JP3919420B2 - はんだ付け方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を搭載したプリント配線板のような板状の被はんだ付けワークを溶融した鉛フリーはんだの噴流波に接触させることで、該被はんだ付けワークの被はんだ付け部のはんだ付けを行うはんだ付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃棄された電子機器に使用されているプリント配線板から、酸性雨等に促進されて鉛(Pb)が溶けだして地下水等を汚染し、その毒性が人体に影響を与えることが問題となっている。そのため、従来使用されていたSn−Pb(錫―鉛)系はんだに代わって鉛を使用しない鉛フリーはんだとその鉛フリーはんだを使用したはんだ付け技術の開発が進められている。
【0003】
鉛フリーはんだとして有力視されているはんだは、Sn−Ag−Cu(錫−銀−銅)系はんだやSn−Ag−Bi(錫−銀−ビスマス)系はんだ,Sn−Cu(錫−銅)系はんだである。しかし、これらのはんだはリフトオフ現象を生じてはんだ付け不良を生じやすい問題があるが、凝固偏析を防止するための急冷手段等を用いることにより改善できることが判っている。また、これらの鉛フリーはんだは融点(210℃〜220℃程度)が高く、従来のSn−Pb系はんだに比較してはんだ付け温度を250℃以上の高い温度ではんだ付けする必要がある。そのため、プリント配線板とそこに搭載されている電子部品に従来以上に熱ストレスを与えるという問題がある。この熱ストレスを軽減するため、これらの部品を冷却しながらはんだ付けを行う手段が用いられている。また、これらの鉛フリーはんだは−般的に高価である。
【0004】
他方で、鉛フリーはんだの一つであるSn―Zn系はんだは、融点(190℃〜200℃程度)が低く、リフトオフ現象を生じることもなく、はんだ付け強度が大きく、安価である等々の特徴を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの鉛フリーはんだは、−般的に粘りが強く、プリント配線板の被はんだ付け部から溶融はんだが離れる際の張力も数倍大きい。そのため、従来のSn―Pb系はんだと比較して隣り合う被はんだ付け部間にはんだブリッジを生じやすい問題がある。特にSn−Zn系はんだは粘りや張力が大きく、はんだブリッジが−層生じ易い。
【0006】
本発明は、n−Zn系はんだを使用してプリント配線板のフローはんだ付けを行う際に、間隔が2mm以下の隣接する被はんだ付け部でもはんだブリッジ現象を生じることのないはんだ付け方法を確立することによって、はんだ付け不良を発生することなく、かつ、そのはんだ付け部の信頼性が高いプリント配線板を安価に製造することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のはんだ付け方法は、Sn−Zn系はんだを使用してフローはんだ付けを行う際に、プリント配線板と溶融はんだの噴流波との接触態様を規定することによりはんだブリッジ現象の発生を防止したところに特徴がある。
【0008】
すなわち、本発明の第1の発明にかかるはんだ付け方法は、間隔が2mm以下の隣接する被はんだ付け部を有する板状の被はんだ付けワークを搬送しながら予備加熱工程で予備加熱を行った後にはんだ付け工程において前記被はんだ付け部に溶融したSn−Zn系はんだの噴流波を接触させることによりこの噴流波からのみ前記被はんだ付けワークの被はんだ付け部に前記Sn−Zn系はんだを供給してはんだ付けを行うはんだ付け方法であって、前記予備加熱工程と前記はんだ付け工程に不活性ガスを供給して前記予備加熱工程の酸素濃度を1000 ppm 以下の不活性ガス雰囲気に前記はんだ付け工程の酸素濃度を500 ppm 以下の不活性ガス雰囲気にしておいて前記板状の被はんだ付けワークを搬送仰角2゜〜15゜の範囲の角度で搬送しながら前記板状の被はんだ付けワークの搬送方向に対して逆方向に流動する最後の仕上げ用のSn−Zn系はんだの逆方向噴流波に接触させその後この逆方向噴流波から離脱させるはんだ付け方法である。
【0011】
Sn−Zn系はんだは一般的に粘りや張力が強くそのためはんだブリッジが生じ易いが、Sn−Zn系はんだで満足できる濡れ性を得るための条件とブリッジ現象を生じることのない条件とにより、Sn−Zn系はんだを噴流波に用いても、ブリッジ現象を生じることのないはんだ付け方法が得られた。
【0012】
また、本発明の第2の発明にかかるはんだ付け方法は、間隔が2mm以下の隣接する被はんだ付け部を有する板状の被はんだ付けワークを搬送しながら予備加熱工程で予備加熱を行った後にはんだ付け工程において前記被はんだ付け部に溶融したSn−Zn系はんだの噴流波を接触させることによりこの噴流波からのみ前記被はんだ付けワークの被はんだ付け部に前記Sn−Zn系はんだを供給してはんだ付けを行うはんだ付け方法であって、前記予備加熱工程と前記はんだ付け工程に不活性ガスを供給して前記予備加熱工程の酸素濃度を1000 ppm 以下の不活性ガス雰囲気に前記はんだ付け工程の酸素濃度を500 ppm 以下の不活性ガス雰囲気にしておいて前記板状の被はんだ付けワークを搬送仰角2°〜15°の範囲の角度で搬送しながら前記板状の被はんだ付けワークの搬送方向に対して逆方向に流動する最後の仕上げ用のSn−Zn系はんだの逆方向噴流波に接触させその後この逆方向噴流波から離脱させると共に前記板状の被はんだ付けワークに接触する逆方向噴流波の相対流速が18cm/sec以上の流速であるはんだ付け方法である。こうすることで、Sn−Zn系はんだを噴流波に用いてもより確実にはんだブリッジの発生を防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のはんだ付け方法は、次のような実施形態例において実施することができる。
(1)構成
図1は、本発明のはんだ付け装置の実施形態例を説明する縦断面図である。なお、N2 ガス供給系はシンボル図で示してある。また、図2は搬送コンベアの搬送仰角を可変し調節する機構を説明する図である。そして、図2には図1の抑止板19やその他、特に必要でないものは省略してある。
【0015】
すなわち、多数の電子部品(図示せず)を搭載したプリント配線板1を搬送する搬送コンベアは、仰角搬送(搬送仰角θ1 )の第1の搬送コンベア2と、俯角搬送(搬送俯角θ2 )の第2の搬送コンベア3とにより構成してあり、これらの搬送コンベア2,3を覆うようにトンネル状チャンバ4を設けてある。このトンネル状チャンバ4の縦断面は、同図にも示すように「へ」の字状に構成してあり、水平面から搬入口7の高さと搬出口8の高さが同じ高さになるように構成してある。このように、搬入口7の高さと搬出口8の高さが同じ高さになるように構成することにより、はんだ付け装置を他の装置と連繋してインラインで使用することが容易となる。
【0016】
また、第1,第2の搬送コンベア2,3で形成される「へ」の字状の頂部の第1の搬送コンベア2と第2の搬送コンベア3との移載部に設けた搬送コンベアの昇降装置9Aにより、搬送仰角θl および搬送俯角θ2 を併せて可変し調節できるように構成してある。なお、この技術の詳細は、特許第2965466号公報に説明されている。
【0017】
第1および第2の搬送コンベア2,3は、プリント配線板1の両側端部を保持する保持爪(図示せず)を備え、両側端部側に設けられ平行2条に構成されたコンベアフレームから成る。なお、幅の異なるプリント配線板1を保持できるように、通常は一方のコンベアフレームがプリント配線板1の幅方向に移動し調節できるように構成されている。図中の矢印Aはプリント配線板1の搬送方向を示している。
【0018】
また、第1の搬送コンベア2に沿ってトンネル状チャンバ4内に、プリント配線板1の予備加熱工程100を構成するプリヒータ10とはんだ付け工程200を構成するはんだ槽11とが配設してある。
【0019】
予備加熱工程100のプリヒータ10は、予めフラックスが塗布されたプリント配線板1の予備加熱を行い、フラックスの前置的活性化とプリント配線板1および搭載電子部品に与えるヒートショックを軽減するために設けられている。
【0020】
また、はんだ付け工程200のはんだ槽11には図示しないヒータにより加熱されて溶融状態になったSn―Zn系はんだ(Sn−9Znはんだ)12が収容してあり、この溶融はんだ12を第1のポンプ13により第1の吹き口体15に送出して第1の噴流波16を形成する。また、溶融はんだ12を第2のポンプ14により第2の吹き口体17に送出して第2の噴流波18を形成する。そして、これら噴流波16,18をプリント配線板1の下方側の面すなわち被はんだ付け部が存在する被はんだ付け面に接触させることにより該被はんだ付け部に溶融はんだ12を供給し、はんだ付けを行う。
【0021】
また、プリヒータ10は、トンネル状チャンバ4内に設けられている。しかし、はんだ槽11は、トンネル状チャンバ4に開口5を設けてこの開口5から第1の噴流波16と第2の噴流波18とをトンネル状チャンバ4内に位置するように構成してある。なお、トンネル状チャンバ4の封止を維持するため、トンネル状チャンバ4に設けた開口5にはスカート6を設け、このスカート6をはんだ槽11の溶融はんだ12中に浸漬して完全な封止を実現している。
【0022】
また、トンネル状チャンバ4内には、トンネルの長手方向すなわち第1,第2の搬送コンベア2,3の搬送方向Aに沿って、多数の板状部材すなわち抑止板19を設けてある。そしてこの抑止板19は、その板面が第1,第2の搬送コンベア2,3の搬送方向Aに対して直交するように設けてある。すなわち、この抑止板19によりトンネル状チャンバ4内にラビリンス流路を形成し、該トンネル状チャンバ4内に不要な雰囲気流動が生じないように構成してある。
【0023】
なお、この抑止板19は、トンネル状チャンバ4の上壁から第1,第2の搬送コンベア2,3に向けて下向きに設けられていると共に、トンネル状チャンバ4の下壁から第1,第2の搬送コンベア2,3に向けて上向きに設けられている。
【0024】
トンネル状チャンバ4内に不活性ガスであるN2 ガスを供給するノズル20は、搬送方向から見てはんだ槽11の後段側の抑止板19間に設けてあり、流量調節弁21および流量計22によって目的とするN2 ガス供給流量に調節できるように構成してある。N2 ガスは、ボンベやPSA方式のN2 ガス供給装置23から供給され、開閉弁24および不純物を除去するフィルタ25、目的とする供給圧力に調節する圧力制御弁26を介して前記流量調節弁21に供給される。圧力計27は圧力モニタ用である。
【0025】
2 ガス供給流量は、図示しない酸素濃度計によりトンネル状チャンバ4内の酸素濃度を測定し、例えば、プリント配線板1と溶融はんだ12の第1,第2の噴流波16,18とが接触する領域であるはんだ付け工程200の雰囲気をサンプリングして測定し、目的の酸素濃度になるように流量調節弁21を調節して設定する。
【0026】
さらに、必要があれば破線で示したように、予備加熱工程100のプリヒータ10近傍に同様にしてN2 ガス供給用のノズル20を設けるように構成し、該プリヒータ10近傍の雰囲気の酸素濃度を酸素濃度計で測定するように構成してもよい。
【0027】
ここで、図1の昇降装置9A,9Bについて図2を参照してその構成と動作を説明する。図2において、昇降装置9Aは搬送仰角θ1 と搬送俯角θ2 を同時に変えるものであり、昇降装置9Bはんだ槽11の昇降を行うものであるが、両者ともほぼ同様の構成である。28は筐体で、この内にトンネル状チャンバ4が設けられている。トンネル状チャンバ4はその長手方向の垂直面における形状が上述したように「へ」の字状に形成され、さらに「へ」の字状の頂部部分が分割されて搬送仰角θ1 の第1のチャンバ4Aと、搬送俯角θ2 の第2のチャンバ4Bとなり、両チャンバの間は、ゴム、合成樹脂または金属製のベローズ等の可撓性の部材29により気密に接続されている。
【0028】
第1の搬送コンベア2は搬送チェーンからなり、チェーン案内部30に支持されている。第2の搬送コンベア3はベルトコンベアからなり、ガイド板31に支持されている。32,33は支持軸で、トンネル状チャンバ4の第1のチャンバ4Aの後端と第2のチャンバ4Bの前端を回動自在に支持する。また、第1のチャンバ4Aの前端と第2のチャンバ4Bの後端は案内軸34,35によって回動自在に支持されたローラ36,37が昇降台38に当接することにより支持されている。昇降装置9Aはウォーム39,ウォームホイル40,このウォームホイル40に螺合されたねじ桿41とからなり、ウォーム39の回転によってウォームホイル40が回転するとねじ桿41が上下に動き昇降台38を上下動させ、搬送仰角θ1 と搬送俯角θ2 とを変更させる。昇降装置9Bも同様の構成であり、はんだ槽11を昇降させる。なお、図2中のS1 ,S2 は角度センサを示す。
(2)作動
被はんだ付け部のある下方側の面すなわち被はんだ付け面に予めフラックスを塗布したプリント配線板1を、図1に示すはんだ付け装置の搬入口7から搬入すると、第1の搬送コンベア2の保持爪に両側端部を保持されて、搬送仰角θ1 で矢印A方向に搬送される。
【0029】
そして、プリヒータ10により例えばその被はんだ付け部が約100℃程度に予備加熱され、続いて、プリント配線板1の下方側の面すなわち被はんだ付け面を、温度が例えば約240℃程度の第1の噴流波16および第2の噴流波18に接触させ、その被はんだ付け部に溶融はんだ12を供給してはんだ付けを行う。はんだ付けの仕上げを行う第2の噴流波18とプリント配線板1の接触は、該プリント配線板1をその搬送方向Aに対して逆方向に流れる噴流波、つまり逆方向噴流波に接触して行うように構成してある。これにより、隣り合う被はんだ付け部間に生じようとするはんだブリッジを逆方向噴流波によって阻止することができるようになり、粘りや張力の大きい鉛フリーはんだを使用してもはんだブリッジを生じなくなる。
【0030】
なお、プリント配線板1の搬送仰角θl を大きくしてプリント配線板1と第1,第2の噴流波16,18との接触角度を大きくすると、該プリント配線板1の被はんだ付け部から噴流波16,18が離脱する際に重力による張力が作用し、はんだブリッジを生じ難い。また、この噴流波16,18がプリント配線板1と接触する部分の流速は、従来よりも速い方がはんだブリッジを生じなくなる。
【0031】
このようにして、第2の噴流波18によってはんだブリッジの無い仕上げはんだ付けが行われたプリント配線板1は、その後、トンネル状チャンバ4の頂部で第2の搬送コンベア3に移載され、搬送俯角θ2 で搬送されて搬出口8から搬出され、はんだ付けが完了する。
【0032】
この一連のはんだ付けの工程は、低酸素濃度のN2 ガス雰囲気中で行われる。すなわち、N2 ガス供給用ノズル20から供給されるN2 ガスにより、トンネル状チャンバ4内が低酸素濃度のN2 ガス雰囲気になる。
【0033】
【実施例】
本発明者は、鉛フリーはんだを使用してプリント配線板1のはんだ付けを行う場合において、酸素濃度の低い不活性ガス雰囲気中では十分なはんだ濡れ性が得られることを見いだした。特に、Sn−Zn系はんだの場合においては、予備加熱工程における酸素濃度が1000ppm以下で、はんだ付け工程の酸素濃度が500ppm以下において満足できる濡れ性が得られることを見いだしている。また、噴流波16,18に接触させるプリント配線板1の搬送仰角θl を或る所定の値以上にすると、粘りが強い鉛フリーはんだ、特にはSn−Zn系はんだを使用してもブリッジ現象を生じないことを見いだした。さらに、接触する噴流波16,18の流速を或る値以上にするとよいことも見いだした。
【0034】
図3は、プリント配線板1の搬送方向Aと逆方向に流動する逆方向噴流波を形成する吹き口体とその噴流波の例を示す縦断面図である。また、図4は、プリント配線板1の搬送方向Aと同じ方向および逆方向に流動する噴流波を形成する吹き口体とその噴流波の例を示す縦断面図である。なお、図4においてプリント配線板1に接触している部分の噴流波18は、プリント配線板1の搬送方向Aに対して逆方向にのみ流動するように構成してある。これら図3および図4の噴流波は、いずれも図1の第2の噴流波18に使用するものであり仕上げ用の噴流波である。
【0035】
図3において、42は噴流槽、43は吹き口、44は導流体で、導流板44A〜44Cからなる。45a,45b,45cは溶融はんだの層流と定在波および噴流波であり、噴流槽42の吹き口43から噴出する溶融はんだ12の流れを導流板44Aで略水平方向へ案内してプリント配線板1の搬送方向Aと反対方向の矢印B方向に流れる噴流波45cを形成する。
【0036】
図4において、46は固定部材、47は回動可能部材、48は軸であり、以上で第2の吹き口体17が形成される。回動可能部材47を回動させることにより吹き口の大きさを変えることができる。
【0037】
また、図5は、図3に示す噴流波45cにプリント配線板1を接触させてはんだ付けを行った場合の、ブリッジ発生数と搬送仰角θl との関係をまとめた図であり、図6は、図4に示す噴流波18にプリント配線板1を接触させてはんだ付けを行った場合の、ブリッジ発生数と搬送仰角θl との関係をまとめた図である。なお、この試験に使用したプリント配線板1は、表面実装部品を搭載した被はんだ付けランド数790箇所の試験用プリント配線板であり、Sn−9Znはんだを使用した。
【0038】
図5および図6からも明らかなように、いずれの噴流波の場合においても搬送仰角θ1 が2°以上で満足できる結果が得られることが判る。これは、プリント配線板1と噴流波45c(18)とが離脱する点において、噴流波45cがプリント配線板1から余剰なはんだを引き落とす力が搬送仰角θl が大きくなる程大きくなるからである。しかし、逆に搬送仰角θl が20°以上では、この引き落とす力が大きく成りすぎて被はんだ付け部のはんだ量が少なく成りすぎる問題がある。すなわち、被はんだ付け部のはんだ量が少ないと、該部のはんだ付け強度が低下するからである。
【0039】
このように、粘りが強くブリッジを生じ易い鉛フリーはんだ特にはSn−Zn系はんだでは、プリント配線板1の搬送仰角θl の値がはんだ付け品質を大きく規定することがわかる。
【0040】
また、プリント配線板1から余剰なはんだを引き落とす力は、噴流波の流動速度(流速)に依っても影響を受ける。図7および図8は、例えばプリント配線板1の搬送仰角θl を5°に固定し、第2の吹き口体17に溶融はんだ12を供給する第2のポンプ14の回転速度を調節してその単位時間当たりの供給流量を可変し、プリント配線板1が接触する第2の噴流波18の相対流速(プリント配線板1の搬送速度VA とそれとは逆方向に流れる第2の噴流波18の流速との和)を可変した場合の結果をまとめた図である。なお、図7は、図3に示す噴流波の場合であり、図8は、図4に示す噴流波の場合であり、プリント配線板1の搬送速度VA =0.8m/minである。そして、これらの図7および図8から明らかなように、プリント配線板1に接触する噴流波の流速は18cm/sec以上とすることでブリッジ現象を解消できることがわかる。
【0041】
また、他の鉛フリーはんだはすなわちSn−3.5Ag−0.5Cuはんだを使用しても同様の結果が得られており、プリント配線板1の搬送仰角θl とこれに接触する噴流波の流速とは、鉛フリーはんだを使用してフローはんだ付けを行う場合の重要なパラメータとなっている。
【0042】
このように、従来使用されてきた噴流波の流速に比べて速い流速の噴流波を使用することにより、ブリッジ現象を解消できることがわかる。なお、図示はしないホローウェーブを使用すると流速の速い噴流波を形成できるが、はんだの酸化が多くなる短所がある。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明のはんだ付け方法によれば、特に粘りが一層大きいSn−Zn系はんだを使用して満足できる濡れ性を得つつはんだブリッジの無い品質の良いプリント配線板のフローはんだ付けを行うことができるようになる。
【0044】
しかも、従来のSn−Pbはんだと同様かそれ以下のはんだ温度ではんだ付けを行うことが可能であり、プリント配線板およびそこに搭載されている電子部品に対する熱ストレスを従来と同様の水準に維持することができる。また、被はんだ付け部にリフトオフ現象を生じることもない。
【0045】
従って、はんだ付け品質とその信頼性の高いプリント配線板を安価に製造することができようになり、生活の必須のインフラとなっている電子機器を、安価に入手ししかも安心して使用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のはんだ付け方法の実施形態例を説明するためのはんだ付け装置の縦断面図である。
【図2】図1のはんだ付け装置における仰角,俯角の調整方法を説明するための装置の縦断面図である。
【図3】本発明に用いるプリント配線板の搬送方向と逆方向に流動する逆方向噴流波を形成する吹き口体とその噴流波の例を示す縦断面図である。
【図4】本発明に用いるプリント配線板の搬送方向と同じ方向および逆方向に流動する噴流波を形成する吹き口体とその噴流波の例を示す縦断面図である。
【図5】図3により行ったはんだ付けにおけるブリッジ発生数と搬送仰角との関係をまとめた図である。
【図6】図4により行ったはんだ付けにおけるブリッジ発生数と搬送仰角との関係をまとめた図である。
【図7】図3により行ったはんだ付けにおける噴流波の相対流速とブリッジ発生数との関係をまとめた図である。
【図8】図4により行ったはんだ付けにおける噴流波の相対流速とブリッジ発生数との関係をまとめた図である。
【符号の説明】
1 被はんだ付けワーク(プリント配線板)
2 第1の搬送コンベア
3 第2の搬送コンベア
4 トンネル状チャンバ
4A 第1のチャンバ
4B 第2のチャンバ
5 開口
6 スカート
7 搬入口
8 搬出口
9A,9B 昇降装置
10 プリヒータ
11 はんだ槽
12 溶融はんだ
13 第1のポンプ
14 第2のポンプ
15 第1の吹き口体
16 第1の噴流波
17 第2の吹き口体
18 第2の噴流波
19 抑止板
20 ノズル(ガス供給口体)
21 流量調節弁
22 流量計
23 N2 ガス供給装置
24 開閉弁
25 フィルタ
26 圧力制御弁
27 圧力計
28 筐体
29 可撓性の部材
30 チェーン案内部
31 ガイド板
32 支持軸
34 案内軸
36 ローラ
38 昇降台
39 ウォーム
40 ウォームホイル
41 ねじ桿
42 噴流槽
43 吹き口
44 導流体
45a 層流
45b 定在波
45c 噴流波
46 固定部材
47 回動可能部材
48 軸
100 予備加熱工程
200 はんだ付け工程

Claims (2)

  1. 間隔が2mm以下の隣接する被はんだ付け部を有する板状の被はんだ付けワークを搬送しながら予備加熱工程で予備加熱を行った後にはんだ付け工程において前記被はんだ付け部溶融したSn−Zn系はんだの噴流波接触させることによりこの噴流波からのみ前記被はんだ付けワークの被はんだ付け部に前記Sn−Zn系はんだを供給してはんだ付けを行うはんだ付け方法であって、
    前記予備加熱工程と前記はんだ付け工程に不活性ガスを供給して前記予備加熱工程の酸素濃度を1000 ppm 以下の不活性ガス雰囲気に前記はんだ付け工程の酸素濃度を500 ppm 以下の不活性ガス雰囲気にしておいて前記板状の被はんだ付けワークを搬送仰角2°〜15°の範囲の角度で搬送しながら前記板状の被はんだ付けワークの搬送方向に対して逆方向に流動する最後の仕上げ用のSn−Zn系はんだの逆方向噴流波に接触させその後この逆方向噴流波から離脱させることを特徴とするはんだ付け方法。
  2. 間隔が2mm以下の隣接する被はんだ付け部を有する板状の被はんだ付けワークを搬送しながら予備加熱工程で予備加熱を行った後にはんだ付け工程において前記被はんだ付け部に溶融したSn−Zn系はんだの噴流波を接触させることによりこの噴流波からのみ前記被はんだ付けワークの被はんだ付け部に前記Sn−Zn系はんだを供給してはんだ付けを行うはんだ付け方法であって、
    前記予備加熱工程と前記はんだ付け工程に不活性ガスを供給して前記予備加熱工程の酸素濃度を1000 ppm 以下の不活性ガス雰囲気に前記はんだ付け工程の酸素濃度を500 ppm 以下の不活性ガス雰囲気にしておいて前記板状の被はんだ付けワークを搬送仰角2°〜15°の範囲の角度で搬送しながら前記板状の被はんだ付けワークの搬送方向に対して逆方向に流動する最後の仕上げ用のSn−Zn系はんだの逆方向噴流波に接触させその後この逆方向噴流波から離脱させると共に前記板状の被はんだ付けワークに接触する逆方向噴流波の相対流速が18cm/sec以上の流速であることを特徴とするはんだ付け方法。
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