JP3917320B2 - Method for producing ferritic stainless steel sheet with excellent ridging resistance - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リジングの発生が極めて少ない耐リジング性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法、とくにスラブを (α+γ) 2相域に加熱抽出したのち、前記高温粗圧延−低温仕上圧延することにより、深絞り性と加工による耐肌荒れ性に優れたフェライト系ステンレス鋼板を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リジング (ローピングともいう) は、フェライト系ステンレス鋼の薄鋼板を引張り加工や深絞り加工した場合に、その鋼板表面の圧延方向に沿って発生した畝状の起伏 (細長いすじ状の凹凸) のことであり、フェライト系ステンレス鋼の鋼板に特有の現象である。
【0003】
一般に、フェライト系ステンレス冷延鋼板 (JIS-SUS430など) は耐食性に優れ、長期間にわたって美しい表面光沢を保持すると共に、良好な加工性を有し、しかも、オーステナイト系ステンレス鋼等に比べると安価であることから、厨房器具、家電用電気機器、自動車部品等の広い分野で使用されている。このように、フェライト系ステンレス鋼は、主として装飾性を要する用途に供されることが多いため、耐食性やプレス加工性はもとより、加工後の表面性状の美麗さも大切な要件となる。ことに、フェライト系ステンレス鋼は、円筒や角筒などの絞り加工用材料として使用されるが、製造方法に起因する材料特性が悪いと、成形加工時に上述したリジングが現れ、表面の美観を損ねるばかりでなく、ひどい場合にはこれが原因となって、成形中に割れが発生するという問題があった。
【0004】
そのため、斯界においては、リジングの発生を軽減しあるいは消滅させ得るようなフェライト系ステンレス鋼を製造することが大きな研究課題となっている。そうしたリジングの発生防止技術については、従来より多くの研究があり、なかでもリジングの発生防止のために均一な再結晶組織をもつ熱延板を製造する方法が注目されている。例えば、
▲1▼ 特公昭45−34016 号公報には、低温で熱間圧延を施し、ついで 800〜830 ℃の箱型焼鈍を施し、その後冷間圧延、仕上げ焼鈍を行うことにより、耐リジング性を向上させるという方法が開示されている。
▲2▼ 特公昭57−61096 号公報には、異形ロール圧延機により圧下率20%以上の熱間圧延を施した後、熱延板焼鈍、冷間圧延、仕上げ焼鈍を施す方法が開示されている。
▲3▼ 特開平 1−111816号公報では、 850℃以上で熱間圧延し、ただちに10℃/秒以上の速度で冷却し、そして 550℃以下の温度で巻き取ることによりフェライトとマルテンサイトの2相組織とし、その後累積圧下率50%以上の冷間圧延を施す方法が提案されている。
▲4▼ 特開平 7−84617 号公報では、粒径:0.9 mm以下の等軸晶が板厚の70%以上を占める連鋳スラブを鋳造し、このスラブを1100〜1000℃において圧下率40%以上の熱間圧延を施した後、熱延板焼鈍、冷間圧延、仕上げ焼鈍を施す方法が提案されている。
▲5▼ 特開平 7−118754号公報では、フェライト系ステンレス鋼の成分設計に当たって、ガンマポテンシャル (γp) を高め、そして加熱を1100〜1220℃の温度で行い、 950〜1050℃の温度で熱間仕上圧延を行い、そして 450〜800 ℃の温度で巻き取りを行ってから脱スケール処理を行い、その後70%以上のトータル圧下率で冷間圧延を行うという方法を提案している。
【0005】
しかしながら、これらの方法はいずれも、全製造工程中、局部的な対策, 即ち、鋳造工程や熱間圧延工程あるいは焼鈍工程等のいずれかの処理を対象として改善提案しており、十分な対策になっていない。しかも、これらの各処理の内容についても、耐リジング性を直接的な解決課題とする技術ではなく、それ故にリジングの低減対策として十分とは言えないのが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
フェライト系ステンレス鋼の薄鋼板に発生するリジング発生原因については、主として、板に存在している不均一組織 (コロニー組織) に起因するという共通した認識がある。たとえば、連続鋳造スラブの柱状晶は普通の熱間粗圧延や熱間仕上圧延の工程だけでは十分に壊わすことができない。従って、このような熱延鋼板に対し、熱延板焼鈍や冷間圧延を施したとしても、コロニー組織が残存する限りリジングの発生を確実に阻止できるような鋼板を得るのは難しいのが実情である。
そこで、本発明の目的は、リジングの発生原因を突き止めることにより、従来のSUS 430 製造技術の下では得られなかった耐リジング性に優れたフェライト系ステンレス鋼板を製造する技術を確立することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上掲の目的の実現に向け鋭意研究を重ねた結果、フェライト系ステンレス鋼のスラブの等軸晶率を向上させたり、熱間圧延時に連続鋳造スラブの柱状晶を確実に分断 (破壊) させると、上記リジングの発生を軽減ないし阻止できることを知見した。そこで本発明では、主として、熱間圧延においてオーステナイト相を析出させかつ再結晶しないようにコントロールし、一方で、析出したそのオーステナイト相の量を制御することにより、リジングの発生原因となる帯状組織を分断させ、このことによりリジングを大幅に軽減するようにした。
【0008】
このような作用効果をより確実に実現するために本発明では、以下に述べる点についてさらに検討した。すなわち、リジングの発生をさらに抑制するために必要な成分組成、鋳造組織、加熱条件、熱延条件 (粗熱延条件、仕上熱延条件) 、冷延条件について検討したところ、
▲1▼ 成分組成としては、C≧0.02wt%のフェライト系ステンレス鋼に対するγ相の最大析出量を表わす指標であるガンマポテンシャル (γp ) を高めること、
▲2▼ 鋳造組織については、連続鋳造スラブの等軸晶率をアップさせること、
▲3▼ 加熱条件としては、フェライトとオーステナイトとの2相 (α+γ) 域での加熱を行うことによりより多くのγ相を析出させること、
▲4▼ 熱延条件としては、2相 (α+γ) 域にて粗圧延を行うことにより、鋳造組織 (柱状晶) を分断させた後、低温の仕上圧延により、熱間圧延板に所定の歪みを蓄積させ、次工程の熱延板焼鈍に際して再結晶させることによって熱延板の組織をランダム化させること、
などを採用することが、耐リジング性に優れるフェライト系ステンレス鋼板の製造に効果的であることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
また、本発明においては、冷間圧延工程にてトータルの圧下率を大きくすることによって、歪みの蓄積をさらに高め、最後の製品の焼鈍過程において再結晶させることによって、製品板の結晶方位のランダム化と結晶粒の微細化を実現しその後、必要に応じて調質圧延を施すことによって、耐リジング性のさらなる向上をはかることができる。
【0010】
このような考え方の下に完成させた本発明は、
C:0.02〜0.10wt%、Si:0.1 〜1.0wt%、Mn:0.1 〜1.0wt%、P:0.040wt%以下、S:0.020wt%以下、Cr:15.0〜18.0wt%、N:0.02〜0.06wt%、Ni:0.1〜0.6wt%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつγpが下記(1)式を満足する成分組成のフェライト系ステンレス鋼の連続鋳造スラブを、モールドからの抽出時に、鋳片厚の15%以上(好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上)が等軸晶である凝固組織を有する連続鋳造スラブを調整し、そして、このスラブを熱間粗圧延および熱間仕上圧延して熱延板とし、次いで通常の焼鈍および冷間圧延することによりフェライト系ステンレス鋼板とする方法において、上記フェライト系ステンレス鋼のスラブを、フェライトおよびオーステナイト2相(α+γ)域の温度1050〜1150℃に加熱し、次いで、その2相温度域において、行う熱間粗圧延は、圧延開始温度を1000℃以上、圧延終了温度を950℃以上とし、かつ各パスの間隔が10秒以下である多パス圧延であって、2パス以上で合計圧下率が50%以上、そして圧下率が20%以上のパスが総パスの1/2以上であって、次の熱間仕上圧延を開始するまでの間を1.2℃/min以上の速度で850℃以下の温度に冷却し、次いで、900℃を超えない温度にて、しかも各パスの間隔を5秒以下の復熱による再結晶が起こらない温度域において、2パス以上で合計圧下率が50%以上になる熱間仕上圧延を行い、その後、回復しない温度である700℃以下まで冷却して巻取ることを特徴とする耐リジングに優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法である。
50.0≦γp=288C−54Si+7.5Mn+22Ni−18.75Cr+350N+338.5≦70.0 ・・・・・・(1)
【0012】
さらに、本発明は、上記熱間圧延の終了後、熱延板焼鈍を含む1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延において、合計で60%以上の圧下率で冷間圧延を行い、そして最終焼鈍と脱スケール処理、または光輝焼鈍を行い、さらに必要に応じ調質圧延を行うようにして、耐リジングに優れたフェライト系ステンレス鋼板を製造することが好ましい方法である。
【0013】
なお、本発明は、熱間仕上圧延を、圧延スタンドの入・出側にファーネスコイラーを具えるステッケルミル, 即ち、通常の方法では1パスごとにコイラーに巻込まれたコイルが再結晶温度以上に復熱して、自然に加工歪みが除かれ、再結晶するようなステッケルミルによる熱間仕上圧延方法に適用することが好適である。また、タンデムミルにも応用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる製造方法において、適用される鋼種、すなわち出発材料 (スラブ) は下記の成分組成のものを連続鋳造して用いる。
C:0.04〜0.10wt%
Cは、γp に及ぼす影響が大きく、上記(1) 式を満足するように成分設計するには、0.04wt%未満では、他のオーステナイト生成元素を多く添加しなければならず、コストアップ、強度低下あるいは製造性と成形性の劣化を招く。一方、0.1 wt%以上の含有量は、Cr炭化物をより多く析出することによって、耐食性が劣化すると共に加工性も悪くなる。従って、適正バランスにするためのCの含有量は、0.04〜0.10wt%である。好ましくは、0.05〜0.07wt%である。
【0015】
Si:0.1 〜1.0 wt%
Si、脱酸のために必要な成分であり、通常のフェライト系ステンレス鋼に含有されている程度の0.1 〜1.0 wt%とした。好ましくは 0.1〜0.4 wt%である。
【0016】
Mn:0.1 〜1.0 wt%
Mnは、脱酸のために必要な元素であり、良好な熱間加工性と強度を確保するため 0.1〜1.0 wt%とした。好ましくは0.2 〜0.7 wt%の範囲である。
【0017】
P:0.040 wt%以下
Pは、靱性、熱間加工性および耐食性を劣化させるので、0.040 wt%以下にすることが望ましい。
【0018】
S:0.020 wt%以下
Sは、靱性、熱間加工性および耐食性を劣化させるので、0.020 wt%以下、より好ましくは 0.010wt%以下にする。
【0019】
Cr:15.0〜18.0wt%
Crは、ステンレス鋼において耐食性および耐高温酸化性のため必要不可欠な成分であり、最低限15wt%の添加が必要である。しかし、その含有量が18wt%を超えるとγp が小さくなり、コストが高くなる。
【0020】
N:0.02〜0.06wt%
Nは、Cと同様にフェライト系ステンレス鋼板においては、Cr窒化物を生成し粒界腐食の原因となる。また、γp に及ぼす影響も大きく、上記(1) 式を満足するためには0.02〜0.06wt%とすることが必要である。好ましくは、0.03〜0.05wt%である。
【0021】
Ni:0.1 〜0.6 wt%
Niは、γ相の生成元素であるが、価額は非常に高く、その添加範囲は 0.1〜0.6 wt%とした。好ましくは、0.02〜0.05wt%である。
【0022】
本発明において、上記フェライト系ステンレス鋼のスラブは、上述した成分組成にするだけでは十分でなく、さらに柱状晶を分断するのに必要な量のγ相を析出させるために、γpの制御が有効である。このγpは、下記(1) 式で表される数値が50〜70となるように制御する。
50.0≦γp =288C-54Si+7.5Mn+22Ni-18.75Cr+350N+338.5 ≦70.0 …(1)
【0023】
この理由は、図1に示すように、γp が50未満ではγの析出量が少なく、γ相の析出による熱延板組織のランダム化効果が小さく、一方、γp が70超ではガンマ相の析出量が多すぎて製造性が劣化する。従って、要求品質を満たすレベルの耐リジング性を得るにはγp は50〜70の範囲にすることが必要である。
なお、図中のリジングレベルAとはWCM<25μm、Bとは25μm≦WCM<35μm、Cとは35μm≦WCM<45μm、DとはWCM≧45μmである。 (測定長さ:20mm)
【0024】
本発明では、上記スラブは、連鋳モールドから抽出するとき、該スラブの少なくとも中心部に等軸晶凝固組織を有し、特にその等軸晶の部分が板厚の15%以上を占める連続鋳造スラブを用いることが必要である。一般に、リジングは、連続鋳造スラブに形成される柱状晶凝固組織に起因し、この組織が冷却の過程で相変態することなく鋳造組織のまま存在し、これが熱延、冷延を経た後も完全には破壊されずに残存して集合組織を形成するためと考えられる。
そこで本発明では、リジングの軽減対策として、リジング発生の根本原因である連鋳スラブの柱状晶組織を低減し、等軸晶凝固組織の割合を上げることにした。とくに、このスラブの等軸晶率が板厚の15%以下ではリジング軽減の効果が小さいため、15%以上とした。好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上にすることが望ましい。
【0025】
本発明ではまた、上記スラブを1050℃以上1150℃以下の温度に加熱することが特徴である。上記成分の組成にかかるフェライト系ステンレス鋼というのは、図2のFe−Cr状態図に示すように、C:0.05wt%, N:0.03wt%, Cr:16wt%のものにおいて、γ相の温度領域は 850〜1200℃に存在する。それを1050〜1150℃の温度域に加熱するということはフェライトとオーステナイトの2相 (α+γ) 域で加熱することになる (α単相域抽出では≧1200℃) 。このような領域で加熱する理由は、γ相を多く析出させることによって、熱間圧延の段階で柱状晶を分断, 破壊し、リジングの発生を阻止しやすくするためである。もし、スラブを上記の範囲以外の温度域に加熱すると、熱間粗熱延中のγ相量が少なくなり、リジング低減効果が少なくなる。
【0026】
本発明では、連鋳スラブの柱状晶を分断するために、2相 (α+γ) 温度域において、少なくとも2パス以上 (好ましくは5〜7パス程度) で合計圧下率が50%以上, 好ましくは65%, より好ましくは75%以上、そして圧下率が20%以上のパスが総パスの 1/2 以上 (好ましくは25%以上のパスが、総パス数の1/2 以上、より好ましくは30%以上のパスが総パス数の1/2 以上) である熱間粗圧延を行う。この理由は、 (α+γ) 2相域において必要な塑性変形量を確保し柱状晶をより効果的に分断するためである。
【0027】
上記の熱間粗圧延は、具体的には、圧延開始温度を1000℃以上, 好ましくは1050℃以上、圧延終了温度を 950℃以上, 好ましくは1000℃以上とし、かつ各パスの間隔, とくに板厚が初期スラブ厚の1/4 以下になるまでのパス時間が10秒以下である多パスにおいて、圧下率が20%以上 (好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上) のパスを総パスの1/2 以上とする熱間粗圧延を行い、その熱間粗圧延後、次工程の熱間仕上圧延を開始するまでの間を 1.2℃/min 以上の速度で冷却する多パスの圧延を行う。このような多パスの熱間粗圧延を行う理由は、圧延開始の温度が1000℃以下になると、多量のγ相を析出するため、α相の再結晶が困難になるからである。また、上記パス間の時間を10秒以下にする理由は、10秒以上では温度の低下を招くと共にγ相の含有量が減少し、リジングの低減効果が減少するからである。
そして、この熱間粗圧延の最終パス前または最終パス後、1.2 ℃/min 以上の速度で 850℃以下の温度に冷却して熱間仕上圧延する理由は、低温で熱間仕上圧延を行うためである。即ち、850 ℃以下に冷却しないと、この熱間仕上圧延中に熱延板の最高温度が復熱によって900 ℃超になり、熱延板組織の一部分が回復し、耐リジング性が劣化するからである。
【0028】
本発明においては低温での熱間仕上圧延を行う。この理由は、熱延板焼鈍時に再結晶に必要な変形歪みを蓄積することにある。即ち、熱間仕上圧延中の熱延板の最高温度は 900℃以下 (好ましくは 850〜700 ℃) の温度で2以上のパス (好ましくは5〜7パス) で合計50%以上 (好ましくは65%以上、より好ましくは75%以上) の累計圧下率の多パス熱間仕上圧延を行うためである。また、このときの合計圧下率が50%未満では、熱延板における変形歪みの蓄積量が少なく、次の熱延板焼鈍にて均一な再結晶が得られないため、耐リジング性が劣化する。
【0029】
本発明においては、熱間仕上圧延終了後、得られる熱延板の歪み解放を最小限に止めるには、巻取り温度を 700℃以下 (好ましくは 650℃以下、より好ましくは 600℃以下) にして巻き取ることが必要である。
【0030】
そして、本発明においては、上述のようにして熱間圧延を終了した後は、熱延板焼鈍を経て1回の冷間圧延または中間焼鈍を挟む2回以上の累計圧下率が60%以上の冷間圧延を行い、最終焼鈍と脱スケール、または光輝焼鈍を行い、その後必要に応じて調質圧延を行うことにより、耐リジング性に優れた、即ちリジングが発生しないフェライト系ステンレス鋼板を製造する。
【0031】
【実施例】
以下、本発明にかかる製造方法に従って、フェライト系ステンレス鋼を製造する実施例について説明する。
表1に示す化学成分を有するフェライト系ステンレス鋼を、転炉 (AOD)で溶解し、これを連続鋳造して中心部は板厚の30%以上が等軸晶である200 mm厚さの連続鋳造スラブとした。次に、表2に示す条件で熱間圧延を行い熱延コイルとした。なお、この熱間圧延の粗圧延は、5、7パスで 200mm〜25mmまで圧延し、仕上圧延は5パスで25mmから6mmまでの圧延を行った。得られた熱延板を 820℃の温度でベル焼鈍し、中間焼鈍を挟む2回冷延で 0.6mm厚の冷延板を製造した。熱延板の断面組織ならびに冷延板のリジング評点を表2に併記した。リジング評点は前述した基準による。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
結果は、表2中の記載に明らかなように、本発明例についてはいずれもうねり (WCM)が25μm以下でリジングの発生は極めて少ないが、比較例については、加熱温度が本発明の範囲を外れる例:No. 5,9,10、仕上圧延温度が 900℃を超えて高い例:6,9,11、パス時間間隔が長く、粗圧延の終了温度が低い例:No. 7、巻取り温度が高い例:No. 8は、WCMがいずれも30μmを超え、リジングの発生が認められた。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、リジングが極めて少ないフェライト系ステンレス鋼を安価にかつ確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リジングレベルに及ぼすγpの影響を示すグラフである。
【図2】C:0.02〜0.10wt%、Cr:15〜18wt%のFe−Crの状態図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is a method for producing a ferritic stainless steel sheet having extremely low ridging generation and excellent ridging resistance, and in particular, by subjecting a slab to heat extraction in the (α + γ) two-phase region, followed by the high temperature rough rolling-low temperature finish rolling. Further, the present invention relates to a method for producing a ferritic stainless steel sheet having excellent deep drawability and resistance to rough skin by processing.
[0002]
[Prior art]
Ridging (also called roping) is a saddle-like undulation (elongated streak-like irregularities) that occurs along the rolling direction of a steel surface of a ferritic stainless steel when it is pulled or deep drawn. This is a phenomenon peculiar to ferritic stainless steel sheets.
[0003]
In general, ferritic stainless steel cold-rolled steel sheets (JIS-SUS430, etc.) have excellent corrosion resistance, maintain a beautiful surface gloss over a long period of time, have good workability, and are less expensive than austenitic stainless steel. For this reason, they are used in a wide range of fields such as kitchen appliances, electric appliances for home appliances, and automobile parts. Thus, since ferritic stainless steel is often used mainly for applications that require decorative properties, not only corrosion resistance and press workability, but also the beauty of the surface properties after processing is an important requirement. In particular, ferritic stainless steel is used as a drawing material such as a cylinder or a square tube. However, if the material properties resulting from the manufacturing method are poor, the above-mentioned ridging appears at the time of molding processing, and the appearance of the surface is impaired. Not only that, but in severe cases, this causes a problem that cracks occur during molding.
[0004]
Therefore, in this field, it has become a major research subject to produce ferritic stainless steel that can reduce or eliminate the generation of ridging. There have been many studies on the ridging generation prevention technology, and a method for producing a hot-rolled sheet having a uniform recrystallized structure is particularly attracting attention in order to prevent ridging generation. For example,
(1) Japanese Patent Publication No. 45-34016 discloses hot rolling at a low temperature, followed by box annealing at 800-830 ° C, followed by cold rolling and finish annealing to improve ridging resistance. A method of making it happen is disclosed.
(2) Japanese Patent Publication No.57-61096 discloses a method in which hot rolling with a rolling reduction of 20% or more is performed by a special shape rolling mill, followed by hot-rolled sheet annealing, cold rolling, and finish annealing. Yes.
(3) In JP-A-1-111816, hot rolling at 850 ° C. or higher, immediately cooling at a rate of 10 ° C./second or higher, and winding at a temperature of 550 ° C. or lower to obtain two ferrite and martensite There has been proposed a method of forming a phase structure and then performing cold rolling with a cumulative rolling reduction of 50% or more.
(4) In Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-84617, a continuous cast slab in which equiaxed grains having a grain size of 0.9 mm or less occupy 70% or more of the plate thickness is cast, and this slab is reduced to a reduction rate of 40% at 1100 to 1000 ° C. There has been proposed a method of performing hot rolling sheet annealing, cold rolling, and finish annealing after performing the above hot rolling.
(5) In JP-A-7-118754, in designing the composition of ferritic stainless steel, the gamma potential (γp) is increased and heating is performed at a temperature of 1100 to 1220 ° C, and hot at a temperature of 950 to 1050 ° C. A method is proposed in which finish rolling is performed, winding is performed at a temperature of 450 to 800 ° C., descaling is performed, and then cold rolling is performed at a total reduction of 70% or more.
[0005]
However, all of these methods have been proposed to improve local measures during the entire manufacturing process, i.e., any of the processes such as the casting process, hot rolling process, or annealing process. is not. Moreover, the content of each of these processes is not a technique that makes ridging resistance a direct solution, and is therefore not a sufficient measure for reducing ridging.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
There is a common recognition that the cause of ridging that occurs in ferritic stainless steel sheet is mainly due to the heterogeneous structure (colony structure) present in the sheet. For example, the columnar crystals of a continuous cast slab cannot be sufficiently broken only by ordinary hot rough rolling and hot finish rolling processes. Therefore, even if hot-rolled sheet annealing or cold rolling is applied to such a hot-rolled steel sheet, it is difficult to obtain a steel sheet that can reliably prevent ridging as long as the colony structure remains. It is.
Accordingly, an object of the present invention is to establish a technique for producing a ferritic stainless steel sheet having excellent ridging resistance, which has not been obtained under the conventional SUS 430 production technique, by determining the cause of ridging. .
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive research aimed at realizing the above-mentioned objectives, the inventors have improved the equiaxed crystal ratio of slabs of ferritic stainless steel, and reliably divided columnar crystals of continuous cast slabs during hot rolling. It was found that the generation of the ridging can be reduced or prevented by (destruction). Therefore, in the present invention, mainly in hot rolling, the austenite phase is controlled to be precipitated and not recrystallized, while the amount of the precipitated austenite phase is controlled, thereby forming a band structure that causes ridging. This was done so that ridging was greatly reduced.
[0008]
In the present invention, the following points have been further studied in order to realize such operational effects more reliably. In other words, we examined the component composition, casting structure, heating conditions, hot rolling conditions (coarse hot rolling conditions, finishing hot rolling conditions) and cold rolling conditions necessary to further suppress the generation of ridging.
(1) As the component composition, increasing the gamma potential (γp), which is an index representing the maximum precipitation amount of the γ phase for C ≧ 0.02 wt% ferritic stainless steel,
(2) For the cast structure, increase the equiaxed crystal ratio of the continuous cast slab,
(3) As heating conditions, more γ phase is precipitated by heating in the two-phase (α + γ) region of ferrite and austenite.
(4) Hot rolling conditions include rough rolling in the two-phase (α + γ) region to sever the cast structure (columnar crystals), and then cold rolling to a predetermined strain on the hot rolled plate. , And randomizing the structure of the hot-rolled sheet by recrystallization during the next process of hot-rolled sheet annealing,
Has been found to be effective in the production of ferritic stainless steel sheets having excellent ridging resistance, and the present invention has been completed.
[0009]
Further, in the present invention, by increasing the total rolling reduction in the cold rolling process, the accumulation of strain is further increased, and the crystal orientation of the product plate is randomized by recrystallization in the final product annealing process. Further improvement of the ridging resistance can be achieved by realizing crystallization and refinement of crystal grains and then subjecting to temper rolling as necessary.
[0010]
The present invention completed under such a concept,
C: 0.02-0.10 wt%, Si: 0.1-1.0 wt%, Mn: 0.1-1.0 wt%, P: 0.040 wt% or less, S: 0.020 wt% or less, Cr : 15.0 to 18.0 wt%, N: 0.02 to 0.06 wt%, Ni: 0.1 to 0.6 wt%, the balance is Fe and inevitable impurities, and γp is the following ( 1) When a continuous cast slab of ferritic stainless steel having a composition satisfying the formula is extracted from a mold, 15% or more (preferably 20% or more, more preferably 25% or more) of the slab thickness is equiaxed. A continuous cast slab having a solidified structure is prepared, and this slab is hot rough-rolled and hot-finished to form a hot-rolled sheet, and then subjected to normal annealing and cold rolling to obtain a ferritic stainless steel sheet. In the method to A slab of ferritic stainless steel is heated to a temperature of 1050 to 1150 ° C. in a ferrite and austenite two-phase (α + γ) region, and then hot rough rolling performed in the two-phase temperature region is performed at a rolling start temperature of 1000 ° C. or higher. In a multi-pass rolling in which the rolling end temperature is 950 ° C. or more and the interval between each pass is 10 seconds or less, there are two passes or more and a total reduction rate of 50% or more and a reduction rate of 20% or more. Cooling to 850 ° C. or lower at a rate of 1.2 ° C./min or higher until the next hot finish rolling is started, and then not exceeding 900 ° C. In the temperature range where recrystallization is not caused by recuperation for 5 seconds or less at intervals of each pass, hot finish rolling is performed in which the total reduction ratio is 50% or more after 2 passes or more, and then does not recover. temperature der It is a method for producing a ferritic stainless steel sheet excellent in ridging resistance, characterized by being cooled to 700 ° C. or lower and wound up .
50.0 ≦ γp = 288C−54Si + 7.5Mn + 22Ni-18.75Cr + 350N + 338.5 ≦ 70.0 (1)
[0012]
Furthermore, in the present invention, after the hot rolling is completed, cold rolling is performed at a reduction rate of 60% or more in total in one or more cold rollings including hot-rolled sheet annealing and two or more cold sandwiches. It is preferable to produce a ferritic stainless steel sheet having excellent ridging resistance by performing final annealing and descaling treatment or bright annealing, and further performing temper rolling as necessary.
[0013]
In the present invention, hot finish rolling is performed in a stickel mill having a furnace coiler on the entry / exit side of the rolling stand, that is, in a normal method, the coil wound in the coiler for each pass is restored to the recrystallization temperature or more. It is suitable to apply to a hot finish rolling method using a Steckel mill that heats and naturally removes processing strain and recrystallizes. It can also be applied to tandem mills.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the production method according to the present invention, the steel type to be applied, that is, the starting material (slab) is used by continuously casting the following component composition.
C: 0.04-0.10wt%
C has a large effect on γp, and in order to design the component so as to satisfy the above equation (1), if it is less than 0.04 wt%, it is necessary to add a large amount of other austenite-generating elements, resulting in an increase in cost and strength. Decreases or deteriorates manufacturability and moldability. On the other hand, when the content is 0.1 wt% or more, more Cr carbide precipitates, which deteriorates corrosion resistance and processability. Therefore, the C content for achieving an appropriate balance is 0.04 to 0.10 wt%. Preferably, it is 0.05-0.07 wt%.
[0015]
Si: 0.1 to 1.0 wt%
Si, a component necessary for deoxidation, was set to 0.1 to 1.0 wt% to the extent that it is contained in ordinary ferritic stainless steel. Preferably it is 0.1-0.4 wt%.
[0016]
Mn: 0.1 to 1.0 wt%
Mn is an element necessary for deoxidation, and is 0.1 to 1.0 wt% in order to ensure good hot workability and strength. Preferably it is the range of 0.2-0.7 wt%.
[0017]
P: 0.040 wt% or less Since P deteriorates toughness, hot workability and corrosion resistance, 0.040 wt% or less is desirable.
[0018]
S: 0.020 wt% or less Since S deteriorates toughness, hot workability and corrosion resistance, it is made 0.020 wt% or less, more preferably 0.010 wt% or less.
[0019]
Cr: 15.0-18.0wt%
Cr is an indispensable component for corrosion resistance and high temperature oxidation resistance in stainless steel, and it is necessary to add at least 15 wt%. However, if the content exceeds 18 wt%, γp decreases and the cost increases.
[0020]
N: 0.02 to 0.06 wt%
N, like C, produces Cr nitride and causes intergranular corrosion in ferritic stainless steel sheets. In addition, the influence on γp is large, and 0.02 to 0.06 wt% is necessary to satisfy the above equation (1). Preferably, it is 0.03-0.05 wt%.
[0021]
Ni: 0.1 to 0.6 wt%
Ni is a formation element of the γ phase, but its value is very high, and the addition range is 0.1 to 0.6 wt%. Preferably, it is 0.02 to 0.05 wt%.
[0022]
In the present invention, the slab of the ferritic stainless steel is not only sufficient to have the above-described component composition, and further, the control of γp is effective in order to precipitate the amount of γ phase necessary to break up the columnar crystals. It is. This γp is controlled so that the numerical value represented by the following formula (1) is 50 to 70.
50.0 ≦ γp = 288C-54Si + 7.5Mn + 22Ni-18.75Cr + 350N + 338.5 ≦ 70.0… (1)
[0023]
The reason for this is that, as shown in FIG. 1, when γp is less than 50, the amount of γ precipitates is small, and the effect of randomizing the hot-rolled sheet structure due to the precipitation of γ phase is small. Too much amount degrades manufacturability. Therefore, in order to obtain ridging resistance at a level that satisfies the required quality, γp must be in the range of 50 to 70.
In the figure, ridging level A is WCM <25 μm, B is 25 μm ≦ WCM <35 μm, C is 35 μm ≦ WCM <45 μm, and D is WCM ≧ 45 μm. (Measurement length: 20mm)
[0024]
In the present invention, when the slab is extracted from the continuous casting mold, the slab has an equiaxed crystal solidification structure at least in the center, and the equiaxed crystal portion particularly accounts for 15% or more of the plate thickness. It is necessary to use a slab. Generally, ridging is caused by a columnar solidified structure formed in a continuous cast slab, and this structure remains as a cast structure without undergoing phase transformation during the cooling process, and this structure remains completely after hot rolling and cold rolling. This is thought to be because it remains without being destroyed and forms a texture.
Therefore, in the present invention, as a countermeasure for reducing ridging, the columnar crystal structure of the continuous cast slab, which is the root cause of ridging, is reduced, and the ratio of equiaxed solidified structure is increased. In particular, if the equiaxed crystal ratio of this slab is 15% or less of the plate thickness, the effect of reducing ridging is small, so it was set to 15% or more. Preferably it is 20% or more, more preferably 25% or more.
[0025]
The present invention is also characterized in that the slab is heated to a temperature of 1050 ° C. or higher and 1150 ° C. or lower. As shown in the Fe-Cr phase diagram of FIG. 2, the ferritic stainless steel according to the composition of the above components is composed of C: 0.05wt%, N: 0.03wt%, Cr: 16wt%, The temperature range is 850-1200 ° C. Heating it to a temperature range of 1050 to 1150 ° C means heating in the two-phase (α + γ) region of ferrite and austenite (≧ 1200 ° C for α single-phase region extraction). The reason for heating in such a region is that by precipitating a large amount of γ phase, the columnar crystals are divided and broken at the stage of hot rolling to facilitate the prevention of ridging. If the slab is heated to a temperature range other than the above range, the amount of γ phase during hot rough hot rolling decreases, and the ridging reduction effect decreases.
[0026]
In the present invention, in order to sever the columnar crystals of the continuous cast slab, the total rolling reduction is at least 50%, preferably at least 2 passes (preferably about 5 to 7 passes) in the two-phase (α + γ) temperature range. %, More preferably 75% or more, and a path with a rolling reduction of 20% or more is 1/2 or more of the total path (preferably 25% or more of the path is 1/2 or more of the total number of paths, more preferably 30% Hot rough rolling is performed in which the above passes are 1/2 or more of the total number of passes). This is because the necessary amount of plastic deformation is secured in the (α + γ) two-phase region and the columnar crystals are more effectively divided.
[0027]
Specifically, the above-mentioned hot rough rolling is performed at a rolling start temperature of 1000 ° C. or higher, preferably 1050 ° C. or higher, a rolling end temperature of 950 ° C. or higher, preferably 1000 ° C. or higher, and the interval between each pass, particularly the plate. In a multi-pass in which the pass time until the thickness becomes 1/4 or less of the initial slab thickness is 10 seconds or less, the total number of passes with a rolling reduction of 20% or more (preferably 25% or more, more preferably 30% or more) Multi-pass rolling that performs hot rough rolling to 1/2 or more of the pass and cools at a rate of 1.2 ° C / min or more after the hot rough rolling until the start of hot finish rolling in the next process I do. The reason for performing such multipass hot rough rolling is that when the temperature at the start of rolling is 1000 ° C. or less, a large amount of γ phase is precipitated, making it difficult to recrystallize the α phase. The reason for setting the time between the passes to 10 seconds or less is that if it is 10 seconds or more, the temperature is lowered and the content of the γ phase is reduced, and the effect of reducing ridging is reduced.
The reason for hot finish rolling after cooling to a temperature of 850 ° C or lower at a rate of 1.2 ° C / min or higher before or after the final pass of hot rough rolling is to perform hot finish rolling at a low temperature. It is. That is, if the temperature is not cooled below 850 ° C, the maximum temperature of the hot-rolled sheet exceeds 900 ° C due to recuperation during the hot finish rolling, so that a part of the hot-rolled sheet structure is recovered and the ridging resistance deteriorates. It is.
[0028]
In the present invention, hot finish rolling is performed at a low temperature. The reason for this is to accumulate deformation strain necessary for recrystallization during hot-rolled sheet annealing. That is, the maximum temperature of the hot-rolled sheet during hot finish rolling is 900 ° C. or less (preferably 850 to 700 ° C.) and 2 or more passes (preferably 5 to 7 passes) in total 50% or more (preferably 65 % Or more, more preferably 75% or more) in order to carry out multi-pass hot finish rolling with a cumulative reduction ratio. In addition, if the total rolling reduction at this time is less than 50%, the accumulated amount of deformation strain in the hot-rolled sheet is small, and uniform recrystallization cannot be obtained in the next hot-rolled sheet annealing, so the ridging resistance is deteriorated. .
[0029]
In the present invention, after the hot finish rolling is completed, the coiling temperature is set to 700 ° C. or lower (preferably 650 ° C. or lower, more preferably 600 ° C. or lower) in order to minimize the strain release of the obtained hot rolled sheet. It is necessary to wind up.
[0030]
In the present invention, after the hot rolling is completed as described above, the total rolling reduction ratio of two or more sandwiching one cold rolling or intermediate annealing through hot rolled sheet annealing is 60% or more. Ferritic stainless steel sheet with excellent ridging resistance, that is, no ridging is produced by performing cold rolling, performing final annealing and descaling or bright annealing, and then performing temper rolling as necessary. .
[0031]
【Example】
Examples of producing ferritic stainless steel according to the production method of the present invention will be described below.
A ferritic stainless steel having the chemical components shown in Table 1 is melted in a converter (AOD) and continuously cast, and the central part is a continuous 200 mm thick whose equiaxed crystal is 30% or more of the plate thickness. A cast slab was used. Next, hot rolling was performed under the conditions shown in Table 2 to obtain a hot rolled coil. In this hot rolling, rough rolling was performed from 200 mm to 25 mm in 5 and 7 passes, and finish rolling was performed from 25 mm to 6 mm in 5 passes. The obtained hot-rolled sheet was subjected to bell annealing at a temperature of 820 ° C., and a cold-rolled sheet having a thickness of 0.6 mm was manufactured by cold rolling twice with intermediate annealing. Table 2 shows the cross-sectional structure of the hot-rolled sheet and the ridging score of the cold-rolled sheet. The ridging score is based on the aforementioned criteria.
[0032]
[Table 1]
[0033]
[Table 2]
[0034]
As is apparent from the description in Table 2, the undulation (WCM) is 25 μm or less for the example of the present invention, and the occurrence of ridging is extremely small. However, for the comparative example, the heating temperature is within the range of the present invention. Example: No. 5, 9, 10, High finish rolling temperature exceeding 900 ° C Example: 6, 9, 11, Example of long pass time interval and low end temperature of rough rolling: No. 7, Winding Example with high temperature: In No. 8, WCM exceeded 30 μm, and ridging was observed.
[0035]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, ferritic stainless steel with very little ridging can be produced inexpensively and reliably.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the effect of γp on ridging levels.
FIG. 2 is a phase diagram of Fe—Cr with C: 0.02 to 0.10 wt% and Cr: 15 to 18 wt%.
Claims (2)
50.0≦γp=288C−54Si+7.5Mn+22Ni−18.75Cr+350N+338.5≦70.0 ・・・・・・(1)C: 0.02-0.10 wt%, Si: 0.1-1.0 wt%, Mn: 0.1-1.0 wt%, P: 0.040 wt% or less, S: 0.020 wt% or less, Cr : 15.0 to 18.0 wt%, N: 0.02 to 0.06 wt%, Ni: 0.1 to 0.6 wt%, the balance is made of Fe and inevitable impurities, and the center is a plate A slab of ferritic stainless steel having an equiaxed crystal structure of 15% or more of the thickness and satisfying the gamma potential (γp) represented by the following formula (1) is used in the ferrite and austenite two-phase (α + γ) region. The hot rough rolling performed at a temperature of 1050 to 1150 ° C. and then in the two-phase temperature range has a rolling start temperature of 1000 ° C. or more, a rolling end temperature of 950 ° C. or more, and the interval between each pass is 10 seconds or less. a multi-pass rolling is 2 The total rolling reduction is 50% or more and the rolling reduction of 20% or more is 1/2 or more of the total pass, and the time until the next hot finish rolling is started is 1.2 ° C / Cooling to a temperature of 850 ° C. or less at a rate of min or more, then, at a temperature not exceeding 900 ° C., and with the interval between each pass being 5 seconds or less, the recrystallization due to reheating does not occur for 2 passes or more. A ferritic stainless steel sheet having excellent ridging resistance, characterized by performing low temperature hot finish rolling with a total rolling reduction of 50% or more, and then cooling and winding to 700 ° C. or less, which is a temperature that does not recover. Production method.
50.0 ≦ γp = 288C−54Si + 7.5Mn + 22Ni-18.75Cr + 350N + 338.5 ≦ 70.0 (1)
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