JP3923757B2 - 携帯端末及び携帯端末の動作モニタデータ記録方法 - Google Patents

携帯端末及び携帯端末の動作モニタデータ記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は使用状況モニタ機構を備えた携帯電話及びその不具合診断方法に係り、特に、携帯端末に記憶された動作モニタを設定された条件下でフリーズし、この時のデータを用いて不具合を診断する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話等の携帯端末では使用状況、電波環境等が時々刻々変化するため、その軌跡を記録するには膨大な記憶容量を必要とすることになり、これらに関するデータ記憶されていなかった。このため、従来は、不具合が生じた時に、その不具合の分析に必要なデータを残しておくことが出来なかった。携帯端末に不具合が生じた場合、顧客はその携帯電話を修理店に持ち込ん不具合の現象を説明する。しかし修理店では顧客からの説明以外には使用状況に関するデータが得られないため、顧客の説明を参考に携帯端末を、テスタ等を用いて調べることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この携帯端末を調査、試験する場合、使用状況や使用時のネットワーク環境等をはっきり把握できないために使用状況、環境を忠実に再現する事が出来ない。このため携帯端末に不具合が生じたのか、ネットワークの状況が悪かったのか、携帯端末のバッテリーに問題があるのか明確に掴めない場合がある。特に電波状況が悪いことに起因する不具合は判断することが出来ない。また、電波環境まで忠実に再現出来るテスタは高価であり、各修理店には置けない。
【0004】
また、携帯端末の使用状況をモニタするために、携帯端末に係る全ての情報又はデータを記憶することにすると、記憶容量が膨大となり、記憶容量が不足する。また、仮に、全てのデータを記憶することができたとしても、これらの情報を分析するのに多大な時間と費用が必要になる。
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解決するために、所定のデータを携帯電話に蓄積し、このデータを用いてトラブルを分析することができる携帯端末、携帯端末の不具合診断技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
携帯電話を使用して、故障、雑音あるいは特殊な使い方などにより不具合に遭遇した場合、その原因は携帯端末、ネットワークあるいは使い方のいずれかある。従って、携帯端末の動作の記録、ネットワークの状況の記録および使用記録(これは使用動作の結果として携帯端末の動作としての記録となる)を行い、記録を分析することによりその原因三者のいずれに在るかを推定することが出来る。
【0007】
発明では、携帯端末は、動作モニタデータとしての、使用中または使用可能な通信路の番号、使用中または使用可能な通信路の電界強度、携帯電話の送信電波出力、使用中通信路のエラー発生率、当該通信の結果及び当該通信における通信基地局による携帯電話の電波異常の監視結果を、複数の記録領域のそれぞれに繰り返し記録可能な動作モニタと、少なくとも、使用中通信路の番号変化回数、当該通信が異常な状態で終了した回数、使用中通信路のエラー発生率、通信基地局が監視する携帯電話の電波異常通知回数、通信基地局からの呼び出し用通信路を見失った回数及びキー入力回数をカウントする頻度カウンタとを備え、前記カウントされた、使用中通信路の番号変化回数、当該通信が異常な状態で終了した回数、使用中通信路のエラー発生率、通信基地局が監視する携帯電話の電波異常通知回数、通信基地局からの呼び出し用通信路を見失った回数、キー入力回数のうちの少なくともいずれかが所定値以上となった場合に、前記動作モニタの記録領域に記録されている動作モニタデータを凍結して保存する構成とする携帯端末や通信路(基地局を含む)の不具合の診断は、前記保存された動作モニタデータを分析し、該分析結果に基づいて該不具合の原因等を判定する。
【0008】
ここで動作モニタデータの記録とは通信に使用する通信路に関するデータの変化の記録を意味し、動作モニタデータとしての、使用中または使用可能な通信路の番号は、例えばcdma one方式の場合はPN Offset No.が該当し、使用中の通信路の電界強度は、例えばcdma one方式の場合は、当該通信路の電波エネルギー密度(Ec/Io)、当該エリア当該周波数の総電波の電界強度(RSSI)が該当し、使用可能な通信路の電界強度は、例えばcdma one方式の場合は使用可能な各通信路の電波エネルギー密度(Ec/Io)が該当し、携帯電話の送信電波出力は、例えばcdma one方式の場合はTxPowerが該当し、使用中通信路のエラー発生率は、例えばcdma one方式の場合はFERが該当し、当該通信の結果は、当該携帯端末の使用が正常な状態で終了したか異常な状態で終了したかを示すデータであり、例えばcdma one方式の場合はCall Final Classが該当し、当該通信で通信基地局が監視する携帯電話の電波異常の監視結果は、例えばcdma one方式の場合はBS Release異常が該当する。これらの動作モニタデータは、動作モニタ内の複数の記録領域に記録される
【0009】
頻度カウンタとは動作、使用に関するカウンタで以下一実施例を示す。即ち、電源投入時間カウンタ、キー入力回数カウンタ、スリープ時間カウンタ(電話待受時、電話機はクロックのみを動作させ他の働きを一定時間休止させ、一定時間間隔で着信の有無をチェックする。チェック時間以外の累積時間)、Zone移行カウンタ(電波基地局管理の通信路群が変わった回数)、位置登録カウンタ(携帯電話が移動し管轄電波基地局が変わった回数)、アイドルハンドオフ回数カウンタ(電話待受時の通信路の変更回数)、累積通話時間カウンタ、Bad(バッド)フレームカウンタ(符号化されたデータの1区切り内にエラーが発生した区切りの数)、Good(グッド)フレームカウンタ(符号化されたデータの1区切り内にエラーが発生しなかった区切りの数)、Paging Lost回数カウンタ(電話待受時基地局からの呼び出し用通信路を見失った回数)である。
【0010】
発明において、頻度カウンタは、充電完了時にリセットして再度カウントを開始する。第1の発明において、頻度カウンタは、少なくとも、使用中通信路の番号変化回数(PN Offset No.の変化回数)、当該通信が異常な状態で終了した回数(Call Final Classの異常回数)、使用中通信路のエラー発生率、通信基地局が監視する携帯電話の電波異常通知回数(BS Release異常回数)、通信基地局からの呼び出し用通信路を見失った回数(Paging Lost回数)及びキー入力回数をカウントする。また、これら使用中通信路の番号変化回数(PN Offset No.の変化回数)当該通信が異常な状態で終了した回数(Call Final Classの異常回数)、エラー発生率、通信基地局が監視する携帯電話の電波異常通知回数(BS Release異常回数)通信基地局からの呼び出し用通信路を見失った回数(Paging Lost回数、キー入力回数のうちのいずれかが所定値以上になった場合動作モニタの記録領域に記録されている動作モニタデータは凍結され保存される
【0011】
また、本発明では、携帯端末の動作モニタデータ記録方法として、動作モニタデータとしての、使用中または使用可能な通信路の番号、使用中または使用可能な通信路の電界強度、携帯電話の送信電波出力、使用中通信路のエラー発生率、当該通信の結果及び当該通信における通信基地局による携帯電話の電波異常の監視結果を、動作モニタの記録領域に記録する第1のステップと、少なくとも、前記使用中通信路の番号変化回数、当該通信が異常な状態で終了した回数、使用中通信路のエラー発生率、通信基地局が監視する携帯電話の電波異常通知回数、通信基地局からの呼び出し用通信路を見失った回数及びキー入力回数をカウントする第2のステップと、前記カウント結果の回数値のうちの少なくともいずれかが所定値以上か否かを判定する第3のステップと、該判定の結果、少なくともいずれかの回数値が所定値以上のときは、当該携帯端末または当該通信路に不具合が発生しているとして、前記動作モニタの記録領域に記録されている動作モニタデータを凍結して保存するとともに、該記録領域への動作モニタデータの記録を中止し、他の記録領域への記録に移行する第4のステップとを備える。携帯端末や通信路(基地局を含む)の不具合の診断は、前記保存された動作モニタデータを分析し、該分析結果に基づいて前記不具合の原因等を判定する。
【0012】
発明において、前記第2のステップでは頻度カウンタが充電完了時にリセットされて再度カウントを開始する。また、動作モニタのデータ(動作モニタデータ)を記録する第1のステップでは、使用中または使用可能な通信路の番号変化(PN Offset No.の変化使用中または使用可能な通信路の電界強度(Ec/Io)当該エリア当該周波数の総電波の電界強度(RSSI携帯電話の送信電波出力(TxPower使用中通信路のエラー発生率(FER当該通信の結果(Call Final Class)、基地局が監視する携帯電話の電波異常(BS Release異常)を記録し、第2のステップでは、少なくとも、使用中通信路の番号変化回数(PN Offset No.の変化回数)、当該通信が異常な状態で終了した回数(Call Final Classの異常回数)、使用中通信路のエラー発生率(FER)、通信基地局が監視する携帯電話の電波異常通知回数(BS Release異常回数)、通信基地局からの呼び出し用通信路を見失った回数(Paging Lost回数)及びキー入力回数をカウントする。また、電源投入時間スリープ時間、Zone移行回数、位置登録回数、アイドルハンドオフ回数、累積通話時間、Bad(バッド)フレーム数、Good(グード)フレーム数カウント可能にする。また、第3のステップでは、前記カウント結果の回数値のうちの少なくともいずれかが所定値以上か否かを判定し、第4のステップでは、該判定の結果、少なくともいずれかの回数値が所定値以上のとき(所定時間内に所定値以上になった場合を含む)、当該携帯端末または当該通信路(基地局を含む)に不具合が発生しているとして、前記動作モニタの記録領域に記録されている動作モニタデータを凍結して保存するとともに、該記録領域への動作モニタデータの記録を中止し、他の記録領域への記録を行う
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について、実施例を用い、図を参照して説明する。
図1は本発明による携帯端末に設けられるメモリ及び累積カウンタの一実施例を示す概略図であり、図1(a)は動作モニタの記憶領域を示し、図1(b)は累積頻度カウンタを示す。
【0014】
本実施例の携帯端末には動作モニタ記録領域と頻度カウンタが設けられ、これらをプログラムによって、以下のように制御される。
本実施例では、動作モニタとして、使用中および使用可能通信路番号の変化、すなわちPN Offset No.変化の回数を知るための通信路番号(以下PN Offset No.の変化という。)、当該チャネルの電波の強さ(以下、Ec/I0という。単位はdB)、受信している全通信路の、電波の強さの総和(以下、RSSIという。単位はdBm)、携帯端末の送信電波出力(以下、TxPowerという。単位はdBm)、使用中通信路のエラー発生率を、情報を送受する単位フレーム毎にエラー発生を検知し全フレーム数に対し、エラーのあったフレーム数の百分率であるエラー率(以下FERという。単位は%)、及び携帯端末の使用の終了が正常に終わったか異常な状態で終わったかを示すデータ即ち当該通信の結果(以下、Call Final Classという。)、当該通信に関し基地局が携帯電話電波異常を監視した結果の通知(以下BS Release異常という。)を選択し、これを記憶する。
【0015】
Call Final Classを示すデータとしては、携帯端末から正常に動作を終了した(例えば、正常に電話を切った)ことを示すMS Release(エム・エス・レリーズ)、基地局から正常に終了した(例えば、基地局から正常に電話を切った)ことを示すBS Release(ビー・エス・レリーズ)、携帯端末から発信したが接続できないことを示す発呼NG(エヌ・ジー)、通信又は通話中に電波がなくなったことを携帯端末(携帯電話)が検知したことを示すRF Loss(アール・エフ・ロス)がある。
【0016】
これらの動作モニタの記憶領域を図1(a)に示す。図において、11は動作モニタ記録領域であり、11aは第1の動作モニタ記録領域、11bは第2の動作記録領域、11nは第nの記録領域を示す。各記録領域11a〜11nは所定の時間、例えば、15分間動作モニタデータを記録できる容量をそれぞれ持っている。まず、第1の動作モニタ記録領域11aを選択し、動作モニタデータを所定の時間、例えば15分間記録する。所定時間の記録が終了した場合には、今まで第1の記録領域11aに記録していた動作モニタデータを消去しながら次の動作モニタデータを記録する。そして、後述するように、フリーズ条件が発生した場合には、その時点で、今まで記録されていた動作モニタデータの記録を保存する。第1の記録領域11aの記録が保存された場合には、次の動作モニタデータは第2の記録領域11bに記録される。この第2の記録領域11bも所定の時間、例えば15分間動作モニタデータを記録できる。第1の記録領域11aの場合と同様に、動作モニタデータを記録する。すなわち、第2の記録領域11bに所定の時間記録したらこの領域に最初に記録された動作モニタのデータを消去しながら次の動作モニタのデータを記録し、フリーズ条件が発生した場合には、第2の記録領域11bに記録されている内容を保存し、以降の動作モニタのデータを第3の記憶領域に記録する。このように、順次第1〜第nの記憶領域11nに記録する。
【0017】
図1(b)において、12は頻度カウンタ領域であり、頻度カウンタ12は携帯端末の充電完了時にカウンタを開始し、再度充電を開始し、充電が完了したときにカウンタをリセットして再びカウントを開始する。
頻度カウンタ12としては、電源投入時間カウンタ13、キー入力回数カウンタ14、スリープ時間カウンタ15、Zone(ゾーン)移行回数カウンタ16、位置登録回数カウンタ17、アイドルハンドオフ回数カウンタ18、累積通話時間カウンタ19、Bad(バッド)フレーム数カウンタ20、Good(グード)フレーム数カウンタ21、及びPaging Lost(ページングロスト)回数カウンタ22から構成される。
【0018】
なお、電源投入カウンタ13は、充電終了から次の充電終了時間の間(以下、所定のカウント期間という)の累積の電源投入時間をカウントし、キー入力回数カウンタ14は所定のカウント期間中に押されたキー入力回数をカウントする。スリープ時間カウンタ15はクロックのみが働いていおり、他は働いていない時間をカウントする。Zone移行回数カウンタ16はあるエリアから他のエリアに移動した回数をカウントする。位置登録回数カウンタ17は携帯端末の位置が変化し、基地局に位置を登録した回数をカウントする。アイドルハンドオフ回数カウンタ18は待ち受け時間中に呼び出し用通信路が変化した回数をカウントする。累積通話時間カウンタ19は通話時間をカウントする。Bad(バッド)フレーム数カウンタ20はエラーのあったフレーム数をカウントする。Good(グード)フレーム数カウンタ21はエラーの無いフレーム数をカウントする。Paging Lost(ページングロスト)回数カウンタ22は電波が無くなった回数をカウントする。
【0019】
次に、動作モニタ記憶領域に記録されているデータをフリーズ、即ち保存する条件であるフリーズ条件の一実施例について説明する。本実施例では、動作モニタ記憶領域に記憶されているPN Offset No.の変化が所定値以上、例えば、3回以上/1分、又は20回以上/10分になった場合、または、Call Final Classの異常またはBSレリーズ異常が所定値以上、例えば、1回目のCall Final Class異常またはBSレリーズ異常が発生してから、2回目以降3回以上/10分になった場合、または、エラー発生率が所定値以上、例えばFER≧6%が4回以上/1分になった場合に動作モニタ記録領域11に記録されているデータを保存する。
【0020】
また、頻度カウンタ12の内、Paging Lost回数カウンタ22が所定値以上、例えば、3回以上/1分又は20回以上/10分になった場合、または、キー入力回数カウンタ14が所定値以上、例えば、300回以上/60分になった場合に動作モニタ記録領域11に記録されているデータを保存する。
【0021】
以下、本発明による携帯端末について、図2を用いて説明する。
図2は本発明による携帯端末の一実施例を示すブロック図である。図において、25は携帯端末回路であり、携帯端末回路25からの信号はCPU26に入力される。CPU26はデータメモリ28の携帯端末制御用メモリ37のデータを用い、プログラムメモリ27の携帯端末制御プログラム29に従って携帯端末を制御する。携帯端末制御プログラム29によって動作モニタプログラム30が制御される。動作モニタ記録領域11は図1(a)に示すように構成されており、この動作モニタプログラム30によって、第1〜第nの記録領域が選択され、データが記録される。選択された記録領域が例えば、第1の記録領域11aである場合、この第1の記録領域11aに所定時間、特定の動作モニタのデータが記録され、所定時間が経過した後の動作モニタのデータは第1の記録領域11aの先に記録されたデータ上に上書きされるように動作記録プログラム31によって制御される。動作記録プログラム31は、少なくともフリーズ条件を決定するために選択された動作モニタのデータを第1の記録領域11aに記録する場合には、それよりも前に記録された動作モニタのデータを呼び出し、過去に記録した動作モニタと今回記録する動作モニタのデータがフリーズ条件を満足するか否かを動作モニタプログラム30の制御を経て動作モニタフリーズ判定プログラム32で判定し、フリーズ条件を満たす場合には第1の記録領域11aに記録されている動作モニタのデータを凍結して保存する。次の動作モニタのデータは他の記録領域、例えば、第2の記録領域に記録される。
【0022】
例えば、動作モニタとして、PN Offset No.の変化を第1の記録領域11aに記録する場合、動作記録プログラム31は例えば、10分間のPNOffset No.の変化を計数し、この計数結果を動作モニタフリーズ判定プログラム32で常に判定する。例えば、PN Offset No.の変化が10分間に20回以上の場合は、動作モニタフリーズ判定プログラム32はPN Offset No.の変化大と判定して、その結果を動作記録プログラム31に伝達すると、動作記録プログラム31は記録領域11aに記録されているデータをフリーズ、すなわち凍結して保存する。それ以降に発生する動作モニタのデータは他の記録領域、例えば第2の記録領域11bに記録される。
【0023】
図2において、頻度カウンタプログラム33は携帯端末制御プログラム29によって制御され、頻度カウンタプログラム33は頻度カウンタ計数プログラム34及び頻度カウンタフリーズ判定プログラム35を制御する。頻度カウンタ12は図1(b)に示す頻度カウンタである。頻度カウンタ計数プログラム34は頻度カウンタ12のいずれかのカウンタで計数すべきデータが入力されると頻度カウンタ12の対応するカウンタからデータを読み出して計数し、その値がフリーズ条件になったのか否かを頻度カウンタフリーズ判定プログラム35で判定し、フリーズ条件になった場合には、これを頻度カウンタ計数プログラム34に伝達する。頻度カウンタ計数プログラム34は更にフリーズ条件になったことを各頻度カウンタプログラム33、携帯端末制御プログラム29および動作モニタプログラム30の制御を介して動作記録プログラム31に伝達して、動作モニタデータを記録している記録領域の動作モニタデータを保管すると共に、以降の動作モニタデータを他の記録領域に記録し始める。
【0024】
例えば、今、動作モニタのデータを第2の記録領域11bに記録しており、Paging Lostが発生したと仮定する。この場合、頻度カウンタ計数プログラム34は頻度カウンタ12のうちのPaging Lost回数カウンタ22のデータを呼び出してこれに今回発生したPaging Lostを計数して、すなわち1を加えてPaging Lost回数カウンタ22に書き込むと共に、頻度カウンタフリーズ判定プログラム35でフリーズ条件になったか否かを判定する。フリーズ条件になった場合には、この判定結果を頻度カウンタ計数プログラム34に伝達し、頻度カウンタ計数プログラム34はフリーズ条件が発生したことを、携帯端末制御プログラムと動作モニタプログラム30を介して動作記録プログラム31に伝達し、第2の記録領域に記録されているデータを保存するとともにこの第2の記録領域11bへの記録を中止し、以降の動作モニタデータを他の、例えば、第3の記録領域11cに記録する。
【0025】
以上述べたように、本実施例では、フリーズ要因として選択された、動作モニタのデータや頻度カウンタ12のデータがフリーズ条件になった場合には、その時まで動作モニタのデータが記録されていた記録領域のデータを保存すると共に、この領域への記録を中止し、以降の動作モニタのデータを他の記録領域に記録する。
【0026】
携帯端末に不具合が生じたと顧客が判断した場合、顧客はこの携帯端末を修理店に持ち込む。修理店では、顧客のクレームをパソコン(パーソナルコンピュータ)に入力すると共に携帯端末に記録されているデータを携帯端末からパソコンに取り込む。後述の内容から明らかなように、このパソコンには携帯端末に記録されているデータを分析できるソフトが搭載されている。
【0027】
フリーズ条件が発生した場合には、動作モニタ記録領域11に記録された動作モニタデータと頻度カウンタ12のデータが携帯端末からパソコンに入力され、フリーズ条件が発生しない場合には、少なくとも頻度カウンタ12のデータが携帯端末からパソコンに入力される。
また、顧客からのクレーム内容は予め分析しておき、幾つかのキーワードとして持っている。
【0028】
図3は携帯端末データのパソコンでの分析動作の一実施例を示すフローチャートである。
図において、ステップ41でパソコンに不具合の内容をキーワードとして入力する。携帯端末をパソコンに接続し、ステップ42で携帯端末に記録されているデータを読み出す。ステップ44で動作モニタデータ、頻度カウンタデータ、フリーズ要因がある場合にはその要因と、不具合のキーワード及び携帯端末からのデータを図4に示すように分析する。これによってフリーズ要因、不具合の推定原因、その不具合の原因を判定したデータを生成し、ステップ45で、フリーズ要因の有無、フリーズ要因、不具合判定データ、不具合の推定原因などをディスプレイに表示する。
【0029】
図4〜図6は不具合分析テーブルの一実施例を示すテーブルである。
【0030】
図のテーブルの行51は想定される顧客からの申告、すなわち移動体通信の特質として起こりうる不具合の内容を示す。行52はフリーズ要因の有無及びフリーズ要因を示す。行53はPN Offset No.の変化、行54は同じPN Offset No.の出現回数を示す。行55はEc/I0を、行56はRSSIを、行57はTxPowerを、行58は6%以上のFER発生回数を、行59はCall Final ClassまたはBS Release異常の有無を示す。行60は頻度カウンタ12の評価値を示し、行61は推定される不具合の原因を示す。また、列の処理項はパソコンでの演算処理を示し当該行の処理の内容を示す、本テーブルの項番は想定される不具合の事例を示す。
【0031】
PN Offset No.の変化の行53では、1分、5分、10分、15分間隔で計算する。PN Offset No.の行54ではPN Offset No.の出現を1分、5分、10分、15分間隔で計算する。Ec/I0の行55では、変動4dB以上の有無、そのPN Offset No.の個数及びこのテーブルに記載の条件を算出する。RSSIの行56ではRSSI≧−99dBmで、最小値以上かを計算する。TxPowerの行57では、TxPower+RSSIが−66か、それ以上か、それ以下かを計算する。FERの行58では、FER6%以上の発生回数を計算する。すなわち、(FER≧6%)が4回以上となることが1分間に4回以上あるか否かを計算する。Call Final Classの行では、Call Final Class、BS Release異常を分類し、異常を求める。
【0032】
以下、図4〜図10の不具合分析テーブルに記載した幾つかの事例について、携帯端末のうち携帯電話について各項番ごとに説明する。
【0033】
項番1の事例では、顧客から終日家にいたが電源(電池)の消耗が速いとの申告があった想定した場合である。パソコン携帯電話のデータを分析した結果、フリーズ要因はPN Offset No.の変化が所定値より大きいことが判明した。また、PN Offset No.変化が10分間に20回以上あり、同じPN Offset No.も4回以上出現している。Ec/I0の変動レベルが4dB以上であり、Call Final Classは発信が無く、待受状態であり、スリープカウンタ値を待受時間で割り算した値が0.96以下であった。この場合には、利用者は同じ場所にとどまっているが、基地局からの電波の強さが変動するため、あたかも利用者が基地局に近づいたり離れたりしているように電話機は判断してしまう。このため基地局に位置登録を頻繁に繰り返した結果電源の消耗が激しくなったと判断される。従って、携帯電話は正常であり、ネットワークに不具合があると判断出来る。
【0034】
項番2の例では、顧客からやはり電源の消耗が速いとの申告があった場合を想定している。パソコンで携帯電話のデータを分析した結果、スリーブ要因は無く、(累積通話時間)×100+(待受時間)≦180であり、(スリープカウンタ)/(待受時間)≧0.96であった。この場合は、特に電源(電池)を消耗させる原因は見当たらないので、バッテリー不良、または、携帯電話不良と判断できる。
項番3の例では、顧客から同じく電源の消耗が速いとの申告があった場合の想定である。パソコンで携帯電話のデータを分析した結果、フリーズ原因はキー入力回数が所定値より多いことにあることが判明した。また、(キー入力回数)≧12×(累積通話時間)×1.5/1分であり、(スリープカウンタ)/(待受時間)≦0.90であった。この場合、電源の消耗はキー操作が多いことに原因があり、携帯電話は正常であると判断できる。キー操作が多い場合としては、メール送信などによる顧客本人のキー操作が多い場合と、顧客がキー操作無効とせずに、鞄等に入れて持ち歩くうちに鞄の中でキーが接触してキーが押されてしまう場合などが考えられる。
【0035】
項番4の事例では、顧客から通話切れが多いとの申告があった場合の想定である。パソコンで携帯電話のデータを分析した結果、フリーズ原因としてはエラー発生率(FER)が所定値より高いことにあることが判明した。また、PN Offset No.の変化≧3回/1分であり、Ec/I0のレベル≦−14dBであり、(FER≧6.0%)が4回以上/1分であり、発呼NGあるいはRFロスが発生しており、(Badフレーム数)/(Goodフレーム数)≧3である。この場合、携帯電話が不具合であるとのデータは無く、エラー発生率が所定値より大きい原因はEc/I0の低さにありネットワークの不具合であると判断できる。
【0036】
項番5の事例では、顧客からやはり通話切れが多いとの申告があった場合を想定している。パソコンで携帯電話のデータを分析した結果、フリーズ原因としてはBSレリーズ異常の回数が所定値以上であることが判明した。また、RSSI+TxPower≧−73dBmかつTxPower=23dBmであり、BSレリーズ異常が多発していた。この場合、TxPowerの記録数値のみが大き実際の出力出ていないと考えられ、携帯電話不良と判断出来る。
【0037】
項番6の事例では、顧客からアンテナピクトが強いのに発信できないとの申告があった場合の想定である。パソコンで携帯電話のデータを分析した結果、フリーズ原因としてはCall Final Classの異常の発生回数が所定値より多いことが判明した。また、RSSI≧−99dBmと最小値以上であり、RSSI+TxPower≧−73dBmで、しかもTxPoweが23dBmである。この場合、携帯電話が定格いっぱい出力しても基地局に電波が届かない。置局上局が遠すぎるまたはサービス地域外と判断できネットワークの不具合である。
項番7の事例では、顧客からやはりアンテナピクトが強いのに発信できないとの申告があった場合の想定である。パソコンで携帯電話のデータを分析した結果、フリーズ原因としてはBSレリーズ異常の回数が所定値より多いことが判明した。また、Ec/I0のレベル≧−12dBでありRSSI≧−99dBmと最小値以上であり、TxPowerの記録数値のみ23dBmと大きいが実際の出力が出ていなと判断される。この場合、携帯電話の不良、特に携帯電話の出力不足と判断できる。
【0038】
項番8の事例では、顧客から圏外でないのに着信しないとの申告があった場合の想定である。パソコンで携帯電話のデータを分析した結果、フリーズ原因としてはPaging Lostの回数が所定値より多いことが判明した。また、BSレリーズ異常、Call Final Class異常が発生した。この場合は携帯電話に不具合は発見されておらず、Paging Lost回数が多いなどのことからネットワークが不具合であると判断できる。
【0039】
項番9の事例では、やはり顧客から圏外でないのに着信しないとの申告があった場合の想定である。パソコンで携帯電話のデータを分析した結果、フリーズ原因としてはCall Final Class異常が所定値より多いことが判明した。また、E0/I0レベル≧-12dBであり、RSSI≧−99dBmと最小値以上であり、RSSI+TxPower≦−73dBmであり、(FER≧6.0%)が4回未満/1分であり、BSレリーズ異常が発生した。この場合ネットワークには不都合が無いため、携帯電話が不具合であると判断できる。
【0040】
以上述べたように、本実施例では、フリーズ条件を定め、このフリーズ条件が発生した場合に携帯電話に記録された動作モニタデータを保存すると共に所定の頻度データを記録しているため、この携帯電話のデータと顧客から申告された携帯電話の不具合とをパソコンで分析することによって、携帯電話が不具合なのかネットワークが不具合なのかを診断することができる。
図4〜図6の実施例では携帯電話を例にとって説明したが、本発明は携帯電話に限定されるものではなく、モバイルなどの携帯端末に適用することが出来る。
【0041】
本発明の実施例の説明では、cdma one方式を例にとって説明したが、本発明は、他の方式の携帯端末に適用することができる。その場合、通信に使用する通信路に関するデータの変化の記録である動作モニタのデータ記録は以下のように読み替えることができる。なお、この場合、cdma oneで使用した用語をカッコ内に示す。
即ち、(PN Ofset No.等)は使用中又は使用可能各通信路番号を示し、(当該通信路の電波エネルギー密度(Ec/Io)、および当該エリア当該周波数の総電波の電解強度(RSSI))は使用中通信路の電界強度を、(使用可各通信路の電波エネルギー密度(Ec/Io))は使用可能通信路の電界強度を、(TxPow)は携帯電話の送信出力を、(FER)は使用中通信路のエラー発生率を、(Call Final Class)当該通信の結果(正常/異常、異常原因)を、(BS Release異常)は当該通信に関し基地局監視の携帯電話電波異常の通知を示す。
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、携帯端末が不具合なのか、ネットワークが不具合なのかを診断することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による携帯端末に設けられるメモリ及び累積カウンタの一実施例を示す概略図である。
【図2】本発明による携帯端末の一実施例を示すブロック図である。
【図3】携帯端末データのパソコンでの分析動作の一実施例を示すフローチャートである。
【図4】不具合分析テーブルの一実施例を示すテーブルである。
【図5】不具合分析テーブルの一実施例を示すテーブルである。
【図6】不具合分析テーブルの一実施例を示すテーブルである。
【符号の説明】
11…動作モニタ記録領域、11a…第1の記憶領域、11b…第2の記録領域、11n…第nの記録領域、12…頻度カウンタ、13…電源投入時間カウンタ、14…キー入力回数カウンタ、15…スリープ時間カウンタ、16…Zone(ゾーン)移行回数カウンタ、17…位置登録回数カウンタ、18…アイドルハンドオフ回数カウンタ、19…累積通話時間カウンタ、20…Bad(バッド)フレーム数カウンタ、21…Good(グード)フレーム数カウンタ、22…Paging Lost(ページングロスト)回数カウンタ、25…携帯端末回路、26…CPU、27…プログラムメモリ、28…データメモリ、29…携帯端末制御プログラム、30…動作モニタプログラム、31…動作記録プログラム、32…動作モニタフリーズ判定プログラム、33…頻度カウンタプログラム、34…頻度カウンタ係数プログラム、35…頻度カウンタ判定プログラム、37…携帯端末制御用メモリ。

Claims (7)

  1. 動作モニタデータとしての、使用中または使用可能な通信路の番号、使用中または使用可能な通信路の電界強度、携帯電話の送信電波出力、使用中通信路のエラー発生率、当該通信の結果及び当該通信における通信基地局による携帯電話の電波異常の監視結果を、複数の記録領域のそれぞれに繰り返し記録可能な動作モニタと、
    少なくとも、使用中通信路の番号変化回数、当該通信が異常な状態で終了した回数、使用中通信路のエラー発生率、通信基地局が監視する携帯電話の電波異常通知回数、通信基地局からの呼び出し用通信路を見失った回数及びキー入力回数をカウントする頻度カウンタと
    を備え、
    前記カウントされた、使用中通信路の番号変化回数、当該通信が異常な状態で終了した回数、使用中通信路のエラー発生率、通信基地局が監視する携帯電話の電波異常通知回数、通信基地局からの呼び出し用通信路を見失った回数、キー入力回数のうちの少なくともいずれかが所定値以上となった場合に、前記動作モニタの記録領域に記録されている動作モニタデータを凍結して保存する構成としたことを特徴とする携帯端末。
  2. 請求項1記載の携帯端末において、前記頻度カウンタは充電完了時にリセットして再度カウントを開始する構成であることを特徴とする携帯端末。
  3. 請求項1記載の携帯端末において、前記動作モニタは、前記複数の記録領域が順次選択され、該選択された記録領域に、前記動作モニタデータが記録される構成であることを特徴とする携帯端末。
  4. 請求項1記載の携帯端末において、前記頻度カウンタは、電源投入時間、スリープ時間、Zone移行回数、位置登録回数、アイドルハンドオフ回数、累積通話時間、Badフレーム数、Goodフレーム数もカウント可能な構成であることを特徴とする携帯端末。
  5. 携帯端末の動作モニタデータを記録する動作モニタデータ記録方法であって、
    動作モニタデータとしての、使用中または使用可能な通信路の番号、使用中または使用可能な通信路の電界強度、携帯電話の送信電波出力、使用中通信路のエラー発生率、当該通信の結果及び当該通信における通信基地局による携帯電話の電波異常の監視結果を、動作モニタの記録領域に記録する第1のステップと、
    少なくとも、前記使用中通信路の番号変化回数、当該通信が異常な状態で終了した回数、使用中通信路のエラー発生率、通信基地局が監視する携帯電話の電波異常通知回数、通信基地局からの呼び出し用通信路を見失った回数及びキー入力回数をカウントする第2のステップと、
    前記カウント結果の回数値のうちの少なくともいずれかが所定値以上か否かを判定する第3のステップと、
    前記判定の結果、前記少なくともいずれかの回数値が所定値以上のとき、当該携帯端末または当該通信路に不具合が発生しているとして、前記動作モニタの記録領域に記録されている動作モニタデータを凍結して保存するとともに、該記録領域への動作モニタデータの記録を中止し、他の記録領域への記録を行う第4のステップと、
    を備えたことを特徴とする携帯端末の動作モニタデータ記録方法
  6. 請求項5記載の携帯端末の動作モニタデータ記録方法において、
    前記第2のステップでは、さらに、電源投入時間、スリープ時間、Zone移行回数、位置登録回数、アイドルハンドオフ回数、累積通話時間、Badフレーム数、Goodフレーム数をカウントすることを特徴とする携帯端末の動作モニタデータ記録方法
  7. 動作モニタデータとしての、使用中または使用可能な通信路の番号、使用中または使用可能な通信路の電界強度、携帯電話の送信電波出力、使用中通信路のエラー発生率、当該通信の結果及び当該通信における通信基地局による携帯電話の電波異常の監視結果を、複数の記録領域のそれぞれに繰り返し記録可能な動作モニタと、
    使用中通信路の番号変化回数、当該通信が異常な状態で終了した回数、使用中通信路のエラー発生率、通信基地局が監視する携帯電話の電波異常通知回数、通信基地局からの呼び出し用通信路を見失った回数、キー入力回数のうちの少なくともいずれかをカウントする頻度カウンタと、
    を備え、
    前記カウントされた回数値が所定値以上となった場合に、前記動作モニタの記録領域に記録されている動作モニタデータを凍結して保存する構成としたことを特徴とする携帯端末
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