JP3919454B2 - 反射鏡の固定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、衛星通信等に用いられる反射鏡を固定機構に固定するための反射鏡の固定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
望遠鏡等の高精度な反射鏡を構成要素として含む光学系においては、次のような工程を経てその組み立てがなされていた。その組み立て方法を示す模式図を図4に示す。まず、鏡体101と、その固定機構(図示せず。)とのインターフェースとなるパッド(インターフェースパッドに相当する)102を鏡体101の側面(鏡体側面)101bに接着して反射鏡を得る。その後、鏡面101aを研磨して要求精度を達成する。次に、鏡体101を固定機構に嵌合させるための突起部103aを有する支持金具103をパッド102の表面に重ね合わせるように配置し、パッド102に設けられたボルト穴121と支持金具103に設けられたボルト穴131にボルト104を通し、このボルト104によって支持金具103を反射鏡111に締め付け固定する。
【0003】
従来は上記のように、支持金具103は鏡面101aの研磨処理後、反射鏡111の固定機構とのインターフェースとなるパッド102にボルト104の締め込みによって固定していたが、ボルト104を締め込むことによって、鏡体101内部に応力が発生し、鏡体101の鏡面精度が支持金具103の取り付け前よりも劣化するという欠点があり、高精度な鏡面精度を要求される光学系を構築する上で大きな課題であった。
【0004】
また、鏡体101に対して、パッド102を接着固定し、さらにパッド102に対して支持金具103をボルト104で締め付け固定した状態で、鏡体101の鏡面研磨を行い、鏡面精度を達成するという方法をとった場合でも、鏡面研磨の際に生じる振動によりボルト104が緩み、鏡面研磨後に、再度、ボルト104を締め直さなくてはならず、その締め直しの際に鏡体101に応力が加わり、鏡面精度が劣化してしまうという問題があった。
【0005】
また、特許番号第2732649号公報には、反射鏡の取り付け構造として、反射鏡本体と反射鏡支持構造体との間の間隙部分に接着部材を充填し、接着固定させる技術が開示されている。この技術によれば、反射鏡本体と反射鏡支持構造体との両者に応力をかけることなく接着固定することができるために、相互の位置精度を容易に確保することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、鏡体の鏡面精度を劣化させることなく、鏡体側面に配設されたインターフェースパッドと、支持金具とを十分な強度を確保した上で固定する反射鏡の固定方法を得ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明による反射鏡の固定方法は、鏡体とこの鏡体の側面に配設されるインターフェースパッドからなる反射鏡を固定機構に固定する反射鏡の固定方法において、上記反射鏡と上記固定機構との間に介在させる支持金具を、上記インターフェースパッドに接着剤を用いて接着する第一の工程、上記鏡体の鏡面を研磨して要求精度を達成する第二の工程、上記インターフェースパッドと上記支持金具をボルトで締め付け固定する第三の工程、上記支持金具に設けられた突起部を上記固定機構に嵌合させて上記反射鏡を上記固定機構に固定する第四の工程を含むものである。
【0008】
また、この発明による反射鏡の固定方法は、上記のような構成において、鏡体とインターフェースパッドはそれぞれ別の部材によって構成され、上記鏡体の側面に上記インターフェースパッドを接着して反射鏡を得るものである。
【0009】
さらに、この発明による反射鏡の固定方法は、上記のような構成において、鏡体とインターフェースパッドは同一部材によって構成され、上記鏡体の側面に削り出しによって上記インターフェースパッドを形成して反射鏡を得るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1の反射鏡の固定方法を図1〜図2を用いて説明する。図1(a)は反射鏡を支持機構に固定した状態の反射鏡機構(反射鏡およびその固定機構)の全体図、図1(b)は反射鏡と固定機構との接続部の拡大図である。図2は反射鏡の固定方法を段階的に示す工程図である。
【0011】
図1において、符号1は円形の鏡面1aを持つ鏡体、1bは鏡体1の側面側を示す鏡体側面、2は鏡体側面1bに配設されたインターフェースパッドであり、鏡体1とインターフェースパッド2とによって反射鏡11が構成される。符号3は反射鏡11を固定するための支持金具であり、この支持金具3はインターフェースパッド2の表面に重なるように配置され、固定機構4に嵌合させるための突起部3aが設けられている。インターフェースパッド2と支持金具3はボルト6によって固定される。
【0012】
符号4は支持金具3の突起部3aと嵌合する固定機構であり、この固定機構4は、円形の鏡面1aを持つ鏡体1の側面に、例えば120°の間隔で合計3ヶ所に配置される。固定機構4はフレーム5に固定されている。固定機構4は図1(b)に示すように、固定機構下部4aと固定機構上部4bとによって構成され、両者に突起部3aを挟むように嵌合させ、固定機構下部4aと固定機構上部4をボルト7によって固定し、突起部3aが固定機構4から外れないよう固定されている。
【0013】
図1に示した構造の反射鏡およびその固定機構は、次のような工程によって組み立てが行われる。
まず、図2(a)に示すように、未研磨の状態若しくは目標とする鏡面精度を達成していない研磨前鏡面1aaを持つ鏡体1の側面(鏡体側面)1bにインターフェースパッド2を接着し、鏡体1とインターフェースパッド2とからなる反射鏡11を得る。次に、インターフェースパッド2の支持金具3と接する側の表面に接着剤を塗布し、接着剤塗布面8を形成する。接着剤としては例えばエポキシ系接着剤などを用いることができる。次に、支持金具3をインターフェースパッド2側に矢印方向に沿って移動させて接着剤塗布面8に接着させて固定する。
【0014】
上記の例では、接着剤塗布面8をインターフェースパッド2側に形成して支持金具3を接着させる場合を示したが、支持金具3側に接着剤を塗布しても良く、また両方の面に接着剤を塗布してから接着し、固定させるようにすることも可能であることは言うまでもない。
【0015】
なお、図2(a)において、符号21、31はインターフェースパッド2および支持金具3にそれぞれ設けられ、両者をボルトで締め付けて固定する際のボルト穴を示すものであり、ボルト穴21、31は、インターフェースパッド2と支持金具3とを重ね合わせた場合に互いに重なり合う位置に設けられ、インターフェースパッド2側に設けられたボルト穴21の内側にはネジが切られており、支持金具3側のボルト穴31はバカ穴となっている。
【0016】
次に、図2(b)に示すように、鏡体1の鏡面研磨を行って要求精度を達成した鏡面1aを得る。その後、ボルト穴31からボルト6を挿入し、インターフェースパッド2と支持金具3をボルト6によって締め付け固定することで、支持金具3を反射鏡11に最終的に固定する。
その後、支持金具3に設けられた突起部3aを固定機構4に嵌合させてボルト7によって締め付けて固定し、最終的にフレーム5に反射鏡11を固定した状態を得る。
【0017】
上記のような固定方法で反射鏡11を固定機構4に固定させた場合、インターフェースパッド2と支持金具3とを接着剤によって、両者に応力をかけることなく接着固定し、相互の位置精度を確保した状態で、鏡面1aの要求精度を達成する研磨を行う。接着剤でインターフェースパッド2と支持金具3を固定し、十分な強度を確保した上で、ボルト6による固定を行うため、その後のボルト6による締め付け固定の際に鏡体1の内部に応力が生じることがなく、支持金具3の固定による反射鏡鏡面精度劣化が起こらない。
さらに、支持金具3と反射鏡11を接着剤およびボルト6によって固定するため、支持金具3とインターフェースパッド2との間に十分なせん断強度および引張強度を確保することが可能である。
【0018】
実施の形態2.
先述の実施の形態1においては、反射鏡が鏡体にインターフェースパッドが接着固定されたユニットである場合について説明した。実施の形態1で示した反射鏡11は、図3(a)にその部分断面図を示すように、鏡面1aの高い鏡面精度が要求される場合はガラス製鏡体10aと金属製のインターフェースパッド2によって、別の材質からなる二つの部材を接着固定することで得ていた。
【0019】
この実施の形態2では、ガラス製鏡体10aを用いるほどの鏡面精度が要求されない場合の反射鏡について示す。この場合は、金属鏡が使われることがあり、図3(b)にその部分断面図を示すように、削り出しによって、金属製鏡体10bの鏡体側面1bにインターフェースパッド22を形成し、反射鏡11を得ることができる。
【0020】
金属製鏡体10bとインターフェースパッド22とが同一部材によって一続きに形成された反射鏡11の固定は次のような工程を経てなされる。
まず、インターフェースパッド22の表面、または支持金具の表面若しくはその両面に接着剤を塗布し、その接着剤によってインターフェースパッド22と支持金具とを接着固定する。その後、実施の形態1に示した場合と同様に金属製鏡体10bの鏡面1aの鏡面精度を達成するよう研磨を行う。次に、ボルトによって支持金具を反射鏡11に締め付け固定し、さらに支持金具の突起部を固定機構に嵌合させて固定することで、最終的にフレームに反射鏡11を固定する。
【0021】
このようなインターフェースパッド22を削り出しによって金属製鏡体10bと同一部材で一続きに形成した場合、鏡体とパッドをそれぞれ別の部材で形成して接着固定する場合と比較して、インターフェースパッド22の配置にズレが生じることがなく、また温度変化による膨張率も同じであるために取り扱いが容易となる。インターフェースパッド22と金属製鏡体10bとの間のせん断強度および引張強度が十分に確保できることについては言うまでもない。
なお、インターフェースパッド22を削り出しによって形成する段階において、あらかじめボルト穴21を設けるものとし、その内側にはネジを切っておくものとする。
【0022】
【発明の効果】
この発明によれば、あらかじめ反射鏡に支持金具を接着した状態で、鏡面研磨を行って要求精度を達成するため、反射鏡と支持金具との相互の位置精度を確保でき、接着剤で反射鏡側に支持金具を固定して、十分な強度を確保しているため、その後、支持金具を反射鏡とをボルトによって締め付け固定しても、反射鏡のボルト固定による反射鏡の鏡面精度劣化を抑制することができる。
さらに、この発明によれば、反射鏡と支持金具とをボルトによる固定だけでなく接着剤による接着によっても固定するために、反射鏡と支持金具との間に十分なせん断強度と、引張強度を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による反射鏡およびその固定機構を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による反射鏡の固定方法を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による反射鏡の固定方法を説明する反射鏡の断面図である。
【図4】 従来の技術による反射鏡の固定方法を示す図である。
【符号の説明】
1. 鏡体 1a. 鏡面 1aa. 研磨前鏡面 1b鏡体側面
2、22. インターフェースパッド 3. 支持金具 3a. 突起部
4. 固定機構 4a. 固定機構下部 4b. 固定機構上部 5. フレーム
6、7. ボルト 8. 接着剤塗布面 10a. ガラス製鏡体
10b. 金属製鏡体 11. 反射鏡 21、31. ボルト穴。
Claims (3)
- 鏡体とこの鏡体の側面に配設されるインターフェースパッドからなる反射鏡を固定機構に固定する反射鏡の固定方法において、上記反射鏡と上記固定機構との間に介在させる支持金具を、上記インターフェースパッドに接着剤を用いて接着する第一の工程、上記鏡体の鏡面を研磨して要求精度を達成する第二の工程、上記インターフェースパッドと上記支持金具をボルトで締め付け固定する第三の工程、上記支持金具に設けられた突起部を上記固定機構に嵌合させて上記反射鏡を上記固定機構に固定する第四の工程を含むことを特徴とする反射鏡の固定方法。
- 上記鏡体と上記インターフェースパッドはそれぞれ別の部材によって構成され、上記鏡体の側面に上記インターフェースパッドを接着して反射鏡を得ることを特徴とする請求項1記載の反射鏡の固定方法。
- 上記鏡体と上記インターフェースパッドは同一部材によって構成され、上記鏡体の側面に削り出しによって上記インターフェースパッドを形成して反射鏡を得ることを特徴とする請求項1記載の反射鏡の固定方法。
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