JP3918622B2 - 微小物質誘導装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は官能基、蛋白質、抗体、抗原、酵素等に代表される微小物質を誘導させる微小物質誘導装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面プラズモン共鳴計測装置を例にとって従来技術について説明する。特開平10−307104号公報には、表面プラズモン共鳴計測装置が開示されている。この表面プラズモン共鳴計測装置は、図10に示すように、電極201と、微小物質を担持可能な電極として機能する金属膜202をもつ試験片203と、微小物質が供給される微小物質供給部205と、電圧を印加する電圧印加部207とを備えている。試験片203の金属膜202は電極201に対面し、電極201の相手電極として構成されている。電極201は導線201aを経て電圧印加部207に接続されていると共に、金属膜202は導線202aを経て電圧印加部207に接続されている。
【0003】
計測の際には、官能基、抗体、蛋白質等の微小物質を含む試料液を微小物質供給部205に供給した状態で、電圧印加部207から電極201及び金属膜202に電圧を直接的に印加する。電極201がマイナス極に、金属膜202がプラス極に印加されたときには、マイナスの極性を有する微小物質は金属膜202(プラス極)に向けて電界誘導され、金属膜202の表面に担持される。このように金属膜202は、微小物質が直接的に担持されるため、計測面としても機能する。
【0004】
表面プラズモン共鳴計測装置においては、発光部300から試験片203の電極である金属膜202に向けて検査光301を入射させる。入射された検査光301は、計測面である金属膜202で全反射し、受光部302で受光される。発光部300から入射される検査光301が試験片203に入射する入射角θ1を変化させる。表面プラズモン共鳴の現象が生じると、反射した光の強度が急激に低下する。このため、反射した光の強度の急激な低下が受光部302により計測されるとき、試験片203に対する入射光の入射角を共鳴角として求める。共鳴角の大きさは、計測面である金属膜202に担持された微小物質の量に応じて変化する。このため共鳴角を求めれば、試験片203の計測面である金属膜202に担持されている微小物質を定量的に計測することができる。なお表面プラズモン共鳴の現象が生じると、反射した光の強度が急激に低下する理由としては、エバネッセント波の波数と表面プラズモンの波数とが一致して共鳴するためと考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記装置によれば、試験片203の計測面である金属膜202における微小物質の担持量を増加させて計測感度を向上させるためには、金属膜202と電極201との間の距離LAをできるだけ近づけることが好ましい。しかしながら上記装置によれば、試験片203の計測面である金属膜202自体に電圧が直接的に印加されるため、試験片203の計測面である金属膜202と電極201との間の放電を回避すべく、試験片203の金属膜202と電極201との距離LAを一定間隔以上離間させる必要がある。この結果、試験片203の計測面である金属膜202に担持させる微小物質の担持量には限界があり、計測感度の向上には限界があった。故に、微小物質供給部205に供給される試料液の微小物質の濃度が希薄のとき等には、計測には限界があった。また同一濃度の試料液を微小物質供給部205に供給したとしても、外乱等の影響を受け、計測結果にばらつきがあり、計測精度の向上には限界があった。
【0006】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、試験片の計測面に担持させる微小物質の担持量を確保するのに有利であり、微小物質の計測における計測感度の向上、計測精度の向上に貢献できる微小物質誘導装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記した課題のもとに、官能基、抗体、蛋白質等の微小物質を誘導させる微小物質誘導装置について鋭意開発を進めている。そして、試験片に形成されている計測面である金属膜に直接的に電圧を印加することを廃止し、試験片の金属膜と別の第2電極を設ける方式を採用し、第1電極及び第2電極を、試験片の計測面を挟む位置に配置すれば、上記した不具合を解消できることを知見し、試験で確認し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明に係る微小物質誘導装置は、第1電極と、第1電極に対して間隔を隔てて配置された第2電極と、微小物質を担持可能な計測面をもつ試験片を保持する試験片保持部と、試験片の計測面に微小物質を供給する微小物質供給部と、第1電極及び第2電極に電圧を印加する電圧印加部とを具備しており、第1電極及び第2電極は、試験片の計測面を挟む位置に配置されており、第1電極及び第2電極に電圧を印加したとき、微小物質供給部の微小物質を第2電極に向けて電界誘導することにより試験片の計測面に担持させることを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る微小物質誘導装置によれば、第1電極及び第2電極に電圧を印加したとき、微小物質供給部の微小物質は、第2電極に向けて電界誘導される。しかし微小物質が第2電極に向かう途中に試験片の計測面が存在するため、微小物質は試験片の計測面に担持される。試験片の計測面は、金属膜で形成されていても良いし、試験片自体の材質(一般的には樹脂やガラス等の非金属物質)で形成されていても良い。
【0010】
本発明に係る微小物質誘導装置によれば、特開平10−307104号公報に係る従来技術と異なり、試験片の計測面に電圧印加部から直接的に電圧を印加しないため、試験片の計測面と第1電極との距離を近づけることができる。よって試験片の計測面の担持部分において、電界誘導を行う電気力線の密度を高めることができ、従って微小物質を試験片の計測面に効率よく担持させることができ、試験片の計測面における微小物質の担持量を多くすることができる。更に試験片の計測面において電界誘導を行う電気力線の密度を高めることができるため、外乱等の影響を低減するのに有利となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、微小物質供給部は微小物質を試験片の計測面に供給するものであり、通路状とすることができる。試験片保持部は試験片を保持するものであり、試験片を保持できる保持面、保持部材等で形成できる。微小物質は粒子レベルでも良いし、超微粒子レベルでも良いし、分子レベルや原子レベルでも良く、天然物質でも、人工物質でも良い。微小物質は一般的に極性を有するか、極性を発揮可能なものであり、官能基、蛋白質、抗体、抗原、酵素、ポリマー、モノマー、リガンド等から選ばれる少なくとも一つを例示できる。具体的には、DNA、RNA、アデニン、グアニン、シトシン、チミン等の核酸塩基、アデノシン、グアノシン、シチジン、チミジン等のヌクレオシド、ヌクレオチド、ペプチド等を例示することができる。更にグリシン、アラニン、システイン、リシン等のアミノ酸を例示することができる。官能基としては、リン酸基、カルボキシル基、スルホ基、アルデヒド基等を例示することができる。抗原としては、ダニアレルゲンとなり得るDerf1やDerf2(コナヒョウダニ),Derp1やDerp2(ヤケヒョウダニ)を例示できる。花粉抗原としてはスギCryj1,Cryj2を例示できる。酵素としては、グルコースオキシターゼを例示できる。
【0012】
第2電極は第1電極の相手電極となるものである。第2電極は試験片とは独立して設けることができる。第2電極が設けられているため、試験片に金属膜が付設されている場合であっても、試験片の金属膜を第2電極として用いずとも良い。従って試験片としては、金属膜を有しないものも用いることができる。勿論、試験片としては、金属膜を有するものを用いることもできる。金属膜としては、金、銀、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼等から選択される少なくとも1種で形成できる。検査光が試験片に入射される場合には、第2電極は、検査光やその反射光が透過する開口窓を有することが好ましい。開口窓により、検査光を用いた計測を支障無く行うことができる。
【0013】
本発明の好ましい形態によれば、第1電極の電極面積は、第2電極の電極面積よりも小さい。この場合、第1電極の電極面付近における電気力線の密度を高くでき、電気力線に基づいて微小物質を高密度に電界誘導させるのに有利となる。第1電極の電極面積を小さくするため、好ましくは、第1電極の少なくとも先端部を針状または棒状とすることができる。第2電極の少なくとも先端部を針状または棒状とすることもできる。針状または棒状は、必要に応じて、電極径が3mm以下、2mm以下、1mm以下、0.5mm以下とすることができる。
【0014】
本発明の好ましい形態によれば、微小物質供給部は通路状とされており、第1電極の少なくとも先端部は、針状または棒状とされており、その先端部は通路状の微小物質供給部に進入している。このように第1電極の針状または棒状の先端部を通路状の微小物質供給部に進入させれば、第1電極の針状または棒状の先端部を試験片の計測面に接近させることができ、電界誘導に影響を与える電気力線の密度を高くでき、従って、電気力線に基づいて微小物質を微小物質供給部に電界誘導させるのに有利となる。
【0015】
電圧印加部は、第1電極及び第2電極に電圧を印加するものである。電圧は直流の電圧が好ましい。本発明に係る微小物質誘導装置の好ましい形態によれば、電圧印加部は、第1電極をマイナス極とすると共に第2電極をプラス極とする第1形態と、第1電極をプラス極とすると共に第2電極をマイナス極とする第2形態とに極性切替可能である。第1形態によれば、第1電極をマイナス極とすると共に第2電極をプラス極とするため、マイナス極となる第1電極側に、プラス極性を有する微小物質、あるいは、微小物質のプラス極性の部分を電界誘導できると共に、プラス極となる第2電極側に、マイナス極性を有する微小物質、あるいは、微小物質のマイナス極性の部分を電界誘導できる。
【0016】
また電圧印加部の第2形態によれば、第1電極をプラス極とすると共に第2電極をマイナス極とするため、プラス極となる第1電極側に、マイナス極性を有する微小物質、あるいは、微小物質のマイナス極性の部分を電界誘導できると共に、マイナス極となる第2電極側に、プラス極性を有する微小物質、あるいは、微小物質のプラス極性の部分を電界誘導できる。第1電極と第2電極との間に印加する電圧としては、微小物質の種類、試料液の種類等の試験条件に応じて適宜選択することができ、3〜1000Vを例示できるが、これに限定されるものではない。
【0017】
本発明の好ましい形態によれば、試験片の計測面を入射目標位置とすると共に全反射する条件で検査光を試験片の計測面に入射する発光部と、反射した検査光を受光する受光部と、発光部から入射される検査光の試験片に対する入射角を相対的に変化させる入射角変更部とを有し、表面プラズモン共鳴計測装置に用いられる。発光部としては、半導体レーザ、発光ダイオード等を例示できる。検査光の指向性を考慮すると、半導体レーザを採用できる。発光部と試験片との間に偏光フィルタを設けることが好ましい。受光部としては、面フォトダイオード、リニアアレイ、CCD素子を例示できる。入射角変更部は、発光部から入射される検査光の試験片に対する入射角を相対的に変化させるものである。入射角変更部は、試験片及び発光部のうちの少なくとも一方を回動させる方式を採用することができる。従って、試験片を回動させる駆動モータ等の駆動源を用いて形成しても良いし、発光部を回動させる駆動モータ等の駆動源を用いて形成しても良い。
【0018】
表面プラズモン共鳴計測装置に用いられる場合には、試験片は、光透過性を有するガラスや樹脂等の透明体と、透明体に設けられた金属膜とを有することが好ましい。金属膜としては、金、銀、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼等から選択される少なくとも1種で形成できるが、計測性等を考慮すると金が好ましい。表面プラズモン共鳴を良好に計測するためには、金属膜は光透過性を有することが好ましい。従って金属膜は金属薄膜が好ましい。金属膜の厚みは1マイクロメートル以下にでき、殊に、500ナノメートル以下にすることができ、なかでも30〜80ナノメートル、40〜60ナノメートルとすることができるが、こられに限定されるものではない。金属膜の製法としては蒸着等の物理的成膜、CVD等の化学的成膜を例示できる。
【0019】
表面プラズモン共鳴計測装置においては、試験片の計測面を入射目標位置とすると共に全反射する条件で検査光を発光部から発光し、検査光を試験片に入射する。検査光が全反射するため、全反射した光を受光部が受光する。発光部から入射される検査光の試験片に対する入射角を入射角変更部により相対的に変化させる。表面プラズモン共鳴の現象が生じると、反射した光の強度が急激に低下する。このため、反射した光の強度の急激な低下が受光部により計測されるとき、試験片に対する入射光の入射角を共鳴角として求める。共鳴角の大きさは、試験片5の計測面である金属膜53に担持されている微小物質の担持量に応じて変化する。このため共鳴角を求めれば、試験片5の計測面である金属膜53に担持されている微小物質を定量的に計測することができる。
【0020】
本発明の好ましい形態によれば、第1電極は、試験片の計測面に対して相対変位可能とされており、第1電極を試験片の計測面に対して相対変位させることにより、第1電極と試験片の計測面との距離を調整可能な駆動部が設けられている。この場合、第1電極と試験片の計測面との距離を駆動部により調整できるため、試験片の計測面に対する微小物質の担持量を調整できる。
【0021】
【実施例】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例を図1〜図3を参照して説明する。本実施例は表面プラズモン共鳴計測装置における微小物質の誘導に適用した場合である。本実施例に係る装置は、基部1と、基部1に保持された第1電極2と、第1電極2に対して間隔を隔てて配置された第2電極3と、基部1に設けられ微小物質を担持可能な計測面をもつ試験片5を着脱可能に保持する試験片保持部4と、基部1に設けられ微小物質を含む試料液100が供給される微小物質供給部6と、第1電極2及び第2電極3に電圧を印加する電圧印加部7とを具備しておりている。
【0022】
微小物質供給部6は、試験片5の計測面である金属膜53と第1電極2との間に位置するように設けられており、微小物質を含む試料液100が供給される入口通路60と、試料液100が排出される出口通路61と、入口通路60及び出口通路61の間に形成された検査通路62とを有する。検査通路62のうち試験片5の金属膜53に対面する側は、開口62aとされている。入口通路60には、微小物質を含む試料液100が図略の試料液供給部から供給される。出口通路61は微小物質を含む試料液100を排出する。
【0023】
試料液100に含まれている微小物質は、粒子レベルでも良いし、超微粒子レベルでも良いし、分子レベル、原子レベルでも良く、天然物質でも、人工物質でも良い。微小物質は一般的に極性を有するか、極性を発揮可能なものであり、官能基、蛋白質、抗体、抗原、酵素、ポリマー、モノマー等から選ばれた少なくとも一つを例示できる。
【0024】
本実施例で用いる試験片5はバイオ系のセンサチップであり、平坦な表面52f(第1電極2に背向する面)及び裏面52r(第1電極2に対向する面)を有するガラス等で形成された均等厚みの透明体52と、透明体52の平坦な裏面52rに蒸着等の成膜手段により薄層状に積層された金属膜53とを有する。透明体52の厚みは一般的に3ミリメートル以下、1ミリメートル以下でであるが、これに限定されるものではない。金属膜53は、透明体52を介して第2電極3に背向するように試験片5の裏面52rに形成されている。また金属膜53は第1電極2に対向するように設けられている。なお、金属膜53は金を基材としており、厚みは500ナノメートル以下である。
【0025】
試験片保持部4は、微小物質供給部6と試験片5の計測面である金属膜53とが対面するように試験片5を保持するものであり、試験片5を固定的に保持することができる。この場合、試験片5の計測面である金属膜53と試験片保持部4との間にマッチングオイルを介在させつつ、金属膜53を試験片保持部4に宛う。
【0026】
第1電極2は導電材料で形成されており、基部1を貫いた状態で設けられている。第1電極2と試験片5とで微小物質供給部6の検査通路62を挟む位置に、第1電極2は設けられている。第1電極2の先端部2xは微小物質供給部6の検査通路62の空間部分に進入している。第1電極2は、基部1を厚み方向に沿って延設された針状または棒状とされているため、第1電極2の先端部2xの電極面積(相手電極である第2電極3に向かう側の面積)は、面状の第2電極3の電極面積よりも小さい。故に第1電極2の先端部2x付近における電気力線の密度を高くでき、電気力線に基づいて微小物質を試験片5の金属膜53に電界誘導させるのに有利となる。
【0027】
第1電極2は前述したように針状または棒状であり、その先端部2xは微小物質供給部6の検査通路62内に進入している。第1電極2の先端部2xと金属膜53との間隔Lは、0.5ミリメートル以下、殊に0.3ミリメートル以下、なかでも0.1ミリメートル以下に設定されている。このように針状または棒状の第1電極2の先端部2xを微小物質供給部6の検査通路62内に進入させれば、第1電極2の先端部2xを試験片5の金属膜53にできるだけ接近させることができ、微小物質供給部6の検査通路62の検査通路62付近における電気力線の密度を高くできる。よって、電気力線に基づいて微小物質を微小物質供給部6の検査通路62に集中させるのに有利となる。
【0028】
第2電極3は導電材料で形成されており、第1電極2の相手電極となるものであり、本実施例では面状電極である。第2電極3は試験片5の表面52f側に配置される。第2電極3は試験片5の表面52fに接触させて配置しても良いし、間隔を隔てて配置されても良い。従って第2電極3は第1電極2と交差する方向、殊に直交する方向に沿って面状に配置される。第2電極3は、試験片5のうち検査光84が入射される側である表面52f側において、試験片5とは独立して設けられている。第2電極3は、試験片5の表面52f側に配置される図略のプリズムの底面に固定したり、図略の電極保持部材により固定したりすることができる。
【0029】
本実施例によれば、図1に示すように、第1電極2及び第2電極3は、試験片5の計測面である金属膜53を挟む位置に配置されている。第2電極3には開口窓30が発光部80及び受光部82に対面する側に設けられている。なお検査光84は開口窓30を透過できる。
【0030】
電圧印加部7は、導線73a及び73cを介して第1電極2及び第2電極に電圧を印加するものであり、極性が切替可能である。電圧印加部7は、直流の電源70と、電源70の極性を切り替えする切替スイッチ部71とを有する。電圧印加部7は、第1電極2をマイナス極とすると共に第2電極3をプラス極とする第1形態と、第1電極2をプラス極とすると共に第2電極3をマイナス極とする第2形態とに極性切替可能である。第1形態によれば、第1電極2をマイナス極とするため、第1電極2に、プラス極性を有する微小物質、あるいは、微小物質のプラス極性の部分を電界誘導できる。また第1形態によれば、第2電極3をプラス極とするため、第2電極3に、マイナス極性を有する微小物質、あるいは、微小物質のマイナス極性の部分を電界誘導できる。
【0031】
第2形態によれば、第1電極2をプラス極とするため、第1電極2にもマイナス極性を有する微小物質、あるいは、微小物質のマイナス極性の部分を電界誘導できる。また第2形態によれば、第2電極3をマイナス極とするため、第2電極3に、プラス極性を有する微小物質、あるいは、微小物質のプラス極性の部分を電界誘導できる。
【0032】
本実施例によれば、発光部80が設けられている。発光部80は、試験片5の金属膜53を入射目標位置Mとすると共に全反射する条件で検査光84を試験片5の金属膜53の入射目標位置Mに入射させる。受光部82は、検査光84が反射した反射光84xを受光する。入射角変更部86は、発光部80から入射される検査光84の試験片5に対する入射角θ1を相対的に変化させるものであり、試験片5に対して発光部80を矢印W1、W2方向に移動させる。発光部80は半導体レーザまたは発光ダイオードで形成されている。入射角変更部86は、発光部80から入射される検査光84の試験片5に対する入射角θ1を相対的に変化させるものであり、発光部80を保持する可動体86aと、試験片5の金属膜53において検査光84の入射目標位置Mを回動中心域として可動体86aを矢印W1、W2方向に沿って移動させる駆動源86bとで形成されている。発光部80と試験片5との間に偏光フィルタ85が設けられている。受光部82としてはアレイ型検出器を採用することができる。
【0033】
試験片5のうち計測面である金属膜53に微小物質を担持させるにあたっては、図1に示すように、試験片5の金属膜53と試験片保持部4とが対面して接触するように、試験片5が試験片保持部4に保持される。この状態で、微小物質を含む試料液100が微小物質供給部6の入口通路60から検査通路62に矢印S1方向へ供給される。そして電圧印加部7により第1電極2及び第2電極3に直流の電圧を印加する。電圧印加部7の第1形態では、第1電極2をマイナス極とすると共に第2電極3をプラス極とする。図2は、第1電極2をマイナス極とすると共に第2電極3をプラス極としたときにおける担持状況を想像して示す。図2に模式的に示すように、検査通路62内の試料液100に含まれているマイナス極性を有する微小物質200、微小物質200のマイナス極性を有する部分は、プラス極となる第2電極3に向けて電界誘導されて矢印P1方向へ吸引される。しかし微小物質が第2電極3に向かう途中に試験片5の計測面である金属膜53が存在するため、微小物質200は試験片5の計測面である金属膜53に担持される。
【0034】
本実施例によれば、特開平10−307104号公報に係る従来技術と異なり、試験片5の計測面である金属膜53に電圧印加部7から直接的に電圧を印加しないため、試験片5の計測面である金属膜53と第1電極2との距離Lを近づけることができる。よって微小物質が担持される部分の電気力線の密度を高めることができ、試験片5の計測面である金属膜53に微小物質を効率よく担持させることができ、ひいては、試験片5の計測面である金属膜53に担持される微小物質の担持量を多くすることができる。
【0035】
このように試験片5の計測面である金属膜53に微小物質を担持させた状態において、計測工程を行う。計測工程では、試験片5の金属膜53を入射目標位置Mとすると共に全反射する条件で検査光84を発光部80から試験片5の金属膜53に向けて発光させる。試験片5の金属膜53において検査光84の入射目標位置Mを第1電極2の先端部2xの延長線上領域または延長線近傍領域とすることができる。
【0036】
検査光84は試験片5の金属膜53で全反射するため、全反射した反射光84xは受光部82で受光される。発光部80から入射される検査光84の試験片5の法線Yに対する入射角θ1を入射角変更部86により相対的に変化させる。表面プラズモン共鳴の現象が生じると、前述したように、試験片5の金属膜53で全反射した反射光84xの強度は急激に低下する。このように全反射した反射光84xの強度の急激な低下が受光部82により計測されるとき、試験片5に対する入射光の入射角θ1を共鳴角として求める。共鳴角の大きさは、微小物質の量に応じて変化するため、共鳴角を求めれば、微小物質供給部6の検査通路62に担持されている微小物質の量を定量的に計測することができる。
【0037】
本発明者らは試験を行った。この試験では、リン酸緩衝液を検査通路62に、つまり、第1電極2と第2電極3との間に、5マイクロリットル/分の流速で供給した。リン酸緩衝液中には、プラス帯電のナトリウム基及びカリウム基と、マイナス帯電のリン酸基とが混在している。表面プラズモン共鳴による計測においては分子量等の制約があり、分子量が大きいものは計測し易いが、リン酸基、ナトリウム基、及びカリウム基等は本来的には計測しにくいものである。
【0038】
本試験では、第1電極2と第2電極3との間に電圧(500Vの直流電圧)を印加し、溶液中のリン酸基を試験片5の金属膜53に電界誘導させた。このように試験片5の金属膜53へのリン酸基の誘導操作を行った後で、表面プラズモン共鳴により発生した共鳴角の変化を求めた。試験結果を図3に示す。図3の横軸は測定時間(秒,最初の100秒は電圧無印加)、縦軸は共鳴角の大きさを示す。図3の特性線W1、W2、W3において黒色部分はプロット点の集合を示す。特性線W1は電圧無印加の場合を示す。特性線W1に示すように、電圧無印加のときには、共鳴角の変化は認められなかった。特性線W2は、第1電極2をマイナス極に印加すると共に第2電極3をプラス極に印加したときにおける共鳴角の変化を示す。この場合、マイナス帯電のリン酸基が第2電極3(プラス極)に電界誘導され、試験片5の金属膜53に担持される。従って特性線W2は、マイナス帯電のリン酸基が試験片5の金属膜53に担持された担持量に相当するものと推察される。このように表面プラズモン共鳴による計測においては、分子量等の関係で本来的には計測しにくいリン酸基であっても、電界誘導すれば、試験片5の金属膜53に効率よく担持され、計測を行うことができる。
【0039】
図3の特性線W3は、第1電極2をプラス極に印加すると共に第2電極3をマイナス極に印加したときにおける共鳴角の変化を示す。この場合、プラス帯電のナトリウム基及びカリウム基は第2電極3(マイナス極)に電界誘導され、試験片5の金属膜53に担持される。従って特性線W3は、プラス帯電のナトリウム基及びカリウム基が試験片5の金属膜53に担持された量に相当すると推察される。このように表面プラズモン共鳴による計測においては、本来的には計測しにくいナトリウム基及びカリウム基であっても、電界誘導すれば、計測性を改善することができる。なお、上記した試験結果に基づけば、共極性の強さ及び分子量から、リン酸基よりもナトリウム基及びカリウム基は、共鳴角の変化に与える影響が少ないものと推察される。なお、特性線W2、W3は一般的には時間が経過すると、飽和状態またはこれに近い状態となる。特性線W2、W3による共鳴角、または、特性線W2、W3の勾配により計測を行うことができる。
【0040】
以上説明したように本実施例によれば、第1電極2及び第2電極3に電圧を印加したとき、微小物質供給部6に供給された官能基、抗体、蛋白質等の微小物質は第2電極3に向けて電界誘導される。しかし微小物質が第2電極3に向かう途中に試験片5の計測面である金属膜53が存在するため、電界誘導される微小物質は試験片5の計測面である金属膜53に担持される。このため本来的には担持されにくい微小物質であっても、あるいは、試料液100に含まれている微小物質の濃度が少ないときであっても、微小物質を電界誘導により試験片5の計測面である金属膜53に担持させ、担持量を増加させることができる。
【0041】
本実施例によれば、特開平10−307104号公報に係る従来技術と異なり、第1電極2の相手電極として、試験片5の金属膜53を採用する方式を廃止し、第2電極3を新しく設けている。このため試験片5の計測面である金属膜53に電圧印加部7から直接的に電圧を印加せずに済む。このため放電を回避しつつ、試験片5の計測面である金属膜53と第1電極2との距離Lをできるだけ近づけることができる。よって試験片5の金属膜53において微小物質を担持させる担持部分における電気力線の密度を高めることができ、微小物質を試験片5の計測面である金属膜53に効率よく担持させることができ、試験片5の計測面である金属膜53における微小物質の担持量を多くすることができる。故に表面プラズモン共鳴を利用した計測装置において、計測感度を向上させることができる。更に試験片5の金属膜53において微小物質を担持させる担持部分について、電気力線の密度を高めることができるため、外乱等の影響を受けにくくなり、計測精度も向上させることができる。従って同様の試料液100を用いたとき、計測結果のばらつきを低減させることができる。
【0042】
更に本実施例によれば、第1電極2は、基部1を厚み方向に沿って延設された針状または棒状とされている。故に第1電極2の先端部2x付近における電気力線の密度を高くでき、官能基(例えばリン酸基等)等の微小物質を電気力線に基づいて金属膜53の担持部分(検査光84の入射目標位置Mの付近)に集中させることができる。従って、本来的には担持されにくい微小物質であっても、あるいは、試料液100の微小物質の濃度が少ないときであっても、試験片5の金属膜53のうち、検査光84が入射される部位(検査光84の入射目標位置M)に効率よく微小物質を集中させて担持することができ、表面プラズモン共鳴を利用して計測するとき、計測感度を良好にできる。
【0043】
更に本実施例によれば、第1電極2の先端部2xは前述したように針状または棒状であり、その先端部2xは微小物質供給部6の検査通路62内に進入している。このため、第1電極2の針状または棒状の先端部2xを微小物質供給部6の検査通路62、ひいては試験片5の金属膜53に一層接近させることができ、微小物質供給部6の検査通路62付近における電気力線の密度を高くできる。よって、微小物質を電気力線に基づいて微小物質供給部6の検査通路62に吸引させるのに有利となる。従って、微小物質を試験片5の金属膜53に担持させる量を一層確保することができる。故に表面プラズモン共鳴を利用して計測するとき、計測感度を一層良好にできる。更に同一の微小物質を含む試料液100に対して検査を複数回繰り返して行うときであっても、外乱等の影響を抑えつつ、電界誘導により微小物質を試験片5Cの計測面51Cに効率よく担持させることができるため、計測結果のバラツキを低減でき、計測精度を向上させ得る。
【0044】
また本実施例によれば、電圧印加部7は極性を切替可能である。このため電圧印加部7の切替スイッチ部71を操作して電圧印加部7の極性を切り替えれば、マイナスの極性をもつ微小物質を試験片5の金属膜53に担持させたり、プラスの極性をもつ微小物質を試験片5の金属膜53に担持させたりすることができる。
【0045】
加えて本実施例によれば、電圧印加部7は上記したように極性を切替可能であるため、微小物質を試験片5の金属膜53に担持させた状態で、電圧印加部7の極性を切り替えれば、試験片5の金属膜53に担持されている微小物質の配向を制御することも可能となる。
【0046】
また本実施例によれば、第2電極3には開口窓30が検査通路62、第1電極2に対面するように設けられている。検査光84は開口窓30を透過でき、反射光84xも開口窓30を透過できるため、第2電極3によって検査光84及び反射光84xが遮られることを抑えることができる。故に表面プラズモン現象を利用した計測を良好に行うことができる。
【0047】
なお図1に示す実施例は、表面プラズモン共鳴計測装置に適用しているため、発光部80、受光部82、偏光フィルタ85を有しているが、一般的に微小物質誘導装置に適用する場合には、発光部80、受光部82、偏光フィルタ85が設けられていなくても良い。
【0048】
(第2実施例)
本発明の第2実施例を図4を参照して説明する。本実施例は基本的には第1実施例と同様な構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、相違する部分を中心として説明する。第1電極2は第1実施例と同様に針状または棒状であり、その先端部2xは微小物質供給部6の検査通路62内に進入している。第1電極2の相手である第2電極3Bは針状または棒状であり、第1電極2に対向して配置されている。
【0049】
本実施例によれば、図4に示すように、第1電極2及び第2電極3Bは、針状または棒状とされており、互いに対向するように設けられている。故に電気力線の分散を抑え、試験片5の金属膜53の担持部分における電気力線の密度を高くでき、官能基(例えばリン酸基等)等の微小物質を電気力線に基づいて効率よく集中させて試験片5の金属膜53に効率よく担持させることができる。よって、表面プラズモン共鳴を利用して計測するとき、計測感度を良好にできる。更に微小物質を含む同様の試料液100に対して検査を複数回繰り返して行うときであっても、外乱等の影響を抑えつつ、電界誘導により微小物質を試験片5の計測面である金属膜53に効率よく担持させることができるため、計測結果のバラツキを低減でき、計測精度を向上させ得る。
【0050】
本実施例によれば、第1電極2の先端部2xと第2電極3Bの先端部3xとを仮想的に結ぶ延長線上付近に、微小物質は電界誘導され易いと推察される。このため試験片5の金属膜53において検査光84の入射目標位置Mを第1電極2の先端部2xと第2電極3Bの先端部2xとを仮想的に結ぶ延延長線上領域または延長線近傍領域とすれば、試験片5の金属膜53に担持されている微小物質を効果的に計測できる。
【0051】
また本実施例によれば、第2電極3Bは針状または棒状であるため、検査光84及びその反射光84xは第2電極3Bに邪魔されることなく、第2電極3Bの周辺を透過できるため、表面プラズモン現象を利用した計測を良好に行うことができる。なお第2実施例は、表面プラズモン共鳴計測装置へ適用できるが、これに限定されるものではなく、微小物質を電界誘導させる微小物質誘導装置に広く適用できるものである。
【0052】
(第3実施例)
本発明の第3実施例を図5を参照して説明する。本実施例は基本的には第1実施例と同様な構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。以下相違する部分を中心として説明する。本実施例によれば、試験片5に対面するように設けられた面状の第2電極3には開口窓30が形成されており、開口窓30には、島状の電極部35がアーム状の接続導電部35cを介して形成されている。島状の電極部35は、面状の第2電極3から接続導電部35cを介して給電される。開口窓30は検査光84及びその反射光84xが透過するための開口である。図5に示すように、島状の電極部35は、第1電極2の先端部2xに対向するように第1電極2の先端部2xの延長線上に位置に設けられている。この場合、島状の電極部35と第1電極2とを結ぶ方向に沿って電気力線が集中し易いため、試験片5の計測面の金属膜53の目標位置(検査光84の入射目標位置M付近)に微小物質を集中的に担持させるのに有利である。なお第4実施例は、表面プラズモン共鳴計測装置へ適用できるが、これに限定されるものではなく、微小物質を電界誘導させる微小物質誘導装置に広く適用できるものである。
【0053】
(第4実施例)
本発明の第4実施例を図6を参照して説明する。本実施例は基本的には第1実施例と同様な構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。以下相違する部分を中心として説明する。発光部80Cは回動しないように固定されている。入射角変更部86Cは、発光部80Cから試験片5の金属膜53に入射される検査光84の入射角θ1を相対的に変化させるものである。入射角変更部86Cは、試験片5を保持する試験片保持部4を有する基部1を駆動源86xにより発光部80Cに対して矢印W3、W4方向に回動させる。この場合、試験片5が回動する回動中心域は、検査光84の入射目標位置Mである。即ち、検査光84の入射目標部分は試験片5の回動中心領域であり、第1電極2の延長線上または延長線近傍領域である。
【0054】
(第5実施例)
本発明の第5実施例を図7を参照して説明する。本実施例は基本的には第1実施例と同様な構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、相違する部分を中心として説明する。本実施例で用いる試験片5Dは、表面プラズモン共鳴を利用した計測に使用されるものではなく、従って表面プラズモン共鳴装置で用いる発光部及び受光部は設けられていない。故に第2電極3は、検査光及び反射光を透過させるための前記した開口窓を必要としない。本実施例で用いる試験片5Dは、免疫の抗体の計測、酵素の計測、DNAまたはRNAの計測に使用されるものである。試験片5Dは、平坦な表面52f及び裏面52rを有するガラスまたは樹脂等で形成された均等厚みの透明体52で形成されており、第1実施例とは異なり、表面52fに金属膜は形成されていない。従って試験片5Dの計測面51は金属物質ではなく非金属物質で形成されており、つまり透明体52自体の材料で形成されている。試験片5Dの計測面51は第1電極2の先端部2xに対向するように設けられている。本実施例においても、第1電極2の先端部2xは前述したように針状または棒状であり、その先端部2xは微小物質供給部6の検査通路62内に進入している。この結果、第1電極2の先端部2xと試験片5Dの計測面51との間隔L2は、0.5ミリメートル以下、0.3ミリメートル以下、殊に0.1ミリメートル以下に設定されている。このように第1電極2の針状または棒状の先端部2xを試験片5Dの計測面51に接近させているため、試験片5Dの計測面51における担持部分における電気力線の密度を高くできる。よって、電気力線に基づいて微小物質を電界誘導させるのに有利となる。本実施例においても、第1電極2及び第2電極3は、試験片5Dの計測面51を挟む位置に配置されている。
【0055】
(第6実施例)
本発明の第6実施例を図8を参照して説明する。本実施例は基本的には第1実施例と同様な構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、相違する部分を中心として説明する。本実施例に係る装置では、針状または棒状の第1電極2は基部1にシール摺動部1kを介して保持されており、先端部2xは入射目標位置Mの付近に対向している。第1電極2は第1電極2の長さ方向に沿って微小量移動でき、移動に伴い、先端部2xは試験片5の計測面である金属膜53に対して相対変位可能とされている。駆動部25は、第1電極2をこれの長さ方向に沿って移動させ、先端部2xを試験片5の計測面である金属膜53に対して相対変位させる。駆動部25は、バイモルフ型の圧電素子で形成されたアクチュエータ25aと、アクチュエータ25aを作動させる駆動回路25bとをもつ。この場合、必要に応じて、第1電極2と試験片5の計測面である金属膜53との距離Lを駆動部25により調整でき、担持部分における電気力線の密度を調整できる。このため、試験片5の計測面である金属膜53に対する微小物質の担持量を調整できる。なおアクチュエータ25aとしては、圧電体を積層させたもので良く、磁歪材料でも良い。
【0056】
(第7実施例)
本発明の第7実施例を図9を参照して説明する。本実施例は基本的には第1実施例と同様な構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、相違する部分を中心として説明する。容器状の試験片5Eを用いる。この場合、抗体、抗原、酵素等の微小物質を有する試料液100を容器状の試験片5E(材質:樹脂またはガラス)の容器室5mに収容する。この状態で試験片5Eの底部である計測面51Eを第1電極2及び第2電極3で挟むように配置させる。計測面51Eには金属膜が形成されていない。そして第1電極2及び第2電極3の間に電圧を印加し、試料液100に含まれている微小物質を電界誘導し、容器状の試験片5Eの計測面51Eに担持させることができる。
【0057】
(その他)
第1実施例によれば、第1電極2は針状または棒状電極とされているが、これに限らず、場合によっては面状電極でも良い。試験片5は板状とされているが、これに限定されるものではなく適宜変更できる。本発明は上記した表面プラズモン共鳴計測装置への適用に限定されるものではなく、酵素を担持させる試験片としての酵素センサチップ、蛋白質を担持させる試験片としての蛋白質センサチップ等に代表されるように、酵素や蛋白質等の微小物質を電界誘導させる微小物質誘導装置に広く適用できるものである。その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
【0058】
(付記項1)第1電極と、第1電極に対して間隔を隔てて配置された第2電極と、微小物質を担持可能な計測面をもつ試験片を保持する試験片保持部と、試験片の計測面に微小物質を供給する微小物質供給部と、第1電極及び第2電極に電圧を印加する電圧印加部と、試験片の計測面を目標位置とすると共に全反射する条件で検査光を試験片に入射する発光部と、反射した検査光を受光する受光部と、発光部から入射される検査光の試験片に対する入射角を相対的に変化させる入射角変更部とを具備しており、第1電極及び第2電極は、試験片の計測面を挟む位置に配置されており、第1電極及び第2電極に電圧を印加したとき、微小物質供給部の微小物質を第2電極に向けて電界誘導することにより、第1電極と第2電極との間に存在する試験片の計測面に担持させることを特徴とする表面プラズモン共鳴計測装置。この場合、試験片の計測面に担持された微小物質を、表面プラズモン共鳴を利用して計測できる。
【0059】
(付記項2)付記項1において、第1電極の電極面積は、第2電極の電極面積よりも小さいことを特徴とする表面プラズモン共鳴計測装置。この場合、電気力線の密度を高めることができ、微小物質を目標位置に電界誘導させて担持させるのに有利である。
【0060】
(付記項3)付記項1において、第1電極の少なくとも先端部と第2電極の少なくとも先端部とのうちの一方または双方は、針状または棒状とされていることを特徴とする表面プラズモン共鳴計測装置。この場合、微小物質を目標位置に電界誘導させて担持させるのに有利である。
【0061】
(付記項4)付記項1において、微小物質供給部は通路状とされており、第1電極の少なくとも先端部は、針状のまたは棒状とされており、その先端部は通路状の微小物質供給部に進入していることを特徴とする表面プラズモン共鳴計測装置。この場合、微小物質を目標位置に電界誘導させて担持させるのに有利である。
【0062】
(付記項5)付記項1において、電圧印加部は、第1電極をマイナス極とすると共に第2電極をプラス極とする第1形態と、第1電極をプラス極とすると共に第2電極をマイナス極とする第2形態とに切替可能であることを特徴とする表面プラズモン共鳴計測装置。この場合、異なる極性の微小物質を電界誘導させ得る。更に極性を切り替えれば、微小物質の配向制御に有利である。
【0063】
(付記項6)付記項1において、検査光の入射目標位置は第1電極の先端部2xの延長線上領域または延長線近傍領域であることを特徴とする表面プラズモン共鳴計測装置。この場合、検査光の入射目標位置の付近において電気力線の密度を高めるのに有利であり、電気力線に基づく微小物質の電界誘導を良好に行うことができ、試験片の計測面に微小物質を担持させるのに有利である。
【0064】
(付記項7)第1電極と、第1電極に対して間隔を隔てて配置された第2電極と、微小物質を担持可能な計測面をもつ試験片を保持する試験片保持部と、試験片の計測面に微小物質を供給する微小物質供給部と、第1電極及び第2電極に電圧を印加する電圧印加部とを具備しており、第1電極及び第2電極のうちの少なくとも一方の少なくとも先端部は、第1電極及び第2電極のうちの他方に対向するように設けられ、針状、棒状、島状のいずれかであることを特徴とする微小物質誘導装置。この場合、第1電極と第2電極との間における電気力線の密度を高めるのに有利であり、電気力線に基づく微小物質の電界誘導を良好に行うことができる。
【0065】
(付記項8)第1電極と、第1電極に対して間隔を隔てて配置された第2電極と、微小物質を担持可能な計測面をもつ試験片を保持する試験片保持部と、試験片の計測面に微小物質を供給する微小物質供給部と、第1電極及び第2電極に電圧を印加する電圧印加部とを具備しており、第1電極及び第2電極のうちの少なくとも一方の少なくとも先端部は、針状、棒状、島状のいずれかであることを特徴とする表面プラズモン共鳴計測装置。この場合、第1電極と第2電極との間における電気力線の密度を高めるのに有利であり、電気力線に基づく微小物質の電界誘導を良好に行うことができる。よって分子量等の関係で表面プラズモン共鳴で本来的には計測できないか、あるいは、計測しにくい微小物質であっても、計測性を高めることができる。針状、棒状、島状の部分は、検査光の入射目標位置付近に配置することができる。
【0066】
(付記項9)第1電極と、第1電極に対して間隔を隔てて配置された第2電極と、微小物質を担持可能な計測面をもつ試験片を保持する試験片保持部と、試験片の計測面に微小物質を供給する微小物質供給部と、第1電極及び第2電極に電圧を印加する電圧印加部と、試験片の計測面を目標位置とすると共に全反射する条件で検査光を試験片の計測面に入射させる発光部と、反射した検査光を受光する受光部と、発光部から入射される検査光の試験片に対する入射角を相対的に変化させる入射角変更部とを具備しており、第2電極は、発光部及び受光部と試験片との間に設けられており、第2電極は発光部から発光された検査光及びその反射光を透過する開口窓を有することを特徴とする表面プラズモン共鳴計測装置。この場合、発光部や受光部と試験片との間に第2電極が存在していたとしても、発光部から発光された検査光及びその反射光が第2電極の開口窓を透過する。このため、電界誘導用の第2電極を設けつつも、検査光及びその反射光が第2電極に遮られることなく、表面プラズモン共鳴計測を良好に行うことができる。
【0067】
(付記項10)第1電極と、第1電極に対して間隔を隔てて配置された第2電極と、微小物質を担持可能な計測面をもつ試験片を保持する試験片保持部と、試験片の計測面に微小物質を供給する微小物質供給部と、第1電極及び第2電極に電圧を印加する電圧印加部とを具備しており、電圧印加部は、第1電極をマイナス極とすると共に第2電極をプラス極とする第1形態と、第1電極をプラス極とすると共に第2電極をマイナス極とする第2形態とに極性切替可能であることを特徴とする微小物質誘導装置。極性を切替えれば、異なる極性を有する微小物質を試験片の計測面に電磁誘導させて担持させることができる。微小物質の配向制御も可能である。
【0068】
(付記項11)第1電極と、第1電極に対して間隔を隔てて配置された第2電極と、微小物質を担持可能な計測面をもつ試験片を保持する試験片保持部と、試験片の計測面に微小物質を供給する微小物質供給部と、第1電極及び第2電極に電圧を印加する電圧印加部と、試験片の計測面を目標位置とすると共に全反射する条件で検査光を試験片の計測面に入射させる発光部と、反射した検査光を受光する受光部と、発光部から入射される検査光の試験片に対する入射角を相対的に変化させる入射角変更部とを具備しており、電圧印加部は、前記第1電極をマイナス極とすると共に前記第2電極をプラス極とする第1形態と、前記第1電極をプラス極とすると共に前記第2電極をマイナス極とする第2形態とに極性切替可能であることを特徴とする表面プラズモン共鳴計測装置。電圧印加部の極性を切替えれば、異なる極性を有する微小物質を試験片の計測面に電磁誘導させて担持させることができる。微小物質の配向制御も可能である。
【0069】
(付記項12)第1電極と、第1電極に対して間隔を隔てて配置された第2電極と、微小物質を担持可能な計測面をもつ試験片を保持する試験片保持部と、試験片の計測面に微小物質を供給する微小物質供給部と、第1電極及び第2電極に電圧を印加する電圧印加部とを具備しており、第1電極は、試験片の計測面に対して相対変位可能とされており、第1電極を試験片の計測面に対して相対変位させることにより、第1電極と試験片の計測面との距離を調整可能な駆動部が設けられていることを特徴とする微小物質誘導装置。この場合、第1電極と試験片の計測面との距離を調整でき、微小物質の種類に応じた適切な担持を行うことができる。
【0070】
【発明の効果】
本発明に係る微小物質誘導装置によれば、特開平10−307104号公報に係る従来技術と異なり、試験片の計測面に電圧印加部から直接的に電圧を印加しないため、放電を抑えつつ、試験片の計測面と第1電極との距離を近づけることができる。よって微小物質を試験片の計測面に効率よく担持させることができ、試験片の計測面における微小物質の担持量を多くすることができ、計測感度や計測精度の向上に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る装置の概念図である。
【図2】微小物質を担持させている状態を模式的に示す概念図である。
【図3】測定時間と共鳴角との関係を示すグラフである。
【図4】第2実施例に係る装置の概念図である。
【図5】第3実施例に係る装置の概念図である。
【図6】第4実施例に係る装置の概念図である。
【図7】第5実施例に係る装置の概念図である。
【図8】第6実施例に係る装置の概念図である。
【図9】第7実施例に係る装置の概念図である。
【図10】従来技術に係る装置の概念図である。
【符号の説明】
図中、1は基部、2は第1電極、3は第2電極、4は試験片供給部、5は試験片、51は計測面、53は金属膜、6は微小物質供給部、7は電圧印加部、80は発光部、82は受光部、84は検査光、86は入射角変更部を示す。
Claims (9)
- 第1電極と、前記第1電極に対して間隔を隔てて配置された第2電極と、微小物質を担持可能な計測面をもつ試験片を保持する試験片保持部と、前記試験片の計測面に微小物質を供給する微小物質供給部と、前記第1電極及び前記第2電極に電圧を印加する電圧印加部とを具備しており、
前記第1電極及び前記第2電極は、前記試験片の計測面を挟む位置に配置されており、
前記第1電極及び前記第2電極に電圧を印加したとき、前記微小物質供給部の微小物質を前記第2電極に向けて電界誘導することにより、前記第1電極と前記第2電極との間に存在する前記試験片の計測面に担持させることを特徴とする微小物質誘導装置。 - 請求項1において、前記試験片の計測面は金属膜または非金属物質で形成されていることを特徴とする微小物質誘導装置。
- 請求項1または請求項2において、前記第1電極の電極面積は、前記第2電極の電極面積よりも小さいことを特徴とする微小物質誘導装置。
- 請求項1〜請求項3のいずれか一項において、前記第1電極の少なくとも先端部と前記第2電極の少なくとも先端部とのうちの一方または双方は、針状または棒状とされていることを特徴とする微小物質誘導装置。
- 請求項1〜請求項4のいずれか一項において、前記微小物質供給部は通路状とされており、前記第1電極の少なくとも先端部は、針状または棒状とされており、その先端部は通路状の前記微小物質供給部に進入していることを特徴とする微小物質誘導装置。
- 請求項1〜請求項5のいずれか一項において、前記第2電極は、開口窓を有することを特徴とする微小物質誘導装置。
- 請求項1〜請求項6のいずれか一項において、前記電圧印加部は、前記第1電極をマイナス極とすると共に前記第2電極をプラス極とする第1形態と、前記第1電極をプラス極とすると共に前記第2電極をマイナス極とする第2形態とに極性切替可能であることを特徴とする微小物質誘導装置。
- 請求項1〜請求項7のいずれか一項において、前記第1電極は、前記試験片の計測面に対して相対変位可能とされており、前記第1電極を前記試験片の計測面に対して相対変位させることにより、前記第1電極と前記試験片の計測面との距離を調整可能な駆動部が設けられていることを特徴とする微小物質誘導装置。
- 請求項1〜請求項8のいずれか一項において、前記試験片の計測面を入射目標位置とすると共に全反射する条件で検査光を前記試験片の計測面に入射させる発光部と、反射した検査光を受光する受光部と、前記発光部から入射される検査光の試験片に対する入射角を相対的に変化させる入射角変更部とを有し、表面プラズモン共鳴計測装置に用いられることを特徴とする微小物質誘導装置。
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