JP3918943B2 - 高分子シリコーン化合物、レジスト材料及びパターン形成方法 - Google Patents
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Description
本発明は、半導体素子などの製造工程における微細加工に用いられるレジスト材料のベース樹脂として好適な高分子シリコーン化合物、及び遠紫外線、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)、電子線、X線などの高エネルギー線を露光光源として用いる際に好適なレジスト材料、並びにパターン形成方法に関するものである。
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、現在汎用技術として用いられている光露光では、光源の波長に由来する本質的な解像度の限界に近づきつつある。g線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光露光では、およそ0.5μmのパターンルールが限界とされており、これを用いて製作したLSIの集積度は、16MビットDRAM相当までとなる。しかし、LSIの試作はすでにこの段階まできており、更なる微細化技術の開発が急務となっている。
パターンの微細化を図る手段の一つとしては、レジストパターン形成の際に使用する露光光を短波長化する方法があり、256Mビット(加工寸法が0.25μm以下)DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)の量産プロセスには、露光光源としてi線(365nm)に代わって短波長のKrFエキシマレーザー(248nm)の利用が現在積極的に検討されている。しかし、更に微細な加工技術(加工寸法が0.2μm以下)を必要とする集積度1G以上のDRAMの製造には、より短波長の光源が必要とされ、特にArFエキシマレーザー(193nm)を用いたフォトグラフィーが最近検討されてきている。
ここで、ArFエキシマレーザーに代表される220nm以下の短波長光を用いたリソグラフィーの場合、微細パターンを形成するためにフォトレジストには従来の材料では満足できない新たな特性が要求される。そのため、イトー(Ito)らが、ポリヒドロキシスチレンの水酸基をtert−ブトキシカルボニルオキシ基(t−Boc基)で保護したPBOCSTという樹脂にオニウム塩の酸発生剤を加えた化学増幅ポジ型レジスト材料を提案して以来、種々の高感度で高解像度のレジスト材料が開発されている。しかし、これらのレジスト材料は、いずれも高感度で高解像度のものではあるが、微細な高アスペクト比のパターンを形成することは、これらから得られるパターンの機械的強度を鑑みると困難であった。
また、上記のようなポリヒドロキシスチレンをベース樹脂として使用し、遠紫外線、電子線及びX線に対して感度を有するレジスト材料は、従来より数多く提案されている。しかし、段差基板上に高アスペクト比のパターンを形成するには、2層レジスト法が優れているのに対し、上記レジスト材料はいずれも単層レジスト法によるものであり、未だ基板段差の問題、基板からの光反射の問題、高アスペクト比のパターン形成が困難な問題があり、実用に供することが難しいのが現状である。
一方、従来より、段差基板上に高アスペクト比のパターンを形成するには2層レジスト法が優れていることが知られており、更に、2層レジスト膜を一般的なアルカリ現像液で現像するためには、ヒドロキシ基やカルボキシル基等の親水基を有する高分子シリコーン化合物であることが必要ということが知られている。しかし、高分子シリコーン化合物に直接水酸基が結合したシラノールの場合、酸により架橋反応が生じるため、化学増幅ポジ型レジスト材料への適用は困難であった。
近年、これらの問題を解決するシリコーン系レジスト材料として、安定なアルカリ可溶性シリコーンポリマーであるポリヒドロキシベンジルシルセスキオキサンのフェノール性水酸基の一部をt−Boc基で保護したものをベース樹脂として使用し、これと酸発生剤とを組み合わせたシリコーン系化学増幅ポジ型レジスト材料が提案されている(特許文献1:特開平7−118651号公報、非特許文献1:SPIE vol.1952(1993)377等)。
しかしながら、これらのシリコーンレジスト材料に使用されるポリマーは芳香族環を有しており、220nm以下の波長については芳香族環による光吸収が極めて強く、このためこれら従来樹脂をそのまま220nm以下の短波長光を用いたフォトグラフィーには適用できない(即ち、レジストも表面で大部分の露光光が吸収され、露光が基板まで達しないため微細なレジストパターンを形成できない[非特許文献2:笹子ら、“ArFエキシマレーザーリソグラフィー(3)−レジスト評価−”、第35回応用物理学会関係連合講演会講演予稿集、1P−K4(1989)])。
シリコーン系レジスト材料のベース樹脂にフェニル基を有していないものの例として、特許文献2:特開平5−323611号公報のものが挙げられるが、このベースポリマーは、アルカリ現像を可能にするために必要なカルボキシル基、ヒドロキシ基などの親水基を全て保護しているので、露光部を現像液に溶解させるようにするためには多くの保護基を分解させなければならない。そのために、添加する酸発生剤の添加量が多くなったり、感度が悪くなったりする。更に加えて、多くの保護基を分解させたときに生じる膜厚の変化や膜内の応力あるいは気泡の発生を引き起こす可能性が高く、高感度、かつ微細な加工に適したレジスト材料を与えないものであった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高感度、高解像度を有し、特に高アスペクト比のパターンを形成するのに適した2層レジスト法の材料として好適に使用できるのみならず、耐熱性に優れたパターンを形成することができるレジスト材料のベースポリマーとして有用な新規高分子シリコーン化合物及び該化合物をベースポリマーとして含有するレジスト材料並びにパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する高分子シリコーン化合物又はこの高分子シリコーン化合物においてそのカルボキシル基又はカルボキシル基と水酸基の水素原子の一部又は全部が1種又は2種以上の酸不安定基により置換された(即ち、式(1)の高分子シリコーン化合物のカルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子が酸不安定基により0〜100モル%の割合で置換された)、重量平均分子量1,000〜50,000の芳香環を含まない高分子シリコーン化合物、これに酸発生剤を添加したポジ型レジスト材料、又は更に酸の作用によって架橋する化合物を添加したネガ型レジスト材料、特に酸発生剤に加え、溶解制御剤を配合したレジスト材料やこれらに塩基性化合物を更に配合してなるレジスト材料は、レジスト溶解コントラストを高め、特に露光後の溶解速度を増大させること、更に分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物を配合したレジスト材料がレジストのPED安定性を向上させ、窒化膜基板上でのエッジラフネスを改善させること、また、アセチレンアルコール誘導体を配合することにより、塗布性、保存安定性を向上させ、従って本発明に係るシリコーン系レジスト材料が、透明性が高く、高解像度、露光余裕度、プロセス適応性に優れ、実用性が高く、精密な微細加工に有利な超LSI用レジスト材料として非常に有効であることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は下記の高分子シリコーン化合物及びこれを配合したレジスト材料並びにパターン形成方法を提供する。
請求項1:
下記一般式(1)で示される繰り返し単位からなり、重量平均分子量が1,000〜50,000である高分子シリコーン化合物。
[式中、Zは2価〜6価の炭素数5〜12の非芳香族系の単環式もしくは多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基、Z’は2価〜6価の炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基又は炭素数3〜20の非芳香族系の単環式もしくは多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基であり、これらの基は、炭素−炭素結合間に窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が介在されていてもよく、炭素原子上の水素原子はハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基又はアセチル基で置換されていてもよく、炭素骨格中のメチレン基はカルボニル基に置換されていてもよい。
x、y、zは上記Z、Z’の価数に応じ、それぞれ1〜5の整数を示す。
R1は下記一般式(2a)又は(2b)で示される基、R2は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の非置換もしくは置換のアルキル基又はアルケニル基、又は炭素数5〜12の非芳香族系の1価の多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基を示す。
(式中、Rは水素原子、水酸基又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、R’は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示し、これらアルキル基、アルキレン基は炭素−炭素結合中に酸素原子が介在されていてもよく、また炭素結合水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい。更に、RとR’はそれぞれ互いに環を形成してもよく、環を形成する場合には、R、R’はそれぞれ炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)
式(1)において、p1、p2、p3、p4は、p1+p2+p3+p4=1で、p1、p2が正数、p3が0又は正数、p4が0であって、
0<p1/(p1+p2+p3)≦0.9
0<p2/(p1+p2+p3)≦0.8
0≦p3/(p1+p2+p3)≦0.7
を満足する数であるか、又は、p1、p4が正数、p3が0又は正数、p2が0であって、
0<p1/(p1+p3+p4)≦0.9
0≦p3/(p1+p3+p4)≦0.7
0<p4/(p1+p3+p4)≦0.9
を満足する数である。]
請求項2:
請求項1記載の一般式(1)で示される繰り返し単位からなる高分子シリコーン化合物のカルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部又は全部が1種又は2種以上の酸不安定基により置換されている重量平均分子量1,000〜50,000の高分子シリコーン化合物。
請求項3:
カルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により部分置換された上記一般式(1)で示される高分子シリコーン化合物の残りのカルボキシル基及び/又は水酸基の水素原子が、式(1)の高分子シリコーン化合物全体のカルボキシル基及び水酸基の水素原子の0モル%を超え50モル%以下の割合で下記一般式(3a)又は(3b)で示されるC−O−C基を有する基で置換されることにより分子内及び/又は分子間で架橋された請求項2記載の高分子シリコーン化合物。
(式中、R3、R4は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。又は、R3とR4とは環を形成してもよく、環を形成する場合にはR3、R4は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R5は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、dは0又は1〜10の整数である。Aは、c価の炭素数1〜50の脂肪族もしくは脂環式飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基又はヘテロ環基を示し、これらの基はヘテロ原子を介在していてもよく、またその炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、アシル基又はフッ素原子によって置換されていてもよい。Bは−CO−O−、−NHCO−O−又は−NHCONH−を示す。cは2〜8、c’は1〜7の整数である。)
請求項4:
一般式(3a)又は(3b)で示されるC−O−C基を有する架橋基が、下記一般式(3a’’’)又は(3b’’’)で示される請求項3記載の高分子シリコーン化合物。
(式中、R3、R4は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。又は、R3とR4とは環を形成してもよく、環を形成する場合にはR3、R4は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R5は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、dは0又は1〜5の整数である。A’は、c’’価の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、アルキルトリイル基、アルキルテトライル基又は炭素数6〜30のアリーレン基を示し、これらの基はヘテロ原子を介在していてもよく、またその炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、アシル基又はフッ素原子によって置換されていてもよい。Bは−CO−O−、−NHCO−O−又は−NHCONH−を示す。c’’は2〜4、c’’’は1〜3の整数である。)
請求項5:
酸不安定基が、下記一般式(4)で示される基、下記一般式(5)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基及び炭素数4〜20のオキソアルキル基より選ばれる1種又は2種以上の基である請求項2、3又は4記載の高分子シリコーン化合物。
(R6、R7は水素原子又は炭素数1〜18の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を示し、R8は炭素数1〜18のヘテロ原子を有してもよい1価の炭化水素基を示し、R6とR7、R6とR8又はR7とR8とは環を形成していてもよく、環を形成する場合、R6、R7、R8はそれぞれ炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R9は炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(4)で示される基を示す。aは0〜6の整数である。)
請求項6:
請求項1乃至5のいずれか1項記載の高分子シリコーン化合物を含有してなることを特徴とするレジスト材料。
請求項7:
(A)有機溶剤
(B)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する高分子シリコーン化合物又はこの高分子シリコーン化合物のカルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部又は全部が1種又は2種以上の酸不安定基により置換されている重量平均分子量1,000〜50,000の高分子シリコーン化合物、
[式中、Zは2価〜6価の炭素数5〜12の非芳香族系の単環式もしくは多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基、Z’は2価〜6価の炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基又は炭素数3〜20の非芳香族系の単環式もしくは多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基であり、これらの基は、炭素−炭素結合間に窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が介在されていてもよく、炭素原子上の水素原子はハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基又はアセチル基で置換されていてもよく、炭素骨格中のメチレン基はカルボニル基に置換されていてもよい。
x、y、zは上記Z、Z’の価数に応じ、それぞれ1〜5の整数を示す。
R1は下記一般式(2a)又は(2b)で示される基、R2は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の非置換もしくは置換のアルキル基又はアルケニル基、又は炭素数5〜12の非芳香族系の1価の多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基を示す。
(式中、Rは水素原子、水酸基又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、R’は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示し、これらアルキル基、アルキレン基は炭素−炭素結合中に酸素原子が介在されていてもよく、また炭素結合水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい。更に、RとR’はそれぞれ互いに環を形成してもよく、環を形成する場合には、R、R’はそれぞれ炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)
式(1)において、p1、p2、p3、p4は、p1+p2+p3+p4=1で、p1、p2が正数、p3が0又は正数、p4が0であって、
0<p1/(p1+p2+p3)≦0.9
0<p2/(p1+p2+p3)≦0.8
0≦p3/(p1+p2+p3)≦0.7
を満足する数であるか、又は、p1、p4が正数、p3が0又は正数、p2が0であって、
0<p1/(p1+p3+p4)≦0.9
0≦p3/(p1+p3+p4)≦0.7
0<p4/(p1+p3+p4)≦0.9
を満足する数である。
また、カルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により部分置換された上記一般式(1)で示される高分子シリコーン化合物の残りのカルボキシル基及び/又は水酸基の水素原子全体の0モル%を超え50モル%以下の割合で下記一般式(3a)又は(3b)で示されるC−O−C基を有する基で置換することにより分子内及び/又は分子間で架橋されていてもよい。
(式中、R3、R4は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。又は、R3とR4とは環を形成してもよく、環を形成する場合にはR3、R4は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R5は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、dは0又は1〜10の整数である。Aは、c価の炭素数1〜50の脂肪族もしくは脂環式飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基又はヘテロ環基を示し、これらの基はヘテロ原子を介在していてもよく、またその炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、アシル基又はフッ素原子によって置換されていてもよい。Bは−CO−O−、−NHCO−O−又は−NHCONH−を示す。cは2〜8、c’は1〜7の整数である。)]
(C)酸発生剤
を含有してなることを特徴とするレジスト材料。
請求項8:
酸不安定基が、下記一般式(4)で示される基、下記一般式(5)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基及び炭素数4〜20のオキソアルキル基より選ばれる1種又は2種以上の基である請求項7記載のレジスト材料。
(R6、R7は水素原子又は炭素数1〜18の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を示し、R8は炭素数1〜18のヘテロ原子を有してもよい1価の炭化水素基を示し、R6とR7、R6とR8又はR7とR8とは環を形成していてもよく、環を形成する場合、R6、R7、R8はそれぞれ炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R9は炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(4)で示される基を示す。aは0〜6の整数である。)
請求項9:
更に、(D)溶解制御剤を配合したことを特徴とする請求項7又は8記載のレジスト材料。
請求項10:
更に、(E)塩基性化合物を配合したことを特徴とする請求項7、8又は9記載のレジスト材料。
請求項11:
更に、(F):分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物を配合したことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項記載のレジスト材料。
請求項12:
更に、(G):アセチレンアルコール誘導体を配合したことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項記載のレジスト材料。
請求項13:
(A)有機溶剤
(B)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する高分子シリコーン化合物又はこの高分子シリコーン化合物のカルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により置換されている重量平均分子量1,000〜50,000の高分子シリコーン化合物、
[式中、Zは2価〜6価の炭素数5〜12の非芳香族系の単環式もしくは多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基、Z’は2価〜6価の炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基又は炭素数3〜20の非芳香族系の単環式もしくは多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基であり、これらの基は、炭素−炭素結合間に窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が介在されていてもよく、炭素原子上の水素原子はハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基又はアセチル基で置換されていてもよく、炭素骨格中のメチレン基はカルボニル基に置換されていてもよい。
x、y、zは上記Z、Z’の価数に応じ、それぞれ1〜5の整数を示す。
R1は下記一般式(2a)又は(2b)で示される基、R2は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の非置換もしくは置換のアルキル基又はアルケニル基、又は炭素数5〜12の非芳香族系の1価の多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基を示す。
(式中、Rは水素原子、水酸基又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、R’は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示し、これらアルキル基、アルキレン基は炭素−炭素結合中に酸素原子が介在されていてもよく、また炭素結合水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい。更に、RとR’はそれぞれ互いに環を形成してもよく、環を形成する場合には、R、R’はそれぞれ炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)
式(1)において、p1、p2、p3、p4は、p1+p2+p3+p4=1で、p1、p2が正数、p3が0又は正数、p4が0であって、
0<p1/(p1+p2+p3)≦0.9
0<p2/(p1+p2+p3)≦0.8
0≦p3/(p1+p2+p3)≦0.7
を満足する数であるか、又は、p1、p4が正数、p3が0又は正数、p2が0であって、
0<p1/(p1+p3+p4)≦0.9
0≦p3/(p1+p3+p4)≦0.7
0<p4/(p1+p3+p4)≦0.9
を満足する数である。
また、カルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により部分置換された上記一般式(1)で示される高分子シリコーン化合物の残りのカルボキシル基及び/又は水酸基の水素原子全体の0モル%を超え50モル%以下の割合で下記一般式(3a)又は(3b)で示されるC−O−C基を有する基で置換することにより分子内及び/又は分子間で架橋されていてもよい。
(式中、R3、R4は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。又は、R3とR4とは環を形成してもよく、環を形成する場合にはR3、R4は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R5は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、dは0又は1〜10の整数である。Aは、c価の炭素数1〜50の脂肪族もしくは脂環式飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基又はヘテロ環基を示し、これらの基はヘテロ原子を介在していてもよく、またその炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、アシル基又はフッ素原子によって置換されていてもよい。Bは−CO−O−、−NHCO−O−又は−NHCONH−を示す。cは2〜8、c’は1〜7の整数である。)]
(C)酸発生剤、
(H)酸の作用によって架橋する化合物
を含有してなることを特徴とするレジスト材料。
請求項14:
酸不安定基が、下記一般式(4)で示される基、下記一般式(5)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基及び炭素数4〜20のオキソアルキル基より選ばれる1種又は2種以上の基である請求項13記載のレジスト材料。
(R6、R7は水素原子又は炭素数1〜18の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を示し、R8は炭素数1〜18のヘテロ原子を有してもよい1価の炭化水素基を示し、R6とR7、R6とR8又はR7とR8とは環を形成していてもよく、環を形成する場合、R6、R7、R8はそれぞれ炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R9は炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(4)で示される基を示す。aは0〜6の整数である。)
請求項15:
(i)請求項6乃至14のいずれか1項記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、
(ii)次いで加熱処理後、フォトマスクを介して波長300nm以下の高エネルギー線もしくは電子線で露光する工程と、
(iii)必要に応じて加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程と
を含むことを特徴とするパターン形成方法。
請求項1:
下記一般式(1)で示される繰り返し単位からなり、重量平均分子量が1,000〜50,000である高分子シリコーン化合物。
x、y、zは上記Z、Z’の価数に応じ、それぞれ1〜5の整数を示す。
R1は下記一般式(2a)又は(2b)で示される基、R2は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の非置換もしくは置換のアルキル基又はアルケニル基、又は炭素数5〜12の非芳香族系の1価の多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基を示す。
式(1)において、p1、p2、p3、p4は、p1+p2+p3+p4=1で、p1、p2が正数、p3が0又は正数、p4が0であって、
0<p1/(p1+p2+p3)≦0.9
0<p2/(p1+p2+p3)≦0.8
0≦p3/(p1+p2+p3)≦0.7
を満足する数であるか、又は、p1、p4が正数、p3が0又は正数、p2が0であって、
0<p1/(p1+p3+p4)≦0.9
0≦p3/(p1+p3+p4)≦0.7
0<p4/(p1+p3+p4)≦0.9
を満足する数である。]
請求項2:
請求項1記載の一般式(1)で示される繰り返し単位からなる高分子シリコーン化合物のカルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部又は全部が1種又は2種以上の酸不安定基により置換されている重量平均分子量1,000〜50,000の高分子シリコーン化合物。
請求項3:
カルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により部分置換された上記一般式(1)で示される高分子シリコーン化合物の残りのカルボキシル基及び/又は水酸基の水素原子が、式(1)の高分子シリコーン化合物全体のカルボキシル基及び水酸基の水素原子の0モル%を超え50モル%以下の割合で下記一般式(3a)又は(3b)で示されるC−O−C基を有する基で置換されることにより分子内及び/又は分子間で架橋された請求項2記載の高分子シリコーン化合物。
請求項4:
一般式(3a)又は(3b)で示されるC−O−C基を有する架橋基が、下記一般式(3a’’’)又は(3b’’’)で示される請求項3記載の高分子シリコーン化合物。
請求項5:
酸不安定基が、下記一般式(4)で示される基、下記一般式(5)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基及び炭素数4〜20のオキソアルキル基より選ばれる1種又は2種以上の基である請求項2、3又は4記載の高分子シリコーン化合物。
請求項6:
請求項1乃至5のいずれか1項記載の高分子シリコーン化合物を含有してなることを特徴とするレジスト材料。
請求項7:
(A)有機溶剤
(B)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する高分子シリコーン化合物又はこの高分子シリコーン化合物のカルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部又は全部が1種又は2種以上の酸不安定基により置換されている重量平均分子量1,000〜50,000の高分子シリコーン化合物、
x、y、zは上記Z、Z’の価数に応じ、それぞれ1〜5の整数を示す。
R1は下記一般式(2a)又は(2b)で示される基、R2は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の非置換もしくは置換のアルキル基又はアルケニル基、又は炭素数5〜12の非芳香族系の1価の多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基を示す。
式(1)において、p1、p2、p3、p4は、p1+p2+p3+p4=1で、p1、p2が正数、p3が0又は正数、p4が0であって、
0<p1/(p1+p2+p3)≦0.9
0<p2/(p1+p2+p3)≦0.8
0≦p3/(p1+p2+p3)≦0.7
を満足する数であるか、又は、p1、p4が正数、p3が0又は正数、p2が0であって、
0<p1/(p1+p3+p4)≦0.9
0≦p3/(p1+p3+p4)≦0.7
0<p4/(p1+p3+p4)≦0.9
を満足する数である。
また、カルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により部分置換された上記一般式(1)で示される高分子シリコーン化合物の残りのカルボキシル基及び/又は水酸基の水素原子全体の0モル%を超え50モル%以下の割合で下記一般式(3a)又は(3b)で示されるC−O−C基を有する基で置換することにより分子内及び/又は分子間で架橋されていてもよい。
(C)酸発生剤
を含有してなることを特徴とするレジスト材料。
請求項8:
酸不安定基が、下記一般式(4)で示される基、下記一般式(5)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基及び炭素数4〜20のオキソアルキル基より選ばれる1種又は2種以上の基である請求項7記載のレジスト材料。
請求項9:
更に、(D)溶解制御剤を配合したことを特徴とする請求項7又は8記載のレジスト材料。
請求項10:
更に、(E)塩基性化合物を配合したことを特徴とする請求項7、8又は9記載のレジスト材料。
請求項11:
更に、(F):分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物を配合したことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項記載のレジスト材料。
請求項12:
更に、(G):アセチレンアルコール誘導体を配合したことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項記載のレジスト材料。
請求項13:
(A)有機溶剤
(B)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する高分子シリコーン化合物又はこの高分子シリコーン化合物のカルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により置換されている重量平均分子量1,000〜50,000の高分子シリコーン化合物、
x、y、zは上記Z、Z’の価数に応じ、それぞれ1〜5の整数を示す。
R1は下記一般式(2a)又は(2b)で示される基、R2は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の非置換もしくは置換のアルキル基又はアルケニル基、又は炭素数5〜12の非芳香族系の1価の多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基を示す。
式(1)において、p1、p2、p3、p4は、p1+p2+p3+p4=1で、p1、p2が正数、p3が0又は正数、p4が0であって、
0<p1/(p1+p2+p3)≦0.9
0<p2/(p1+p2+p3)≦0.8
0≦p3/(p1+p2+p3)≦0.7
を満足する数であるか、又は、p1、p4が正数、p3が0又は正数、p2が0であって、
0<p1/(p1+p3+p4)≦0.9
0≦p3/(p1+p3+p4)≦0.7
0<p4/(p1+p3+p4)≦0.9
を満足する数である。
また、カルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により部分置換された上記一般式(1)で示される高分子シリコーン化合物の残りのカルボキシル基及び/又は水酸基の水素原子全体の0モル%を超え50モル%以下の割合で下記一般式(3a)又は(3b)で示されるC−O−C基を有する基で置換することにより分子内及び/又は分子間で架橋されていてもよい。
(C)酸発生剤、
(H)酸の作用によって架橋する化合物
を含有してなることを特徴とするレジスト材料。
請求項14:
酸不安定基が、下記一般式(4)で示される基、下記一般式(5)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基及び炭素数4〜20のオキソアルキル基より選ばれる1種又は2種以上の基である請求項13記載のレジスト材料。
請求項15:
(i)請求項6乃至14のいずれか1項記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、
(ii)次いで加熱処理後、フォトマスクを介して波長300nm以下の高エネルギー線もしくは電子線で露光する工程と、
(iii)必要に応じて加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程と
を含むことを特徴とするパターン形成方法。
即ち、本発明者らは、特開平6−118651号公報にあるようなフェニル基を有した高分子シリコーン化合物以外で、遠紫外領域の光に対して高透過率を与え、かつアルカリ可溶性基の全てを酸不安定基で保護せず部分的に保護し、高解像度を与えるポリマーを鋭意検討、探索した。一方、フェニル基を有しない高分子シリコーン化合物としては、特開平5−323611号公報にあるような、エチルカルボキシル基を有した高分子シリコーン化合物が挙げられるが、この合成方法のように水素原子を有したポリシロキサンにメタクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させることは、専ら不飽和カルボン酸のα位に付加反応が生じ、例示されているような高分子シリコーン化合物は得難い。また、高分子化合物中へハイドロシリレーション反応を行うことは、定量的に難しく、高分子シリコーン化合物を安定に供給することは困難となり、更に、レジストの品質管理が難しくなる。
このような高分子化合物に対して、上述したような芳香族環を有しない高分子シリコーン化合物のカルボキシル基の一部に酸不安定基を導入させた高分子シリコーン化合物を用いたレジスト材料は、220nm以下の短波長光に対しても透明性が高く、これら露光光でパターン形成できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
また、カルボキシル基とアルケニルエーテル化合物及び/又はハロゲン化アルキルエーテル化合物の反応によって得られるC−O−C基を有する架橋基によって分子内及び/又は分子間で架橋させた高分子シリコーン化合物を用いたレジスト材料は、少量の架橋で溶解阻止性を発揮し、かつ架橋による分子量の増大によって耐熱性が向上する。しかも、露光前よりも露光後に架橋基の脱離が生じるので、ポリマーの分子量が小さくなることにより、レジスト膜の溶解コントラストを高めることが可能で、結果的に高感度及び高解像性を有する。また、表面難溶層や裾引き発現の問題も少ないことから、パターンの寸法制御、パターンの形状のコントロールを組成により任意に行うことが可能であり、プロセス適応性にも優れたレジスト材料となることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
本発明の高分子シリコーン化合物をベース樹脂としたレジスト材料は、高エネルギー線に感応し、感度、解像性に優れているため、電子線や遠紫外線による微細加工に有用である。特にArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザーの露光波長での吸収が小さいため、微細でしかも基板に対して垂直なパターンを容易に形成することができるという特徴を有する。また、酸素プラズマエッチング耐性に優れているため、下層レジスト膜の上に本発明のレジスト膜を塗布した2層レジストは、微細なパターンを高アスペクト比で形成し得るという特徴も有する。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の新規高分子シリコーン化合物は、下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有する高分子シリコーン化合物に必要により酸不安定基及び/又は架橋基を導入したものである。
ここで、Zは2価〜6価の炭素数5〜12の非芳香族系の単環式もしくは多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基であり、具体的に次の炭化水素基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。即ち、この炭化水素基として、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロヘプタンジイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘキサンペンタイル基、シクロヘキサンヘキサイル基、シクロオクタンジイル基、シクロノナンジイル基、シクロデカンジイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、ノルボルナンジイル基、イソボルナンジイル基、ノルボルナントリイル基、イソボルナントリイル基、アダマンタンジイル基、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンジイル基、アダマンタントリイル基、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカントリイル基、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンメチレンジイル基、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンメチレントリイル基、テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデカンジイル基、テトラシクロ[4,4,0,12,5,12,10]ドデカントリイル基等が挙げられる。
Z’は2価〜6価の炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基又は炭素数3〜20の非芳香族系の単環式もしくは多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基であり、これらの基は、炭素−炭素結合間に窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が介在されていてもよく、炭素原子上の水素原子はハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基又はアセチル基で置換されていてもよく、炭素骨格中のメチレン基はカルボニル基に置換されていてもよい。
ここで、2価〜6価の炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基としては、アルキル基又はアルケニル基より、上記価数Mに応じ、その価数Mより1を減じた数(M−1の数)だけ炭素原子結合水素原子が脱離した基を挙げることができ、例えば2価の場合、アルキレン基、アルケニレン基を挙げることができる。但し、炭素数1の炭化水素基の場合、最大価数は4であり、炭素数2の不飽和炭化水素基の場合も最大価数は4である。
また、炭素−炭素結合間に窒素原子が介在する場合、−C−NH−C−として介在することができ、酸素原子、硫黄原子の場合はそれぞれ−C−O−C−、−C−S−C−として介在する。
更に、炭素原子上の水素原子と置換されるハロゲン原子としては、F、Cl、Br等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、tert−ブチルオキシ等の炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。炭素骨格中のメチレン基がカルボニル基に置換されるとは、例えば、
−CH2−CH2−CH2−
が
−CH2−C(=O)−CH2−
となることをいう。
−CH2−CH2−CH2−
が
−CH2−C(=O)−CH2−
となることをいう。
具体的には、Z’として、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、ヘプタンジイル基、オクタンジイル基、ノナンジイル基、デカンジイル基、イソプロパンジイル基、イソブタンジイル基、sec−ブタンジイル基、tert−ブタントリイル基、イソペンタンジイル基、ネオペンタントリイル基、ビニル基、アリル基、プロペンジイル基、ブテンジイル基、ヘキセンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロペンテンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロヘキセンジイル基、シクロヘプタンジイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘキサンペンタイル基、シクロヘキサンヘキサイル基、シクロオクタンジイル基、シクロノナンジイル基、シクロデカンジイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロペンタンメチレンジイル基、シクロヘキサンメチレンジイル基、シクロヘキサン−4,4−ジメチレントリイル基、ノルボルナンジイル基、イソボルナンジイル基、ノルボルナントリイル基、イソボルナントリイル基、ノルボルナン−5,5−ジメチレントリイル基、アダマンタンジイル基、アダマンタンメチレンジイル基、アダマンタントリイル基、アダマンタンメチレントリイル基、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンジイル基、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカントリイル基、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンメチレンジイル基、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンメチレントリイル基、テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデカンジイル基、テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデカントリイル基等が挙げられる。
x、y、zは上記Z、Z’の価数に応じ、それぞれ1〜5の整数を示すが、好ましくはそれぞれ1〜3、更に好ましくは1又は2である。
R1は下記一般式(2a)又は(2b)で示される基である。
上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ミリスチル基等が挙げられ、上記アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基等が挙げられる。
上記式(2a)、(2b)の基として具体的には下記の基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、上記式(1)において、R2は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の非置換もしくは置換のアルキル基又はアルケニル基、又は炭素数5〜12の非芳香族系の1価の多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基を示す。
ここで、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の非置換アルキル基又はアルケニル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等を例示できる。置換アルキル基又はアルケニル基としては、これら非置換のアルキル基又はアルケニル基の水素原子の一部又は全部が例えばシアノ基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルコキシ基等で置換されたものを挙げることができる。同様に炭素数5〜12の非芳香族系の1価の多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基、シクロヘプテニル基、シクロオクチル基、シクロノナニル基、シクロデカニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、イソボルナニル基、アダマンチル基、アダマンチルメチレン基、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカニル基、トリシクロ[5,2,1,02,6]デケニル基、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンメチレン基、テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデカニル基、テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデケニル基等が挙げられる。
上記式(1)おいて、p1は正数、p2、p3、p4はそれぞれ0又は正数であり、p1+p2+p3+p4=1を満足する数である。即ちp1、p2、p3、p4は、本発明の化合物のp1の繰り返し単位、p2の繰り返し単位、p3の繰り返し単位、p4の繰り返し単位の比率を示すものであるが、0≦p3/(p1+p2+p3+p4)≦0.7、好ましくは0≦p3/(p1+p2+p3+p4)≦0.6、より好ましくは0≦p3/(p1+p2+p3+p4)≦0.5であり、0.7を超えるとアルカリ不溶性となるので、レジスト用のベースポリマーとしては不適当である。一方、p3/(p1+p2+p3+p4)が低すぎると耐熱性が低下する場合がある。
また、0<p1/(p1+p2+p3+p4)≦0.9、好ましくは0.1≦p1/(p1+p2+p3+p4)≦0.85、より好ましくは0.2≦p1/(p1+p2+p3+p4)≦0.8、0≦p2/(p1+p2+p3+p4)≦0.8、好ましくは0≦p2/(p1+p2+p3+p4)≦0.6、より好ましくは0≦p2/(p1+p2+p3+p4)≦0.5、0≦p4/(p1+p2+p3+p4)≦0.9、好ましくは0<p4/(p1+p2+p3+p4)≦0.9、より好ましくは0.1≦p4/(p1+p2+p3+p4)≦0.85、更に好ましくは0.2≦p4/(p1+p2+p3+p4)≦0.8である。なお、p1が0になると、アルカリ溶解速度のコントラストが小さくなり、解像度が悪くなる。一方、0.9を超えるとアルカリに対して溶解性がなくなったり、アルカリ現像の際に膜厚変化や膜内応力又は気泡の発生を引き起こしたり、親水基が少なくなるために基板との密着性が劣る場合がある。
この場合、本発明においては、式(1)において、p1、p2、p3、p4は、p1+p2+p3+p4=1で、p1、p2が正数、p3が0又は正数、p4が0であって、
0<p1/(p1+p2+p3)≦0.9
0<p2/(p1+p2+p3)≦0.8
0≦p3/(p1+p2+p3)≦0.7
を満足する数であるか、又は、p1、p4が正数、p3が0又は正数、p2が0であって、
0<p1/(p1+p3+p4)≦0.9
0≦p3/(p1+p3+p4)≦0.7
0<p4/(p1+p3+p4)≦0.9
を満足する数であるとすることができる。
この場合、本発明においては、式(1)において、p1、p2、p3、p4は、p1+p2+p3+p4=1で、p1、p2が正数、p3が0又は正数、p4が0であって、
0<p1/(p1+p2+p3)≦0.9
0<p2/(p1+p2+p3)≦0.8
0≦p3/(p1+p2+p3)≦0.7
を満足する数であるか、又は、p1、p4が正数、p3が0又は正数、p2が0であって、
0<p1/(p1+p3+p4)≦0.9
0≦p3/(p1+p3+p4)≦0.7
0<p4/(p1+p3+p4)≦0.9
を満足する数であるとすることができる。
本発明の高分子シリコーン化合物は、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する高分子シリコーン化合物又はこの高分子シリコーン化合物のカルボキシル基又はカルボキシル基と水酸基の水素原子の一部又は全部が1種又は2種以上の酸不安定基及び/又は架橋基により置換されている重量平均分子量1,000〜50,000のものである。即ち、式(1)の高分子シリコーン化合物のカルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の0〜100モル%が1種又は2種以上の酸不安定基により置換されているものである。
この場合、酸不安定基としては、種々選定されるが、特に下記一般式(4)で示される基、下記一般式(5)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基及び炭素数4〜20のオキソアルキル基より選ばれる1種又は2種以上の基であることが好ましい。
式中、R6、R7は水素原子又は炭素数1〜18、好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜5の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、R8は炭素数1〜18、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8の酸素原子等のヘテロ原子を有していてもよい1価の炭化水素基を示し、R6とR7、R6とR8、R7とR8とは環を形成してもよく、環を形成する場合にはR6、R7、R8はそれぞれ炭素数1〜18、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R9は炭素数4〜20、好ましくは4〜15、更に好ましくは4〜10の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20、好ましくは4〜15、更に好ましくは4〜10のオキソアルキル基又は上記一般式(4)で示される基を示す。また、aは0〜6の整数である。
R6、R7の炭素数1〜18の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、Rで説明したものと同様の基が挙げられる。
R8としては、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−エチルフェニル基、p−メトキシフェニル基等のアルコキシ置換フェニル基等の非置換又は置換アリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等や、これらの基に酸素原子を有する、或いは炭素原子に結合する水素原子が水酸基に置換されたり、2個の水素原子が酸素原子で置換されてカルボニル基を形成する下記式で示されるようなアルキル基等の基を挙げることができる。
また、R9の炭素数4〜20の三級アルキル基としては、tert−ブチル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−(2−メチル)アダマンチル基、tert−アミル基等を挙げることができる。
各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチル基等が挙げられ、炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、3−オキソシクロヘキシル基、下記式で示される基等が挙げられる。
上記式(4)で示される酸不安定基として、具体的には、例えば1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−イソプロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−sec−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−tert−アミロキシエチル基、1−エトキシ−n−プロピル基、1−シクロヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−メチル−エチル基、1−エトキシ−1−メチル−エチル基等の直鎖状もしくは分岐状アセタール基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等の環状アセタール基等が挙げられ、好ましくはエトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシプロピル基が挙げられる。一方、上記式(5)の酸不安定基として、例えばtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
上記酸不安定基の導入率は、上記式(1)の高分子シリコーン化合物をポジ型レジスト材料のベース樹脂として用いる場合、カルボキシル基の水素原子全体の0モル%を超え、100モル%以下、より好ましくは20〜98モル%、更に好ましくは30〜95モル%であることがよく、また水酸基の水素原子全体の0〜100モル%、より好ましくは0〜80モル%、更に好ましくは0〜60モル%であることがよい。カルボキシル基の水素原子が酸不安定基で置換されていない(カルボキシル基の水素原子に対する酸不安定基の導入率が0モル%)と、アルカリ溶解速度のコントラストが小さくなり、解像度が悪くなる。
一方、上記式(1)の高分子シリコーン化合物をネガ型レジスト材料のベース樹脂として用いる場合の酸不安定基の導入率は、カルボキシル基の水素原子全体の0〜90モル%、より好ましくは0〜80モル%、更に好ましくは0〜70モル%であることがよい。また、水酸基の水素原子全体の0〜70モル%、より好ましくは0〜60モル%、更に好ましくは0〜50モル%であることがよい。
また、本発明の高分子シリコーン化合物は、カルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部又は全部が1種又は2種以上の酸不安定基により0モル%から100モル%の割合で置換された上記一般式(1)で示される高分子シリコーン化合物の残りのカルボキシル基及び/又は水酸基の水素原子が、カルボキシル基及び水酸基の水素原子全体の0モル%を超え50モル%以下、より好ましくは0.2〜40モル%、更に好ましくは0.25〜30モル%の割合で下記一般式(3a)又は(3b)で示されるC−O−C基を有する基で置換されることにより分子内及び/又は分子間で架橋されていてもよい。
ここで、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては上述したものと同様のものを例示することができる。R5の炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、シクロへキシレン基、シクロペンチレン基等を例示することができる。なお、Aの具体例は後述する。この架橋基(3a)、(3b)は、後述するアルケニルエーテル化合物、ハロゲン化アルキルエーテル化合物に由来する。
架橋基は、上記式(3a)、(3b)のc’の値から明らかなように、2価に限られず、3価〜8価の基でもよい。例えば、2価の架橋基としては、下記式(3a’)、(3b’)、3価の架橋基としては、下記式(3a’’)、(3b’’)で示されるものが挙げられる。
本発明の高分子シリコーン化合物としては、下記一般式(1a)で示される繰り返し単位を有するものが好ましい。
式中、R0は上述した酸不安定基を示す。p11+p12=p1で、p11≧0、p12>0であり、好ましくは0<p12/p1≦1、より好ましくは0.2≦p12/p1≦0.98、更に好ましくは0.3≦p12/p1≦0.95である。また、p41+p42=p4で、p41>0、p42≧0である。この場合、0<(p12+p42)/(p1+p4)≦1であることが好ましく、より好ましくは0.05≦(p12+p42)/(p1+p4)≦0.9、更に好ましくは0.1≦(p12+p42)/(p1+p4)≦0.8である。なお、Z、Z’、x、y、z、R1、R2、p1、p2、p3、p4は上記の通りである。
また、本発明のC−O−C基を有する架橋基を有する高分子シリコーン化合物の例としては、下記式(1b)〜(1e)で示されるものを挙げることができる。なお、下記の例は、x、y、zがそれぞれ1であるものの例であり、また式(1b)、(1d)の化合物は分子間結合、式(1c)、(1e)は分子内結合をしている状態を示すが、本発明は下記の例に制限されものではない。
上記式において、QはC−O−C基を有する架橋基、典型的には上記式(3a)又は(3b)で示される架橋基、特に式(3a’)、(3b’)や(3a’’)、(3b’’)、好ましくは(3a’’’)、(3b’’’)で示される架橋基である。この場合、架橋基が3価以上の場合、上記式において、下記の単位の3個以上にQが結合したものとなる。
また、上記式(1b)〜(1e)において、p111+p112=p11、p411+p412=p41であり、0≦p112/p1≦0.5、0≦p412/p4≦0.5、0≦(p112+p412)/(p1+p4)≦0.5であることが好ましく、より好ましくは0.002≦p112/p1≦0.5、0≦p412/p4≦0.4、0.001≦(p112+p412)/(p1+p4)≦0.45であり、更に好ましくは0.0025≦p112/p1≦0.4、0≦p412/p4≦0.3、0.001≦(p112+p412)/(p1+p4)≦0.4である。また、(p12+p112+p42+p412)/(p1+p4)は0を超え1以下、より好ましくは0.05〜0.9、更に好ましくは0.1〜0.8である。
なお、C−O−C基を有する架橋基の割合が0モル%となると、アルカリ溶解速度のコントラストが小さくなり、架橋基の長所を引き出すことができなくなり、解像度が悪くなる場合があり、一方、多すぎると架橋しすぎてゲル化し、アルカリに対して溶解性がなくなったり、アルカリ現像の際に膜厚変化や膜内応力又は気泡の発生を引き起こしたり、親水基が少なくなるために基板との密着性に劣る場合がある。
また、酸不安定基の割合が0モル%になるとアルカリ溶解速度のコントラストが小さくなり、解像度が悪くなる。一方、多すぎるとアルカリに対する溶解性がなくなったり、アルカリ現像の際に現像液との親和性が低くなり、解像性が劣る場合がある。
この場合、C−O−C基を有する架橋基及び酸不安定基はその値を上記範囲内で適宜選定することによりパターンの寸法制御、パターンの形状コントロールを任意に行うことができる。本発明の高分子シリコーン化合物において、C−O−C基を有する架橋基及び酸不安定基の含有量は、レジスト膜の溶解速度のコントラストに影響し、パターン寸法制御、パターン形状等のレジスト材料の特性にかかわるものである。
ここで、上記高分子シリコーン化合物は分子内に2種以上の酸不安定基を持つものでもよく、異なる酸不安定基を持つ2種以上のポリマー同士をブレンドしてもよい。
この場合、上述した式(1a)〜(1e)において、下記の酸不安定基を有する単位(u−1)、(u−2)としては、特に下記の基(u−1’)、(u−2’)であることが好ましい。
上記式中、p121+p122=p12であり、p121/p12は0〜1であり、より好ましくは0.05〜1、更に好ましくは0.1〜1である。また、p421+p422=p42であり、p421/p42は0〜1であり、より好ましくは0.05〜1、更に好ましくは0.1〜1であるが、(p121+p421)/(p12+p42)は0〜1であり、より好ましくは0.05〜1、更に好ましくは0.1〜1である。
本発明の高分子シリコーン化合物は、重量平均分子量が1,000〜50,000、好ましくは1,500〜30,000である。重量平均分子量が1,000に満たないとレジスト材料が耐熱性に劣るものとなり、50,000を超えるとレジスト材料をスピンコートするとき均一に塗布することができなくなる。
次に、本発明の高分子シリコーン化合物の製造方法について説明すると、この高分子シリコーン化合物はカルボン酸アルキルエステル基が結合した2価〜6価の炭素数5〜12の非芳香族系の単環式もしくは多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基を有するトリクロロシラン化合物及びアルキルカルボニルオキシ基が結合した2価〜6価の炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基、又は炭素数3〜20の非芳香族系の単環式もしくは多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基を有するトリクロロシラン化合物、更に必要に応じて直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を有するトリクロロシラン化合物を加水分解し、加水分解縮合物を更に熱縮合した後、アルキルエステル基及びアルキルカルボニルオキシ基を一般的な方法によって加水分解(KOH、NaOH等)して下記式(1’)の高分子シリコーン化合物を得ることができる。なお、保存安定性を考慮して主鎖末端のシラノール基を保護するためにトリメチルシリル化することが好ましい。得られた高分子シリコーン化合物のカルボキシル基に酸不安定基を導入し、目的とする高分子シリコーン化合物を得ることができる。またはカルボキシル基及び水酸基にR0の酸不安定基、R1の基を導入したり、架橋基を導入することによって目的とする高分子シリコーン化合物を得ることができる。なお、R1の基の導入は常法によって行うことができ、例えば、R1が一般式(2a)で表されるようなエステル構造の場合は、酸触媒を用いた脱水反応による合成法、トリフルオロ酢酸無水物やジシクロヘキシルカルボジイミド等を用いた活性エステルを経由する方法、アゾジカルボン酸ジエチル等を用いたアルコールを活性化する方法、それにジアゾアルカン等のO−アルキル化剤を用いる方法が挙げられる。
一方、R1が一般式(2b)で表されるようなアミド構造の場合は、ジシクロヘキシルカルボジイミドやN−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド等の縮合剤を用いる方法や活性エステルであるp−ニトロフェニルエステルを経由する方法、それにペプチドヒドラジドを経由するアジド法が挙げられる。
ここで、酸不安定基の導入は公知の方法によって行うことができる。また、C−O−C基を有する架橋基により架橋させる方法は、アルケニルエーテル化合物又はハロゲン化アルキルエーテル化合物を使用する方法を挙げることができる。
即ち、C−O−C基を有する架橋基を持つ本発明の高分子シリコーン化合物を製造する方法としては、上記の重合方法により得られた高分子シリコーン化合物(1’)のカルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基に一般式(4)で示される酸不安定基を導入し、単離後、アルケニルエーテル化合物もしくはハロゲン化アルキルエーテル化合物との反応により分子内及び/又は分子間でC−O−C基を有する架橋基により架橋させる方法、或いはアルケニルエーテル化合物もしくはハロゲン化アルキルエーテル化合物との反応により分子内及び/又は分子間でC−O−Cで示される基により架橋させ、単離後、一般式(4)で示される酸不安定基を導入する方法、或いはアルケニルエーテル化合物もしくはハロゲン化アルキルエーテル化合物との反応と一般式(4)で示される酸不安定基の導入を一括に行う方法が挙げられるが、アルケニルエーテル化合物もしくはハロゲン化アルキルエーテル化合物との反応と一般式(4)で示される酸不安定基の導入を一括に行う方法が好ましい。また、これによって得られた高分子シリコーン化合物に、必要に応じて一般式(5)で示される酸不安定基、三級アルキル基、トリアルキルシリル基、オキソアルキル基等の導入を行うことも可能である。
具体的には、第1方法として、上記式(1’)で示される繰り返し単位を有する高分子シリコーン化合物と、下記一般式(I)又は(II)で示されるアルケニルエーテル化合物と、下記一般式(4a)で示される化合物を用いる方法、第2方法として、上記式(1’)で示される繰り返し単位を有する高分子シリコーン化合物と、下記一般式(VII)又は(VIII)で示されるハロゲン化アルキルエーテル化合物と、下記一般式(4b)で示される化合物を用いる方法が挙げられる。
ここで、Z、Z’、R2、p1、p2、p3、p4、x、z及びR4、R5、R7、R8は上記と同様の意味を示し、また、R3a、R6aは水素原子又は炭素数1〜7の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。
更に、式(I)又は(II)で示されるビニルエーテル化合物において、Aはc価(cは2〜8を示す)の炭素数1〜50の脂肪族もしくは脂環式飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基又はヘテロ環基を示し、Bは−CO−O−、−NHCOO−又は−NHCONH−を示し、R5は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示し、dは0又は1〜10の整数を示す。
具体的には、Aのc価の脂肪族もしくは脂環式飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜50、特に1〜40のO、NH、N(CH3)、S、SO2等のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は水酸基、カルボキシル基、アシル基又はフッ素原子置換のアルキレン基、好ましくは炭素数6〜50、特に6〜40のアリーレン基、これらアルキレン基とアリーレン基とが結合した基、上記各基の炭素原子に結合した水素原子が脱離したc’’価(c’’は3〜8の整数)の基が挙げられ、更にc価のヘテロ環基、このヘテロ環基と上記炭化水素基とが結合した基などが挙げられる。
具体的に例示すると、Aとして下記のものが挙げられる。
一般式(I)で示される化合物は、例えば、Stephen.C.Lapin,Polymers Paint Colour Journal.179(4237)、321(1988)に記載されている方法、即ち多価アルコールもしくは多価フェノールとアセチレンとの反応、又は多価アルコールもしくは多価フェノールとハロゲン化アルキルビニルエーテルとの反応により合成することができる。
式(I)の化合物の具体例として、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、エチレングリコールジエチレンビニルエーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテル、エチレングリコールジプロピレンビニルエーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパンジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラエチレンビニルエーテル並びに以下の式(I−1)〜(I−31)で示される化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一方、Bが−CO−O−の場合の上記一般式(II)で示される化合物は、多価カルボン酸とハロゲン化アルキルビニルエーテルとの反応により製造することができる。Bが−CO−O−の場合の式(II)で示される化合物の具体例としては、テレフタル酸ジエチレンビニルエーテル、フタル酸ジエチレンビニルエーテル、イソフタル酸ジエチレンビニルエーテル、フタル酸ジプロピレンビニルエーテル、テレフタル酸ジプロピレンビニルエーテル、イソフタル酸ジプロピレンビニルエーテル、マレイン酸ジエチレンビニルエーテル、フマル酸ジエチレンビニルエーテル、イタコン酸ジエチレンビニルエーテル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
更に、本発明において好適に用いられるアルケニルエーテル基含有化合物としては、下記一般式(III)、(IV)又は(V)等で示される活性水素を有するアルケニルエーテル化合物とイソシアナート基を有する化合物との反応により合成されるアルケニルエーテル基含有化合物を挙げることができる。
Bが−NHCOO−又は−NHCONH−の場合の上記一般式(II)で示されるイソシアナート基を有する化合物としては、例えば架橋剤ハンドブック(大成社刊、1981年発行)に記載の化合物を用いることができる。具体的には、トリフェニルメタントリイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナートの二量体、ナフタレン−1,5−ジイソシアナート、o−トリレンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等のポリイソシアナート型、トリレンジイソシアナートとトリメチロールプロパンの付加体、ヘキサメチレンジイソシアナートと水との付加体、キシレンジイソシアナートとトリメチロールプロパンとの付加体等のポリイソシアナートアダクト型等を挙げることができる。上記イソシアナート基含有化合物と活性水素含有アルケニルエーテル化合物とを反応させることにより末端にアルケニルエーテル基を持つ種々の化合物ができる。このような化合物として以下の式(II−1)〜(II−11)で示されるものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記第1方法においては、C−O−C基を有する架橋基で架橋された高分子シリコーン化合物を得る場合、重量平均分子量が1,000〜50,000であり、好ましくは一般式(1’)で示される高分子化合物のカルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の1モルに対してp112+p412モルの一般式(I)、(II)で示されるアルケニルエーテル化合物及びp12+p42モルの一般式(4a)で示される化合物を反応させて、例えば下記一般式(3a’−1)、(3a’−2)で示される高分子化合物を得ることができる。
第1の方法において、反応溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の非プロトン性極性溶媒が好ましく、単独でも2種以上混合して使用してもかまわない。
触媒の酸としては、塩酸、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩等が好ましく、その使用量は反応する一般式(1’)で示される高分子化合物のカルボキシル基の1モルに対して0.1〜10モル%であることが好ましい。
反応温度としては−20〜100℃、好ましくは0〜60℃であり、反応時間としては0.2〜100時間、好ましくは0.5〜20時間である。
上記反応を単離せずに一括して行う場合、一般式(I)又は(II)で示されるアルケニルエーテル化合物と一般式(4a)で示される化合物を添加する順序は特に限定されないが、初めに一般式(4a)で示される化合物を添加し、反応が十分進行した後に一般式(I)又は(II)で示されるアルケニルエーテル化合物を添加するのが好ましい。例えば一般式(I)又は(II)で示されるアルケニルエーテル化合物と一般式(4a)で示される化合物を同時に添加したり、一般式(I)又は(II)で示されるアルケニルエーテル化合物を先に添加した場合には、一般式(I)又は(II)で示されるアルケニルエーテル化合物の反応点の一部が反応系中の水分により加水分解され、生成した高分子化合物の構造が複雑化し、物性の制御が困難となる場合がある。
なお、上記式(VI)、(VII)の化合物や式(4b)の化合物は、上記式(I)、(II)の化合物や式(4a)の化合物に塩化水素、臭化水素又はヨウ化水素を反応させることにより得ることができる。
上記第2方法は、架橋高分子シリコーン化合物を得る場合、重量平均分子量が1,000〜500,000の上記一般式(1’)で示される繰り返し単位を有する高分子化合物のカルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の1モルに対してp112+p412モルの一般式(VI)又は(VII)で示されるハロゲン化アルキルエーテル化合物及びp12+p42モルの一般式(4b)で示される化合物を反応させて、例えば上記式(3a’−1)、(3a’−2)で示される高分子化合物を得ることができる。
上記製造方法は、溶媒中において塩基の存在下で行うことが好ましい。反応溶媒としては、アセトニトリル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましく、単独でも2種以上混合して使用してもかまわない。
塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルアミン、炭酸カリウム等が好ましく、その使用量は反応する一般式(1’)で示される高分子化合物のカルボキシル基の1モルに対して1モル倍以上、特に5モル倍以上であることが好ましい。
反応温度としては−50〜100℃、好ましくは0〜60℃であり、反応時間としては0.5〜100時間、好ましくは1〜20時間である。
なお、上述したように、式(1’)で示される繰り返し単位を有する高分子化合物又はそのカルボキシル基の一部をCOR1基に置換した高分子化合物に式(4a)又は(4b)の化合物を反応させて、得られた酸不安定基を有する化合物、例えば下記式(1’’)で示される化合物を得た後、これを単離し、次いで式(I)、(II)或いは(VI)、(VII)で示される化合物を用いて架橋を行うようにしてもよい。
上記第1又は第2方法により得られた例えば式(3a’−1)、(3a’−2)で示されるような高分子化合物に、必要に応じて元の一般式(1’)で示される高分子化合物のカルボキシル基の1モルに対してp122+p422モルの二炭酸ジアルキル化合物、アルコキシカルボニルアルキルハライド等を反応させて一般式(5)で示される酸不安定基を導入したり、三級アルキルハライド、トリアルキルシリルハライド、オキソアルキル化合物等を反応させて、例えば一般式(3b’−1)、(3b’−2)で示される高分子化合物を得ることができる。
上記式(5)の酸不安定基の導入方法は、溶媒中において塩基の存在下で行うことが好ましい。
反応溶媒としては、アセトニトリル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましく、単独でも2種以上混合して使用してもかまわない。
塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、イミダゾール、ジイソプロピルアミン、炭酸カリウム等が好ましく、その使用量は元の一般式(1’)で示される高分子化合物のカルボキシル基の1モルに対して1モル倍以上、特に5モル倍以上であることが好ましい。
反応温度としては0〜100℃、好ましくは0〜60℃である。反応時間としては0.2〜100時間、好ましくは1〜10時間である。
二炭酸ジアルキル化合物としては二炭酸ジ−tert−ブチル、二炭酸ジ−tert−アミル等が挙げられ、アルコキシカルボニルアルキルハライドとしてはtert−ブトキシカルボニルメチルクロライド、tert−アミロキシカルボニルメチルクロライド、tert−ブトキシカルボニルメチルブロマイド、tert−ブトキシカルボニルエチルクロライド等が挙げられ、トリアルキルシリルハライドとしてはトリメチルシリルクロライド、トリエチルシリルクロライド、ジメチル−tert−ブチルシリルクロライド等が挙げられる。
また、上記第1又は第2の方法により得られた一般式(3a’−1)、(3a’−2)で示される高分子化合物に、必要に応じて元の一般式(1’)で示される高分子化合物のカルボキシル基の1モルに対してp12+p42モルの三級アルキル化剤、オキソアルキル化合物を反応させて三級アルキル化又はオキソアルキル化することができる。
上記方法は、溶媒中において酸の存在下で行うことが好ましい。
反応溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の非プロトン性極性溶媒が好ましく、単独でも2種以上混合して使用してもかまわない。
反応溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の非プロトン性極性溶媒が好ましく、単独でも2種以上混合して使用してもかまわない。
触媒の酸としては、塩酸、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩等が好ましく、その使用量は元の一般式(1’)で示される高分子合物のカルボキシル基の1モルに対して0.1〜10モル%であることが好ましい。
反応温度としては−20〜100℃、好ましくは0〜60℃であり、反応時間としては0.2〜100時間、好ましくは0.5〜20時間である。
三級アルキル化剤としてはイソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン等が挙げられ、オキソアルキル化合物としてはα−アンジェリカラクトン、2−シクロヘキセン−1−オン、5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン等が挙げられる。
なお、一般式(3a’−1)、(3a’−2)で示される高分子化合物を経由せずに直接下記一般式(3c’−1)又は(3c’−2)で示される繰り返し単位を有する高分子化合物に一般式(5)で示される酸不安定基、三級アルキル基、トリアルキルシリル基、オキソアルキル基等を導入後、必要に応じて一般式(4)で示される酸不安定基を導入することもできる。
本発明の高分子化合物において、R2の酸不安定基としては1種に限られず、2種以上を導入することができる。この場合、式(1’)の高分子化合物の全水酸基1モルに対してp41モルの酸不安定基を上記のようにして導入した後、これと異なる酸不安定基を上記と同様の方法でp42モル導入することによって、かかる酸不安定基を2種又は適宜かかる操作を繰り返してそれ以上導入した高分子化合物を得ることができる。
本発明の高分子シリコーン化合物は、レジスト材料のベースポリマーとして有効であり、本発明のレジスト材料は、この高分子シリコーン化合物をベースポリマーとして含有するものである。この場合、レジスト材料としてはポジ型であってもネガ型であってもよいが、特に化学増幅型であることが好ましい。このようなレジスト材料としては、
(A)有機溶剤、
(B)ベース樹脂として上記高分子シリコーン化合物、
(C)酸発生剤、更に必要により、
(D)溶解制御剤、
(E)塩基性化合物、
(F)分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物、
(G)アセチレンアルコール誘導体を含む化学増幅ポジ型レジスト材料、
或いは、
(A)有機溶剤、
(B)ベース樹脂として上記高分子シリコーン化合物、
(C)酸発生剤、
(H)酸の作用によって架橋する化合物
を含む化学増幅ネガ型レジスト材料を挙げることができる。
(A)有機溶剤、
(B)ベース樹脂として上記高分子シリコーン化合物、
(C)酸発生剤、更に必要により、
(D)溶解制御剤、
(E)塩基性化合物、
(F)分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物、
(G)アセチレンアルコール誘導体を含む化学増幅ポジ型レジスト材料、
或いは、
(A)有機溶剤、
(B)ベース樹脂として上記高分子シリコーン化合物、
(C)酸発生剤、
(H)酸の作用によって架橋する化合物
を含む化学増幅ネガ型レジスト材料を挙げることができる。
ここで、本発明で使用される(A)成分の有機溶剤としては、酸発生剤、ベース樹脂、溶解制御剤等が溶解可能な有機溶媒であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコール−モノ−tert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノールの他、安全溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
有機溶剤の使用量は、(B)成分のベース樹脂100部(重量部、以下同様)に対して200〜1,000部、特に400〜800部が好適である。
(C)成分の酸発生剤としては、
<1>下記一般式(6a−1)、(6a−2)又は(6b)のオニウム塩、
<2>下記一般式(7)のジアゾメタン誘導体、
<3>下記一般式(8)のグリオキシム誘導体、
<4>下記一般式(9)のビススルホン誘導体、
<5>下記一般式(10)のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル、
<6>β−ケトスルホン酸誘導体、
<7>ジスルホン誘導体、
<8>ニトロベンジルスルホネート誘導体、
<9>スルホン酸エステル誘導体
等が挙げられる。
<1>下記一般式(6a−1)、(6a−2)又は(6b)のオニウム塩、
<2>下記一般式(7)のジアゾメタン誘導体、
<3>下記一般式(8)のグリオキシム誘導体、
<4>下記一般式(9)のビススルホン誘導体、
<5>下記一般式(10)のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル、
<6>β−ケトスルホン酸誘導体、
<7>ジスルホン誘導体、
<8>ニトロベンジルスルホネート誘導体、
<9>スルホン酸エステル誘導体
等が挙げられる。
(式中、R30a、R30b、R30cはそれぞれ炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を表し、これら基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基等によって置換されていてもよい。また、R30bとR30cとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R30b、R30cはそれそれ炭素数1〜6のアルキレン基を示し、K-は非求核性対向イオンを表す。)
上記R30a、R30b、R30cは互いに同一であっても異なっていてもよく、具体的にはアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。オキソアルキル基、オキソアルケニル基としては、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘプチル基等が挙げられ、また2−オキソプロピル基、2−シクロペンチル−2−オキソエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキソエチル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−オキソエチル基等の2−アルキル−2−オキソエチル基を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等や、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等のアルキルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等のジアルキルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等が挙げられる。アリールオキソアルキル基としては、2−(フェニル)−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等の2−アリール−2−オキソエチル基等が挙げられる。K-の非求核性対向イオンとしては塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、パーフルオロオクチルスルホネート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
(式中、R31a、R31bはそれぞれ炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、R32は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、R33a、R33bはそれぞれ炭素数3〜7の2−オキソアルキル基を示し、K-は非求核性対向イオンを表す。)
上記R31a、R31bとして具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。R32としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、1,4−シクロへキシレン基、1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロオクチレン基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基等が挙げられる。R33a、R33bとしては、2−オキソプロピル基、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基、2−オキソシクロヘプチル基等が挙げられる。K-は式(6a)と同様のものを挙げることができる。
R34、R35のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。ハロゲン化アリール基としてはフルオロベンゼン基、クロロベンゼン基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼン基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
(式中、R36、R37、R38は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基を表す。また、R37、R38は互いに結合して環状構造を形成してもよく、環状構造を形成する場合、R37、R38はそれぞれ炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。)
R36、R37、R38のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基としては、R34、R35で説明したものと同様の基が挙げられる。なお、R37、R38のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
(式中、R39は炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルケニレン基を表し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシ基、ニトロ基、アセチル基、又はフェニル基で置換されていてもよい。R40は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は置換のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシアルキル基、フェニル基、又はナフチル基を表し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基;炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数3〜5のヘテロ芳香族基;又はフッ素原子、塩素原子で置換されていてもよい。)
ここで、R39のアリーレン基としては、1,2−フェニレン基、1,8−ナフチレン基等が、アルキレン基としては、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1−フェニル−1,2−エチレン基、ノルボルナン−2,3−ジイル基等が、アルケニレン基としては、1,2−ビニレン基、1−フェニル−1,2−ビニレン基、5−ノルボルネン−2,3−ジイル基等が挙げられる。R40のアルキル基としては、R30a〜R30cと同様のものが、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプレニル基、1−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ジメチルアリル基、1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペントキシメチル基、ヘキシロキシメチル基、ヘプチロキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペントキシエチル基、ヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基等が挙げられる。
なお、更に置換されていてもよい炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、トリル基、p−tert−ブトキシフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ニトロフェニル基等が、芳香族基としては、ピリジル基、フリル基等が挙げられる。
具体的には、例えばトリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、エチレンビス[メチル(2−オキソシクロペンチル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート]、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、ビスナフチルスルホニルメタン、ビストリフルオロメチルスルホニルメタン、ビスメチルスルホニルメタン、ビスエチルスルホニルメタン、ビスプロピルスルホニルメタン、ビスイソプロピルスルホニルメタン、ビス−p−トルエンスルホニルメタン、ビスベンゼンスルホニルメタン等のビススルホン誘導体、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等のβ−ケトスルホン誘導体、ジフェニルジスルホン、ジシクロヘキシルジスルホン等のジスルホン誘導体、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体、N−ヒドロキシスクシンイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドプロピルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドイソプロピルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドペンチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドオクチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−p−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−p−アニシルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−2−クロロエチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−2,4,6−トリメチルフェニルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドナフチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルスクシンイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドエチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルマレイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドフェニルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドフェニルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミド−p−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミドフェニルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−p−トルエンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体等が挙げられるが、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、ビスナフチルスルホニルメタン等のビススルホン誘導体、N−ヒドロキシスクシンイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドプロピルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドイソプロピルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドペンチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−p−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミドフェニルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体が好ましく用いられる。なお、上記酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。オニウム塩は矩形性向上効果に優れ、ジアゾメタン誘導体及びグリオキシム誘導体は定在波低減効果に優れるが、両者を組み合わせることにより、プロファイルの微調整を行うことが可能である。
酸発生剤の添加量は、ベース樹脂100部に対して好ましくは0.1〜15部、より好ましくは0.5〜8部である。0.1部より少ないと感度が悪い場合があり、15部より多いとアルカリ溶解速度が低下することによってレジスト材料の解像性が低下する場合があり、またモノマー成分が過剰となるために耐熱性が低下する場合がある。
本発明のレジスト材料には、更に(D)成分として溶解制御剤を添加することができる。溶解制御剤としては、平均分子量が100〜1,000、好ましくは150〜800で、かつ分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物の該フェノール性水酸基の水素原子を酸不安定基により全体として平均0〜100モル%の割合で又は分子内にカルボキシル基を有する化合物の該カルボキシル基の水素原子を酸不安定基により全体として平均80〜100モル%の割合で置換した化合物を配合する。
なお、フェノール性水酸基又はカルボキシル基の水素原子の酸不安定基による置換率は、平均でフェノール性水酸基又はカルボキシル基全体の0モル%以上、好ましくは30モル%以上であり、また、その上限は100モル%、より好ましくは80モル%である。
この場合、かかるフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物又はカルボキシル基を有する化合物としては、下記式(i)〜(xiv)で示されるものが好ましい。
(但し、式中R15、R16はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基であり、R17は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、あるいは−(R21)h−COOHであり、R18は−(CH2)i−(i=2〜10)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子、R19は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子、R20は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基であり、R21は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、R22は水素原子又は水酸基である。また、jは0〜5の整数であり、u、hは0又は1である。s、t、s’、t’、s’’、t’’はそれぞれs+t=8、s’+t’=5、s’’+t’’=4を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。αは式(viii)、(ix)の化合物の分子量を100〜1,000とする数である。)
上記式中R15、R16としては、例えば水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、エチニル基、シクロヘキシル基、R17としては、例えばR15、R16と同様なもの、あるいは−COOH、−CH2COOH、R18としては、例えばエチレン基、フェニレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子、硫黄原子等、R19としては、例えばメチレン基、あるいはR18と同様なもの、R20としては例えば水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、エチニル基、シクロヘキシル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
ここで、溶解制御剤の酸不安定基としては、上記一般式(4)で示される基、上記一般式(5)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等が挙げられる。
上記溶解制御剤の配合量は、ベース樹脂100部に対し、0〜50部、好ましくは5〜50部、より好ましくは10〜30部であり、単独又は2種以上を混合して使用できる。配合量が5部に満たないと解像性の向上がない場合があり、50部を超えるとパターンの膜減りが生じ、解像度が低下する場合がある。
なお、上記のような溶解制御剤はフェノール性水酸基又はカルボキシル基を有する化合物にベース樹脂と同様に酸不安定基を化学反応させることにより合成することができる。
本発明のレジスト材料は、上記溶解制御剤の代わりに又はこれに加えて別の溶解制御剤として重量平均分子量が1,000未満で、かつ分子内にカルボキシル基を有する化合物の該カルボキシル基の水素原子を酸不安定基により全体として平均0%以上100%以下の割合で部分置換した化合物を配合することができる。
この場合、かかる酸不安定基でカルボキシル基の水素原子が部分置換された化合物としては、下記一般式(11)で示される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が1,000未満である化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物が好ましい。
ここで、上記溶解制御剤の酸不安定基としては、上記一般式(4)で示される基、上記一般式(5)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等が挙げられる。
上記別の溶解制御剤の配合量は、上記溶解制御剤と合計した溶解制御剤全体としてベース樹脂100部に対し0〜50部、特に0〜30部、好ましくは0〜5部となるような範囲であることが好ましい。
なお、上記のような別の溶解制御剤は、カルボキシル基を有する化合物にベース樹脂と同様に酸不安定基を化学反応させることにより合成することができる。
また、溶解制御剤(D)は酸素プラズマエッチング耐性を損わないために、シリコーン化合物が好ましく使用できる。シリコーン化合物の溶解制御剤としては、下記一般式(12)〜(14)で示されるシリコーン化合物のカルボキシル基又はヒドロキシル基をtert−ブチル基又はtert−ブトキシカルボニルメチル基で保護したものを使用することが好ましい。
(式中、R10はメチル基又はフェニル基を示し、R11はカルボキシエチル基又はp−ヒドロキシフェニルアルキル基(但し、アルキル基は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基)を示す。Eはトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基又は−SiR10R11(R10、R11は上記と同様の意味を示す)基を示す。γは0〜50の整数、δは1〜50の整数、εは3〜10の整数を示す。)
ここで、上記式(12)〜(14)のシリコーン化合物のカルボキシル基又はヒドロキシル基をアルカリ可溶性基(tert−ブチル基又はtert−ブトキシカルボニルメチル基)で保護したシリコーン化合物としては、それぞれ下記A〜C群の化合物が例示される。なお、Meはメチル基、t−Buはtert−ブチル基を示す。
溶解制御剤の含量は、ベ−ス樹脂全体の40重量%以下がよく、特に10〜30重量%とすることが好ましい。40重量%より多くては、レジスト膜の酸素プラズマエッチング耐性が著しく低下するため、2層レジストとして使用できなくなるおそれがある。
更に、本発明のレジスト材料には、(E)成分として塩基性化合物を配合することができる。
この(E)添加剤として配合される塩基性化合物は、酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適しており、このような塩基性化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。
このような塩基性化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。
具体的には、第1級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第2級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が例示される。イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。
更に、下記一般式(15)及び(16)で示される塩基性化合物を配合することもできる。
(式中、R41、R42、R43、R47、R48はそれぞれ独立して直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数1〜20のアルキレン基、R44、R45、R46、R49、R50は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又はアミノ基を示し、R44とR45、R45とR46、R44とR46、R44とR45とR46、R49とR50はそれぞれ結合して環を形成してもよい。S、T、Uはそれぞれ0〜20の整数を示す。但し、S、T、U=0のとき、R44、R45、R46、R49、R50は水素原子を含まない。)
ここで、R41、R42、R43、R47、R48のアルキレン基としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8のものであり、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基等が挙げられる。
また、R44、R45、R46、R49、R50のアルキル基としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6のものであり、これらは直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
更に、R44とR45、R45とR46、R44とR46、R44とR45とR46、R49とR50が環を形成する場合、R44、R45、R46、R49、R50はそれぞれ炭素数は1〜20、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6のアルキレン基であり、またこれらの環は炭素数1〜6、特に1〜4のアルキル基が分岐していてもよい。
S、T、Uはそれぞれ0〜20の整数であり、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8の整数である。
上記(15)、(16)の化合物として具体的には、トリス{2−(メトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス[2−{(2−メトキシエトキシ)メトキシ}エチル]アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6等が挙げられる。特に第三級アミン、アニリン誘導体、ピロリジン誘導体、ピリジン誘導体、キノリン誘導体、アミノ酸誘導体、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体、トリス{2−(メトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{(2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス[2−{(2−メトキシエトキシ)メチル}エチル]アミン、1−アザ−15−クラウン−5等が好ましい。
上記塩基性化合物の配合量は、酸発生剤1部に対して0.001〜10部、好ましくは0.01〜1部である。配合量が0.001部未満であると添加剤としての効果が十分に得られない場合があり、10部を超えると解像度や感度が低下する場合がある。
更に、本発明のレジスト材料には、(F)成分として分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物を配合することができる。
この(F)成分として配合される分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物は、例えば下記I群及びII群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。(F)成分の配合により、レジストのPED安定性を向上させ、窒化膜基板上でのエッジラフネスを改善することができる。
[I群]
下記一般式(17)〜(26)で示される化合物のフェノール性水酸基の水素原子の一部又は全部を−R51−COOH(R51は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基)により置換してなり、かつ分子中のフェノール性水酸基(C)と≡C−COOHで示される基(D)とのモル比率がC/(C+D)=0.1〜1.0である化合物。
[II群]
下記一般式(27)〜(31)で示される化合物。
[I群]
下記一般式(17)〜(26)で示される化合物のフェノール性水酸基の水素原子の一部又は全部を−R51−COOH(R51は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基)により置換してなり、かつ分子中のフェノール性水酸基(C)と≡C−COOHで示される基(D)とのモル比率がC/(C+D)=0.1〜1.0である化合物。
[II群]
下記一般式(27)〜(31)で示される化合物。
(但し、式中R1は水素原子又はメチル基であり、R52、R53はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基であり、R54は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、或いは−(R59)h−COOR’基(R’は水素原子又は−R59−COOH)であり、R55は−(CH2)i−(i=2〜10)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子、R56は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子、R57は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基であり、R58は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基又は−R59−COOH基である。R59は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である。jは0〜5の整数であり、u、hは0又は1である。s1、t1、s2、t2、s3、t3、s4、t4はそれぞれs1+t1=8、s2+t2=5、s3+t3=4、s4+t4=6を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。κは式(23)の化合物を重量平均分子量1,000〜5,000とする数、λは式(24)の化合物を重量平均分子量1,000〜10,000とする数である。)
上記(F)成分として、具体的には下記一般式VIII−1〜14及びIX−1〜10で示される化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
なお、上記分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物の添加量は、ベース樹脂100部に対して0〜5部、好ましくは0.1〜5部、より好ましくは0.1〜3部、更に好ましくは0.1〜2部である。5部より多いとレジスト材料の解像性が低下する場合がある。
更に、本発明のレジスト材料には、(G)成分としてアセチレンアルコール誘導体を配合することができ、これにより保存安定性を向上させることができる。
アセチレンアルコール誘導体としては、下記一般式(32)、(33)で示されるものを好適に使用することができる。
(式中、R71、R72、R73、R74、R75はそれぞれ水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、X、Yは0又は正数を示し、下記値を満足する。0≦X≦30、0≦Y≦30、0≦X+Y≦40である。)
アセチレンアルコール誘導体として好ましくは、サーフィノール61、サーフィノール82、サーフィノール104、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノールTG、サーフィノールPC、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485(Air Products and Chemicals Inc.製)、サーフィノールE1004(日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
上記アセチレンアルコール誘導体の添加量は、レジスト組成物100重量%中0.01〜2重量%、より好ましくは0.02〜1重量%である。0.01重量%より少ないと塗布性及び保存安定性の改善効果が十分に得られない場合があり、2重量%より多いとレジスト材料の解像性が低下する場合がある。
また、本発明においては、上記(A)〜(G)成分を含むレジスト材料とは異なるレジスト材料として、
(A)上記した有機溶剤、
(B)上記した高分子シリコーン化合物、
(C)上記した酸発生剤
に加え、下記酸の作用によって架橋する化合物(H)を含むレジスト材料を提供する。
(A)上記した有機溶剤、
(B)上記した高分子シリコーン化合物、
(C)上記した酸発生剤
に加え、下記酸の作用によって架橋する化合物(H)を含むレジスト材料を提供する。
ここで、酸の作用によって架橋する化合物(H)としては、下記のようなエポキシ系化合物、ウレア系化合物が挙げられる。
酸の作用によって架橋する化合物の配合量は、ベース樹脂100部に対して、好ましくは5〜95部、特に好ましくは15〜85部、更に好ましくは20〜75部である。5部未満では、十分な架橋反応を起こすことが困難で残膜率の低下、パターンの蛇行、膨潤などを招きやすい。また、95部を超えるとスカムが多く現像性が悪化する傾向にある。
本発明のレジスト材料には、上記成分以外に任意成分として塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤を添加することができる。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
ここで、界面活性剤としては非イオン性のものが好ましく、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルEO付加物、含フッ素オルガノシロキサン系化合物などが挙げられる。例えばフロラード「FC−430」、「FC−431」(いずれも住友スリーエム(株)製)、サーフロン「S−141」、「S−145」(いずれも旭硝子(株)製)、ユニダイン「DS−401」、「DS−403」、「DS−451」(いずれもダイキン工業(株)製)、メガファック「F−8151」(大日本インキ工業(株)製)、「X−70−092」、「X−70−093」(いずれも信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。好ましくは、フロラード「FC−430」(住友スリーエム(株)製)、「X−70−093」(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
本発明のレジスト材料を使用してパターンを形成するには、公知のリソグラフィー技術を採用して行うことができ、例えばシリコンウエハー等の基板上にスピンコーティング等の手法で膜厚が0.5〜2.0μmとなるように塗布し、これをホットプレート上で60〜150℃、1〜10分間、好ましくは80〜120℃、1〜5分間プリベークする。次いで目的のパターンを形成するためのマスクを上記のレジスト膜上にかざし、波長300nm以下の遠紫外線、エキシマレーザー、X線等の高エネルギー線もしくは電子線を露光量1〜200mJ/cm2程度、好ましくは10〜100mJ/cm2程度となるように照射した後、ホットプレート上で60〜150℃、1〜5分間、好ましくは80〜120℃、1〜3分間ポストエクスポージャベーク(PEB)する。更に、0.1〜5%、好ましくは2〜3%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することにより基板上に目的のパターンが形成される。なお、本発明材料は、特に高エネルギー線の中でも254〜193nmの遠紫外線又はエキシマレーザー、X線及び電子線による微細パターンニングに最適である。また、上記範囲を上限及び下限から外れる場合は、目的のパターンを得ることができない場合がある。
また、本発明のレジスト材料は高分子シリコーン化合物をベース樹脂としたことにより、酸素プラズマエッチング耐性に優れているので2層レジスト材料としても有用である。
即ち、常法に従い、基板上に下層レジストとして厚い有機ポリマー層を形成後、本発明のレジスト溶液をその上にスピン塗布する。上層の本発明のレジスト層は上記と同様の方法でパターン形成を行った後、エッチングを行うことにより下層レジストが選択的にエッチングされるため、上層のレジストパターンを下層に形成することができる。
なお、下層レジストには、ノボラック樹脂系ポジ型レジストを使用することができ、基板上に塗布した後、200℃で1時間ハードベークすることにより、シリコーン系レジストとのインターミキシングを防ぐことができる。
以下、合成例及び実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
[合成例1]
ポリ(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)の合成
3−トリクロロシリル−1−シクロヘキシルカルボン酸メチルエステル150.0g(0.544mol)をトルエン150gに溶解し、水300g中へ室温で撹拌しながら滴下添加した。滴下終了後、反応混合物より酸性水層を分離し、次いで水1Lで有機層を水洗し、水層が中性になってから更に2回水洗を行った。有機層をエバポレーターにより溶媒留去した。その濃縮液を200℃で2時間加熱し、重合した。重合物にテトラヒドロフラン800gを加えて溶解したものを、10%水酸化ナトリウム溶液1,000gへ滴下し、40℃で3時間加熱しメチルエステル基を加水分解した。塩酸で酸性にしてポリマーを晶出し、濾過、乾燥を行い、ポリ(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)を収量83.4gで得た。得られたポリマーの重量平均分子量は3,000であった。
ポリ(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)の合成
3−トリクロロシリル−1−シクロヘキシルカルボン酸メチルエステル150.0g(0.544mol)をトルエン150gに溶解し、水300g中へ室温で撹拌しながら滴下添加した。滴下終了後、反応混合物より酸性水層を分離し、次いで水1Lで有機層を水洗し、水層が中性になってから更に2回水洗を行った。有機層をエバポレーターにより溶媒留去した。その濃縮液を200℃で2時間加熱し、重合した。重合物にテトラヒドロフラン800gを加えて溶解したものを、10%水酸化ナトリウム溶液1,000gへ滴下し、40℃で3時間加熱しメチルエステル基を加水分解した。塩酸で酸性にしてポリマーを晶出し、濾過、乾燥を行い、ポリ(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)を収量83.4gで得た。得られたポリマーの重量平均分子量は3,000であった。
[合成例2]
ポリ[(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)−(シクロヘキシルシルセスキオキサン)]の合成
3−トリクロロシリル−1−シクロヘキシルカルボン酸メチルエステル75.0g(0.272mol)とシクロヘキシルトリクロロシラン59.2g(0.272mol)をトルエン150gに溶解し、水300g中へ室温で撹拌しながら滴下添加した。滴下終了後、反応混合物より酸性水層を分離し、次いで水1Lで有機層を水洗し、水層が中性になってから更に2回水洗を行った。有機層をエバポレーターにより溶媒留去した。その濃縮液を200℃で2時間加熱し、重合した。重合物にテトラヒドロフラン800gを加えて溶解したものを、10%水酸化ナトリウム溶液1,000gへ滴下し、40℃で3時間加熱しメチルエステル基を加水分解した。塩酸で酸性にしてポリマーを晶出し、濾過、乾燥を行い、ポリ[(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)−(シクロヘキシルシルセスキオキサン)]を収量82.0gで得た。得られたポリマーの重量平均分子量は3,500であった。また、1H−NMRの分析において、3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン/シクロヘキシルシルセスキオキサンの組成比は50/50(モル比)であった。
ポリ[(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)−(シクロヘキシルシルセスキオキサン)]の合成
3−トリクロロシリル−1−シクロヘキシルカルボン酸メチルエステル75.0g(0.272mol)とシクロヘキシルトリクロロシラン59.2g(0.272mol)をトルエン150gに溶解し、水300g中へ室温で撹拌しながら滴下添加した。滴下終了後、反応混合物より酸性水層を分離し、次いで水1Lで有機層を水洗し、水層が中性になってから更に2回水洗を行った。有機層をエバポレーターにより溶媒留去した。その濃縮液を200℃で2時間加熱し、重合した。重合物にテトラヒドロフラン800gを加えて溶解したものを、10%水酸化ナトリウム溶液1,000gへ滴下し、40℃で3時間加熱しメチルエステル基を加水分解した。塩酸で酸性にしてポリマーを晶出し、濾過、乾燥を行い、ポリ[(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)−(シクロヘキシルシルセスキオキサン)]を収量82.0gで得た。得られたポリマーの重量平均分子量は3,500であった。また、1H−NMRの分析において、3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン/シクロヘキシルシルセスキオキサンの組成比は50/50(モル比)であった。
[合成例3〜8]
合成例1、2と同様な方法で表1に示すシリコーンポリマーを得た。
上記合成例1〜8で得られたポリマーの重量平均分子量、比を表1に示す。
合成例1、2と同様な方法で表1に示すシリコーンポリマーを得た。
上記合成例1〜8で得られたポリマーの重量平均分子量、比を表1に示す。
[合成例9]
合成例1で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン450mlに溶解させ、触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加後、20℃で撹拌しながらエチルビニルエーテル15.0gを添加した。1時間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマー60gをテトラヒドロフラン560mlに溶解させ、1−ヒドロベンゾトリアゾール34.0g、ジイソプロピルカルボンジイミド31.6gを添加後、エタノールアミン7.7gを添加した。30℃で5時間反応させた後、濃縮して、水3Lに滴下したところ白色の固体が得られた。これを濾過後、アセトン50mlに溶かし、水3Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.1)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の50%がエトキシエチル化され、50%が−NHCH2CH2OHで置換されていることが確認された。
合成例1で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン450mlに溶解させ、触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加後、20℃で撹拌しながらエチルビニルエーテル15.0gを添加した。1時間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマー60gをテトラヒドロフラン560mlに溶解させ、1−ヒドロベンゾトリアゾール34.0g、ジイソプロピルカルボンジイミド31.6gを添加後、エタノールアミン7.7gを添加した。30℃で5時間反応させた後、濃縮して、水3Lに滴下したところ白色の固体が得られた。これを濾過後、アセトン50mlに溶かし、水3Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.1)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の50%がエトキシエチル化され、50%が−NHCH2CH2OHで置換されていることが確認された。
[合成例10]
合成例1で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン450mlに溶解させ、触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加後、20℃で撹拌しながらエチレン−1−プロペニルエーテル12.0gを滴下し、2時間後、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル8.7gを滴下し、30分間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマー60gをテトラヒドロフラン560mlに溶解させ、1−ヒドロベンゾトリアゾール34.0g、ジイソプロピルカルボンジイミド31.6gを添加後、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール26.3gを添加した。30℃で5時間反応させた後、濃縮して、水3Lに滴下したところ白色の固体が得られた。これを濾過後、アセトン50mlに溶かし、水3Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.2)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の40%がエトキシプロピル化され、20%が架橋構造を有し、40%がNHC(CH3)(CH2OH)2で置換されていることが確認された。
合成例1で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン450mlに溶解させ、触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加後、20℃で撹拌しながらエチレン−1−プロペニルエーテル12.0gを滴下し、2時間後、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル8.7gを滴下し、30分間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマー60gをテトラヒドロフラン560mlに溶解させ、1−ヒドロベンゾトリアゾール34.0g、ジイソプロピルカルボンジイミド31.6gを添加後、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール26.3gを添加した。30℃で5時間反応させた後、濃縮して、水3Lに滴下したところ白色の固体が得られた。これを濾過後、アセトン50mlに溶かし、水3Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.2)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の40%がエトキシプロピル化され、20%が架橋構造を有し、40%がNHC(CH3)(CH2OH)2で置換されていることが確認された。
[合成例11〜18]
合成例9、10において、合成例1〜8のいずれかのポリマーを用い、エチルビニルエーテル及びエタノールアミンの代わりにPolym.3〜10に示す酸不安定基及び一般式(2b)で示される基を導入し得る化合物を用いる以外、また1,4−ブタンジオールジビニルエーテルの代わりに1,4−ビス[(ビニルオキシ)メチル]シクロヘキサンを用いる以外は同様な方法により下記示性式(Polym.3〜10)で示されるシリコーンポリマーを得た。
合成例9、10において、合成例1〜8のいずれかのポリマーを用い、エチルビニルエーテル及びエタノールアミンの代わりにPolym.3〜10に示す酸不安定基及び一般式(2b)で示される基を導入し得る化合物を用いる以外、また1,4−ブタンジオールジビニルエーテルの代わりに1,4−ビス[(ビニルオキシ)メチル]シクロヘキサンを用いる以外は同様な方法により下記示性式(Polym.3〜10)で示されるシリコーンポリマーを得た。
[合成例19]
合成例1で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン450mlに溶解させ、無水トリフルオロ酢酸69.7gを添加後、20℃で撹拌しながらt−ブチルアルコール17.2gを添加した。5時間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマー60gをテトラヒドロフラン560mlに溶解させ、1−ヒドロベンゾトリアゾール34.0g、ジイソプロピルカルボンジイミド31.6gを添加後、4−アミノメチル−1−シクロヘキサノール19.5gを添加した。30℃で5時間反応させた後、濃縮して、水3Lに滴下したところ白色の固体が得られた。これを濾過後、アセトン50mlに溶かし、水3Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.11)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の40%がtert−ブチル化され、60%が下記式で置換されていることが確認された。
合成例1で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン450mlに溶解させ、無水トリフルオロ酢酸69.7gを添加後、20℃で撹拌しながらt−ブチルアルコール17.2gを添加した。5時間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマー60gをテトラヒドロフラン560mlに溶解させ、1−ヒドロベンゾトリアゾール34.0g、ジイソプロピルカルボンジイミド31.6gを添加後、4−アミノメチル−1−シクロヘキサノール19.5gを添加した。30℃で5時間反応させた後、濃縮して、水3Lに滴下したところ白色の固体が得られた。これを濾過後、アセトン50mlに溶かし、水3Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.11)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の40%がtert−ブチル化され、60%が下記式で置換されていることが確認された。
[合成例20]
合成例19において、合成例2のポリマーを用い、4−アミノメチル−1−シクロヘキサノールの代わりに3−アミノ−1,2−プロパンジオールを用いる以外は同様な方法により下記示性式(Polym.12)で示されるシリコーンポリマーを得た。
合成例19において、合成例2のポリマーを用い、4−アミノメチル−1−シクロヘキサノールの代わりに3−アミノ−1,2−プロパンジオールを用いる以外は同様な方法により下記示性式(Polym.12)で示されるシリコーンポリマーを得た。
[合成例21]
合成例19において、合成例6のポリマーを用い、1−アミノメチル−1−シクロヘキサノールの代わりに2−(2−アミノエトキシ)エタノールを用いる以外は同様な方法により下記示性式(Polym.13)で示されるシリコーンポリマーを得た。
合成例19において、合成例6のポリマーを用い、1−アミノメチル−1−シクロヘキサノールの代わりに2−(2−アミノエトキシ)エタノールを用いる以外は同様な方法により下記示性式(Polym.13)で示されるシリコーンポリマーを得た。
[合成例22]
合成例1で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン450mlに溶解させ、触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加後、20℃で撹拌しながらエチル−1−プロペニルエーテル21.5gを添加した。2時間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマー60gをテトラヒドロフランに溶解させ、炭酸カリウムを固体のまま添加し、撹袢しながらブロムエタノール27.8gを添加し、60℃で6時間反応させた後、反応液から固体の炭酸カリウムを濾別した。濾液から減圧下で溶媒及び未反応のブロムエタノールを留去した。残渣をアセトンに溶解し水5Lに滴下したところ、白色の固体が得られた。これを濾過後、アセトン200mlに溶かし、水3Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.14)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の60%がエトキシプロピル化され、40%が−OCH2CH2OHで置換されていることが確認された。
合成例1で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン450mlに溶解させ、触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加後、20℃で撹拌しながらエチル−1−プロペニルエーテル21.5gを添加した。2時間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマー60gをテトラヒドロフランに溶解させ、炭酸カリウムを固体のまま添加し、撹袢しながらブロムエタノール27.8gを添加し、60℃で6時間反応させた後、反応液から固体の炭酸カリウムを濾別した。濾液から減圧下で溶媒及び未反応のブロムエタノールを留去した。残渣をアセトンに溶解し水5Lに滴下したところ、白色の固体が得られた。これを濾過後、アセトン200mlに溶かし、水3Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.14)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の60%がエトキシプロピル化され、40%が−OCH2CH2OHで置換されていることが確認された。
[合成例23]
合成例6のポリマーを用いた以外、合成例20と同様な方法で行い、下記示性式(Polym.15)のシリコーンポリマーを得た。
合成例6のポリマーを用いた以外、合成例20と同様な方法で行い、下記示性式(Polym.15)のシリコーンポリマーを得た。
[合成例24]
ポリ[(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)−(8−ヒドロキシ−4−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカニルシルセスキオキサン)]の合成
3−トリクロロシリル−1−シクロヘキシルカルボン酸メチルエステル75.0g(0.272mol)と8−アセトキシ−4−トリクロロシリルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン89.1g(0.272mol)をトルエン150gに溶解し、水300g中へ室温で撹拌しながら滴下添加した。滴下終了後、反応混合物より酸性水層を分離し、次いで水1Lで有機層を水洗し、水層が中性になってから更に2回水洗を行った。有機層をエバポレーターにより溶媒留去した。その濃縮液を200℃で2時間加熱し、重合した。重合物にテトラヒドロフラン800gを加えて溶解したものを、10%水酸化ナトリウム溶液1,000gへ滴下し、40℃で3時間加熱し、メチルエステル基、アセトキシ基を加水分解した。塩酸で酸性にしてポリマーを晶出し、濾過、乾燥を行い、ポリ[(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)−(8−ヒドロキシ−4−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカニルシルセスキオキサン]を収量98.6gで得た。得られたポリマーの重量平均分子量は4,000であった。また、1H−NMRの分析において、3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン/8−ヒドロキシ−4−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカニルシルセスキオキサンの組成比は50/50(モル比)であった。
ポリ[(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)−(8−ヒドロキシ−4−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカニルシルセスキオキサン)]の合成
3−トリクロロシリル−1−シクロヘキシルカルボン酸メチルエステル75.0g(0.272mol)と8−アセトキシ−4−トリクロロシリルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン89.1g(0.272mol)をトルエン150gに溶解し、水300g中へ室温で撹拌しながら滴下添加した。滴下終了後、反応混合物より酸性水層を分離し、次いで水1Lで有機層を水洗し、水層が中性になってから更に2回水洗を行った。有機層をエバポレーターにより溶媒留去した。その濃縮液を200℃で2時間加熱し、重合した。重合物にテトラヒドロフラン800gを加えて溶解したものを、10%水酸化ナトリウム溶液1,000gへ滴下し、40℃で3時間加熱し、メチルエステル基、アセトキシ基を加水分解した。塩酸で酸性にしてポリマーを晶出し、濾過、乾燥を行い、ポリ[(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)−(8−ヒドロキシ−4−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカニルシルセスキオキサン]を収量98.6gで得た。得られたポリマーの重量平均分子量は4,000であった。また、1H−NMRの分析において、3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン/8−ヒドロキシ−4−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカニルシルセスキオキサンの組成比は50/50(モル比)であった。
[合成例25]
ポリ[(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)−(8−ヒドロキシ−4−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカニルシルセスキオキサン)−(シクロヘキシルシルセスキオキサン)]の合成
3−トリクロロシリル−1−シクロヘキシルカルボン酸メチルエステル60.1g(0.218mol)と8−アセトキシ−4−トリクロロシリルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン71.4g(0.218mol)とシクロヘキシルトリクロロシラン23.7g(0.109mol)をトルエン150gに溶解し、水300g中へ室温で撹拌しながら滴下添加した。滴下終了後、反応混合物より酸性水層を分離し、次いで水1Lで有機層を水洗し、水層が中性になってから更に2回水洗を行った。有機層をエバポレーターにより溶媒留去した。その濃縮液を200℃で2時間加熱し、重合した。重合物にテトラヒドロフラン800gを加えて溶解したものを、10%水酸化ナトリウム溶液1,000gへ滴下し、40℃で3時間加熱し、メチルエステル基、アセトキシ基を加水分解した。塩酸で酸性にしてポリマーを晶出し、濾過、乾燥を行い、ポリ[(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)−(8−ヒドロキシ−4−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカニルシルセスキオキサン)−(シクロヘキシルシルセスキオキサン)]を収量83.4gで得た。得られたポリマーの重量平均分子量は5,000であった。また、1H−NMRの分析において、3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン/8−ヒドロキシ−4−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカニルシルセスキオキサン/シクロヘキシルシルセスキオキサンの組成比は40/40/20(モル比)であった。
ポリ[(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)−(8−ヒドロキシ−4−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカニルシルセスキオキサン)−(シクロヘキシルシルセスキオキサン)]の合成
3−トリクロロシリル−1−シクロヘキシルカルボン酸メチルエステル60.1g(0.218mol)と8−アセトキシ−4−トリクロロシリルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン71.4g(0.218mol)とシクロヘキシルトリクロロシラン23.7g(0.109mol)をトルエン150gに溶解し、水300g中へ室温で撹拌しながら滴下添加した。滴下終了後、反応混合物より酸性水層を分離し、次いで水1Lで有機層を水洗し、水層が中性になってから更に2回水洗を行った。有機層をエバポレーターにより溶媒留去した。その濃縮液を200℃で2時間加熱し、重合した。重合物にテトラヒドロフラン800gを加えて溶解したものを、10%水酸化ナトリウム溶液1,000gへ滴下し、40℃で3時間加熱し、メチルエステル基、アセトキシ基を加水分解した。塩酸で酸性にしてポリマーを晶出し、濾過、乾燥を行い、ポリ[(3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン)−(8−ヒドロキシ−4−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカニルシルセスキオキサン)−(シクロヘキシルシルセスキオキサン)]を収量83.4gで得た。得られたポリマーの重量平均分子量は5,000であった。また、1H−NMRの分析において、3−カルボキシシクロヘキシルシルセスキオキサン/8−ヒドロキシ−4−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカニルシルセスキオキサン/シクロヘキシルシルセスキオキサンの組成比は40/40/20(モル比)であった。
[合成例26〜31]
合成例24、25と同様な方法で表2に示すシリコーンポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量、組成比を表2に示す。
合成例24、25と同様な方法で表2に示すシリコーンポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量、組成比を表2に示す。
[合成例32]
合成例24で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン450mlに溶解させ、触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加後、20℃で撹拌しながらエチルビニルエーテル10.8gを添加した。1時間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.16)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の90%がエトキシエチル化されたことが確認された。
合成例24で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン450mlに溶解させ、触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加後、20℃で撹拌しながらエチルビニルエーテル10.8gを添加した。1時間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.16)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の90%がエトキシエチル化されたことが確認された。
[合成例33]
合成例31で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン450mlに溶解させ、触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加後、20℃で撹拌しながらエチルビニルエーテル8.7gを添加した。1時間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマー60gをテトラヒドロフラン540mlに溶解させ、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール27.0g、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド12.6gを添加後、エタノールアミン6.1gを添加した。30℃で5時間反応させた後、濃縮して、水3Lに滴下したところ白色の固体が得られた。これを濾過後、アセトン50mlに溶かし、水3Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.17)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の60%がエトキシエチル化され、30%が−NHCH2CH2OHで置換されていることが確認された。
合成例31で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン450mlに溶解させ、触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加後、20℃で撹拌しながらエチルビニルエーテル8.7gを添加した。1時間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマー60gをテトラヒドロフラン540mlに溶解させ、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール27.0g、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド12.6gを添加後、エタノールアミン6.1gを添加した。30℃で5時間反応させた後、濃縮して、水3Lに滴下したところ白色の固体が得られた。これを濾過後、アセトン50mlに溶かし、水3Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.17)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の60%がエトキシエチル化され、30%が−NHCH2CH2OHで置換されていることが確認された。
[合成例34]
合成例31で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン450mlに溶解させ、触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加後、20℃で撹拌しながらエチレン−1−プロペニルエーテル6.9gを滴下し、2時間後、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル5.7gを滴下し、30分間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマー60gをテトラヒドロフラン540mlに溶解させ、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール27.0g、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド12.6gを添加後、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール10.5gを添加した。30℃で5時間反応させた後、濃縮して、水3Lに滴下したところ白色の固体が得られた。これを濾過後、アセトン50mlに溶かし、水3Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.18)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の40%がエトキシプロピル化され、20%が架橋構造を有し、30%がNHC(CH3)(CH2OH)2で置換されていることが確認された。
合成例31で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン450mlに溶解させ、触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加後、20℃で撹拌しながらエチレン−1−プロペニルエーテル6.9gを滴下し、2時間後、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル5.7gを滴下し、30分間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマー60gをテトラヒドロフラン540mlに溶解させ、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール27.0g、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド12.6gを添加後、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール10.5gを添加した。30℃で5時間反応させた後、濃縮して、水3Lに滴下したところ白色の固体が得られた。これを濾過後、アセトン50mlに溶かし、水3Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.18)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の40%がエトキシプロピル化され、20%が架橋構造を有し、30%がNHC(CH3)(CH2OH)2で置換されていることが確認された。
[合成例35〜41]
合成例32、33、34において、合成例24〜31のいずれかのポリマーを用い、エチルビニルエーテル及びエタノールアミンの代わりにPolym.19〜25に示す酸不安定基及び一般式(2a)又は(2b)で示される基を導入し得る化合物を用いる以外、また1,4−ブタンジオールジビニルエーテルの代わりに1,4−ビス[(ビニルオキシ)メチル]シクロヘキサンを用いる以外は同様な方法により下記示性式(Polym.19〜25)で示されるシリコーンポリマーを得た。
合成例32、33、34において、合成例24〜31のいずれかのポリマーを用い、エチルビニルエーテル及びエタノールアミンの代わりにPolym.19〜25に示す酸不安定基及び一般式(2a)又は(2b)で示される基を導入し得る化合物を用いる以外、また1,4−ブタンジオールジビニルエーテルの代わりに1,4−ビス[(ビニルオキシ)メチル]シクロヘキサンを用いる以外は同様な方法により下記示性式(Polym.19〜25)で示されるシリコーンポリマーを得た。
[合成例42]
合成例24で得られたポリマー20gをジメチルホルムアミド200mlに溶解させ、炭酸カリウムを固体のまま添加し、撹拌しながらクロロ酢酸−tert−ブチルエステル15.1gを添加し、60℃で6時間反応させた後、反応液から固体の炭酸カリウムを濾別して水10Lを滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶かし、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.26)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子のtert−ブトキシカルボニルメチル化率は60%であることが確認された。
合成例24で得られたポリマー20gをジメチルホルムアミド200mlに溶解させ、炭酸カリウムを固体のまま添加し、撹拌しながらクロロ酢酸−tert−ブチルエステル15.1gを添加し、60℃で6時間反応させた後、反応液から固体の炭酸カリウムを濾別して水10Lを滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶かし、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.26)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子のtert−ブトキシカルボニルメチル化率は60%であることが確認された。
[合成例43]
合成例24で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン180mlに溶解させ、無水トリフルオロ酢酸52.5gを添加後、5℃以下で撹拌しながらtーブチルアルコール18.5gを添加した。2時間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.27)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の80%がtert−ブチル化されたことが確認された。
合成例24で得られたポリマー50gをテトラヒドロフラン180mlに溶解させ、無水トリフルオロ酢酸52.5gを添加後、5℃以下で撹拌しながらtーブチルアルコール18.5gを添加した。2時間反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマーは、下記示性式(Polym.27)で示される構造を有し、1H−NMRによる分析において、高分子化合物のカルボキシル基の水素原子の80%がtert−ブチル化されたことが確認された。
[実施例1〜28]
上記合成例で得られたポリマー(Polym.1〜15)をベース樹脂として使用し、下記式(PAG.1〜5)で示される酸発生剤、下記式(DRR.1,2)で示される溶解制御剤、塩基性化合物、下記式(ACC.1)で示される分子内に≡C−COOHで示される基を有する芳香族化合物を表3、4に示す組成でプロピレングリコールモノエチルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)又はジエチレングリコールモノメチルエーテル(DGLYME)に溶解してレジスト材料を調合し、更に各組成物を0.2μmのテフロン製フィルターで濾過することにより、レジスト液をそれぞれ調製した。
上記合成例で得られたポリマー(Polym.1〜15)をベース樹脂として使用し、下記式(PAG.1〜5)で示される酸発生剤、下記式(DRR.1,2)で示される溶解制御剤、塩基性化合物、下記式(ACC.1)で示される分子内に≡C−COOHで示される基を有する芳香族化合物を表3、4に示す組成でプロピレングリコールモノエチルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)又はジエチレングリコールモノメチルエーテル(DGLYME)に溶解してレジスト材料を調合し、更に各組成物を0.2μmのテフロン製フィルターで濾過することにより、レジスト液をそれぞれ調製した。
得られたレジスト液をシリコンウエハー上へスピンコーティングし、0.3μmの厚さに塗布した。次いで、このシリコンウエハーをホットプレートを用いて100℃で90秒間ベークした。これをArFエキシマレーザーステッパー(ニコン社、NA=0.55)を用いて露光し、110℃で90秒間ベークを施し、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で現像を行うと、パターンを得ることができた。得られたレジストパターンを次のように評価した。結果を表3、4に示す。
評価方法:まず、感度を求めた。次に0.20μmのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量を最適露光量(Eop)として、この露光量における分離しているラインアンドスペースの最小線幅を評価レジストの解像度とした。解像したレジストパターンの形状は、走査型電子顕微鏡を用いて観察した。また、0.18μmラインアンドスペースの凹凸(エッジラフネス)を測長機能付走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S7280)にて測定した。
評価方法:まず、感度を求めた。次に0.20μmのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量を最適露光量(Eop)として、この露光量における分離しているラインアンドスペースの最小線幅を評価レジストの解像度とした。解像したレジストパターンの形状は、走査型電子顕微鏡を用いて観察した。また、0.18μmラインアンドスペースの凹凸(エッジラフネス)を測長機能付走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S7280)にて測定した。
表3、4の結果より、本発明のレジスト材料は、高い解像力と凹凸のない(エッジラフネスの小さい)パターンとなることが確認された。
[実施例29]
シリコンウエハーに下層レジスト材料として、OFPR800(東京応化社製)を2.0μmの厚さに塗布し、200℃で5分間加熱し、硬化させた。この下層レジスト膜上に実施例1で用いたレジスト材料を上述と同様な方法で約0.35μmの厚さで塗布し、プリベークした。次いでKrFエキシマレーザー露光、現像を行い、パターンを下層レジスト膜上に形成した。この時、下層レジスト膜に対して垂直なパターンを得ることができ、裾引きの発現を認めることはなかった。
シリコンウエハーに下層レジスト材料として、OFPR800(東京応化社製)を2.0μmの厚さに塗布し、200℃で5分間加熱し、硬化させた。この下層レジスト膜上に実施例1で用いたレジスト材料を上述と同様な方法で約0.35μmの厚さで塗布し、プリベークした。次いでKrFエキシマレーザー露光、現像を行い、パターンを下層レジスト膜上に形成した。この時、下層レジスト膜に対して垂直なパターンを得ることができ、裾引きの発現を認めることはなかった。
その後、平行平板型スパッタエッチング装置で酸素ガスをエッチャントガスとしてエッチングを行った。下層レジスト膜のエッチング速度が150nm/minであるのに対し、本レジスト膜は15nm/min以下であった。15分間エッチングすることによって本レジスト膜に覆われていない部分の下層レジスト膜は完全に消失し、1μm以上の厚さの2層レジストパターンが形成できた。このエッチング条件を以下に示す。
ガス流量:50sccm,ガス圧:1.3Pa,
rfパワー:50W, dcバイアス:450V
ガス流量:50sccm,ガス圧:1.3Pa,
rfパワー:50W, dcバイアス:450V
[実施例30〜64]
上記合成例で得られたポリマー(Polym.16〜28)をベース樹脂として使用し、下記式(PAG.1〜8)で示される酸発生剤、下記式(DRR.1〜4)で示される溶解制御剤、塩基性化合物、下記式(ACC.1)で示される分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物、酸の作用によって架橋する化合物(Crosslinker 1、2)を表5〜7に示す組成でFC−430(住友3M製)0.05重量%を含む溶媒中に溶解してレジスト材料を調合し、更に各組成物を0.2μmのテフロン製フィルターで濾過することにより、レジスト液をそれぞれ調製した。
上記合成例で得られたポリマー(Polym.16〜28)をベース樹脂として使用し、下記式(PAG.1〜8)で示される酸発生剤、下記式(DRR.1〜4)で示される溶解制御剤、塩基性化合物、下記式(ACC.1)で示される分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物、酸の作用によって架橋する化合物(Crosslinker 1、2)を表5〜7に示す組成でFC−430(住友3M製)0.05重量%を含む溶媒中に溶解してレジスト材料を調合し、更に各組成物を0.2μmのテフロン製フィルターで濾過することにより、レジスト液をそれぞれ調製した。
得られたレジスト液をシリコンウエハー上へスピンコーティングし、0.3μmの厚さに塗布した。次いで、このシリコンウエハーをホットプレートを用いて100℃で90秒間ベークした。これをArFエキシマレーザーステッパー(ニコン社、NA=0.55)を用いて露光し、110℃で90秒間ベークを施し(PEB)、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で現像を行うと、パターンを得ることができた。得られたレジストパターンを次のように評価した。結果を表5〜7に示す。
評価方法:
まず、感度を求めた。次に0.20μmのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量を最適露光量(Eop)として、この露光量における分離しているラインアンドスペースの最小線幅を評価レジストの解像度とした。解像したレジストパターンの形状は、走査型電子顕微鏡を用いて観察した。また、0.20μmラインアンドスペースの凹凸(エッジラフネス)を測長機能付走査型電子顕微鏡(日立製作所、S7280)にて測定した。
評価方法:
まず、感度を求めた。次に0.20μmのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量を最適露光量(Eop)として、この露光量における分離しているラインアンドスペースの最小線幅を評価レジストの解像度とした。解像したレジストパターンの形状は、走査型電子顕微鏡を用いて観察した。また、0.20μmラインアンドスペースの凹凸(エッジラフネス)を測長機能付走査型電子顕微鏡(日立製作所、S7280)にて測定した。
表5〜7の結果より、本発明のレジスト材料は、高い解像力と凹凸のない(エッジラフネスの小さい)パターンとなることが確認された。
[実施例65]
シリコンウエハーに下層レジスト材料として、OFPR800(東京応化社製)を1.0μmの厚さに塗布し、300℃で5分間加熱し、硬化させた。この下層レジスト膜上に実施例30で用いたレジスト材料を上述と同様な方法で0.3μmの厚さで塗布し、プリベークした。次いでKrFエキシマレーザー露光、現像を行い、パターンを下層レジスト膜上に形成した。この時、下層レジスト膜に対して垂直なパターンを得ることができ、裾引きの発現を認めることはなかった。
シリコンウエハーに下層レジスト材料として、OFPR800(東京応化社製)を1.0μmの厚さに塗布し、300℃で5分間加熱し、硬化させた。この下層レジスト膜上に実施例30で用いたレジスト材料を上述と同様な方法で0.3μmの厚さで塗布し、プリベークした。次いでKrFエキシマレーザー露光、現像を行い、パターンを下層レジスト膜上に形成した。この時、下層レジスト膜に対して垂直なパターンを得ることができ、裾引きの発現を認めることはなかった。
その後、平行平板型スパッタエッチング装置で酸素ガスをエッチャントガスとしてエッチングを行った。下層レジスト膜のエッチング速度が150nm/minであるのに対し、本レジスト膜は15nm/min以下であった。15分間エッチングすることによって本レジスト膜に覆われていない部分の下層レジスト膜は完全に消失し、1μm以上の厚さの2層レジストパターンが形成できた。このエッチング条件を以下に示す。
ガス流量:50sccm, ガス圧:1.3Pa,
rfパワー:50W, dcバイアス:450V
ガス流量:50sccm, ガス圧:1.3Pa,
rfパワー:50W, dcバイアス:450V
Claims (15)
- 下記一般式(1)で示される繰り返し単位からなり、重量平均分子量が1,000〜50,000である高分子シリコーン化合物。
x、y、zは上記Z、Z’の価数に応じ、それぞれ1〜5の整数を示す。
R1は下記一般式(2a)又は(2b)で示される基、R2は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の非置換もしくは置換のアルキル基又はアルケニル基、又は炭素数5〜12の非芳香族系の1価の多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基を示す。
式(1)において、p1、p2、p3、p4は、p1+p2+p3+p4=1で、p1、p2が正数、p3が0又は正数、p4が0であって、
0<p1/(p1+p2+p3)≦0.9
0<p2/(p1+p2+p3)≦0.8
0≦p3/(p1+p2+p3)≦0.7
を満足する数であるか、又は、p1、p4が正数、p3が0又は正数、p2が0であって、
0<p1/(p1+p3+p4)≦0.9
0≦p3/(p1+p3+p4)≦0.7
0<p4/(p1+p3+p4)≦0.9
を満足する数である。] - 請求項1記載の一般式(1)で示される繰り返し単位からなる高分子シリコーン化合物のカルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部又は全部が1種又は2種以上の酸不安定基により置換されている重量平均分子量1,000〜50,000の高分子シリコーン化合物。
- カルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により部分置換された上記一般式(1)で示される高分子シリコーン化合物の残りのカルボキシル基及び/又は水酸基の水素原子が、式(1)の高分子シリコーン化合物全体のカルボキシル基及び水酸基の水素原子の0モル%を超え50モル%以下の割合で下記一般式(3a)又は(3b)で示されるC−O−C基を有する基で置換されることにより分子内及び/又は分子間で架橋された請求項2記載の高分子シリコーン化合物。
- 一般式(3a)又は(3b)で示されるC−O−C基を有する架橋基が、下記一般式(3a’’’)又は(3b’’’)で示される請求項3記載の高分子シリコーン化合物。
- 酸不安定基が、下記一般式(4)で示される基、下記一般式(5)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基及び炭素数4〜20のオキソアルキル基より選ばれる1種又は2種以上の基である請求項2、3又は4記載の高分子シリコーン化合物。
- 請求項1乃至5のいずれか1項記載の高分子シリコーン化合物を含有してなることを特徴とするレジスト材料。
- (A)有機溶剤
(B)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する高分子シリコーン化合物又はこの高分子シリコーン化合物のカルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部又は全部が1種又は2種以上の酸不安定基により置換されている重量平均分子量1,000〜50,000の高分子シリコーン化合物、
x、y、zは上記Z、Z’の価数に応じ、それぞれ1〜5の整数を示す。
R1は下記一般式(2a)又は(2b)で示される基、R2は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の非置換もしくは置換のアルキル基又はアルケニル基、又は炭素数5〜12の非芳香族系の1価の多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基を示す。
式(1)において、p1、p2、p3、p4は、p1+p2+p3+p4=1で、p1、p2が正数、p3が0又は正数、p4が0であって、
0<p1/(p1+p2+p3)≦0.9
0<p2/(p1+p2+p3)≦0.8
0≦p3/(p1+p2+p3)≦0.7
を満足する数であるか、又は、p1、p4が正数、p3が0又は正数、p2が0であって、
0<p1/(p1+p3+p4)≦0.9
0≦p3/(p1+p3+p4)≦0.7
0<p4/(p1+p3+p4)≦0.9
を満足する数である。
また、カルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により部分置換された上記一般式(1)で示される高分子シリコーン化合物の残りのカルボキシル基及び/又は水酸基の水素原子全体の0モル%を超え50モル%以下の割合で下記一般式(3a)又は(3b)で示されるC−O−C基を有する基で置換することにより分子内及び/又は分子間で架橋されていてもよい。
(C)酸発生剤
を含有してなることを特徴とするレジスト材料。 - 酸不安定基が、下記一般式(4)で示される基、下記一般式(5)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基及び炭素数4〜20のオキソアルキル基より選ばれる1種又は2種以上の基である請求項7記載のレジスト材料。
- 更に、(D)溶解制御剤を配合したことを特徴とする請求項7又は8記載のレジスト材料。
- 更に、(E)塩基性化合物を配合したことを特徴とする請求項7、8又は9記載のレジスト材料。
- 更に、(F):分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物を配合したことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項記載のレジスト材料。
- 更に、(G):アセチレンアルコール誘導体を配合したことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項記載のレジスト材料。
- (A)有機溶剤
(B)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する高分子シリコーン化合物又はこの高分子シリコーン化合物のカルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により置換されている重量平均分子量1,000〜50,000の高分子シリコーン化合物、
x、y、zは上記Z、Z’の価数に応じ、それぞれ1〜5の整数を示す。
R1は下記一般式(2a)又は(2b)で示される基、R2は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の非置換もしくは置換のアルキル基又はアルケニル基、又は炭素数5〜12の非芳香族系の1価の多環式炭化水素基又は有橋環式炭化水素基を示す。
式(1)において、p1、p2、p3、p4は、p1+p2+p3+p4=1で、p1、p2が正数、p3が0又は正数、p4が0であって、
0<p1/(p1+p2+p3)≦0.9
0<p2/(p1+p2+p3)≦0.8
0≦p3/(p1+p2+p3)≦0.7
を満足する数であるか、又は、p1、p4が正数、p3が0又は正数、p2が0であって、
0<p1/(p1+p3+p4)≦0.9
0≦p3/(p1+p3+p4)≦0.7
0<p4/(p1+p3+p4)≦0.9
を満足する数である。
また、カルボキシル基又はカルボキシル基及び水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により部分置換された上記一般式(1)で示される高分子シリコーン化合物の残りのカルボキシル基及び/又は水酸基の水素原子全体の0モル%を超え50モル%以下の割合で下記一般式(3a)又は(3b)で示されるC−O−C基を有する基で置換することにより分子内及び/又は分子間で架橋されていてもよい。
(C)酸発生剤、
(H)酸の作用によって架橋する化合物
を含有してなることを特徴とするレジスト材料。 - 酸不安定基が、下記一般式(4)で示される基、下記一般式(5)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基及び炭素数4〜20のオキソアルキル基より選ばれる1種又は2種以上の基である請求項13記載のレジスト材料。
- (i)請求項6乃至14のいずれか1項記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、
(ii)次いで加熱処理後、フォトマスクを介して波長300nm以下の高エネルギー線もしくは電子線で露光する工程と、
(iii)必要に応じて加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程と
を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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