JP3917289B2 - 抗原の測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料中の抗原を、低濃度であっても正確かつ迅速に測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
臨床検査や食品検査において、試料中に存在する微生物等の測定は、正確かつ迅速に行われる必要がある。従来、微生物検査で一般に行われている培養検査法では、8〜24時間の増菌培養及び18〜24時間の分離培養が必要であり、検体入手後検査成績が判明するまでに膨大な時間を要していた。
【0003】
このため、食品検体中の目的細菌と特異的に結合する抗体を感作した不溶性粒子を接触させて、抗原抗体反応により生じる凝集を検出する検査方法(特開平9−133684号公報)が提案されている。しかしながら、この方法では、検体中に抗原が高濃度存在しないと、これを正確に検出することができないという問題があった。
また、試料溶液中の抗原又は抗体を、抗原又は抗体を担持させた磁性粒子と反応させ、磁石で集めた後、適当な溶媒を用いて磁性粒子に担持されている抗原又は抗体に反応している抗体又は抗原を溶出させ、磁性粒子と分離した後、該溶出液を抗原又は抗体を担持した非磁性担体粒子と反応させ、その凝集を視覚的あるいは光学的にとらえる抗原抗体反応の測定方法(特許第2510551号公報)も提案されている。しかし、この方法の場合には、磁性粒子に担持されている抗原又は抗体に反応している抗体又は抗原を溶出する操作が必要であるため、操作が煩雑であるとともにロスが大きくなり、また非特異的反応も起こりやすく、感度が低くなるという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、試料中の抗原を、低濃度であっても感度良くしかも迅速に測定することができる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意研究を行った結果、試料溶液中に存在する抗原と、磁性粒子に担持させた抗体とを反応させた後、当該磁性粒子を集め、これを少量の液に懸濁させた後、更に抗体を担持した非磁性不溶性粒子を混合して反応させ、得られた反応混合物の凝集の度合いを測定することにより、試料中の抗原が低濃度であっても、これを正確かつ迅速に測定できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、試料溶液中に存在する抗原と、磁性粒子に担持させた抗体とを反応させた後、当該反応混合物に磁場を付与することにより、未反応の磁性粒子及び抗原抗体反応物が担持した磁性粒子を集め、得られた磁性粒子を試料溶液より少量の液に懸濁させた後、当該懸濁液に、抗体を担持した非磁性不溶性粒子を混合して反応させ、得られた反応混合物の凝集の度合いを測定することを特徴とする抗原の測定方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、測定の対象となる抗原としては、微生物又は微生物由来の抗原が挙げられ、具体的には、例えば結核菌、ブドウ球菌、レンサ球菌、淋菌、梅毒菌、百日咳菌、破傷風菌、大腸菌、肺炎球菌、緑膿菌、赤痢菌、ジフテリア菌、腸チフス菌、パラチフス菌、セレウス菌、エルシニア菌、ウエルシュ菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、コレラ菌、ボツリヌス菌、ヘリコバクター、エロモナス菌、レジオネラ、クラミジア、スピロヘータ等の細菌;カンジダ、酵母、アスペルギルス、カビ等の真菌;肺炎ウイルス、肝炎ウイルス、エイズウイルス、ロタウイルス、ヘルペスウイルス、ポリオウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、サイトメガロウイルス等のウイルスなどの病原微生物や、一般環境下に存在するバチルス菌、放線菌、光合成細菌、硝酸菌等の病原性を示さない微生物、更にエンテロトキシン、ベロトキシン等の微生物由来の毒素等の微生物の産生物などが挙げられる。
【0008】
また、このような抗原が含まれる試料溶液としては、
(1)ヒトの血液、体液、尿、便等をそのまま、又はこれらを蒸留水、緩衝液、生理食塩水等に懸濁した溶液、もしくはこれらを培養液に懸濁して増菌培養を行った溶液、
(2)ヒトの組織を蒸留水、緩衝液、生理食塩水等に懸濁した溶液、
(3)魚介類、肉類、穀類、野菜果物類等もしくはこれらを加工したものなどの食品類、又はこれらの食品類を蒸留水、緩衝液、生理食塩水等に懸濁した溶液、もしくはこれらを培養液に懸濁して増菌培養を行った溶液、
(4)海水、河川水、工業用水、排水、下水、飲料水、雑用水等の自然環境下に存在する水系溶液、又はこれらを濾過などの処理を施して濃縮し、この濃縮した試料を培養液に懸濁して増菌培養を行った溶液、
(5)土壌等を蒸留水、緩衝液、生理食塩水等に懸濁した溶液、又は土壌類を培養液に懸濁して増菌培養を行った溶液、
(6)先に挙げた微生物のコロニー等を培養液や蒸留水、緩衝液、生理食塩水等に懸濁した溶液などが挙げられる。
【0009】
前記のような試料溶液は、そのまま測定に用いることができるが、試料溶液中の抗原が不溶性の場合には、当該抗原の可溶化処理を行うのが好ましい。可溶化処理は、加熱、亜硝酸又は亜硝酸塩の添加などにより、行うことができる。ここで、加熱処理は、98〜121℃で5〜15分行うのが好ましい。また、亜硝酸を用いる場合には、亜硝酸濃度が0.25M以上で、これと5〜15分反応させるのが好ましい。
【0010】
本発明で用いられる抗体を担持させる磁性粒子としては、磁性体を含有した有機高分子物質及び無機微粉末が挙げられる。有機高分子物質としては、例えばポリスチレン、ジビニルベンゼンを材料とした有機高分子物質のラテックスが挙げられ、特にジビニルベンゼンラテックスが好ましい。無機微粉末としては、例えばセラミック微粒子、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、炭末等が挙げられる。また、これらの有機高分子物質又は無機微粉末に含有させる磁性体としては、鉄及び磁性酸化鉄が好ましく、これらを5〜100%含有するように調製された磁性粒子を用いるのが好ましい。
磁性粒子の粒径は0.1〜5μm、特に0.2〜2μmであるのが好ましい。
【0011】
また、抗体としては、目的とする抗原に特異的に結合し得るものであれば特に制限されず、例えば微生物そのものや、細胞表面に存在する糖質、タンパク質、糖タンパク質、脂質、及び定着因子を含めた鞭毛、線毛、あるいは微生物の産生する毒素、代謝産物に対する抗体であってもよい。
【0012】
磁性粒子に抗体を担持させる方法としては、通常行われている物理吸着法、化学結合法等を用いることができる。ここで用いる抗体と磁性粒子の重量比は、1:1000〜1:2、特に、1:20〜1:5が好ましい。
【0013】
また、本発明で用いられる非磁性不溶性粒子としては、有機高分子物質及び無機微粉末が挙げられる。有機高分子物質としては、例えばポリスチレン、ジビニルベンゼンを材料とした有機高分子物質のラテックスが挙げられ、特にポリスチレンラテックスが好ましい。無機微粉末としては、例えばセラミック微粒子、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、炭末等が挙げられる。
非磁性不溶性粒子の粒径は0.1〜5μm、特に0.2〜2μmが好ましい。
このような非磁性不溶性粒子に抗体を担持させる方法、及び抗体の量は、磁性粒子の場合と同様である。
【0014】
本発明の測定方法を行うには、まず試料溶液と磁性粒子液を混合し、試料溶液中に存在する抗原と、磁性粒子に担持させた抗体とを反応させる。反応条件は、測定する抗原等により異なるが、一般に室温で5〜60分程度行うのが好ましい。
【0015】
反応が平衡に達したとき、反応混合物に磁場を付与することにより、すなわち容器の外部から磁場をかけるか、又は反応混合物中に磁性体小片を挿入することにより、未反応の磁性粒子及び抗原抗体反応物が担持した磁性粒子を集める。ここで、磁石としては、永久磁石あるいは電磁石等を使用することができる。
【0016】
集めた磁性粒子は、当初の試料溶液よりも少量の液、例えば種々の緩衝液等に懸濁するが、その前に種々の緩衝液等で1回以上洗浄して、磁性粒子上の抗体に結合できなかった未反応抗原及び粒状物、他の不溶物等を反応系から除外することができる。
磁性粒子を洗浄した後、容器の外部から磁場をかけるか、又は反応混合物中に磁性体小片を挿入することにより、磁性粒子を集め、試料溶液よりも少量の液に懸濁する。懸濁させるのに用いる液量は、当初の試料溶液の1/2〜1/1000、特に1/5〜1/20が好ましい。これにより、試料溶液中の抗原を選択的に濃縮することができる。
【0017】
次に、この磁性粒子懸濁液に、抗体を担持した非磁性不溶性粒子液を混合し、懸濁液中の抗原抗体反応物と、非磁性不溶性粒子に担持させた抗体とを反応させる。磁性粒子と非磁性不溶性粒子の重量比は、1:20〜10:1、特に1:2〜2:1であるのが好ましい。
【0018】
反応後、得られた反応混合物の凝集の度合いを測定する。凝集の度合いの測定は、定量する場合には分光器、マイクロプレートリーダー等を用い、また定性する場合は肉眼で行うことができる。特に肉眼で測定するのが容易であり好ましい。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、試料中の抗原を、従来の方法では検出できなかった低い濃度であっても、正確かつ迅速に測定することができる。特に、試料溶液中に存在する抗原と磁性粒子に担持させた抗体との反応では凝集が生じないような量しか試料溶液中に抗原が存在しない場合でも測定することができ、好ましい。大腸菌O157のような、低濃度で病原性のある微生物の測定に特に有利である。
【0020】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0021】
参考例1(抗原の調製)
ホルマリン固定した病原大腸菌O157を1×109個/mlに調製し、これを抗原とした。
【0022】
参考例2(抗体の調製)
参考例1で得られた抗原0.3mlを5週齢、雌のBALB/cマウスに3日〜4日間隔で4回免疫を行った。
更に約2週間後、同抗原0.3mlを追加免疫し、その3日後に脾臓細胞を摘出した。
摘出した脾臓細胞はケラー(kohler)らの方法(Natuer, vol. 256, P495-497(1975))により、マウスミエローマ細胞(P3X63)と融合し、抗O157抗体産生細胞を確立した。
確立した細胞をプリスタン処理したBALB/cマウスに腹腔投与し、約2週間後、抗体含有腹水を採取した。
得られた腹水から硫安塩析によってIgMを精製し、これを抗体とした。
【0023】
参考例3(O157抗体感作磁性粒子液の作製)
支持体として直径1.0μmのジビニルベンゼン製球状磁性粒子(市販品)を用いた。
参考例2により得られたモノクローナル抗体とジビニルベンゼン製球状磁性粒子を各々リン酸緩衝生理食塩液pH7.0に溶解し、抗体とジビニルベンゼン製球状磁性粒子の重量比が1:12となるように抗体を支持体に固定化した。
これをリン酸緩衝生理食塩液で洗浄し、牛血清アルブミンでブロッキングを行ったものをO157抗体感作磁性粒子液(8mg/ml)とした。
【0024】
参考例4(O157抗体感作ラテックス浮遊液の作製)
支持体として直径0.3μmのポリスチレン製球状粒子(市販品)を用いた。
参考例2により得られたモノクローナル抗体とポリスチレン製球状粒子を各々リン酸緩衝生理食塩液pH7.0に溶解し、抗体とポリスチレン製球状粒子の重量比が1:20となるように抗体を支持体に固定化した。
これをリン酸緩衝生理食塩液で洗浄し、牛血清アルブミンでブロッキングを行ったものをO157抗体感作ラテックス浮遊液(10mg/ml)とした。
【0025】
実施例1
(A)試料溶液の調製:
市販挽肉の25gを、滅菌したノボビオシン加mEC培地(栄研化学)225mlに加え、ストマッカーを用いてホモジナイズした後、37℃、一晩培養した。この培養液(前増菌培養)に、予め市販の羊血液寒天培地で37℃、一晩培養したO157を終濃度で105〜107cfu/mlとなるように添加した。
なお陰性対照として、O157を添加せずに以下同様の操作を行った。
上記の菌懸濁液1.5mlをマイクロ遠心チューブに分取し、100℃、10分間加熱処理した。加熱処理した菌懸濁液を、2,000G、5分間遠心分離した後、その上清1mlを採取し、これを試料溶液とした。
【0026】
(B)測定方法:
上記試料溶液1mlに抗O157抗体感作磁性粒子液25μlを加え、室温で攪拌しながら30分間反応させた。反応後、この試料溶液中の磁性粒子を磁石で集め上清を吸引除去した。
集めた磁性粒子に0.01Mリン酸緩衝生理食塩液(pH7.0)0.1mlを加えて磁性粒子を懸濁した。この磁性粒子懸濁液50μlに抗O157抗体感作ラテックス浮遊液25μlを加えて混合した後、室温で3分間緩やかに攪拌し、凝集の有無を肉眼で観察した。
【0027】
(C)従来の方法:
試料溶液50μlと抗O157抗体感作ラテックス浮遊液25μlを加えて混合した後、室温で3分間緩やかに攪拌し、凝集の有無を肉眼で観察した。
【0028】
(D)結果:
同一試料溶液を用いて、従来法及び本発明法との凝集像の肉眼での観察結果を表1に示した。
判定の基準は、黒い背景に強い凝集塊が観察されるものを(+++)、白色を帯びた背景に凝集塊が観察されるものを(++)、乳白色の背景に明らかな磁性粒子の凝集塊が観察されるものを(+)、均一な乳濁を示し凝集塊が観察されないものを(−)とした。
【0029】
【表1】
【0030】
表1に示すように、本発明法ではO157菌濃度が107cfu/ml及び106cfu/mlで明らかな凝集を示しており、O157菌濃度が105cfu/mlでは判定保留であった。
これに対して従来法ではO157菌濃度が107cfu/mlでは明らかな凝集がみられるものの、O157菌濃度が106cfu/ml及び105cfu/mlでは凝集は観察されなかった。
【0031】
実施例2
(A)試料溶液の調製:
市販挽肉25gを、滅菌したノボビオシン加mEC培地(栄研化学)225mlに加え、ストマッカーを用いてホモジナイズした後、37℃、一晩培養した。この培養液(前増菌培養)に、予め市販の羊血液寒天培地で37℃、一晩培養したO157を終濃度で105〜107cfu/mlとなるように添加した。
なお陰性対照として、O157を添加せずに以下同様の操作を行った。
上記の菌懸濁液1.0mlをマイクロ遠心チューブに分取し、2,000G、5分間遠心分離した後、上清を除去した。この沈渣に、1.7M酢酸溶液0.3ml及び2M亜硝酸ナトリウム溶液0.3mlを滴下した後、沈渣が均一に分散するよう、十分に攪拌した。5分間静置後、2Mトリス溶液を適当量滴下して中和した後、2,000G、5分間遠心分離し、その上清1mlを採取し試料溶液とした。
【0032】
(B)測定方法:
上記試料溶液1mlに抗O157抗体感作磁性粒子液25μlを加え、室温で攪拌しながら30分間反応させた。反応後、この試料溶液中の磁性粒子を磁石で集め上清を吸引除去した。
続いて、0.01Mリン酸緩衝生理食塩液(pH7.0)1mlを加えて磁性粒子を再懸濁し、再び磁性粒子を集め上清を吸引除去した。
集めた磁性粒子に0.01Mリン酸緩衝生理食塩液(pH7.0)0.1mlを加えて磁性粒子を懸濁した。この磁性粒子懸濁液50μlに抗O157抗体感作ラテックス浮遊液25μlを加え混合した後、室温で3分間緩やかに攪拌し、凝集の有無を肉眼で観察した。
【0033】
(C)従来の方法:
試料溶液50μlに抗O157抗体感作ラテックス浮遊液25μlを加えて混合した後、室温で3分間緩やかに攪拌し、凝集の有無を肉眼で観察した。
【0034】
(D)結果:
同一試料溶液を用いて、従来法及び本発明法との凝集像の肉眼での観察結果を表2に示した。なお、判定の基準は、実施例1と同様である。
【0035】
【表2】
【0036】
表2に示すように、本発明法ではO157菌濃度が107cfu/ml及び106cfu/mlで明らかな凝集を示しており、O157菌濃度が105cfu/mlでは凝集は観察されなかった。
これに対して従来法ではO157菌濃度が107cfu/mlでは明らかな凝集が見られるものの、O157菌濃度が106cfu/ml及び105cfu/mlでは凝集は観察されなかった。
【0037】
実施例3
(A)試料溶液の調製:
市販挽肉又はカイワレダイコンの25gを、滅菌したノボビオシン加mEC培地(栄研化学)225mlに加え、ストマッカーを用いてホモジナイズした後、予め市販の羊血液寒天培地で37℃、一晩培養したO157を終濃度で1cfu/mlとなるように添加し、42℃、一晩培養した。
上記の菌懸濁液約10mlを耐圧性でプラスティック製のスピッツ管に分取し、121℃、15分間加熱処理した。加熱処理した菌懸濁液を、2,000G、5分間遠心分離した後、その上清1mlを採取し、これを試料溶液とした。
【0038】
(B)測定方法:
上記試料溶液1mlに抗O157抗体感作磁性粒子液25μlを加え、室温で攪拌しながら30分間反応させた。反応後、この試料溶液中の磁性粒子を磁石で集め上清を吸引除去した。
続いて、0.01Mリン酸緩衝生理食塩液(pH7.0)1mlを加えて磁性粒子を再懸濁し、再び磁性粒子を集め上清を吸引除去した。
集めた磁性粒子に0.01Mリン酸緩衝生理食塩液(pH7.0)0.1mlを加えて磁性粒子を懸濁した。この磁性粒子懸濁液50μlに抗O157抗体感作ラテックス浮遊液25μlを加えて混合した後、室温で3分間緩やかに攪拌し凝集の有無を肉眼で観察した。
【0039】
(C)従来の方法:
試料溶液50μlに抗O157抗体感作ラテックス浮遊液25μlを加えて混合した後、室温で3分間緩やかに攪拌し凝集の有無を肉眼で観察した。
【0040】
(D)結果:
同一試料溶液を用いて、従来法及び本発明法との凝集像の肉眼での観察結果を表3に示した。なお、判定の基準は、実施例1と同様である。
【0041】
【表3】
【0042】
表3に示すように、従来法では検出できなかった検体において、本発明法では検出が可能となった。
【0043】
実施例4
(A)試料溶液の調製:
市販挽肉の25gを、滅菌したノボビオシン加mEC培地(栄研化学)225mlに加え、ストマッカーを用いてホモジナイズした後、42℃、一晩培養した。この培養液(前増菌培養)に、予め市販の羊血液寒天培地で37℃、一晩培養したO157を終濃度で104〜107cfu/mlとなるように添加した。
なお陰性対照として、O157を添加せずに以下同様の操作を行った。
上記の菌懸濁液1.5mlをマイクロ遠心チューブに分取し、121℃、15分間加熱処理した。加熱処理した菌懸濁液を、2,000G、5分間遠心分離した後、その上清1mlを採取し、これを試料溶液とした。
【0044】
(B)測定方法:
上記試料溶液1mlに抗O157抗体感作磁性粒子液25μlを加え、室温で攪拌しながら30分間反応させた。反応後、この試料溶液中の磁性粒子を磁石で集め上清を吸引除去した。
続いて、0.01Mリン酸緩衝生理食塩液(pH7.0)1mlを加えて磁性粒子を再懸濁し、再び磁性粒子を集め上清を吸引除去した。
集めた磁性粒子に0.01Mリン酸緩衝生理食塩液(pH7.0)0.1mlを加えて磁性粒子を懸濁した。この磁性粒子懸濁液50μlに抗O157抗体感作ラテックス浮遊液25μlを加えて混合した後、室温で3分間緩やかに攪拌し、凝集の有無を肉眼で観察した。
【0045】
(C)従来の方法:
上記と同様にして、試料溶液と磁性粒子液を反応、回収後、0.01Mリン酸緩衝生理食塩液(pH7.0)に懸濁させ、この懸濁液50μlについて、凝集の有無を肉眼で観察した。
【0046】
(D)結果:
同一試料溶液を用いて、従来法及び本発明法との凝集像の肉眼での観察結果を表4に示した。なお、判定の基準は、実施例1と同様である。
【0047】
【表4】
【0048】
表4に示すように、本発明法ではO157菌濃度が107cfu/ml、106cfu/ml及び105cfu/mlで凝集を示した。
これに対して従来法ではO157菌濃度が107cfu/ml及び106cfu/mlでは凝集が見られるものの、O157菌濃度が105cfu/mlでは凝集は観察されなかった。
Claims (2)
- 試料溶液中に存在する抗原と、磁性粒子に担持させた抗体とを反応させた後、当該反応混合物に磁場を付与することにより、未反応の磁性粒子及び抗原抗体反応物が担持した磁性粒子を集め、得られた磁性粒子を試料溶液より少量の液に懸濁させた後、当該懸濁液に、抗体を担持した非磁性不溶性粒子を混合して反応させ、得られた反応混合物の凝集の度合いを測定することを特徴とする抗原の測定方法。
- 抗原が、微生物又は微生物由来のものである請求項1記載の抗原の測定方法。
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