JP3916022B2 - 通信網品質評価方法および評価装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ISDN(サービス統合ディジタル網)等に代表されるディジタル通信網の品質性能を評価するための通信網品質評価方法および評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディジタル伝送における符号誤りの評価には、測定時間内の符号誤り数を転送符号数で割ったもの(BER:ビットエラーレート)や、測定時間を1秒単位に分割し、符号誤りが存在した1秒を1ES(エラードセコンド)とし、ESの数を測定時間(秒)で割り100倍したもの(%ES)や、あるいはES内の符号誤り数がBERで10-3以上存在した1秒を1SES(シビアリーエラードセコンド)とし、SESの数を測定時間(秒)で割り100倍したもの(%SES)を使用していた。
また、ディジタル伝送路等で発生する符号誤りは、バースト長(符号誤りの連続長)が常に一定であった場合、従来の尺度による評価は適するが、実際の符号誤りはフレーム同期外れや電磁環境の一時的な悪化、設備の経年劣化等、その発生原因によってまちまちであり、通信プロトコルによるフレームを多数送受信する端末への評価には適さなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来から実施されている符号誤り評価方法では、符号誤りがユーザの通信や端末機器に及ぼす影響が分からなかった。
一般に、通信網の品質をユーザに反映させる場合、接続される端末機器への影響を考慮して通信品質の向上措置を効率的に実施することが必要になる。
しかしながら、前述のように、従来の評価方法では、ユーザが感じる通信網の品質の満足度に基づいた通信網の品質向上の措置をとることはできなかった。
つまり、上述の事項を考慮した通信網の品質向上措置である回線閉塞措置や故障回復措置等がとれないという問題があった。
また、従来では、バースト回数の正確な計数を行うことが不可能であった。例えば、特開平8−191288号公報に記載されたビット誤り試験装置では、0連続や1連続等の詳細なビットエラー特性を検出できるが、PN(疑似ランダム)パターン信号を利用しているために、PNパターン信号発生装置で発生させたPNパターンに0連続や1連続がある場合(例えば、0やF)には、得られた符号誤り情報、例えば何ビット目から何ビットまでの誤りという情報だけでは、ユーザが感じる通信網の品質の満足度に基づいた通信網の品質向上措置をとることができなかった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上述のような従来の課題を解決し、符号誤り数とバースト発生回数を得ることにより、符号誤りに起因する通信品質の劣化度合いを評価できるとともに、符号誤りの特徴を視覚的に把握可能とし、符号誤り測定結果から故障点、符号誤り発生原因を推定し、表示することが可能となり、通信品質の維持向上およびユーザに安定したサービスの提供が可能な通信網品質評価方法および評価装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の通信網品質評価方法では、▲1▼先ず、1試験呼に対する符号誤り数を計数し、さらに一定長(例えば1バイト)毎に符号誤りの有無を確認し、バースト長(符号誤りの連続長)を把握し、次に1試験呼中のバースト回数を計数し、当該符号誤り数と当該バースト回数をグラフ上にプロットし、これを符号誤りが発生した試験呼数分繰り返すことにより、当該伝送路区間の特徴とし、予め分かっている登録された複数の故障箇所別の符号誤りの特徴と比較することにより、故障箇所を推定し、表示する。
▲2▼また、バーストとバーストの間に一定の長さ(例えば1バイト)に符号誤りがなかった場合、独立したバーストとして処理するが、これを符号誤りがあったとして連続したバーストとみなし、符号誤り数を計数する(計数の補正)。
▲3▼また、測定に使用する信号(送信するPNパターン等)と符号誤り発生位置の情報を記録することにより、受信信号の状態が把握可能となるため、上記▲2▼による処理を不要にする(計数の補正)。
すなわち、本発明では、計数の精度を高めるための前提条件として下記事項を考慮している。
1)バーストはオール1またはオール0となって発生する。
2)バースト間隔はランダムであり、周期的な特徴は存在しない。
3)バースト長とバースト回数は、以下に示す関係式により表すことができる。
バースト長=符号誤り数×2÷バースト回数÷8 (単位:バイト)
4)送信するPNパターン、受信したPNパターン、符号誤りの情報から、バースト回数を計数することにより精度を高める。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す通信網品質評価を行う符号誤り分析装置の概略構成図であり、図2は、それらの装置構成を示す図である。
本発明の通信網品質評価を行う符号誤り分析装置は、図1に示すように、品質評価部(クライアント)10と符号誤り測定装置(既存端末、ホスト)から構成される。符号誤り測定装置は、既存端末に設けられた測定部13,14と、測定部13,14(それぞれ1〜n個)を制御する測定制御部11とからなる。品質評価部10は、得られた符号誤り情報の分析と評価と表示を行う。測定制御部11は、ISDN網等12を介して測定部13,14の制御15を行い、測定部13,14はISDN網12を介して伝送路の品質測定16を行う。
図2に示すように、符号誤り測定装置17は、図1の測定部13、14および測定制御部11からなり、符号誤り測定を実施した区間を識別するための『区間情報』18、1試験呼毎の測定結果(接続時間、伝搬時間、符号誤り数、ES、SES、復旧時間等)を記録した『試験呼情報』19、符号誤り発生時刻、発生位置、測定用信号を記録した『符号誤り詳細情報』21、不稼動時間内における符号誤り数を記録した『不稼動情報』20の各ファイルを使用する。
【0007】
先ず、品質評価部10において、品質評価プログラムを起動することにより、オペレータ画面に『メインメニュー』が表示される(ステップ▲1▼)。メインメニューには、符号誤りについて、どのような分析を行うか選択するための分析内容(バースト回数対符号誤り数分析、バースト長分析、バースト間隔分析)選択ボタンおよびバースト分析を行うための前提条件を設定する分析条件設定ボタンがGUI(Graphical user Interface)により表示される。メインメニューが表示されると同時に、品質評価部10は符号誤り測定装置17に対して『区間情報要求』を送出し(ステップ▲2▼)、後に品質評価部10で表示する測定区間選択に必要な情報を要求する。品質評価部10のメインメニューにおいて、バースト回数対符号誤り数分析を選択することにより、『バースト回数対符号誤り数分析』の分析対象設定画面が表示される(ステップ▲3▼)。
分析対象設定では、分析対象とする測定区間、測定期間、呼種別(不稼動時間の対象可否)を入力する。この時、先に送出された『区間情報要求』により符号誤り測定装置17に蓄積されている全ての測定区間情報が、『区間情報出力』により品質評価部10に転送され(ステップ▲4▼)、それらを基に品質評価部10では測定区間一覧を表示する。
【0008】
分析対象を設定すると、『分析対象情報転送』により、測定部13,14における『データ抽出』に必要な条件が転送される(ステップ▲5▼)。符号誤り測定装置17では、分析対象情報に基づいて、『区間情報』『試験呼情報』『符号誤り詳細情報』『不稼動情報』から『データ抽出』を行い(ステップ▲6▼)、品質評価部10に『kskout.txt(試験呼結果)19』『berout.txt(符号誤り詳細)21』『kukan.txt(出力区間情報)18』『nwkout.txt(不稼動状態結果)20』の各ファイルを転送する(ステップ▲7▼)。 『kskout.txt(試験呼結果)19』は、従来の評価尺度による試験呼の測定結果であり、図5に示すように、試験呼毎に測定区間を識別するための区間ID、測定開始年月日・時刻、呼損原因を把握するための故障コード、符号誤り数、稼動時間、不稼動時間、ES、SESにより構成される。
『berout.txt(符号誤り詳細)21』は、試験呼の測定結果における符号誤り発生位置を記録したものであり、図6に示すように、符号誤り発生時刻(ミリ秒)毎に、区間ID、測定開始年月日・時刻、符号誤り発生年月日・時刻(ミリ秒単位)、符号誤り発生位置、発側・着側区分、により構成される。
『kukan.txt(出力区間情報)18』は、試験呼の区間名等を記録したものであり、図7(a)に示すように、分析対象となる測定区間毎に、区間ID、発側設置点名称、着側設置点名称、組織名称、発側運用目的、により構成される。
『nwkout.txt(不稼動状態結果)20』は、試験呼において、不稼動時間が発生した場合のみ存在し、不稼動時間内における符号誤り数が記録され、図7(b)に示すように、発生した不稼動時間毎に、区間ID、測定開始年月日・時刻、発側・着側区分、符号誤り数、により構成される。
【0009】
品質評価部10では、『データ出力』を取り込むと、『符号誤り発生形態分析』を行う(ステップ▲8▼)。先ず、『kukan.txt(出力区間情報)』ファイルにおける、発側設置点名称、着側設置点名称より測定区間名を生成する。この区間名は、出力において人間が分析した区間を識別するためのものであり、出力ファイル23に記録される。
次に、『kskout.txt(試験呼結果)』ファイルにおける、符号誤り数(発)、稼動時間(発)、不稼動時間(発)、符号誤り数(着)、稼動時間(着)、不稼動時間(着)より、1試験呼における符号誤り発生の有無および不稼動時間発生の有無を把握する。
符号誤りおよび不稼動時間の発生が無ければ、次の試験呼について同様の処理を行い、記録されている全ての試験呼に符号誤りおよび不稼動時間の発生がなかった場合、出力ファイルに区間名のみを記録し、出力処理を行う。
符号誤りまたは不稼動時間が存在すると判断した場合、『berout.txt(符号誤り詳細)』ファイル、および『分析条件設定』により設定されている条件に基づき1試験呼毎のバースト長、バースト間隔、バースト回数を計数する。
【0010】
図3は、図2における符号誤り発生形態分析の全体処理フローチャートである。
図3に示すように、品質評価部10では、符号誤り測定装置17からデータ出力を取り込むと、分析条件101を読み込み(ステップ102)、評価対象呼種別、評価単位長、バースト補正有無等のデータを出力する。また、出力区間情報104を読み込み(ステップ105)、区間ID、発側設置点名称、着側設置点称等のデータ106を作成し、分析結果ファイル生成(ステップ119)時の入力となる。また、試験呼情報107を読み込み(ステップ108)、レコードの存在を確認して(ステップ109)、評価対象呼であり、カウント初期化を行う(ステップ110,111)。また、符号誤り詳細情報112を読み込み(ステップ113)、符号誤り発生時刻、符号誤り発生位置等のデータ114を出力する。
【0011】
図8に、berout.txt(符号誤り詳細)ファイルの内容と計数方法の説明を示す。
図8に示すように、berout.txt(符号誤り詳細)ファイルは、区間ID、開始年月日・時刻、発生年月日・時刻、符号誤り発生位置が記録され、符号誤り発生位置については64バイトについて測定結果が記録される。
図8に示すように、8ビットを1ブロックと設定し、ブロック内の1が存在した場合はバースト有、1が存在しないブロックまでを1つのバーストとする。1が存在しないブロックの連続長を把握することで、バースト間隔とする。
計数した数値に、『出力区間情報』ファイルから区間名、測定期間、『試験呼結果』ファイルから符号誤り数、ES、SESを付加し、分析結果ファイルとして蓄積する。
このとき、『分析条件設定』において、不稼動発生呼を含む分析が指定されていた場合には、『不稼動状態結果』ファイルから不稼動時間における符号誤り数も付加する。
【0012】
以上の処理により、『bust cnt.dat(バースト発生回数分析結果)120』『bust len.dat(バースト長分析結果)121』『bust cnt.dat(バースト発生間隔分析結果)122』の各ファイルが生成される。
『bust cnt.dat(バースト発生回数分析結果)120』は、符号誤りまたは不稼動時間が存在した試験呼におけるバースト回数と符号誤り数を記録したものであり、図9に示すように、符号誤りまたは不稼動時間が発生した試験呼の発、着毎に、区間ID、区間名(発側)、区間名(着側)、発着識別、測定開始年月日・時刻、バースト回数、符号誤り数、ES、SES、稼動時間、不稼動時間、により構成される。
『bust len.dat(バースト長分析結果)121』は、符号誤りの連続性を把握するためのバースト長を記録したものであり、図10に示すように、1回のバースト毎に、区間ID、区間名(発側)、区間名(着側)、発着識別、測定開始年月日・時刻、バースト長、符号誤り数、ES、SES、稼動時間、不稼動時間、により構成される。
『bust cnt.dat(バースト発生間隔分析結果)122』は、バースト間悌を記録したものであり、図11に示すように、1回のバースト間隔毎に、区間ID、区間名(発側)、区間名(着側)、発着識別、測定開始年月日・時刻、バースト間隔、符号誤り数、ES、SES、稼動時間、不稼動時間、により構成される。
【0013】
『符号誤り発生形態分析』において、分析結果ファイルの生成・蓄積後、『分析結果出力』を行う。
分析結果出力は、『メインメニュー』により選択された分析内容に対応した出力を行う。この場合、『バースト回数対符号誤り数分析』を選択しているため、分析結果ファイルのうち、バースト回数分析結果を使用して出力する。
出力形態は、a)グラフCRT出力、b)グラフ印字出力、c)テキストファイル出力(蓄積されている分析結果ファイルの出力)、d)テキスト印字出力(蓄積されている分析結果ファイルの内容テキスト形式で印字出力)の4種類存在する。
この時、通信端末の状態を示す範囲(以下規格値)を『分析条件設定』より参照し、グラフ上に表現する。
クラフ出力において、規格値を超過した呼の有無(プロットの有無)または超過した呼数および割合により、測定区間の品質の良否を表示する。
【0014】
『分析条件設定』は、『符号誤り発生形態分析』および『分析結果出力』における動作の前提条件を設定する。
設定内容は、バースト長およびバースト間隔を判断するためのブロックの大きさを定義する『評価単位設定(8bit、16bit、32bit、64bitからの選択)』、および本発明による通信網品質評価の適用を設定する『バースト補正設定(有リ、無しからの選択)』、規格値をグラフ上に表現するための『規格値設定(Y=aX、X=bにおいて、a,bを2桁の数字で設定、X,Yの関係をAND、ORから選択)』の3種類の項目により構成される。
規格値の設定内容は、後述の実験からその値を算出するが、その実験から本発明の装置への反映について、以下に説明する。
先ず、実験を行うに際して、実験対象となる通信端末の分類を行う。基本的に通信端末は、即時端末(リアルタイム端末)と待時端末(リアルタイムでない端末)に分類され、即時端末はバースト長の長さにより端末動作が変化を起こし、待時端末はバースト回数により端末動作が変化する。
なお、即時端末には、ディジタル電話、TV会議システム、PC等(インターネット電話等)があり、TCP/IP等のプロトコルを用い、バースト長が通信品質劣化に影響する。待時端末には、G4ファクシミリ、FDトランスファ、PC(電子メール、ファイル転送等)があり、UDP/IP等のプロトコルを用い、バースト発生回数が通信品質劣化に影響する。
【0015】
図4は、図3における誤りビット列分析(117)の詳細動作フローチャートである。
誤りビット列の分析開始(ステップ130)により、評価単位長mで分割し(図6(a)参照)(ステップ131)、第1〜第nブロックのデータ132を出力し、次に各ブロックを抽出して(ステップ133)、ブロック内符号誤りが量るか否かを判別する(ステップ136)。前ブロックに符号誤りがあれば(ステップ137)、バースト長追加カウントを行い(ステップ138)、誤りがなければ、バースト発生回数のカウント、バースト長新規カウント、バースト間隔保存を行う(ステップ139)。また、ブロック内符号誤りがないときには(ステップ136)、前ブロックに符号誤りがあるとき(ステップ140)、バースト補正があれば(ステップ141)、さらに後ブロックに符号誤りがあるか否かを調べ(ステップ142)、あればバースト長に追加カウントを行う(ステップ143)。バースト補正がなければ(ステップ141)、バースト間隔新規カウント、バースト長保存を行う(ステップ144)。
【0016】
図12は、実験結果の図である。
バースト長は、グラフ上にパラメータとして存在しないが、符号誤り分析の過程において、バースト長(バイト)=(符号誤り数×2)÷(バースト発生回数×8)の式が成立することが解明されたため、符号誤り数によりその長さを把握することができる。この条件に基づいて、実験結果を散布グラフ上に表現したのが図12である。図12の左側はTV会議システムの動作を示しており、モザイク発生の可能性がある領域の上方が、フリーズ発生の可能性がある領域であり、下方が画像に変化がない領域である。図12の右側はG4ファクシミリの動作を示しており、実験結果より算出される劣化率が示される。
図13は、出力例を示す図であり、図14は、評価例を示す図である。
実験結果と蓄積されている分析対象情報を同時に出力(CRTまたは印字)することにより、符号誤り測定結果を端末動作から見た絶対的な尺度により評価することができる。
図13において、傾斜している線が、TV会議システムにてフリーズ発生の可能性がある領域であり、図14に示すように、その線の下方のAは、ファクシミリの劣化率が25%以下、フリーズ等画像劣化が発生しない部分であり、Bは、ファクシミリの劣化率が25%を超過するが、フリーズ等画像劣化は発生しない部分である。また、線の上方のCは、劣化率は25%以下であるが、フリーズ等画像劣化が発生する部分であり、Dは劣化率が25%を超過し、フリーズ等画像劣化が発生する部分である。本発明では、TV会議システムで画像劣化が発生せず、G4ファクシミリで劣化率が10%を超えない範囲を規格値内としている。
【0017】
このように、本発明においては、符号誤り発生形態を詳細に分析することにより、ユーザが感じる品質(例えば、端末動作)と相関のある評価方法を確立した。これによれば、1)実網測定結果から、ユーザが感じる品質の把握が可能となるので、品質管理の適正化が可能となり、2)故障原因別に符号誤りの特徴(符号誤りのパターン化)が分類できるため、故障点探索の迅速化が可能になる。
本発明では、符号誤りの特質に着目すると、a)バースト長、b)バースト間隔、c)バースト回数、の3要素により符号誤りの特徴を表現することができることが分かった。そして、実験から分かった点は、1)バーストは、ALL1またはALL0となって発生すること、2)バースト間隔はランダムであり、周期的な特徴は存在しないこと、3)バースト長とバースト回数は、以下に示す式(1)で関係を表すことができること、
バースト長(単位:バイト)=符号誤り数×2÷8・・・・・・・・(1)
このことから、符号誤り測定結果(呼毎)より、符号誤り数とバースト回数を算出し、散布グラフ上にプロットすることで、符号誤りの特徴を表現することができる。このことから、通信端末を即時端末(ディジタル電話機、TV会議システム等)と待時端末(G4ファクシミリ、FDトランスファ等)に分類すると、即時端末はバースト長から、待時端末はバースト回数から、それぞれ影響を受ける傾向にあることから、散布グラフより端末動作を把握することが可能になる。
【0018】
図15は、符号誤りと端末動作の関係を示す図である。
図15(a)は、TV会議システム(即時端末)の実験結果を示す図であって、横軸にバースト発生回数、縦軸に符号誤り数をとっている。TV会議システムにおける画像劣化現象は、1回のバースト長が大きくなるに従って、『変化なし』『モザイク発生』『フリーズ発生』の順に劣化する。しきい値1より上がフリーズ発生の可能性がある領域、しきい値2より上がモザイク発生の可能性がある領域、しきい値2の下が画像に変化がない領域である。
図15(b)は、G4ファクシミリ(待時端末)の実験結果を示す図であって、通信時間延長は、バースト発生回数と比例して発生する。
【0019】
図16は、バースト回数の計数のための補正の説明図である。
本発明の分析では、1バイトを1単位(ブロック)とし、該当単位内に符号誤りが発生しているかを確認することで、符号誤り継続時間(バースト長)および発生間隔を算出している。符号誤りはまとまって発生する特徴を有することから、PNパターンでの符号誤り測定であり、オール1またはオール0の符号誤りの場合の元データがオール0やオール1であることを考慮して、ブロック中に符号誤りが存在しなくても、その両端のブロックに符号誤りを含むブロックが存在した場合には、連続したものと判断して補正を行うことにする。
また、送信信号(PNパターン)がオール1である場合には、符号誤りがオール1になる誤りのときは誤りなし、と判断していた。そのために、補正が必要となる。
(a)の場合、ブロックA,B,Aともに誤り有りのため、分析結果は3バイト×1回のバーストとなり、この場合は問題なし、つまり補正の必要はない。
(b)の場合、ブロックA,B,Aのうち、Bは送信信号自体がオール1であり、かつ受信信号でブロックBのみが誤り無しであり、両端のブロックAが誤り有りであるため、A,B,Aともに誤り有りと補正し、3バイト×1回のバーストと補正して分析する。
【0020】
図17、図18は、登録された複数の故障箇所別の符号誤りの特徴を示す図である。
装置毎に散布グラフが予め分かっており、登録された複数の故障箇所別の符号誤りを比較して、故障箇所を推定し、表示することができる。
図17(a)はD60中継ディジタル交換機(D60 TSC FSW(EC−G4359)、(b)はD60中継ディジタル交換機(D60 TSC FMCNV(EC−G4378)、(c)はTCM多重変換装置(TCM 8M−1F)、(d)は多重化装置(M20 8M−1F)、(e)は多重化装置(34MUX D3S D34MLDX)、(f)は出力増幅装置(11G−150MPowamp)のそれぞれ散布グラフである。上記各装置の概略ブロック構成を図18に示す。
【0021】
図2、図3および図4に記載された通信網品質評価方法を実施する各ステップをプログラムに変換し、変換されたプログラムをCD−ROMやハードディスク等の記録媒体に格納することにより、持ち運び可能なその記録媒体を任意の場所のコンピュータにローディングし、プログラムを実行すれば、任意の場所で本発明の通信網品質評価方法が実施できる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、符号誤り数とバースト発生回数を得ることができ、符号誤りに起因する通信品質の劣化度合いを評価できるとともに、符号誤りの特徴を視覚的に把握可能とし、符号誤り測定結果から故障点、符号誤り発生原因を推定し表示することが可能となり、通信品質の維持向上およびユーザに安定したサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す通信網品質評価装置の概略構成図である。
【図2】図1における通信網品質評価装置の装置構成図である。
【図3】図2における符号誤り発生形態分析の処理フローチャートである。
【図4】図3における誤りビット列分析処理の詳細フローチャートである。
【図5】本発明の一実施例を示す試験呼結果を示すフォーマット図である。
【図6】本発明の一実施例を示す符号誤り詳細のフォーマット図である。
【図7】本発明の一実施例を示す出力区間情報および不稼動状態結果のフォーマット図である。
【図8】本発明で用いられるバーストの計数方法を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施例を示すバースト発生回数分析結果のフォーマット図である。
【図10】本発明の一実施例を示すバースト長分析結果のフォーマット図である。
【図11】本発明の一実施例を示すバースト間隔分析結果のフォーマット図である。
【図12】本発明の実験結果を示す散布グラフの図である。
【図13】本発明の一実施例を示す出力例の図である。
【図14】本発明の評価例を示す図である。
【図15】符号誤りと端末動作の関係を示す図である。
【図16】本発明によるバースト回数の計数のための補正方法を示す図である。
【図17】登録された複数の故障箇所別の符号誤りの特徴を示す図である。
【図18】図17における各符号誤り特徴に対応する装置別のブロック図である。
【符号の説明】
10…品質評価部、11…測定制御部、13,14…測定部、
12…ISDN網、17…符号誤り測定装置、18…区間情報ファイル、
19…試験呼情報ファイル、20…不稼動情報ファイル、
21…符号誤り詳細情報、22…条件設定テーブル、
23…分析結果蓄積ファイル。
Claims (9)
- 通信網を介して形成される通信回線の1試験呼に対する符号誤り数を計数する手段と、
当該試験顧に対するバースト誤り回数を計数する手段と、
符号誤り数とバースト誤り回数を両軸とする予め定めたしきい値のグラフ表示を出力する手段とを有し、
上記両計数手段により計数された符号誤り数とバースト誤り回数を上記グラフ表示出力手段に重畳して、予め定めたしきい値と比較し、予め定めたしきい値を上回る試験呼の通信網を品質向上措置の必要な通信網として表示することを特徴とする通信網品質評価装置。 - 前記符号誤り数を計数する手段は、発信側および着信側端末の測定部に備えられ、バースト誤り回数を計数する手段は品質評価部に備えられるとともに、前記グラフ表示出力手段と品質向上措置の必要を表示する処理は、通信網を介して各測定部から測定値を収集する品質評価部に備えて実行されることを特徴とする請求項1に記載の通信網品質評価装置。
- 通信網の品質を接続される端末機器への影響により評価する通信網品質の評価方法であって、
先ず、1試験呼における符号誤り数を計数するステップと、
次に、予め定めた長さ毎に符号誤りの有無を確認し、バースト長を計数するステップと、
当該1試験呼中のバースト誤り回数を計数し、当該符号誤り数と当該バースト誤り回数とをこれらを両軸とするグラフ表示出力手段のグラフ上にプロットするステップと、
当該グラフ上に予め定めたしきい値より上記プロットが上回る場合には、品質向上措置が必要な通信網であることを通知するステップと
を有することを特徴とする通信網品質評価方法。 - 前記各ステップを複数回繰り返し実施することにより、当該伝送路の通話品質の特徴を表示することを特徴とする請求項3に記載の通信網品質評価方法。
- 請求項4に記載の各ステップにより得た特徴を、予め分っている登録された複数の故障箇所の符号誤りの特徴と比較することにより、故障箇所を推定し、表示することを特徴とする請求項3または4に記載の通信網品質評価方法。
- 前記符号誤り数とバースト誤り回数を計数するステップは、符号誤りの情報からのみ計数する場合には、計数の誤りを補正して精度を高めることを特徴とする請求項3,4または5のいずれかに記載の通信網品質評価方法。
- 前記符号誤り数とバースト誤り回数を計数するステップは、送信する疑似ランダムパターン、および符号誤りの情報から計数して、精度を高めることを特徴とする請求項3,4,5または6のいずれかに記載の通信網品質評価方法。
- 1試験呼中のバースト回数を計数し、前記符号誤り数と前記バースト誤り回数とを、これらを両軸とするグラフ表示出力手段に表示されたグラフ上にプロットすることにより、前記予め定めたしきい値と前記各値とを比較することにより、品質向上措置が必要か否かの評価値として表示することを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の通信網品質評価方法。
- 請求項3に記載の通信網品質評価方法を実施する各ステップをプログラムに変換し、変換されたプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み出し可能な記録媒体。
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