JP3924300B2 - 無線受信機 - Google Patents
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Description
従来、このような移動通信網と基幹通信網との間に形成されるべきアクセス系の多くは、周波数多重化方式が適用された多重無線装置が適用されることによって構築されていた。
図において、アクセス系は、地理的に隔たった異なる2つのサイトに個別に設置された送信端60と受信端70との間に形成される。なお、以下では、送信端60と受信端70とについては、簡単のため、それぞれ上述した2つのサイトに個別に設置された多重無線装置に備えられると仮定する。
・ 所望の多重度(ここでは、簡単のため、「4」であると仮定する。)に等しい数の送信端局部61-1〜61-4
・ これらの送信端局部61-1〜61-4の出力にそれぞれ縦続接続されたブランチングフィルタ(BRFIL)62-1〜62-4
・ これらのブランチングフィルタ62-1〜62-4の出力に個別に接続された第一ないし第四の端子を有するハイブリッド63
・ このハイブリッド63の第五の端子に給電点が接続されたアンテナ64
受信部は、下記の要素から構成される。
・ アンテナ71
・ このアンテナ71の給電点に接続された第一の端子を有するハイブリッド72
・ このハイブリッドの第二ないし第五の端子にそれぞれ接続された入力を有するブランチングフィルタ73-1〜73-4
・ これらのブランチングフィルタ73-1〜73-4にそれぞれ縦続接続された受信端局部74-1〜74-4
このような構成の送信端60では、送信端局部61-1〜61-4は、それぞれ個別に対応する4つのチャネルを介して並行して伝送されるべき伝送情報で変調され、かつ図6(a) に示されるように、占有帯域が周波数軸上で重なることなく隣接した第一ないし第四の無線周波信号を出力する。
ハイブリッド63は、このような濾波処理の下で並行して与えられ、かつ周波数軸上で隣接すると共に、異なる占有帯域を有する第一ないし第四の信号を周波数多重化することによって送信波信号を生成し、かつアンテナ64の給電端にその送信波信号を供給する。なお、このようなアンテナ64から放射される無線周波信号については、以下では、簡単のため、単に「無線周波数信号」という。
ブランチングフィルタ73-1〜73-4は、それぞれ送信端60に備えられたブランチングフィルタ62-1〜62-4の通過域と同じ通過域を有する。さらに、ブランチングフィルタ73-1〜73-4は、このようにして分配された無線周波信号に並行して既述の濾波処理を施すことによってその無線周波信号を逆多重化し、この無線周波信号に周波数多重化されていた第一ないし第四の無線周波信号を並行して抽出する。
したがって、送信端60と受信端70とがそれぞれ設置されたサイトの間には、周波数多重化方式に基づいて所望の多重度の通信リンクが形成される。
したがって、ブランチングフィルタ62-1〜62-4、73-1〜73-4については、このような周波数帯が高いほど、先鋭な所望の通過域は技術的に実現が困難となり、あるいは技術的に可能であっても回路規模やコストが増加し、さらに、実装その他にかかわる制約が生じるために容易には実現され難かった。
このような構成では、実際には、チャネル毎の受信波のレベルが個別に変動し、あるいはこれらのレベルに偏差が生じた場合には、受信端70に備えられたブランチングフィルタ73-1〜73-4と受信端局部74-1〜74-4との何れかで行われる自動利得制御(これらのレベルの変動や偏差の圧縮を目的として行われる。)は、これらのレベルの総和を基準として行われる。
また、一般に、上述した移動通信網の設置、保守および運用にかかわるコストについては、上述したサービスエリアが広くなるほど増加し、特に、基幹通信網との間に形成されるべき通信リンクその他のアクセス系のコストの比率が大きくなる。
したがって、このようなアクセス系には、下記の点で有利である準ミリ波帯以上の周波数が適用されることが強く要望されていた。
・ マルチパス等に起因する伝送品質の劣化が生じ難い。
・ 伝送品質の確保に必要な伝送路符号化の簡略化や省略が可能である。
・ 大きな多重度に対する柔軟な適応に併せて、周波数の再利用が可能である。
このような無線受信機では、上述した複数nの信号は、伝送路、送信端その他の特性、あるいはこれらの特性の変動に起因してレベルの格差が生じた場合であっても、個別に並行して周波数変換され、これらの信号のレベルの内、最大であるレベルを基準として行われる自動利得制御の下でほぼ同じレベルの中間周波信号として与えられ、復調(検波)の対象となる。
さらに、上述した複数nの信号が準ミリ波帯以上の高い周波数帯において異なるレベルで与えられる場合であっても、既述の周波数変換の過程では、これらの複数nの信号が個々の占有帯域の比帯域は柔軟に、かつ安定に小さな値となる。
さらに、上述した複数nの信号が準ミリ波帯以上の高い周波数帯において異なるレベルで与えられる場合であっても、既述の周波数変換の過程では、これらの複数nの信号が個々の占有帯域の比帯域は、柔軟に、かつ安定に小さな値となる。
また、上述した目的は、既述の複数nの第一の出力信号のレベルの変動が個別に抑圧されることによってこれらの第一の出力信号に対応した第二の出力信号が生成され、これらの第二の出力信号のレベルが規定の下限値を下回るときに、該当する第二の出力信号のレベルと、周波数変換を行う手段の全ての入出力特性が線形と見なされ得るこれらの複数nの信号の最大のレベルとの差が圧縮される値に、利得が維持される点に特徴がある無線受信機によって達成される。
さらに、上述した目的は、既述の複数nの第一の出力信号のレベルの変動が個別に抑圧されることによってこれらの第一の出力信号に対応した第二の出力信号が生成され、特定の出力信号レベルの偏差が規定の閾値を上回り、かつこれらの第二の出力信号のレベルが規定の下限値を下回るときに、該当する第二の出力信号のレベルの偏差が圧縮される値に利得が維持される点に特徴がある無線受信機によって達成される。
また、上述した目的は、既述の複数nの第一の出力信号のレベルの変動が個別に抑圧されることによってこれらの第一の出力信号に対応した第二の出力信号が生成され、既述の選択されたレベルの偏差が規定の閾値を上回り、かつこれらの第二の出力信号のレベルが規定の下限値を下回るときに、該当する第二の出力信号のレベルと、周波数変換を行う手段の全ての入出力特性が線形と見なされ得るこれらの複数nの信号の最大のレベルとの差が圧縮される値に、利得が維持される点に特徴がある無線受信機によって達成される。
さらに、上述した目的は、既述の複数nの第一の出力信号のSN比の低下が許容される限度において利得が可変される点に特徴がある無線受信機によって達成される。
また、上述した目的は、所望の雑音指数が確保される限度において利得が可変される点に特徴がある無線受信機によって達成される。
さらに、上述した目的は、既述の複数nの信号で個別に示されるシンボルの列に同期して利得が更新される点に特徴がある無線受信機によって達成される。
さらに、本発明にかかわる無線受信機では、伝送品質が高く維持され、かつ無線伝送路や無線ゾーンの多様なプロフィールに対する柔軟な適応が可能である。
また、本発明にかかわる無線受信機では、SN比や伝送品質が過度に低下することなく、レベルダイヤグラムや利得の配分にかかわる自由度が高く確保される利点がある。
図1は、本発明かかわる無線受信機の原理ブロック図である。
図1に示す無線受信機は、周波数変換手段11-1〜11-n、選択手段12、12A、利得制御手段13-1〜13-n、13A-1〜13A-nおよびレベル変動抑圧手段14-1〜14-nから構成される。
複数nの周波数変換手段11-1〜11-nは、周波数多重化された複数nの信号を個別に周波数変換し、これらの信号に個別に対応する複数nの第一の出力信号を生成する。選択手段12は、複数nの第一の出力信号の内、レベルが最大である特定の出力信号を選択する。複数nの利得制御手段13-1〜13-nは、特定の出力信号のレベルの偏差が圧縮される値に、複数nの周波数変換手段11-1〜11-nの利得を並行して維持する。
さらに、上述した複数nの信号が準ミリ波帯以上の高い周波数帯において異なるレベルで与えられる場合であっても、既述の周波数変換の過程では、これらの複数nの信号が個々の占有帯域の比帯域は、柔軟に、かつ安定に小さな値となる。
本発明にかかわる第二の無線受信機の原理は、下記の通りである。
複数nの周波数変換手段11-1〜11-nは、周波数多重化された複数nの信号を個別に周波数変換し、これらの信号に個別に対応する複数nの第一の出力信号を生成する。選択手段12Aは、複数nの第一の出力信号のレベルの内、伝送品質が最大である特定の信号のレベルを選択する。複数nの利得制御手段13A-1〜13A-nは、選択手段12Aによって選択されたレベルと、複数nの信号の内、複数nの周波数変換手段11-1〜11-nの全ての入出力特性が線形と見なされ得る信号の最大のレベルとの差が圧縮される値に、これらの複数nの周波数変換手段11-1〜11-nの利得を個別に維持する。
さらに、上述した複数nの信号が準ミリ波帯以上の高い周波数帯において異なるレベルで与えられる場合であっても、既述の周波数変換の過程では、これらの複数nの信号が個々の占有帯域の比帯域は、柔軟に、かつ安定に小さな値となる。
本発明にかかわる第三の無線受信機の原理は、下記の通りである。
複数nのレベル変動抑圧手段14-1〜14-nは、複数nの第一の出力信号のレベルの変動を個別に抑圧し、これらの第一の出力信号に対応した第二の出力信号を生成する。複数nの利得制御手段13-1〜13-nは、複数nのレベル変動抑圧手段14-1〜14-nによってそれぞれ生成された第二の出力信号のレベルが規定の下限値を下回るときに、特定の出力信号のレベルに代わるその第二の出力信号のレベルの偏差が圧縮される値に、複数nの周波数変換手段11-1〜11-nの利得を個別に維持する。
本発明にかかわる第四の無線受信機の原理は、下記の通りである。
本発明にかかわる第五の無線受信機の原理は、下記の通りである。
本発明にかかわる第六の無線受信機の原理は、下記の通りである。
本発明にかかわる第七の無線受信機の原理は、下記の通りである。
すなわち、何らかの原因により複数nの信号の何れかのレベルが他の信号レベルに比べて著しく大きな値、あるいは小さな値となった場合であっても、周波数変換手段11-1〜11-nは、入出力特性が線形である領域において安定に作動する。
本発明にかかわる第八の無線受信機の原理は、下記の通りである。
複数nの利得制御手段13A-1〜13A-nは、複数nの第一の出力信号のSN比の低下が許容される限度において複数nの周波数変換手段11A-1〜11A-nの利得を可変する。
したがって、上述した複数nの信号は、無用に歪むことなく、レベルの格差が軽減されつつ所望の中間周波信号に変換される。
複数nの利得制御手段13-1〜13-nは、所望の雑音指数が確保される限度において複数nの周波数変換手段11-1〜11-nの利得を可変することを特徴とする。
すなわち、何らかの原因により複数nの信号の何れかのレベルが他の信号レベルに比べて著しく小さな値となった場合であっても、周波数変換手段11-1〜11-nの利得は、上述した雑音指数が総合的に維持される限度において更新される。
本発明にかかわる第十の無線受信機の原理は、下記の通りである。
複数nの利得制御手段13A-1〜13A-nは、所望の雑音指数が確保される限度において複数nの周波数変換手段11A-1〜11A-nの利得を可変する。
したがって、SN比や伝送品質が過度に低下することなく、周波数変換手段11A-1〜11A-nと、これらの周波数変換手段11A-1〜11A-nの前段および後段におけるレベルダイヤグラムや利得の配分にかかわる自由度が確保される。
複数nの利得制御手段13-1〜13-nは、複数nの信号で個別に示されるシンボルの列に同期して、複数nの周波数変換手段11-1〜11-nの利得を更新する。
すなわち、複数nの周波数変換手段11-1〜11-nの利得は、これらの周波数変換手段11-1〜11-nの後段で行われる信号判定の過程で判別されるべき信号点毎に同期した規定の時点で、更新される。
本発明にかかわる第十二の無線受信機の原理は、下記の通りである。
複数nの利得制御手段13A-1〜13A-nは、複数nの信号で個別に示されるシンボルの列に同期して、複数nの周波数変換手段11A-1〜11A-nの利得を更新する。
したがって、複数nの信号で個別に与えられるシンボルの周期に「周波数変換手段11A-1〜11A-nの利得が更新されるべき頻度」が近い値であっても、SN比や伝送品質が高く維持される。
図2は、本発明の第一、第二および第四の実施形態を示す図である。
本実施形態の特徴は、図5に示すブランチングフィルタ73-1〜73-4および受信端局部74-1〜74-4に代えて図2に示す受信端局部20-1〜20-4が備えられ、さらに、共用部30が備えられた点にある。
・ 図5に示すハイブリッド72の対応する端子に縦続接続されたAGC部(AGC)21P-1、周波数変換部(MIX)22-1、チャネル濾波部(FIL)23-1、24-1およびAGC部(AGC)21S-1
・ AGC部21S-1の出力と制御入力とに接続された帰還制御部25-1
・ 入力がチャネル濾波部(FIL)23-1の出力に接続され、かつ出力が共用部40の対応する入力に接続された検波器26-1
・ 入力が共用部40の出力に接続され、かつ出力がAGC部21P-1の制御入力に接続された制御部27-1
なお、AGC部21P-1については、簡単のため、図3に添え文字「1」〜「n」が省略されて示されるように、縦続接続された低雑音増幅器(LNA)41P-1、可変減衰器(VATT)42P-1、低雑音増幅器(LNA)41S-1、可変減衰器(VATT)42S-1および低雑音増幅器(LNA)41T-1から構成されると仮定する。
共用部30は、受信端局部20-1〜20-4にそれぞれ備えられた検波器26-1〜26-4の出力に個別にアノードが接続され、かつカソードがこれらの受信端局部20-1〜20-4に備えられた制御部27-1の入力に接続された4つのダイオード31-1〜31-4から構成される。
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第一の実施形態の動作を説明する図である。
なお、以下では、受信端局部20-1〜20-4に共通の事項については、これらの受信端局部20-1〜20-4に対応する添え番号「1」〜「4」に代えて、これらの添え番号「1」〜「4」の何れにも該当し得ることを示す添え文字「c」を用いて記述する。
受信端局部20-cでは、周波数変換部22-cおよびチャネル濾波部23-cは、図5に示すハイブリッド72を介して分配され、かつAGC部21P-cを介して与えられた無線周波数信号を下記の条件が成立する方式に基づいて周波数変換することによって、中間周波信号を生成する。
・ 「上述した無線周波数信号に周波数多重化された第一ないし第四の無線周波信号の内、テロダイン検波の対象となるべき単一の特定の無線周波信号の占有帯域に対して、チャネル濾波部23-cの通過域が精度よく設定される程度」に比帯域が小さな値となる周波数帯に、中間周波信号の周波数が生成される。
・ AGC部21S-cの後段で施されるべき所定の信号処理に、この中間周波信号が適合する。
・ 所望の映像周波数選択度および実効選択度(感度抑圧効果、混変調および相互変調を含む。)が総合的に達成される。
AGC部21S-cは、チャネル濾波部23-c、24-cを介して与えられ、かつ上述した特定の無線周波信号に対応する中間周波信号(以下、「特定の中間周波信号」という。)を増幅し、かつ後段(復調、信号判定その他の処理を行う。)に引き渡す。
一方、検波器26-cは、チャネル濾波部23-cの出力端に得られた特定の中間周波信号を包絡線検波し、かつ平滑することによって、その特定の中間周波信号のレベルに比例した電位を瞬時値として有するモニタ信号を生成する。
受信端局部20-cでは、制御部27-cは、規定のレベルダイヤグラムに基づいて予め設定され、かつ上述した瞬時値がとるべき標準値と上述した帰還信号の瞬時値との差が圧縮される値に、AGC部21P-cの利得を維持する。
したがって、本実施形態によれば、無線周波信号の周波数が準ミリ波帯以上の高い周波数であり、その無線周波信号に周波数多重化された個々の無線周波信号のレベルが異なり、あるいは変動し得る場合であっても、図3の下部に実線、点線および破線の折れ線で示すように、受信端局部20-1〜20-4の各段はレベルダイヤグラムが過度に小さな値に変更されることなく線形な領域に維持され、かつチャネル間干渉が確度高く安定に回避される。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第二の実施形態について説明する。
以下、図2を参照して本発明の第二の実施形態の動作を説明する。
本実施形態の特徴は、共用部30と、受信端局部20-cに備えられた制御部27-cとによって行われる下記の処理の手順にある。
さらに、共用部30は、これらの第一ないし第四のモニタ信号の内、下記の条件が成立するモニタ信号の有無を判別し、その判別が偽である期間には、既述の第一の実施形態においてダイオード31-1〜31-4によって行われる処理に等価な処理を行うことによって、帰還信号を生成する。
・ 上述した誤差の平均値が規定の上限値未満である。
・ 規定のレベルダイヤグラムに基づいて予め与えられ、かつ受信端局部20-1〜20-4が線形領域において所望のSN比が確保されつつ作動し得るダイナミックレンジに属するレベルを有する。
一方、受信端局部20-cでは、制御部27-cは、既述の判別の結果が偽である期間には、第一の実施形態と同様に、帰還信号の瞬時値がとるべき標準値とその帰還信号の瞬時値との差が圧縮される値に、AGC部21P-cの利得を維持する。
すなわち、受信端局部20-cでは、初段に配置されたAGC部21P-cの入力端から最終段に配置されたAGC部21S-cの入力端に至る区間の総合利得は、受信端局部20-1〜20-4によって個別に抽出され、かつ中間周波信号に変換されるべき異なる特定の無線周波信号の内、伝送品質が最も高い無線周波信号のレベルに対する偏差が圧縮される値に維持される。
なお、上述した各実施形態では、制御部27-cは、既述の無線周波信号や帰還信号と何ら同期をとることなくAGC部21P-cの利得を更新している。
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第三の実施形態を示す図である。
受信端局部50-1の構成は、図2に示す制御部27-1の前段に選択部51-1が備えられ、その選択部51-1の第一ないし第三の入力に、それぞれ共用部30、AGC部21S-1および検波器26-1の出力が接続された点を除いて、上述した受信端局部20-1の構成と同じである。
以下、図4を参照して本発明の第三の実施形態の動作を説明する。
なお、受信端局部50-1〜50-4に共通の事項については、これらの受信端局部50-1〜50-4に対応する添え番号「1」〜「4」に代えて、これらの添え番号「1」〜「4」の何れにも該当し得ることを示す添え文字「c」を用いて記述する。
(1) 共用部30によって生成された帰還信号の瞬時値Lf-cと、検波器26-cによって与えられるモニタ信号の瞬時値Lp-cと、AGC部21S-cの出力に得られた「特定の中間周波信号」のレベルLs-cとを取り込む。
(2) 帰還制御部25-cによって既述の通りに監視されたレベルLs-cと、上述したレベルLp-c、Lf-cとについて、下記の条件の全てが成立するか否かの判別を行う。
(イ) レベルLsが「規定のレベルダイヤグラムに基づいて予め設定された下限値」を下回る。
(ロ) レベルLpが「そのレベルダイヤグラムに基づいて予め設定された基準値(例えば、10デシベル)」以上に亘って上述したレベルLf-cを下回るか。
(3) 選択部51-cは、このような判別の結果が偽である場合には、上述した帰還信号を選択し、かつ既述の第一または第二の実施形態と同様にその帰還信号を制御部27-cに与える。
(4) しかし、上述した判別の結果が真である場合には、選択部51-cは、上述したモニタ信号を選択し、そのモニタ信号を帰還信号に代えて制御部27-cに与える。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、上述した判別は、既述のレベルダイヤグラムその他の技術的な要求が損なわれない限り、これらの条件(2)(イ)、(ロ) の何れか一方のみに基づいて行われることによって、構成および処理の簡略化が図られてもよい。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、AGC部21S-cによってそのAGC部21S-cの後段に与えられる中間周波信号のレベルが過度に低下し得る場合には、選択部51-cが帰還信号に代えて制御部27-cに与えられるべき信号を下記の何れかの処理を行うことによって選択し、かつ伝送品質のさらなる安定な確保が図られてもよい。
・ 上述したモニタ信号に代えて、帰還制御部25-cによって監視されたレベルを瞬時値として示す信号(以下、「レベル監視信号」という。)を既述の判別に際して参照し、その判別の結果に基づいて適宜制御部27-cに与える。
・ 既述の判別に併せて、そのレベル監視信号で示されるレベルが過度に低下したか否かの判別を行い、この判別の結果が真であるときに該当するレベル監視信号をモニタ信号より優先して制御部27-cに与える。
(第4の実施形態)
以下、図2および図4を参照して本発明の第四の実施形態の動作を説明する。
制御部27-cには、下記の条件の全てまたは一部が成立し、かつAGC部21P-cに設定されるべき利得の範囲(以下、「規定レンジ」という。)が予め既知の情報として与えられる。
・ 受信端局部20-c、50-cを介して受信されるべき無線周波信号のSN(CN)比の劣化が許容可能な限度に抑えられる。
・ 受信端局部20-c、50-cの総合的な雑音指数の劣化が許容可能な限度に抑えられる。
・ 規定のレベルダイヤグラムの下で各部が線形な領域で作動し、あるいは各部の非線形性に起因して発生する歪みのレベルが許容可能な限度に抑えられる。
・ 新たな利得の設定を見合わせる。
・ 規定レンジの範囲に属する利得の内、その新たな利得に対する誤差が最小である利得をAGC部21P-cに設定する。
・ 受信端局部20-c、50-cの各部の回路方式および特性の偏差
・ 送信端と受信端との間に予め設定された総合的なレベルダイヤグラム
・ 無線伝送路の伝送特性(無線ゾーンのプロフィール、気象条件その他を含む。)
・ 送信端で行われ得る送信電力制御
なお、上述した各実施形態では、AGC部21P-cの利得がフィードバッグ方式に基づいて可変されている。
・ AGC部21S-1とチャネル濾波部24-cとの双方もしくは何れか一方の利得
・ AGC部21S-1またはチャネル濾波部24-cの前段に付加された可変利得増幅器の利得(可変増幅器に代えて可変減衰器が付加された場合には、その可変減衰器の減衰度であってもよい。)
また、上述した各実施形態では、周波数変換部22-cでは、二度に亘って周波数変換を行うことによって、チャネル濾波部23-c、24-cの通過域がこれらの占有帯域幅に等しい通過域に安価に精度よく設定される程度に小さな値に、個々のチャネルの比帯域が設定されている。
すなわち、本発明は、ダブルスーパヘテロダイン方式に代えて、ホモダイン検波方式(ダイレクトコンバージョン方式)やトリプルスーバヘテロダイン方式にも同様に適用可能である。
・ 周波数軸上で隣接し、かつ周波数多重化される。
・ 共通の占有帯域幅を有する。
また、上述した実施形態では、本発明は、準ミリ波帯以上の無線周波帯における多重無線伝送によるアクセス系の構成に適用されている。
さらに、上述した各実施形態では、「帰還信号、モニタ信号およびレベル監視信号の瞬時値が何れも対応する無線周波信号や中間周波信号のレベルに比例すること」を前提として、AGC部21P-1の利得が制御部27-cによって設定され、かつ適宜更新されている。
・ 帰還信号、モニタ信号、レベル監視信号にそれぞれ対応する共用部30、検波器26-c、帰還制御部25-c
・ 制御部27-c
・ 選択部51-c
また、上述した各実施形態では、受信端局部20-c、50-cと共用部30との何れもが専用のハードウエアとして構成されている。
さらに、上述した各実施形態では、受信端局20-c、50-cには、周波数多重化され、かつ個別に位相変調された複数(=4)の無線周波信号が並行して入力されている。
また、本発明にかかわる第三ないし第六の無線受信機では、伝送品質が高く維持され、かつ無線伝送路や無線ゾーンの多様なプロフィールに対する柔軟な適応が可能となる。
また、本発明にかかわる第九および第十の無線受信機では、SN比や伝送品質が過度に低下することなく、レベルダイヤグラムや利得の配分にかかわる自由度が確保される。
さらに、本発明にかかわる第十一および第十二の無線受信機では、多重化された個々の信号で個別に与えられるシンボルの周期に、「周波数変換を行う手段の利得が更新されるべき頻度」が近い値であっても、SN比や伝送品質が高く維持される。
12,12A 選択手段
13−1〜n、13A−1〜n 利得制御手段
14−1〜n レベル変動抑圧手段
20−1〜4、50−1〜4 受信端局部
21P、21S AGC部(AGC)
22 周波数変換部(MIX)
23、24 チャネル濾波部(FIL)
25 帰還制御部
26 検波部
27 制御部
30 共用部
31−1〜4 ダイオード
41P,41S 低雑音増幅器(LNA)
42P,42S,44P,44S,44Q 可変減衰器(VATT)
43P,43S,43T,43Qui 増幅器(AMP)
60 送信端
61−1〜4 送信端局部
62−1〜4、73−1〜4 ブランチングフィルタ(BRFIL)
63、72 ハイブリッド
64、71 アンテナ
70 受信端
74−1〜4 受信端局部
Claims (12)
- 周波数多重化された複数nの信号を個別に周波数変換し、これらの信号に個別に対応する複数nの第一の出力信号を生成する複数nの周波数変換手段と、
前記複数nの第一の出力信号の内、レベルが最大である第一の出力信号のレベルを選択する選択手段と、
前記選択された第一の出力信号のレベルと前記複数nの第一の出力信号について予め設定される標準値との偏差が圧縮される値に、前記複数nの周波数変換手段の利得を並行して制御する複数nの利得制御手段と
を備えたことを特徴とする無線受信機。 - 周波数多重化された複数nの信号を個別に周波数変換し、これらの信号に個別に対応する複数nの第一の出力信号を生成する複数nの周波数変換手段と、
前記複数nの第一の出力信号のレベルの内、伝送品質が最大である第一の出力信号のレベルを選択する選択手段と、
前記複数nの第一の出力信号の内、前記複数nの周波数変換手段の全ての入出力特性が線形と見なされ得る第一の出力信号について、予め設定される最大のレベルと前記選択手段によって選択されたレベルとの差が圧縮される値に、これらの複数nの周波数変換手段の利得を個別に制御する複数nの利得制御手段と
を備えたことを特徴とする無線受信機。 - 請求項1に記載の無線受信機において、
前記複数nの第一の出力信号のレベルの変動を個別に抑圧し、これらの第一の出力信号に対応した第二の出力信号を生成する複数nのレベル変動抑圧手段を備え、
前記複数nの利得制御手段は、
前記複数nのレベル変動抑圧手段によってそれぞれ生成された第二の出力信号のレベルが規定の下限値を下回るときに、前記第二の出力信号のレベルと前記複数nの第二の出力信号について予め設定される標準値との偏差が圧縮される値に、前記複数nの周波数変換手段の利得を個別に制御する
ことを特徴とする無線受信機。 - 請求項2に記載の無線受信機において、
前記複数nの第一の出力信号のレベルの変動を個別に抑圧し、これらの第一の出力信号に対応した第二の出力信号を生成する複数nのレベル変動抑圧手段を備え、
前記複数nの利得制御手段は、
対応する周波数変換手段によって生成される第一の出力信号のレベルが前記複数nの周波数変換手段の全てにおいて入出力特性が線形と見なされ得る範囲のレベルであって、対応するレベル変動抑圧手段によって個別に生成された第二の出力信号のレベルが規定の下限値を下回るときに、前記第二の出力信号のレベルと、前記第二の出力信号について予め設定された最大のレベルとの差が圧縮される値に、これらの複数nの周波数変換手段の利得を個別に制御する
ことを特徴とする無線受信機。 - 請求項1に記載の無線受信機において、
前記複数nの第一の出力信号のレベルの変動を個別に抑圧し、これらの第一の出力信号に対応した第二の出力信号を生成する複数nのレベル変動抑圧手段を備え、
前記複数nの利得制御手段は、
対応する周波数変換手段によって生成される第一の出力信号のレベルと前記選択手段によって選択されたレベルとの偏差が規定の閾値を上回り、かつ前記複数nのレベル変動抑圧手段によってそれぞれ生成された第二の出力信号のレベルが規定の下限値を下回るときに、前記第二の出力信号のレベルと、前記第二の出力信号について予め設定された標準値との偏差が圧縮される値に、前記対応する周波数変換手段の利得を個別に制御する
ことを特徴とする無線受信機。 - 請求項2に記載の無線受信機において、
前記複数nの第一の出力信号のレベルの変動を個別に抑圧し、これらの第一の出力信号に対応した第二の出力信号を生成する複数nのレベル変動抑圧手段を備え、
前記複数nの利得制御手段は、
対応する周波数変換手段によって生成される第一の出力信号のレベルと前記選択手段によって選択されたレベルとの偏差が規定の閾値を上回り、かつ前記複数nのレベル変動抑圧手段によってそれぞれ生成された第二の出力信号のレベルが規定の下限値を下回るときに、前記第二の出力信号のレベルと、前記第二の出力信号について予め設定された最大レベルとの偏差が圧縮される値に、前記対応する周波数変換手段の利得を個別に制御する
ことを特徴とする無線受信機。 - 請求項1に記載の無線受信機において、
前記複数nの利得制御手段は、
前記複数nの第一の出力信号のSN比の低下が許容される限度において前記複数nの周波数変換手段の利得を可変する
ことを特徴とする無線受信機。 - 請求項2に記載の無線受信機において、
前記複数nの利得制御手段は、
前記複数nの第一の出力信号のSN比の低下が許容される限度において前記複数nの周波数変換手段の利得を可変する
ことを特徴とする無線受信機。 - 請求項1に記載の無線受信機において、
前記複数nの利得制御手段は、
所望の雑音指数が確保される限度において前記複数nの周波数変換手段の利得を可変する
ことを特徴とする無線受信機。 - 請求項2に記載の無線受信機において、
前記複数nの利得制御手段は、
所望の雑音指数が確保される限度において前記複数nの周波数変換手段の利得を可変する
ことを特徴とする無線受信機。 - 請求項1に記載の無線受信機において、
前記複数nの利得制御手段は、
前記複数nの信号で個別に示されるシンボルの列に同期して、前記複数nの周波数変換手段の利得を更新する
ことを特徴とする無線受信機。 - 請求項2に記載の無線受信機において、
前記複数nの利得制御手段は、
前記複数nの信号で個別に示されるシンボルの列に同期して、前記複数nの周波数変換手段の利得を更新する
ことを特徴とする無線受信機。
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