JP3913062B2 - Inkjet recording apparatus and inkjet recording method - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関し、詳しくは、インクを吐出する記録ヘッドの吐出回復処理に関連した記録ヘッドの温度制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等における記録装置として、あるいはコンピューターやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションなどで処理した情報を出力する機器として用いられる記録装置として、紙、布、プラスチックシート、OHP用シートなどの種々の記録媒体に対して比較的簡潔な構成で記録することができるインクジェット方式の記録装置が普及している。また、この方式は基本的に非接触記録方式であり記録媒体の種類を問わないことから、上記のような通常用いられる記録媒体の他、布、皮革、不織布、さらには金属等を記録媒体として用いる記録装置も提案されている。さらに、この種のインクジェット記録装置では、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と交差する方向(主走査方向)に記録ヘッドを走査させながら画像を記録する、いわゆるシリアル方式が主流であり、この方式の記録装置は、簡潔な構成で比較的再現性、一様性などに優れた画像等の記録を行なうことができる、等の利点を有している。特に、電気熱変換素子が発生する熱エネルギーを利用してインクに気泡を生じさせ、この気泡の圧力によってインクを吐出する、いわゆるバブルジェット(登録商標)方式は、比較的高密度に吐出口を配列でき、また、記録動作に伴って発生する騒音が小さいなど、種々の利点を有し近年広く用いられている方式である。
【0003】
ところで、インクジェット記録装置では、その記録ヘッドの吐出状態を良好に保つための回復処理を行なうことが知られている。例えば、記録ヘッドからのインク吐出に伴ってインクミストを発生したり、あるいは吐出されたインクが記録媒体に着弾したときの衝撃でスプラッシュを発生することがある。そして、これらのミストなどはインク吐出口を配列した吐出口面に付着してその吐出口を塞ぐなどし、これによって吐出不良を生じることがある。そこで、回復処理の一つとして、ゴム等の弾性材からなるブレードを吐出口面に当接させた状態でその記録ヘッドを移動させることにより、吐出口周辺に付着したインクなどを拭き取り除去する、いわゆるワイピングが行なわれる。
【0004】
また、他の回復処理として、いわゆる予備吐出が行なわれる。例えば、記録時には記録データに応じて記録ヘッドの複数の吐出口から選択的にインクが吐出される。この場合、個々の吐出口について見ると、ある時間インク吐出を行なわない吐出口が存在し、その吐出口ではその近傍のインクは外気に晒されたままの状態が続き、これによってインクの粘度が増大して吐出されるインクの量や速度の減少や、吐出方向の偏向などの吐出不良を生ずることがある。そこで、これらの増粘したインクを除去すべく、記録に無関係なインク吐出を装置の所定の箇所で行う、予備吐出が知られている。
【0005】
回復処理のさらに他の形態として吸引回復が知られている。例えば、連続したインク吐出などや長期間の装置の不使用などを原因として、記録ヘッドの液路内や共通液室等に気泡が混入もしくは発生し、その気泡が液路へのインクの供給や吐出動作の妨げとなって吐出不良を生じることがある。主にこのような吐出不良を未然に防止すべく、吐出口面にゴム等の材料で形成されたキャップを当接させそのキャップを介して吐出口近傍のインクを吸引することにより除去する、吸引回復が行なわれる。
【0006】
以上のような各種回復処理の実行は、画像形成(記録)前、画像形成終了後、あるいは画像形成の途中で次の走査が始まるまでの間に行う。これにより、記録ヘッドのインク吐出状態を常に適切に保ち、画像品位の低下を防いで、良好な品位の記録を行うことが可能となる。特に、バナー印字等のように、連続して比較的大きな面積の記録を行う場合には、その記録の途中における各走査の間に回復動作を行うことが重要となる。
【0007】
ところで、記録動作中の記録ヘッドにおけるインクの温度(本明細書では、「記録ヘッドの温度」あるいは単に「ヘッドの温度」ともいう)は、吐出のために生ずるエネルギーによって記録開始直後と比較して高くなるのが一般的である。この場合、次の走査と走査の間に上述の回復処理を行なうと、この処理の間にヘッド温度が下がり、その結果、吐出量が減少し途中から濃度が変化した画像などが記録されることがある。
【0008】
このようなヘッド温度の低下は、走査と走査との間に回復処理のための時間が設けられることによって比較的長い放熱時間が存在することになり、単に走査を連続的に行なう場合の各走査の間に放熱される量よりも多くの熱が放熱されること、また、吸引回復の場合は温度が高くなったインクが排出され、同時に共通液室から比較的温度の低いインクが各液路に供給されることによるものである。
【0009】
具体的には、回復動作としてワイピングを行う場合は、ワイピング動作のために一定の時間を要し、この間には記録ヘッドに対して熱エネルギーなどの吐出エネルギーは供給されずに専ら放熱が行なわれるため、記録を再開した時のヘッド温度は、回復動作前より低くなることが多い。
【0010】
同様に、記録の途中で予備吐出を行うと、予備吐出のための熱エネルギーなどの吐出エネルギーがインクにもたらされるものの、記録中にインクにもたらされる吐出エネルギーに比べて少なく、予備吐出を行なう間の放熱の影響がより大きいため、記録濃度の変化が目立つほどの温度低下を生ずることがある。
【0011】
吸引回復動作の場合、上述のワイピングや予備吐出と同様、その動作のための時間に放熱される量が大きいことと、上述のように、熱エネルギー等はもたらされずに温度が高くなったインクが専ら排出されると同時に比較的温度の低いインクが供給されることを原因として比較的顕著なヘッド温度の低下を生ずる。
【0012】
以上のようなヘッド温度の低下をもたらす吐出回復処理が記録の途中で行なわれ、特に、これによって低くなった記録濃度とそれまでの記録濃度との差が記録画像などにおける隣接した領域で生じると、わずかな濃度差でも目立ち記録品位を低下させることになる。
【0013】
これに対し、本出願人は、特開平6−328723号公報に開示されているように、記録の途中で記録ヘッドの吐出口面に付着したインク滴による汚染を解消するため、吐出口面に吐出口内のインクを溢れ出させて吐出口面を清掃する回復動作を行なった後に、ヘッド温度をその回復動作前の温度まで回復せる技術を提案している。また、この公報では、回復処理として吸引回復を行なうことも提案している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開平6−328723号公報に記載された技術は、ヘッド温度制御が比較的複雑になることがある。
【0015】
すなわち、上記公報に記載の技術は、複数の記録へッドのそれぞれについて、温度センサと加熱ヒータを備えるとともに、記録ヘッドごとに回復処理前のヘッド温度を検出し、これに基づきそれぞれの加熱ヒータを駆動して上記回復処理前のヘッド温度となるよう制御するものである。このような構成では、記録ヘッドの数が多くなるほどその制御が煩雑になる。例えば、通常用いられるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のインクの他、これらの色について染料など色材の濃度が異なるインクあるいは特別な色のインクについても記録ヘッドを備えるような記録装置では、その多くの記録ヘッドそれぞれについて上記のような制御が必要となる。
【0016】
一方、各インクの温度低下は、それぞれの吐出インク量の減少、従って、形成されるドットサイズの減少として現われることは上述のとおりであるが、記録される画像は各インクドットの集合により形成されるため、各インクの温度低下に応じた濃度変化は平均化されたものとして現れる。従って、上記従来技術のように比較的複雑な制御を行なっても、それに見合った効果が得られない場合がある。
【0017】
本発明は上記の観点に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、比較的簡易なヘッド温度制御によって記録途中の回復処理によって低下したヘッド温度を回復処理前の温度に制御し、吐出回復処理前後で記録画像等の濃度や色味に顕著な差が生じることを防止できるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明では、インクを吐出する複数の記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置において、前記複数の記録ヘッドを用いた記録動作を行なうとともに、該記録動作の途中に当該複数の記録ヘッドの吐出回復動作を行なう記録制御手段と、前記複数の記録ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、前記吐出回復動作後に記録ヘッドの温度を当該吐出回復動作の前の温度に制御する手段であって、前記吐出回復動作の前の温度として、複数の記録ヘッドについて前記吐出回復動作の前に前記温度検出手段によって検出される温度のうち、所定の閾値温度より高い記録ヘッドの温度の平均を用いるヘッド温度制御手段と、を具えたことを特徴とする。
【0020】
また、インクを吐出する複数の記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録方法において、前記複数の記録ヘッドを用いた記録動作を行なうとともに、該記録動作の途中に当該複数の記録ヘッドの吐出回復動作を行なう記録制御手段と、前記複数の記録ヘッドの温度を検出する温度検出手段とを用意するステップと、前記吐出回復動作後に記録ヘッドの温度を当該吐出回復動作の前の温度に制御するステップであって、前記吐出回復動作の前の温度として、複数の記録ヘッドについて前記吐出回復動作の前に前記温度検出手段によって検出される温度のうち、所定の閾値温度より高い記録ヘッドの温度の平均を用いるヘッド温度制御ステップと、を有したことを特徴とする。
【0022】
以上の構成によれば、吐出回復動作後に記録ヘッドの温度をその吐出回復動作の前の温度に制御する場合に、吐出回復動作の前の温度として、複数の記録ヘッドについて吐出回復動作の前に検出される温度の平均を用いるので、制御目標温度を一つとすることができ、これにより、制御が簡潔になる。
【0023】
また、上記の作用に加え、検出される温度が所定の閾値温度より高い記録ヘッドについてのみそれら検出温度の平均を上記平均温度とするので、記録データに依って、全くインク吐出が行なわれない記録ヘッドあるいは吐出するとしてもその頻度が少ない記録ヘッドが存在する場合、そのような記録ヘッドの温度はそれほど上昇せず、また、回復動作後も同様に全く吐出しないかあるいは吐出頻度が低いままであることを考慮することができ、一律に全ての記録ヘッドについての平均温度を求め、これに基づいてヘッド温度制御を行なう場合に回復処理前後の温度差、従って、その記録ヘッドによる濃度変化が大きくなることを防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0025】
(実施形態1)
図1は本発明の一実施形態に係わるインクジェット記録装置を示す上面図である。
【0026】
図1において、2は紙搬送系ユニットを含む装置本体を示し、本装置は比較的大判の記録用紙(記録媒体)に記録を行なうものである。1はキャリッジを示し、12個の記録ヘッド5を搭載して移動し、これにより、記録ヘッド5の記録用紙に対する走査が可能となる。すなわち、キャリジ1は、ガイド軸11によりこれに沿って移動可能に案内支持されており、また、ベルト13を介して伝達される駆動力によって往復移動できるものである。なお、使用インクとしては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの他に、更に粒状間の低減を目的とした淡シアン、淡マゼンタを加えた計6色が採用されており、また、記録スピードの向上を目的として、1色のインクに対して2個の記録ヘッドが使用されている。
【0027】
30A、30B、30Cおよび30Dは、キャップを備えて各記録ヘッド5の不図示のポンプを駆動源として吸引動作を行ない、また、記録ヘッドの不使用時に記録ヘッドを保護する回復機構を示す。31は各記録ヘッド5の予備吐出動作によって吐出されるインクを受容する予備吐出インク受領箱、32は各記録ヘッド5の吐出口面のワイピング動作を行うためのワイピング機構をそれぞれ示す。
【0028】
以上の装置構成において、キャリッジ1は、ホスト装置から記録データを受け取ると、図示しない紙搬送ユニットによって送られる記録用紙に記録すべく、ガイド軸11に沿った方向(主走査方向)に移動するように制御され、これにより、各記録ヘッド5の走査が行なわれ記録用紙に1バンド分の画像などが記録される。そして、記録用紙はキャリッジ1と直行する方向(副走査方向)に1バンド分、紙搬送ユニットによって搬送される。キャリッジ1の移動経路にそってそのキャリッジの移動位置を検出するためのエンコーダフィルム12が配設されており、キャリッジ1に搭載されたエンコーダセンサがこれを検出する信号に基づいてキャリッジの位置を知ることができる。また、このエンコーダの位置検出に基づいてキャリッジ1のホームポジション(本実施例では、回復機構に対向する位置)への移動が制御される。
【0029】
それぞれの記録ヘッド5には、上記の副走査方向に600dpi(ドット/インチ)の密度で、256個の吐出口が配列されており、各吐出口に連通したインク液路内には、インクを局所的に加熱して膜沸騰を起こさせ、その圧力によってインクを吐出させるための電気熱変換体が設けられている。また、各記録ヘッド5には、上記電気熱変換体が設けられた基板と同一の基板上に、温度検知用のセンサ50(図2参照)が設けられている。
【0030】
図2は、図1に示したインクジェット記録装置における制御系の構成を示すブロック図である。
【0031】
同図において、800は本記録装置の主制御部をなすコントローラを示し、図6等にて後述されるシーケンスを実行する例えばマイクロコンピュータ形態のCPU801、その手順に対応したプログラムやテーブル,ヒートパルスの電圧値,パルス幅その他の固定データを格納したROM802および記録データを展開する領域や作業用の領域等を設けたRAM803を有するものである。
【0032】
環境温度センサ811で検出された環境温度はコントローラ800に入力する。また、805は記録データの供給源をなすホスト装置を示し、このホスト装置からの記録データ、その他コマンド、ステータス信号等はインターフェース(I/F)804を介してコントローラ800と送受信される。
【0033】
806は、記録や予備吐出の際に記録データ等に応じて記録ヘッド5の電気熱変換体(吐出用ヒータ)を駆動するためのヘッドドライバを示す。また、各記録ヘッド5は温度センサ50を備え、このセンサによって検出された温度検出値はコントローラ800に入力し、これにより、図6等にて後述されるヘッド温度の制御を行なうことができる。
【0034】
809はキャリッジ1を主走査方向に移動させるための駆動源となる主走査モータ、807はそのドライバをそれぞれ示す。また、810は記録用紙を搬送(副走査)するための駆動源となる副走査モータを示し、808はそのドライバを示す。
【0035】
以上説明したインクジェット記録装置において、記録動作の途中で吐出回復処理を行った場合のヘッド温度の制御について、以下に説明する。
【0036】
本実施例のヘッド温度制御を説明する前に、比較例として記録動作の途中に吐出回復処理として吸引動作を行った後にインクの温度制御を行わなかった場合のヘッド温度の推移の一例を図3に示す。なお、図3は、横軸に記録用紙上の記録位置(印字位置)をとり、縦軸にヘッド温度(インク温度)をとることにより、記録用紙に記録がなされて行くに従ってヘッド温度が変化する様子を示したものである。
【0037】
図3において、A点は吸引回復動作を行った地点であり、A点より以前の記録中のインク温度は、記録データに応じて比較的連続したインク吐出のための熱エネルギー供給が行なわれるため、記録開始直後から徐々に高くなる。一方、A点以後、記録を再開した直後の記録ヘッドのインク温度は、吐出回復動作前と比較して顕著に低くなる。吸引回復動作中は熱エネルギーがインクに供給されずに、専ら放熱が行なわれ、さらに、記録ヘッドのインク液路には新たな比較的温度の低いインクが流入するためである。
【0038】
そして、インク温度とインク吐出量は、図4に示すような一定の関係、すなわち、インク温度が高いほど吐出量が多くなる関係があるため、特に、上記A点で吐出量が顕著に低下する。その結果、図5に示すように、記録途中で吸引回復処理を行った後にヘッド温度制御を行わない場合、A点の前後で比較的大きな濃度変化が発生する。この濃度変化は記録画像等における隣接した領域で発生するため、微小な(例えばOD差で0.02程度)濃度変化でもよく目立ち、記録品位を低下させるものである。
【0039】
これは、吐出回復動作として記録動作の途中に吸引動作以外のワイピング動作や予備吐出動作を行なった場合についても、その低度の差はあるものの図5に示す濃度変化と同様の濃度変化が発生する。
【0040】
これに対し、本実施形態は、吐出回復処理として吸引動作を行った後、それによって低下したヘッド温度を吸引動作の前のヘッド温度まで上げるヘッド温度制御を行なうものであり、特に、複数の記録ヘッドそれぞれの吸引動作前のヘッド温度として、それらの平均を用いる。
【0041】
図6は、本実施形態のヘッド温度制御を示すフローチャートである。
【0042】
本処理は記録動作中実行されており、同図に示すように、画像形成(記録)開始後吸引回復処理がなされないときは記録ヘッドの温度を所定のタイミングでモニタする(S101、S102)。すなわち、12個の記録ヘッド5それぞれのインク温度Ta1〜Ta12をコントローラ800のRAM803に格納する(S101)。この格納するタイミングは、記録ヘッドの一回の走査が終了して次の走査が始まるまでの待機時間であり、この待機時間中に吸引動作が行われたかどうかを判断する(S102)。吸引動作が行われない場合には、次の走査中の複数の記録ヘッド5の各インク温度Ta1〜Ta12を、前回の走査で格納された値を上書きして格納する。
【0043】
待機時間中に吸引動作が起動されたと判断すると(S102)、その時点で格納されている値を吸引回復動作前の各記録ヘッド5のインク温度Tb1〜Tb12としてRAM803確定する(S103)。そして、この確定したインク温度Tb1〜Tb12の平均値Taveを算出してRAM803に格納する(S104)。
【0044】
図7は、各記録ヘッドの確定したインク温度Tb1〜Tb12の一例を示す図である。この図が示す例では、平均値Taveは、Tave=43℃となる。このように、12個の記録ヘッドそれぞれについて検出されているヘッド温度(インク温度)の平均をとり、それを回復処理前のヘッド温度として用いることにより、全ての記録ヘッドについて制御目標温度を同じものとすることができ、これにより、ヘッド温度制御に用いるパラメータを少くでき、制御自体を簡易にすることができる。この場合、ヘッド温度制御後、記録を再開するときの各記録ヘッドのヘッド温度は、個々の記録へッドについてみれば回復処理を行なう前のヘッド温度と異なるが、記録される画像は12個の記録ヘッドから吐出される各インクによるドットの集合として表わされるため、各インク毎のドットサイズのばらつきは記録画像によっては平均化されたものとなり、この場合は上記のような程度のヘッド温度の違いが記録画像に与える影響は少ないものといえる。
【0045】
以上のように、平均インク温度Taveを求め(S104)、吸引動作を終了すると(S105)、その平均インク温度を制御目標とする制御を行なう。すなわち、各記録ヘッドについてその温度センサ50によって検出される温度と、コントローラ800に格納されているとインク温度Taveとの比較を行い(S106)、検出インク温度がTaveより低い場合にはTaveに到達するまで、図8に示すパルスを各電気熱変換体に供給してインクの加熱を行なう。すなわち、このパルスは、インク吐出には至らない程度の熱エネルギーをインクに与えるものであり、このパルスを用いてインクのヘッド温度の制御を行い(S107)、インク温度が平均温度Taveに到達した後に画像形成を再開する(S108)。
【0046】
図9は、記録途中で吸引回復動作を行った後に、図6に示したヘッド温度制御を行った場合のヘッド温度の変化を示す図であり、図3と同様の図である。
【0047】
同図に示すように、A点より以前の記録中のインク温度は、図3に示した例と同様である。一方、A点における吸引動作終了直後のインク温度は、上述のように、吸引動作終了直後画像形成を再開する前に、上述のパルス加熱によるインクの温度制御を行うので、画像形成を再開する直前のインク温度は、平均インク温度Taveまで上昇している。
【0048】
図10は、本実施形態のインク温度の制御を行った場合の画像形成濃度の変化を示す図である。この図に示すように吸引回復動作を行なったA点の前後で顕著な濃度変化が発生しない。
【0049】
なお、吐出回復処理として、上述の吸引動作の他、ワイピング動作や予備吐出動作を行なう場合についても、同様のヘッド温度制御を行うことができることは、以上の説明から明らかであり、それによって図10に示すのと同様に回復動作の前後で濃度変化を少なくすることができる。
【0050】
このように、本実施形態によれば、特に、簡易なヘッド温度制御で回復動作が記録途中に行なわれることによる濃度変化を低減することができる。
【0051】
(実施形態2)
図11は、本発明の第二の実施形態に係わるヘッド温度制御を示すフローチャートである。本実施形態は、12個の記録ヘッドのインク温度のうち、所定の閾値温度より高い温度のみについて平均インク温度を求めるものである。
【0052】
すなわち、実施形態1と同様に、回復動作前の記録ヘッド5のインク温度をTb1〜Tb12として確定した後(S201、S202、S203)、これらの温度Tb1〜Tb12をそれぞれ温度制御閾値Tsと比較する(S204)。ここで、温度Tb1〜Tb12のうち、閾値温度Tsより大きな値が一つでもあれば、これら閾値温度Tsより高い温度ののみの平均値Taveを計算し、コントローラ800に格納する(S205)。
【0053】
例えば、図12は各ヘッドの温度Tb1〜Tb12を示した図であり、閾値温度Ts=35℃とするとき、この温度Tsより高い温度はTb2、Tb5、Tb6、Tb7、Tb8、Tb11であり、それらの平均値Taveは、Tave=47℃となる。このように、所定の閾値温度を設定し、これより高い温度の記録ヘッドについてのみそれらについて検出される温度の平均をとり、これを平均インク温度として全ての記録ヘッドについて温度制御を行なうことにより、それほど温度が高くなっていない記録ヘッドの温度によって算出される平均インク温度が低くなり回復動作前の全体的な濃度が、ヘッド温度制御に反映されなくなることを未然に防止することが可能となる。例えば、記録データに依って、全くインク吐出が行なわれない記録ヘッドあるいは吐出するとしてもその頻度が少ない記録ヘッドが存在する場合、そのような記録ヘッドの温度はそれほど上昇せず、また、回復動作後も同様に全く吐出したないかあるいは吐出頻度が低いままである。この場合に、一律に全ての記録ヘッドについての平均温度を求め、これに基づいてヘッド温度制御を行なうと、返って回復処理前後の温度差、従って、その記録ヘッドによる濃度変化が大きくなり、これが記録画像において目立つことがある。本実施形態はこのような弊害を防止することを可能とするものである。
【0054】
以上のように、平均温度Taveの算出(S205)、回復動作(S206)を終了すると、コントローラ800に格納されているこの平均温度Taveと各記録ヘッドの温度センサによって検出されるインク温度との比較を行い(S207)、検出インク温度が平均温度Taveより低い場合には、平均温度Taveに到達するまで、第一の実施形態と同様、インク吐出には至らないパルスによる加熱を行うことによりインク温度の制御を行う(S208)。そして、インク温度が平均温度Taveに到達すると、画像形成を再開する(S209)。
【0055】
また、ステップS204において、各記録ヘッドのインク温度Tb1〜Tb12が全て閾値温度Tsより小さいと判断し場合には、平均温度Taveを極端に低い温度、本実施形態では20℃に設定する(S210)。すなわち、全てのヘッド温度が閾値温度Tsより低いということは、インク吐出がなされていないか、あるいは吐出頻度が低くいことを示し、記録される画像の濃度が非常に低い場合である。このため、回復動作の間にへッド温度の低下があっても、それによる濃度低下は記録結果において認識できない程度のものと想定されるので、吐出回復動作後にインク温度の制御を行わなくても問題とはならない。したがって、インク温度制御を実行することによる全体的な記録時間の増加を防ぐために、平均温度Taveを各記録ヘッドの温度Tb1〜Tb12の値に関係無く、記録中の温度より極端に低い温度(例えば、20℃程度)に設定することにより、吸引動作終了後(S206)の、平均温度Taveと各インク温度との比較(S207)を直ちに抜けて、画像形成が再開することができる(S209)。
【0056】
このように、本実施形態によれば、回復動作前後での濃度変化を防ぐことができるとともに、濃度変化を生じそうのない記録へッドについて不必要なヘッド温度制御を行なわずに済み、それらのヘッドについて制御を行なうことにより逆に濃度変化が生じることを未然に防止できる。また、複数の記録ヘッド全体として、回復動作を行なうことによって濃度変化が生じそうもないときは直ちに記録が再開されるため、不必要なヘッド温度制御を実行することによるスループットの低下も防止できる。
【0057】
図13は、吐出回復動作前の各記録ヘッド5のインク温度Tb1〜Tb12が全て温度制御閾値Tsより小さい場合、すなわち、温度制御を行なわない場合の温度変化を示す図である。吸引動作を行った地点Aの前後ではインク温度変化が微小ではあるが発生する。しかし、インク温度が非常に低い場合であることから、インク吐出量も同様に変化が小さく、記録途中で回復動作を行った後の記録でも、図14に示すように濃度変化はわずかなものとなる。この図14に示す、A点の前後で発生する濃度変化は、人間にとって濃度、色味の変化として認識できないほどに小さいものといえる。
【0058】
(実施形態3)
本実施形態は、上記実施形態2におけるインク温度制御閾値Tsを、環境温度と副走査一回当たりの搬送長さ(紙送り量)に応じて定めるものである。
【0059】
図15は、環境温度と紙送り量とに応じて閾値温度Tsを設定したテーブルの内容を模式的に示す図である。なお、同図において、Nは各記録ヘッドにおける吐出口の数を示し、紙送り量がこのN(またはN/k)×吐出口ピッチであることを示している。
【0060】
同図に示すように、副走査一回当たりの搬送長さが多いほど、閾値温度Tsを高く設定する。これは、副走査一回当たりの搬送長さが多いほど、一回の主走査で記録するバンドの幅が大きくなり、従って記録ヘッドから吐出されるインク量は多くなり、連続的にインクに供給される熱エネルギーも多くなるからである。この様子を図16に示す。つまり、濃度が等しい画像の形成において、副走査一回当たりの搬送長さが多いほど吐出回復動作直前のインク温度は高くなる。言い換えれば、記録される画像の濃度が非常に低く、インクの温度制御を行わなくても問題とならないような、吐出回復動作直前のインク温度は、副走査一回当りの搬送長さが多いほど高くなる。したがって、副走査一回当たりの搬送長さが多いほど閾値Tsを大きくすることによって、不必要なヘッド温度制御を実行することによる全体的な記録時間の増加を効率的に防ぐことができる。
【0061】
また、環境温度が高いほど、閾値温度を高くする。これは、環境温度が高い場合は記録中のインク温度上昇は大きくなるからである。この様子を図17に示す。つまり、濃度が等しい画像の形成において、環境温度が高いほど吐出回復動作直前のインク温度は高くなる。したがって、環境温度が高いほど、インク温度制御閾値Tsも大きくし、紙送り量の場合と同様、記録時間の増加を効率的に防ぐことができる。
【0062】
このように、本実施形態の場合には上記実施形態1および2の効果に加え、インク温度制御閾値Tsを、環境温度及び副走査一回当たりの搬送長さによって適正化したので、記録時間の増加をより効率的に防ぐことが可能となる。
【0063】
なお、以上の実施形態1〜3の説明から明らかなように、複数のインク吐出口を備える記録ヘッドを有するインクジェット記録装置であれば、同一又は異なる色彩のインクを用いて記録するカラー記録装置、あるいは同一色彩で異なる濃度で記録する階調記録装置、さらには、これらを組み合わせた記録装置の場合にも、同様に本発明を適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。さらに、本発明は、記録手段とインクタンクを一体化した交換可能なインクジェットカートリッジを用いる構成、記録手段とインクタンクを別体にし、その間をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、記録手段とインクタンクの配置構成がどのような場合にも同様に適用することができ、同様の効果が得られるものである。
【0064】
また、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置において優れた効果をもたらすものである。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、吐出回復動作後に記録ヘッドの温度をその吐出回復動作の前の温度に制御する場合に、吐出回復動作の前の温度として、複数の記録ヘッドについて吐出回復動作の前に検出される温度の平均を用いるので、制御目標温度を一つとすることができ、これにより、制御が簡潔になる。
【0066】
また、上記の作用に加え、検出される温度が所定の閾値温度より高い記録ヘッドについてのみそれら検出温度の平均を上記平均温度とするので、記録データに依って、全くインク吐出が行なわれない記録ヘッドあるいは吐出するとしてもその頻度が少ない記録ヘッドが存在する場合、そのような記録ヘッドの温度はそれほど上昇せず、また、回復動作後も同様に全く吐出しないかあるいは吐出頻度が低いままであることを考慮することができ、一律に全ての記録ヘッドについての平均温度を求め、これに基づいてヘッド温度制御を行なう場合に回復処理前後の温度差、従って、その記録ヘッドによる濃度変化が大きくなることを防止できる。
【0067】
この結果、比較的簡易なヘッド温度制御によって記録途中の回復処理によって低下したヘッド温度を回復処理前の温度に制御し、回処理前後で記録画像等の濃度や色味に顕著な差が生じることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるインクジェット記録装置を示す上面図である。
【図2】図1に示したインクジェット記録装置における制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】記録用紙に記録がなされて行くに従ってヘッド温度が変化する様子を示す図である。
【図4】従来例に係わる、記録ヘッドにおけるインク温度とインク吐出量の関係を示す図である。
【図5】従来例に係わる、記録途中に吐出回復動作を行った後にインクの温度制御を行わなかった場合の記録画像の濃度変化を示す図である。
【図6】本発明の第一の実施形態に係わるヘッド温度制御を示すフローチャートである。
【図7】上記ヘッド温度制御に置ける各記録ヘッドの確定したインク温度の一例を示す図である。
【図8】上記ヘッド温度制御に用いる記録ヘッド駆動パルスを模式的に示す図である。
【図9】記録途中で吸引回復動作を行った後に、図6に示したヘッド温度制御を行った場合のヘッド温度の変化を示す図である。
【図10】本実施形態のヘッド温度制御を行った場合の画像形成濃度の変化を示す図である。
【図11】本発明の第二の実施形態に係わるヘッド温度制御を示すフローチャートである。
【図12】第二の実施形態のヘッド温度制御において検出される各記録ヘッドの温度を示す図である。
【図13】第二の実施形態のヘッド温度制御において吐出回復動作前の各記録ヘッドのインク温度が全て温度制御閾値より小さい場合の温度変化を示す図である。
【図14】図13に示す温度変化に応じた濃度変化を示す図である。
【図15】本発明の第三の実施形態に係わるヘッド温度制御において用いられる、環境温度と紙送り量とに応じて閾値温度を設定したテーブルの内容を模式的に示す図である。
【図16】第三の実施形態に係わる、副走査一回あたりの搬送長さごとのインク温度変化を示す図である。
【図17】第三の実施形態に係わる、環境温度ごとのインク温度変化を示す図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
2 装置本体(搬送系ユニットを含む)
5 記録ヘッド
11 ガイド軸
12 エンコーダフィルム
13 ベルト
30A、30B、30C、30D 回復機構
31 予備吐出インク受領箱
32 ワイピング機構
50 温度センサ
800 コントローラ
801 CPU
802 ROM
803 RAM
804 インターフェース
805 ホスト装置
806 ヘッドドライバ
807、808 モータドライバ
809 主走査モータ
810 副走査モータ
811 環境温度センサ
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink jet recording apparatus and an ink jet recording method, and more particularly to temperature control of a recording head related to discharge recovery processing of a recording head that discharges ink.
[0002]
[Prior art]
Paper, cloth, plastic sheets, OHP as recording devices in printers, copiers, facsimiles, etc., or as recording devices used as composite electronic devices including computers and word processors, and devices that output information processed by workstations, etc. 2. Description of the Related Art Inkjet recording apparatuses that can record with a relatively simple configuration on various recording media such as printing sheets have become widespread. In addition, since this method is basically a non-contact recording method and the type of the recording medium is not limited, in addition to the recording media normally used as described above, cloth, leather, non-woven fabric, metal, etc. are used as the recording medium. A recording apparatus to be used has also been proposed. Further, in this type of ink jet recording apparatus, a so-called serial method, in which an image is recorded while a recording head is scanned in a direction (main scanning direction) intersecting the conveyance direction (sub-scanning direction) of the recording medium, is mainstream. The recording apparatus of the system has an advantage that it is possible to record an image or the like with relatively simple reproducibility and uniformity with a simple configuration. In particular, the so-called Bubble Jet (registered trademark) system, in which bubbles are generated in ink using the thermal energy generated by the electrothermal conversion element and ink is discharged by the pressure of the bubbles, has a relatively high density of discharge ports. This is a system that has various advantages such as being arranged and having a small noise generated in association with a recording operation, and has been widely used in recent years.
[0003]
By the way, in an ink jet recording apparatus, it is known to perform a recovery process for maintaining a good discharge state of the recording head. For example, ink mist may be generated as ink is ejected from the recording head, or splash may be generated by impact when the ejected ink lands on the recording medium. These mists or the like may adhere to the discharge port surface on which the ink discharge ports are arranged and block the discharge ports, thereby causing a discharge failure. Therefore, as one of the recovery processes, by moving the recording head in a state where a blade made of an elastic material such as rubber is in contact with the discharge port surface, the ink etc. adhering to the periphery of the discharge port is wiped off and removed. So-called wiping is performed.
[0004]
As another recovery process, so-called preliminary ejection is performed. For example, at the time of recording, ink is selectively ejected from a plurality of ejection ports of the recording head according to the recording data. In this case, when looking at the individual discharge ports, there are discharge ports that do not discharge ink for a certain period of time, and the ink in the vicinity of the discharge ports continues to be exposed to the outside air. There may be a case where an increase in the amount and speed of ink discharged and a discharge defect such as a deflection in the discharge direction occur. Therefore, in order to remove these thickened inks, preliminary ejection is known in which ink ejection irrelevant to recording is performed at a predetermined portion of the apparatus.
[0005]
As another form of the recovery process, suction recovery is known. For example, bubbles may be mixed or generated in the liquid path of the recording head or in the common liquid chamber due to continuous ink discharge or the long-term non-use of the apparatus. Discharging operation may be hindered to cause discharge failure. In order to prevent such discharge failure, a suction that removes by ejecting ink in the vicinity of the discharge port through a cap made of rubber or other material in contact with the surface of the discharge port Recovery takes place.
[0006]
The various recovery processes as described above are performed before image formation (recording), after image formation is completed, or until the next scan starts during image formation. As a result, it is possible to always maintain the ink ejection state of the recording head appropriately, prevent deterioration in image quality, and perform good quality recording. In particular, when recording a relatively large area continuously, such as in banner printing, it is important to perform a recovery operation during each scan in the middle of the recording.
[0007]
Incidentally, the temperature of the ink in the recording head during the recording operation (in this specification, also referred to as “the temperature of the recording head” or simply “the temperature of the head”) is compared with that immediately after the start of recording due to the energy generated for ejection. It is common to get higher. In this case, if the recovery process described above is performed between the next scans, the head temperature falls during this process, and as a result, the discharge amount decreases and an image whose density has changed from the middle is recorded. There is.
[0008]
Such a decrease in head temperature causes a relatively long heat dissipation time by providing a time for recovery processing between scans, and each scan in the case of simply performing a scan continuously. In the case of suction recovery, the ink whose temperature has increased is discharged, and at the same time, the ink having a relatively low temperature is discharged from the common liquid chamber to each liquid path. It is because it is supplied to.
[0009]
Specifically, when wiping is performed as a recovery operation, a certain amount of time is required for the wiping operation, and during this time, discharge heat such as thermal energy is not supplied to the recording head, and only heat radiation is performed. Therefore, the head temperature when recording is resumed is often lower than before the recovery operation.
[0010]
Similarly, if preliminary ejection is performed in the middle of recording, ejection energy such as thermal energy for preliminary ejection is provided to the ink, but is smaller than the ejection energy provided to the ink during recording, and during preliminary ejection. Since the effect of heat dissipation is greater, the temperature may drop so that the change in recording density is noticeable.
[0011]
In the case of the suction recovery operation, similar to the above-described wiping and preliminary discharge, the amount of heat dissipated in the time for the operation is large, and as described above, the ink whose temperature has been increased without causing thermal energy or the like. Due to the fact that ink having a relatively low temperature is supplied at the same time as being discharged, a relatively significant head temperature drop occurs.
[0012]
The above-described ejection recovery process that causes a drop in head temperature is performed in the middle of recording. In particular, when the difference between the recording density lowered thereby and the recording density so far occurs in an adjacent area in a recorded image or the like. Even a slight difference in density will noticeably reduce the recording quality.
[0013]
On the other hand, as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-328723, the applicant of the present invention applied to the discharge port surface in order to eliminate contamination caused by ink droplets adhering to the discharge port surface of the recording head during recording. A technique for recovering the head temperature to the temperature before the recovery operation after performing a recovery operation for cleaning the surface of the discharge port by overflowing ink in the discharge port is proposed. This publication also proposes performing suction recovery as a recovery process.
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the technique described in the above Japanese Patent Laid-Open No. 6-328723, the head temperature control may be relatively complicated.
[0015]
That is, the technology described in the above publication includes a temperature sensor and a heater for each of a plurality of recording heads, detects the head temperature before recovery processing for each recording head, and based on this, detects each heating heater. To control the head temperature before the recovery process. In such a configuration, the control becomes more complicated as the number of recording heads increases. For example, in addition to the commonly used yellow (Y), magenta (M), cyan (C), and black (K) inks, these inks also have different color material concentrations such as dyes or special color inks. In a recording apparatus including a recording head, the above-described control is necessary for each of the many recording heads.
[0016]
On the other hand, as described above, a decrease in the temperature of each ink appears as a decrease in the amount of each ejected ink, and thus a decrease in the size of the formed dots. However, the recorded image is formed by a set of ink dots. Therefore, the density change corresponding to the temperature drop of each ink appears as an average. Therefore, even if relatively complicated control is performed as in the above-described prior art, an effect corresponding to the control may not be obtained.
[0017]
The present invention has been made based on the above viewpoint, and its object is to control the head temperature lowered by the recovery process during recording by the relatively simple head temperature control to the temperature before the recovery process, An object of the present invention is to provide an ink jet recording apparatus and an ink jet recording method capable of preventing a remarkable difference in density and color of a recorded image before and after the discharge recovery process.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, in the present invention, in an ink jet recording apparatus that uses a plurality of recording heads that eject ink and performs recording by ejecting ink onto a recording medium, the recording operation is performed using the plurality of recording heads. A recording control means for performing an ejection recovery operation of the plurality of recording heads in the middle of the recording medium; a temperature detection means for detecting temperatures of the plurality of recording heads; and a temperature of the recording head after the ejection recovery operation before the ejection recovery operation. The temperature before the discharge recovery operation is a temperature that is detected by the temperature detection unit before the discharge recovery operation for a plurality of recording heads. Of which, the print head temperature is higher than the predetermined threshold temperature. And a head temperature control means using an average.
[0020]
Further, in an ink jet recording method in which recording is performed by ejecting ink onto a recording medium using a plurality of recording heads that eject ink, a recording operation is performed using the plurality of recording heads, and the recording operation is performed during the recording operation. Providing a recording control means for performing an ejection recovery operation of a plurality of recording heads, and a temperature detecting means for detecting the temperatures of the plurality of recording heads; A step of controlling to a previous temperature, wherein the temperature before the discharge recovery operation is a temperature detected by the temperature detecting means before the discharge recovery operation for a plurality of recording heads. Of which, the print head temperature is higher than the predetermined threshold temperature. And a head temperature control step using an average.
[0022]
According to the above configuration, when controlling the temperature of the print head after the discharge recovery operation to the temperature before the discharge recovery operation, the temperature before the discharge recovery operation is set as the temperature before the discharge recovery operation before the discharge recovery operation. Since the average of the detected temperatures is used, one control target temperature can be obtained, thereby simplifying the control.
[0023]
In addition to the above action Since the average of the detected temperatures is the average temperature only for the print head whose detected temperature is higher than the predetermined threshold temperature, even if it is a print head that does not discharge ink at all or is discharged depending on the print data When there is a recording head with a low frequency, it can be considered that the temperature of such a recording head does not rise so much, and after the recovery operation, it is not discharged at all or the discharge frequency remains low. When the average temperature for all the recording heads is obtained uniformly and the head temperature control is performed based on the average temperature, it is possible to prevent the temperature difference before and after the recovery process, and hence the change in density due to the recording head from becoming large.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0025]
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a top view showing an ink jet recording apparatus according to an embodiment of the present invention.
[0026]
In FIG. 1, reference numeral 2 denotes an apparatus main body including a paper transport system unit. This apparatus performs recording on a relatively large recording sheet (recording medium). Reference numeral 1 denotes a carriage which is mounted and moved with twelve recording heads 5, whereby the recording head 5 can scan the recording paper. That is, the carriage 1 is guided and supported by the guide shaft 11 so as to be movable along the guide shaft 11, and can be reciprocated by the driving force transmitted through the belt 13. In addition to cyan, magenta, yellow, and black, the ink used is a total of six colors that add light cyan and light magenta for the purpose of reducing graininess, and improve recording speed. For this purpose, two recording heads are used for one color ink.
[0027]
Reference numerals 30A, 30B, 30C, and 30D denote recovery mechanisms that are provided with caps and perform a suction operation using a pump (not shown) of each recording head 5 as a driving source, and protect the recording head when the recording head is not used. Reference numeral 31 denotes a preliminary ejection ink receiving box that receives ink ejected by the preliminary ejection operation of each recording head 5, and 32 denotes a wiping mechanism for performing a wiping operation of the ejection port surface of each recording head 5.
[0028]
In the above-described apparatus configuration, when receiving the recording data from the host apparatus, the carriage 1 moves in a direction (main scanning direction) along the guide shaft 11 so as to record on a recording sheet sent by a paper transport unit (not shown). Thus, each recording head 5 is scanned, and an image for one band is recorded on the recording paper. Then, the recording paper is conveyed by the paper conveyance unit for one band in a direction (sub-scanning direction) perpendicular to the carriage 1. An encoder film 12 for detecting the movement position of the carriage 1 is arranged along the movement path of the carriage 1, and an encoder sensor mounted on the carriage 1 knows the position of the carriage based on a signal for detecting this. be able to. Further, based on the position detection of the encoder, the movement of the carriage 1 to the home position (a position facing the recovery mechanism in the present embodiment) is controlled.
[0029]
Each recording head 5 has 256 ejection openings arranged at a density of 600 dpi (dots / inch) in the sub-scanning direction, and ink is supplied into the ink liquid path communicating with each ejection opening. There is provided an electrothermal converter for locally heating to cause film boiling and ejecting ink by the pressure. Each recording head 5 is provided with a temperature detection sensor 50 (see FIG. 2) on the same substrate as the substrate on which the electrothermal transducer is provided.
[0030]
FIG. 2 is a block diagram showing a configuration of a control system in the ink jet recording apparatus shown in FIG.
[0031]
In the figure, reference numeral 800 denotes a controller that constitutes the main control unit of the recording apparatus. For example, a CPU 801 in the form of a microcomputer for executing a sequence described later in FIG. It has a ROM 802 storing voltage values, pulse widths, and other fixed data, and a RAM 803 provided with an area for developing recording data, an area for work, and the like.
[0032]
The environmental temperature detected by the environmental temperature sensor 811 is input to the controller 800. Reference numeral 805 denotes a host device serving as a recording data supply source, and recording data, other commands, status signals, and the like from the host device are transmitted to and received from the controller 800 via an interface (I / F) 804.
[0033]
Reference numeral 806 denotes a head driver for driving the electrothermal transducer (ejection heater) of the recording head 5 in accordance with recording data or the like during recording or preliminary ejection. Each recording head 5 is provided with a temperature sensor 50, and the temperature detection value detected by this sensor is input to the controller 800, whereby the head temperature described later with reference to FIG. 6 and the like can be controlled.
[0034]
Reference numeral 809 denotes a main scanning motor serving as a driving source for moving the carriage 1 in the main scanning direction, and 807 denotes a driver thereof. Reference numeral 810 denotes a sub-scanning motor serving as a driving source for conveying (sub-scanning) the recording paper, and 808 denotes a driver thereof.
[0035]
In the ink jet recording apparatus described above, the control of the head temperature when the ejection recovery process is performed during the recording operation will be described below.
[0036]
Before explaining the head temperature control of this embodiment, as an example of comparison, FIG. 3 shows an example of the transition of the head temperature when the ink temperature control is not performed after the suction operation is performed as the ejection recovery process in the middle of the recording operation. Shown in In FIG. 3, the recording temperature (printing position) on the recording paper is taken on the horizontal axis, and the head temperature (ink temperature) is taken on the vertical axis, so that the head temperature changes as recording is performed on the recording paper. It shows the situation.
[0037]
In FIG. 3, point A is a point where the suction recovery operation has been performed, and the ink temperature during recording prior to point A is supplied with thermal energy for relatively continuous ink ejection according to the recording data. It gradually increases immediately after the start of recording. On the other hand, after point A, the ink temperature of the recording head immediately after resuming recording is significantly lower than before the ejection recovery operation. This is because the heat energy is not supplied to the ink during the suction recovery operation, but the heat is exclusively dissipated, and new ink having a relatively low temperature flows into the ink liquid path of the recording head.
[0038]
The ink temperature and the ink discharge amount have a certain relationship as shown in FIG. 4, that is, the discharge amount increases as the ink temperature increases. . As a result, as shown in FIG. 5, when the head temperature control is not performed after the suction recovery process is performed during recording, a relatively large density change occurs before and after the point A. Since this density change occurs in an adjacent region in a recorded image or the like, even a very small density change (for example, about 0.02 in terms of OD difference) is conspicuous and lowers the recording quality.
[0039]
Even when a wiping operation other than a suction operation or a preliminary discharge operation is performed in the middle of a recording operation as a discharge recovery operation, a density change similar to the density change shown in FIG. To do.
[0040]
On the other hand, in the present embodiment, after performing a suction operation as a discharge recovery process, head temperature control is performed to raise the head temperature lowered thereby to the head temperature before the suction operation. The average of the head temperatures before the suction operation of each head is used.
[0041]
FIG. 6 is a flowchart showing the head temperature control of this embodiment.
[0042]
This process is executed during the recording operation. As shown in FIG. 5, when the suction recovery process is not performed after the start of image formation (recording), the temperature of the recording head is monitored at a predetermined timing (S101, S102). That is, the ink temperatures Ta1 to Ta12 of the 12 recording heads 5 are stored in the RAM 803 of the controller 800 (S101). This storage timing is a waiting time from the end of one scan of the print head to the start of the next scan, and it is determined whether or not a suction operation has been performed during this waiting time (S102). When the suction operation is not performed, the ink temperatures Ta1 to Ta12 of the plurality of recording heads 5 during the next scan are stored by overwriting the values stored in the previous scan.
[0043]
If it is determined that the suction operation has been activated during the standby time (S102), the RAM 803 is determined as the ink temperatures Tb1 to Tb12 of each recording head 5 before the suction recovery operation (S103). Then, the average value Tave of the determined ink temperatures Tb1 to Tb12 is calculated and stored in the RAM 803 (S104).
[0044]
FIG. 7 is a diagram illustrating an example of the ink temperatures Tb1 to Tb12 determined for each recording head. In the example shown in this figure, the average value Tave is Tave = 43 ° C. In this way, by averaging the detected head temperatures (ink temperatures) for each of the 12 print heads and using that as the head temperature before the recovery process, the same control target temperature is used for all print heads. Accordingly, the parameters used for the head temperature control can be reduced, and the control itself can be simplified. In this case, the head temperature of each recording head when the recording is resumed after the head temperature control is different from the head temperature before the recovery process in terms of individual recording heads, but 12 images are recorded. Therefore, the variation in dot size for each ink is averaged depending on the recorded image. In this case, the head temperature of the above degree is used. It can be said that the effect of the difference on the recorded image is small.
[0045]
As described above, the average ink temperature Tave is obtained (S104), and when the suction operation is finished (S105), the control is performed with the average ink temperature as a control target. That is, for each recording head, the temperature detected by the temperature sensor 50 is compared with the ink temperature Tave stored in the controller 800 (S106). If the detected ink temperature is lower than Tave, Tave is reached. Until this is done, the pulses shown in FIG. 8 are supplied to each electrothermal transducer to heat the ink. That is, this pulse gives the ink thermal energy that does not lead to ink ejection, and the ink head temperature is controlled using this pulse (S107), and the ink temperature reaches the average temperature Tave. Image formation is resumed later (S108).
[0046]
FIG. 9 is a diagram showing a change in the head temperature when the head temperature control shown in FIG. 6 is performed after the suction recovery operation is performed during recording, and is the same diagram as FIG.
[0047]
As shown in the figure, the ink temperature during recording before point A is the same as the example shown in FIG. On the other hand, the ink temperature immediately after the end of the suction operation at the point A is as described above, and the temperature control of the ink by the pulse heating described above is performed before the image formation is restarted immediately after the end of the suction operation. The ink temperature increases to the average ink temperature Tave.
[0048]
FIG. 10 is a diagram illustrating a change in image formation density when the ink temperature is controlled according to the present embodiment. As shown in this figure, no significant density change occurs before and after the point A where the suction recovery operation is performed.
[0049]
Note that it is clear from the above description that the same head temperature control can be performed in the case of performing the wiping operation and the preliminary discharge operation in addition to the above-described suction operation as the discharge recovery process, and as a result, FIG. In the same manner as shown in FIG. 4, the density change can be reduced before and after the recovery operation.
[0050]
As described above, according to this embodiment, it is possible to reduce the density change caused by the recovery operation being performed during the recording, particularly with simple head temperature control.
[0051]
(Embodiment 2)
FIG. 11 is a flowchart showing head temperature control according to the second embodiment of the present invention. In the present embodiment, an average ink temperature is obtained only for a temperature higher than a predetermined threshold temperature among the ink temperatures of the 12 print heads.
[0052]
That is, as in the first embodiment, after the ink temperatures of the recording head 5 before the recovery operation are determined as Tb1 to Tb12 (S201, S202, S203), these temperatures Tb1 to Tb12 are respectively compared with the temperature control threshold Ts. (S204). Here, if at least one of the temperatures Tb1 to Tb12 is larger than the threshold temperature Ts, an average value Tave only for temperatures higher than the threshold temperature Ts is calculated and stored in the controller 800 (S205).
[0053]
For example, FIG. 12 is a diagram showing the temperatures Tb1 to Tb12 of each head. When the threshold temperature Ts = 35 ° C., the temperatures higher than this temperature Ts are Tb2, Tb5, Tb6, Tb7, Tb8, and Tb11. Their average value Tave is Tave = 47 ° C. In this way, by setting a predetermined threshold temperature, averaging the temperatures detected for only those print heads having a temperature higher than this, and performing temperature control for all the print heads using this as the average ink temperature, It is possible to prevent the average ink temperature calculated based on the temperature of the print head that is not so high from becoming low and the overall density before the recovery operation from being reflected in the head temperature control. For example, if there is a print head that does not discharge ink at all or a print head that does not discharge frequently depending on print data, the temperature of such a print head does not increase so much, and the recovery operation Similarly, no discharge is performed or the discharge frequency remains low. In this case, if the average temperature for all the recording heads is uniformly obtained and the head temperature control is performed based on the average temperature, the temperature difference before and after the recovery process, and hence the change in density due to the recording head increases. May stand out in recorded images. This embodiment makes it possible to prevent such adverse effects.
[0054]
As described above, when the calculation of the average temperature Tave (S205) and the recovery operation (S206) are completed, the average temperature Tave stored in the controller 800 is compared with the ink temperature detected by the temperature sensor of each recording head. (S207), if the detected ink temperature is lower than the average temperature Tave, the ink temperature is obtained by heating with a pulse that does not lead to ink ejection until the average temperature Tave is reached, as in the first embodiment. Is controlled (S208). When the ink temperature reaches the average temperature Tave, the image formation is resumed (S209).
[0055]
If it is determined in step S204 that all the ink temperatures Tb1 to Tb12 of each recording head are lower than the threshold temperature Ts, the average temperature Tave is set to an extremely low temperature, 20 ° C. in this embodiment (S210). . That is, the fact that all the head temperatures are lower than the threshold temperature Ts indicates that ink is not ejected or the ejection frequency is low, and the density of the recorded image is very low. For this reason, even if there is a drop in the head temperature during the recovery operation, it is assumed that the resulting decrease in density is indistinguishable in the recording result. Therefore, the ink temperature must not be controlled after the discharge recovery operation. Is not a problem. Therefore, in order to prevent an increase in the overall recording time due to the ink temperature control, the average temperature Tave is extremely lower than the temperature during recording (for example, regardless of the values of the temperatures Tb1 to Tb12 of each recording head) , About 20 ° C.), immediately after the end of the suction operation (S206), the comparison between the average temperature Tave and each ink temperature (S207) can be immediately exited and image formation can be resumed (S209).
[0056]
As described above, according to this embodiment, it is possible to prevent the density change before and after the recovery operation, and it is unnecessary to perform unnecessary head temperature control for the recording head which is unlikely to cause the density change. On the other hand, it is possible to prevent the density change from occurring by controlling the head. In addition, since the recording operation is resumed immediately when the density change is unlikely to occur due to the recovery operation as a whole of the plurality of recording heads, it is possible to prevent a decrease in throughput due to unnecessary head temperature control.
[0057]
FIG. 13 is a diagram showing a temperature change when the ink temperatures Tb1 to Tb12 of each recording head 5 before the ejection recovery operation are all lower than the temperature control threshold Ts, that is, when temperature control is not performed. The ink temperature changes slightly before and after the point A where the suction operation is performed. However, since the ink temperature is very low, the ink discharge amount is similarly small, and the density change is slight as shown in FIG. 14 even in the recording after performing the recovery operation during the recording. Become. It can be said that the density change occurring before and after the point A shown in FIG. 14 is so small that it cannot be recognized as a change in density and color for humans.
[0058]
(Embodiment 3)
In the present embodiment, the ink temperature control threshold Ts in the second embodiment is determined according to the environmental temperature and the transport length (paper feed amount) per sub-scan.
[0059]
FIG. 15 is a diagram schematically showing the contents of a table in which the threshold temperature Ts is set according to the environmental temperature and the paper feed amount. In the figure, N indicates the number of ejection openings in each recording head, and indicates that the paper feed amount is N (or N / k) × ejection opening pitch.
[0060]
As shown in the figure, the threshold temperature Ts is set higher as the conveyance length per sub-scan increases. This is because as the transport length per sub-scan increases, the width of the band to be recorded in one main scan increases, so the amount of ink ejected from the print head increases, and the ink is continuously supplied to the ink. This is because more heat energy is generated. This is shown in FIG. That is, in the formation of images having the same density, the ink temperature immediately before the discharge recovery operation increases as the transport length per sub-scan increases. In other words, the ink temperature immediately before the ejection recovery operation is such that the density of the recorded image is very low and there is no problem even if the ink temperature control is not performed. Get higher. Accordingly, by increasing the threshold value Ts as the transport length per sub-scan increases, it is possible to efficiently prevent an increase in overall recording time due to unnecessary head temperature control.
[0061]
Further, the higher the environmental temperature, the higher the threshold temperature. This is because when the environmental temperature is high, the ink temperature rise during recording becomes large. This is shown in FIG. That is, in the formation of images with the same density, the higher the environmental temperature, the higher the ink temperature immediately before the ejection recovery operation. Therefore, as the environmental temperature is higher, the ink temperature control threshold value Ts is also increased, and the increase in recording time can be efficiently prevented, as in the case of the paper feed amount.
[0062]
As described above, in the case of the present embodiment, in addition to the effects of the first and second embodiments, the ink temperature control threshold Ts is optimized by the environmental temperature and the transport length per sub-scan. An increase can be prevented more efficiently.
[0063]
As is clear from the description of Embodiments 1 to 3 above, a color recording apparatus that records using the same or different color ink as long as it is an inkjet recording apparatus having a recording head having a plurality of ink ejection openings, Alternatively, the present invention can be similarly applied to a gradation recording apparatus that records at the same color and at different densities, and also a recording apparatus that combines these, and the same effect can be achieved. Furthermore, the present invention provides a recording means including a configuration using a replaceable ink jet cartridge in which the recording means and the ink tank are integrated, a configuration in which the recording means and the ink tank are separated and connected between them by a tube for supplying ink, etc. The present invention can be similarly applied to any arrangement of the ink tanks, and the same effect can be obtained.
[0064]
In addition, the present invention brings about an excellent effect in an ink jet recording apparatus that uses a recording unit that discharges ink using thermal energy, among other ink jet recording systems.
[0065]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, when the print head temperature is controlled to the temperature before the discharge recovery operation after the discharge recovery operation, the discharge recovery is performed for a plurality of print heads as the temperature before the discharge recovery operation. Since an average of temperatures detected before operation is used, one control target temperature can be obtained, thereby simplifying the control.
[0066]
In addition to the above action Since the average of the detected temperatures is the average temperature only for the print head whose detected temperature is higher than the predetermined threshold temperature, even if it is a print head that does not discharge ink at all or is discharged depending on the print data When there is a recording head with a low frequency, it can be considered that the temperature of such a recording head does not rise so much, and after the recovery operation, it is not discharged at all or the discharge frequency remains low. When the average temperature for all the recording heads is obtained uniformly and the head temperature control is performed based on the average temperature, it is possible to prevent the temperature difference before and after the recovery process, and hence the change in density due to the recording head from becoming large.
[0067]
As a result, the head temperature lowered by the recovery process during recording is controlled to a temperature before the recovery process by relatively simple head temperature control, and a remarkable difference occurs in the density and color of the recorded image before and after the round process. Can be prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a top view showing an ink jet recording apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram showing a configuration of a control system in the ink jet recording apparatus shown in FIG.
FIG. 3 is a diagram illustrating how the head temperature changes as recording is performed on a recording sheet.
FIG. 4 is a diagram illustrating a relationship between an ink temperature and an ink discharge amount in a recording head according to a conventional example.
FIG. 5 is a diagram illustrating a density change of a recorded image in a case where ink temperature control is not performed after performing an ejection recovery operation during recording according to a conventional example.
FIG. 6 is a flowchart showing head temperature control according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a diagram illustrating an example of the determined ink temperature of each recording head that can be placed in the head temperature control.
FIG. 8 is a diagram schematically showing recording head drive pulses used for the head temperature control.
FIG. 9 is a diagram showing a change in head temperature when the head temperature control shown in FIG. 6 is performed after a suction recovery operation is performed during recording.
FIG. 10 is a diagram illustrating a change in image formation density when head temperature control is performed according to the present exemplary embodiment.
FIG. 11 is a flowchart showing head temperature control according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a diagram showing the temperature of each recording head detected in the head temperature control of the second embodiment.
FIG. 13 is a diagram illustrating a temperature change when the ink temperature of each recording head before the ejection recovery operation is lower than the temperature control threshold value in the head temperature control of the second embodiment.
14 is a diagram showing a change in density according to a temperature change shown in FIG.
FIG. 15 is a diagram schematically showing the contents of a table in which a threshold temperature is set according to an environmental temperature and a paper feed amount, which is used in head temperature control according to the third embodiment of the present invention.
FIG. 16 is a diagram illustrating a change in ink temperature for each transport length per sub-scanning according to the third embodiment.
FIG. 17 is a diagram illustrating a change in ink temperature for each environmental temperature according to the third embodiment.
[Explanation of symbols]
1 Carriage
2 Main unit (including transfer system unit)
5 Recording head
11 Guide shaft
12 Encoder film
13 belt
30A, 30B, 30C, 30D Recovery mechanism
31 Pre-discharge ink receiving box
32 Wiping mechanism
50 Temperature sensor
800 controller
801 CPU
802 ROM
803 RAM
804 interface
805 Host device
806 Head driver
807, 808 Motor driver
809 Main scanning motor
810 Sub-scanning motor
811 Environmental temperature sensor

Claims (18)

インクを吐出する複数の記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記複数の記録ヘッドを用いた記録動作を行なうとともに、該記録動作の途中に当該複数の記録ヘッドの吐出回復動作を行なう記録制御手段と、
前記複数の記録ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、
前記吐出回復動作後に記録ヘッドの温度を当該吐出回復動作の前の温度に制御する手段であって、前記吐出回復動作の前の温度として、複数の記録ヘッドについて前記吐出回復動作の前に前記温度検出手段によって検出される温度のうち、所定の閾値温度より高い記録ヘッドの温度の平均を用いるヘッド温度制御手段と、を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
In an inkjet recording apparatus that uses a plurality of recording heads to eject ink and performs recording by ejecting ink onto a recording medium.
A recording control means for performing a recording operation using the plurality of recording heads, and performing an ejection recovery operation of the plurality of recording heads during the recording operation;
Temperature detecting means for detecting temperatures of the plurality of recording heads;
A means for controlling the temperature of the recording head after the discharge recovery operation to a temperature before the discharge recovery operation, wherein the temperature before the discharge recovery operation is the temperature before the discharge recovery operation for a plurality of recording heads. An ink jet recording apparatus comprising: a head temperature control unit that uses an average of the temperatures of the recording heads higher than a predetermined threshold temperature among the temperatures detected by the detection unit.
前記ヘッド温度制御手段は、前記記録装置で用いられる複数の記録ヘッドの全てが前記閾値温度より低いとき、前記吐出回復動作の前の温度に制御する処理を回避する処理を行なうことを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録装置。The head temperature control means performs a process of avoiding a process of controlling the temperature before the ejection recovery operation when all of the plurality of print heads used in the printing apparatus are lower than the threshold temperature. The ink jet recording apparatus according to claim 1 . 前記ヘッド温度制御手段は、前記記録装置で用いられる複数の記録ヘッドの全てが前記閾値温度より低いとき、前記平均の温度を当該閾値温度より低い所定の温度に設定することによって、前記吐出回復動作の前の温度に制御する処理を回避することを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録装置。The head temperature control means sets the average temperature to a predetermined temperature lower than the threshold temperature when all of the plurality of recording heads used in the recording apparatus are lower than the threshold temperature, thereby performing the ejection recovery operation. The inkjet recording apparatus according to claim 2 , wherein a process of controlling to a temperature before is avoided. 前記所定の閾値温度は、環境温度に応じて異なることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。The predetermined threshold temperature, the ink jet recording apparatus according to any one of claims 1 to 3, wherein vary depending on environmental temperature. 記録ヘッドを主走査方向ヘ走査する走査手段と、記録媒体を副走査方向ヘ搬送する紙送り手段とをさらに具え、前記所定の閾値温度は、前記紙送り手段が1回の紙送り記録媒体を搬送する搬送量に応じて異なることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。The apparatus further comprises scanning means for scanning the recording head in the main scanning direction and paper feeding means for transporting the recording medium in the sub-scanning direction, and the predetermined threshold temperature is determined by the paper feeding means for one paper feeding recording medium. The ink jet recording apparatus according to claim 1 , wherein the ink jet recording apparatus is different depending on a transport amount to be transported. 前記複数の記録ヘッドのそれぞれは、電気熱変換体を備え、該電気熱変換体に電気パルスを供給することによりインクを吐出するものであり、前記ヘッド温度制御手段は、記録ヘッドの温度を前記吐出回復動作の前の温度に制御する処理を、前記電気熱変換体に吐出に至らない電気パルスを供給してインクを加熱することによって行なうことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のインクジェット記録装置。Each of the plurality of recording heads includes an electrothermal converter, and discharges ink by supplying an electric pulse to the electrothermal converter, and the head temperature control means controls the temperature of the recording head. a process of controlling the temperature before the ejection recovery operations, in any one of 5 claims 1, characterized in that carried out by heating the ink by supplying an electrical pulse that does not lead to a discharge on the electrothermal transducer The ink jet recording apparatus described. 前記吐出回復動作は、記録ヘッドから記録に関与しないインクを吐出させるものであることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のインクジェット記録装置。The ejection recovery operation, the ink jet recording apparatus according to any one of claims 1 to, characterized in that for ejecting ink that does not participate in the recording from the recording head 6. 前記吐出回復動作は、記録ヘッドの少なくとも吐出口が配設された面をブレードによってワイピングする動作であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のインクジェット記録装置。The ejection recovery operation, the ink jet recording apparatus according to any one of claims 1, characterized in that an operation for wiping the surface of at least the discharge port is disposed in the recording head by the blade 6. 前記吐出回復動作は、前記複数の記録ヘッド内のインクを流動させて排出させるものであることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のインクジェット記録装置。The ejection recovery operation, the ink jet recording apparatus according to any one of claims 1 to 6, characterized in that to discharge by flowing the ink in said plurality of recording heads. インクを吐出する複数の記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記複数の記録ヘッドを用いた記録動作を行なうとともに、該記録動作の途中に当該複数の記録ヘッドの吐出回復動作を行なう記録制御手段と、前記複数の記録ヘッドの温度を検出する温度検出手段とを用意するステップと、
前記吐出回復動作後に記録ヘッドの温度を当該吐出回復動作の前の温度に制御するステップであって、前記吐出回復動作の前の温度として、複数の記録ヘッドについて前記吐出回復動作の前に前記温度検出手段によって検出される温度のうち、所定の閾値温度より高い記録ヘッドの温度の平均を用いるヘッド温度制御ステップと、
を有したことを特徴とするインクジェット記録方法。
In an inkjet recording method in which recording is performed by discharging ink to a recording medium using a plurality of recording heads that discharge ink.
A recording control unit that performs a recording operation using the plurality of recording heads and performs an ejection recovery operation of the plurality of recording heads during the recording operation; and a temperature detection unit that detects temperatures of the plurality of recording heads; Steps to prepare,
The step of controlling the temperature of the recording head after the ejection recovery operation to a temperature before the ejection recovery operation, wherein the temperature before the ejection recovery operation is the temperature before the ejection recovery operation for a plurality of recording heads. A head temperature control step using an average of the temperatures of the print heads higher than a predetermined threshold temperature among the temperatures detected by the detection means;
An inkjet recording method characterized by comprising:
前記ヘッド温度制御ステップは、前記記録装置で用いられる複数の記録ヘッドの全てが前記閾値温度より低いとき、前記吐出回復動作の前の温度に制御する処理を回避する処理を行なうことを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録方法。In the head temperature control step, when all of the plurality of recording heads used in the recording apparatus are lower than the threshold temperature, a process of avoiding a process of controlling the temperature before the ejection recovery operation is performed. The inkjet recording method according to claim 10 . 前記ヘッド温度制御ステップは、前記記録装置で用いられる複数の記録ヘッドの全てが前記閾値温度より低いとき、前記平均の温度を当該閾値温度より低い所定の温度に設定することによって、前記吐出回復動作の前の温度に制御する処理を回避することを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録方法。In the head temperature control step, when all of the plurality of recording heads used in the recording apparatus are lower than the threshold temperature, the discharge recovery operation is performed by setting the average temperature to a predetermined temperature lower than the threshold temperature. The ink jet recording method according to claim 11 , wherein a process of controlling the temperature before is prevented. 前記所定の閾値温度は、環境温度に応じて異なることを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載のインクジェット記録方法。The ink jet recording method according to claim 10 , wherein the predetermined threshold temperature varies depending on an environmental temperature. 記録ヘッドを主走査方向ヘ走査する走査手段と、記録媒体を副走査方向ヘ搬送する紙送り手段とを用意するステップさらに有し、前記所定の閾値温度は、前記紙送り手段が1回の紙送り記録媒体を搬送する搬送量に応じて異なることを特徴とする請求項10ないし13のいずれかに記載のインクジェット記録方法。A step of preparing a scanning unit that scans the recording head in the main scanning direction and a paper feeding unit that transports the recording medium in the sub-scanning direction; 14. The ink jet recording method according to claim 10, wherein the ink jet recording method is different depending on a transport amount for transporting the feed recording medium. 前記複数の記録ヘッドのそれぞれは、電気熱変換体を備え、該電気熱変換体に電気パルスを供給することによりインクを吐出するものであり、前記ヘッド温度制御ステップは、記録ヘッドの温度を前記吐出回復動作の前の温度に制御する処理を、前記電気熱変換体に吐出に至らない電気パルスを供給してインクを加熱することによって行なうことを特徴とする請求項10ないし14のいずれかに記載のインクジェット記録方法。Each of the plurality of recording heads includes an electrothermal transducer, and discharges ink by supplying an electrical pulse to the electrothermal transducer, and the head temperature control step includes controlling the temperature of the recording head. a process of controlling the temperature before the ejection recovery operations, in any one of claims 10, characterized in that carried out by heating the ink by supplying an electrical pulse that does not lead to a discharge on the electrothermal transducer 14 The inkjet recording method as described. 前記吐出回復動作は、記録ヘッドから記録に関与しないインクを吐出させるものであることを特徴とする請求項10ないし15のいずれかに記載のインクジェット記録方法。 16. The ink jet recording method according to claim 10 , wherein the discharge recovery operation discharges ink that is not involved in recording from a recording head. 前記吐出回復動作は、記録ヘッドの少なくとも吐出口が配設された面をブレードによってワイピングする動作であることを特徴とする請求項10ないし15のいずれかに記載のインクジェット記録方法。 16. The ink jet recording method according to claim 10 , wherein the discharge recovery operation is an operation of wiping at least a surface of the recording head on which the discharge port is provided with a blade. 前記吐出回復動作は、前記複数の記録ヘッド内のインクを流動させて排出させるものであることを特徴とする請求項10ないし15のいずれかに記載のインクジェット記録方法。 16. The ink jet recording method according to claim 10 , wherein the discharge recovery operation is to discharge ink by flowing the ink in the plurality of recording heads.
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