JP3925132B2 - 表面弾性波素子、周波数フィルタ、周波数発振器、電子回路、及び電子機器 - Google Patents

表面弾性波素子、周波数フィルタ、周波数発振器、電子回路、及び電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面弾性波素子、電子回路、周波数フィルタ、周波数発振器、及び電子機器に関し、特にサファイア単結晶基板上の圧電薄膜を用いた表面弾性波素子、当該表面弾性波素子を備える電子回路、周波数フィルタ、及び周波数発振器、並びにこれらを備える電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話等の移動体通信を中心とした情報通信分野の著しい発展に伴い、表面弾性波素子の需要が急速に増大している。また、近年の情報化社会の発達に伴い移動通信体のみならず、BS(Broadcast Satellite)及びCS(Commercial Satellite)放送を受信するチューナの需要も高まり、更にはコンピュータネットワークの発達によりHUB等の電気機器も高速化されている。
【0003】
表面弾性波素子の開発に際しては、小型化、高効率化、高周波化の3つの方向での改善が重要となり、そのためには、より大きな電気機械結合係数(以下、k2と表記する)、より零に近い中心周波数温度係数(以下、TCFと表記する)、より大きな表面弾性波伝播速度(以下、Vsと表記する)を実現することが必要となる。
【0004】
従来、表面弾性波素子としては、圧電体単結晶上にインターディジタル型電極(Inter−Digital Transducer、以下、IDTと表記する)を形成した構造が主として用いられてきた。圧電体単結晶の代表的なものとしては、水晶、ニオブ酸リチウム(以下、LiNbO3と表記する)、タンタル酸リチウム(以下、LiTaO3と表記する)等が挙げられる。例えば、広帯域化や通過帯域の低損失化が要求されるRFフィルタの場合には、k2の大きいLiNbO3が用いられる。一方、狭帯域でも安定な温度特性が必要なIFフィルタの場合は、TCFの小さい水晶が用いられる。更に、k2及びTCFがLiNbO3と水晶の間にあるLiTaO3は中間的な用途に用いられている。
【0005】
しかしながら、高k2、零TCF、高Vsをすべて満足した素子は圧電体単結晶だけでは実現できないので、基板と圧電体薄膜の積層構造とを用いた表面弾性波素子が考案されてきた。これは、基板と薄膜の材料の組合せ、薄膜の配向方向や膜厚の制御等により、単結晶よりも優れた特性を得るものである。例えば、TCFが零に近い基板上にk2の大きな圧電体薄膜を形成することにより、全体の特性が高k2、零TCFの表面弾性波素子が実現可能となる。
【0006】
ここで特に、表面弾性波素子を発振器として用いることを考えた場合、発振器には高次逓倍型、位相同期型、直接発振型等の方式があるが、素子の小型化及びジッタ特性の向上のためには直接発振型が望ましいので、発振周波数の高周波化が重要になる。発振周波数を高周波化する場合、IDTの電極ピッチのデザインルールの限界を鑑みても、圧電体層を高Vsを有する硬質層と積層することによって高周波化を実現する素子構造が有望である。特開平6−164294では、Si基板上に硬質層としてダイヤモンド薄膜を形成し、更にその上にZnO圧電体層とSiO2保護層を形成することにより、高k2、零TCF、高Vsの両立が図られており、極めて重要な構造である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の硬質層、圧電体層を有する表面弾性波素子にあっては、以下のような問題点を有していた。
【0008】
特開平6−164294に記載されているようなダイヤモンド薄膜硬質層を用いる場合には、高Vsは得られるものの、表面平坦性が得られない。現状では、ダイヤモンド薄膜が硬いため研磨加工が難しく、時間もかかり、しかもダイヤモンド薄膜が多結晶からなるために、通常の圧電体単結晶基板に比べて表面平坦性が著しく劣る。従って、そのダイヤモンド薄膜の上に堆積する圧電体薄膜の結晶性も低下し、エピタキシャル膜は得られない。圧電体薄膜の表面弾性波素子としての特性はその結晶性に大きく依存しており、多結晶のダイヤモンド薄膜硬質層を用いた場合、特にk2が低下するなどの問題が生ずる。
【0009】
従って実用化に際しては、ダイヤモンド以外の単結晶状の硬質層によってVsの増大を図ることが重要となる。ダイヤモンド以外で単結晶が入手しやすくVsの大きな硬質層及び基板材料としてサファイアが挙げられる。サファイアは、ダイヤモンドの約10000m/sからは劣るものの、Vsが大きく、その単結晶基板は安価で汎用的に用いられ、その上に各種圧電体薄膜がエピタキシャル成長するので、非常に重要な材料である。ここで表面弾性波の伝播速度Vsは、ヤング率をE、密度をρとして、Vs∝(E/ρ)1/2であるから、添加物によってサファイアのヤング率を大きく密度を小さくすることができれば、伝播速度をダイヤモンド並みに増大させることも可能である。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、Vsが大きく、使用帯域の高周波化に対応できるサファイア硬質層を用いた表面弾性波素子、及び当該表面弾性波素子を備える電子回路、周波数フィルタ、及び周波数発振器、並びにこれらを備える電子機器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
〔表面弾性波素子〕
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点による表面弾性波素子は、サファイア単結晶基板と、前記サファイア単結晶基板上にサファイアに元素M1(M1=B、Ga、In、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co)の少なくとも1つを添加した(Al1-xM1x23(0≦x≦0.5)なる組成、コランダム型結晶構造を有する硬質層と、前記硬質層上に圧電体層とを有することを特徴としている。
上記構成によれば、硬質層のヤング率の増大あるいは密度の減少によって表面弾性波のVsを増大させ、表面弾性波素子をより高周波領域で使用可能にすることができる。
【0012】
また、本発明の第1の観点による表面弾性波素子は、前記硬質層が、コランダム型結晶構造を有することを特徴としている。
この構成によれば、硬質層が同一の結晶構造を有する単結晶基板に格子整合することで薄膜の結晶性が向上してk2が向上し、表面弾性波素子の省電力化を図ることができる。
【0013】
更に、本発明の第1の観点による表面弾性波素子は、前記圧電体層が、窒化アルミニウムに窒化硼素を添加した(Al1-xx)N(0≦x≦0.5)なる組成を有し、且つウルツ鉱型結晶構造を有することを特徴としている。
この構成によれば、窒化アルミニウムのヤング率の増大又は密度の減少によって表面弾性波のVsを増大させるとともに、窒化アルミニウムの格子定数が減少して硬質層に格子整合することで薄膜の結晶性が向上してk2が向上し、表面弾性波素子の高周波化、省電力化を図ることができる。
【0014】
また更に、本発明の第1の観点による表面弾性波素子は、前記圧電体層が、酸化亜鉛に元素M2(M2=Li、Mg、Fe、Co、Ni、Cu)の少なくとも1つを添加した(Zn1-xM2x)O(0≦x≦0.5)なる組成と、ウルツ鉱型結晶構造を有することを特徴としている。
この構成によれば、酸化亜鉛のヤング率の増大又は密度の減少によって表面弾性波のVsを増大させるとともに、酸化亜鉛の格子定数が減少して硬質層に格子整合することで薄膜の結晶性が向上してk2が向上し、表面弾性波素子の高周波化、省電力化を図ることができる。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の第2の観点による表面弾性波素子は、サファイアに元素M1(M1=B、Ga、In、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co)を添加し(Al1-xM1x23(0≦x≦0.5)なる組成を有し、且つコランダム型結晶構造を有する単結晶基板と、前記単結晶基板上に形成されてなる圧電体層とを有することを特徴としている。
この構成によれば、サファイア単結晶基板のヤング率の増大又は密度の減少によって表面弾性波のVsを増大させ、より高周波領域で表面弾性波素子を使用することが可能となる。
【0016】
また、本発明の第2の観点による表面弾性波素子は、前記圧電体層が、窒化アルミニウムに窒化硼素を添加した(Al1-xx)N(0≦x≦0.5)なる組成であって、且つウルツ鉱型結晶構造を有することを特徴としている。
この構成によれば、窒化アルミニウムのヤング率の増大又は密度の減少によって表面弾性波のVsを増大させるとともに、窒化アルミニウムの格子定数が減少して単結晶基板に格子整合することで薄膜の結晶性が向上してk2が向上し、表面弾性波素子の高周波化、省電力化を図ることができる。
【0017】
更に、本発明の第2の観点による表面弾性波素子は、前記圧電体層が、酸化亜鉛に元素M2(M2=Li、Mg、Fe、Co、Ni、Cu)の少なくとも1つを添加した(Zn1-xM2x)O(0≦x≦0.5)なる組成であって、且つウルツ鉱型結晶構造を有することを特徴としている。
この構成によれば、酸化亜鉛のヤング率の増大又は密度の減少によって表面弾性波のVsを増大させるとともに、酸化亜鉛の格子定数が減少して単結晶基板に格子整合することで薄膜の結晶性が向上してk2が向上し、表面弾性波素子の高周波化、省電力化を図ることができる。
【0018】
〔周波数フィルタ〕
上記課題を解決するために、本発明の周波数フィルタは、上記の何れかに記載の表面弾性波素子が備える前記圧電体層上に形成された第1の電極と、前記圧電体層上に形成され、前記第1の電極に印加される電気信号によって前記圧電体層に生ずる表面弾性波の特定の周波数又は特定の帯域の周波数に共振して電気信号に変換する第2の電極とを備えることを特徴としている。
この構成によれば、表面弾性波のVsが高いため、より高い周波数の電気信号を第1の電極に印加して、特定の周波数又は特定の帯域の周波数の電気信号をフィルタリングすることができる。
【0019】
〔周波数発振器〕
上記課題を解決するために、本発明の周波数発振器は、上記の何れかに記載の表面弾性波素子が備える前記圧電体層上に形成され、印加される電気信号によって前記圧電体層に表面弾性波を発生させる電気信号印加用電極と、前記圧電体層上に形成され、前記電気信号印加用電極によって発生される表面弾性波の特定の周波数成分又は特定の帯域の周波数成分を共振させる共振用電極とを備えることを特徴としている。
この構成によれば、表面弾性波のVsが高いため、より高い周波数の電気信号を電気信号印加用電極に印加して表面弾性波を発生させることができるとともに、より高い周波数の表面弾性波を共振させることができる。この結果としてより高い周波数の信号を発振することができる。
【0020】
〔電子回路〕
上記課題を解決するために、本発明の電子回路は、上記の周波数発振器と、前記周波数発振器に設けられている前記電気信号印加用電極に対して前記電気信号を印加する電気信号供給素子とを備え、前記電気信号の周波数成分から特定の周波数成分を選択し若しくは特定の周波数成分に変換し、又は、前記電気信号に対して所定の所定の変調を与え、所定の復調を行い、若しくは所定の検波を行うことを特徴としている。
この構成によれば、より高い周波数の信号から特定の周波数成分を選択し若しくは特定の周波数成分に変換し、又は、前記電気信号に対して所定の所定の変調を与え、所定の復調を行い、若しくは所定の検波を行っているため、より高い周波数の電気信号に対して電気的に種々の操作を行う電子回路を提供することができる。
【0021】
〔電子機器〕
上記課題を解決するために、本発明の電子回路は、上記の周波数フィルタ、上記の周波数発振器、及び上記の電子回路の少なくとも1つを含むことを特徴としている。
この構成によれば、より高い周波数で動作する周波数フィルタ、周波数発振器、及び電子回路の少なくとも1つを含むため、今後より高い周波数が用いられる予定の移動通信体、衛星放送用チューナ、その他の各種電子機器を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による表面弾性波素子、電子回路、周波数フィルタ、周波数発振器、及び電子機器について詳細に説明する。
【0023】
〔表面弾性波素子の第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態による表面波弾性素子の断面図である。B(ホウ素)をAlに対して3mol%添加した(Al0.970.0323ターゲットを用いたレーザアブレーションにより、基板温度800℃、酸素分圧約1.33×10-2hPa(ヘクトパスカル)の条件で、R面(102)サファイア単結晶基板1上に(Al0.970.0323硬質層2を堆積した。但し、Bの添加量、基板温度、酸素分圧、基板の面方位は、これに限るものではない。
【0024】
次に、BNをAlNに対して3mol%添加した(Al0.970.03)Nターゲットを用いたレーザアブレーションにより、基板温度800℃、窒素分圧約1.33×10-5hPaの条件で、(Al0.970.0323硬質層2上に(Al0.970.03)N圧電体層3を堆積した。但し、BNの添加量、基板温度、窒素分圧は、これに限るものではない。
【0025】
更に、金属アルミニウムを蒸着後、レジスト塗布、露光、ドライエッチング、レジスト除去によるパターニングの連続プロセスを行い、(Al0.970.03)N圧電体層3上にIDT電極4,5を形成した。
【0026】
得られた表面弾性波素子は、膜面に垂直方向に(Al0.970.03)N(110)//(Al0.970.0323(102)//サファイア(102)、面内方向に(Al0.970.03)N[001]//(Al0.970.0323[101]//サファイア[101]の配向膜であった。
【0027】
得られた表面弾性波素子について、IDT電極4,5の間での表面弾性波の遅延時間Vopenから求めたVsは8500m/sであった。IDT電極4,5の間を金属薄膜で覆った場合の表面弾性波の遅延時間Vshortとの差から求めると、k2は0.01となった。また共振周波数は4.2GHzであった。(Al0.970.0323硬質層2を用いない場合にVsが7500m/s、k2が0.01であることから、(Al0.970.0323硬質層2はk2を減少させることなく高Vs化に効果があることが明らかである。
【0028】
また、硬質層として、Bの代わりにM1=Ga、In、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Coの少なくとも1つを添加した(Al1-xM1x23(0≦x≦0.5)を用いた場合も同様な効果が得られた。更に、圧電体層として、(Al1-xx)N(0≦x≦0.5)の代わりに酸化亜鉛に元素M2(M2=Li、Mg、Fe、Co、Ni、Cu)の少なくとも1つを添加した(Zn1-xM2x)O(0≦x≦0.5)を用いた場合も同様の効果が得られた。また、KNbO3やLiNbO3などの他の圧電体にも有効である。尚、IDT電極を圧電体層の下に形成した場合も同様の効果が得られた。そして、周波数温度特性の改善や表面保護のために、表面にSiO2膜を堆積した場合も同様の効果が得られた。
【0029】
上述のような構成によれば、サファイア単結晶基板上に、元素M1(M1=B、Ga、In、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co)の少なくとも一つを添加した(Al1-xM1x23(0≦x≦0.5)硬質層を堆積し、(Al1-xx)N(0≦x≦0.5)又は(Zn1-xM2x)O(0≦x≦0.5)(M2=Li、Mg、Fe、Co、Ni、Cu)圧電体層を堆積することにより、k2を減少させることなく高Vsを実現させることが可能となる。
【0030】
〔表面弾性波素子の第2実施形態〕
図2は、本発明の第2実施形態による表面波弾性素子の断面図である。BをAlに対して3mol%添加した(Al0.970.0323ターゲットを用いたレーザアブレーションにより、基板温度800℃、酸素分圧約1.33×10-2hPaの条件で、C面(001)サファイア単結晶基板11上に(Al0.970.0323硬質層12を堆積した。但し、Bの添加量、基板温度、酸素分圧、基板の面方位は、これに限るものではない。
【0031】
次に、LiをZnに対して3mol%添加した(Zn0.97Li0.03)Oターゲットを用いたレーザアブレーションにより、基板温度800℃、酸素分圧約1.33×10-2hPaの条件で、(Al0.970.0323硬質層12上に(Zn0.97Li0.03)O圧電体層13を堆積した。但し、Liの添加量、基板温度、酸素分圧は、これに限るものではない。
【0032】
更に、金属アルミニウムを蒸着後、レジスト塗布、露光、ドライエッチング、レジスト除去によるパターニングの連続プロセスを行い、(Zn0.97Li0.03)O圧電体層13上にIDT電極14,15を形成した。
【0033】
得られた表面弾性波素子は、膜面に垂直方向に(Zn0.97Li0.03)O(001)//(Al0.970.0323(001)//サファイア(001)、面内方向に(Zn0.97Li0.03)O[100]//(Al0.970.0323[110]//サファイア[110]の配向膜であった。
【0034】
得られた表面弾性波素子について、IDT電極14,15の間での表面弾性波の遅延時間Vopenから求めたVsは7000m/sであった。IDT電極14,15の間を金属薄膜で覆った場合の表面弾性波の遅延時間Vshortとの差から求めると、k2は0.01となった。また共振周波数は3.5GHzであった。(Al0.97Cr0.0323基板11を用いない場合にVsが6000m/s、k2が0.01であることから、(Al0.970.0323硬質層12はk2を減少させることなく高Vs化に効果があることが明らかである。
【0035】
また、硬質層として、Bの代わりにM1=Ga、In、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Coの少なくとも1つを添加した(Al1-xM1x23(0≦x≦0.5)を用いた場合も同様な効果が得られた。更に、圧電体層として、Liの代わりにM2=Mg、Fe、Co、Ni、Cuの少なくとも1つを添加した(Zn1-xM2x)O(0≦x≦0.5)を用いた場合も同様の効果が得られた。また、(Zn1-xM2x)O(0≦x≦0.5)(M2=Li、Mg、Fe、Co、Ni、Cu)の代わりに(Al1-xx)N(0≦x≦0.5)を圧電体層に用いた場合も同様の効果が得られた。更に、KNbO3やLiNbO3などの他の圧電体にも有効である。尚、IDT電極を圧電体層の下に形成した場合も同様の効果が得られた。そして、周波数温度特性の改善や表面保護のために、表面にSiO2膜を堆積した場合も同様の効果が得られた。
【0036】
上述のような構成によれば、サファイア単結晶基板上に、元素M1(M1=B、Ga、In、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co)の少なくとも一つを添加した(Al1-xM1x23(0≦x≦0.5)硬質層を堆積し、(Al1-xx)N(0≦x≦0.5)又は(Zn1-xM2x)O(0≦x≦0.5)(M2=Li、Mg、Fe、Co、Ni、Cu)圧電体層を堆積することにより、k2を減少させることなく高Vsを実現させることが可能となる。
【0037】
〔表面弾性波素子の第3実施形態〕
図3は、本発明の第3実施形態による表面波弾性素子の断面図である。BNをAlNに対して3mol%添加した(Al0.970.03)Nターゲットを用いたレーザアブレーションにより、基板温度800℃、窒素分圧約1.33×10-5hPaの条件で、CrをAlに対して3mol%添加したR面(102)(Al0.97Cr0.0323単結晶基板21上に(Al0.970.03)N圧電体層22を堆積した。但し、BNの添加量、基板温度、窒素分圧、基板の面方位は、これに限るものではない。
【0038】
更に、金属アルミニウムを蒸着後、レジスト塗布、露光、ドライエッチング、レジスト除去によるパターニングの連続プロセスを行い、(Al0.970.03)N圧電体層22上にIDT電極23,24を形成した。
【0039】
得られた表面弾性波素子は、膜面に垂直方向に(Al0.970.03)N(110)//(Al0.97Cr0.0323(102)、面内方向に(Al0.970.03)N[001]//(Al0.97Cr0.0323[101]の配向膜であった。
【0040】
得られた表面弾性波素子について、IDT電極23,24の間での表面弾性波の遅延時間Vopenから求めたVsは8500m/sであった。IDT電極23,24の間を金属薄膜で覆った場合の表面弾性波の遅延時間Vshortとの差から求めると、k2は0.01となった。また共振周波数は4.2GHzであった。(Al0.970.03)N/サファイア構造の場合にVsが7500m/s、k2が0.01であることから、(Al0.97Cr0.0323単結晶基板はk2を減少させることなく高Vs化に効果があることが明らかである。
【0041】
また、単結晶基板として、Crの代わりにM1=B、Ga、In、Ti、V、Mn、Fe、Coの少なくとも1つを添加した(Al1-xM1x23(0≦x≦0.5)を用いた場合も同様な効果が得られた。更に、圧電体層として、(Al1-xx)N(0≦x≦0.5)の代わりに酸化亜鉛に元素M2(M2=Li、Mg、Fe、Co、Ni、Cu)の少なくとも1つを添加した(Zn1-xM2x)O(0≦x≦0.5)を用いた場合も同様の効果が得られた。また、KNbO3やLiNbO3などの他の圧電体にも有効である。尚、IDT電極を圧電体層の下に形成した場合も同様の効果が得られた。そして、周波数温度特性の改善や表面保護のために、表面にSiO2膜を堆積した場合も同様の効果が得られた。
【0042】
上述のような構成によれば、元素M1(M1=B、Ga、In、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co)の少なくとも一つを添加した(Al1-xM1x23(0≦x≦0.5)単結晶基板上に、(Al1-xx)N(0≦x≦0.5)又は(Zn1-xM2x)O(0≦x≦0.5)(M2=Li、Mg、Fe、Co、Ni、Cu)圧電体層を堆積することにより、k2を減少させることなく高Vsを実現させることが可能となる。
【0043】
〔表面弾性波素子の第4実施形態〕
図4は、本発明の第4実施形態による表面波弾性素子の断面図である。LiをZnに対して3mol%添加した(Zn0.97Li0.03)Oターゲットを用いたレーザアブレーションにより、基板温度800℃、酸素分圧約1.33×10-2hPaの条件で、CrをAlに対して3mol%添加したR面(102)(Al0.97Cr0.0323単結晶基板31上に(Zn0.97Li0.03)O圧電体層32を堆積した。但し、Liの添加量、基板温度、酸素分圧、基板の面方位は、これに限るものではない。
【0044】
更に、金属アルミニウムを蒸着後、レジスト塗布、露光、ドライエッチング、レジスト除去によるパターニングの連続プロセスを行い、(Zn0.97Li0.03)O圧電体層32上にIDT電極33,34を形成した。
【0045】
得られた表面弾性波素子は、膜面に垂直方向に(Zn0.97Li0.03)O(001)//(Al0.97Cr0.0323(001)、面内方向に(Zn0.97Li0.03)O[100]//(Al0.97Cr0.0323[110]の配向膜であった。
【0046】
得られた表面弾性波素子について、IDT電極33,34の間での表面弾性波の遅延時間Vopenから求めたVsは7000m/sであった。IDT電極33,34の間を金属薄膜で覆った場合の表面弾性波の遅延時間Vshortとの差から求めると、k2は0.01となった。また共振周波数は3.5GHzであった。(Al0.97Cr0.0323単結晶基板31を用いない場合にVsが6000m/s、k2が0.01であることから、(Al0.97Cr0.0323単結晶基板31はk2を減少させることなく高Vs化に効果があることが明らかである。
【0047】
また、単結晶基板として、Crの代わりにM1=B、Ga、In、Ti、V、Mn、Fe、Coの少なくとも1つを添加した(Al1-xM1x23(0≦x≦0.5)を用いた場合も同様な効果が得られた。更に、圧電体層として、Liの代わりにM2=Mg、Fe、Co、Ni、Cuの少なくとも1つを添加した(Zn1-xM2x)O(0≦x≦0.5)を用いた場合も同様の効果が得られた。また、(Zn1-xM2x)O(0≦x≦0.5)(M2=Li、Mg、Fe、Co、Ni、Cu)の代わりに(Al1-xx)N(0≦x≦0.5)を圧電体層に用いた場合も同様の効果が得られた。更に、KNbO3やLiNbO3などの他の圧電体にも有効である。尚、IDT電極を圧電体層の下に形成した場合も同様の効果が得られた。そして、周波数温度特性の改善や表面保護のために、表面にSiO2膜を堆積した場合も同様の効果が得られた。
【0048】
上述のような構成によれば、元素M1(M1=B、Ga、In、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co)の少なくとも一つを添加した(Al1-xM1x23(0≦x≦0.5)単結晶基板上に、(Al1-xx)N(0≦x≦0.5)又は(Zn1-xM2x)O(0≦x≦0.5)(M2=Li、Mg、Fe、Co、Ni、Cu)圧電体層を堆積することにより、k2を減少させることなく高Vsを実現させることが可能となる。
【0049】
〔周波数フィルタ〕
図5は、本発明の一実施形態による周波数フィルタの外観を示す斜視図である。図5に示した周波数フィルタは基板40を有する。この基板40は、例えば図1に示したR面(102)サファイア単結晶基板1上に(Al0.970.0323硬質層2及び(Al0.970.03)N圧電体層3を順に積層して形成した基板、図2に示したC面(001)サファイア単結晶基板11上に(Al0.970.0323硬質層12及び(Zn0.97Li0.03)O圧電体層13を順に積層して形成した基板、図3に示したR面(102)(Al0.97Cr0.0323単結晶基板21上に(Al0.970.03)N圧電体層22を積層して形成した基板、又はR面(102)(Al0.97Cr0.0323単結晶基板31上に(Zn0.97Li0.03)O圧電体層32を積層して形成した基板である。
【0050】
この基板40上面にはIDT電極41及びIDT電極42が形成されている。IDT電極41,42は、例えばAl又はAl合金により形成され、その厚みはIDT電極41,42のピッチの100分の1程度に設定される。また、IDT電極41,42を挟むように、基板40の上面には吸音部43,44が形成されている。吸音部41,42は、基板40の表面を伝播する表面弾性波を吸収するものである。基板40上に形成されたIDT電極41には高周波信号源45が接続されており、IDT42には信号線が接続されている。尚、上記IDT電極14は本発明にいう第1電極に相当し、IDT電極42は本発明にいう第2電極に相当する。
【0051】
上記構成において、高周波信号源45から高周波信号が出力されると、この高周波信号はIDT電極41に印加され、これによって基板40の上面に表面弾性波が発生する。この表面弾性波は6000〜8500m/s程度の速度で基板40上面を伝播する。IDT電極41から吸音剤43側へ伝播した表面弾性波は吸音剤43で吸収されるが、IDT電極42側へ伝播した表面弾性波のうち、IDT電極42のピッチ等に応じて定まる特定の周波数又は特定の帯域の周波数の表面弾性波は電気信号に変換されて、信号線を介して端子46a,46bに取り出される。尚、上記特定の周波数又は特定の帯域の周波数以外の周波数成分は、大部分がIDT電極42を通過して吸音剤44に吸収される。このようにして、本実施形態の周波数フィルタが備えるIDT電極41に供給した電気信号の内、特定の周波数又は特定の帯域の周波数の表面弾性波のみを得る(フィルタリングする)ことができる。
【0052】
〔周波数発振器〕
図6は、本発明の一実施形態による周波数発振器の外観を示す斜視図である。図6に示した周波数発振器は基板50を有する。この基板50は、例えば図1に示したR面(102)サファイア単結晶基板1上に(Al0.970.0323硬質層2及び(Al0.970.03)N圧電体層3を順に積層して形成した基板、図2に示したC面(001)サファイア単結晶基板11上に(Al0.970.0323硬質層12及び(Zn0.97Li0.03)O圧電体層13を順に積層して形成した基板、図3に示したR面(102)(Al0.97Cr0.0323単結晶基板21上に(Al0.970.03)N圧電体層22を積層して形成した基板、又はR面(102)(Al0.97Cr0.0323単結晶基板31上に(Zn0.97Li0.03)O圧電体層32を積層して形成した基板である。
【0053】
この基板50上面にはIDT電極51が形成されており、更にIDT電極51を挟むように、IDT電極52,53が形成されている。IDT電極51〜53は、例えばAl又はAl合金により形成され、それぞれの厚みはIDT電極51〜53各々のピッチの100分の1程度に設定される。IDT電極51を構成する一方の櫛歯状電極51aには高周波信号源54が接続されており、他方の櫛歯状電極51bには信号線が接続されている。尚、IDT電極51は、本発明にいう電気信号印加用電極に相当し、IDT電極52,53はIDT電極51によって発生される表面弾性波の特定の周波数成分又は特定の帯域の周波数成分を共振させる本発明にいう共振用電極に相当する。
【0054】
上記構成において、高周波信号源54から高周波信号が出力されると、この高周波信号はIDT電極51の一方の櫛歯状電極51aに印加され、これによって基板40の上面にIDT電極52側に伝播する表面弾性波及びIDT電極53側に伝播する表面弾性波が発生する。尚、この表面弾性波の速度は6000〜8500m/s程度である。これらの表面弾性波の内の特定の周波数成分の表面弾性波はIDT電極52及びIDT電極53で反射され、IDT電極52とIDT電極53との間には定在波が発生する。この特定の周波数成分の表面弾性波がIDT電極52,53で反射を繰り返すことにより、特定の周波数成分又は特定の帯域の周波数成分が共振して、振幅が増大する。この特定の周波数成分又は特定の帯域の周波数成分の表面弾性波の一部は、IDT電極51bの他方の櫛歯状電極51bから取り出され、IDT電極52とIDT電極53との共振周波数に応じて周波数(又はある程度の帯域を有する周波数)の電気信号が端子55aと端子55bに取り出すことができる。
【0055】
図7は、本発明の実施形態の表面弾性波素子(周波数発振器)をVCSO(Voltage Controlled SAW Oscillator:電圧制御SAW発振器)に応用した一例を示す図であり、(a)は側面透視図であり、(b)は上面図透視図である。VCSOは金属製(アルミニウム又はステンレス製)の筐体60内部に実装される。61は基板であり、この基板61上にIC(Integrated Circuit)及び周波数発振器63が実装されている。IC62は外部の回路(図示せず)から入力される電圧値に応じて、周波数発振器63に印加する周波数を制御するものである。
【0056】
周波数発振器63は、基板64上に、IDT電極65a〜65cが形成されており、その構成は図6に示した周波数発振器とほぼ同様である。尚、基板64は、例えば図1に示したR面(102)サファイア単結晶基板1上に(Al0.970.0323硬質層2及び(Al0.970.03)N圧電体層3を順に積層して形成した基板、図2に示したC面(001)サファイア単結晶基板11上に(Al0.970.0323硬質層12及び(Zn0.97Li0.03)O圧電体層13を順に積層して形成した基板、図3に示したR面(102)(Al0.97Cr0.0323単結晶基板21上に(Al0.970.03)N圧電体層22を積層して形成した基板、又はR面(102)(Al0.97Cr0.0323単結晶基板31上に(Zn0.97Li0.03)O圧電体層32を積層して形成した基板である。
【0057】
また、基板61上には、IC62と周波数発振器63とを電気的に接続するための配線66がパターニングされている。IC62及び配線66が例えば金線等のワイヤー線67によって接続され、周波数発振器63及び配線66が金線等のワイヤー線68によって接続されることにより、IC62と周波数発振器63とが配線66を介して電気的に接続されている。
【0058】
図7に示したVCSOは、例えば図8に示すPLL回路のVCO(Voltage Controlled Oscillator)として用いられる。ここで、PLL回路について簡単に説明する。図8は、PLL回路の基本構成を示すブロック図である。図8に示したように、PLL回路は、位相比較器71、低域フィルタ72、増幅器73、及びVCO74から構成される。
【0059】
位相比較器71は、入力端子70から入力される信号の位相(又は周波数)とVCO74から出力される信号の位相(又は周波数)とを比較し、その差に応じて値が設定される誤差電圧信号を出力する。低域フィルタ72は位相比較器71から出力される誤差電圧信号の位置の低周波成分のみを通過させ、増幅器73は低域フィルタ72から出力される信号を増幅する。VCO74は、入力される電圧値に応じて周波数がある範囲で連続的に発振周波数が変化する発振回路である。かかりPLL回路は、入力端子70から入力される位相(又は周波数)とVCO74から出力される信号の位相(又は周波数)との差が減少するように動作し、VCO74から出力される信号の周波数を入力端子70から入力される信号の周波数に同期させる。VCO74から出力される信号の周波数が入力端子70から入力される信号の周波数に同期すると、その後は一定の位相差を除いて入力端子70から入力される信号に一致し、また、入力信号の変化に追従するような信号を出力する。
【0060】
〔電子回路〕
図9は、本発明の一実施形態による電子回路の電気的構成を示すブロック図である。尚、図7に示した電子回路は、例えば図10に示す携帯電話機100の内部に設けられる回路である。図10は、本発明の一実施形態による電子機器の1つとしての携帯電話機の外観の一例を示す斜視図である。図10に示した携帯電話機100は、アンテナ101、受話器102、送話器103、液晶表示部104、及び操作釦部105等を備えて構成されている。
【0061】
図9に示した電子回路は、携帯電話機100内に設けられる電子回路の基本構成を示し、送話器80、送信信号処理回路81、送信ミキサ82、送信フィルタ83、送信電力増幅器84、送受分波器85、アンテナ86a,86b、低雑音増幅器87、受信フィルタ88、受信ミキサ89、受信信号処理回路90、受話器91、周波数シンセサイザ92、制御回路93、及び入力/表示回路94を含んで構成される。尚、現在実用化されている携帯電話機は、周波数変換処理を複数回行っているため、その回路構成はより複雑となっている。
【0062】
送話器80は、例えば音波信号を電気信号に変換するマイクロフォン等で実現され、図10中の送話器103に相当するものである。送信信号処理回路81は、送話器80から出力される電気信号に対して、例えばD/A変換処理、変調処理等の処理を施す回路である。送信ミキサ82は、周波数シンセサイザ92から出力される信号を用いて送信信号処理回路81から出力される信号をミキシングする。尚、送信ミキサ82に供給される信号の周波数は、例えば380MHz程度である。送信フィルタ83は、中間周波数(IF)の必要となる周波数の信号のみを通過させ、不要となる周波数の信号をカットする。尚、送信フィルタ83から出力される信号は不図示の変換回路によりRF信号に変換される。このRF信号の周波数は、例えば1.9GHz程度である。送信電力増幅器84は、送信フィルタ83から出力されるRF信号の電力を増幅し、送受分波器85へ出力する。
【0063】
送受分波器85は、送信電力増幅器84から出力されるRF信号をアンテナ86a,86bへ出力し、アンテナ86a,86bから電波の形で送信する。また、送受分波器85はアンテナ86a,86bで受信した受信信号を分波して、低雑音増幅器87へ出力する。尚、送受信分波器85から出力される受信信号の周波数は、例えば2.1GHz程度である。低雑音増幅87は送受分波器85からの受信信号を増幅する。尚、低雑音増幅器87から出力される信号は、不図示の変換回路により中間信号(IF)に変換される。
【0064】
受信フィルタ88は不図示の変換回路により変換された中間周波数(IF)の必要となる周波数の信号のみを通過させ、不要となる周波数の信号をカットする。受信ミキサ89は、周波数シンセサイザ92から出力される信号を用いて送信信号処理回路81から出力される信号をミキシングする。尚、受信ミキサ89に供給される中間周波数は、例えば190MHz程度である。受信信号処理回路90は受信ミキサ89から出力される信号に対して、例えばA/D変換処理、復調処理等の処理を施す回路である。受話器91は、例えば電気信号を音波に変換する小型スピーカ等で実現され、図10中の受話器102に相当するものである。
【0065】
周波数シンセサイザ92は送信ミキサ83へ供給する信号(例えば、周波数380MHz程度)及び受信ミキサ89へ供給する信号(例えば、周波数190MHz)を生成する回路である。尚、周波数シンセサイザ92は、例えば760MHzの発振周波数で発信するPLL回路を備え、このPLL回路から出力される信号を分周して周波数が380MHzの信号を生成し、更に分周して周波数が190MHzの信号を生成する。制御回路92は、送信信号処理回路81、受信信号処理回路90、周波数シンセサイザ92、及び入力/表示回路94を制御することにより携帯電話機の全体動作を制御する。入力/表示回路94は、携帯電話機100の使用者に対して機器の状態を表示したり、操作者の指示を入力するためのものであり、例えば図10に示した液晶表示部104及び操作釦部105に相当する。
【0066】
以上の構成の電子回路において、送信フィルタ83及び受信フィルタ88として図5に示した周波数フィルタが用いられている。フィルタリングする周波数(通過させる周波数)は、送信ミキサ82から出力される信号の内の必要となる周波数、及び、受信ミキサ89で必要となる周波数に応じて送信フィルタ83及び受信フィルタ88で個別に設定されている。また、周波数シンセサイザ92内に設けられるPLL回路は、図8に示したPLL回路のVCO74として、図6に示した周波数発振器又は図7に示した周波数発振器(VCSO)を設けたものである。
【0067】
以上、本発明の実施形態による表面弾性波素子、周波数フィルタ、周波数発振器、電子回路、及び電子機器について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば上記実施形態においては電子機器として携帯電話機を、電子回路として携帯電話機内に設けられる電子回路を一例に挙げて説明した。しかしながら、本発明は携帯電話機に限定される訳ではなく、種々の移動体通信機器及びその内部に設けられる電子回路に適用することができる。
【0068】
更に、移動体通信機器のみならずBS及びCS放送を受信するチューナ等の据置状態で使用される通信機器及びその内部に設けられる電子回路にも適用することができる。更には、通信キャリアとして空中を伝播する電波を使用する通信機器のみならず、同軸ケーブル中を伝播する高周波信号又は光ケーブル中を伝播する光信号を用いるHUB等の電子機器及びその内部に設けられる電子回路にも適用することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、サファイアと同じコランダム型結晶構造を有する金属酸化物をサファイアに固溶させた硬質層又は単結晶基板を用いることにより、ヤング率の増大又は密度の減少によって表面弾性波の伝播速度を増大させ、表面弾性波素子をより高周波領域で使用することができるようになり、ダイヤモンド硬質層を用いずに高周波発振器などの高周波通信用デバイスを実現することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による表面波弾性素子の断面図である。
【図2】 本発明の第2実施形態による表面波弾性素子の断面図である。
【図3】 本発明の第3実施形態による表面波弾性素子の断面図である。
【図4】 本発明の第4実施形態による表面波弾性素子の断面図である。
【図5】 本発明の一実施形態による周波数フィルタの外観を示す斜視図である。
【図6】 本発明の一実施形態による周波数発振器の外観を示す斜視図である。
【図7】 本発明の実施形態の表面弾性波素子(周波数発振器)をVCSO(Voltage Controlled SAW Oscillator:電圧制御SAW発振器)に応用した一例を示す図であり、(a)は側面透視図であり、(b)は上面図透視図である。
【図8】 PLL回路の基本構成を示すブロック図である。
【図9】 本発明の一実施形態による電子回路の電気的構成を示すブロック図である。
【図10】 本発明の一実施形態による電子機器の1つとしての携帯電話機の外観の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1……R面サファイア(102)単結晶基板
2……(Al0.970.0323(102)硬質層
3……(Al0.970.03)N(110)圧電体層
4,5……IDT電極
11……C面サファイア(001)単結晶基板
12……(Al0.970.0323(001)硬質層
13……(Zn0.97Li0.03)O(001)圧電体層
14,15……IDT電極
21……(Al0.97Cr0.0323(102)単結晶基板
22……(Al0.970.03)N(110)圧電体層
23,24……IDT電極
31……(Al0.97Cr0.0323(001)単結晶基板
32……(Zn0.97Li0.03)O(001)圧電体層
33,34……IDT電極

Claims (11)

  1. サファイア単結晶基板と、
    前記サファイア単結晶基板上に形成され、サファイアに元素M1(M1=B、Ga、In、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co)を添加した(Al1-xM1x23(0≦x≦0.5)なる組成を有する硬質層と、
    前記硬質層上に形成されてなる圧電体層と
    を有することを特徴とする表面弾性波素子。
  2. 前記硬質層は、コランダム型結晶構造を有することを特徴とする請求項1記載の表面弾性波素子。
  3. 前記圧電体層は、窒化アルミニウムに窒化硼素を添加した(Al1-xx)N(0≦x≦0.5)なる組成を有し、且つウルツ鉱型結晶構造を有することを特徴とする請求項1記載の表面弾性波素子。
  4. 前記圧電体層は、酸化亜鉛に元素M2(M2=Li、Mg、Fe、Co、Ni、Cu)の少なくとも1つを添加した(Zn1-xM2x)O(0≦x≦0.5)なる組成と、ウルツ鉱型結晶構造を有することを特徴とする請求項1記載の表面弾性波素子。
  5. サファイアに元素M1(M1=B、Ga、In、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co)を添加し(Al1-xM1x23(0≦x≦0.5)なる組成を有し、且つコランダム型結晶構造を有する単結晶基板と、
    前記単結晶基板上に形成されてなる圧電体層と
    を有することを特徴とする表面弾性波素子。
  6. 前記圧電体層は、窒化アルミニウムに窒化硼素を添加した(Al1-xx)N(0≦x≦0.5)なる組成であって、且つウルツ鉱型結晶構造を有することを特徴とする請求項5記載の表面弾性波素子。
  7. 前記圧電体層は、酸化亜鉛に元素M2(M2=Li、Mg、Fe、Co、Ni、Cu)の少なくとも1つを添加した(Zn1-xM2x)O(0≦x≦0.5)なる組成であって、且つウルツ鉱型結晶構造を有することを特徴とする請求項5記載の表面弾性波素子。
  8. 請求項1から請求項7の何れか一項に記載の表面弾性波素子が備える前記圧電体層上に形成された第1の電極と、
    前記圧電体層上に形成され、前記第1の電極に印加される電気信号によって前記圧電体層に生ずる表面弾性波の特定の周波数又は特定の帯域の周波数に共振して電気信号に変換する第2の電極と
    を備えることを特徴とする周波数フィルタ。
  9. 請求項1から請求項7の何れか一項に記載の表面弾性波素子が備える前記圧電体層上に形成され、印加される電気信号によって前記圧電体層に表面弾性波を発生させる電気信号印加用電極と、
    前記圧電体層上に形成され、前記電気信号印加用電極によって発生される表面弾性波の特定の周波数成分又は特定の帯域の周波数成分を共振させる共振用電極と
    を備えることを特徴とする周波数発振器。
  10. 請求項9記載の周波数発振器と、
    前記周波数発振器に設けられている前記電気信号印加用電極に対して前記電気信号を印加する電気信号供給素子とを備え、
    前記電気信号の周波数成分から特定の周波数成分を選択し若しくは特定の周波数成分に変換し、又は、前記電気信号に対して所定の所定の変調を与え、所定の復調を行い、若しくは所定の検波を行うことを特徴とする電子回路。
  11. 請求項8記載の周波数フィルタ、請求項9記載の周波数発振器、及び請求項10記載の電子回路の少なくとも1つを含むことを特徴とする電子機器。
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