JP3922382B2 - 光走査装置 - Google Patents

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本発明はレーザービームプリンターなどに用いられる光走査装置に関するもので、特に回転多面鏡の反射面に光ビームが2度入射する光学系に関する。
レーザービームプリンターなど画像記録装置や、各種画像読込み、測定装置に用いられる光走査装置においては、光ビームを偏向走査する偏向器として回転多面鏡が多く用いられてきた。
これらの装置においては光ビームを被走査面上において、直線あるいは曲線上を光走査装置によって繰り返し走査し、被走査面に位置する被走査媒体を前記の走査方向とはおおむね直交方向に相対移動させ2次元の走査を行う。前者の光走査装置による走査方向を「主走査方向」とし、後者の被走査媒体の相対移動方向を「副走査方向」と定義する。
近年、上記の装置においては解像度や処理速度の向上のため、より高速の光走査装置が求められるようになってきている。光ビームの偏向に回転多面鏡を用いた光走査装置では、走査速度(走査周波数)を上げるためには、
(1)回転多面鏡の回転数を上げる。
(2)回転多面鏡の面数を増加させる。
の2つの方法が考えられる。
回転多面鏡の回転数を上げるためには、高速回転可能な軸受が必要になるが、現在最も多く用いられているボールベアリングでは毎分20000回転程度が上限となる。エアベアリングを用いれば毎分30000回転以上の回転数で使用可能であるが、軸受が高価なため使用できる装置が限られる。特に、一般消費者向けの安価なレーザービームプリンターなどには使えない。
一方、回転多面鏡の面数を増加させると、1つの反射面当りの回転角度が小さくなってしまう。また、個々の反射面の大きさを一定以上確保しようとすると、回転多面鏡の直径が大きくなってしまう。
光走査装置では被走査面上に光ビームを結像させて用いることが多いが、レーザービームを走査する場合、小さなスポットに結像させるには、光ビームの拡がり角に応じて回転多面鏡の反射面は主走査方向にある一定の大きさが必要である。ところが、回転多面鏡の面数を増加させた場合、1つの反射面での回転角度が小さいため光ビームの走査角も小さくなる。光ビームの走査角が小さいと、所定の走査幅を得るためには走査光学系の焦点距離が長くなり、回転多面鏡から被走査面までの光路長も伸びる。このため、回転多面鏡の反射面上での光ビームの主走査方向の直径も大きくなり、面数が少ない場合に比べてより反射面が大きくなり、さらに一層回転多面鏡の大きさが増加する。
すなわち回転多面鏡の面数が増加するに従って、必要な反射面の大きさは面数の少ない場合に比べてより大きくなるという矛盾した特性をもつため、回転多面鏡の大きさ(内接円筒の大きさ)が決まれば、面数の上限が決まる。例えば、レーザービームプリンターに用いる光走査装置において、所要走査幅350mm、波長780nm、回転多面鏡の内接円筒の半径を25mm、被走査面での主走査方向のスポット直径を50μm以下にする場合、面数はおおむね7面が上限となる。
そこで、面数を多く取るために、回転多面鏡の直径を大きくすると、回転多面鏡の重量や慣性2次モーメントが増加し、回転に伴う空気抵抗(風損)も増加するので、回転数が低く制限される。
このように回転多面鏡の面数、回転数とも上限があるので、それを越える走査速度を得るために様々な走査装置が考案されてきた。
例えば、特許文献1記載の技術では、光源に半導体レーザーアレーを用い、同時に複数のレーザービームで被走査面を走査することで、走査速度を向上させている。この方法によれば、回転多面鏡の回転数を上げることなく、素子に集積されたレーザーの個数だけ走査速度を早めることができる。
一方、特許文献2では、光源から射出された光ビームを主走査方向に非常に直径の小さい状態で回転多面鏡に入射させ、偏向された光ビームを伝達光学系を介して再び回転多面鏡に入射させる方法が開示されている。すなわち、回転多面鏡に光ビームを2度入射させている。
後者方法においては、光ビームが最初に回転多面鏡に入射するときの主走査方向の光ビームの直径を2回目に入射する場合に比べて極めて小さくし、かつ2回目に回転多面鏡に入射する光ビームが回転する反射面の主走査方向の中心点を追従するように伝達光学系を構成している。
このように構成することで、光ビームが最初に回転多面鏡に入射する際には、光ビームの直径を極端に小さくできるので、回転多面鏡の分割角度一杯まで走査可能となる。第1の反射面で偏向された光ビームが伝達光学系を経由して、2回目に回転多面鏡に入射する際には、光ビームの直径は被走査面上で所定のスポットを得るのに必要な大きさに拡大されるものの、反射面の回転に追従するため、回転多面鏡の回転角度とは無関係に光ビームの大きさを設定できる。
特開昭51−100742号公報 特開昭51−32340号公報
まず、本発明の第1の課題について説明する。
従来技術の前者の場合のように複数の光ビームで同時に走査する方法では、複数の光源の光量を同一にしなければならない、あるいは各々を所定の光量にしなければならない、走査の際の変調の開始タイミングを揃えなければならない、複数の光ビームで描かれる走査線を平行でかつ所定の間隔にしなければならない、等多く課題を有し、通常の光走査装置に比べて複雑で困難なものになることは明白である。
一方、後者の従来技術のように光ビームを2度回転多面鏡に入射させる方法では、光ビームが最初に回転多面鏡に入射する時点での主走査方向の光ビームの直径が極めて小さいため、回転多面鏡の反射面上に存在する傷、埃の影響を受けて、被走査面でのスポットにうまく結像しない恐れがあった。
いま後者の方法において、回転多面鏡の第1の反射面から第2の反射面までの主走査面内での断面図を図11に示す。なお、「主走査面」(あるいは「主走査断面」)とは回転多面鏡の回転軸に直交する面と定義し、「副走査面」(あるいは「副走査断面」)とは回転多面鏡の回転軸と平行で光軸を含む面と定義する。
光源からの光ビームは回転多面鏡の第1の反射面31上に結像し、拡散光ビームとなって偏向される。伝達光学系は単一の伝達レンズ141で構成されており、ちょうど反射面31からその焦点距離fだけ隔てた距離に置かれている。従って、偏向された光ビームは伝達レンズ141を通過後は平行光ビームになり、かつ平行に移動する。
伝達光学系の伝達レンズ141は第1の反射面31からそのレンズの焦点距離fだけ離れた位置におかれるが、このレンズを最初の反射面より遠ざけた方が焦点距離が長くなり、製作が容易になる。また、回転多面鏡周辺のレンズと光軸の配置の観点からも回転多面鏡から遠ざけた方が好ましい。
回転多面鏡の内接円筒の半径をRとすると、回転多面鏡がθ1回転することにより各反射面は近似的にはR・θ1移動する。この移動量をδとおくと、第1の反射面31で角度2・θ1で偏向された光ビームを第2の反射面32の移動量δに追従させるためには、焦点距離fはδ/(2・θ1)に等しくなければならない。既に述べたように、この方法においては、回転多面鏡の内接半径Rを比較的小さくしながら面数を多く取ることを目的にしているので、反射面の移動量δも比較的小さな値となる。よって、焦点距離fも非常に小さな値になってしまい、レンズの設計・製作が困難になる。同時に、伝達レンズ141が第1の反射面31の近傍に位置するので、反射面周辺での光学系の配置も困難になる。
いま仮に、回転多面鏡の第1の反射面で角度2・θ1で偏向された光ビームを平面鏡で反射させる場合を考えると、第2の反射面にも2・θ1の角度をもって光ビームが入射するので、最終的には4・θ1の角度で光ビームを走査することができる。すなわち、2度入射させることによって、走査角度が増幅する。
ところが、上記の従来技術では第1の反射面31による偏向にともなって、第2の反射面32に入射する光ビームが平行に移動するため、最終的な光ビームの走査角度も回転多面鏡の回転角θ1の2倍にしかすぎず、回転多面鏡に2度入射することによる走査角の増幅効果は失われている。そのため、走査光学系の主走査面内での焦点距離が増大し、走査光学系の長大化が避けられないという問題があった。
さらに、同じ走査幅を確保しながら回転多面鏡の回転角θ1を小さくしていくと、走査角度(2・θ1)が減少するので、ますます走査光学系の焦点距離が増大する。同時に、第1の反射面上では、θ1が減少するため反射面の余裕は増加するのに対して、第2の反射面上では、主走査方向の光ビームの直径は増大し反射面の余裕が減少してゆく。従って、第1の反射面の余裕が許す限りθ1を大きく取るしかなく、伝達光学系、走査光学系の近軸諸量の設計の自由度は全くない。
これを避けるために、第1の反射面に入射させる光ビームを平行光ビームとし、伝達光学系をアフォーカル光学系とする方法も提案されているが、第1の反射面に入射する平行ビームの直径が比較的小さいため、ビーム整形光学系の構成が複雑となるという課題を有していた。
次に本発明が解決しようとするの第2の課題について説明する。第1番目の従来技術で述べた複数の光ビームで同時に走査する方法では、本発明の第1の課題として既に説明したように、通常の光走査装置に比べて著しく複雑で困難なものになることは明白である。
一方、第2番目の従来技術のように光ビームを2度回転多面鏡に入射させる方法では、単一の光源を用いて走査するため、電気回路の構成は比較的簡素にすることが可能となる。この技術においては、光ビームが回転多面鏡の第1の反射面に入射する時点での主走査方向の光ビームの直径は極めて小さく、伝達光学系で光ビームの直径を拡大し、回転多面鏡の第2の反射面の回転移動を追従する。第2の反射面で再び偏向された後に走査光学系を介して被走査面上を走査する。
ところで、このように1度回転多面鏡で偏向された光ビームを再度回転多面鏡に入射する際、すなわち第2の反射面を追従するときに、第2の反射面に対して光ビームの入射角度が増加してゆくように伝達光学系の横倍率を持たせることができる。つまり、第2の反射面から見れば、回転多面鏡の回転角θ1に応じて、入射光ビームの入射角がθ1だけ増加するのに加えて、伝達光学系による光ビームの偏角θ2だけ入射角が加算されて増加してゆく。逆に入射角がθ1だけ減少するときにはθ2も減少方向に働く。
従って、第2の反射面によって偏向される光ビームの走査角θsは、θs=2・θ1+θ2となる。すなわち、回転多面鏡に1度だけ光ビームが入射して偏向する場合の走査角θs=2・θ1に比べて走査角度を増幅させる作用を有する。
一方走査光学系の光路長をなるべく小さくするためには、走査光学系の主走査方向の焦点距離fsをなるべく短くする必要がある。所要の走査幅Yが決まると、焦点距離fsを小さくするためには、走査角θsを大きくしなければならない。
なお、この走査幅Yには被走査面上での有効領域の幅に加えて、有効走査領域手前に位置する同期信号検出器までの被走査面上の距離が含まれる。光ビームが有効走査領域を走査する手前において、一定の時間光源を点灯させ、その光ビームを同期検出器に導いて、走査の基点となる同期信号を発生させる。
θsを大きくするためには、上の式で明らかなようにθ1もしくはθ2を大きくしなければならない。原理的にθ1は1回転の角度360°を回転多面鏡の面数で割った値より大きくはなり得ない。実際には反射面上での光ビームの大きさは有限であり、また反射面の幾何学的な限界まで利用することができず若干の余裕を必要とする。そのため、現実にはθ1はさらに小さく制限される。
θ1とθ2の比は伝達光学系の横倍率βで決まるが、この横倍率βは、第1の反射面上での光ビームの大きさと第2の反射面上での光ビームの大きさの比に等しい。よって、θ1あるいはθ2の一方だけを増加させると、第1の反射面上あるいは第2の反射面上のいずれかでの光ビームの直径が増大し、反射面の大きさのために制約を受ける。
従来、回転多面鏡の各反射面の主走査方向の幾何学的な大きさは、反射面上での光ビームの大きさ及び反射面上での光ビームの移動量に対して、(ア)反射面の境界での面取り(あるいは丸み)による非使用部分、(イ)加工による「だれ」によって生ずる反射面の境界に近い非使用部分、(ウ)光軸に対する回転多面鏡の回転中心の位置誤差、等に相当する余裕を見込んで決定していた。
回転多面鏡に光ビームが2度入射方式においてもこれらの条件を勘案しなければならないが、第1の反射面、第2の反射面の両方で十分な余裕を確保して、なおかつ走査角θsも広く取ろうとすると回転多面鏡の大きさが増大してしまうという課題を有していた。
さらに、上記の従来技術においては、第1の反射面及び第2の反射面に入射する光ビームが、主走査面内において垂直方向とは角度を有しているので、入射する光ビームが反射面上へ投影される直径が、垂直な場合に比べて大きくなり、反射面の大きさも大きくなるという課題を有していた。
上記の課題に鑑み、本願の第1の発明では、回転多面鏡に光ビームが2度入射して偏向を行う光走査装置であって、回転多面鏡の反射面上の傷や付着した塵埃の影響を受けない光走査装置を得ることを目的とする。
さらに、伝達光学系を構成する伝達レンズの製作が容易で、コンパクトな走査光学系を実現しうる光走査装置を提供することを目的とする。
あるいは、本願の第2の発明においては、小さい内接円直径の回転多面鏡で大きな走査角を得ることのできる光走査装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本願の第2の発明による光走査装置は、光源と、前記光源からの光ビームを所要の整形光ビームに変換するビーム整形光学系と、前記整形光ビームを第1の反射面で偏向し、少なくとも前記第1の反射面と第2の反射面を有する回転多面鏡と、前記回転多面鏡の第1の反射面により偏向された光ビームを前記回転多面鏡の第2の反射面に入射させる伝達光学系とを有し、前記回転多面鏡の第2の反射面で偏向した走査光ビームで所定の被走査面を走査する光走査装置であって、
前記伝達光学は、前記第1の反射面によって偏向された光ビームが前記第2の反射面の回転移動に追従し、かつ前記第1の反射面によって偏向された光ビームが移動に伴って前記伝達光学系の光軸と交差するように構成されており、
前記走査光ビームが所要の領域を走査する期間において、前記整形光ビームが前記回転多面鏡の前記第1の反射面に入射するときの前記回転多面鏡の回転軸と直交する面内で測った前記第1の反射面上での光ビーム直径がその最大値となるときの値をwi’、前記伝達光学系からの光ビームが前記回転多面鏡の第2の反射面に入射するときの前記回転多面鏡の回転軸と直交する面内で測った前記第2の反射面上での光ビーム直径がその最大値となるときの値をwo’、前記走査光ビームが所要範囲を走査する期間において前記整形光ビームが前記第1の反射面上を移動する距離をEとすると、前記第1の反射面の幾何学的大きさから前記wi’と前記Eを除いた値よりも、前記第2の反射面の幾何学的大きさから前記wo’を除いた値を大きくしたことを特徴とする。
さらに、前記走査光ビームが、前記の所要範囲の中心付近を走査する際に、前記整形光ビームが前記第1の反射面に入射する入射角が、主走査面内において垂直であることを特徴とする。
もしくは、前記の所要範囲の中心付近を走査する際に、前記伝達光学系を出た光ビームが前記第2の反射面に入射する入射角が、主走査面内において垂直であることを特徴とする。
また、前記光源は半導体レーザーであって、前記半導体レーザーより射出されるレーザー光の波長が700nm以下の可視光であることを特徴とする。
以上に述べたように本願の第1の発明による光走査装置によれば、回転多面鏡の第1の反射面に入射する集束光ビームの結像点を第1の反射面と伝達光学系の最初のレンズとの間に位置させることで、第1の反射面上での光ビームの主走査面内での直径を大きくすることができ、回転多面鏡の反射面上の傷や付着物が被走査面での結像性能に影響を及ぼすことがなく、良好な走査が可能である。
また、伝達光学系の焦点距離を長くすることができるので、伝達光学系のレンズの製作が容易になりかつ光走査装置に取付ける場合の取付精度も低減されかつ安価で信頼性の高い装置が得られる。さらに伝達光学系を第1の反射面から遠ざけることができるので第1の反射面周辺の光学系の配置が容易となり、装置の小型化に寄与できる。
その上、回転多面鏡によって2回反射された後の走査光ビームの走査角を広く取れるため走査光学系の焦点距離fsを短くすることができ、走査光学系全体の小型化が可能である。
さらに本願の第1の発明の光走査装置においては、伝達光学系の倍率βを2〜20の範囲にすることで、回転多面鏡の第1の反射面に光ビームの集束点を位置させる従来技術に比較して、走査光ビームの走査角度を広く取ることができ、上記の効果を発揮できる。
特に倍率βがおおむね6〜12の間にあれば、走査光ビームの走査角度を最適な値からほとんど変化させないで、伝達光学系を自由に構成することができ、伝達光学系の収差の最適化やレンズの小型化が可能となる。
さらにまた、第1あるいは第2の実施例のように、伝達レンズを1枚あるいは1群のレンズで構成しながら、伝達光学系の横倍率を任意に設定できるので、伝達光学系の小型化、低価格化に大きく寄与する。
次に本願の第2の発明によれば、反射面の幾何学的な大きさに対して、光ビームの反射面上での直径及びその反射面上での移動量の余裕を第1の反射面より第2の反射面で大きくすることによって、走査光学系における光ビームの走査角θsを大きくすることが可能となり、走査光学系の焦点距離fsを短縮することにより、走査光学系をコンパクトに構成できるという効果を有する。
また、上記のように反射面の余裕を設定し、なおかつ必要最小限の余裕とすることで、回転多面鏡の大きさを最小にすることが容易に可能となる。このため回転多面鏡を駆動するモーターのトルクが小さくて済み、かつ軸受も比較的剛性の低いものが使用できるので、低価格のモーターが使用できる。
言い換えると、回転多面鏡の大きさをさほど小さくする必要のない場合には、反射面の面数を増加させることが可能となり、単位時間当たりの走査数を増加させる効果を有する。
さらに、本願の第2の発明によれば、反射面の幾何学的な大きさに対して、第1の反射面上での光ビームの大きさ及び光ビーム相対移動の移動より、第2の反射面上での光ビームの大きさの余裕の方が大きいので、既に述べたような「追従誤差」生じても、反射面上の実際に使用可能な領域を光ビームがはみだすことがないという効果を有する。
また、本発明の第1の実施例、第3の実施例、第4の実施例のように、所要走査領域の中心において、主走査面内で反射面に対して光ビームが垂直に入射する構成の方が、そうでない第2の実施例のような構成に比べて、回転多面鏡の反射面上での光ビームの大きさが小さくなり、ひいては回転多面鏡の大きさが小さくできるので、本願の第2の発明の効果がより高まる。
特に、第1の反射面に比べて、第2の反射面では、入射する光ビームの直径が大きいので、所要走査領域の中心において、主走査面内で反射面に対して光ビームが垂直に入射する構成を採用する効果が高い。
さらに、本願の第2の発明の構成に対して、光源に波長が700nmより短い可視光の赤色半導体レーザーを採用することで、従来の波長780nm前後の近赤外光の半導体レーザーを用いる場合に比べて、回転多面鏡の面数を12面とした場合、その内接円半径を3mm程度縮小できる効果がある。また、回転多面鏡の内接円半径を同じ値にする場合、反射面数を1面増加させることができる。
図1は本発明による光走査装置の第1の実施例の主走査断面での平面図を示す。光源には半導体レーザー1が用いられており、発散光として射出されたレーザービームはコリメータレンズ2で集束光ビームに整形される。この集束光ビームは回転多面鏡3の第1の反射面31に入射する。第1の反射面31で偏向された光ビームは一旦集束した後に伝達光学系4を構成する伝達レンズ41に入射する。伝達レンズ41で光ビームはほぼ平行な光ビームになり、反射鏡51、反射鏡52で光軸の向きを変えられて、回転多面鏡3の第2の反射面32に入射する。第2の反射面32に入射する光ビームは第1の反射面31での偏向にともない、第2の反射面32の中心に追従するよう光ビームの中心が移動する。第2の反射面32で偏向された光ビームは走査レンズ61、補正レンズ62に入射して集束光ビームに整形された後に被走査面7上に結像する。走査レンズ61と補正レンズ62とで、走査光学系を構成しており、おおむね等角速度で走査される光ビームを等線速で被走査面上を走査させる。
なお、図1において第1の反射面31に入射する光ビームの光軸と偏向された光ビームの光軸は平面的には重なっているが、実際には紙面垂直方向すなわち副走査面内で距離をおいてかつ斜めに光軸が配置されている。同様に第2の反射面32に入射する光ビームと偏向された光ビームの光軸も回転多面鏡の回転軸を含む面内で斜めに配置されている。
また、第1の反射面31及び第2の反射面32に入射する光ビームは光軸(走査の中心位置)付近において、反射面に主走査面内で垂直に入射するように配置されている。
次に、本発明の光走査装置の第1の実施例の伝達光学系の作用を詳しく説明する。図2は図1で説明した光走査装置の伝達光学系を反射鏡51、反射鏡52について引伸ばして、主走査断面について示した図である。
第1の反射面31に入射する光ビームは、この反射面上では直径wiである。そして結像点Pに一旦結像した後、伝達レンズ41にて直径woの平行な光ビームに変換される。従って、伝達レンズ41から結像点Pまでの距離が伝達レンズ41の焦点距離に等しい。
回転多面鏡3がθ1だけ回転すると、第1の反射面31では光ビームはθ1の2倍だけ偏向される。偏向された光ビームは伝達レンズ41を通過して、角度θ2で偏向される。この光ビームは点Qで光軸と交差する。交差した後に第2の反射面32に入射する位置において、偏向された光ビームと光軸との距離は、回転多面鏡3がθ1回転したときの反射面の移動量δに等しくなる。
このとき、偏向された光ビームは第2の反射面に対して角度θ2だけ入射角度が増大する側に偏向されるので、第2の反射面で反射された光ビームは2・θ1+θ2だけ偏向されることになる。すなわち、通常の1度しか回転多面鏡に入射しない方式に比べて、光ビームの偏向角をθ2だけ増大させることができる。
伝達レンズ41を通過する偏向光ビームは角度2・θ1から角度θ2に偏向角が変化するので、倍率βは2・θ1/θ2で表される。また、幾何光学的な関係より、第1の反射面31上の偏向点Hから伝達レンズ41までの距離S1、伝達レンズ41から偏向光ビームが交差する点Qまでの距離S2と伝達レンズ41の焦点距離fとの間には(数1)式のような関係がある。なお、偏向点Hが伝達レンズ41から見て物体側にあるので、距離S1は負の値をとる。
Figure 0003922382
一方伝達レンズ41上での偏向光ビームの像高と偏向角の関係から
2・θ1・S1=θ2・S2 ..........(A)
である。
第1の反射面31に入射したときの光ビームの直径wiと伝達レンズ41を通過した後の平行光ビームの直径woとの間には(数2)式に示す関係がある。
Figure 0003922382
(数1)式及び(A)式を(数2)式に代入すると結局光ビームの直径woとwiの比は2・θ1とθ2の比βに等しくなる。この値βは伝達光学系の横倍率であって、下に示す(数3)式で表される。
Figure 0003922382
このように、射出される偏向光ビームの直径woに対して第1の反射面上での光ビームの大きさwiを大きくするに従って、2・θ1に対するθ2を大きくできる。
また、第2の反射面32における偏向された光ビームの光軸からの変位量は、近軸的に前記の交差点Qから第2の反射面32までの距離S3に角度θ2を乗じたもので表され、その変位量が反射面の移動量δに等しくなる。すなわち、
θ2・S3=δ ......................(B)
である。
第1の反射面31から第2の反射面からの距離をLとすると、
L=S1+S2+S3 ................(C)
である。従ってLと反射面上での追従量δ、回転多面鏡の回転角θ1とそれに対応する伝達光学系41での光ビームの偏向角θ2を与えると、(数1)式、(A)式、(B)式、(C)式より伝達光学系の焦点距離fが定まる。
今、図11に示した従来技術の場合と、図2に示した本発明の第1の実施例の場合で、同一条件で光走査装置を構成して特性を比較する。
まず回転多面鏡の面数を12とし、回転多面鏡の内接円半径Rを25mmとする。光源は半導体レーザーとし波長λは780nmとする。回転多面鏡3に2度入射した後の光ビームが走査する所要の走査範囲Yを330mmとし、被走査面上での主走査方向のスポットサイズd0は50μmである。回転多面鏡の第1の反射面から第2の反射面までの光軸上の距離Lは300mmとする。
ところで、この光走査装置を画像記録装置や画像入力装置に応用する場合には、各走査の基点となる同期信号を発生させる手段が必要になる。図1では図示していないが、被走査面上の有効走査領域を走査する手前の位置で、光ビームを同期検出器に導き、光ビームの到達を電気信号に変換することで同期信号を得ている。この同期検出器は必ずしも被走査面上になくてもよい。しかし、光走査装置としては、この同期検出器の位置から有効走査領域の後端までが所要の走査範囲Yとなる。
第2の反射面を出た走査光ビームを被走査面上に結像させる走査光学系の主走査方向の焦点距離をfsとすると、光ビームの走査角度θに比例した被走査面上の光軸からの位置yに結像スポットを位置させるいわゆるfθ光学系においては、y=fs・θなる関係がある。上記のパラメータをあてはめると、(数4)式によってfsが定まる。
Figure 0003922382
一方ガウスビームの特性から、走査光学系に入射する平行光ビームの直径woと被走査面上のスポットサイズd0との間には以下の(数5)式に示す関係がある。
Figure 0003922382
上の(数5)式によって、fsとd0からwoが決定される。
次に各反射面上での光ビームの大きさと反射面の大きさについて検討する。まず反射面の大きさは「幾何学的大きさ」として定義する。幾何学的大きさWとは、回転多面鏡の内接円(円筒)の半径をRとし、その反射面の数をnとしたときにW=2・R・tan (2π/2n)で表される。すなわち、反射面の幾何学的大きさとは、幾何学的な正多角形の頂点間の距離を表し、加工の誤差や様々な理由により使用できない周辺部を考慮しない大きさである。
このように定義した幾何学的な反射面の大きさWに対して、入射する光ビームの大きさの余裕を検討する。第1の反射面においては、入射する光ビームは固定されていて、第1の反射面は回転移動するので相対的に反射面上を光ビームが移動して行く。回転多面鏡の回転角度θ1の2倍の角度で所要走査幅Yを走査するとき、第1反射面上での入射光ビームの相対移動距離をEとする。また、第1の反射面の位置において光ビームの直径はwiであるが、反射面に対する入射角が最大となるαを考慮して、反射面上での主走査方向の直径をwi’とすると、wi’=wi/cos αで表される。第1の反射面上での反射面の幾何学的な大きさWに対する入射光ビームの余裕は、Wから上記のEとwi’を引いた値を反射面の両側に均等に割り振った値である。
第2の反射面においては、入射する光ビームは反射面を追従して行くので、第2の反射面上での反射面の幾何学的な大きさWに対する入射光ビームの余裕は、Wから入射する光ビームの反射面上での直径wo’を引いた値を反射面の両側に均等に割り振った値である。なお、wo’とwoの関係はwi’とwiの関係と同様である。
さらに、一般にレーザービームの直径は、断面強度分布がガウス分布の場合、光ビーム中心での強度の1/e2 (すなわち13.5%)となる大きさで定義するが、本発明の光走査装置の光学系を通過する光ビームは、ガウスビームとは限らないので、ガウスビームで計算される光ビームの直径wi、woに対して補正を行った上で上記のwi’、wo’を求めている。具体的には、本発明の実施例に上げた各計算例ではガウスビームとして決まる光ビームの直径に対して1.1倍している。
以上に述べた式および反射面の幾何学的な大きさに対する光ビームの直径の余裕の考え方に基づいて、本発明の実施例による構成と、先に説明した従来技術による構成における光ビーム直径(wi’、wo’)や伝達レンズの焦点距離f等を(表1)に示す。
それぞれの場合で最終的な光ビームの走査角が最大となる回転多面鏡の回転角θ1を示した。また、第1の反射面における反射面の幾何学的大きさに対する光ビームの大きさの余裕を0.5mmとした。
Figure 0003922382
図3は従来技術において、回転多面鏡の設定回転角θ1を横軸にとり、光ビームの直径に対する第1、第2の反射面の片側当たりの余裕と、光ビームの走査角θs、それに対する走査光学系の焦点距離fsを示した図である。なお、この図で横軸になっている回転多面鏡の回転角θ1は、被走査面上での所定の走査幅を走査するのに必要な光ビームの変位を与えるときの最大の回転角をθ1に設定した場合の各数値を示してあり、走査の途中の角度を示すものではない。すなわち、横軸のθ1が異なれば光学系の構成が全く異なる。
図3で明らかなように、従来技術においては、回転多面鏡の回転角θ1が13.5°を超えると、第1の反射面での面の余裕が0.5mm以上確保できない。逆にこのθ1を小さくすると、光ビームの走査角も減少し、最終的な走査光学系の焦点距離fsが増大してしまうことがわかる。
また、従来技術では、(表1)にはθ1=13.5°の場合しか示していないが、回転多面鏡の回転角θ1を小さくしても伝達光学系の焦点距離fはほとんど変化しない。すなわち従来技術においては回転多面鏡の回転角θ1は、第1の反射面に対する光ビームの余裕が許す限り大きくするのが最適であり、伝達光学系の近軸諸量の設計の自由度はほとんどないと言ってよい。
これに対して(表1)に示したように、本願の第1の発明では伝達レンズ41の焦点距離fは従来の技術に比べて非常に長くとれるため、収差を除去するのが容易でかつレンズの製作も容易である。また、第1の反射面から伝達レンズ41までの距離も長く取れるため、第1の反射面31周辺の光学系のレイアウトも容易である。
また、従来技術では第2の反射面を出た光ビームの走査角は2・θ1であったのに対して、本願の第1の発明では第2の反射面を出て走査光学系に入射する光ビームの走査角度を2・θ1+θ2と大きく取れるので、走査光学系の焦点距離fsが短くなり、光走査装置全体を小型にできる。
さらに表1に示す数値例では第1の反射面における主走査面内の光ビームの直径wiは2.1mmもあるので、回転多面鏡の反射面上に多少の傷、あるいは埃の付着があっても結像性能に与える影響は極めて小さい。
図4は本発明の第1の実施例において、図3と同様に、回転多面鏡の回転角θ1を横軸にとり、第2の反射面における光ビームの直径に対する反射面の片側の余裕と、光ビームの走査角θs、それに対する走査光学系の焦点距離fsを示した図である。
図4において、θ2の値を調整することで第1の反射面の余裕と第2の反射面の余裕を任意に設定できるが、第1の反射面上での光ビームに対する反射面の大きさの余裕を0.5mmになるようにしてある。
図4と(表1)の対照から明らかなように、回転多面鏡の回転角θ1が9.5°〜13.5°、すなわち伝達光学系の横倍率βが約2〜20の範囲であれば、光ビームの走査角は(表1)で示した従来技術による最大値である28°を超えることができる。よってこの範囲であれば、走査角の拡大によって走査光学系の焦点距離を短縮して光学系を小型化するという本願の第1の発明の効果が発揮されることを示している。
また、図4でわかるように回転多面鏡の回転角θ1は11.5°で光ビームの走査角が最大値である29.5°となるが、10°〜12.5°の範囲で光ビームの走査角は29°以上を確保でき、走査光学系を設計する上では上記の範囲のθ1であれば大差ない特性が得られる。同様に第2の反射面の光ビーム直径に対する余裕もほとんど変化しない。
上記のθ1の範囲で、伝達光学系の横倍率βはθ1=10°のときで2.22、θ1=12.5°のときで6.1となる。すなわち、光走査装置としての特性は最良に近い状態を保ったままで、伝達光学系の横倍率βの設定できる範囲が広いことがわかる。
以上に述べた本願の第1の発明に関わる効果は、第1の実施例のみならず後に述べる第2、第3の実施例でも発揮される。
次に本願の第2の発明に対応する構成を説明するために、本発明の第1の実施例に対して他の数値例を例示する。光源は波長λ=670nmの可視光赤色半導体レーザーを使用する。回転多面鏡3に2度入射した後の光ビームが走査する所要走査幅Yを350mmとし、被走査面上での主走査方向のスポットサイズd0は50μmである。
また、この数値例では回転多面鏡の面数を12とし、回転多面鏡の内接円の半径を17.32mmとしている。17.32mmとした理由は、市場で多く用いられている面数が6で外接円直径がφ40mmの回転多面鏡の内接円の大きさに合わせたためである。
このように光源の波長λ、所要走査幅Y、被走査面上での主走査方向の結像スポットサイズd0が定まった場合に、θ1、θ2を与えれば(数3)式、(数5)式より、第1の反射面31、第2の反射面32上での光ビームの主走査方向の直径wi、woが定まる。
以上に述べた数値を前提として、所要走査幅Yに対応する回転多面鏡の回転角θ1と伝達光学系による偏向角θ2を与えたときの第1の反射面31、第2の反射面32での反射面の幾何学的な大きさに対する光ビームの余裕が一定になる条件を図5に示す。
図中のθ1、θ2で定まる点は、各々が所要走査幅Yを走査するための光学系の設定値であり、各点が各々異なる光学系を意味している。
図5において線Aより下側の領域は第1の反射面において上記の余裕が1mm以上確保できる領域である。また、線Bより上側の領域では第2の反射面において上記の余裕が1mm以上確保できる領域を示している。同様に線C、線Dはそれぞれ第1の反射面、第2の反射面において上記の余裕が0.5mm以上確保できる領域を示している。
この図で明らかなように、両方の反射面上で余裕1mm以上を確保できるような、θ1、θ2の組み合わせは存在しない。この余裕の値の中には、従来技術あるいは先の実施例で既に説明したような、(ア)反射面の境界での面取りによる非使用部分、(イ)加工による「だれ」によって生ずる反射面の境界に近い非使用部分、(ウ)光軸に対する回転多面鏡の回転中心の位置誤差、に対応する量を含まなければならない。既に述べたように、これらの要因を勘案すると各反射面において最低0.5mm以上の余裕が望まれる。図5では線C、線Dで囲まれる領域が両方の反射面上での余裕が0.5mm以上という条件を満たす。
一方、走査角θsはθs=2・θ1+θ2で表されるので、図5においては、右上の方に行くに従ってθsが増加していく。いま図5の線Cと線Dに囲まれた領域の中の2点、S1、S2を考える。S1は本願の第2の発明による値で、S2は従来技術による値である。各点のθ1、θ2の値と、θs、各反射面上での余裕を(表2)に示す。
Figure 0003922382
(表2)で明らかなように、点S2に比べて点S1では、第2の反射面上での余裕を第1の反射面上での余裕より大きくとることで、光ビームの走査角θsは大きくなる。すなわち、図5の中の線Cと線Dに囲まれた領域の中で線Cに近づくほど第1の反射面の余裕は0.5mmに近づき、第2の反射面の余裕は0.5mmより増加してゆく。そして、線Cに近づくほどグラフ上では右上に行く傾向にあるのでθsが増加する。
このように、第1の反射面の余裕を必要最小限とし、第2の反射面の余裕をそれより大きくとることで、第2の反射面を出て最終的に偏向される光ビームの走査角θsを最大にすることができる。
上記の数値例では回転多面鏡の大きさを比較的小さくしたために、図5のグラフの中で、面の余裕を確保できる有効な領域が小さかったが、(1)回転多面鏡を大きくする。(2)光源の波長を短くする、(3)被走査面上での走査幅を小さくする、(4)被走査面上に結像するスポットの主走査方向を直径を大きくする、ことにより反射面の余裕を確保できる領域が広がる。
図6は上記の数値例で回転多面鏡の大きさを内接円直径で40mmとしたもので、線A、線B、線C、線Dの定義は図5と同じである。図5に比べて図6では、線Aと線Bで囲まれる領域が存在するようになり、線C、線Dで囲まれる領域が大きくなるのがわかる。
図6中のθ1とθ2の組み合わせを比較するために、図6中に従来技術による点T1、T2と本願の第2の発明による点T3、T4をとり、各点での特性を(表3)に示す。従来の考え方によれば、第1の反射面と第2の反射面における、反射面の幾何学的に大きさに対する光ビームの余裕を考慮されていなかったので点T1や点T2の値が選ばれることも有り得た。
Figure 0003922382
図6でも明らかなように点T1〜T3はθ1とθ2の比が同じ、すなわち伝達光学系の横倍率βが全て同じである。また、本願の第2の発明による点T3と点T4は走査角θsが同じである。このように回転多面鏡の大きさに比較的余裕がある場合でも、本願の第2の発明による点T3、点T4のように第1の反射面上の余裕を最小値すなわち0.5mmにすれば、従来技術による点T1、T2の場合に比べて大きな走査角θsが得られる。
また、この数値例では光源の波長を670nmとしているが、従来多く用いられてきた780nmで計算すると、このように両方の反射面において、余裕が1mm以上を確保できるθ1、θ2の組み合わせは消滅し、一方の反射面で1mm、他方の反射面で0.5mm以上の余裕を確保できる領域もない。この状態は先に説明した図5のように波長670nmで、回転多面鏡の内接円半径が17.32mmの場合より厳しい。すなわち、波長を780nmから670nmに変えることで、回転多面鏡の半径を3mm程度縮小できる効果があることがわかる。
本発明のように、回転多面鏡に光ビームを2度入射させて走査を行う目的は、回転多面鏡の面数を増加させながら、その大きさ(内接円半径)を小さな、すなわち現実的に製作可能な大きさに留めることにあるので、反射面の余裕はできる限り削るのが望ましい。そして、本願の第2の発明によれば、第1の反射面の余裕を限界まで削ることで、回転多面鏡の大きさを縮小することを可能としている。さらに、上記のように光源の波長を短くすることも、より効果を増強できる。
このように本願の第2の発明によれば、反射面の幾何学的な大きさに対して、光ビームの反射面上での直径及びその反射面上での移動量の余裕を第1の反射面より第2の反射面で大きくすることによって、走査角θsを大きくするという効果が生ずる。次に本願の第2の発明の第2の効果を説明する。
本発明のように第1の反射面で偏向された光ビームを伝達光学系を用いて第2の反射面に導く場合には、伝達光学系の光軸が回転多面鏡の回転中心に対して正確に位置決めされ、かつ第2の反射面に入射する光ビームが正確に第2の反射面の移動に追従することが要求される。
ところが、伝達光学系の作用により第2の反射面を光ビームが追従するときに、常に正確に反射面の中心に光ビームの中心を一致させることは困難である。その理由としては、(ア)近軸計算と実際の光学系の像高の相違。すなわち、光ビームが第1の反射面で等速度で偏向されても、光軸から遠ざかるに従って線速度は増加する。
(イ)伝達光学系の収差などによって、第2の反射面における光ビームの移動速度が一定にならない。このため(ア)で述べたように光軸から離れるに従って線速度が増すような特性からも異なるような特性を持つ。
(ウ)伝達光学系の加工・組立・調整誤差により伝達光学系の光軸が第2の反射面上に入射する位置に誤差を生ずる。
等の項目があげられる。
このような理由により、第2の反射面の回転移動に対して、入射する光ビームの追従が完全には一致せず誤差を生ずる。この誤差を以後「追従誤差」と呼ぶことにする。従って、第2の反射面上では追従する光ビームがこの「追従誤差」分だけ動くことになり、光ビームが相対的に動いても反射面からこぼれないようにするためには、既に検討してきたような反射面に対する余裕を第1の反射面に比べて第2の反射面では大きくすることが望ましい。
以上に述べてきたように、本願の第2の発明によれば、反射面の幾何学的な大きさに対して、第1の反射面上での光ビームの大きさ及び光ビーム相対移動の移動より、第2の反射面上での光ビームの大きさの余裕の方が大きいので、上に述べたような「追従誤差」生じても、反射面上の実際に使用可能な領域を光ビームがはみだすことがないという効果を有する。
以上に述べたような図5、図6で示される特性は第1の実施例のみならず、後で述べる第3、第4の実施例に対しても全く同様に適用することができる。但し、第1の実施例、第3の実施例、第4の実施例では各々伝達光学系の構成が異なるので、決定されたθ1、θ2によって定まる横倍率βを満たす伝達光学系の形態は異なる。
以上に述べた第1の実施例では、伝達光学系を単群のレンズあるいは単レンズで構成できるので、装置の小型化、低価格化に大きく寄与できる。
以上に説明した第1の実施例では、所要走査領域の中央付近を光ビームが走査する時点において、回転多面鏡の第1の反射面あるいは第2の反射面に入射する光ビームが主走査方面内で垂直に入射している。従って副走査断面内で光軸を傾けて反射面に光ビームを入射させて、入射光ビームと反射された偏向光ビームの干渉を避けていることは既に述べた通りである。これに対して、主走査面内で光軸を反射面に対して傾けることで干渉を避けることも可能である。そのような構成を以下に述べる第2の実施例に示す。
図7は、本発明による光走査装置の第2の実施例の主走査断面内での平面図を示している。第1の反射面31、第2の反射面32に対して、入射光ビームと偏向された光ビームの光軸は主走査面内において角度を有しており、主走査面内において平面的に光学系を配置できるので、第1の実施例のように副走査断面内で光軸を傾ける必要がない。
ただし、各反射面に対して光ビームが斜めに入射するので、反射面の大きさも光ビームの直径を斜めに投影した長さだけ必要になる。特に第2の反射面32上での光ビームの大きさの方が第1の反射面上での光ビームよりはるかに大きいので、第2の反射面32上での反射面の余裕が問題となる。しかし、本願の第1発明あるいは第2の発明によれば従来技術に対して、より光ビームの走査角を大きく取ることができるので、第2の反射面上での光ビームの大きさもより小さくでき、このように主走査面内に光学系全体を配置する場合においても非常に有利である。
次に本発明による光走査装置の第3の実施例について説明する。図8は本発明による光走査装置の第3の実施例の主走査断面内での平面図を示している。光源には半導体レーザー1を用いられており、発散光として射出されたレーザービームはコリメータレンズ2で集束光ビームに整形される。第1の実施例と同様にこの集束光ビームは回転多面鏡3の第1の反射面31に入射する。
第1の反射面31で偏向された光ビームは一旦集束した後に発散光ビームとなり伝達光学系4を構成する第1の伝達レンズ42に入射する。第1の伝達レンズ42を射出した光ビームは緩い発散光ビームとなり、反射鏡51を経て第2の伝達レンズ43に入射する、第2の伝達レンズ43を通過した光ビームは平行光ビームとなって、反射鏡52で光軸の向きを変えられて、回転多面鏡3の第2の反射面32に入射する。
第1の実施例と同様に、第2の反射面32に入射する光ビームは第1の反射面31での偏向にともない、第2の反射面32の中心に追従するよう光ビームの中心が移動する。第2の反射面32で偏向された光ビームは走査レンズ61、補正レンズ62に入射して集束光ビームに整形された後に被走査面7上に結像する。走査レンズ61と補正レンズ62とで、走査光学系を構成しており、おおむね等角速度で走査される光ビームを等線速で被走査面上を走査させる。
なお、図8において第1の反射面31に入射する光ビームの光軸と偏向された光ビームの光軸は平面的には重なっているが、第1の実施例と同様に実際には紙面垂直方向すなわち副走査面内で距離をおいてかつ斜めに光軸が配置されている。同様に第2の反射面32に入射する光ビームと偏向された光ビームの光軸も回転多面鏡の回転軸を含む面内で斜めに配置されている。
本実施例は、第1の実施例と比較すると、第1の実施例が伝達光学系4を構成するレンズが1枚あるいは1群であるのに対して、本実施例では伝達光学系を構成するレンズが2枚あるいは2群となっている。このような構成上の差はあるが、本実施例においても伝達光学系を1つのレンズとみなすことにより、第1の実施例で説明したような伝達光学系の原理はそのまま適用できる。特に、各反射面位置における光ビームの直径wi、wo、回転多面鏡の回転角θ1、伝達光学系4を通過した光ビームの偏向角θ2と伝達光学系4の倍率βの関係を表す(数3)式も本実施例に適用可能である。
本実施例では、第1の実施例における伝達レンズ41と比較して、伝達光学系4のレンズを2枚(2群)で構成することで、第1の伝達レンズ42の光学パワーを小さくでき、かつ有効径も小さくすることが可能となる。従って、全体としてレンズの枚数は増加するものの、各レンズの製作は容易になるという利点がある。
次に本発明による光走査装置の第4の実施例について述べる。図9は本発明による光走査装置の第4の実施例の主走査断面内での平面図を示している。光源には半導体レーザー1を用いられており、発散光として射出されたレーザービームはコリメータレンズ2で集束光ビームに整形される。この集束光ビームは、整形レンズ22に入射し比較的直径の小さな平行光ビームに変換される。この平行光ビームは回転多面鏡3の第1の反射面31に入射する。
第1の反射面31で偏向された光ビームは伝達光学系4を構成する第1の伝達レンズ44に入射する。第1の伝達レンズ44で光ビームは集束光ビームに変換され、一旦結像した後反射鏡51に入射する。この時点で偏向された光ビームは発散光ビームとなっており、第2の伝達レンズ45に入射する。第1の伝達レンズ44の後側焦点位置に、第2の伝達レンズ45の前側焦点が一致するように置かれており、これら2枚のレンズでアフォーカル光学系を構成している。従って伝達レンズ44を通過した光ビームは再び平行光ビームとなり、反射鏡52で光軸の向きを変えられて、回転多面鏡3の第2の反射面32に入射する。
第2の反射面32に入射する光ビームは第1の反射面31での偏向にともない、第2の反射面32の中心に追従するよう光軸が移動する。第2の反射面32で偏向された光ビームは走査レンズ61、補正レンズ62に入射して集束光ビームに整形された後に被走査面7に結像する。走査レンズ61と補正レンズ62とで、走査光学系を構成しており、おおむね等角速度で走査される光ビームを等線速で被走査面上を走査させる。
なお、図9において第1の反射面31に入射する光ビームの光軸と偏向された光ビームの光軸は主走査面内では重なっているが、第1あるいは第3の実施例と同様に紙面垂直方向すなわち副走査面内では反射面に対して斜めに光軸が配置されている。同様に第2の反射面32に入射する光ビームと偏向された光ビームの光軸も回転多面鏡の回転軸を含む面内で斜めに配置されている。
次に、本発明の光走査装置の第4の実施例の伝達光学系の作用を詳しく説明する。図10は図9で説明した光走査装置の伝達光学系を反射鏡51、反射鏡52について引伸ばして、主走査断面について示した図である。
第1の反射面31に入射する平行光ビームのこの反射面の位置での直径はwiである。伝達光学系42はアフォーカル光学系を構成しているので、第2の反射面32の位置では直径woの平行な光ビームに変換される。すなわち第1の伝達レンズ44の焦点距離をf1、第2の伝達レンズ45の焦点距離をf2とすると、woをwiで除した光ビームの直径の比の値は、f2をf1で除した値に等しい。
第1あるいは第3の実施例と同様に、回転多面鏡3がθ1だけ回転すると、第1の反射面31で光ビームは2・θ1だけ偏向される。偏向された光ビームは伝達レンズ44、45を通過して、角度θ2で偏向される。この光ビームは点Qで光軸と交差する。交差した後に第2の反射面32に入射する位置において、偏向された光ビームと光軸との距離はδとなり、このδは回転多面鏡3がθ1回転したときの反射面の移動量に等しい。
このとき、偏向された光ビームは第2の反射面に対して角度θ2だけ入射角度が増大する側に偏向するので、第2の反射面で反射された光ビームの走査角θsは、θs=2・θ1+θ2とあらわされる。すなわち、通常の1度しか回転多面鏡に入射しない方式、あるいは第2の反射面32に対して光ビームが平行移動しながら追従する方式に比べて光ビームの偏向角をθ2だけ増大させることができる。
本実施例では伝達光学系4はアフォーカル光学系であるので、その横倍率βは焦点距離f2を焦点距離f1で除した値であり、すなわち上記のように光ビームの直径の比に等しい。また、伝達光学系4を通過する偏向光ビームは角度2・θ1から角度θ2に偏向角が変化するので、横倍率βは2・θ1/θ2で表される。よって横倍率βは(数6)のように表される。
Figure 0003922382
図10に示すように第1の伝達レンズ44は第1の反射面31からS1の距離におかれている。第1の反射面31で偏向された光ビームは、第1の伝達レンズ44によって向きを変え、その主光線は第1の伝達レンズ44から距離S2の位置にある点Q’で光軸と交差する。
点Q’に向かう光ビームは第2の伝達レンズ45に入射して向きを変え、その主光線が第2の伝達レンズ45から距離S3の位置にある点Qにおいて光軸と交差する。また、点Q’の第2の伝達レンズからの距離をS2’とする。
点Qで光軸と交差した光ビームは点QからS4の位置にある第2の反射面32に入射する。
なおS1、S2、S2’、S3の符号は各伝達レンズから見て像側を正としている。
既に述べたように、伝達レンズ44、45の焦点距離はf1、f2であるので、S1、S2、S2’、S3とf1、f2の間には(数7)、(数8)式の関係がある。
Figure 0003922382
Figure 0003922382
また、偏向された光ビームが第2の反射面32を追従するための移動量δは、近軸的には前記の交差点Qから第2の反射面32までの距離S4に角度θ2を乗じたものに等しい。
次に走査光学系の焦点距離について考察する。第2の反射面32で偏向された光ビームを被走査面上に結像させる走査光学系の主走査方向の焦点距離をfsとすると、光ビームの走査角度θ’に比例した被走査面上の光軸からの位置yに結像スポットを位置させるいわゆるfθ光学系においては、y=fs・θ’なる関係がある。所要走査幅Yの半分Y/2を回転多面鏡が回転角θ1回転する間に走査するので、上記のyにY/2を代入し、θ’にθ1、θ2で定まるθsを代入すると、fsが定まる。fsが決まると第1の実施例で述べた(数4)によって、第2の反射面上での光ビームの直径woが計算できる。woが決まれば(数6)あるいは(数2)によってwiも決まる。
以上に述べた本発明の第4の実施例においても第1の実施例の図5、図6で説明したような、反射面の幾何学的な大きさに対する光ビームの大きさの余裕の関係が成り立つ。すなわち本願の第2の発明による効果は、伝達光学系の構成にかかわらず発揮される。
既に述べた、第1あるいは第3、第4の実施例では、所要走査領域の中央付近を光ビームが走査する時点において、回転多面鏡の第1の反射面あるいは第2の反射面に入射する光ビームが主走査方面内で垂直に入射している。しかし、実際の回転多面鏡の反射面は回転運動を行っているので、この垂直位置からはずれた位置では光ビームは反射面に対して斜めに角度をもって入射し、厳密に言えば反射面の上での光ビームの直径は角度分だけ若干大きくなる。
なお、このように反射面に対して垂直に光ビームが入射する時点において、ビーム整形光学系あるいは伝達光学系の光軸が、回転多面鏡の反射面の主走査方向の中心に一致するとは限らず、光走査装置の構造により多少のずれ(あるいは非対称性)があっても構わない。
同様に、第1の反射面に対して入射する光ビームの相対的な移動量Eも、入射光ビームに対する反射面の傾きを考慮する必要がある。
これらの傾きによる影響は回転多面鏡の回転角θ1が小さいときは無視しうるが、θ1が大きいときには、反射面の余裕の計算に際して、必要に応じて考慮に入れなければならない。
本発明の実施例に対する計算例では、光ビームの直径wi、woから、反射面上での光ビームの直径wi’、wo’を計算する際にこの影響を考慮して計算している。
また、第2の実施例では、所要走査領域の全ての範囲にわたって、回転多面鏡の第1の反射面あるいは第2の反射面に入射する光ビームが主走査方向において垂直ではなく角度をもって入射している。このような場合には上記のような傾きの影響が大きく、そのため光ビームの直径を反射面上で測った大きさを考慮して、反射面の余裕を計算する必要がある。
このように、第2の実施例において、主走査面内における入射光ビームの反射面に対する傾きを考慮して計算すると、図5や図6であげた反射面の余裕はより小さいな値になるのは言うまでもない。その場合でも、本願の第2の発明による、第1の反射面上での光ビームの大きさ及び光ビーム相対移動の移動に対する反射面の余裕より、第2の反射面上での光ビームの大きさの余裕の方が大きくすることによるという効果は全く同様に発揮される。
しかし、第1の実施例、第3の実施例、第4の実施例のように回転多面鏡に対して入射する光軸と回転多面鏡の光軸が交わる構成の方が、回転多面鏡の反射面上での光ビームの大きさが小さくなり、ひいては回転多面鏡の大きさが小さくできるので、より望ましい結果が得られる。
本発明の第1の実施例における光走査装置の主走査面内での平面図である。 本発明の第1の実施例における光走査装置の第1の反射面から第2の反射面までの主走査面内の光軸に沿った断面図である。 従来技術における光走査装置の回転多面鏡の設定回転角における反射面の余裕、光ビームの走査角、走査光学系の焦点距離を示す特性図である。 本発明の第1の実施例における光走査装置の回転多面鏡の設定回転角における反射面の余裕、光ビームの走査角、走査光学系の焦点距離を示す特性図である。 本願の第2の発明を説明するための、回転多面鏡の回転角θ1と伝達光学系による偏向角θ2を与えたときの第1の反射面31、第2の反射面32での反射面の幾何学的な大きさに対する光ビームの余裕が一定になる条件を示す特性図である。 本願の第2の発明を説明するための、回転多面鏡の回転角θ1と伝達光学系による偏向角θ2を与えたときの第1の反射面31、第2の反射面32での反射面の幾何学的な大きさに対する光ビームの余裕が一定になる条件を示す他の特性図である。 本発明の第2の実施例における光走査装置の主走査面内での平面図である。 本発明の第3の実施例における光走査装置の主走査面内での平面図である。 本発明の第4の実施例における光走査装置の主走査面内での平面図である。 本発明の第4の実施例における光走査装置の第1の反射面から第2の反射面までの主走査面内の光軸に沿った断面図である。 従来技術における光走査装置の第1の反射面から第2の反射面までの主走査面内の光軸に沿った断面図である。
符号の説明
1 ・・・・ 半導体レーザー
2 ・・・・ コリメータレンズ
22 ・・・・ 整形レンズ
3 ・・・・ 回転多面鏡
31 ・・・・ 第1の反射面
32 ・・・・ 第2の反射面
4 ・・・・ 伝達光学系
41、42、43、44、45・・・・ 伝達レンズ
51、52 ・・・・ 反射鏡
61 ・・・・ 走査レンズ
62 ・・・・ 補正レンズ
7 ・・・・ 被走査面

Claims (4)

  1. 光源と、前記光源からの光ビームを所要の整形光ビームに変換するビーム整形光学系と、前記整形光ビームを第1の反射面で偏向し、少なくとも前記第1の反射面と第2の反射面を有する回転多面鏡と、前記回転多面鏡の第1の反射面により偏向された光ビームを前記回転多面鏡の第2の反射面に入射させる伝達光学系とを有し、前記回転多面鏡の第2の反射面で偏向した走査光ビームで所定の被走査面を走査する光走査装置であって、
    前記伝達光学は、前記第1の反射面によって偏向された光ビームが前記第2の反射面の回転移動に追従し、かつ前記第1の反射面によって偏向された光ビームが移動に伴って前記伝達光学系の光軸と交差するように構成されており、
    前記走査光ビームが所要の領域を走査する期間において、前記整形光ビームが前記回転多面鏡の前記第1の反射面に入射するときの前記回転多面鏡の回転軸と直交する面内で測った前記第1の反射面上での光ビーム直径がその最大値となるときの値をwi’、前記伝達光学系からの光ビームが前記回転多面鏡の第2の反射面に入射するときの前記回転多面鏡の回転軸と直交する面内で測った前記第2の反射面上での光ビーム直径がその最大値となるときの値をwo’、前記走査光ビームが所要範囲を走査する期間において前記整形光ビームが前記第1の反射面上を移動する距離をEとすると、前記第1の反射面の幾何学的大きさから前記wi’と前記Eを除いた値よりも、前記第2の反射面の幾何学的大きさから前記wo’を除いた値を大きくしたことを特徴とする光走査装置。
  2. 前記走査光ビームが、前記の所要範囲の中心付近を走査する際に、前記整形光ビームが前記第1の反射面に入射する入射角が、主走査面内において垂直であることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  3. 前記の所要範囲の中心付近を走査する際に、前記伝達光学系を出た光ビームが前記第2の反射面に入射する入射角が、主走査面内において垂直であることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  4. 前記光源は半導体レーザーであって、前記半導体レーザーより射出されるレーザー光の波長が700nm以下の可視光であることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
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