JP3915159B2 - ウエハ用カセット検査装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエハを整列収納するカセットの変形や歪みを検査する、ウエハ用カセット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体産業の発展に伴い、半導体装置の製造工場においては、ウエハを整列収納したカセットの搬送の自動化が進められている。このような搬送の自動化は、主に、ロボットなどの搬送機械によって搬送がなされることにより実現されている。
ところで、このようなロボットなどの搬送機械による搬送方式では、カセットに変形や歪みがある場合に、搬送上のトラブルが発生してしまうことがある。したがって、トラブルを防止するため、カセットに変形や歪みが生じていないかを検査する必要がある。
従来、カセットの変形や歪みを検査するにあたっては、これら変形や歪みを高精度に測定するロボットタイプの検査装置が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このロボットタイプの検査装置は、高精度に測定を行うため構造が複雑で高価であり、また取り扱いが難しく、故障も多いものとなっている。しかも、これを用いた検査では、検査(測定)時間が一つのカセットに対して10分程度かかってしまうため、多量にカセットを使用する場合に検査時間ロスが大きくなってしまう。また、このような検査時間ロスを無くすため専用工程を設けることも考えられるが、その場合にはTAT(turn-around-time)の低下を招くといった新たな不都合を生じてしまう。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡略な構造でありしたがって安価で取り扱いが容易であり、しかもカセットの変形や歪みの有無の検査を短時間で行うことのできるウエハ用カセット検査装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のウエハ用カセット検査装置では、カセットを載置するための底板と、該底板上に設けられてカセットの底部を位置決めする位置決め部材と、前記底板上にてカセットの側面側に配置される一対の側板と、 該一対の側板の一方の側に配置され、かつカセットのウエハ入口側に配置される背板とを備えてなり、前記側板には、発光部と受光部とからなる第一の光センサが、発光部と受光部とが互いに対向した状態となるようにして該側板の一方に発光部が、他方に受光部が配設され、かつ、該第一の光センサが、位置決め部材によって位置決めされるカセットの下部前側と、下部後側と、上部前側と、上部後側の4か所にそれぞれ配設されており、前記背板には、前記位置決め部材によって位置決めされるカセットのウエハ入口側の両側の端縁よりそれぞれ外側でかつ該端縁のそれぞれの近傍に、その正面に該端縁が位置しているか否かを検出する第二の光センサが配設されていることを前記課題の解決手段とした。
【0006】
このウエハ用カセット検査装置によれば、第一の光センサそれぞれを予めカセットのスリット位置に合わせておくことにより、カセットの下部前後および上部前後の4か所の位置検出を行うことが可能になり、また、第二の光センサによってカセットの両側の端縁の位置ずれを検出することが可能になる。したがって、第一の光センサによってカセットの下部前後および上部前後の4か所のスリットがそれぞれカセット底面に対し予め設定された位置にあるか否かが分かり、また第二の光センサによってカセットの両側の端縁の位置ずれがあるか否かが分かることにより、カセットに変形や歪みがあるか否かが分かる。
【0007】
また、前記ウエハ用カセット検査装置においては、第一の光センサを、それぞれその位置が可変な状態で側板に取り付けるのが好ましく、このように可変にすれば、カセットの種類が変わりしたがってそのスリットの高さが変わっても、これに対応してその位置検出を行うことが可能になる。
また、前記ウエハ用カセット検査装置においては、位置決め部材としてカセットの種類に応じた複数種の形状のものを用意し、これらのうちの一つを、前記底板上に着脱可能に固定するのが好ましく、このように位置決め部材を複数種用意すれば、形状の異なる複数のカセットに対してそれぞれに変形や歪みの有無を検査することが可能になる。
【0008】
また、前記ウエハ用カセット検査装置においては、第二の光センサを、それぞれその位置が可変な状態で背板に取り付けるのが好ましく、このように可変にすれば、カセットの種類が変わりしたがってその横幅が変わっても、これに対応してその端縁の位置ずれを検出することが可能になる。
また、前記ウエハ用カセット検査装置においては、側板の少なくとも一方を、これら側板が離間しあるいは近づくよう前記底板上にて可動に設けるのが好ましく、このように側板を可動に設ければ、カセットの種類が変わりしたがってその横幅が変わっても、これに対応してカセットのセットを行うことが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のウエハ用カセット検査装置を詳しく説明する。
図1、図2、図3は本発明のウエハ用カセット検査装置の一実施形態例を示す図であり、図1はウエハ用カセット検査装置の平面図、図2は同じく正面図(図1における背板5側と反対の側から見た図)、図3は同じく側面図である。これらの図において符号1はウエハ用カセット検査装置であり、このウエハ用カセット検査装置1は、ウエハを整列収納するための複数のスリットを有したウエハ用カセットの変形を検査するためのものである。
【0010】
ここで、ウエハ用カセット検査装置1の説明に先立ち、この検査装置1の検査対象となるウエハ用カセットについて図4を参照して説明する。
図4において符号50はウエハ用カセット(以下、カセットと略称する)である。このカセット50は、一方を開口した略箱状のもので、その開口部分をウエハ入口51としたものである。このウエハ入口51に対して左右の側板部52、52には、それぞれ多数のスリット53…が水平方向に並列形成されている。これらスリット53…は、左右の側板部52、52にて互いに向かい合うスリット53、53で対をなしており、この対のスリット53、53に一枚のウエハWの両側が架け渡されるこにより、ウエハWはこの対のスリット53、53間に固定されるようになっている。したがって、これらスリット53の対がカセット50の下側から上側にかけて等間隔で多数形成されていることにより、カセット50はこれらスリット53の対の数分、ウエハWを整列収納できるようになっているのである。なお、スリット53は、当然その幅がウエハWの厚さより十分に大きく形成されている。
【0011】
また、カセット50のウエハ入口51側には、左右の側板部52、52の端縁に連続してそれぞれ外側(横側)に延びる前延出板54が形成されている。さらにカセット50のウエハ入口51と反対の側には、ウエハ入口51の反対方向に延びる一対の後延出板55、55が形成されている。これら前延出板54、後延出板55は、後述するようにカセット50を本発明のウエハ用カセット検査装置1で検査する際に、その位置決めのために用いられるようになっている。
【0012】
図1、図2、図3に示したウエハ用カセット検査装置1は、このような構成のカセット50の変形の有無を検査するためのもので、カセット50を載置するための底板2と、該底板2上に設けられてカセット50の底部を位置決めする位置決め部材3と、前記底板2上にてカセット50の側面側に配置される一対の側板4a、4bと、該一対の側板4a、4bの一方の側に配置されてカセット50のウエハ入口側を受ける背板5とを備えて構成されたものである。
【0013】
底板2は、図1に示したようにカセット50の底面に比べ十分に大きく形成された矩形状のもので、その上面における一方の短辺側には、長辺方向に沿う一対の溝6、6が形成されている。これら溝6、6は、後述するように前記一対の側板のうちの一方の側板4aの位置を移動させる際の、案内溝として機能するものである。
【0014】
位置決め部材3は、螺子等の公知の固定手段(図示略)によって底板2に着脱可能に固定されたもので、カセット50の底部に嵌合する内部形状を有したものである。すなわち、この位置決め部材3は、カセット50の底部の外形に対応する内部形状を有したもので、カセット50の前延出板54の裏面(後延出板55側の面)に当接する前位置決め部7と、該前位置決め部7の外側にて前延出板54の外側縁に当接する縁位置決め部8と、カセット50の後延出板55に係合する後位置決め部9とを有し、かつ、両側にカセット50の側板部52に当接する細板状の横位置決め部10を有して形成されたものである。
なお、この位置決め部材3としては、検査対象となるカセットの種類に応じ、予め形状の異なる複数種のものが用意されている。したがって、検査毎に対象となるカセットに対応した位置決め部材3を用いることにより、単一種のカセットだけでなく複数種のカセットに対し、その位置決めが行えるようになっているのである。
【0015】
側板4a、4bは、図2に示したように底板2の上面に当接する固定板部11aと、カセット50の側面側に位置した状態となる側板本体11bとからなる横面視L字状のもので、固定板部11aが底板2に螺子止めされたことによって底板2に固定されたものである。これら側板4a、4bのうち一方の側板4aは、底板2上にてその位置が可動なものとなっている。すなわち、該側板4aを固定する螺子12が底板2に形成された前記溝6に沿って該溝6内を移動することにより、該側板4aは、他方の側板4bと相対向した状態を維持しつつ底板2上にてその位置を移動できるようになっているのである。なお、他方の側板4bは、底板2に螺子止めされたことによってその位置が底板2に固定されている。
【0016】
また、これら側板4a、4bには、第一の光センサ13が合計4か所に配設されている。第一の光センサ13は、発光素子からなる発光部13aと受光素子からなる受光部13bとによって構成されたものである。これらは、互いに底板2に対して平行となる面上にて対向した状態となるように、例えば一方の側板4aに発光部13aが、他方の側板4bに受光部13bが設けられて構成されたもので、発光部13aから発せられた光を受光部13bで受け、これにより発光部13aと受光部13bとの間に光を遮断する物体があるか否かを検知するようになっている。
【0017】
これら第一の光センサ13…は、図1、図2、図3に示したように、側板4a(4b)の下部で前側と下部で後側、および上部で前側と上部で後側の4か所にそれぞれ配置されたもので、図3に示したように側板4a、4bにおける前記4か所のそれぞれの箇所に形成された縦長の長孔14に、挿通された状態で取り付けられたものである。すなわち、該第一の光センサ13は、位置決め部材3によって位置決めされるカセット50の下部で後側と下部で前側、および上部で後側と上部で前側の4か所に位置するようにそれぞれ配設されているのである。
【0018】
ここで、同じ側板4a(4b)にて横方向に隣合う二つの発光部13a、13a、および受光部13b、13bは、図3に示したようにそれぞれセンサフレーム15によって一体化されている。センサフレーム15は、細長い矩形板状のもので、その両端部に形成した一対の孔(図示略)内にそれぞれ発光部13aあるいは受光部13bを固定したものである。また、このセンサフレーム15は、側板4a(4b)の外面側に上下移動調節可能に螺子止め固定されたものである。すなわち、側板4a、4bには、第一の光センサ13の発光部13aあるいは受光部13bを挿通させる前記長孔14とは別に、センサフレーム15取付用の長孔16が形成されており、センサフレーム15はこの長孔16内にてボルトとナットとからなる螺子で上下移動調節可能に螺子止め固定されているのである。
【0019】
背板5は、図1に示したように前記位置決め部材3によって位置決めされるカセット50のウエハ入口51側となるように配置されたもので、位置決め部材3の前記縁位置決め部8の端部8aに当接した状態で底板2に固定されたものである。この背板5の両端部には、平面視した状態にて、前記位置決め部材3の縁位置決め部8の延長線上に第二の光センサ17が配設されている。そして、このように縁位置決め部8の延長線上に配設されたことによって第二の光センサ17は、前記位置決め部材3によって位置決めされるカセット50のウエハ入口側の両側の端縁よりそれぞれ僅か外側に、すなわち該端縁のそれぞれの近傍に配設されたものとなる。
【0020】
この第二の光センサ17は、第一の光センサ13とは異なり発光部と受光部とが一体化された例えば光ファイバ型のもので、発光部からその正面側に光を発し、この発射光が出射側で障害物に反射して戻ってくるのを受光部で受光するように構成されたものである。したがって、この第二の光センサ17は、その正面側(光出射側)における所定距離までの間に障害物があるか否か、すなわち、カセット50の変形によってその正面側に該カセット50のウエハ入口側の側端縁が位置しているか否かを検知するようになっている。なお、この第2の光センサ17は、それぞれ背板5の両端部に形成された横長の長孔(図示略)内に挿通された状態で固定されたもので、前記第一の光センサ13と同様に、該長孔内を横移動調節可能に固定されたものである。
【0021】
次に、このような構成のウエハ用カセット検査装置1による、カセット50の検査方法を説明する。
まず、カセット50の検査に先立ち、第一の光センサ13、第二の光センサ17の位置を例えば変形や歪みのない正常なカセット50を用いてそれぞれ調節し、正規な位置にセットする。ここで、正規な位置とは、第一の光センサ13については側板4a(4b)におけるそれぞれの位置にて、その発光部13aと受光部13bとが結ぶ光路が、位置決め部材3によって位置決め固定されたカセット50の適宜な位置のスリット53を通過する位置とする。
【0022】
なお、スリット53にウエハWを収納した状態で検査する場合には、スリット53の幅とウエハの厚みとの差にあたる部分、すなわちウエハの上面とスリットの上縁との間の開口部分を前記の正規な位置とし、この位置に第一の光センサ13の光路位置を対応させるようにセットする。また、第二の光センサ17については、前記の位置決め固定された変形や歪みのない正常なカセット50の、カセット入口51側の前延出板54、54のそれぞれより僅かに外側に向く位置を正規な位置とする。
【0023】
続いて、この正常なカセット50をウエハ用カセット検査装置1から外し、検査対象となるカセット50を、該検査装置1における位置決め部材3によって決まる正規な位置にセットする。ここで、位置決め部材3による位置決めについては、カセット50の前延出板54、54の外側端を縁位置決め部8にそれぞれ当接させ、かつ該前延出板54、54の裏面(後延出板55側の面)を前位置決め部7に当接させるとともに、カセット50の側板部52を横位置決め部10に当接させ、さらにカセット50の後延出板55に後位置決め部9を係合させることによって行う。
【0024】
このようにして検査対象となるカセット50を正規な位置にセットしたら、図5に示す検査フローチャートに従い、カセット50に変形や歪みがあるか否かを検査する。
まず、第一の光センサ13における上部で前側(背板5と反対の側)の光センサ13により、その発光部13aからの光が受光部13bに到達するか否かを検出し(ステップ1、以下ST1と記す)、これにより正常な状態である場合の対のスリット53、53の位置から該スリット位置がずれていないかを判定する。すなわち、発光部13aからの光が受光部13bに到達しなかった場合には、カセット50が変形しているとし、上部カセット溝NGとしてカセット検査判定を不合格とする。
また、光センサ13の発光部13aからの光を受光部13bが受光し、したがって上部のスリット53における前側(カセット50にあっては後側)の位置がずれていないと判定された場合には、ステップ2に移る。
【0025】
ステップ2では、第一の光センサ13における上部で後側(背板5側)の光センサ13により、その発光部13aからの光が受光部13bに到達するか否かを検出する。
このような検出により、先の場合と同様にして上部のスリットにおける後側(カセット50にあっては前側)に位置ずれがあり、カセット50が変形していると判定された場合には、やはり上部カセット溝NGとしてカセット検査判定を不合格とする。
一方、スリット53の位置がずれていないと判定された場合には、上部カセット溝OKとし、さらにステップ3に移る。
【0026】
ステップ3では、第一の光センサ13における下部で前側(背板5と反対の側)の光センサ13により、その発光部13aからの光が受光部13bに到達するか否かを検出し、先の検出と同様に判定する。そして、カセット50が変形していると判定された場合には、下部カセット溝NGとしてカセット検査判定を不合格とする。一方、スリット53の位置がずれていないと判定された場合には、ステップ4に移る。
【0027】
ステップ4では、第一の光センサ13における下部で後側(背板5側)の光センサ13により、その発光部13aからの光が受光部13bに到達するか否かを検出し、先の検出と同様に判定する。そして、カセット50が変形していると判定された場合には、下部カセット溝NGとしてカセット検査判定を不合格とする。一方、スリット53の位置がずれていないと判定された場合には、下部カセット溝OKとし、ステップ5に移る。
【0028】
ステップ5では、第二の光センサ17における一方の側、例えば左側の光センサ17により、該光センサ17の光出射側にカセット50の前延出板54が位置していないかを、すなわち前延出板54が位置することによって発光部からの発射光が前延出板54で反射し、これが戻ってきて受光部で受光されるか否かを検知する。そして、受光部で反射光が受光され、前延出板54が位置すると検知された場合には、本来あってはならない位置に前延出板54があることから、カセット傾きNGとしてカセット検査判定を不合格とする。
また、受光部で反射光が受光されず、したがって前延出板54が正規な位置にあると判定された場合には、ステップ6に移る。
【0029】
ステップ6では、第二の光センサ17における他方の側、例えば右側の光センサ17により、ステップ5と同様にして該光センサ17の光出射側にカセット50の前延出板54が位置していないかを検知する。そして、受光部で反射光が受光され、前延出板54が位置すると検知された場合には、カセット傾きNGとしてカセット検査判定を不合格とする。
また、受光部で反射光が受光されず、したがって前延出板54が正規な位置にあると判定された場合には、カセット傾きOKとし、これによりカセット50に変形や歪みがないとしてカセット検査判定を合格とする。
【0030】
すなわち、このような検査によれば、カセット50の上下前後の4か所において、左右で対をなすスリット53、53がカセット50の底面に対して同じ高さにあり、したがって全体として水平が保たれていることが第一の光センサ13…で確認され、さらに、カセット50が左右のいずれにも傾いていないことが第二の光センサ17で確認されることにより、カセット50に変形や歪みがないと判断されるのである。
【0031】
よって、このウエハ用カセット検査装置1にあっては、カセット50を位置決め部材3で決められる正規な位置に置き(セットし)、各光センサ13、17でそれぞれ自動的に位置ずれの有無を検出することにより、カセット50に変形や歪みがあるか否かを簡単にしかも短時間(3秒以内)に検査することができる。したがって、このように短時間で検査を行うことができ、またウエハWが収納された状態でも検査を行うことができるので、検査のための専用工程を設けることなく作業工程内にて検査を行うことができ、これによりTATの向上を図ることができる。
【0032】
また、前記ウエハ用カセット検査装置1では、第一の光センサ13が、それぞれその位置が可変な状態でセンサフレーム15を介して側板4a、4bに取り付けられているので、カセットの種類が変わりしたがってそのスリット53の高さが変わっても、これに対応してその位置検出を行うことができる。
また、位置決め部材3としてカセットの種類に応じた複数種の形状のものが用意されているので、検査毎に対象となるカセットに対応した位置決め部材3を選択してこれを用いることにより、単一種のカセットだけでなく複数種のカセットに対してその位置決めを行うことができ、したがって、形状の異なる複数のカセットに対してそれぞれに変形や歪みの有無を検査することができる。
【0033】
また、第二の光センサが、それぞれその位置が可変な状態で背板5に取り付けられているので、カセットの種類が変わりしたがってその横幅が変わっても、これに対応してその端縁の位置ずれを検出することができる。
また、一方の側板4aが、これら側板4a、4bが離間しあるいは近づくよう前記底板2上にて可動に設けられているので、カセットの種類が変わりしたがってその横幅が変わっても、これに対応してカセットのセットを行うことができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のウエハ用カセット検査装置は、カセットを位置決め部材で決められる正規な位置に置く(セットする)だけで、第一の光センサ、および第二の光センサによってそれぞれ自動的に位置ずれの有無を検出することができるようにしたものであるから、カセットに変形や歪みがあるか否かを簡単にしかも短時間(3秒以内)で検査することができる。したがって、このように短時間で検査を行うことができ、またウエハが収納された状態でも検査を行うことができることから、検査のための専用工程を設けることなく作業工程内にて検査を行うことができ、これによりTATの向上を図ることができる。
また、従来のロボットタイプの検査装置に比べ構造が簡略であることから、安価でしかも取り扱いも容易なものとなり、したがって半導体装置の製造コストの低減化に寄与するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるウエハ用カセット検査装置の一実施形態例の、概略構成を示す平面図である。
【図2】本発明におけるウエハ用カセット検査装置の一実施形態例の、概略構成を示す正面図である。
【図3】本発明におけるウエハ用カセット検査装置の一実施形態例の、概略構成を示す側面図である。
【図4】図1、図2、図3に示したウエハ用カセット検査装置の検査対象となるカセットの概略構成を示す斜視図である。
【図5】図1、図2、図3に示したウエハ用カセット検査装置による、カセットの検査方法を説明するための検査フローチャート図である。
【符号の説明】
1 ウエハ用カセット検査装置 2 底板 3 位置決め部材
4a、4b 側板 5 背板 13 第一の光センサ
17 第二の光センサ 50 ウエハ用カセット 51 ウエハ入口
53 スリット
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエハを整列収納するカセットの変形や歪みを検査する、ウエハ用カセット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体産業の発展に伴い、半導体装置の製造工場においては、ウエハを整列収納したカセットの搬送の自動化が進められている。このような搬送の自動化は、主に、ロボットなどの搬送機械によって搬送がなされることにより実現されている。
ところで、このようなロボットなどの搬送機械による搬送方式では、カセットに変形や歪みがある場合に、搬送上のトラブルが発生してしまうことがある。したがって、トラブルを防止するため、カセットに変形や歪みが生じていないかを検査する必要がある。
従来、カセットの変形や歪みを検査するにあたっては、これら変形や歪みを高精度に測定するロボットタイプの検査装置が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このロボットタイプの検査装置は、高精度に測定を行うため構造が複雑で高価であり、また取り扱いが難しく、故障も多いものとなっている。しかも、これを用いた検査では、検査(測定)時間が一つのカセットに対して10分程度かかってしまうため、多量にカセットを使用する場合に検査時間ロスが大きくなってしまう。また、このような検査時間ロスを無くすため専用工程を設けることも考えられるが、その場合にはTAT(turn-around-time)の低下を招くといった新たな不都合を生じてしまう。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡略な構造でありしたがって安価で取り扱いが容易であり、しかもカセットの変形や歪みの有無の検査を短時間で行うことのできるウエハ用カセット検査装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のウエハ用カセット検査装置では、カセットを載置するための底板と、該底板上に設けられてカセットの底部を位置決めする位置決め部材と、前記底板上にてカセットの側面側に配置される一対の側板と、 該一対の側板の一方の側に配置され、かつカセットのウエハ入口側に配置される背板とを備えてなり、前記側板には、発光部と受光部とからなる第一の光センサが、発光部と受光部とが互いに対向した状態となるようにして該側板の一方に発光部が、他方に受光部が配設され、かつ、該第一の光センサが、位置決め部材によって位置決めされるカセットの下部前側と、下部後側と、上部前側と、上部後側の4か所にそれぞれ配設されており、前記背板には、前記位置決め部材によって位置決めされるカセットのウエハ入口側の両側の端縁よりそれぞれ外側でかつ該端縁のそれぞれの近傍に、その正面に該端縁が位置しているか否かを検出する第二の光センサが配設されていることを前記課題の解決手段とした。
【0006】
このウエハ用カセット検査装置によれば、第一の光センサそれぞれを予めカセットのスリット位置に合わせておくことにより、カセットの下部前後および上部前後の4か所の位置検出を行うことが可能になり、また、第二の光センサによってカセットの両側の端縁の位置ずれを検出することが可能になる。したがって、第一の光センサによってカセットの下部前後および上部前後の4か所のスリットがそれぞれカセット底面に対し予め設定された位置にあるか否かが分かり、また第二の光センサによってカセットの両側の端縁の位置ずれがあるか否かが分かることにより、カセットに変形や歪みがあるか否かが分かる。
【0007】
また、前記ウエハ用カセット検査装置においては、第一の光センサを、それぞれその位置が可変な状態で側板に取り付けるのが好ましく、このように可変にすれば、カセットの種類が変わりしたがってそのスリットの高さが変わっても、これに対応してその位置検出を行うことが可能になる。
また、前記ウエハ用カセット検査装置においては、位置決め部材としてカセットの種類に応じた複数種の形状のものを用意し、これらのうちの一つを、前記底板上に着脱可能に固定するのが好ましく、このように位置決め部材を複数種用意すれば、形状の異なる複数のカセットに対してそれぞれに変形や歪みの有無を検査することが可能になる。
【0008】
また、前記ウエハ用カセット検査装置においては、第二の光センサを、それぞれその位置が可変な状態で背板に取り付けるのが好ましく、このように可変にすれば、カセットの種類が変わりしたがってその横幅が変わっても、これに対応してその端縁の位置ずれを検出することが可能になる。
また、前記ウエハ用カセット検査装置においては、側板の少なくとも一方を、これら側板が離間しあるいは近づくよう前記底板上にて可動に設けるのが好ましく、このように側板を可動に設ければ、カセットの種類が変わりしたがってその横幅が変わっても、これに対応してカセットのセットを行うことが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のウエハ用カセット検査装置を詳しく説明する。
図1、図2、図3は本発明のウエハ用カセット検査装置の一実施形態例を示す図であり、図1はウエハ用カセット検査装置の平面図、図2は同じく正面図(図1における背板5側と反対の側から見た図)、図3は同じく側面図である。これらの図において符号1はウエハ用カセット検査装置であり、このウエハ用カセット検査装置1は、ウエハを整列収納するための複数のスリットを有したウエハ用カセットの変形を検査するためのものである。
【0010】
ここで、ウエハ用カセット検査装置1の説明に先立ち、この検査装置1の検査対象となるウエハ用カセットについて図4を参照して説明する。
図4において符号50はウエハ用カセット(以下、カセットと略称する)である。このカセット50は、一方を開口した略箱状のもので、その開口部分をウエハ入口51としたものである。このウエハ入口51に対して左右の側板部52、52には、それぞれ多数のスリット53…が水平方向に並列形成されている。これらスリット53…は、左右の側板部52、52にて互いに向かい合うスリット53、53で対をなしており、この対のスリット53、53に一枚のウエハWの両側が架け渡されるこにより、ウエハWはこの対のスリット53、53間に固定されるようになっている。したがって、これらスリット53の対がカセット50の下側から上側にかけて等間隔で多数形成されていることにより、カセット50はこれらスリット53の対の数分、ウエハWを整列収納できるようになっているのである。なお、スリット53は、当然その幅がウエハWの厚さより十分に大きく形成されている。
【0011】
また、カセット50のウエハ入口51側には、左右の側板部52、52の端縁に連続してそれぞれ外側(横側)に延びる前延出板54が形成されている。さらにカセット50のウエハ入口51と反対の側には、ウエハ入口51の反対方向に延びる一対の後延出板55、55が形成されている。これら前延出板54、後延出板55は、後述するようにカセット50を本発明のウエハ用カセット検査装置1で検査する際に、その位置決めのために用いられるようになっている。
【0012】
図1、図2、図3に示したウエハ用カセット検査装置1は、このような構成のカセット50の変形の有無を検査するためのもので、カセット50を載置するための底板2と、該底板2上に設けられてカセット50の底部を位置決めする位置決め部材3と、前記底板2上にてカセット50の側面側に配置される一対の側板4a、4bと、該一対の側板4a、4bの一方の側に配置されてカセット50のウエハ入口側を受ける背板5とを備えて構成されたものである。
【0013】
底板2は、図1に示したようにカセット50の底面に比べ十分に大きく形成された矩形状のもので、その上面における一方の短辺側には、長辺方向に沿う一対の溝6、6が形成されている。これら溝6、6は、後述するように前記一対の側板のうちの一方の側板4aの位置を移動させる際の、案内溝として機能するものである。
【0014】
位置決め部材3は、螺子等の公知の固定手段(図示略)によって底板2に着脱可能に固定されたもので、カセット50の底部に嵌合する内部形状を有したものである。すなわち、この位置決め部材3は、カセット50の底部の外形に対応する内部形状を有したもので、カセット50の前延出板54の裏面(後延出板55側の面)に当接する前位置決め部7と、該前位置決め部7の外側にて前延出板54の外側縁に当接する縁位置決め部8と、カセット50の後延出板55に係合する後位置決め部9とを有し、かつ、両側にカセット50の側板部52に当接する細板状の横位置決め部10を有して形成されたものである。
なお、この位置決め部材3としては、検査対象となるカセットの種類に応じ、予め形状の異なる複数種のものが用意されている。したがって、検査毎に対象となるカセットに対応した位置決め部材3を用いることにより、単一種のカセットだけでなく複数種のカセットに対し、その位置決めが行えるようになっているのである。
【0015】
側板4a、4bは、図2に示したように底板2の上面に当接する固定板部11aと、カセット50の側面側に位置した状態となる側板本体11bとからなる横面視L字状のもので、固定板部11aが底板2に螺子止めされたことによって底板2に固定されたものである。これら側板4a、4bのうち一方の側板4aは、底板2上にてその位置が可動なものとなっている。すなわち、該側板4aを固定する螺子12が底板2に形成された前記溝6に沿って該溝6内を移動することにより、該側板4aは、他方の側板4bと相対向した状態を維持しつつ底板2上にてその位置を移動できるようになっているのである。なお、他方の側板4bは、底板2に螺子止めされたことによってその位置が底板2に固定されている。
【0016】
また、これら側板4a、4bには、第一の光センサ13が合計4か所に配設されている。第一の光センサ13は、発光素子からなる発光部13aと受光素子からなる受光部13bとによって構成されたものである。これらは、互いに底板2に対して平行となる面上にて対向した状態となるように、例えば一方の側板4aに発光部13aが、他方の側板4bに受光部13bが設けられて構成されたもので、発光部13aから発せられた光を受光部13bで受け、これにより発光部13aと受光部13bとの間に光を遮断する物体があるか否かを検知するようになっている。
【0017】
これら第一の光センサ13…は、図1、図2、図3に示したように、側板4a(4b)の下部で前側と下部で後側、および上部で前側と上部で後側の4か所にそれぞれ配置されたもので、図3に示したように側板4a、4bにおける前記4か所のそれぞれの箇所に形成された縦長の長孔14に、挿通された状態で取り付けられたものである。すなわち、該第一の光センサ13は、位置決め部材3によって位置決めされるカセット50の下部で後側と下部で前側、および上部で後側と上部で前側の4か所に位置するようにそれぞれ配設されているのである。
【0018】
ここで、同じ側板4a(4b)にて横方向に隣合う二つの発光部13a、13a、および受光部13b、13bは、図3に示したようにそれぞれセンサフレーム15によって一体化されている。センサフレーム15は、細長い矩形板状のもので、その両端部に形成した一対の孔(図示略)内にそれぞれ発光部13aあるいは受光部13bを固定したものである。また、このセンサフレーム15は、側板4a(4b)の外面側に上下移動調節可能に螺子止め固定されたものである。すなわち、側板4a、4bには、第一の光センサ13の発光部13aあるいは受光部13bを挿通させる前記長孔14とは別に、センサフレーム15取付用の長孔16が形成されており、センサフレーム15はこの長孔16内にてボルトとナットとからなる螺子で上下移動調節可能に螺子止め固定されているのである。
【0019】
背板5は、図1に示したように前記位置決め部材3によって位置決めされるカセット50のウエハ入口51側となるように配置されたもので、位置決め部材3の前記縁位置決め部8の端部8aに当接した状態で底板2に固定されたものである。この背板5の両端部には、平面視した状態にて、前記位置決め部材3の縁位置決め部8の延長線上に第二の光センサ17が配設されている。そして、このように縁位置決め部8の延長線上に配設されたことによって第二の光センサ17は、前記位置決め部材3によって位置決めされるカセット50のウエハ入口側の両側の端縁よりそれぞれ僅か外側に、すなわち該端縁のそれぞれの近傍に配設されたものとなる。
【0020】
この第二の光センサ17は、第一の光センサ13とは異なり発光部と受光部とが一体化された例えば光ファイバ型のもので、発光部からその正面側に光を発し、この発射光が出射側で障害物に反射して戻ってくるのを受光部で受光するように構成されたものである。したがって、この第二の光センサ17は、その正面側(光出射側)における所定距離までの間に障害物があるか否か、すなわち、カセット50の変形によってその正面側に該カセット50のウエハ入口側の側端縁が位置しているか否かを検知するようになっている。なお、この第2の光センサ17は、それぞれ背板5の両端部に形成された横長の長孔(図示略)内に挿通された状態で固定されたもので、前記第一の光センサ13と同様に、該長孔内を横移動調節可能に固定されたものである。
【0021】
次に、このような構成のウエハ用カセット検査装置1による、カセット50の検査方法を説明する。
まず、カセット50の検査に先立ち、第一の光センサ13、第二の光センサ17の位置を例えば変形や歪みのない正常なカセット50を用いてそれぞれ調節し、正規な位置にセットする。ここで、正規な位置とは、第一の光センサ13については側板4a(4b)におけるそれぞれの位置にて、その発光部13aと受光部13bとが結ぶ光路が、位置決め部材3によって位置決め固定されたカセット50の適宜な位置のスリット53を通過する位置とする。
【0022】
なお、スリット53にウエハWを収納した状態で検査する場合には、スリット53の幅とウエハの厚みとの差にあたる部分、すなわちウエハの上面とスリットの上縁との間の開口部分を前記の正規な位置とし、この位置に第一の光センサ13の光路位置を対応させるようにセットする。また、第二の光センサ17については、前記の位置決め固定された変形や歪みのない正常なカセット50の、カセット入口51側の前延出板54、54のそれぞれより僅かに外側に向く位置を正規な位置とする。
【0023】
続いて、この正常なカセット50をウエハ用カセット検査装置1から外し、検査対象となるカセット50を、該検査装置1における位置決め部材3によって決まる正規な位置にセットする。ここで、位置決め部材3による位置決めについては、カセット50の前延出板54、54の外側端を縁位置決め部8にそれぞれ当接させ、かつ該前延出板54、54の裏面(後延出板55側の面)を前位置決め部7に当接させるとともに、カセット50の側板部52を横位置決め部10に当接させ、さらにカセット50の後延出板55に後位置決め部9を係合させることによって行う。
【0024】
このようにして検査対象となるカセット50を正規な位置にセットしたら、図5に示す検査フローチャートに従い、カセット50に変形や歪みがあるか否かを検査する。
まず、第一の光センサ13における上部で前側(背板5と反対の側)の光センサ13により、その発光部13aからの光が受光部13bに到達するか否かを検出し(ステップ1、以下ST1と記す)、これにより正常な状態である場合の対のスリット53、53の位置から該スリット位置がずれていないかを判定する。すなわち、発光部13aからの光が受光部13bに到達しなかった場合には、カセット50が変形しているとし、上部カセット溝NGとしてカセット検査判定を不合格とする。
また、光センサ13の発光部13aからの光を受光部13bが受光し、したがって上部のスリット53における前側(カセット50にあっては後側)の位置がずれていないと判定された場合には、ステップ2に移る。
【0025】
ステップ2では、第一の光センサ13における上部で後側(背板5側)の光センサ13により、その発光部13aからの光が受光部13bに到達するか否かを検出する。
このような検出により、先の場合と同様にして上部のスリットにおける後側(カセット50にあっては前側)に位置ずれがあり、カセット50が変形していると判定された場合には、やはり上部カセット溝NGとしてカセット検査判定を不合格とする。
一方、スリット53の位置がずれていないと判定された場合には、上部カセット溝OKとし、さらにステップ3に移る。
【0026】
ステップ3では、第一の光センサ13における下部で前側(背板5と反対の側)の光センサ13により、その発光部13aからの光が受光部13bに到達するか否かを検出し、先の検出と同様に判定する。そして、カセット50が変形していると判定された場合には、下部カセット溝NGとしてカセット検査判定を不合格とする。一方、スリット53の位置がずれていないと判定された場合には、ステップ4に移る。
【0027】
ステップ4では、第一の光センサ13における下部で後側(背板5側)の光センサ13により、その発光部13aからの光が受光部13bに到達するか否かを検出し、先の検出と同様に判定する。そして、カセット50が変形していると判定された場合には、下部カセット溝NGとしてカセット検査判定を不合格とする。一方、スリット53の位置がずれていないと判定された場合には、下部カセット溝OKとし、ステップ5に移る。
【0028】
ステップ5では、第二の光センサ17における一方の側、例えば左側の光センサ17により、該光センサ17の光出射側にカセット50の前延出板54が位置していないかを、すなわち前延出板54が位置することによって発光部からの発射光が前延出板54で反射し、これが戻ってきて受光部で受光されるか否かを検知する。そして、受光部で反射光が受光され、前延出板54が位置すると検知された場合には、本来あってはならない位置に前延出板54があることから、カセット傾きNGとしてカセット検査判定を不合格とする。
また、受光部で反射光が受光されず、したがって前延出板54が正規な位置にあると判定された場合には、ステップ6に移る。
【0029】
ステップ6では、第二の光センサ17における他方の側、例えば右側の光センサ17により、ステップ5と同様にして該光センサ17の光出射側にカセット50の前延出板54が位置していないかを検知する。そして、受光部で反射光が受光され、前延出板54が位置すると検知された場合には、カセット傾きNGとしてカセット検査判定を不合格とする。
また、受光部で反射光が受光されず、したがって前延出板54が正規な位置にあると判定された場合には、カセット傾きOKとし、これによりカセット50に変形や歪みがないとしてカセット検査判定を合格とする。
【0030】
すなわち、このような検査によれば、カセット50の上下前後の4か所において、左右で対をなすスリット53、53がカセット50の底面に対して同じ高さにあり、したがって全体として水平が保たれていることが第一の光センサ13…で確認され、さらに、カセット50が左右のいずれにも傾いていないことが第二の光センサ17で確認されることにより、カセット50に変形や歪みがないと判断されるのである。
【0031】
よって、このウエハ用カセット検査装置1にあっては、カセット50を位置決め部材3で決められる正規な位置に置き(セットし)、各光センサ13、17でそれぞれ自動的に位置ずれの有無を検出することにより、カセット50に変形や歪みがあるか否かを簡単にしかも短時間(3秒以内)に検査することができる。したがって、このように短時間で検査を行うことができ、またウエハWが収納された状態でも検査を行うことができるので、検査のための専用工程を設けることなく作業工程内にて検査を行うことができ、これによりTATの向上を図ることができる。
【0032】
また、前記ウエハ用カセット検査装置1では、第一の光センサ13が、それぞれその位置が可変な状態でセンサフレーム15を介して側板4a、4bに取り付けられているので、カセットの種類が変わりしたがってそのスリット53の高さが変わっても、これに対応してその位置検出を行うことができる。
また、位置決め部材3としてカセットの種類に応じた複数種の形状のものが用意されているので、検査毎に対象となるカセットに対応した位置決め部材3を選択してこれを用いることにより、単一種のカセットだけでなく複数種のカセットに対してその位置決めを行うことができ、したがって、形状の異なる複数のカセットに対してそれぞれに変形や歪みの有無を検査することができる。
【0033】
また、第二の光センサが、それぞれその位置が可変な状態で背板5に取り付けられているので、カセットの種類が変わりしたがってその横幅が変わっても、これに対応してその端縁の位置ずれを検出することができる。
また、一方の側板4aが、これら側板4a、4bが離間しあるいは近づくよう前記底板2上にて可動に設けられているので、カセットの種類が変わりしたがってその横幅が変わっても、これに対応してカセットのセットを行うことができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のウエハ用カセット検査装置は、カセットを位置決め部材で決められる正規な位置に置く(セットする)だけで、第一の光センサ、および第二の光センサによってそれぞれ自動的に位置ずれの有無を検出することができるようにしたものであるから、カセットに変形や歪みがあるか否かを簡単にしかも短時間(3秒以内)で検査することができる。したがって、このように短時間で検査を行うことができ、またウエハが収納された状態でも検査を行うことができることから、検査のための専用工程を設けることなく作業工程内にて検査を行うことができ、これによりTATの向上を図ることができる。
また、従来のロボットタイプの検査装置に比べ構造が簡略であることから、安価でしかも取り扱いも容易なものとなり、したがって半導体装置の製造コストの低減化に寄与するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるウエハ用カセット検査装置の一実施形態例の、概略構成を示す平面図である。
【図2】本発明におけるウエハ用カセット検査装置の一実施形態例の、概略構成を示す正面図である。
【図3】本発明におけるウエハ用カセット検査装置の一実施形態例の、概略構成を示す側面図である。
【図4】図1、図2、図3に示したウエハ用カセット検査装置の検査対象となるカセットの概略構成を示す斜視図である。
【図5】図1、図2、図3に示したウエハ用カセット検査装置による、カセットの検査方法を説明するための検査フローチャート図である。
【符号の説明】
1 ウエハ用カセット検査装置 2 底板 3 位置決め部材
4a、4b 側板 5 背板 13 第一の光センサ
17 第二の光センサ 50 ウエハ用カセット 51 ウエハ入口
53 スリット
Claims (5)
- ウエハを整列収納するための複数のスリットを有したカセットの変形を検査するための装置であって、
カセットを載置するための底板と、
該底板上に設けられてカセットの底部を位置決めする位置決め部材と、
前記底板上にてカセットの側面側に配置される一対の側板と、
該一対の側板の一方の側に配置され、かつカセットのウエハ入口側に配置される背板とを備えてなり、
前記側板には、発光部と受光部とからなる第一の光センサが、発光部と受光部とが互いに対向した状態となるようにして該側板の一方に発光部が、他方に受光部が配設され、かつ、該第一の光センサが、位置決め部材によって位置決めされるカセットの下部前側と、下部後側と、上部前側と、上部後側の4か所にそれぞれ配設されており、
前記背板には、前記位置決め部材によって位置決めされるカセットのウエハ入口側の両側の端縁よりそれぞれ外側でかつ該端縁のそれぞれの近傍に、その正面に該端縁が位置しているか否かを検出する第二の光センサが配設されている
ことを特徴とするウエハ用カセット検査装置。 - 前記第一の光センサは、それぞれその位置が可変な状態で側板に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1記載のウエハ用カセット検査装置。 - 前記位置決め部材として、カセットの種類に応じた複数種の形状のものが用意され、これらのうちの一つが、前記底板上に着脱可能に固定されている
ことを特徴とする請求項1記載のウエハ用カセット検査装置。 - 前記第二の光センサは、それぞれその位置が可変な状態で背板に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1記載のウエハ用カセット検査装置。 - 前記側板の少なくとも一方が、これら側板が離間しあるいは近づくよう前記底板上にて可動に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載のウエハ用カセット検査装置。
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