JP3914460B2 - ワークの移送経路決定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの移送経路決定方法に関し、特に移送路、中継路およびステーションが網状に配置された網状移送路においてワークを移送するワークの移送経路決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製造設備を有する工場において、加工機械を任意の位置に配置できれば、加工機械をライン状に配置する場合に比べて敷地の利用率を高くすることができる。
【0003】
この場合、各加工機械の間には網状の移送路が形成され、移送車がこの移送路を通ってワークを移送する形態となる。
【0004】
そして、一般に移送車は複数台が用意され、各移送車は自ら記憶した経路を移動し、または他の制御装置から経路の指令を受けて移動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、何らかのアルゴリズムによって移送車の移動する経路を選定した場合、その選定した経路が最短の経路であるか否かについては十分に検証されていない。
【0006】
すなわち、適用する移送路が縦横に整列された格子状のものや規則に従った整然たる移送路であれば、所定のアルゴリズムにより合理的な経路が選定されると期待されるが、変則的な移送路については、選定された経路が合理的なものであるかについて確証はない。人間によれば、マップ上において経路の合理性を容易に認識することができるが、コンピュータにおいては、メモリ上の表やデータ列を用いながら経路の合理性を判断することは困難であった。この結果、合理性の検証がなされていない経路に従うと、移送車は遠回り動作をすることがある。
【0007】
また、経路が格子状であっても、その移送路のいくつかがメンテナンス等により使用できないときには、同様の不都合が発生することはもちろんである。
【0008】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、複数の移送路と、該移送路が接続される中継路とからなる網状路において、出発点から到達点へ至る所定の経路の合理性を判断するとともに、不合理な遠回りの箇所をより短い経路で置き換えることを可能にするワークの移送経路決定方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るワークの移送経路決定方法は、複数の移送路と、前記移送路が接続される中継路とからなる網状路における移送装置のワークの移送経路決定方法において、前記網状路上で、出発点から到達点へ至る経路候補を前記中継路の列として記憶する第1ステップと、前記経路候補に記憶された前記中継路のうち1つを選択中継路として選択する第2ステップと、前記出発点から前記選択中継路へ至る基準ベクトルを規定する第3ステップと、前記基準ベクトルから所定角度の範囲内に存在し、且つ、前記出発点を含む移送路を補正移送路として検索する第4ステップと、前記補正移送路に接続される中継路が前記出発点の次に設定されており、前記選択中継路に至る部分補正経路を設定する第5ステップと、前記部分補正経路の一部または全部を含み、前記到達点へ至る経路を補正経路として記憶する第6ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
このように、中継路の列として記憶された経路のうち、出発点から各中継路へ至る基準ベクトルに基づいて検索し、出発点と各中継路との位置関係から部分補正経路を求めることができる。この部分補正経路により元の経路を補正することができる。
【0011】
この場合、前記所定角度は±90°とすると計算が容易であり、しかもこの範囲内の補正移送路は仮の目標点である選択中継路へ向かって接近するものが選別される。
【0012】
また、前記第6ステップでは、前記部分補正経路の一部または全部の後段に、前記経路候補における前記選択中継路から前記到達点までの部分が付加された経路を補正経路としてもよい。
【0013】
さらに、前記経路候補が複数記憶されているとき、前記選択中継路が最も小さい順番に記憶されている経路候補、若しくは最も長さの短い経路候補を選択経路候補として選択し、前記選択経路候補における前記選択中継路の順番が前記部分補正経路における前記選択中継路の順番より大きいときにのみ、前記第6ステップの記憶の処理を行うようにしてもよい。このようにすることにより、より短い経路を選定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るワークの移送経路決定方法の実施の形態例を、添付の図1〜図22を参照しながら説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態に係るワーク移送方法で用いるワーク移送システム10は、ワーク16を移送する複数の移送車(移送装置)18と、移送車18をワイヤ60を介して移動させ、または途中で停止させることのできる複数の移送路20と、移送車18からワーク16が搬入および搬出される複数の着脱装置(ステーション)24と、着脱装置24からワーク16を出し入れしてワーク16を加工する加工機14と、移送路20の中継点または端部に設けられ、移送路20から進入してきた移送車18を停止させ、または他の移送路20へ進行させことのできる分岐装置(中継路)22と、移送車18、移送路20、着脱装置24および分岐装置22の動作を直接制御する複数のユニットコントローラ26と、複数のユニットコントローラ26を統合して全体を制御するメインコントローラ(制御部)12とを有する。
【0016】
なお、以下、「搬入」とは、移送車18から着脱装置24へワーク16を受け渡す作業を表すものとし、「搬出」とはその逆の作業を表すものと定義する。
【0017】
図2に示すように、着脱装置24は複数存在し、また、それぞれの着脱装置24a〜24mはワーク16の加工工程に応じた加工機14(図1参照)を備えている。ワーク16は2種類のワーク16aおよび16b(共に図示せず)に分類され、加工機14はワーク16a、16bに共用のものと、どちらか一方に対し専用の加工を行うものとが混在している。
【0018】
ワーク16の加工工程は、順に5つの工程A、B、C、Dおよび払い出し工程に分類され、投入工程でワーク16は投入装置36から工程Aに受け渡され、その後、工程B、C、Dが終了すると払い出し工程の払出装置38に送られる。なお、投入装置36および払出装置38は、ワーク16を投入および払い出しを行う機能とともに、着脱装置24と同様に移送車18とワーク16の授受を行うものであり、以下の説明では着脱装置24と同列に扱うものとする。
【0019】
工程Aでは着脱装置24a〜24dを、工程Bでは着脱装置24e〜24gを、工程Cでは着脱装置24h〜24kを、工程Dでは着脱装置24L〜24mを備えており、それぞれの着脱装置24a〜24mと投入装置36および払出装置38とは網状に配置された移送路20で結ばれている。また、投入装置36、払出装置38および着脱装置24a〜24mは各移送路20の途中の箇所に設けられている。
【0020】
ワーク16の移送経路は、例えば、投入装置36から投入され、工程Aの着脱装置24b、工程Bの着脱装置24g、工程Cの着脱装置24k、工程Dの着脱装置24Lで順に加工され、その後、払出装置38から払い出しされる。
【0021】
分岐装置22は複数存在し、分岐装置22a〜22mは移送路20の中継点に設置され、そして分岐装置22n〜22vは移送路20の端部に設置されている。また、中継点から延びる移送路20は90°に交差している必要はなく、分岐装置22iおよび22mのように、任意の角度に設定可能である。さらに、中継点から延びる移送路20の数は交差する4本に限ることなく、分岐装置22a、22m等のように、2本や3本など任意の数に設定することができる。
【0022】
また、着脱装置24a〜24mおよび払出装置38を適当な数の基本エリアに分割し、それぞれの基本エリアに移送車18を割り当てる。この基本エリアに分ける方法および移送車18が故障した際の基本エリアを補間する臨時エリアの設定については後述する。それぞれの移送車18は、割り当て分の着脱装置24または払出装置38に対してのみワーク16の搬入を行い、ワーク16の搬出を受ける際には前工程側の基本エリアにも進入し、他の移送車18を回避するときは隣接する他の基本エリアにも進入するものとする。
【0023】
図2では4台の移送車18a〜18dをそれぞれ4つの基本エリアα、β、γおよびδに割り当てた例を示している。移送車18bの分担する基本エリアβについていえば、工程B、工程Cにまたがったエリアの着脱装置24f、24g、24j、24kにワーク16を搬入する作業を行い、搬出作業に関しては、前工程である工程A、工程Bの着脱装置24a、24b、24c、24d、24e、24f、24gから搬出を受ける作業を行う。
【0024】
また、これらの移送路20と、分岐装置22とからなる網状路は、工程が進む方向を方向Dx、方向Dxに垂直な方向をDyとして規定している。分岐装置22の位置は、適当な基準点を設けて座標(x、y)として表され、分岐装置22間の移送路20の向きは、方向DxまたはDyで表される。さらに、分岐装置22iと分岐装置22mを結ぶ移送路20のように斜めに設定されたものは、傾き角度に応じた方向Dzを規定して表される。
【0025】
図3に示すように、着脱装置24は、縦長の構造であり、両脇部に立設されたレール58にはチェーン・スプロケット機構59が組み込まれている。レール58から水平方向に突出した一体型上下2段構造の載置台54、56はチェーン・スプロケット機構59によりレール58に沿って上下移動が可能であり、図示しない高さセンサにより載置台54、56の高さを検出可能な構成になっている。チェーン・スプロケット機構59は、ユニットコントローラ26に接続されたモータ52により駆動され、高さセンサの出力値を参照しながら上下の載置台54、56の高さの調整動作が可能である。
【0026】
この着脱装置24と移送車18は、上段の載置台54との間でワーク16の積み下ろしが可能であるとともに、載置台54にワーク16がないときには下段の載置台56との間でも積み下ろしが可能に構成されている。
【0027】
具体的には、移送車18は未加工のワーク16xを載置台54に下ろすと、一度待避する。載置台56を加工機14の近くの高さまで降下させて、ここで加工機14で加工した加工済みのワーク16yを載置台56に載せると、載置台54および56をさらに降下させる。載置台54が加工機14の近くの高さに到達したところで停止させ、未加工のワーク16xを加工機14に受け渡すと、載置台54、56を上昇させる。そして、載置台56が移送車18の近くの高さに到達したら、待避していた移送車18が再度積み込み位置まで移動し、加工済みのワーク16yを載置台56から移送車18に積み込む。
【0028】
このようにして、着脱装置24、加工機14と移送車18との間で未加工のワーク16xと加工済みのワーク16yの搬入、搬出が可能になる。
【0029】
図4に示すように、分岐装置22は、分岐装置本体70と、該分岐装置本体70から斜め下方向に突出して移送路20と接続している脚部80と、分岐装置本体70の直下に設けられ、モータ82によって水平に旋回する旋回部78と、旋回部78に設けられ移送車18を引き込みおよび送り出すローラ74と、ローラ74を回転させるモータ72とを有する。さらに分岐装置22は、移送路20のワイヤ60をプーリ62、64を介して駆動させるモータ68と、旋回部78の旋回角を検出する角度センサ(図示せず)と、移送車18の位置を検出する位置センサ(図示せず)等を有する。
【0030】
分岐装置22は、モータ68によりワイヤ60を駆動させてワイヤ60に着脱可能に固定される移送車18を移動させることができる。移送車18は、移動中はワイヤ60を咬み込んで固定するカム機構によりワイヤ60と一体となって移動する。そして、分岐装置22に到達すると自動的にカム機構が解除される構成になっており、カム機構が解除された後はローラ74によって旋回部78に引き込まれる。
【0031】
移送車18が旋回部78の中心位置まで達したらモータ82により向きを変えて、別の移送路20に対して再びローラ74により移送車18を送り出す。また、2つの移送路20が直線状に設定されて、移送車18が分岐装置22を介して直進する場合は、旋回部78の旋回動作は不要であり、比較的速く移送車18を通過させることができる。
【0032】
この分岐装置22のモータ68、72、82および図示しない位置センサ、角度センサはユニットコントローラ26(図1参照)に接続されており、移送車18の位置や旋回部78の角度が制御されている。
【0033】
図5に示すように、メインコントローラ12は、本体30と、画面出力を行うモニタ32と、入力装置のキーボード34等から構成される。本体30は、モニタ32を制御するモニタ機能部30aと、ワーク移送システム10の各種構成を保持するパラメータ管理機能部30bと、キーボード34から指示およびデータを入力しパラメータ管理機能部30bへ受け渡す数値パラメータ設定機能部30cと、有線または無線でユニットコントローラ26と通信を行う通信機能部30gとを有する。
【0034】
さらに、前記本体30は、通信機能部30gと接続されてワーク移送システム10の状態を管理する稼動状態管理機能部30dと、パラメータ管理機能部30b、稼動状態管理機能部30d等と協動して移送車18の移動する経路を決定する移送経路決定機能部30eと、移送車18の動作をシミュレーションするシミュレーション機能部30fとを有する。移送経路決定機能部30eは、移送車18の出発点から到達点へ至る基準ベクトルを規定するベクトル規定部31と、基準ベクトルから所定角度の範囲内に存在し、且つ、出発点を含む移送路20を移動経路として選定する角度範囲経路選定部33を有する。
【0035】
また、前記本体30は、図示しないハードディスク、CPU、メモリ等を備えており、上記の各機能部30a〜30fは、通常はソフトウェアとしてハードディスクに格納されている。そして、各機能を実行するときには該ソフトウェアをメモリ上にロードした上でCPUにより実行される。
【0036】
メインコントローラ12は、図6に示す手順により、移送車18の移送経路を決定する。すなわち、各移送車18の分担する移動範囲を決定して入力し(ステップS1)、さらに、移送車18の1台の故障を想定した残りの移送車18の分担する移動範囲を決定して入力する(ステップS2)。
【0037】
この後、メインコントローラ12(図1参照)において各移送車18の状態を判断する(ステップS3)。移送車18の状態は、分岐装置22が検出する過負荷信号、エラー信号および移送車18の動作速度等に基づいて判断する。各移送車18が正常であれば、ステップS4へ移り、異常であればステップS5へ移る。
【0038】
ステップS4においては、前記ステップS1で決定した移動範囲を適用し、ステップS5においては、前記ステップS2で決定した移動範囲を適用する。
【0039】
次に、移送車18の搬出元と搬入先を決定し(ステップS6)、移送車18の移送経路を検索した後(ステップS7)、検索して求められた経路候補を列挙し(ステップS8)、さらに、合理的な経路となるように経路候補を補正して(ステップS9)、各経路候補ごとの移送時間を算出する(ステップS10)。
【0040】
そして、実際の動作条件を考慮して移送時間が最短の移送経路を選定し、さらに、決定した経路を移送車18が移動する際に、他の移送車との競合を避けながら分岐装置22を予約する(ステップS11)。
【0041】
このようにして、その時点で決定可能することのできる移送経路を全て決定したら、次の計算処理条件が成立するまで待つ(ステップS12)。次の計算処理条件とは、例えば各着脱装置24からの搬入要求信号、搬出要求信号および移送車18による移送終了または分岐装置22を通過したという情報等が計算処理条件であり、これらの条件が発生したときに再度ステップS3に戻るようにすればよい。
【0042】
このうち、ステップS7における移送車18の移送経路を検索する処理、ステップS8における移送経路を補正する処理、ステップS8における求められた経路候補を列挙する処理およびステップS9における経路候補である移送経路を補正する処理について図7〜図22を参照しながら詳細に説明する。
【0043】
まず、ステップS7およびS8で用いる分岐装置通過情報テーブル110(図7参照)、分岐装置情報テーブル112(図8参照)および経路候補データテーブル114(図9参照)について説明する。
【0044】
分岐装置通過情報テーブル110(図7参照)は、分岐装置22ごとに移送車18が進入および進行する方向を記録するテーブルである。分岐装置情報テーブル112(図8参照)は、分岐装置22の位置および接続先などの情報が記録されているテーブルである。経路候補データテーブル114(図9参照)は、検索して選定された複数の移動経路を列挙して記録するテーブルである。
【0045】
移送経路決定機能部30e(図5参照)は、分岐装置通過情報テーブル110、分岐装置情報テーブル112および経路候補データテーブル114を用いて移送車18の移動経路を選定し、結果を記録する。これらのテーブルはハードディスクまたはメモリ上に設定され、CPUが参照および更新の処理を行う。
【0046】
図7に示す分岐装置通過情報テーブル110は、各分岐装置22a〜22nについて、進行方向の記録状態を示すフラグBFLGと、出発点/到達点の印「S」/「G」と、移送車18が進入する方向「In_n」(_nは分岐装置番号を示す。以下同じ。)および進行する方向「Out_n」を記録する欄を有する。
【0047】
方向を記録する欄は、方向Dx、Dy、Dzの±方向(+Dx、+Dy、+Dz、−Dx、−Dy、−Dz方向)についてそれぞれ個別の欄を持つ。
【0048】
フラグBFLGは、対応する分岐装置22、投入装置36または払出装置38が無視可能であるときは「0」、進行方向の記録途中であるときは「1」、記録が終了したときは「2」にする。
【0049】
分岐装置22bについて説明すると、「出発/到達」の欄が「S」なので、分岐装置22bは経路の出発点であり、「+Dx」の欄に「Out22e」、「−Dy」の欄に「Out22c」、「+Dy」の欄に「In22a」が記録されているので、+Dx方向の分岐装置22eおよび−Dy方向の分岐装置22cに進行し得ることを示している。また、例えば、図7に示すように分岐装置22aと22bとが共に「出発」を示すのであれば、分岐装置22aからみて−Dy方向に分岐装置22bが存在し、分岐装置22bからみて+Dy方向に分岐装置22aが存在することから、「+Dy」の欄に「In22a」と記録されているのは、実際の出発点は着脱装置24b(図2参照)であることを示す。
【0050】
また、分岐装置22eについて説明すると、「出発/到達」の欄が「G」なので、分岐装置22eは経路の到達点であり、「+Dy」の欄に「In22d」、「−Dx」の欄に「In22b」が記録されているので、+Dy方向の分岐装置22dおよび−Dx方向の分岐装置22bから進入し得ることを示している。また、図7に示すように分岐装置22eと22fとが共に「到達」を示すのであれば、分岐装置22eからみて−Dy方向に分岐装置22fが存在し、分岐装置22fからみて+Dy方向に分岐装置22eが存在することから、「−Dy」の欄に「Out22f」と記録されているのは、実際の到達点は着脱装置24gであることを示す。
【0051】
図8に示す分岐装置情報テーブル112は、各分岐装置22a〜22vについて、位置座標と、接続先の分岐装置22の番号と、旋回部78の旋回速度、角加速度および角減速度と、それぞれの接続先の方向を+Dx、+Dy、+Dz、−Dx、−Dyおよび−Dz方向として記録しているテーブルである。
【0052】
分岐装置22aについて説明すると、位置座標は、方向Dx、Dyを基準にした直交座標で(xa、ya)と表され、また、接続先は+Dx、+Dyおよび−Dy方向の3方向である。+Dx方向には分岐装置22dが、−Dy方向には分岐装置22bが、+Dy方向には分岐装置22oが接続されていることを示している。旋回速度、角加速度および角減速度はそれぞれωa[°/sec]、ωb[°/sec2]、ωc[°/sec2]である。
【0053】
図9に示す経路候補データテーブル114は、分岐装置通過情報テーブル110で示される経路候補の組み合わせを全て列挙するテーブルであり、経路を分岐装置22の列として記憶(メモリに書き込み)している。
【0054】
分岐装置通過情報テーブル110、分岐装置情報テーブル112および経路候補データテーブル114は、それぞれ、着脱装置24、分岐装置22が増設される場合および移送車18の経路が長い場合などに対応可能な十分な記憶領域を持つものとする。
【0055】
次に、図6のステップS7において実行される移送車18の移送経路を検索する処理について図10〜図13を参照しながら説明する。
【0056】
まず、図10のステップS101において、分岐装置通過情報テーブル110を初期化する。つまり、全てのフラグBFLGを「0」にし、「方向」「出発」「到達」の各欄を空欄にしておく。
【0057】
ステップS102において、移送車18の出発点と到達点をメモリ上に記録する。図12に示すように、着脱装置24bを出発点、着脱装置24gを到達点とすれば、出発点は、着脱装置24bが存在する移送路20の両端部の分岐装置22a、22bに置き換えればよい。そして、分岐装置通過情報テーブル110の分岐装置22a、22bの欄に出発点を表す「S」を記録し、それぞれのフラグBFLGを記録途中を示す「1」にする。
【0058】
また、分岐装置22aの「−Dy」の欄に「In22b」を、分岐装置22bの「+Dy」の欄に「In22a」を記録し、真の出発点は分岐装置22aと分岐装置22bの間に存在することが了解できるようにする。
【0059】
到達点についても、着脱装置24gが存在する移送路20の両端部の分岐装置22e、22fに置き換え、分岐装置通過情報テーブル110の分岐装置22e、22fの欄に到達点を示す「G」を記録し、それぞれのフラグBFLGを処理終了を示す「2」にする。
【0060】
次に、ステップS103において、経路を検索する分岐装置22を基点として選択する。すなわち、分岐装置通過情報テーブル110を参照して、フラグBFLGが記録途中を示す「1」となっているものを選択して次のステップS104へ移る。フラグBFLGが「1」である分岐装置22が複数ある場合には、最上段のものを選択し、また、フラグBFLGが全て「0」または「2」であれば、検索に必要な分岐装置22の全てに対して処理を行ったので、ステップS103および図6のステップS7の処理を終了する。
【0061】
ステップS104において、選択した基点が、進行するべき移送路20を1つも持たないときは、その分岐装置22のフラグBFLGを「2」にしてステップS103へ戻る。
【0062】
次に、ステップS105において、前記ベクトル規定部31により、基点(例えば分岐装置22a)から真の到達点(着脱装置24g)へ至る基準ベクトルV0(図12参照)を設定する。
【0063】
次に、ステップS106において、分岐装置情報テーブル112を参照して基点の接続先を調べ、各接続先について次のステップS107以降の処理を行う。ただし、接続先の欄が「−」である場合およびその接続先が進入方向である場合はスキップし、各接続先について処理が終了していればステップS110へ移る。
【0064】
例えば、基点が分岐装置22aである場合、−Dy方向は接続先が「22b」であるが、分岐装置通過情報テーブル110を参照すると、分岐装置22aの−Dy方向は「In22b」であり、移送車18が進入してくる方向であることが確認できるのでスキップする。+Dy方向も「−」なので同様にスキップする。つまり分岐装置22aに関しては、+Dx方向の分岐装置22dに対してのみ以下の処理を行えばよい。
【0065】
ステップS107において、基点から接続先へ至るベクトルV1(図12参照)を設定する。具体的には、基点が分岐装置22a、接続先として分岐装置22dが選択されているときは、分岐装置22aと分岐装置22dを結ぶ部分の移送路20aが対応する経路となる。分岐装置情報テーブル112を参照して、分岐装置22dの位置座標(xd、yd)から分岐装置22aの位置座標(xa、ya)を減算することによりベクトルV1が求まる。
【0066】
そして、基準ベクトルV0とベクトルV1をそれぞれ単位ベクトルに変換し、それぞれの内積演算等を行い、互いのなす角度θを求める。
【0067】
次に、ステップS108において、角度θの値を確認し、その絶対値|θ|が|θ|≦90°であれば、進行方向の候補になりうるものと判断し、次のステップS109へ移る。|θ|>90°であればステップS106へ戻る。
【0068】
これら処理は、前記角度範囲経路選定部33により処理されるものであり、これを概念的に説明すれば、図12に示すように、基点(この場合、分岐装置22a)を通り基準ベクトルV0に垂直なベクトルV90を設定し、ベクトルV90からみて到達点側(斜線側)に存在する接続先を進行方向として選定していることになる。このようにすることで、選定する経路が後戻り移動、遠回り移動および経路の重複移動となる確率を少なくすることができる。
【0069】
また、絶対値|θ|の判断基準値は90°に限らず、より小さい値であってもよい。
【0070】
次に、図10のステップS109において、前のステップS108で進行方向の候補とされた接続先を分岐装置通過情報テーブル110に記録する。つまり、接続先が+Dx方向の分岐装置22dであれば、「+Dx」の欄に「Out22d」と記録し、さらに、これに対応し分岐装置22dの「−Dx」の欄には「In22a」と記録する。接続先が記録されたならばステップS106に戻り処理を繰り返す。
【0071】
ステップS106の分岐で各接続先について処理が終了していれば、図11のステップS110へ移り、分岐装置通過情報テーブル110で、その時点における基点としての分岐装置22の行に対し、フラグBFLGを「2」にする。
【0072】
そして、ステップS111において、その行に進行方向を示す「Out_n」が少なくとも1つ記録されているか否かを確認する。「Out_n」が存在するならばステップS103へ戻り、存在しなければ次のステップS112へ移る。
【0073】
ステップS112において、基点から各接続先に至るベクトルを全て求め、各ベクトルに対して基準ベクトルV0とのなす角度を算出する。
【0074】
例えば、図13に示すように、ベクトルV90より到達点側には進行経路がない場合、その反対側の2つの接続先に対してベクトルVa、Vbを求める。そして、それぞれの基準ベクトルV0に対する角度θa、θbを算出する。なお、このときステップS106と同様に、進入方向である接続先については無視するものとする。
【0075】
次に、ステップS113において、基準ベクトルV0とのなす角度θa、θbが最小のものを選択し、それに対応する接続先を進行方向の経路候補として選定する。選定した接続先はステップS109と同様に分岐装置通過情報テーブル110に記録し、そしてステップS103へ戻る。
【0076】
そして、最終的にはステップS103において、分岐装置通過情報テーブル110のフラグBFLGが全て「0」または「2」であれば、ステップS7の移送車18の移送経路検索を終了する。このときフラグBFLGが「0」である箇所は、移送経路検索に無関係の箇所であり、これらの分岐装置22に関して不要な演算を排除できたことを表す。
【0077】
なお、移送経路の候補は分岐装置通過情報テーブル110に記録されていることになるが、これを概念的に図示するならば、図14に示すようになる。この状態では、移送経路の候補が複合的に表されているので、以下の説明では、図6のステップS8での処理により個別の経路候補に分解して列挙する。
【0078】
次に、図6のステップS8において実行される経路候補を列挙する手順について図15〜図17を参照しながら説明する。
【0079】
このステップS8の処理は、基本的には、分岐装置通過情報テーブル110を参照し、分岐装置22ごとに枝分かれをしている数だけコピーを行って分解して全ての経路候補を列挙し記録するものである。
【0080】
まず、図15のステップS201において、分岐装置通過情報テーブル110のフラグBFLGを全て「0」にし、さらに図9に示す経路候補データテーブル114を全て空欄にする初期化を行う。
【0081】
次に、ステップS202において、分岐装置通過情報テーブル110の「出発/到着」欄が「S」となっている分岐装置22を検索し、フラグBFLGを処理の途中を示す「1」にする。そして、その分岐装置22の数だけ経路候補データテーブル114の上段の行で「順番1」の欄に「S」を記録し、さらにその分岐装置22の番号を「順序2」の列に記録する。
【0082】
上述の例では、分岐装置22b、22aが経路候補データテーブル114における「No.1」および「No.2」の行の「順序2」の列に記録される(図16参照)。
【0083】
次に、ステップS203において、分解する基点(以下、分解基点という)となる分岐装置22を選択する。すなわち、分岐装置通過情報テーブル110を参照して、フラグBFLGが処理の途中を示す「1」となっているものを選択し次のステップS204へ移る。フラグBFLGが「1」である分岐装置22が複数ある場合には、最上段のものを選択し、また、フラグBFLGが全て「0」または「2」であればステップS8の処理を終了する。
【0084】
ステップS204において、分岐装置通過情報テーブル110で選択した分解基点の行に「Out_n」の記録がいくつあるかカウントしNOUTとする。
【0085】
次に、ステップS205において、経路候補データテーブル114で、その時点で一番右側に分解基点が記録されている行を全て検索し、それらの行を(NOUT−1)の数だけコピーする。
【0086】
例えば、分解基点が分岐装置22bである場合、分岐装置通過情報テーブル110を参照すると「Out22e」と「Out22c」が記録されているので、NOUT=2であり、NOUT−1=1である。従って、経路候補データテーブル114における「No.1」の行を1つコピーすればよい。これにより図17に示すように、経路候補データテーブル114における「No.1」および「No.2」の行の「順番1」の列に「S」が、「順番2」の列に分岐装置22bが書き込まれ、「No.3」の行の「順番2」の列に分岐装置22aが書き込まれる。
【0087】
次に、ステップS206において、ステップS204で確認した「Out_n」で示される分岐装置22の番号をステップS205でコピーしたコピー元およびコピー先の行に対して、列が連続するように付加して記録する。
【0088】
例えば、図17に示すように、「No.1」、「No.2」の行の「順番3」の列にそれぞれ「22e」および「22c」を記録する。
【0089】
次に、ステップS207において、ステップS206で記録した分岐装置22の番号を分岐装置通過情報テーブル110で参照し、「出発/到達」欄が「G」であるならば、経路候補データテーブル114の対応する行に経路の終了を示す「G」を記録する。そして、「出発/到達」欄が空欄ならば、その行のフラグBFLGを「1」にする。
【0090】
さらに、その時点における分解基点の処理が済んだこととなるので、分岐装置通過情報テーブル110で、その分解基点を示す行のフラグBFLGを「2」にして、その後ステップS203へ戻る。
【0091】
そして、最終的にはステップS203において、分岐装置通過情報テーブル110のフラグBFLGが全て「0」または「2」であれば、経路の候補が全て経路候補データテーブル114に列挙されたので、ステップS8の処理を終了する。
【0092】
次に、図6のステップS9において実行される経路候補を補正する手順について図18〜図22を参照しながら説明する。この手順は、すでに求まっている経路候補に対して、出発点から所定の分岐装置までの間をより短い部分補正経路で置き換えることによって補正し、補正経路として記憶するものである。
【0093】
ここでは、図18に示す網状路について、前記ステップS1〜ステップS8を実行して経路候補を求めたものと仮定し、求めた経路候補を補正する手順について説明する。
【0094】
図18に示すように、この網状路は、図2に示す網状路と異なる網状路であるため、各分岐装置の符号を23として表す。また、着脱装置の符号を25として表す。図18における網状路は、10個の分岐装置23a、23b、23c、23d、23e、23f、23g、23h、23iおよび23jと、分岐装置23iおよび23jの中間に設けられた着脱装置25を有する。分岐装置23a〜23jは前記分岐装置22と同じ装置であり、着脱装置25は前記着脱装置24と同じ装置である。また、分岐装置23eから分岐装置23dへ向かう方向を+D0方向、その逆方向を−D0方向とする。
【0095】
移送車18が、分岐装置23aに存在し、着脱装置25へ移動する場合、図6のステップS1〜ステップS8に従って経路候補を求めると、図19に示す分岐装置通過情報テーブル111および図20に示す経路候補データテーブル115が得られる。ただし、図19に示す分岐装置通過情報テーブル111における欄200、202、204、206は、この時点では未記録であるものとする。また、図20に示す「No.3」および「No.4」の各行は、この時点では未記録であるものとする。
【0096】
分岐装置通過情報テーブル111は、前記分岐装置通過情報テーブル110(図7参照)に相当するものであり、実際上同じ書式である。分岐装置通過情報テーブル111は、+D0方向および−D0方向について進入/進行の情報を記録する欄を有する。分岐装置通過情報テーブル111には、分岐装置23ごとに移送車18が進入および進行する方向を記録する。
【0097】
経路候補データテーブル115は、前記経路候補データテーブル114(図9参照)に相当するものであり、実際上同じ書式である。経路候補データテーブル115には、分岐装置通過情報テーブル111に記録された情報を展開した経路候補を記録する。
【0098】
経路候補データテーブル115において、「No.1」で示される経路候補は、分岐装置23aから出発して順に、分岐装置23b、23c、23d、23f、23g、23h、23iを通る経路となる。また、「No.2」で示される経路候補は、分岐装置23aから出発して順に、分岐装置23b、23c、23e、23d、23f、23g、23h、23iを通る経路となる。図18および図20から諒解されるように、これらの各経路候補は、いずれも遠回りの経路である。すなわち、出発点である分岐装置23aから到達点である着脱装置25へ至る基準ベクトルV0を設定し、この基準ベクトルV0から±90°の範囲内の移送路は、分岐装置23bへ至る移送路20bだけであるから、該移送路20bが選択されることとなり、その結果、このような遠回りの経路候補が設定されるのである。
【0099】
そこでまず、図21のステップS301において、経路候補データテーブル115に記録された分岐装置23のうち未処理のものを選択する(選択中継路)。経路候補データテーブル115に記録された全ての分岐装置23について処理済みであれば、図21の処理を終了する。未処理のものがあれば選択し、次のステップS302へ進む。
【0100】
ステップS302においては、経路候補データテーブル115内で、選択した分岐装置23の順番を読み取り、最小順番P(P≧2)として記憶する。例えば、分岐装置23cについては、「順番3」の欄に記録されていることからP=3である。また、分岐装置23dについては、「順番4」と「順番5」の欄に記録されているので、最小の「順番4」に基づきP=4を設定する。同様に、分岐装置23fの最小順番Pは、P=5であり、分岐装置23gの最小順番Pは、P=6である。
【0101】
また、最小順番Pの基礎となった行を選択経路候補として記憶する。例えば、分岐装置23dの最小順番Pは、経路候補データテーブル115内の行「No.1」によって、P=4と設定されるので、この行「No.1」を選択経路候補として記憶する。選択経路候補は複数存在し得るので、その場合には複数の選択経路候補を全て記憶する。選択経路候補は、全長が最も短いものを選択してもよい。
【0102】
なお、選択経路候補以外の行は無効とみなすようにしてもよい。なぜなら、選択経路候補でない行は、選択経路候補と比較して遠回りの経路候補であることが明らかであるので、より短い補正経路を検索する処理には不要であるからである。これにより、図20の経路候補データテーブル115においては、行「No.2」が無効となり、行「No.1」のみについて処理を行えばよい。従って、行「No.2」にのみ含まれる分岐装置23eに対する処理を省くことができる。
【0103】
次に、ステップS303において、出発点である分岐装置23aから選択された分岐装置23に至る経路、つまり部分補正経路を検索する。この検索の処理は、基本的に、図10および図11に示す処理と同じである。ただし、分岐装置通過情報テーブル111(図19参照)の代わりに、同じ書式の補正用分岐装置通過情報テーブル(図示せず)を用いる。この場合、補正用分岐装置通過情報テーブルにおいて、分岐装置23aの「出発/到達」欄に「S」を記録し、選択された分岐装置の「出発/到達」欄に「G」を記録して処理を行う。
【0104】
例えば、分岐装置23dが選択されているときには、出発点である分岐装置23aから分岐装置23dへ至る基準ベクトルV0を規定し、この基準ベクトルV0から±90°の範囲内に存在する移送路20c(補正移送路)を検索する。検索された移送路20cの接続先は選択した分岐装置23dそのものであるから、この時点で検索の処理を終了する。検索結果は、補正用分岐装置通過情報テーブルの分岐装置23aの−Dx方向の欄に「Out23d」、分岐装置23dの+Dx方向の欄に「In23a」として記録する。
【0105】
次に、ステップS304において、作成した補正用分岐装置通過情報テーブルに基づいて、補正用の部分補正経路を列挙する。この列挙の処理は、基本的に、図15に示す処理と同じである。ただし、経路候補データテーブル115(図20参照)の代わりに、同じ書式の補正用経路候補データテーブル116(図22参照)を用いる。
【0106】
次に、ステップS305において、作成した補正用経路候補データテーブル116において、選択した分岐装置23の記録されている列を再検索順番Q(Q≧2)として読み取る。
【0107】
図22の例では、分岐装置23dについて部分補正経路を求めており、このときの再検索順番Qは、Q=2である。また、分岐装置23bおよび分岐装置23gについても、分岐装置23aからの1区間だけの単一経路のみであることは明らかであり(図18参照)、再検索順番Qは、Q=2となる。
【0108】
分岐装置23cについては、部分補正経路は3つ求まる。すなわち、第1経路は分岐装置23a、23b、23cの順であり、第2経路は分岐装置23a、23d、23cの順であり、第3経路は分岐装置23a、23d、23e、23cの順である。このように部分補正経路が複数存在する場合は、最短のものを選択して適用する。よって、この場合の再検索順番Qは、Q=3である。
【0109】
次に、ステップS306において、最小順番Pと再検索順番Qとを比較する。最小順番Pが再検索順番Qより小さいとき、または等しいときにはステップS301へ戻り、最小順番Pが再検索順番Qより大きいときには次のステップS307へ移る。
【0110】
図18に示す例においては、分岐装置23bまたは23cを選択しているときには最小順番Pと再検索順番Qとが等しいのでステップS301へ戻り、分岐装置23dまたは23gを選択しているときには次のステップS307へ移る。
【0111】
ステップS307においては、前記補正用経路候補データテーブル116(図22参照)に記録された部分補正経路のうち到達点を示すマーク「G」を除いた部分を、経路候補データテーブル115の空欄の行に記録する。このとき、前記ステップS302で選択した選択経路候補の数だけコピーして記録する。つまり、図22の例では、「S」および「23d」を経路候補データテーブル115の「No.3」の行にコピーする。
【0112】
次に、ステップS308において、前記選択経路候補における最小順番Pから到達点を示すマーク「G」までの部分を、前のステップS307でコピーした部分の後段に付加して記憶する。選択経路候補が複数存在するときには、全ての選択経路候補について同じ処理を行う。
【0113】
図20の経路候補データテーブル115における行「No.3」は、分岐装置23dについて求めた部分補正経路(図22も参照)の後段に、選択経路候補である行「No.1」の順番5〜順番9、つまり「23f」〜「G」の符号を付加した例である。また、行「No.4」は、分岐装置23gについて求めた部分補正経路の後段に、選択経路候補である行「No.1」の順番7〜順番9、つまり「23h」〜「G」の符号を付加した例である。
【0114】
次に、ステップS309において、補正用分岐装置通過情報テーブルに記録されている内容を図19の分岐装置通過情報テーブル111に追加記録する。つまり、分岐装置23aから分岐装置23dへ向かう部分補正経路として欄200、202が記録され、分岐装置23aから分岐装置23gへ向かう部分補正経路として欄204、206が記録される。この後、前記ステップS301へ戻る。
【0115】
このように、用意された経路候補に含まれるそれぞれの分岐装置23についての部分補正経路の長さ、つまり再検索順番Qを求め、経路候補における分岐装置23の最小順番Pと再検索順番Qとの大小関係により、経路候補が遠回りの経路であるか否かを判断することができる。経路候補が遠回りの経路である場合には、選択した分岐装置23より前段側が遠回りしている箇所なので、この箇所を部分補正経路で置き換えて、元の経路候補より短い補正経路を設定することができる。
【0116】
この結果、図20の経路候補データテーブル115において、当初設定されていた行「No.1」および行「No.2」より短い行である行「No.3」および行「No.4」を得ることができる。
【0117】
上記の実施の形態においては、選択経路候補に対して、選択経路候補内の分岐装置23と出発点との位置関係に基づいて部分補正経路を検索する例について示したが、選択経路候補内における任意の2つの分岐装置間で部分補正経路を検索するようにしてもよい。
【0118】
図21に示すフローチャートの処理が終了した後、図6に戻りステップS10以降の処理を順次実行し、そして搬出元と搬入先の具体的な経路が決定する。図6のステップS11において、その経路を例えば他のテーブルに記録し予約する。
【0119】
そして、前記他のテーブルのデータに従い、各移送車18の動作指示が通信機能部30gを経由し、各ユニットコントローラ26に伝えられる。各ユニットコントローラ26は動作指示に付随するアドレスから自身宛の動作指示であることを確認すると、この動作指示に従い着脱装置24および分岐装置22を制御して移送車18を動作させることができる。
【0120】
上述の実施の形態における網状移送路は種々の異なる構成であっても適用可能であり、例えば移送路20は直線でなくても、その両端部点を結ぶ直線で置き換えればよい。また、搬送経路の表現方法は、その経路途中の分岐装置22の番号列による方法を示したが、移送路20の番号列で表現するようにしてもよい。
【0121】
移送路20は、分岐装置22、23を介さず互いに立体的に交差する部分をもっていてもよい。網状移送路は、2次元状のものに限らず立体倉庫等に適用してもよい。移送車18については、ワイヤ60から動力を受ける他走式のものに限らず、床面を移動する自走式および自律式等のものであってもよい。網状移送路は都市交通網等であってもよい。
【0122】
さらにまた、この発明に係るワークの移送経路決定方法は、上述の実施の形態例に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るワークの移送経路決定方法によれば、複数の移送路と、前記移送路が接続される中継路とからなる網状路において、出発点から到達点へ至る所定の経路の合理性を判断するとともに、不合理な遠回りの箇所をより短い経路で置き換えることができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワーク移送システムを示す斜視図である。
【図2】網状移送路を示す説明図である。
【図3】着脱装置、移送車を示す斜視図である。
【図4】分岐装置を示す説明図である。
【図5】ワーク移送システムの機能ブロック図である。
【図6】メインコントローラが移送車の移送経路を決定する手順を示すフローチャートである。
【図7】分岐装置通過情報テーブルの内容を示す説明図である。
【図8】分岐装置情報テーブルの内容を示す説明図である。
【図9】経路候補データテーブルの内容を示す説明図である。
【図10】移送車の移送経路を検索する手順を示すフローチャート(その1)である。
【図11】移送車の移送経路を検索する手順を示すフローチャート(その2)である。
【図12】角度範囲経路選定部の機能を示す説明図である。
【図13】2つの接続先に対する角度(θa、θb)を示す説明図である。
【図14】分岐装置通過情報テーブルの情報を概念的に示した説明図である。
【図15】経路候補を列挙する手順を示すフローチャートである。
【図16】ステップS202における経路候補データテーブルの作成過程を示す説明図である。
【図17】ステップS205〜S206における経路候補データテーブルの作成過程を示す説明図である。
【図18】経路候補を補正する手順を適用する網状移送路の例を示す説明図である。
【図19】経路候補を補正した補正経路の情報が記録された分岐装置通過情報テーブルの内容を示す説明図である。
【図20】経路候補を補正した補正経路が記録された状態の経路候補データテーブルの内容を示す説明図である。
【図21】経路候補を補正する手順を示すフローチャートである。
【図22】補正経路候補データテーブルの内容を示す説明図である。
【符号の説明】
10…ワーク移送システム 12…メインコントローラ
14…加工機
16、16a、16b、16x、16y…ワーク
18、18a〜18d…移送車 20…移送路
22、23、23a〜23j…分岐装置
24、24a〜24m、25…着脱装置
26…ユニットコントローラ 30…本体
30a…モニタ機能部 30b…パラメータ管理機能部
30c…数値パラメータ設定機能部 30d…稼動状態管理機能部
30e…移送経路決定機能部 30f…シミュレーション機能部
30g…通信機能部 31…ベクトル規定部
32…モニタ 33…角度範囲経路選定部
34…キーボード 36…投入装置
38…払出装置 60…ワイヤ
110、111…分岐装置通過情報テーブル
112…分岐装置情報テーブル
114、115…経路候補データテーブル
P…最小順番 Q…再検索順番
0…基準ベクトル V1、V90、Va、Vb…ベクトル

Claims (4)

  1. 複数の移送路と、前記移送路が接続される中継路とからなる網状路における移送装置のワークの移送経路決定方法において、
    前記網状路上で、出発点から到達点へ至る経路候補を前記中継路の列として記憶する第1ステップと、
    前記経路候補に記憶された前記中継路のうち1つを選択中継路として選択する第2ステップと、
    前記出発点から前記選択中継路へ至る基準ベクトルを規定する第3ステップと、
    前記基準ベクトルから所定角度の範囲内に存在し、且つ、前記出発点を含む移送路を補正移送路として検索する第4ステップと、
    前記補正移送路に接続される中継路が前記出発点の次に設定されており、前記選択中継路に至る部分補正経路を設定する第5ステップと、
    前記部分補正経路の一部または全部を含み、前記到達点へ至る経路を補正経路として記憶する第6ステップと、
    を有することを特徴とするワークの移送経路決定方法。
  2. 請求項1記載のワークの移送経路決定方法において、
    前記所定角度は±90°であることを特徴とするワークの移送経路決定方法。
  3. 請求項1または2記載のワークの移送経路決定方法において、
    前記第6ステップでは、前記部分補正経路の一部または全部の後段に、前記経路候補における前記選択中継路から前記到達点までの部分が付加された経路を補正経路として記憶することを特徴とするワークの移送経路決定方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のワークの移送経路決定方法において、
    前記経路候補が複数記憶されているとき、前記選択中継路が最も小さい順番に記憶されている経路候補、若しくは最も長さの短い経路候補を選択経路候補として選択し、
    前記選択経路候補における前記選択中継路の順番が前記部分補正経路における前記選択中継路の順番より大きいときにのみ、前記第6ステップの記憶の処理を行うことを特徴とするワークの移送経路決定方法。
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