JP3915603B2 - 投射型表示装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、背面投射式の投射型表示装置(リア式プロジェクタ)に関し、特に、画面を斜め方向から見た際の明るさの均一化を図ったものに関する。
【0002】
【従来の技術】
大画面の映像表示装置の一種として、リア式プロジェクタが普及している。リア式プロジェクタは、液晶パネルで形成した画像光(あるいはCRT管面上の画像光)を、投射レンズ及びミラーを経て、プロジェクタ本体に取り付けた透過型のスクリーンに投射するものである。
【0003】
リア式プロジェクタは、直視型のディスプレイと比較すると視野角が狭い。そのため、一般に、レンチキュラレンズとフレネルレンズとを組み合わせたシートをスクリーンとして用いることにより、スクリーンで光を拡散して、視野角を改善するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように光を拡散しても、スクリーンを斜めから見た際の輝度は、スクリーンを正面から見た際の輝度よりもかなり小さくなる。
【0005】
そのため、従来は、例えば図9に示すようにリア式プロジェクタ41に対してユーザー42が斜め方向に位置する場合には、画面のうちユーザー42から近いほうの部分(図では画面の左寄りの部分)は正面から見ることになるので明るく見えるが、画面のうちユーザー42から遠いほうの部分(図では画面の右寄りの部分)は斜めから見ることになるので暗く見え、その結果ユーザー42にとって画面の明るさが不均一になってしまう。
【0006】
例えば家庭内では、部屋のスペースやレイアウトの都合等から、このようにユーザーがリア式プロジェクタの斜め方向の位置から画面を見ざるをえない場合もある。
【0007】
また、例えば家電販売店の販売コーナーでも、隅のほうに配置しているリア式プロジェクタについては、このように斜め方向の位置からしかユーザー(顧客)に画面を見せることができず、その結果販売促進につながらないこともある。
【0008】
本発明は、上述の点に鑑み、リア式プロジェクタの斜め方向に位置するユーザーが、均一な明るさの画面を見ることができるようにすることを課題としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本出願人は、投射型表示装置において、所定の信号を受信する受信手段と、この受信手段で受信したこの信号のレベルに基づき、この投射型表示装置に対するこの信号の発信源の位置関係を検出する位置検出手段と、この位置検出手段の検出結果に応じて水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度を補正する補正手段とを備えたものを提案する。
【0010】
この投射型表示装置では、受信した所定の信号のレベルに基づいて投射型表示装置に対する信号発信源の位置関係が検出され、その位置関係に応じて水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度が補正される。
【0011】
これにより、その発信源がこの投射型表示装置の斜め方向に位置する場合には、その発信源の位置から見て水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度が均一になるような補正を行うことができる。
【0012】
したがって、ユーザーは、この投射型表示装置を視聴する際にその発信源を自分の手許に置いておくことにより、この投射型表示装置の斜め方向に位置する場合にも均一な明るさの画面を見ることができるようになる。
【0013】
なお、この投射型表示装置において、一例として、受信手段は、投射型表示装置の遠隔操作用のリモートコントローラからの信号を受信するものであることが好適である。
【0014】
それにより、ユーザーは、投射型表示装置を視聴する際に通常手許に置いているリモートコントローラをそのまま利用して、投射型表示装置の斜め方向に位置する場合にも均一な明るさの画面を見ることができるようになる。
【0015】
また、この投射型表示装置において、一例として、受信手段を投射型表示装置の画面の両端にそれぞれ設け、これらの受信手段で受信した信号のレベルに基づいて位置検出手段で投射型表示装置に対する信号の発信源の距離及び角度を検出することが好適である。
【0016】
このように、投射型表示装置に対する信号の発信源の位置関係として距離と角度との両方を検出し、この距離と角度との両方に基づいて水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度を補正することにより、その発信源の位置から見た水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度を均一にするための補正を、一層きめ細かく行うことができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をリア式液晶プロジェクタに適用した例を、図面を用いて具体的に説明する。
【0018】
図1は、本発明を適用したリア式液晶プロジェクタの外観を示す平面図である。このリア式液晶プロジェクタ1の前面の左,右の端部(画面の両側)には、位置検出用受光部2,3がそれぞれ設けられている。リア式液晶プロジェクタ1の縦方向(垂直方向)での位置検出用受光部2,3の設置箇所の高さは、互いに同じになっている。
【0019】
位置検出用受光部2,3は、リア式液晶プロジェクタ1の遠隔操作用のリモートコントローラからの赤外線信号を、リア式液晶プロジェクタ1に対するこのリモートコントローラの位置関係の検出用に受信するものである。
【0020】
なお、リア式液晶プロジェクタ1の前面の中央部には、一般的なリア式液晶プロジェクタにおけるのと同様に、このリモートコントローラからの赤外線信号を受信してそのコードを復調するリモコン受光部4が設けられている。
【0021】
図2は、このリア式液晶プロジェクタ1内の輝度均一化システムを示す。この輝度均一化システムは、図1に示した位置検出用受光部2,3及びリモコン受光部4と、A/D変換器5,6と、マイクロコンピュータ7と、バス8を介してマイクロコンピュータ7に接続されたゲインコントロールアンプ9と、セレクタ10と、乗算器11とを含んでいる。
【0022】
位置検出用受光部2と位置検出用受光部3とは互いに同じ構成のものであり、図2には代表的に位置検出用受光部2の構成を示している。位置検出用受光部2,3は、リモートコントローラからの赤外線信号を受信するための、可視光カットレンズ付のフォトダイオード21を含んでいる。
【0023】
フォトダイオード21のカソード側は、抵抗器R1(1MΩ)及び抵抗器R2(100kΩ)を介して5Vの電源に接続されている。フォトダイオード21のアノード側は、接地されている。
【0024】
フォトダイオード21と抵抗器R1との接続中点p1はトランジスタQ1のベースに接続されており、抵抗器R1と抵抗器R2との接続中点p2はトランジスタQ1のコレクタに接続されている。トランジスタQ1のエミッタは、フォトダイオード21と接地との接続中点に接続されている。
【0025】
接続中点p2は、アンプ22を介して、トランジスタQ2のベースにも接続されている。トランジスタQ2のコレクタは電源と抵抗器R2との接続中点に接続されており、トランジスタQ2のエミッタは抵抗器R3(10kΩ)を介して接地されている。
【0026】
トランジスタQ2と抵抗器R3との接続中点は、キャパシタC1(1μF)を介して接地されている。抵抗器R3とキャパシタC1とは、ピークホールド回路を形成している。
【0027】
なお、通常のコード復調用のリモコン受光部(リア式液晶プロジェクタ1ではリモコン受光部4)内のアンプは、リモートコントローラとの遠近関係にかかわらず正確にコードを復調できるようにするために、フォトダイオードの出力を一定レベルに調整する(リモートコントローラの位置が遠いためにフォトダイオードの出力レベルが低い場合には、ゲインを上げる)ようになっているのが一般的である。
【0028】
これに対し、位置検出用受光部2,3内のアンプ22は、常にゲインが一定に(リモートコントローラの位置が遠いためにフォトダイオード21の出力レベルが低い場合には、アンプ22の出力レベルもそれに比例して低くなるように)されている。
【0029】
図3は、位置検出用受光部2,3内における接続中点p1の信号(フォトダイオード21の出力信号),接続中点p2の信号,図2のp3の箇所の信号(ピークホールド回路の出力信号)をそれぞれ例示する図である。
【0030】
フォトダイオード21の出力信号のレベルが0.6Vである場合、接続中点p2の信号レベルは0.8Vになる。そして、この接続中点p2の信号がアンプ22を介してトランジスタQ2のベースに供給されたことに基づくトランジスタQ2のエミッタからの信号のピークレベルが、箇所p3においてピークホールド回路で保持される。
【0031】
図2に示すように、位置検出用受光部2からは、このピークホールド回路の出力信号DC1が、A/D変換器5を介してマイクロコンピュータ7に送られる。位置検出用受光部3からも、このピークホールド回路の出力信号DC2が、A/D変換器6を介してマイクロコンピュータ7に送られる。
【0032】
マイクロコンピュータ7には、リモコン受光部4で復調されたコードも送られる。図4は、このリア式液晶プロジェクタ1の遠隔操作用のリモートコントローラの外観を示す。このリモートコントローラ31には、通常のリア式液晶プロジェクタの遠隔操作用のリモートコントローラにおけるのと同様な各種の操作釦に加えて、画面の明るさを均一化させるための操作釦である明るさ均一化釦32が設けられている。したがって、マイクロコンピュータ7には、この明るさ均一化釦32の操作に基づくコードも送られる。
【0033】
図2に示すように、セレクタ10の一方の選択入力端子には、このリア式液晶プロジェクタ1内の水平走査のこぎり波発生回路(図示略)によって水平同期信号から作成された水平走査のこぎり波HSAW(+)(右肩下がりの水平走査のこぎり波)が入力する。また、セレクタ10のもう一方の選択入力端子には、この水平走査のこぎり波発生回路によってHSAW(+)を反転させて作成された水平走査のこぎり波HSAW(−)(右肩上がりの水平走査のこぎり波)が入力する。
【0034】
マイクロコンピュータ7からは、セレクタ10に選択制御信号が与えられる。セレクタ10で選択された水平走査のこぎり波(HSAW(+),HSAW(−)のいずれか)は、ゲインコントロールアンプ9に送られる。
【0035】
ゲインコントロールアンプ9には、マイクロコンピュータ7から、ゲイン値を示す制御信号がバス8を介して送られる。ゲインコントロールアンプ9でゲイン調整された水平走査のこぎり波は、乗算器11に送られる。
【0036】
乗算器11では、この水平走査のこぎり波が、リア式液晶プロジェクタ1内の映像信号処理系(図示略)から出力された映像信号(RGB)信号に重畳される。この水平走査のこぎり波を重畳された映像信号は、リア式液晶プロジェクタ1内の液晶駆動回路(図示略)に送られる。
【0037】
マイクロコンピュータ7内のROMには、図5に示すようなデータテーブルが格納されている。このデータテーブルは、図6に示すようなリア式液晶プロジェクタ1の画面(スクリーン)の中心に対する水平方向上での距離Xの大きさ(X1未満であるか、X1以上X2未満であるか、X2以上X3未満であるか、X3以上あるか)及びこの画面中心の正面に対する水平方向上での角度Yの大きさ(Y1未満であるか、Y1以上Y2未満であるか、Y2以上Y3未満であるか、Y3以上あるか)と、ゲインコントロールアンプ9のゲイン値とを対応させたものである。
【0038】
このデータテーブル内のゲイン値は、角度が大きくなるほど増加するとともに、距離が大きくなるほど減少している。また、角度がY1未満である場合(画面中心のほぼ正面である場合)のデータテーブル内のゲイン値は、水平走査のこぎり波HSAW(+)やHSAW(−)がゲインコントロールアンプ9によって平坦な波形に変換されるような小さな値になっている。
【0039】
図7は、マイクロコンピュータ7が実行する処理を示すフローチャートである。この処理は、図4のリモートコントローラ31の明るさ均一化釦32の操作に基づくコードがマイクロコンピュータ7に送られるとスタートし、最初に、位置検出用受光部2,3から現在送られている信号DC1,DC2のレベルをそれぞれ見る(ステップS1)。
【0040】
続いて、このリア式液晶プロジェクタ1の画面の中心に対するリモートコントローラ31の現在の距離Xを、X=(DC1+DC2)/2として求める(ステップS2)。
【0041】
また、このリア式液晶プロジェクタ1の画面の中心に対するリモートコントローラ31の現在の角度Yを、Y=DC1−DC2の絶対値として求める(ステップS3)。
【0042】
続いて、図5のデータテーブルにおいてこの求めた距離X及び角度Yに対応しているゲイン値を求める(ステップS4)。そして、その求めたゲイン値を示す制御信号を、バス8を介してゲインコントロールアンプ9に送る(ステップS5)。
【0043】
続いて、信号DC1のレベルが信号DC2のレベル以上であるか否かを判断する(ステップS6)。イエスであれば、HSAW(−)を選択させる選択制御信号をセレクタ10に与え(ステップS7)、他方ノーであれば、HSAW(+)を選択させる選択制御信号をセレクタ10に与える(ステップS8)。ステップS7またはS8を終えると、処理を終了する。
【0044】
次に、このリア式液晶プロジェクタ1の動作を説明する。家庭内において、図8Aに示すように、リア式液晶プロジェクタ1に対してユーザー42が斜め左方向に位置する場合に、ユーザー42がリモートコントローラ31(図4)の明るさ均一化釦32を操作すると、その操作に基づくコードがリモコン受光部4(図1,図2)からマイクロコンピュータ7(図2)に送られるとともに、その操作に基づく赤外線信号が位置検出用受光部2,3(図1,図2)のフォトダイオード21(図2)でそれぞれ受光されて、位置検出用受光部2,3から信号DC1,DC2がそれぞれマイクロコンピュータ7に送られる。
【0045】
このとき、位置検出用受光部2よりも位置検出用受光部3のほうがリモートコントローラ31から遠いので、位置検出用受光部2のフォトダイオード21の出力信号よりも位置検出用受光部3のフォトダイオード21の出力信号のほうがレベルが低くなる。したがって、信号DC1(位置検出用受光部2のピークホールド回路の出力信号)よりも信号DC2(位置検出用受光部3のピークホールド回路の出力信号)のほうがレベルが低くなる。
【0046】
また、信号DC1や信号DC2そのものの絶対的なレベルも、位置検出用受光部2や位置検出用受光部3がリモートコントローラ31から遠いほど低くなる。
【0047】
マイクロコンピュータ7では、この均一化釦32の操作に基づくコードが送らたことに基づき、信号DC1,DC2のレベルから、リア式液晶プロジェクタ1の画面中心に対するリモートコントローラ31の現在の距離X及び角度Yが求められる(図7のステップS1〜S3)。
【0048】
そして、マイクロコンピュータ7内のデータテーブル(図5)においてこの距離X及び角度Yに対応しているゲイン値を示す制御信号が、ゲインコントロールアンプ9に与えれられる(ステップS4,S5)。
【0049】
また、このとき信号DC1のレベルが信号DC2のレベル以上なので、水平走査のこぎり波HSAW(−)を選択させる選択制御信号がマイクロコンピュータ7からセレクタ10に与えられ(ステップS6,S7)、このHSAW(−)がセレクタ10からゲインコントロールアンプ9に送られる。
【0050】
そして、このHSAW(−)がゲインコントロールアンプ9で図8Aのようにゲイン調整された後乗算器11で映像信号と重畳されるので、映像信号の水平走査方向上でのレベルが、画面の左端から右端に向けて漸増するように補正される。
【0051】
これにより、リア式液晶プロジェクタ1の斜め左方向に位置するユーザー42の位置(リモートコントローラ31の位置)から見て水平走査方向上での輝度が均一になるように輝度が補正されるので、ユーザー42は均一な明るさの画面を見ることができる。
【0052】
他方、図8Bに示すように、リア式液晶プロジェクタ1に対してユーザー42が正面方向に位置する場合に、ユーザー42がリモートコントローラ31の明るさ均一化釦32を操作すると、今度は信号DC1のレベルと信号DC2のレベルとが略等しいので、図7のステップS3で求められる角度Yは図5,図6の角度Y1以下になる。
【0053】
したがって、この場合には、角度がY1未満である場合のデータテーブル内のゲイン値(前述のようにHSAW(+)やHSAW(−)をゲインコントロールアンプ9によって平坦な波形に変換させるような小さなゲイン値)を示す制御信号がゲインコントロールアンプ9に与えれられる。
【0054】
その結果、HSAW(+),HSAW(−)のいずれがセレクタ10で選択されてゲインコントロールアンプ9に送られた場合(信号DC1,DC2のいずれのレベルが僅かに大きかった場合)にも、ゲインコントロールアンプ9からは図8Bのように平坦な波形が乗算器11に送られ、この平坦な波形が乗算器11で映像信号と重畳されるので、ユーザー42はやはり均一な明るさの画面を見ることができる。
【0055】
他方、図8Cに示すように、リア式液晶プロジェクタ1に対してユーザー42が斜め右方向に位置する場合に、ユーザー42がリモートコントローラ31の明るさ均一化釦32を操作すると、今度は信号DC1のレベルが信号DC2のレベル未満なので、水平走査のこぎり波HSAW(+)を選択させる選択制御信号がマイクロコンピュータ7からセレクタ10に与えられ(ステップS6,S8)、このHSAW(+)がセレクタ10からゲインコントロールアンプ9に送られる。
【0056】
そして、このHSAW(+)がゲインコントロールアンプ9で図8Cのようにゲイン調整された後乗算器11で映像信号と重畳されるので、映像信号の水平走査方向上でのレベルが、画面の左端から右端に向けて漸減するように補正される。
【0057】
これにより、リア式液晶プロジェクタ1の斜め右方向に位置するユーザー42の位置(リモートコントローラ31の位置)から見て水平走査方向上での輝度が均一になるように輝度が補正されるので、ユーザー42はやはり均一な明るさの画面を見ることができる。
【0058】
以上のように、このリア式液晶プロジェクタ1によれば、リア式液晶プロジェクタ1に対するリモートコントローラ31の位置関係に応じて水平走査方向上での輝度を補正することにより、リモートコントローラ31がリア式液晶プロジェクタ1の斜め方向に位置する場合に、リモートコントローラ31の位置から見て水平走査方向上での輝度が均一になるような補正が行われる。
【0059】
これにより、ユーザーは、リア式液晶プロジェクタ1を視聴する際に通常手許に置いているリモートコントローラ31をそのまま利用して、リア式液晶プロジェクタ1の斜め方向に位置する場合にも均一な明るさの画面を見ることができるようになっている。
【0060】
また、リア式液晶プロジェクタ1に対するリモートコントローラ31の位置関係として距離Xと角度Yとの両方を検出し、この距離Xと角度Yとの両方に基づいて水平走査方向上での輝度を補正することにより、リモートコントローラ31の位置(ユーザーの位置)から見た水平走査方向上での輝度を均一にするための補正を、きめ細かく行うようになっている。
【0061】
すなわち、ユーザーがリア式液晶プロジェクタ1に対して斜め方向に位置している場合(角度Yが大きい場合)でも、ユーザーがリア式液晶プロジェクタ1から遠く離れているとき(距離Xが大きいとき)は、リア式液晶プロジェクタ1の近くにいるとき(距離Xが小さいとき)よりも画面の左寄りの部分と右寄りの部分との明るさの差がそれほど感じられなくなるので、輝度の補正量は少なくしてよいはずである。
【0062】
そこで、マイクロコンピュータ7内のデータテーブルは、前述のように角度Yが同じであっても距離Xが大きくなるほどゲイン値が減少するように(輝度の補正量を少なくするように)になっている。
【0063】
このようにして、リモートコントローラ31の位置(ユーザーの位置)から見た水平走査方向上での輝度を均一にするための補正を、距離Xと角度Yとの両方に基づいてきめ細かく行うようになっている。
【0064】
なお、以上の例では水平走査方向上での輝度を補正しているが、これに加え(あるいはこれに代えて)、リア式液晶プロジェクタ1の縦方向における異なる高さの箇所に複数の位置検出用受光部を設けて画面中心に対する垂直方向上でのリモートコントローラ31の距離や角度を検出することにより、垂直走査方向上での輝度も補正するようにしてよい。
【0065】
また、以上の例ではリア式液晶プロジェクタ1に対するリモートコントローラ31の位置関係に応じて水平走査方向上での輝度を補正しているが、リモートコントローラ31以外の専用の信号発信源を用意し、リア式液晶プロジェクタ1に対するその発信源の位置関係に応じて水平走査方向上での輝度を補正するようにしてもよい。
【0066】
その場合にも、ユーザーは、リア式液晶プロジェクタ1を視聴する際にその発信源を自分の手許に置いておくことにより、やはりリア式液晶プロジェクタ1の斜め方向に位置する場合にも均一な明るさの画面を見ることができるようになる。
【0067】
また、以上の例ではリア式液晶プロジェクタに本発明を適用しているが、それ以外の投射型表示装置(例えばCRTを用いたリア式プロジェクタ)にも本発明を適用してよい。
【0068】
また、本発明は、以上の例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとりうることはもちろんである。
【0069】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る投射型表示装置によれば、投射型表示装置に対する信号の発信源の位置関係に応じて水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度を補正することにより、その発信源がこの投射型表示装置の斜め方向に位置する場合には、その発信源の位置から見て水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度が均一になるような補正を行うことができる。
【0070】
これにより、ユーザーは、投射型表示装置を視聴する際にその発信源を自分の手許に置いておくことにより、投射型表示装置の斜め方向に位置する場合にも均一な明るさの画面を見ることができるという効果が得られる。
【0071】
また、ユーザーは、投射型表示装置を視聴する際に通常手許に置いているリモートコントローラをそのまま利用して、投射型表示装置の斜め方向に位置する場合にも均一な明るさの画面を見ることができるという効果も得られる。
【0072】
また、投射型表示装置に対する信号の発信源の位置関係として距離と角度との両方を検出し、この距離と角度との両方に基づいて水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度を補正することにより、その発信源の位置から見た水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度を均一にするための補正を、一層きめ細かく行うことができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したリア式液晶プロジェクタの外観を示す平面図である。
【図2】本発明を適用したリア式液晶プロジェクタ内の輝度均一化システムを示す図である。
【図3】図2の位置検出用受光部内の信号を示す図である。
【図4】本発明を適用したリア式液晶プロジェクタの遠隔操作用のリモートコントローラの外観を示す図である。
【図5】図2のマイクロコンピュータ内のデータテーブルを示す図である。
【図6】リア式液晶プロジェクタの画面の中心に対する距離X及び角度Yを示す図である。
【図7】図2のマイクロコンピュータが実行する処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明を適用したリア式液晶プロジェクタでの画面の明るさの均一化の様子を示す図である。
【図9】従来のリア式プロジェクタでの画面の明るさを例示する図である。
【符号の説明】
1 リア式液晶プロジェクタ、 2,3 位置検出用受光部、 4 リモコン受光部、 5,6 A/D変換器、 7 マイクロコンピュータ、 8 バス、9 ゲインコントロールアンプ、 10 セレクタ、 11 乗算器、 21 フォトダイオード、 31 リモートコントローラ、 32 明るさ均一化釦
【発明の属する技術分野】
本発明は、背面投射式の投射型表示装置(リア式プロジェクタ)に関し、特に、画面を斜め方向から見た際の明るさの均一化を図ったものに関する。
【0002】
【従来の技術】
大画面の映像表示装置の一種として、リア式プロジェクタが普及している。リア式プロジェクタは、液晶パネルで形成した画像光(あるいはCRT管面上の画像光)を、投射レンズ及びミラーを経て、プロジェクタ本体に取り付けた透過型のスクリーンに投射するものである。
【0003】
リア式プロジェクタは、直視型のディスプレイと比較すると視野角が狭い。そのため、一般に、レンチキュラレンズとフレネルレンズとを組み合わせたシートをスクリーンとして用いることにより、スクリーンで光を拡散して、視野角を改善するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように光を拡散しても、スクリーンを斜めから見た際の輝度は、スクリーンを正面から見た際の輝度よりもかなり小さくなる。
【0005】
そのため、従来は、例えば図9に示すようにリア式プロジェクタ41に対してユーザー42が斜め方向に位置する場合には、画面のうちユーザー42から近いほうの部分(図では画面の左寄りの部分)は正面から見ることになるので明るく見えるが、画面のうちユーザー42から遠いほうの部分(図では画面の右寄りの部分)は斜めから見ることになるので暗く見え、その結果ユーザー42にとって画面の明るさが不均一になってしまう。
【0006】
例えば家庭内では、部屋のスペースやレイアウトの都合等から、このようにユーザーがリア式プロジェクタの斜め方向の位置から画面を見ざるをえない場合もある。
【0007】
また、例えば家電販売店の販売コーナーでも、隅のほうに配置しているリア式プロジェクタについては、このように斜め方向の位置からしかユーザー(顧客)に画面を見せることができず、その結果販売促進につながらないこともある。
【0008】
本発明は、上述の点に鑑み、リア式プロジェクタの斜め方向に位置するユーザーが、均一な明るさの画面を見ることができるようにすることを課題としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本出願人は、投射型表示装置において、所定の信号を受信する受信手段と、この受信手段で受信したこの信号のレベルに基づき、この投射型表示装置に対するこの信号の発信源の位置関係を検出する位置検出手段と、この位置検出手段の検出結果に応じて水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度を補正する補正手段とを備えたものを提案する。
【0010】
この投射型表示装置では、受信した所定の信号のレベルに基づいて投射型表示装置に対する信号発信源の位置関係が検出され、その位置関係に応じて水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度が補正される。
【0011】
これにより、その発信源がこの投射型表示装置の斜め方向に位置する場合には、その発信源の位置から見て水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度が均一になるような補正を行うことができる。
【0012】
したがって、ユーザーは、この投射型表示装置を視聴する際にその発信源を自分の手許に置いておくことにより、この投射型表示装置の斜め方向に位置する場合にも均一な明るさの画面を見ることができるようになる。
【0013】
なお、この投射型表示装置において、一例として、受信手段は、投射型表示装置の遠隔操作用のリモートコントローラからの信号を受信するものであることが好適である。
【0014】
それにより、ユーザーは、投射型表示装置を視聴する際に通常手許に置いているリモートコントローラをそのまま利用して、投射型表示装置の斜め方向に位置する場合にも均一な明るさの画面を見ることができるようになる。
【0015】
また、この投射型表示装置において、一例として、受信手段を投射型表示装置の画面の両端にそれぞれ設け、これらの受信手段で受信した信号のレベルに基づいて位置検出手段で投射型表示装置に対する信号の発信源の距離及び角度を検出することが好適である。
【0016】
このように、投射型表示装置に対する信号の発信源の位置関係として距離と角度との両方を検出し、この距離と角度との両方に基づいて水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度を補正することにより、その発信源の位置から見た水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度を均一にするための補正を、一層きめ細かく行うことができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をリア式液晶プロジェクタに適用した例を、図面を用いて具体的に説明する。
【0018】
図1は、本発明を適用したリア式液晶プロジェクタの外観を示す平面図である。このリア式液晶プロジェクタ1の前面の左,右の端部(画面の両側)には、位置検出用受光部2,3がそれぞれ設けられている。リア式液晶プロジェクタ1の縦方向(垂直方向)での位置検出用受光部2,3の設置箇所の高さは、互いに同じになっている。
【0019】
位置検出用受光部2,3は、リア式液晶プロジェクタ1の遠隔操作用のリモートコントローラからの赤外線信号を、リア式液晶プロジェクタ1に対するこのリモートコントローラの位置関係の検出用に受信するものである。
【0020】
なお、リア式液晶プロジェクタ1の前面の中央部には、一般的なリア式液晶プロジェクタにおけるのと同様に、このリモートコントローラからの赤外線信号を受信してそのコードを復調するリモコン受光部4が設けられている。
【0021】
図2は、このリア式液晶プロジェクタ1内の輝度均一化システムを示す。この輝度均一化システムは、図1に示した位置検出用受光部2,3及びリモコン受光部4と、A/D変換器5,6と、マイクロコンピュータ7と、バス8を介してマイクロコンピュータ7に接続されたゲインコントロールアンプ9と、セレクタ10と、乗算器11とを含んでいる。
【0022】
位置検出用受光部2と位置検出用受光部3とは互いに同じ構成のものであり、図2には代表的に位置検出用受光部2の構成を示している。位置検出用受光部2,3は、リモートコントローラからの赤外線信号を受信するための、可視光カットレンズ付のフォトダイオード21を含んでいる。
【0023】
フォトダイオード21のカソード側は、抵抗器R1(1MΩ)及び抵抗器R2(100kΩ)を介して5Vの電源に接続されている。フォトダイオード21のアノード側は、接地されている。
【0024】
フォトダイオード21と抵抗器R1との接続中点p1はトランジスタQ1のベースに接続されており、抵抗器R1と抵抗器R2との接続中点p2はトランジスタQ1のコレクタに接続されている。トランジスタQ1のエミッタは、フォトダイオード21と接地との接続中点に接続されている。
【0025】
接続中点p2は、アンプ22を介して、トランジスタQ2のベースにも接続されている。トランジスタQ2のコレクタは電源と抵抗器R2との接続中点に接続されており、トランジスタQ2のエミッタは抵抗器R3(10kΩ)を介して接地されている。
【0026】
トランジスタQ2と抵抗器R3との接続中点は、キャパシタC1(1μF)を介して接地されている。抵抗器R3とキャパシタC1とは、ピークホールド回路を形成している。
【0027】
なお、通常のコード復調用のリモコン受光部(リア式液晶プロジェクタ1ではリモコン受光部4)内のアンプは、リモートコントローラとの遠近関係にかかわらず正確にコードを復調できるようにするために、フォトダイオードの出力を一定レベルに調整する(リモートコントローラの位置が遠いためにフォトダイオードの出力レベルが低い場合には、ゲインを上げる)ようになっているのが一般的である。
【0028】
これに対し、位置検出用受光部2,3内のアンプ22は、常にゲインが一定に(リモートコントローラの位置が遠いためにフォトダイオード21の出力レベルが低い場合には、アンプ22の出力レベルもそれに比例して低くなるように)されている。
【0029】
図3は、位置検出用受光部2,3内における接続中点p1の信号(フォトダイオード21の出力信号),接続中点p2の信号,図2のp3の箇所の信号(ピークホールド回路の出力信号)をそれぞれ例示する図である。
【0030】
フォトダイオード21の出力信号のレベルが0.6Vである場合、接続中点p2の信号レベルは0.8Vになる。そして、この接続中点p2の信号がアンプ22を介してトランジスタQ2のベースに供給されたことに基づくトランジスタQ2のエミッタからの信号のピークレベルが、箇所p3においてピークホールド回路で保持される。
【0031】
図2に示すように、位置検出用受光部2からは、このピークホールド回路の出力信号DC1が、A/D変換器5を介してマイクロコンピュータ7に送られる。位置検出用受光部3からも、このピークホールド回路の出力信号DC2が、A/D変換器6を介してマイクロコンピュータ7に送られる。
【0032】
マイクロコンピュータ7には、リモコン受光部4で復調されたコードも送られる。図4は、このリア式液晶プロジェクタ1の遠隔操作用のリモートコントローラの外観を示す。このリモートコントローラ31には、通常のリア式液晶プロジェクタの遠隔操作用のリモートコントローラにおけるのと同様な各種の操作釦に加えて、画面の明るさを均一化させるための操作釦である明るさ均一化釦32が設けられている。したがって、マイクロコンピュータ7には、この明るさ均一化釦32の操作に基づくコードも送られる。
【0033】
図2に示すように、セレクタ10の一方の選択入力端子には、このリア式液晶プロジェクタ1内の水平走査のこぎり波発生回路(図示略)によって水平同期信号から作成された水平走査のこぎり波HSAW(+)(右肩下がりの水平走査のこぎり波)が入力する。また、セレクタ10のもう一方の選択入力端子には、この水平走査のこぎり波発生回路によってHSAW(+)を反転させて作成された水平走査のこぎり波HSAW(−)(右肩上がりの水平走査のこぎり波)が入力する。
【0034】
マイクロコンピュータ7からは、セレクタ10に選択制御信号が与えられる。セレクタ10で選択された水平走査のこぎり波(HSAW(+),HSAW(−)のいずれか)は、ゲインコントロールアンプ9に送られる。
【0035】
ゲインコントロールアンプ9には、マイクロコンピュータ7から、ゲイン値を示す制御信号がバス8を介して送られる。ゲインコントロールアンプ9でゲイン調整された水平走査のこぎり波は、乗算器11に送られる。
【0036】
乗算器11では、この水平走査のこぎり波が、リア式液晶プロジェクタ1内の映像信号処理系(図示略)から出力された映像信号(RGB)信号に重畳される。この水平走査のこぎり波を重畳された映像信号は、リア式液晶プロジェクタ1内の液晶駆動回路(図示略)に送られる。
【0037】
マイクロコンピュータ7内のROMには、図5に示すようなデータテーブルが格納されている。このデータテーブルは、図6に示すようなリア式液晶プロジェクタ1の画面(スクリーン)の中心に対する水平方向上での距離Xの大きさ(X1未満であるか、X1以上X2未満であるか、X2以上X3未満であるか、X3以上あるか)及びこの画面中心の正面に対する水平方向上での角度Yの大きさ(Y1未満であるか、Y1以上Y2未満であるか、Y2以上Y3未満であるか、Y3以上あるか)と、ゲインコントロールアンプ9のゲイン値とを対応させたものである。
【0038】
このデータテーブル内のゲイン値は、角度が大きくなるほど増加するとともに、距離が大きくなるほど減少している。また、角度がY1未満である場合(画面中心のほぼ正面である場合)のデータテーブル内のゲイン値は、水平走査のこぎり波HSAW(+)やHSAW(−)がゲインコントロールアンプ9によって平坦な波形に変換されるような小さな値になっている。
【0039】
図7は、マイクロコンピュータ7が実行する処理を示すフローチャートである。この処理は、図4のリモートコントローラ31の明るさ均一化釦32の操作に基づくコードがマイクロコンピュータ7に送られるとスタートし、最初に、位置検出用受光部2,3から現在送られている信号DC1,DC2のレベルをそれぞれ見る(ステップS1)。
【0040】
続いて、このリア式液晶プロジェクタ1の画面の中心に対するリモートコントローラ31の現在の距離Xを、X=(DC1+DC2)/2として求める(ステップS2)。
【0041】
また、このリア式液晶プロジェクタ1の画面の中心に対するリモートコントローラ31の現在の角度Yを、Y=DC1−DC2の絶対値として求める(ステップS3)。
【0042】
続いて、図5のデータテーブルにおいてこの求めた距離X及び角度Yに対応しているゲイン値を求める(ステップS4)。そして、その求めたゲイン値を示す制御信号を、バス8を介してゲインコントロールアンプ9に送る(ステップS5)。
【0043】
続いて、信号DC1のレベルが信号DC2のレベル以上であるか否かを判断する(ステップS6)。イエスであれば、HSAW(−)を選択させる選択制御信号をセレクタ10に与え(ステップS7)、他方ノーであれば、HSAW(+)を選択させる選択制御信号をセレクタ10に与える(ステップS8)。ステップS7またはS8を終えると、処理を終了する。
【0044】
次に、このリア式液晶プロジェクタ1の動作を説明する。家庭内において、図8Aに示すように、リア式液晶プロジェクタ1に対してユーザー42が斜め左方向に位置する場合に、ユーザー42がリモートコントローラ31(図4)の明るさ均一化釦32を操作すると、その操作に基づくコードがリモコン受光部4(図1,図2)からマイクロコンピュータ7(図2)に送られるとともに、その操作に基づく赤外線信号が位置検出用受光部2,3(図1,図2)のフォトダイオード21(図2)でそれぞれ受光されて、位置検出用受光部2,3から信号DC1,DC2がそれぞれマイクロコンピュータ7に送られる。
【0045】
このとき、位置検出用受光部2よりも位置検出用受光部3のほうがリモートコントローラ31から遠いので、位置検出用受光部2のフォトダイオード21の出力信号よりも位置検出用受光部3のフォトダイオード21の出力信号のほうがレベルが低くなる。したがって、信号DC1(位置検出用受光部2のピークホールド回路の出力信号)よりも信号DC2(位置検出用受光部3のピークホールド回路の出力信号)のほうがレベルが低くなる。
【0046】
また、信号DC1や信号DC2そのものの絶対的なレベルも、位置検出用受光部2や位置検出用受光部3がリモートコントローラ31から遠いほど低くなる。
【0047】
マイクロコンピュータ7では、この均一化釦32の操作に基づくコードが送らたことに基づき、信号DC1,DC2のレベルから、リア式液晶プロジェクタ1の画面中心に対するリモートコントローラ31の現在の距離X及び角度Yが求められる(図7のステップS1〜S3)。
【0048】
そして、マイクロコンピュータ7内のデータテーブル(図5)においてこの距離X及び角度Yに対応しているゲイン値を示す制御信号が、ゲインコントロールアンプ9に与えれられる(ステップS4,S5)。
【0049】
また、このとき信号DC1のレベルが信号DC2のレベル以上なので、水平走査のこぎり波HSAW(−)を選択させる選択制御信号がマイクロコンピュータ7からセレクタ10に与えられ(ステップS6,S7)、このHSAW(−)がセレクタ10からゲインコントロールアンプ9に送られる。
【0050】
そして、このHSAW(−)がゲインコントロールアンプ9で図8Aのようにゲイン調整された後乗算器11で映像信号と重畳されるので、映像信号の水平走査方向上でのレベルが、画面の左端から右端に向けて漸増するように補正される。
【0051】
これにより、リア式液晶プロジェクタ1の斜め左方向に位置するユーザー42の位置(リモートコントローラ31の位置)から見て水平走査方向上での輝度が均一になるように輝度が補正されるので、ユーザー42は均一な明るさの画面を見ることができる。
【0052】
他方、図8Bに示すように、リア式液晶プロジェクタ1に対してユーザー42が正面方向に位置する場合に、ユーザー42がリモートコントローラ31の明るさ均一化釦32を操作すると、今度は信号DC1のレベルと信号DC2のレベルとが略等しいので、図7のステップS3で求められる角度Yは図5,図6の角度Y1以下になる。
【0053】
したがって、この場合には、角度がY1未満である場合のデータテーブル内のゲイン値(前述のようにHSAW(+)やHSAW(−)をゲインコントロールアンプ9によって平坦な波形に変換させるような小さなゲイン値)を示す制御信号がゲインコントロールアンプ9に与えれられる。
【0054】
その結果、HSAW(+),HSAW(−)のいずれがセレクタ10で選択されてゲインコントロールアンプ9に送られた場合(信号DC1,DC2のいずれのレベルが僅かに大きかった場合)にも、ゲインコントロールアンプ9からは図8Bのように平坦な波形が乗算器11に送られ、この平坦な波形が乗算器11で映像信号と重畳されるので、ユーザー42はやはり均一な明るさの画面を見ることができる。
【0055】
他方、図8Cに示すように、リア式液晶プロジェクタ1に対してユーザー42が斜め右方向に位置する場合に、ユーザー42がリモートコントローラ31の明るさ均一化釦32を操作すると、今度は信号DC1のレベルが信号DC2のレベル未満なので、水平走査のこぎり波HSAW(+)を選択させる選択制御信号がマイクロコンピュータ7からセレクタ10に与えられ(ステップS6,S8)、このHSAW(+)がセレクタ10からゲインコントロールアンプ9に送られる。
【0056】
そして、このHSAW(+)がゲインコントロールアンプ9で図8Cのようにゲイン調整された後乗算器11で映像信号と重畳されるので、映像信号の水平走査方向上でのレベルが、画面の左端から右端に向けて漸減するように補正される。
【0057】
これにより、リア式液晶プロジェクタ1の斜め右方向に位置するユーザー42の位置(リモートコントローラ31の位置)から見て水平走査方向上での輝度が均一になるように輝度が補正されるので、ユーザー42はやはり均一な明るさの画面を見ることができる。
【0058】
以上のように、このリア式液晶プロジェクタ1によれば、リア式液晶プロジェクタ1に対するリモートコントローラ31の位置関係に応じて水平走査方向上での輝度を補正することにより、リモートコントローラ31がリア式液晶プロジェクタ1の斜め方向に位置する場合に、リモートコントローラ31の位置から見て水平走査方向上での輝度が均一になるような補正が行われる。
【0059】
これにより、ユーザーは、リア式液晶プロジェクタ1を視聴する際に通常手許に置いているリモートコントローラ31をそのまま利用して、リア式液晶プロジェクタ1の斜め方向に位置する場合にも均一な明るさの画面を見ることができるようになっている。
【0060】
また、リア式液晶プロジェクタ1に対するリモートコントローラ31の位置関係として距離Xと角度Yとの両方を検出し、この距離Xと角度Yとの両方に基づいて水平走査方向上での輝度を補正することにより、リモートコントローラ31の位置(ユーザーの位置)から見た水平走査方向上での輝度を均一にするための補正を、きめ細かく行うようになっている。
【0061】
すなわち、ユーザーがリア式液晶プロジェクタ1に対して斜め方向に位置している場合(角度Yが大きい場合)でも、ユーザーがリア式液晶プロジェクタ1から遠く離れているとき(距離Xが大きいとき)は、リア式液晶プロジェクタ1の近くにいるとき(距離Xが小さいとき)よりも画面の左寄りの部分と右寄りの部分との明るさの差がそれほど感じられなくなるので、輝度の補正量は少なくしてよいはずである。
【0062】
そこで、マイクロコンピュータ7内のデータテーブルは、前述のように角度Yが同じであっても距離Xが大きくなるほどゲイン値が減少するように(輝度の補正量を少なくするように)になっている。
【0063】
このようにして、リモートコントローラ31の位置(ユーザーの位置)から見た水平走査方向上での輝度を均一にするための補正を、距離Xと角度Yとの両方に基づいてきめ細かく行うようになっている。
【0064】
なお、以上の例では水平走査方向上での輝度を補正しているが、これに加え(あるいはこれに代えて)、リア式液晶プロジェクタ1の縦方向における異なる高さの箇所に複数の位置検出用受光部を設けて画面中心に対する垂直方向上でのリモートコントローラ31の距離や角度を検出することにより、垂直走査方向上での輝度も補正するようにしてよい。
【0065】
また、以上の例ではリア式液晶プロジェクタ1に対するリモートコントローラ31の位置関係に応じて水平走査方向上での輝度を補正しているが、リモートコントローラ31以外の専用の信号発信源を用意し、リア式液晶プロジェクタ1に対するその発信源の位置関係に応じて水平走査方向上での輝度を補正するようにしてもよい。
【0066】
その場合にも、ユーザーは、リア式液晶プロジェクタ1を視聴する際にその発信源を自分の手許に置いておくことにより、やはりリア式液晶プロジェクタ1の斜め方向に位置する場合にも均一な明るさの画面を見ることができるようになる。
【0067】
また、以上の例ではリア式液晶プロジェクタに本発明を適用しているが、それ以外の投射型表示装置(例えばCRTを用いたリア式プロジェクタ)にも本発明を適用してよい。
【0068】
また、本発明は、以上の例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとりうることはもちろんである。
【0069】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る投射型表示装置によれば、投射型表示装置に対する信号の発信源の位置関係に応じて水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度を補正することにより、その発信源がこの投射型表示装置の斜め方向に位置する場合には、その発信源の位置から見て水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度が均一になるような補正を行うことができる。
【0070】
これにより、ユーザーは、投射型表示装置を視聴する際にその発信源を自分の手許に置いておくことにより、投射型表示装置の斜め方向に位置する場合にも均一な明るさの画面を見ることができるという効果が得られる。
【0071】
また、ユーザーは、投射型表示装置を視聴する際に通常手許に置いているリモートコントローラをそのまま利用して、投射型表示装置の斜め方向に位置する場合にも均一な明るさの画面を見ることができるという効果も得られる。
【0072】
また、投射型表示装置に対する信号の発信源の位置関係として距離と角度との両方を検出し、この距離と角度との両方に基づいて水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度を補正することにより、その発信源の位置から見た水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度を均一にするための補正を、一層きめ細かく行うことができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したリア式液晶プロジェクタの外観を示す平面図である。
【図2】本発明を適用したリア式液晶プロジェクタ内の輝度均一化システムを示す図である。
【図3】図2の位置検出用受光部内の信号を示す図である。
【図4】本発明を適用したリア式液晶プロジェクタの遠隔操作用のリモートコントローラの外観を示す図である。
【図5】図2のマイクロコンピュータ内のデータテーブルを示す図である。
【図6】リア式液晶プロジェクタの画面の中心に対する距離X及び角度Yを示す図である。
【図7】図2のマイクロコンピュータが実行する処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明を適用したリア式液晶プロジェクタでの画面の明るさの均一化の様子を示す図である。
【図9】従来のリア式プロジェクタでの画面の明るさを例示する図である。
【符号の説明】
1 リア式液晶プロジェクタ、 2,3 位置検出用受光部、 4 リモコン受光部、 5,6 A/D変換器、 7 マイクロコンピュータ、 8 バス、9 ゲインコントロールアンプ、 10 セレクタ、 11 乗算器、 21 フォトダイオード、 31 リモートコントローラ、 32 明るさ均一化釦
Claims (3)
- 投射型表示装置において、
所定の信号を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した信号のレベルに基づき、前記投射型表示装置に対する前記信号の発信源の位置関係を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段の検出結果に応じて水平走査方向及び/または垂直走査方向上での輝度を補正する補正手段と
を備えたことを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項1に記載の投射型表示装置において、
前記受信手段は、前記投射型表示装置の遠隔操作用のリモートコントローラからの信号を受信することを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項1または2に記載の投射型表示装置において、
前記受信手段は、前記投射型表示装置の画面の両端にそれぞれ設けられており、
前記位置検出手段は、前記受信手段で受信した信号のレベルに基づき、前記投射型表示装置に対する前記信号の発信源の距離及び角度を検出することを特徴とする投射型表示装置。
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