JP3921661B2 - 情報配信システムにおける情報配信装置、情報配信プログラムおよび情報配信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報配信システムにおける情報配信装置、端末探索装置、および、受信端末、ならびに、情報配信プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電話、FAX、電子メール、TV放送などの従来の通信放送システムにおいて、あるルールに基づき情報が配信することで、効果的な情報配信が可能となる。
【0003】
例えば、アラーム通知、モーニングコールサービス、電子秘書システム、メールマガジンなどでは、時刻や時間帯といったスケジュールに基づき情報を配信することで、タイムリーな情報配信を実現している。
【0004】
他にも、モニタリングシステムなどでは、実世界におけるある事象を常時監視し、予め設定された条件に合致した時に情報を配信することで、監視対象の事象が指定した状態にあることを通知することを実現している。例えば、温室監視システムでは、温室の温度を監視し、設定した温度以上になった際に、利用者が持つ受信端末に情報が送信され、利用者はその情報により、温度の上昇を認知する。
【0005】
ここで、従来のシステムでは、受信先が持つ受信端末の状態、例えば、受信端末の電源が入っていない、または、受信端末を利用できる環境にいない時に情報が配信された場合、利用者は、その時点で情報を受信できなかった。
【0006】
また、従来のシステムでは、情報は利用者に対してではなく、利用者が所持する受信端末に送信されるため、受信端末に情報が受信されたとしても、利用者がその情報を受信したかは保証していなかった。例えば、電話(留守番電話)、電子メール、FAXに情報が受信された場合に、利用者がその場に不在であるために、情報を受信するタイミングを逸することがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ルールに基づく情報配信システムでは、利用者が情報を受信するタイミングが重要となる。そのためには、タイミングを逸することなく、利用者に確実に情報を受信させるための方法が問題となる。
【0008】
タイミングを逸することなく、利用者に確実に情報を受信させるための方法として、情報の受信者が、自身の状況が変わる度に、随時、情報の受信を希望する受信端末を情報の送信者、または、情報の送信装置に通知する方法が考えられる。この方法は、従来でも転送電話などで、転送先の電話番号を随時、登録する方法として実現されている。さらには、操作の簡易化のために、受信端末に備え付けられたICカードリーダに自身のIDが入ったICカードを挿入し、登録するシステムもある。
【0009】
しかしながら、状況が変化する度に、情報の受信を希望する受信端末を通知するのは手間である。特に、配信要求に基づく情報配信システムでは、送信者が設定する配信要求に基づき情報が送信され、受信者がその情報を受信するタイミングを知ることができない場合が考えられる。このような場合、いつ届けられるかはわからない情報に対して、受信者側で随時、対応をしておくことは非常に手間である。
【0010】
本発明は、このような課題に対処し、タイミングを逸することなく、利用者が確実に情報を受信できるようにした、配信要求に基づく情報配信を実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載の情報配信装置は、配信契機を決定するイベントを監視し、検知した前記イベントを通知するイベント監視装置と、利用者IDごとに、その利用者IDの受信者へ配信する配信データと、その配信データの配信条件と、前記利用者IDごとに、その利用者IDの受信者が利用可能な受信端末のアドレスを示した配信先リストとを保持し、前記配信データを、前記受信端末に配信する情報配信装置と、前記配信データを受信する手段、および、前記配信先リストを更新するための当該受信端末のアドレスを含む配信先リスト登録情報を前記情報配信装置に通知する手段を備えた受信端末と、前記配信データの受信者により携帯され、前記受信者の利用者IDを前記受信端末に所定間隔で通知する手段を備えた端末探索装置と、を含んで構成される情報配信システムにおける情報配信装置であって、前記情報配信装置は、前記端末探索装置から前記受信者の利用者IDを受信できた前記受信端末より、前記受信者の利用者ID、および、当該受信端末のアドレスを含む配信先リスト登録情報を受信する手段と、前記受信した配信先リスト登録情報に含まれる前記受信者の利用者IDと前記受信端末のアドレスを反映し、その受信頻度が高いほど当該受信端末の優先度を高く設定して、前記配信先リストを更新する手段と、前記イベント監視装置が通知するイベント受信時、前記配信条件を参照して、前記イベント受信を条件として配信する配信データと、その配信データの配信先である受信者の利用者IDとを特定し、前記配信先リストを参照して、前記特定した利用者IDに対応する受信端末のうち、前記優先度の最も高い受信端末へ優先的に前記特定した配信データを配信する手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、配信データの受信者は、受信端末を登録する手間を省くことができる。
【0019】
また、請求項2に記載の情報配信プログラムは、請求項1に記載の情報配信装置の機能をコンピュータで実現するための情報配信プログラムとした。
【0020】
かかる構成によれば、配信データの受信者は、受信端末を登録する手間を省くことができる。
【0021】
さらに、請求項3に記載の情報配信システムは、利用者の受信状況に応じて動的に情報の配信先を変更する情報配信システムであって、配信契機を決定するイベントを監視し、検知した前記イベントを通知するイベント監視装置と、受信者によって携帯され、前記受信者の利用者IDを所定の間隔で前記受信端末に通知する手段、を備えた端末探索装置と、前記端末探索装置から前記利用者IDを受信したとき、前記受信した利用者IDおよび当該受信端末のアドレスを前記情報配信装置に通知する手段、を備えた受信端末と、利用者IDごとに、その利用者IDの受信者へ配信する配信データと、その配信データの配信条件と、前記利用者IDごとに、その利用者IDの受信者が利用可能な受信端末のアドレスを示した配信先リストとを保持し、前記端末探索装置から前記受信者の利用者IDを受信できた受信端末より、前記受信者の利用者ID、および、前記受信端末のアドレスを受信する手段と、前記受信した前記受信者の利用者IDおよび前記受信端末のアドレスを反映し、その受信頻度が高いほど当該受信端末の優先度を高く設定して、前記配信先リストを更新する手段と、前記イベント監視装置が通知するイベント受信時、前記配信条件を参照して、前記イベント受信を条件として配信する配信データと、その配信データの配信先である受信者の利用者IDとを特定し、前記配信リストを参照して、前記特定した利用者IDに対応する受信端末のうち、前記優先度の最も高い受信端末へ優先的に前記特定した配信データを配信する情報配信装置と、を備えることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の情報配信装置の第1実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0032】
まず、本実施形態の情報配信システムの構成について、図1を参照して説明する。情報配信システムは、配信要求に基づく情報配信を実現する機能を有する。このため、情報配信システムは、配信契機を決定するイベント111を監視し、検知したイベント111を通知するイベント監視装置1と、配信データ132を含む配信要求130と配信先リスト24とを保持し、イベント監視装置1が通知するイベント111を受信すると、イベント111に合致する配信要求130に含まれる配信データ132を、配信先リスト24を参照して配信する情報配信装置2と、配信データ132の受信者により携帯され、受信者の利用者ID121を受信端末4に通知する手段を備えた端末探索装置3と、配信データ132を受信する手段、および、自アドレスを付して情報配信装置2に通知する手段を備えた受信端末4と、配信データ132の送信に使用される送信端末5とを含んで構成される。なお、イベント監視装置1、情報配信装置2、ならびに、送信端末5は、ネットワーク6Aを介して接続されている。また、情報配信装置2、および、受信端末4は、ネットワーク6Bを介して接続されている。端末探索装置3は、配信データの受信者によって携帯される。この端末探索装置3は、端末探索装置3の位置から通信可能な受信端末4と、例えば無線通信によるネットワーク6Cによって接続されている。ここで、ネットワーク6Cは、例えば、利用者の個人情報の漏洩を防ぐために、通信を暗号化するなどのセキュリティが確保された通信手段である。
【0033】
次に、本実施形態に関わる情報配信システムにおいて、扱われるデータについて説明する。
【0034】
まず、センサなどで情報配信システムに取り込まれるデータを説明する。イベント111は、イベント監視装置1によって検知される事象であり、例えば、実世界における事象である、時間、位置、温度、水量である。
【0035】
次に、情報配信装置2が保持する配信先リスト24に含まれるデータ120について、図2を参照して説明する。配信先リスト24は、利用者ID121、受信端末のアドレス122、ならびに、受信端末の優先度123を含んで構成される。利用者ID121は、情報の配信先である利用者を識別する番号である。受信端末のアドレス122は、利用者ID121に対応した利用者が配信データ132の受信に利用する受信端末4を特定するためのアドレスである。受信端末の優先度123は、ある利用者ID121に対応した受信端末のアドレス122が複数ある場合に、各受信端末4に優先度を規定することにより、配信に使用する受信端末のアドレス122を特定するために使用される。よって、配信先リスト24は、受信端末のアドレス122と受信端末の優先度123とを、利用者ID121に対応させている。
【0036】
そして、配信データ132の送り側である送信端末5から情報配信装置2に登録される配信要求130について、図3を参照して説明する。配信要求130は、利用者ID121、配信条件131、ならびに、配信データ132を含んで構成される。配信条件131は、情報配信装置2が、情報を配信する契機を決定するための条件であり、イベント111の種別に対応している。例えば、時間が8月13日午前0時となる、または、温度が30℃になる、である。配信データ132は、送信端末5から受信端末4に配信されるデータの内容である。配信データ132の形式は、例えば、テキスト形式、音声形式、画像形式、ならびに、URL(Uniform Resource Locator)などのデータの参照である。
【0037】
さらに、配信データ132の受け側である受信端末4から情報配信装置2に登録される配信先リスト登録情報140について、図4を参照して説明する。配信先リスト登録情報140は、利用者ID121、および、受信端末のアドレス122を含んで構成される。なお、受信端末のアドレス122は、受信端末4のアドレスである。
【0038】
そして、本実施形態に関わる情報配信システムを構成する各装置について、装置ごとに構成をより具体的に説明する。
【0039】
イベント監視装置1は、情報を配信する契機となるイベント111を情報配信装置2に通知する機能を有する。このため、イベント監視装置1は、イベント111を検知するセンサ部11と、検知したイベント111を情報配信装置2に通知する通信部19を含んで構成される。
【0040】
情報配信装置2は、配信要求130を管理し、イベント111に応じて配信データ132を配信する機能を有する。このため、情報配信装置2は、配信要求130を格納する配信要求格納部21と、イベント監視装置1から通知されるイベント111と配信要求130に含まれる配信条件131とを照合して配信データ132の配信契機を決定する配信要求照合部22と、利用者ID121に応じて配信データ132の配信先である受信端末4を特定するために参照される配信先リスト24と、配信先リスト登録情報140などにより配信先リスト24を登録する配信先リスト登録部23と、受信端末4の種別に応じて配信データ132の形式を変換する配信データ変換部25と、情報配信装置2と情報配信システムの他端末との通信を行う通信部29とを含んで構成される。
【0041】
端末探索装置3は、配信データの受け側である利用者に関する情報を受信端末4に送信する機能を有する。このため、端末探索装置3は、受信端末4に送信する利用者情報を作成して通知の指示を行う利用者情報通知部31と、端末探索装置3を携帯する利用者に関する利用者ID121を格納する利用者ID格納部32と、端末探索装置3と情報配信システムの他端末との通信を行う通信部39とを含んで構成される。
【0042】
受信端末4は、配信データを受信する機能、ならびに、配信先リスト24を登録する機能を有する。このため、受信端末4は、配信先リスト登録情報140を作成して通知の指示を行う配信先リスト登録通知部41と、端末探索装置3から受信した利用者情報を格納する利用者情報格納部42と、受信端末4と情報配信システムの他端末との通信を行う通信部49とを含んで構成される。
【0043】
次に図1を参照しつつ、情報配信システムの動作を、図5に沿って説明する。
【0044】
まず、配信先リスト24の登録(S101)について説明する。配信データ132の受信者は、受信に使用する受信端末4に関する情報を配信先リスト24に登録する。配信先リスト24への登録方法は、受信者による明示的な登録方法、または、受信者の登録指示を必要としない自動的な登録方法がある。前者の明示的な登録方法は、受信者自身が受信端末4などを介して、情報配信装置2に明示的な登録指示を随時送信し、情報配信装置2はその登録指示で配信先リスト24を更新する。以下、後者の自動的な登録方法について、より具体的に説明する。
【0045】
配信先リスト24の自動的な登録方法は、端末探索装置3と受信端末4を用いて行われる。端末探索装置3は、通信部39を介して、利用者情報を所定の間隔で随時送信する。なお、利用者情報は、利用者情報通知部31が利用者ID格納部32から取得した利用者ID121を含めて構成される。次に、受信端末4は、ネットワーク6Cを介して利用者情報を受信し、利用者情報格納部42に格納する。そして、受信端末4は、配信先リスト登録通知部41を用いて、利用者情報格納部42に格納された利用者情報に、受信端末4のアドレスを付して、配信先リスト登録情報140を作成する。さらに、受信端末4は、通信部49からネットワーク6Bを介して、配信先リスト登録情報140を、情報配信装置2に送信する。情報配信装置2は、配信先リスト登録部23を用いて、配信先リスト登録情報140によって、配信先リスト24を登録する。なお、配信先リスト24の登録は、配信先リスト登録情報140が情報配信装置2に通知される頻度に応じて、受信端末の優先度123を決定してもよい。例えば、配信先リスト登録情報140が通知される頻度が高いほど、受信端末の優先度123を高くしてもよい。以上で、配信先リスト24の自動的な登録方法について説明した。
【0046】
次に、配信要求130の登録(S102)について説明する。まず、配信データ132の送信者は、配信要求130を作成する。作成された配信要求130は、送信端末5を介して、情報配信装置2に登録される。情報配信装置2は、受信した配信要求130を配信要求格納部21に格納する。
【0047】
ここで、イベント111が発生した場合(S103、Yes)について説明する。発生したイベント111は、センサ部11により検知され、通信部19からネットワーク6Aを介して、イベント監視装置1から情報配信装置2に通知される。次に、イベント111を受信した情報配信装置2は、配信要求格納部21に格納している配信要求130の配信条件131と、受信したイベント111とを、配信要求照合部22にて照合する。照合が一致した各配信要求130は、配信する対象となる。
【0048】
そして、イベント111を契機に配信する対象となる配信要求130に含まれる配信データ132の配信(S104)を説明する。情報配信装置2は、配信要求130に含まれる利用者ID121をキーとして、配信先リスト24からキーである利用者ID121に対応する受信端末のアドレス122を検索する。検索結果として、利用者ID121に対応する受信端末のアドレス122が複数抽出された場合は、情報配信装置2は、受信端末のアドレス122に対応する受信端末の優先度123を参照して、配信データ132の配信先となる受信端末4を特定する。受信端末4の種別には、例えば、固定電話、FAX、情報家電、ならびに、コンピュータなどがあるので、情報配信装置2は、配信データ変換部25を用いて、受信端末4の種別に応じて、受信端末4が扱える形式に配信データ132を変換する。配信データ変換部25により変換された配信データ132は、通信部29からネットワーク6Bを介して、情報配信装置2から受信端末4に配信される。配信データ132を受信した受信端末4は、予め配信データ132の受信者が情報配信装置2に登録した受信端末4であるので、配信データ132の受信者は、確実に、配信データ132を受信できる。
【0049】
以上で、送信端末5から受信端末4への配信データ132の配信処理について説明した。なお、配信すべき別の配信データ132が存在し、配信処理を終了しない場合(S105、No)は、処理を配信先リスト24の登録(S101)に戻す。
【0050】
以上、本発明の第1実施形態について説明した。この第1実施形態によれば、配信データの受信者は、受信端末を登録する手間を省くことができる。その結果、配信データの受信者は、タイミングを逸することなく、効率的に配信データを受信できる。また、受信端末の優先度を参照することにより、配信先リストは、受信端末の優先度を反映して登録される。それにより、配信データの受信者は、複数の受信端末から、受信に最適な受信端末を利用できる。
【0051】
以下に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、上記第1実施形態における配信先リストの登録(S101)において、利用者の状況情報と受信端末の状況情報とを追加して配信先リスト24の登録を行うものである。よって、上記第1実施形態と同様の構成要素および動作は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0052】
まず、センサなどで情報配信システムに取り込まれるデータを説明する。
【0053】
利用者の状況情報112は、端末探索装置3によって検知される事象であり、利用者または利用者の周囲についての状況を示す。利用者の状況情報112は、例えば、利用者が自動車を運転中である状況、利用者の周囲に騒音が多い状況、ならびに、利用者の周囲が暗い状況である。また、受信端末の状況情報113は、受信端末4によって検知される事象であり、受信端末4(受信端末4の周囲も含む)または受信端末4と利用者との関係についての状況を示す。受信端末の状況情報113は、例えば、受信端末4が携帯端末である場合の電池残量が少ない状況、受信端末4がコンピュータである場合の利用者がログインしている状況、ならびに、受信端末4が利用者以外の他者によって使用中である状況である。さらに、付加情報141は、配信先リスト登録情報140に含まれ、配信先リスト24の登録をする際に参照される情報である。
【0054】
次に、情報配信システムの構成について図6を参照して説明する。
【0055】
端末探索装置3は、配信データの受け側である利用者の状況情報112を検知して、受信端末4に送信する機能を有する。このため、端末探索装置3は、第1実施形態で述べた構成要素に加えて、利用者の状況情報112を検知するセンサ部33を含んで構成される。
【0056】
受信端末4は、受信端末の状況情報113を検知して、情報配信装置2に送信する機能を有する。このため、受信端末4は、第1実施形態で述べた構成要素に加えて、受信端末の状況情報113を検知するセンサ部43を含んで構成される。
【0057】
以下、情報配信システムの動作について、適宜図5および図6を参照して説明する。なお、第2実施形態の動作において、配信先リスト24の登録(S101)を、下記に示す手順によって行うこととし、情報配信処理を行うための他の動作は、第1実施形態と同様とする。よって、以下、配信先リスト24の登録(S101)について説明する。
【0058】
まず、端末探索装置3は、センサ部33により、配信データ132の受け側である利用者の状況情報112を検知する。端末探索装置3は、検知された利用者の状況情報112と、利用者ID格納部32に格納された利用者ID121とを含めて利用者情報を作成する。作成された利用者情報は、通信部39からネットワーク6Cを介して、端末探索装置3から受信端末4に通知される。受信端末4は、受信した利用者情報を利用者情報格納部42に格納する。
【0059】
次に、受信端末4は、センサ部43により、受信端末の状況情報113を検知する。受信端末4は、配信先リスト登録通知部41を用いて、検知された受信端末の状況情報113、および、利用者情報格納部42に格納された利用者情報を参照して、配信先リスト登録情報140を作成する。ここで、配信先リスト登録情報140は、利用者情報に含まれる利用者ID121、受信端末のアドレス122に加えて、付加情報141を含ませてもよい。そのため、配信先リスト登録通知部41は、利用者の状況情報112、または、受信端末の状況情報113の内容について、内容を加工せずに、または、配信先リスト24の登録に必要な情報だけ抜粋して、または、所定の規則に従って変換して、付加情報141を作成する。
【0060】
そして、受信端末4は、利用者の状況情報112、または、受信端末の状況情報113の内容を参照して、配信先リスト登録情報140の送信可否を決定する。ここで、送信可否の決定とは、例えば、受信端末の状況情報113に含まれる受信端末4の電池残量が5%未満の場合は、受信端末4の電池切れが予想されるので、配信先リスト登録情報140を送信しない旨を決定する、などである。配信先リスト登録情報140を送信する場合は、受信端末4は、通信部49からネットワーク6Bを介して、配信先リスト登録情報140を、情報配信装置2に送信する。
【0061】
さらに、情報配信装置2は、配信先リスト登録部23を介して、受信した配信先リスト登録情報140を参照して、配信先リスト24を更新する。ここで、配信先リスト登録部23は、付加情報141に応じて、配信先リスト24への更新の可否、ならびに、受信端末の優先度123を決定する。ここで、付加情報141に応じた配信先リスト24の更新とは、例えば、付加情報に含まれる利用者の状況情報112として、利用者の周囲の騒音が大きい状況を反映し、音声形式で配信データ132を受信する受信端末4(携帯電話など)について受信端末の優先度123を下げて配信先リスト24に登録する、などである。他の例としては、付加情報141に含まれる利用者の状況情報112として、利用者が運転中である状況を反映して、受信端末4である携帯電話に対応する受信端末の優先度123を下げ、受信端末4であるカーナビゲーションシステムの音声機能に対応する受信端末の優先度123を上げることも可能である。以上、配信先リスト24の登録(S101)について説明した。
【0062】
以上、本発明の第2実施形態について説明した。この第2実施形態によれば、配信先リストは、受信者の状況を反映して登録される。その結果、配信データの受信者は、受信者の状況に依存せずに、配信データを受信できる。また、配信先リストは、受信端末の状況を反映して登録される。それにより、配信データの受信者は、受信端末の状況に依存せずに、配信データを受信できる。さらに、配信データの受信者は、タイミングを逸することなく、効率的に配信データを受信できる。
【0063】
以下に、本発明の第3実施形態について、図面を参照して説明する。第3実施形態は、上記第2実施形態について、例を用いて、より具体的に説明するものである。よって、上記第2実施形態と同様の構成要素および動作は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0064】
まず、本実施形態で説明に用いる例の概要を説明する。利用者Aは、送信端末5から情報配信装置2を介して、所定の連絡メッセージを記した電子メールを配信データ132として、利用者Bに送信する。なお、利用者Aは、配信データ132に対応する配信条件131として、所定の時間を設定する。情報配信装置2は、所定の時間を示すイベント111を契機に、利用者Bが保持する受信端末4に電子メールを配信する。利用者Bは、利用者Aからの電子メールを受信するための受信端末4として、パソコンと携帯電話を用意している。しかし、利用者Bは、電子メールの配信条件131である時刻には外出中であり、パソコンが使えない。よって、パソコンの替わりに携帯電話を用いて、音声形式に変換された電子メールを受信する。
【0065】
以下、図5を参照しつつ、配信データの受信動作を説明する。
【0066】
まず、配信先リスト24の登録(S101)について説明する。利用者Bは、端末探索装置3を携帯している。端末探索装置3は、所定の間隔で、周囲に利用者Bに関する利用者情報を送信する。利用者Bが受信端末4である携帯電話を保持して外出すると、利用者Bが保持している受信端末4は、同時に利用者Bが保持している端末探索装置3との距離が短くなる。すると、受信端末4は、端末探索装置3からの利用者情報を受信可能とする。受信端末4は、受信した利用者情報に、受信端末4のアドレスを付した配信先リスト登録情報140を作成する(図4参照)。そして、受信端末4は、作成した配信先リスト登録情報140を、情報配信装置2に通知する。情報配信装置2は、配信先リスト登録部23を用いて、通知された配信先リスト登録情報140により、配信先リスト24を登録する。なお、利用者Bの別の受信端末4であるパソコンは、外出中の利用者Bが携帯する端末探索装置3からの利用者情報を受信できないため、配信先リスト登録情報140を送信しない。よって、利用者Bが外出している際には、情報配信装置2は、携帯電話からの配信先リスト登録情報140を所定の間隔で受信し続ける一方、パソコンからの配信先リスト登録情報140は受信しない。それにより、情報配信装置2は、携帯電話に対応する受信端末の優先度123を上げ、パソコンに対応する受信端末の優先度123を下げる(図2参照)。
【0067】
次に、配信要求130の登録(S102)について説明する。利用者Aは、電子メールの送信先となる利用者Bに対応する利用者ID121、配信条件131である指定時刻、ならびに、配信データ132である電子メール形式の連絡メッセージを含む配信要求130を作成する。作成された配信要求130は、送信端末5から、ネットワーク6Aを介して、情報配信装置2に送信される。情報配信装置2は、受信した配信要求130を、配信要求格納部21に格納することにより、配信要求130が登録される(図3参照)。
【0068】
ここで、イベント111が発生した場合(S103、Yes)について説明する。イベント監視装置1は、例えば、時刻を管理するサーバであり、時刻を随時、情報配信装置2にイベント111として通知する。情報配信装置2は、配信要求照合部22を用いて、受信したイベント111である時刻と、配信条件131である指定時刻とを照合する。イベント111である時刻が、配信条件131である指定時刻を経過する時に、情報配信装置2は、イベント111が、配信条件131と合致したとみなし、配信条件131に対応する配信データ132である電子メール形式の連絡メッセージを、配信する対象とする。
【0069】
そして、イベント111を契機に配信する対象となる配信要求130に含まれる配信データ132の配信(S104)を説明する。まず、情報配信装置2は、配信要求格納部21を参照して、配信対象の配信データ132に対応する利用者ID121である利用者Bを得る。次に、情報配信装置2は、配信先リスト24を参照して、利用者Bに対応する受信端末4のアドレスを得る。利用者Bは、パソコンと携帯電話を受信端末4として登録しているので、利用者Bに対応する受信端末4が複数抽出される。ここで、情報配信装置2は、各受信端末4に対応する優先度123を参照し、最も優先度の高い携帯電話を受信端末4と認識する。さらに、情報配信装置2は、配信データ変換部25を用いて、配信データ132である電子メール形式の連絡メッセージを、携帯電話が扱える音声形式に変換した後、受信端末4に配信する。
【0070】
以上説明した本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で広く変形実施することができる。
【0071】
例えば、受信端末4の種別に応じて、受信端末4が扱える形式に配信データ132を変換する配信データ変換部25は、配信データ132の変換に加えて、配信データ132の要約機能を付加してもよい。それにより、受信端末4の扱えるデータ容量に依存しない情報配信が可能となる。
【0072】
また、第2実施形態において、利用者の状況情報112と、受信端末の状況情報113とを同時に利用したが、どちらか一方だけを利用して配信先リスト24を登録してもよい。
【0073】
さらに、情報配信装置2は、イベント監視装置1からイベント111を受信したが、イベント監視装置1の替わりに、受信端末4が送信する配信先リスト登録情報140をイベント111として受信してもよい。その場合、任意の利用者の状況、または、受信端末の状況を契機とした情報配信が可能となる。
【0074】
【発明の効果】
請求項1、請求項2、または請求項3に記載した発明により、配信データの受信者は、受信端末を登録する手間を省くことができる。その結果、配信データの受信者は、タイミングを逸することなく、効率的に配信データを受信できる。また、配信データの受信者は、複数の受信端末から、受信に最適な受信端末を利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に関わる情報配信システムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態に関わる配信先リストに含まれるデータを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に関わる配信要求に含まれるデータを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に関わる配信先リスト登録情報に含まれるデータを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に関わる情報配信の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態および第3実施形態に関わる情報配信システムの構成図である。
【符号の説明】
1…イベント監視装置
2…情報配信装置
3…端末探索装置
4…受信端末
5…送信端末
6A,6B,6C…ネットワーク
23…配信先リスト登録部
24…配信先リスト
31…利用者情報通知部
41…配信先リスト登録通知部
111…イベント
112…利用者の状況情報
113…受信端末の状況情報
121…利用者ID
122…受信端末のアドレス
123…受信端末の優先度
130…配信要求
140…配信先リスト登録情報
Claims (3)
- 配信契機を決定するイベントを監視し、検知した前記イベントを通知するイベント監視装置と、利用者IDごとに、その利用者IDの受信者へ配信する配信データと、その配信データの配信条件と、前記利用者IDごとに、その利用者IDの受信者が利用可能な受信端末のアドレスを示した配信先リストとを保持し、前記配信データを、前記受信端末に配信する情報配信装置と、前記配信データを受信する手段、および、前記配信先リストを更新するための当該受信端末のアドレスを含む配信先リスト登録情報を前記情報配信装置に通知する手段を備えた受信端末と、前記配信データの受信者により携帯され、前記受信者の利用者IDを前記受信端末に所定間隔で通知する手段を備えた端末探索装置と、を含んで構成される情報配信システムにおける情報配信装置であって、前記情報配信装置は、前記端末探索装置から前記受信者の利用者IDを受信できた前記受信端末より、前記受信者の利用者ID、および、当該受信端末のアドレスを含む配信先リスト登録情報を受信する手段と、前記受信した配信先リスト登録情報に含まれる前記受信者の利用者IDと前記受信端末のアドレスを反映し、その受信頻度が高いほど当該受信端末の優先度を高く設定して、前記配信先リストを更新する手段と、前記イベント監視装置が通知するイベント受信時、前記配信条件を参照して、前記イベント受信を条件として配信する配信データと、その配信データの配信先である受信者の利用者IDとを特定し、前記配信先リストを参照して、前記特定した利用者IDに対応する受信端末のうち、前記優先度の最も高い受信端末へ優先的に前記特定した配信データを配信する手段とを備えることを特徴とする情報配信システムにおける情報配信装置。
- 請求項1に記載の情報配信装置の機能をコンピュータで実現するための情報配信プログラム。
- 利用者の受信状況に応じて動的に情報の配信先を変更する情報配信システムであって、配信契機を決定するイベントを監視し、検知した前記イベントを通知するイベント監視装置と、受信者によって携帯され、前記受信者の利用者IDを所定の間隔で前記受信端末に通知する手段、を備えた端末探索装置と、前記端末探索装置から前記利用者IDを受信したとき、前記受信した利用者IDおよび当該受信端末のアドレスを前記情報配信装置に通知する手段、を備えた受信端末と、利用者IDごとに、その利用者IDの受信者へ配信する配信データと、その配信データの配信条件と、前記利用者IDごとに、その利用者IDの受信者が利用可能な受信端末のアドレスを示した配信先リストとを保持し、前記端末探索装置から前記受信者の利用者IDを受信できた受信端末より、前記受信者の利用者ID、および、前記受信端末のアドレスを受信する手段と、前記受信した前記受信者の利用者IDおよび前記受信端末のアドレスを反映し、その受信頻度が高いほど当該受信端末の優先度を高く設定して、前記配信先リストを更新する手段と、前記イベント監視装置が通知するイベント受信時、前記配信条件を参照して、前記イベント受信を条件として配信する配信データと、その配信データの配信先である受信者の利用者IDとを特定し、前記配信リストを参照して、前記特定した利用者IDに対応する受信端末のうち、前記優先度の最も高い受信端末へ優先的に前記特定した配信データを配信する情報配信装置と、を備えることを特徴とする情報配信システム。
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