelength characteristics and cost.
[0107]
Further, as the lithographic printing plate exposure apparatus of the scanning exposure method, there are an inner drum method, an outer drum method, and a flat bed method as an exposure mechanism, and a light source that can continuously oscillate among the light sources can be preferably used. . Practically, the following exposure apparatus is particularly preferable in terms of the relationship between the photosensitive material sensitivity and the plate making time.
・ Single-beam to triple-beam exposure equipment that uses one or more gas lasers or solid-state laser light sources to achieve a semiconductor laser with a total output of 20 mW or more with an internal drum system.
・ Multi-beam (1 to 10) exposure equipment that uses one or more semiconductor lasers, gas lasers, or solid-state lasers to achieve a total output of 20 mW or more in the flatbed system.
・ Multi-beam (1-9) exposure equipment that uses one or more semiconductor lasers, gas lasers or solid-state lasers to achieve a total output of 20 mW or more with the external drum system.
・ Multi-beam (10 or more) exposure equipment that uses one or more semiconductor lasers or solid-state lasers to achieve a total output of 20 mW or more with the external drum system.
In the laser direct-drawing lithographic printing plate as described above, the photosensitive material sensitivity X (J / cm) is generally used.2), Exposure area S (cm2), The equation (eq 1) is established among the power q (W) of one laser light source, the number of lasers n, and the total exposure time t (s).
[0108]
X · S = n · q · t-(eq 1)
[0109]
i) Internal drum (single beam) system
Equation (eq 2) is generally established between the laser rotation speed f (radians / s), the photosensitive material sub-scanning length Lx (cm), the resolution Z (dots / cm), and the total exposure time t (s). To do.
[0110]
f.Z.t = Lx-(eq 2)
[0111]
ii) External drum (multi-beam) method
A general formula among drum rotation speed F (radians / s), photosensitive material sub-scanning length Lx (cm), resolution Z (dots / cm), total exposure time t (s), and number of beams (n) (Eq 3) holds.
[0112]
F.Z.n.t = Lx-(eq 3)
[0113]
iii) Flat head (multi-beam) method
It is common among the rotation speed H (radian / s) of the polygon mirror, the sub-scanning length Lx (cm) of the photosensitive material, the resolution Z (dot / cm), the total exposure time t (s), and the number of beams (n). Equation (eq 4) is established.
[0114]
F.Z.n.t = Lx-(eq 4)
[0115]
Resolution (2560 dpi) required for an actual printing plate, plate size (A1 / B1, sub-scanning length 42 inch), exposure conditions of about 20 sheets / hour and photosensitive characteristics of the photosensitive composition of the present invention (photosensitive wavelength, Sensitivity: about 0.1mJ / cm2) Is substituted into the above formula, it can be understood that a combination with a multi-beam exposure method using a laser having a total output of 20 mW or more is particularly preferable in the light-sensitive material using the photosensitive composition of the present invention. Further, by combining operability, cost, etc., a combination with an external drum type semiconductor laser multi-beam (10 or more) exposure apparatus is most preferable.
[0116]
Moreover, as a use of the photosensitive composition by this invention, besides the planographic printing plate for scanning exposure, it can apply without limitation to what is widely known as a use of photocurable resin. For example, by applying to a liquid photopolymerizable composition used in combination with a cationically polymerizable compound as required, a highly sensitive optical modeling material can be obtained. Further, a hologram material can be obtained by utilizing a change in refractive index accompanying photopolymerization. It can be applied to various transfer materials (peeling sensitive material, toner developing sensitive material, etc.) by utilizing the change in surface adhesiveness accompanying photopolymerization. It can also be applied to photocuring of microcapsules. It can also be applied to the production of electronic materials such as photoresists, and photocurable resin materials such as inks, paints and adhesives.
[0117]
Furthermore, the photopolymerization initiation system comprising the carbazole compound and titanocene contained in the photosensitive composition of the present invention is a photopolymerization initiation system excellent in photosensitivity and excellent in stability. In addition to objects, various utilization methods can be used. For example, radical generation with high efficiency by light can cause, for example, oxidative color development of a triphenylmethane leuco dye with high sensitivity. In addition, a decoloring reaction due to radical addition can be caused for certain polymethine dyes. In addition, since the photopolymerization initiation system generates an acid component simultaneously with radicals by light, it can be decomposed by an acid, a compound that changes absorption by an acid, a resin composition that undergoes a crosslinking reaction by an acid, and can improve solubility. By combining with a resin composition, a highly sensitive image forming material can be produced.
[0118]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention, this invention is not limited to these Examples.
“Examples 1 to 8, Comparative Examples 1 to 6”
(Preparation of support)
An aluminum plate having a thickness of 0.3 mm was etched by being immersed in 10% by weight sodium hydroxide at 60 ° C. for 25 seconds, washed with running water, neutralized with 20% by weight nitric acid, and then washed with water. This was changed to 300 coulomb / dm in a 1% by weight aqueous nitric acid solution using a sinusoidal alternating current.2Electrolytic surface roughening treatment was performed with the amount of electricity at the time of anode. Subsequently, after dipping in a 1% by weight aqueous sodium hydroxide solution at 40 ° C. for 5 seconds and then in a 30% by weight sulfuric acid aqueous solution and desmutting at 60 ° C. for 40 seconds, the current density in a 20% by weight sulfuric acid aqueous solution was 2A / current density. dm2The thickness of the anodized film is 2.7 g / m2Then, anodization was performed for 2 minutes. When the surface roughness was measured, it was 0.3 μm (Ra display according to JIS B0601).
[0119]
The following sol-gel reaction solution was applied to the back surface of the substrate thus treated with a bar coater and dried at 100 ° C. for 1 minute, and the coating amount after drying was 70 mg / m.2A support having a back coat layer was prepared.
[0120]
Sol-gel reaction solution
50 parts by weight of tetraethyl silicate
20 parts by weight of water
15 parts by weight of methanol
0.05 parts by weight of phosphoric acid
[0121]
When the above components were mixed and stirred, heat generation started in about 5 minutes. After reacting for 60 minutes, a backcoat coating solution was prepared by adding the following solution.
[0122]
[0123]
(Preparation of photosensitive layer)
On the aluminum plate thus treated, a photopolymerizable composition having the following composition was dried at a coating amount of 1.0 g / m.2And a photosensitive layer was formed by drying at 80 ° C. for 2 minutes.
[0124]
[0125]
(Preparation of protective layer)
A 3 wt% aqueous solution of polyvinyl alcohol (saponification degree 98 mol%, polymerization degree 550) was dried on the photosensitive layer at a dry coating weight of 2 g / m 2.2And then dried at 100 ° C. for 2 minutes.
[0126]
(Evaluation of photosensitivity and suitability for safelight)
A Fuji step guide manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. (gray scale whose transmission optical density changes discontinuously at ΔD = 0.15) was brought into close contact with the lithographic printing plate precursor thus obtained. Using a xenon lamp through a filter (Kenko BP-40), exposure was performed so as to obtain a known exposure energy. As an optical filter, Kenko BP-40 capable of exposure with monochromatic light of 400 nm was used for the purpose of estimating the suitability of exposure to a short-wave semiconductor laser. Thereafter, the film was immersed in a developer having the following composition at 25 ° C. for 10 seconds, developed, and the sensitivity (clear sensitivity) was calculated from the maximum number of steps at which the image was completely removed (Table 1). Here, the clear sensitivity represents the minimum energy required for image formation, and the lower this value, the higher the sensitivity.
[0127]
[Table 1]
[0128]
Thus, the lithographic printing plate precursor using the photosensitive composition of the present invention has very high sensitivity and exhibits sufficient sensitivity for the scanning exposure method.
Further, the photopolymerization initiation system contained in the photosensitive composition of the present invention is highly sensitive as compared to the case where no sensitizing dye is used, and particularly exhibits sufficient sensitivity even when the amount of titanocene added is small. .
The developers used in Examples 1 to 8 and Comparative Examples 1 to 6 are pH 13 aqueous solutions having the following composition.
[0129]
1K potassium silicate 3.0 parts by weight
Potassium hydroxide 1.5 parts by weight
Compound of formula 1 below 0.2 parts by weight
95.3 parts by weight of water
[0130]
Embedded image
[0131]
"Examples 9 to 16, Comparative Example 7"
A lithographic printing plate precursor was prepared according to the following procedure, and the printing performance was evaluated. The results are shown in Table 2.
"Pretreatment of support"
An aluminum plate of material 1S having a thickness of 0.3 mm was ground with a No. 8 nylon brush and an 800 mesh Pamiston water suspension, and the surface was carefully washed with water. After etching by immersing in 10% by weight sodium hydroxide at 70 ° C. for 60 seconds, washed with running water, neutralized and washed with 20% by weight nitric acid, and then washed with water. This is VA= 12.7 V, 300 coulomb / dm in 1 wt% nitric acid aqueous solution using a sinusoidal alternating waveform current2Electrolytic surface roughening treatment was performed with the amount of electricity at the time of anode. When the surface roughness was measured, it was 0.45 μm (Ra indication according to JIS B0601).
[0132]
"Hydrophilic treatment of the support surface"
The above-mentioned support is made of No. 3 sodium silicate (SiO2= 28-30%, Na2O = 9-10%, Fe = 0.02% or less) was immersed in an aqueous solution of 2.5% by weight, pH = 11.2, 70 ° C. for 13 seconds, followed by washing with water. From the amount of Si element obtained by surface fluorescent X-ray analysis, the amount of surface silicate is 10 mg / m.2I was asked.
[0133]
"Coating the middle layer"
A coating amount of phenylphosphonic acid is 20 mg / m on the hydrophilic support surface.2A coating solution having the composition shown in the following (A) was prepared so as to be, and after coating at 180 rpm with a wheeler, it was dried at 80 ° C. for 30 seconds.
[0134]
(Intermediate layer coating solution A)
Phenylphosphonic acid 0.07-1.4g
Methanol 200 g
[0135]
"Coating of photosensitive layer"
On the support provided with the intermediate layer, a photosensitive solution having the following composition was prepared, and the coating amount was 1.0 to 2.0 g / m.2Then, it was applied with a wheeler and dried at 100 ° C. for 1 minute.
[0136]
[0137]
"Coating of protective layer"
A 3 wt% aqueous solution of polyvinyl alcohol (saponification degree 98 mol%, polymerization degree 550) was dried on the photosensitive layer at a dry coating weight of 2 g / m 2.2And then dried at 100 ° C. for 2 minutes.
"Exposure of planographic printing plate precursor"
The lithographic printing plate precursor obtained as described above was subjected to 400 nm monochromatic light as a light source, and a plate surface exposure energy density of 200 μJ / cm.2The exposure power was adjusted so that a solid image exposure and a halftone dot image exposure of 1 to 99% in 1% increments were performed.
[0138]
"Development / plate making"
A predetermined developer (described in Table 2) and a finisher FP-2W manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. were loaded into an automatic processor LP-850 manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd., respectively, and the developer temperature was 30 ° C. and the development time was 18 seconds. The plate exposed under the conditions of the above was developed / plate-making to obtain a lithographic printing plate.
[0139]
"Print durability test"
R201 manufactured by Roland was used as the printing machine, and GEOS-G (N) manufactured by Dainippon Ink was used as the ink. The printed matter in the solid image portion was observed, and the printing durability was examined based on the number of sheets on which the image began to fade. The higher the number, the better the printing durability.
"Forced dot printing test"
R201 manufactured by Roland was used as the printing machine, and GEOS-G (N) manufactured by Dainippon Ink was used as the ink. On the 5000th sheet from the start of printing, PS plate cleaner CL-2 manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. was soaked in a printing sponge, the halftone dots were wiped, and the ink on the printing plate was washed. Thereafter, 10,000 sheets were printed, and the presence or absence of halftone dots in the printed matter was visually observed.
[0140]
"Dirty test"
R201 manufactured by Roland was used as the printing machine, and GEOS-G (S) manufactured by Dainippon Ink was used as the ink. The printed matter in the non-image area (unexposed area) was observed to evaluate the stain property.
[0141]
[Table 2]
[0142]
(Addition polymerizable compound in Table 2)
(M-1)
Pentaerythritol tetraacrylate
(Shin Nakamura Chemical Co., Ltd .; NK Ester A-TMMT)
(M-2)
Glycerin dimethacrylate hexamethylene diisocyanate urethane prepolymer
(Kyoeisha Chemical Co., Ltd .; UA101H)
[0143]
(Binder polymer in Table 1)
(B-1)
Allyl methacrylate / methacrylic acid / N-isopropylacrylamide (copolymerization molar ratio 67/13/20)
Measured acid value obtained by NaOH titration 1.15 meq / g
Weight average molecular weight determined by GPC measurement 130,000
(B-2)
Allyl methacrylate / methacrylic acid copolymer (copolymerization molar ratio 83/17)
Measured acid value determined by NaOH titration 1.55 meq / g
Weight average molecular weight determined by GPC measurement 125,000
(B-3)
Polyurethane resin that is a condensation polymer of the following diisocyanates and diols
4,4'-diphenylmethane diisoisocyanate (MDI)
Hexamethylene diisocyanate (HMDI)
Polypropylene glycol, weight average molecular weight 1000 (PPG1000)
2,2-bis (hydroxymethyl) propionic acid (DMPA)
Copolymerization molar ratio (MDI / HMDI / PPG1000 / DMPA) 40/10/15/35
Measured acid value determined by NaOH titration 1.05 meq / g
Weight average molecular weight determined by GPC measurement: 45,000
[0144]
(Developer in Table 2)
(DV-1)
PH 10 aqueous solution having the following composition
Monoethanolamine 0.1 parts by weight
1.5 parts by weight of triethanolamine
4.0 parts by weight of the compound of formula 1
Compound of formula 2 below 2.5 parts by weight
Compound of the following formula 3 0.2 parts by weight
91.7 parts by weight of water
[0145]
Embedded image
[0146]
(DV-2)
PH 10 aqueous solution having the following composition
Sodium bicarbonate 1.2 parts by weight
Sodium carbonate 0.8 parts by weight
Compound of formula 1 above 3.0 parts by weight
2.0 parts by weight of the compound of the above formula 2
0.2 parts by weight of the compound of the above formula 3
92.8 parts by weight of water
[0147]
(DV-3)
PH 13 aqueous solution having the following composition
1K potassium silicate 3.0 parts by weight
Potassium hydroxide 1.5 parts by weight
0.2 parts by weight of the compound of formula 3
95.3 parts by weight of water
[0148]
As is apparent from Table 2, the lithographic printing plate precursor according to the present invention provides an excellent lithographic printing plate even under conditions capable of making a plate with high productivity by scanning exposure, that is, under very low energy exposure conditions. On the other hand, in Comparative Example 7 which does not use the photoinitiating system of the present invention, a practical lithographic printing plate was not obtained.
[0149]
"Example 17"
The photoinitiating system is changed to the following composition, and the film thickness of the photopolymerization layer is 1.5 g / m.2A lithographic printing plate precursor was prepared in the same manner as in Examples 1 to 6 except that
[0150]
Photoinitiated content in the total solid content of the photopolymerization layer
Sensitizing dye D14 1.2wt%
Titanocene T-2 1.5wt%
Co-sensitizer H-1 7.0 wt%
[0151]
For the obtained lithographic printing plate precursor, an InGaN semiconductor laser with an oscillation wavelength of 400 nm was used, the beam system on the plate surface was 25 μm, and the exposure energy density was 0.2 mJ / cm.2Scanning exposure was performed under the following conditions. Next, the plate was heated at 100 ° C. for 10 seconds and then subjected to the development processing described above.
A lithographic printing plate having a blue image with excellent visibility was obtained. When offset printing was carried out using the obtained plate and a Heidelberg KOR-D machine, 50,000 sheets or more of printed matter excellent in image density and stain resistance could be obtained.
[0152]
"Example 18"
The plate of Example 17 was stored for 3 days under a forced storage condition of 65% humidity and 45 ° C., and then plate-making and printing were performed in the same manner as in Example 17. Good results similar to those of Example 17 were obtained.
"Example 19"
The emission intensity distribution of a safe light that is generally used was measured, and the position where the emission intensity distribution rises on the short wave side (short wave end) was measured. In addition, the workability under each safelight was evaluated.
[0153]
[Table 3]
[0154]
As described above, in consideration of workability, a yellow lamp is desired, and a light-sensitive material that can be handled under a yellow lamp needs to have at least 520 nm, preferably low sensitivity at a long wave longer than 490 nm. Since the dye group has an absorption maximum in the vicinity of 400 nm, this point is also advantageous.
[0155]
"Example 20"
The photoinitiating system is changed to the following composition, and the film thickness of the photopolymerization layer is 2.0 g / m.2A lithographic printing plate precursor was prepared in the same manner as in Example 17 except that
[0156]
Photoinitiated content in the total solid content of the photopolymerization layer
Sensitizing dye D14 1.5wt%
Titanocene T-2 1.5wt%
Co-sensitizer H-1 5.0wt%
[0157]
For the obtained lithographic printing plate precursor, an InGaN semiconductor laser with an oscillation wavelength of 400 nm was used, the beam system on the plate surface was 25 μm, and the exposure energy density was 0.15 mJ / cm.2Scanning exposure was performed under the following conditions. Next, the plate was heated at 100 ° C. for 10 seconds and then subjected to the development processing described above. A lithographic printing plate having a blue image with excellent visibility was obtained. The obtained plate was further heated at 300 ° C. for 5 minutes, and then offset printing was performed using a Heidelberg KOR-D machine. As a result, 200,000 or more prints excellent in image density and stain resistance could be obtained. It was.
[0158]
"Example 21"
The plate of Example 20 was exposed to a yellow lamp for 30 minutes before exposure, and then plate making and printing were carried out in the same manner. Good results exactly the same as in Example 20 were obtained.
“Comparative Example 8”
A lithographic printing plate precursor was prepared in the same manner as in Example 17 except that the sensitizing dye was changed from D14 (maximum absorption wavelength 410 nm) to H4 (maximum absorption wavelength 500 nm) in Example 17. When the obtained lithographic printing plate precursor was subjected to plate making using an InGaN-based semiconductor laser having an oscillation wavelength of 400 nm in the same manner as in Example 17, the result was image flow. Further, when the obtained lithographic printing plate precursor was exposed to a yellow lamp for 30 minutes before exposure for 30 minutes in the same manner as in Example 21, plate making and printing were carried out in exactly the same manner. did.
In addition, the structure of the carbazole-based sensitizing dye in this example is exemplified in this specification, and the structures of other compounds are as follows.
[0159]
Embedded image
[0160]
【The invention's effect】
A lithographic printing plate precursor using the photosensitive composition of the present invention has sufficient sensitivity suitable for scanning exposure by a semiconductor laser having a short wavelength such as InGaN, and is excellent in printing durability and stain resistance. Give a version. In the lithographic printing plate precursor for scanning exposure using the photosensitive composition of the present invention, fogging under a yellow lamp is remarkably improved, and workability in handling the plate can be greatly improved. In addition, the photosensitive composition of the present invention is excellent in sensitivity and at the same time very excellent in storage stability.
Claims (2)
一般式(1)
部分構造式(1)
General formula (1)
Partial structural formula (1)
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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