JP3919997B2 - 光ピックアップ装置及びそれに用いられる位相差板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコンパクトデイスク(CD)、CD-ROM、デジタルビデオデイスク等の光デイスク、光磁気デイスク、光相変化デイスク等の光記録媒体に光学的情報を読み書きするために用いられる光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ピックアップ装置は記録再生原理によって、 CD-R,DVD−Rなどの追記型デイスクとPD,DVD-RAMなどの相変化型デイスクに用いられる相変化記録再生型、CD、LD、CD-ROMなどの再生専用型デイスクに用いられる再生専用型、MD、MOなどの光磁気型デイスクに用いられる光磁気記録再生型に分類されている。
【0003】
光ヘッドアップ光学系をその機能により分離して考えると、微小スポットを光デイスク面に照射し情報信号の記録再生を行うための記録再生光学系、微小スポットを光デイスク面の情報トラックに正確に結像させるためのフォーカシング光学系とトラッキング光学系に分けられる。この記録再生光学系において、光デイスクに入射するレーザ光と反射してくるレーザ光を分離させるために光アイソレータが用いられている。具体的には半導体レーザ等の光源に光デイスクからの反射光を戻さずに光検出器(フォトダイオード)に完全に導くために、このデバイスが利用されている。半導体レーザに光デイスクからの反射光による戻り光があると、デイスクの反射面と半導体レーザとの間で共振が発生し半導体レーザの発光量が変動したり、信号ノイズが発生したりすることが知られている。
【0004】
この光アイソレータとしてはいろいろな提案があるが、偏光ビームスプリッタまたは偏光異方性ホログラムと四分の一波長板で構成されたものがある。
【0005】
上記四分の一波長板は位相差板の一種であるが、従来、水晶のような無機単結晶を研磨して使用したり、あるいは有機高分子材料を使用したりする方法が提案されている。また、それら四分の一波長板の要求特性としては位相差精度、位相差波長依存性、位相差入射角依存性、耐久性等を挙げることが出来る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記した位相差板の位相差精度が悪いと、例えば半導体レーザ波長の四分の一波長から位相差板の位相差がずれていると半導体レーザに光デイスクからの反射光が戻ってしまい、先述のような問題が発生する。位相差板の位相差を厳密に制御する方法として、水晶のような無機単結晶を研磨して目的の膜厚に制御する方法があるが、非常にコストがかかる等の問題がある。
【0007】
また、半導体レーザ波長が何らかの原因で振動することが知られているが、位相差板には一般に位相差の波長依存性が知られている。例えば、位相差板の位相差が常に四分の一波長の位相差を入射光に対して与えることが出来るならば、半導体レーザの波長が振動してもこの振動によって信号ノイズが発生する等の問題は生じないはずである。この場合、位相差板の位相差波長分散の理想としては半導体レーザの波長をλ(nm)とすると、位相差R=λ/4(nm)となる。すなわち、位相差板の位相差波長分散として、長波長側ほど位相差が大きくなるような位相差板があれば、好ましくは位相差R=λ/4(nm)なる位相差板があれば、半導体レーザの波長振動に対して信号ノイズを小さくすることが可能になる。しかし、残念なことに従来の有機高分子フィルムを分子配向させたものや先述の無機化合物を一枚のみ使用した位相差板は、その理想とは逆に一般に位相差が短波長ほど大きくなることが知られており、半導体レーザの波長振動が発生した場合、信号ノイズを発生させる問題が生じる場合がある。
【0008】
また、従来の水晶等の無機化合物を一枚のみ使用した位相差板等では、入射角が変わる、すなわち実際の例としては光が位相差板に垂直に入射しない場合には、位相差値が正面入射の場合と異なり、これによって半導体レーザへの戻り光が発生し、ノイズ信号が発生することも知られている。
【0009】
本発明の目的は、上記した従来の光ピックアップ装置において用いられていた位相差板の欠点である量産性、位相差波長依存性が改良された位相差板を用いてなる光ピックアップ装置を提供することにある。さらに、それに加えて位相差板の入射角依存性も解決した位相差板を用いた光ピックアップ装置を提供することにある。そして、二波長以上のレーザ光を用いる光ピックアップにおいて、それらの光に同じ位相差値、特に四分の一波長の位相差を与える位相差板を、高分子材料からなるフィルムを一枚で提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、高分子材料からなり、かつ1枚で下記式(1)を満足する配向フィルムであって、
【0011】
【数3】
|R(550)|<|R(650)| (1)
(上記式(1)において|R(550)|、|R(650)|はそれぞれ測定波長550nm、650nmにおける位相差値の絶対値(nm)である。)
該高分子材料が下記式(2)
【0012】
【化12】
(上記式(2)において、R 1 〜R 8 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれ、Xは
【0013】
【化13】
である。)で示される繰り返し単位が全体の30〜80モル%、下記式(3)
【0014】
【化14】
(上記式(3)において、R 9 〜R 16 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれ、Yは下記式群
【0015】
【化15】
(ここでR 17 〜R 19 、R 21 およびR 22 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基であり、R 20 、R 23 は炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基であり、また、Arは炭素数6〜10のアリール基である。))
で示される繰り返し単位が全体の70〜20モル%を占める、フルオレン骨格を有するポリカーボネート共重合体またはブレンド体からなる配向フィルムを、光ピックアップ装置の位相差板として用いた光ピックアップ装置によって達成される。
そして本発明によれば、上記構成を採用することにより、高分子材料からなるフィルムを一枚で位相差板として提供できるので、部材点数を減らすことが可能で、その結果、軽量化や小型化に貢献することの出来る光ピックアップ装置を提供することができる。
【0016】
前記したように、半導体レーザ波長が何らかの原因で振動することが知られているが、このような現象が生じたとしても、四分の一波長板である位相差板がどの波長の光に対しても四分の一波長板として機能していれば問題が生じない。理想的にはその位相差RはR=λ/4(nm)であればよいが、これは波長が大きくなると位相差が大きくなるような位相差板が必要であるということを示している。具体的な使用にあたっては、上記式(1)を満足する位相差板が必要である。上記式(1)で|R(550)|、|R(650)|はそれぞれ測定波長550nm,650nmで測定した際の位相差値(nm)の絶対値である。両測定波長で測定した位相差値は同符号であることが必要である。
【0017】
四分の一波長板は材料によってその位相差波長分散が決定されるが、無機材料でも同様の場合があるが、特に高分子材料を用いた場合には、従来の位相差板は入射光の波長が短波長ほど位相差値が大きくなってしまうのが普通であり、半導体レーザ波長の変動により光が光検出器へ戻ってしまい、共振等が発生し信号ノイズが増大するという問題があった。
【0018】
複数の光源を使用する光ピックアップにおける位相差板の位相差波長分散特性としては、使用する光源の波長に対して長波長ほど位相差値の絶対値が大きくなることが好ましい。
【0019】
従来の水晶を用いた位相差板は、位相差値調整のために表面を削り膜厚を精密に制御する必要等がありコストの点で好ましくなく、本発明で用いられる高分子材料からなる配向フィルムからなる位相差板はこれらの必要がなく、簡便に例えば延伸法によって位相差を調整することが可能である。上記課題を解決するために位相差板として好適に用いられる種々の高分子材料を鋭意検討したところ、フルオレン骨格を有するポリカーボネート共重合体またはブレンド体において、特定の共重合組成、組成比のときにフィルム一枚でも測定波長が長いほど、位相差が大きくなる配向フィルムを得られ、これが位相差板として極めて有用であることを見出した。この位相差板を光ピックアップに用いたところ、半導体レーザへの戻り光が少なくなりノイズ低減に有効であることが分かった。
【0020】
また、従来の水晶等の無機化合物や高分子材料からなるものを一枚のみ使用した位相差板等では、入射角が大きく変わる、すなわち実際の例としては光が位相差板に垂直に入射しない場合には、位相差値が正面入射の場合と大きく異なり、これによって半導体レーザへの戻り光が発生し、ノイズ信号が発生することも知られている。しかし、この問題についても鋭意検討したところ、高分子材料の三次元屈折率を制御することによりこのような問題を回避することが可能であることを見出した。ここで高分子材料の三次元屈折率とは、nx,ny,nzで表され、それぞれの定義は、
nx:位相差フィルム面内における主延伸方向の屈折率
ny:位相差フィルム面内における主延伸方向に直交する方位の屈折率
nz:位相差フィルム表面の法線方向の屈折率
とする。ここで、主延伸方向とは一軸延伸の場合には延伸方向、二軸延伸の場合にはより配向度が上がるように延伸した方向を意味しており、化学構造的には高分子主鎖の配向方向を指す。nx>nzのときを光学異方性が正、nx<nzのときを光学異方性が負であるとここでは呼ぶ。この三次元屈折率は、位相差板に偏光を入射して得られる出射光の偏光状態を解析する手法である偏光解析法により測定されるが、本発明では位相差板の光学異方性を屈折率楕円体と見なして公知の屈折率楕円体の式により求める方法によりこの三次元屈折率を求めている。この三次元屈折率は使用する光源の波長依存性があるので、使用する光源波長で定義することが好ましい。この三次元屈折率を用いて光学異方性を表記する方法として下記式(6)
【0021】
【数4】
Nz=(nx−nz)/(nx−ny) (6)
があるが、これを用いて三次元屈折率を定義するならば、Nzが0.3〜1.5の範囲にあるとき、非常に位相差値の入射角依存性が小さくなり好ましい。より好ましくはNzが0.4から1.1であるが、特にNz=0.5のときは位相差値の入射角依存性が実質的に無くなり、どの角度から光が入っても同じ位相差値を与えるので特に好ましい。
【0022】
上記した信号ノイズが増大する機構について、図1に記した通常の偏光ビームスプリッタ(以下PBS)、位相差板(四分の一波長板)、半導体レーザ、光検出器を使用した光ピックアップの該略図を用いてこの現象を説明する。図1では光記録媒体と位相差板の間の集光レンズ等は省略してあるがもちろん用いてもよい。図1で半導体レーザから出射された光(光1)は直線偏光であり、PBSを通過した後、位相差板を通過する。位相差板を通過した光は円偏光(光2)になり、光記録媒体により反射され、そのときに円偏光の向きが逆になる(光3)が、これが再度位相差板を通過すると光1とは位相が180゜ずれた直線偏光(光4)となる。この直線偏光4はPBSで反射され、光検出器にのみ届き、半導体レーザに光は戻らない。上記説明は位相差板が入射光の波長λ(nm)に対して完全にλ/4(nm)の位相差を与えた場合であるが、例えば半導体レーザの波長が振動したとすると、従来の位相差板を使用していた場合は、光4が完全に直線偏光とならないので、半導体レーザへの戻り光が発生し、ノイズが発生する。また、例えば光記録媒体からの反射光が位相差板に斜めに入射した場合にも、従来の位相差板では、光に与える位相差が表面に対して垂直入射に比べて大きく異なるゆえ、光4が完全な直線偏光とならず、PBSからの半導体レーザへの戻り光が発生し、ノイズ発生要因となる。
【0023】
本発明における光ピックアップとしては光源が一波長だけである必要はなく、二波長以上の光源を有していてもよい。この場合、光源が2波長であったとしても位相差板は1枚でよい。従来の位相差板では光源の波長が異なると、位相差板の位相差波長分散ゆえに例えば、λ/4(nm)の位相差を異なる二波長の光に対して与えることは困難であったが、本発明に用いられる配向フィルムからなる位相差板は長波長ほど位相差値が大きくなるので、例えば二波長の光に対して同時にλ/4(nm)の位相差を与えることが可能である。具体的に説明すると、例えば図1で半導体レーザを二波長用いたとしても、位相差板としてこのような位相差板を用いれば、同じ光路をそれぞれの波長で使用することが可能であり、光ピックアップの小型軽量化に貢献することが可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明における位相差板として用いられる配向フィルムは、高分子材料からなり測定波長400〜800nmにおいて一枚で短波長ほど位相差が小さくなること、具体的には前記した上記式(1)を満足する。
【0025】
該配向フィルムは、位相差波長分散として、好ましくは下記式(10)
【0026】
【数5】
1.01<|R(650)/R(550)|<1.70 (10)
を満たす。これは光ピックアップに用いられる光源波長にもよるが、位相差板の位相差としては四分の一波長を光に対して与えるものであることが好ましいといった考え方による。かかる配向フィルムの特性をR(550),R(650)で規定したのは、このあたりの光源波長がよく用いられていること、また、さらに今後500nm以下の短波長対応の半導体レーザが一般用途に出回ることを考えている。
【0027】
また、配向フィルムの位相差としては光源波長の四分の一波長である事が好ましいが、ここでいう四分の一波長とは光学次数の異なるものでもよく一般的には、下記式(11)
【0028】
【数6】
R=nλ±λ/4(nm) (11)
(λ;光源の波長、n;整数)
で表される式を満たす位相差を有する位相差板であることが好ましい。要するに直線偏光を円偏光に、円偏光を直線偏光に変換できればよい。この光源波長は複数でもよく、複数の場合にはいずれの波長でも上記式(11)を満足することが好ましい。
【0029】
配向フィルムの位相差の精度としては上記式(11)の目標の位相差の±5%以内であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。これよりずれると光源側に光が戻ってノイズが発生する等の問題が発生する場合がある。
【0030】
図1に記したPBSの代わりに、偏光を有するホログラム等を用いて小型軽量化してもよい。
【0031】
二波長以上の光を使用する光ピックアップでは、用いるそれぞれの波長で四分の一波長の位相差を与えることが好ましい。
【0032】
前記配向フィルムを構成する高分子材料としては、ポリカーボネートが好適である。ポリカーボネートは材料として安価かつ成形性、耐久性に優れており、かつ光ピックアップ以外の光学部材として幅広く利用されており非常に信頼性が高い。特にフルオレン骨格を有するポリカーボネートであることが好ましい。
【0033】
フルオレン骨格を有するポリカーボネートとしては、例えば下記式(2)
【0034】
【化16】
【0035】
(上記式(2)において、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれ、Xは
【0036】
【化17】
【0037】
である。)で示される繰り返し単位を30〜80モル%と、下記式(3)
【0038】
【化18】
【0039】
(上記式(3)において、R9〜R16はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれ、Yは下記式群
【0040】
【化19】
【0041】
(ここでR17〜R19、R21およびR22はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基であり、R20、R23は炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基であり、また、Arは炭素数6〜10のアリール基である。)
で示される繰り返し単位が全体の70〜20モル%を占めるポリカーボネート共重合体またはブレンド体であることが好ましい。上記式(2)の含有率が30〜80モル%を外れた場合には、上記式(1)を満足しなくなる。
【0042】
さらに好ましくは、下記式(4)
【0043】
【化20】
【0044】
(上記式(4)において、R24およびR25はそれぞれ独立に水素原子およびメチル基から選ばれる少なくとも一種の基である。)
で示される繰り返し単位を35〜80モル%と、下記式(5)
【0045】
【化21】
【0046】
(上記式(5)においてR26およびR27はそれぞれ独立に水素原子およびメチル基から選ばれ、Zは下記式群
【0047】
【化22】
【0048】
から選ばれる。)
で示される繰り返し単位が全体の65〜20モル%を占めるポリカーボネート共重合体またはブレンド体からなる高分子配向フィルムである。ここでモル比は共重合、ブレンド体に関わらず、バルク全体で例えば核磁気共鳴(NMR)装置等で分析した際に得られる値であるとする。さらに、上記条件を満たせば、二成分以上であっても良く、またブレンド体とは、ホモ重合体とホモ重合体とのブレンド、共重合体と共重合体とのブレンド、共重合体とホモ重合体とのブレンド等であってもよい。
【0049】
さらに、下記式(7)、(8)で示される繰り返し単位からなる高分子において、下記式(8)の割合が50〜77モル%、下記式(7)の割合が50〜23モル%であるものが好ましい。
【0050】
【化23】
【0051】
【化24】
【0052】
本発明における配向フィルムの製造方法については特に限定はないが、位相差板材料であるポリカーボネートはジヒドロキシ化合物とホスゲンとの重縮合による方法、溶融重縮合法等が好適に用いられる。ブレンドの場合は、相溶ブレンドが好ましいが、完全に相溶しなくても成分間の屈折率を合わせれば成分間の光散乱を抑え、透明性を向上させることが可能である。
【0053】
本発明における配向フィルムは透明であることが好ましく、へーズ値は3%以下、全光線透過率は85%以上であることが好ましい。また、耐久性の観点からガラス転移点温度は120℃以上であることが好ましい。
【0054】
本発明における配向フィルムは、高分子材料を、公知の溶融押し出し法、溶液キャスト法等によりフィルム化し、ついでこれを通常の方法により延伸することによって製造することができる。フィルム化は膜厚むら、外観等の観点から溶液キャスト法がより好ましく用いられる。溶液キャスト法における溶剤としては、高分子材料として上記ポリカーボネートを用いた場合、メチレンクロライド、ジオキソラン等が好適である。
【0055】
また、延伸方法は公知の延伸方法を使用し得るが、好ましくは縦一軸延伸である。延伸性を向上させる目的で、公知の可塑剤であるジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル、トリブチルフォスフェート等のりん酸エステル、脂肪族二塩基エステル、グリセリン誘導体、グリコール誘導体等が用いられる。先述のフィルム製膜時に用いた有機溶剤をフィルム中に残留させ延伸しても良い。この有機溶剤の量としてはポリマー固形分対比1〜20wt%であることが好ましい。
【0056】
上記配向フィルムの位相差波長分散は、主に高分子材料により決定されるが、製膜、延伸プロセスによっても若干の制御は可能である。
【0057】
本発明における位相差板の膜厚としては1μmから400μmであることが好ましい。
【0058】
さらに、かかる位相差板中には、フェニルサリチル酸、2-ヒドロキシベンゾフェノン、トリフェニルフォスフェート等の紫外線吸収剤や酸化防止剤等を含んでいてもよい。
【0059】
前記したように信号ノイズ低減のためには、上記配向フィルムの三次元屈折率の指標であるNzが0.3〜1.5であること好ましいが、これを作る方法としては公知の延伸法が用いられる。
【0060】
このようにして得られた配向フィルムは、位相差板としてそのまま光ピックアップの中で用いても良いし、補強のためガラス板などに粘着剤等を介して貼り合せて用いてもよい。また、PBSや偏光ホログラムに貼り合せて用いてもよい。さらに配向フィルムの表面に反射防止膜やハードコート等をコーテイングして位相差板としてもよい。このように、配向フィルムの片面及び/または両面には他の膜や部材が積層されていてもよく、積層されて、配向フィルムの有する上記式(1)の特性が維持されていることが好ましい。
【0061】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(評価法)
本明細書中に記載の材料特性値等は以下の評価法によって得られたものである。
【0062】
(1)位相差値(R=Δn・d(nm))、Nzの測定
複屈折Δnと膜厚dの積である位相差R値及びNzは、分光エリプソメータ「M150」(日本分光(株)製)より測定した。R値は入射光線とフィルム表面が直交する状態で測定した。また、Nz値は入射光線とフィルム表面の角度を変えることにより、各角度での位相差値を測定し、公知の屈折率楕円体の式でカーブフィッチングすることにより三次元屈折率であるnx,ny,nzを求め、下記式(6)に代入することにより求めた。なお、その際、別のパラメータとして平均屈折率n=(nx+ny+nz)/3が必要になるが、これはアッベ屈折計(「アッベ屈折計2-T」、(株)アタゴ社製)により測定した。
【0063】
【数7】
Nz=(nx−nz)/(nx−ny) (6)
【0064】
(2)光ピックアップ評価系について
光ピックアップとしての評価は図2に示すような光学系概略図にて行った。ここでは実際の光記録媒体等の位相差の影響を排除して純粋に光ピックアップとしての特性を評価したいために、光記録媒体の代わりにアルミニウムをスパッタリング法を用いてポリカーボネート基板上に形成したものを用い、評価にあたっては、光は該膜面より入射した。また、光源としては本来半導体レーザを使うところではあるが、各波長での特性を評価したいため、分光器付きの光源を用いてレンズ及び偏光板を用いて平行光線化かつ直線偏光化した。この偏光板はほぼ偏光度が100%である。使用した波長は400、450、650、780nmであるがこれらは以下の実施例によって用いた波長は異なる。偏光ビームスプリッタとしては各波長でほぼ100%の偏光分離が可能となるようなものを用いた。位相差板入射角依存性については図2のように光源からの光線と位相差板が垂直になるときの角度θを0度として、0〜30度まで動かして、位相差板入射角度依存性を見た。光検出器としては光ダイオードを用いた。
【0065】
以下の、実施例、比較例においては、実施例1で650nmの光を用いた際の光検出器において検出された光の強度を100%としている。なお、実施例1では光源側にはほとんど光が戻っていないことは確認している。すなわち、本光学系においては光ダイオードで検出された光強度が高いほど光源側への戻り光が少ない状態になっている。表1でI(λ)は波長λ(nm)での光強度を示しており、I(650)(10),I(650)(30)は図2で位相差板をそれぞれ10度、30度傾けたときの波長650nmでの光強度を表す。また、Nz(λ)は波長λでのNzである。
【0066】
(3)高分子共重合比の測定
「JNM-alpha600」(日本電子社製)のプロトンNMRにより測定した。特にビスフェノールAとビスクレゾールフルオレンの共重合体の場合には、溶媒として重ベンゼンを用い、それぞれのメチル基のプロトン強度比から算出した。
また、以下の実施例、比較例で用いたポリカーボネートのモノマー構造を以下に記す。
【0067】
【化25】
【0068】
[実施例1]
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応槽に水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を仕込み、これに上記構造を有するモノマー[A]と[F]を表1のモル比で溶解させ、少量のハイドロサルファイトを加えた。次にこれに塩化メチレンを加え、20℃でホスゲンを約60分かけて吹き込んだ。さらに、p-tert-ブチルフェノールを加えて乳化させた後、トリエチルアミンを加えて30℃で約3時間攪拌して反応を終了させた。反応終了後有機相分取し、塩化メチレンを蒸発させてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。
【0069】
この共重合体をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度20重量%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製し、温度230℃で2倍で一軸延伸し位相差板を得た。
【0070】
表1に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正であることを確認した。
【0071】
図2の光ピックアップ光学系での測定において得られた光強度の測定結果も表1に記すが、波長が400,650nmいずれでも高い光強度が得られ、ほとんど光源側への戻り光が無く、本系によりこの二波長を光源に用いても一枚の位相差板で位相変化作用を果たしていることが確認できた。
【0072】
[実施例2]
表1記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度230℃2倍で一軸延伸し位相差板を得た。表1に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正であることを確認した。
【0073】
図2の光ピックアップ光学系での測定において得られた光強度の測定結果も表1に記すが、波長が400,650nmいずれでも高い光強度が得られ、ほとんど光源側への戻り光が無く、本系によりこの二波長を光源に用いても一枚の位相差板で位相変化作用を果たしていることが確認できた。
【0074】
[実施例3]
表1記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度230℃1.9倍で一軸延伸し位相差板を得た。表1に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正であることを確認した。
【0075】
図2の光ピックアップ光学系での測定において得られた光強度の測定結果も表1に記すが、波長が400,450nmいずれでも高い光強度が得られ、ほとんど光源側への戻り光が無く、本系により光源波長が50nm程度振動したとしてもほとんど光源側への戻り光が無い事が確認できた。
【0076】
[実施例4]
表1記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度240℃2倍で一軸延伸し位相差板を得た。表1に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正であることを確認した。
【0077】
図2の光ピックアップ光学系での測定において得られた光強度の測定結果も表1に記すが、波長が400,650nmいずれでも高い光強度が得られ、ほとんど光源側への戻り光が無く、本系によりこの二波長を光源に用いても一枚の位相差板で位相変化作用を果たしていることが確認できた。
【0078】
[実施例5]
表1記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度210℃、1.9倍で一軸延伸し位相差板を得た。表1に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正であることを確認した。
【0079】
図2の光ピックアップ光学系での測定において得られた光強度の測定結果も表1に記すが、波長が400,650nmいずれでも高い光強度が得られ、ほとんど光源側への戻り光が無く、本系によりこの二波長を光源に用いても一枚の位相差板で位相変化作用を果たしていることが確認できた。
【0080】
[実施例6]
表1記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度230℃2.2倍で一軸延伸し位相差板を得た。表1に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正であることを確認した。
【0081】
図2の光ピックアップ光学系での測定において得られた光強度の測定結果も表1に記すが、波長が400,650nmいずれでも高い光強度が得られ、ほとんど光源側への戻り光が無く、本系によりこの二波長を光源に用いても一枚の位相差板で位相変化作用を果たしていることが確認できた。
【0082】
[実施例7]
表1記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度230℃2.1倍で延伸し位相差板を得た。表1に光学特性測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正であることを確認した。
【0083】
図2の光ピックアップ光学系での測定において得られた光強度の測定結果も表1に記すが、波長が400,650nmいずれでも高い光強度が得られ、ほとんど光源側への戻り光が無く、本系によりこの二波長を光源に用いても一枚の位相差板で位相変化作用を果たしていることが確認できた。
【0084】
[実施例8]
表1記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度240℃2.4倍で延伸し位相差板を得た。表2に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正であることを確認した。
【0085】
図2の光ピックアップ光学系での測定において得られた光強度の測定結果も表1に記すが、波長が780,650nmいずれでも高い光強度が得られ、ほとんど光源側への戻り光が無く、本系によりこの二波長を光源に用いても一枚の位相差板で位相変化作用を果たしていることが確認できた。
【0086】
【表1】
【0087】
[比較例1]
表2記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネートホモ重合体を得た。得られたホモ重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度160℃1.1倍で延伸し位相差板を得た。表2に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対値で位相差が大きくなることを確認した。
【0088】
図2の光ピックアップ光学系での測定において得られた光強度の測定結果も表2に記すが、波長が650nmでは高い光強度が得られ、ほとんど光源側への戻り光が無いが、波長400nmでは0.4%しか光強度が得られずほとんどの光が光源側へ戻ってしまっている事が分かった。本系によりこの二波長を光源に用いた場合は、本位相差板では一枚で位相変化作用を果たせないことが分かった。
【0089】
[比較例2]
表2記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネートホモ重合体を得た。得られたホモ重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度170℃1.1倍で延伸し位相差板を得た。表2に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対値で位相差が大きくなることを確認した。
【0090】
図2の光ピックアップ光学系での測定において得られた光強度の測定結果も表2に記すが、波長が400nmでは高い光強度が得られ、ほとんど光源側への戻り光が無いが、波長650nmでは51.4%しか光強度が得られず多くの光が光源側へ戻ってしまっている事が分かった。本系によりこの二波長を光源に用いた場合は、本位相差板では一枚で位相変化作用を果たせないことが分かった。
【0091】
[比較例3]
表2記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度240℃1.9倍で延伸し位相差板を得た。表2に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対値で位相差が大きくなってしまい、本発明の光ピックアップ用位相差板としては不適当であることが分かった。
【0092】
[比較例4]
表2記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度240℃1.9倍で延伸し位相差板を得た。表2に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対値で位相差が大きくなってしまい、本発明の光ピックアップ用位相差板としては不適当であることが分かった。
【0093】
[比較例5]
表2記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度240℃1.9倍で延伸し位相差板を得た。表2に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対値で位相差が大きくなってしまい、本発明の光ピックアップ用位相差板としては不適当であることが分かった。
【0094】
[比較例6]
表2記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度240℃1.2倍で延伸し位相差板を得た。表2に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対値で位相差が大きくなってしまい、本発明の光ピックアップ用位相差板としては不適当であることが分かった。
【0095】
[比較例7]
表2記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度240℃2.2倍で延伸し位相差板を得た。表2に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対値で位相差が大きくなってしまい、本発明の光ピックアップ用位相差板としては不適当であることが分かった。
【0096】
[比較例8]
表2記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度240℃1.2倍で延伸し位相差板を得た。表2に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対値で位相差が大きくなってしまい、本発明の光ピックアップ用位相差板としては不適当であることが分かった。
【0097】
【表2】
【0098】
[比較例9]
表3記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度240℃1.8倍で延伸し位相差板を得た。表3に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対値で位相差が大きくなってしまい、本発明の光ピックアップ用位相差板としては不適当であることが分かった。
【0099】
[比較例10]
表3記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度240℃1.2倍で延伸し位相差板を得た。表3に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対値で位相差が大きくなってしまい、本発明の光ピックアップ用位相差板としては不適当であることが分かった。
【0100】
[比較例11]
表3記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度241℃2.0倍で延伸し位相差板を得た。表3に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対値で位相差が大きくなってしまい、本発明の光ピックアップ用位相差板としては不適当であることが分かった。
【0101】
[比較例12]
表3記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度241℃1.3倍で延伸し位相差板を得た。表3に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対値で位相差が大きくなってしまい、本発明の光ピックアップ用位相差板としては不適当であることが分かった。
【0102】
【表3】
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、高分子材料からなる配向フィルムを位相差波長分散を制御した位相差板として光ピックアップ装置に用いることにより、光源の波長変動、位相差値のずれ等が生じても光源への戻り光を抑制することが可能となり、信頼性の高い光ピックアップ装置を提供する事が、本発明によって可能となった。また、複数の光源を有する光ピックアップにおいても、上記配向フィルムの波長分散を制御した位相差板として用いれば位相差板が1枚で済む等の利点があり、軽量、小型の光ピックアップを提供できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ピックアップの該略図である。
【図2】 実施例、比較例における光ピックアップ評価系の該略図である。
【符号の説明】
1;光源より出射した直線偏光
2;位相差板を通過した円偏光
3;光デイスクより反射された円偏光
4;位相差板を通過した直線偏光
5;半導体レーザ(複数の場合または複数波長出射の場合あり)
6;光ダイオード(光検出器)
7;光デイスク
8;位相差板(波長板)
9;偏光ビームスプリッタ(または偏光異方性ホログラム)
11;光源より出射した直線偏光
12;位相差板を通過した円偏光
13;光デイスクより反射された円偏光
14;位相差板を通過した直線偏光
15;光源
16;光ダイオード(光検出器)
17;光デイスク(基板上にアルミニウム薄膜をつけたもの)
18;位相差板(波長板)
19;偏光ビームスプリッタ
20;偏光板
Claims (6)
- 高分子材料からなり、かつ1枚で下記式(1)を満足する配向フィルムであって、
該高分子材料が下記式(2)
で示される繰り返し単位が全体の70〜20モル%を占める、フルオレン骨格を有するポリカーボネート共重合体またはブレンド体からなる配向フィルムを、光ピックアップ装置の位相差板として用いた光ピックアップ装置。 - 配向フィルムは、三次元屈折率の指標であるNzが0.3〜1.5であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ピックアップ装置。
(ここで、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)であり、nx、ny、nzはそれぞれ次のとおりである。
nx:配向フィルム面内における主延伸方向の屈折率
ny:配向フィルム面内における主延伸方向に直交する方位の屈折率
nz:配向フィルム表面の法線方向の屈折率) - 二波長以上の光を使用する光ピックアップ装置であって、かつその光の位相変化作用は配向フィルム一枚からなる位相差板で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 位相差板が入射光に対して四分の一波長の位相差を与えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 下記式(2)
で示される繰り返し単位が全体の70〜20モル%を占める、フルオレン骨格を有するポリカーボネート共重合体またはブレンド体からなる、1枚で下記式(1)を満足する高分子材料の配向フィルムからなる光ピックアップ装置用位相差板。
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