JP3912535B2 - 生物汚泥監視装置 - Google Patents

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    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種工場や研究施設、発電施設、酪農業、遊戯施設等から排出される産業廃水や、ビル、一般家庭、宿泊施設、病院等の医療機関、飲食店、各種学校等の教育施設、および運動施設等から排出される生活排水等を浄化する目的で設置される生物汚泥を使った水質浄化装置の生物汚泥監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種産業廃水あるいは生活排水等を浄化する目的で生物汚泥を用いた水質浄化装置が設置され、広く適用されている。この水質浄化装置を安定に運転するためには、該生物汚泥の状態を把握し、維持管理する必要がある。この種の水質浄化装置の生物汚泥の平均粒子径、汚泥粒子径の均一性や粒子径のばらつきの検出は、専ら人手により該生物汚泥を採取した後、顕微鏡を用いた生物汚泥の観測によって行われている。
【0003】
このような水質浄化装置における生物汚泥の存在濃度を示す指標として、MLSS(固形物乾燥重量濃度)を表示する濁度計が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この濁度計は、検水中に照射した光が検水中に含有されている懸濁物により散乱反射を起こすことを利用した計測器であり、この散乱光の光量を測定し、その光量と予め設定した光量−濃度とを照合することで検水の濁度を計測および表示するものである。
【0004】
また、溶媒中に浮遊する懸濁物質の濃度を光学的に検出する装置として光学式懸濁物質濃度測定装置が知られている(例えば、特許文献2を参照)。この装置は、検水中に照射した光が該検水中に含有される懸濁物質を透過あるいは散乱する光を受光器で捉えて、その受光量と、予め設定した受光量−濃度の関係から水中の懸濁物質の濃度を測定および表示するものである。
【0005】
【特許文献1】
実公平1−43635号公報
【特許文献2】
特開昭54−63891号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで顕微鏡を用いた人手による生物汚泥の観測に代えて、例えば生物汚泥の画像を取り込んで自動解析する方法が考えられる。しかし、自動分析するには該汚泥を画像上に適度な間隔で分布させなくてはならない。また、経時変化を観察するためには、測定環境を同一としなければならず、このためにサンプル濃度を一定に維持しなければならないが、実際の生物汚泥スラリの濃度は常に変化するため、この操作を自動的に行うことが難しく、正しい測定結果を得ることが困難という問題がある。更に生物汚泥の粒子径や形状およびその色調も刻々と変化するので、生物汚泥の解析パターンを絞り込んで自動解析することが難しい。このようなことから画像による生物汚泥の状態観測は、結局のところ測定者の人手による解析によらなければならないという問題があった。このため、例えば生物汚泥の状態を観測する観測者が不在となる夜間あるいは休日に該生物汚泥の状態が異常になったとしても対応することができないという不具合があった。
【0007】
また、該生物汚泥の時間的な変化は僅かであり、熟練した測定者であっても数時間から数日間の変化を目で見て感じ取ることは難しく、ましてや定量的に変化を表すことは、更に困難であった。したがって、画像解析による汚泥変化の観測は事実上不可能ともいえる。
更に上述した濁度計にあっては、検水中に含まれる懸濁物の濃度を計測するものであるが、生物汚泥の平均粒子径、汚濁粒子径の均一性あるいはそのばらつき、生物汚泥スラリの清澄度(生物汚泥を静置して得られる上澄水の清澄度)等、生物汚泥の存在状態の変化に関する情報が得られないだけでなく、このような変化があった場合には、受光量−濃度の関係も変化することになり、したがって、正確な値を表示することができないという問題を抱えている。
【0008】
このため、従来の濁度計測法による指標を用いただけでは、該生物汚泥の状態を把握することができず、該水質浄化装置を安定して運転することが困難であった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は生物汚泥を用いた水質浄化装置における生物汚泥の存在状態およびその変化を、自動的かつ連続的に計測監視することのできる生物汚泥監視装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するため、本発明者は被測定水中の生物汚泥の存在状態を種々変化させたとき、被測定水に挿入したセンサが検出する検出信号の変化に着目した。そこで、被計測水に光を照射したとき、この光が被計測水中の汚泥粒子への衝突により発生する散乱光を、その光量の変化として検出して出力する光学センサを用いて生物汚泥の存在状態を測定した。
【0010】
まず、本発明者は、この光学センサが出力した信号レベルの平均値と生物汚泥濃度との関係を調べた。このとき用いた被測定水は、MLSS濃度[12000mg/L]の生物汚泥スラリを原液として、この原液を市水にて適当な倍率に希釈した溶液を用いた。そしてこの溶液を、容量[1000mL]のガラスビーカに入れて均一に撹拌した後、この溶液中に光学センサを挿入して計測を行った。なお、溶液のMLSS濃度の計量は、JIS−K−0102−14.1に規定される懸濁物質の測定方法により行った。
【0011】
その結果、図1に示すように生物汚泥の濃度(MLSS濃度)が高くなるに
従って、光学センサが出力する信号レベルが比例して増加することがわかった。この現象は、単位体積あたりの生物汚泥の量、すなわち生物汚泥濃度が高くなると光学センサが被計測水に照射した光の進路中にある生物汚泥が増加するため、この生物汚泥に照射された光が散乱して該光学センサの受光部に到達する光量が増加したことによるものと考えられる。学術的にも、この現象はランバート・ベールの法則によって示されている。この事象に着目すると、光学センサが出力する信号レベルの増減を検出することで生物汚泥濃度の増減を判定することができる。つまり光学センサが検出した信号レベルを継続的に監視することにより、水質浄化装置内の生物汚泥の存在量の変化を捉えることができる。したがって予め既知のMLSS濃度の汚泥スラリを使って校正(キャリブレーション)を行うことで、生物汚泥の濃度を監視することが可能となる。これらは、従来からある濁度計やMLSS計の原理と同一である。
【0012】
ところで、生物汚泥の粒径が均一であり、且つ、スラリ中に生物汚泥が均一に存在しているとき、光学センサから出力される検出信号の最大値および最小値との差によって示される振幅値は、略一定の値を示すことが分かった。しかしながら自然界の粒子は、一般的に正規分布(ガウス分布)を示すことが知られている。これ故、水質浄化装置における生物汚泥の粒子径の分布も、理論的な状態であればガウス分布を示していると考えられる。
【0013】
ところが、被計測水が均一に撹拌されている場合、特に長時間の放置、重力場における強制沈降、初速度をあたえる分級等がない場合には、粒子径の分布は、種々の粒子径が均一に混在した均一状態となっている。このような均一状態において、光学センサの検出範囲内に粒径の大きな生物汚泥が存在するときには、その投影面積が大きいため、該生物汚泥により散乱される光が光学センサの検出部に到達する確率が高くなる。すると上述したように光学センサの検出信号の出力レベルが高くなる。一方、該検出範囲内に粒径の小さな生物汚泥が存在するときには、生物汚泥により散乱される光が光学センサの検出部に到達する確率が小さくなる。すると光学センサの検出信号の出力レベルが小さくなる。
【0014】
このような現象に着目して、例えば光学センサの検出信号の出力レベルの最大値および最小値との差によって示される振幅値を検出すれば、汚泥粒子径のばらつきに関する情報を得ることが可能となる。つまり、光学センサが出力する検出信号のレベルの振幅値を監視することで、水質浄化装置内の生物汚泥の粒子径に関する状態変化を検出することが可能となる。
【0015】
そこで本発明者は、このような知見に基づいた生物汚泥の変化状態の検出性を確認するため評価試験を実施した。なお、この評価試験は、上述したMLSS濃度と同じ測定系を用いて行った。
まず、MLSS濃度が[3500mg/L]の生物汚泥スラリを原液として用意した。そして、この原液を均一に撹拌した後、暗所に置きこの原液中に挿入した光学センサから出力される検出信号の波形を観測した。その結果、図2(a)に示すように最大値および最小値がランダムに現れる波形を観測することができた。これは上述したように、水質浄化装置における生物汚泥の粒子径の分布がガウス分布を示していることに他ならない。
【0016】
次に、ホモジナイザを用いて原液中に含まれる粒子を粉砕して均質化処理を行った溶液を作成して、この溶液中に光学センサを挿入したとき、光学センサから出力される検出信号の波形を観測した。この波形は、原液と比較すると図2(b)に示すように光学センサの検出信号の最大値および最小値との差によって示される振幅値が原液のときより小さな値になることが分かった。しかしながら、原液と、この原液をホモジナイズして均質化した溶液のそれぞれについて、センサから出力される信号レベルの平均レベルに差異がほとんど見られなかった。この現象は、ホモジナイズによって大きな粒子がなくなったものの、小さな粒子が増えたためである。
【0017】
次いで、このホモジナイズした溶液を更に[30メッシュ]の篩で濾過した溶液を作成して、この溶液中に光学センサを挿入したとき、光学センサから出力される検出信号の波形を観測した。この溶液の場合、光学センサから出力される検出信号の波形は、原液を測定したときの検出信号の波形[図2(a)]と比較すると図2(c)に示すように信号波形の最大値および最小値との差によって示される振幅値が小さくなるという結果が得られた。また、上述したセンサから出力される信号波形の平均レベルを原液[図2(a)]またはホモジナイズした溶液[図2(b)]と比較すると、センサから出力される信号波形の平均レベルが低くなるという結果も得られた。
【0018】
上述したように生物汚泥が含まれている溶液(原液)をホモジナイズした溶液あるいはホモジナイズして得られた溶液を更に濾過した溶液にあっては、原液をホモジナイズあるいは濾過することによって、原液中に含まれる大きな粒子径の汚泥が取り除かれることになる。このため、汚泥スラリ中に存在している粒子径が概ね揃うことになる。したがって、光学センサが出力する検出信号の最大値および最小値との差によって示される振幅値が小さくなると考えられる。このようなことからセンサから出力される検出信号の最大値および最小値との差によって示される振幅値の変化を監視すれば、生物汚泥の粒子径のばらつきを検出することができる。つまり、センサの検出信号の振幅値の変化を経時的に監視することで、生物汚泥の異常を検出することが可能となる。
【0019】
また、上述したように生物汚泥の粒径が均一であり、且つスラリ中に生物汚泥が均一に存在している場合、生物汚泥の粒子径にばらつきがあったとしても単一容積あたりの粒子間密度は均一である。つまり、光路上に存在する生物汚泥粒子によって形成される相対投影面積は、ほぼ同一となる。したがって、センサから出力される検出信号の平均値に変動はみられない。しかし、生物汚泥に異常が発生すると粒子間密度が不均一になることがある。この場合、センサから出力される信号波形に乱れが生じる。このため、センサから出力される信号レベルの平均値が変動することになる。そこで、センサから出力される信号レベルの平均値の乱れを検出すれば汚泥粒子間密度が不均一であることを検出することができる。つまり、生物汚泥に例えばバルキングなどの異常が起こっていると判断できる。
【0020】
このような知見に基づき本発明者は、生物汚泥の変化状態の検出性を確認するため評価試験を実施した。なお、本評価試験は、上述したMLSS濃度と同じ測定系を用いて行った。ただし前述した評価試験に用いた生物汚泥に糸状性細菌(Sphaerotilus natans)が発生した生物汚泥を混ぜて、バルキング汚泥存在率を[0%]、[30%]、[60%]および[100%]とし、かつMLSS濃度が[3500mg/L]に調整した汚泥スラリとした。
【0021】
この場合、図3に示すように汚泥スラリのバルキング汚泥存在率が高くなるにつれて、センサの検出信号の平均レベルに対する検出信号レベルの乱れが増加している。このような現象に着目すれば、センサから出力される検出信号の平均値の乱れを継時的に監視することで、糸状性細菌が増殖してバルキングに至るまでの生物汚泥の状態、すなわち、バルキングの進行の度合いを検出することができる。
【0022】
また、センサが検出した信号の包絡線(信号振幅の最小尖頭値)を取り出した信号(以下、包絡線の信号と称する)の振幅は、被測定水の清澄度に密接に関係している。具体的には、被測定水が純水の場合、包絡線の信号レベルは最小となり、また、包絡線の信号レベルの最大値および最小値との差によって示される包絡線の信号の振幅値も最小となることを見出した。これは汚泥スラリ中に存在する懸濁物質が少ないほど、包絡線の信号のレベルおよび振幅値が小さくなることによるものと考えられる。この事象に着目すれば、包絡線の信号の平均レベルとその振幅値とを監視することで、生物汚泥スラリの清澄度と生物汚泥スラリの異常発生、例えば汚泥フロックの解体の有無を判断することが可能となる。
【0023】
このような知見に基づき本発明者は、生物汚泥の変化状態の検出性を確認するため評価試験を実施した。なお、本評価試験は、上述したMLSS濃度の評価試験に用いた測定系と同じ系を用いて行った。
前述した生物汚泥を含む原液と、汚泥フロックの解体を模擬するため、この原液に懸濁物質としてカオリン(白陶土)濁度を添加した溶液と、予め超音波を照射して分解した超音波粉砕汚泥を原液に添加した溶液とを用意した。なお、これらの原水および溶液は、いずれも原液の汚泥を基準値として計算されるMLSS濃度が[3500mg/L]になるように調整し、これにそれぞれの濁度を添加して作成したものである。
【0024】
そうして、これらの溶液に上述した光学センサを挿入したとき、センサが出力する検出信号の波形と、その検出波形の包絡線を取り出した包絡線の信号レベルおよび該包絡線の信号の最大値および最小値との差によって示される振幅値を測定した。この結果、図4に示すように、いずれの溶液についても信号レベルに差異は見られなかった。(尚、図4は、見やすいように検出信号と包絡線の信号とをスケールを違えて同一紙面上に示している。)これはMLSS濃度が等しいため自明である。しかしながら、原液の包絡線の信号レベルを基準とすれば、原液に懸濁物質としてカオリン(白陶土)濁度を添加した溶液[図4(b)]、および予め超音波を照射して分解した超音波粉砕汚泥を原液に添加した溶液[図4(c)]の包絡線の信号のレベルが高くなるという傾向が見られた。また、包絡線の信号の最大値および最小値との差によって示される振幅値も、原液の振幅値を基準にすれば、原液に懸濁物質としてカオリン(白陶土)濁度を添加した溶液[図4(b)]、および超音波を照射して分解した超音波粉砕汚泥を原液に添加した溶液[図4(c)]の方が大きくなるという傾向が観測された。
【0025】
カオリン濁度を添加した場合は、濁質が増えるため包絡線の信号は大きくなるものの微小粒子径が揃っているため包絡線の信号の振幅値が一定の変化であるのに対して、原液にカオリン濁度を添加した溶液および予め超音波を照射して分解した超音波で汚泥を粉砕した微粒子を添加した溶液については、その微粒子径が不均一であることから、包絡線の信号レベルがばらつく結果となった。
【0026】
このようなことから、センサが検出した信号の包絡線を取り出した包絡線の信号のレベルおよびその振幅値とを監視することで、汚泥スラリの清浄度を判定することができた。更には、生物汚泥の汚泥フロックの解体発生などを検出することができた。
また、上述した光学系のセンサを用いた場合、生物汚泥の色調によってはセンサから照射した特定波長の光を吸収することがある。例えば、異なる波長の光を生物汚泥に照射したときの光量変化をそれぞれの波長について検出すれば、その吸収波長の違いから生物汚泥の色調変化を監視することが可能となる。
【0027】
そこで本発明者は、生物汚泥を含む溶液に種々の試薬を混入した溶液に異なる波長の光を照射するセンサを挿入したとき、そのセンサが出力する検出信号のレベルを観測して汚泥色調の変化の検出可能性を確認する評価試験を行った。この評価試験は、前述した生物汚泥を含む原液と、この原液に食紅および四酸化三鉄(Fe34)をそれぞれ添加した溶液を用いた。尚、これらの溶液のMLSS濃度は、いずれも原液の濃度が[3500mg/L]となるように予め調整し、この溶液にそれぞれの試薬を添加して作成したものである。
【0028】
そうして、これらの溶液に上述した光学センサを挿入して、該溶液中に照射するセンサの出力光の波長を[630nm]と[450nm]と変化させたとき、センサの検出信号から得られるMLSS濃度を計測した(図5)。なお、本評価試験については、人手によるMLSS濃度解析も併せて行った。
まず、原液汚泥の場合、MLSS濃度が予め[3500mg/L]に調整されているので、センサの波長を変化させた場合および人手による解析のいずれも[3500mg/L]と同じ値を示した[図5(a)]。次に、原液に食紅を添加した溶液については、[450nm]の光を用いたセンサにあっては、センサの検出信号に変化はなかったものの、[630nm]の光を用いたセンサにあっては、センサ出力から表されるMLSS濃度の低下を検出することができた[図5(b)]。これは、[630nm]の光が食紅を添加した溶液において、吸収或いは発光現象が生じたためと考えられる。
【0029】
また、原液に四酸化三鉄(Fe34)を添加した溶液については、[450nm]および[630nm]の光の両方について、MLSS濃度の低下を検出することができた[図5(c)]。これは、センサが溶液中に照射した光を四酸化三鉄(Fe34)が吸収したためと考えれられる。
このような知見に基き、前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係る生物汚泥監視装置は、
均一に撹拌された被計測水の生物汚泥スラリの濃度に応じた検出信号を出力するセンサと、
(a)このセンサが出力した検出信号のレベルを所定の時間間隔で平均した平均データを求める手段、
(b)上記検出信号の最大値と最小値との差によって示される振幅データを求める手段、
(c)上記検出信号の振幅の最小尖頭値(包絡線の信号)を求める手段、
(d)上記最小尖頭値(包絡線の信号)の時間変化に伴うデータの最大値と最小値との差によって示される信号の振幅データを求める手段
の少なくとも一つのデータを求める演算手段と、
この演算手段で求められたデータから上記被計測水の生物汚泥の状態を判定する判定部とを備えることを特徴としている。
【0030】
このため、請求項2に記載するように、前記判定部は、前記センサが出力した検出信号のレベルを所定の時間間隔で平均した平均データが時間的に変動を繰り返したとき、前記生物汚泥スラリ中にバルキングが発生したと判定することができる。
また請求項3に記載するように、本発明に係る生物汚泥監視装置における判定部は、前記センサが出力した検出信号の最大値と最小値の差によって示される振幅データが予め定めた所定の値を超えたとき、または所定の値未満であるとき、前記生物汚泥スラリ中の汚泥粒子径にばらつきがあると判定することができる。
【0031】
あるいは、請求項4に記載するように、前記判定部は、前記センサが出力した検出信号の振幅の最小尖頭値(包絡線の信号)および該最小尖頭値(包絡線の信号)の時間変化に伴うデータの最大値と最小値との差によって示される信号の振幅データとから、前記生物汚泥スラリの清澄度を判定することができる。
ここに上述したセンサは、請求項5に記載するように上記被計測水に光を照射し、この光が該計測水中の汚泥粒子間を透過する透過光および/または上記光の該計測水中の汚泥粒子への衝突により発生する散乱光を検出する光学センサからなるものとして構成される(光学的手法)。
【0032】
また、前記センサは、請求項6に記載するように、上記被計測水に超音波を照射し、この超音波の該計測水中の汚泥粒子への衝突により発生する反射散乱音および反射透過音を検出する超音波センサとして構成してもよい(超音波法)。
あるいは、前記センサは、請求項7に記載するように上記被計測水にマイクロ波を照射し、このマイクロ波の該計測水中の汚泥粒子間を透過する電磁波を検出するマイクロ波センサからなっている(マイクロ波法)。
【0033】
好ましくは、前記センサは、請求項8に記載するように上記被計測水に異なる2種類の波長の光を照射し、それぞれの光が該計測水中の汚泥粒子間を透過する透過光および/または上記光の該計測水中の汚泥粒子への衝突により発生する散乱光を検出することが望ましい(光学的手法)。
尚、被測定水の種類、状態、センサを適用する部位等の諸条件により、上述した種々の方法のうちから好ましい1つの方法を選んで構成すればよい。
【0034】
より好ましくは、上述した手法を種々組み合わせて、それぞれ検出されたデータに基づいて生物汚泥の状態を判定することが望ましい。
したがって、本発明によれば生物汚泥を用いた水質浄化装置における生物汚泥の存在状態を、自動的かつ連続的に計測監視することのできる生物汚泥監視装置を提供することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る生物汚泥監視装置について説明する。この生物汚泥監視装置は、例えば下水の水質浄化装置に用いられる曝気槽中の生物汚泥を監視するのに好適なものである。
図6は、下水処理施設の一例を示す概略構成図である。尚、図6は本発明の形態の一部を示すものであって、図6によって本発明の範囲が制限されるものではない。
【0036】
この下水処理施設で処理される下水は、図示しない下水配管等により、下水処理施設の第1沈澱槽1に流入する。この第1沈澱槽1は、下水処理施設に流入した下水に含まれる固形物や汚泥を沈澱させるものである。そして、第1沈澱槽に流入した下水に含まれている汚泥を沈澱させた上澄水は、微生物を利用して分解する曝気槽2へ送り込まれる。この曝気槽2は、その底部から図示しないエアポンプによりエアブローされて、微生物に酸素、もしくは空気が送り込まれると共に、被処理水(下水)と微生物とが槽内で撹拌されながら被処理水(下水)に含まれる有機物が分解される。そうして、微生物と有機物が分解された処理水は、該処理水に含まれる汚泥を沈澱させる第2沈澱槽3へ送られる。
【0037】
第2沈澱槽3で沈澱した汚泥は、微生物が含まれる活性汚泥スラリである。この活性汚泥スラリは、曝気槽2に返送されて汚泥中に含まれている微生物が再利用される(返送汚泥)。曝気槽2には、後述するように生物汚泥の状態を検出するセンサ10が取り付けられたものとなっている。
一方、第2沈澱槽3で汚泥が取り除かれた処理水は、この処理水中の雑菌類を死滅させる塩素混和槽4に送り込まれる。この塩素混和槽4は、塩素の殺菌作用を利用して処理水中の雑菌を死滅させる役割を担うものである。このような処理水の殺菌方法としては、塩素を利用した塩素消毒がもっとも多く使われているが、他にも臭素、オゾン、紫外線消毒などの各種殺菌処理方法を適用してもよい。
【0038】
また、上述した下水処理施設の第1沈澱槽1および第2沈澱槽3で沈澱した活性汚泥スラリの一部を引き抜いた余剰汚泥は、汚泥処理施設5により処理されるようになっている。この汚泥処理施設5は、例えば、汚泥を濃縮する汚泥濃縮槽(図示せず)を設けたものとなっている。この汚泥濃縮槽は、汚泥の比重が水より少し重いことを利用して濃縮する重力濃縮、または洗濯機の脱水機のように遠心力を利用した遠心濃縮、一対以上の濾過布を挟んで汚泥に圧力をかけて脱水するプレス濃縮、あるいは空気の泡と汚泥を薬品で結合させて汚泥を浮かび上がらせる浮上濃縮等で構成される。
【0039】
このように構成された本発明に係る生物汚泥監視装置が特徴とするところは、生物汚泥の状態を、光学センサ10が検出した検出データにより連続判定する点にある。
具体的に本発明に係る生物汚泥監視装置の活性汚泥の状態判定手段は、図7に示すように、発光部20が出力する変調レーザ光、例えば所定の周波数で振幅変調されたレーザ光Lを被計測水Sに照射したとき、このレーザ光Lが被計測水S中の汚泥粒子間を透過した透過光を受光する受光部31を備えたものとなっている。この発光部20が出力する変調レーザ光は、レーザダイオード駆動回路21によって駆動されるレーザダイオード22を、例えば波長が[630nm]のレーザ光Lを[70〜150kHz](例えば95kHz)で電気的に振幅変調(AM変調)するファンクションジェネレータ等の振幅変調器23により駆動して出力されるものとなっている。尚、生物汚泥の粒子径に対して大きな投影面積の光を被計測水S中に照射すると受光部31において波形変化を検出することが難しくなる(S/N比の劣化)。このため、被計測水S中に照射する光線束の投影面積は、好ましくは[1cm2]程度以下となるよう絞り込むことが望ましい。具体的には、レンズ等を用いてレーザダイオード22が出力した光線束を絞り込むように構成すればよい。
【0040】
一方、受光部31が受光した透過光は、光ファイバ32を介して検出部30の光電変換器33に与えられる。この光電変換器33は受光部31が受光した光の受光量に応じた電気信号を変換する役割を担っている。また検出部30には、光電変換器33が出力した電気信号から変調レーザ光に含有される振幅変調した周波数成分の信号だけを抽出する帯域通過フィルタ(BPF)34と、この帯域通過フィルタ34の出力信号を増幅器35を介して増幅した前記振幅変調周波数成分Fを検波して、その包絡成分Eを求める検波器36とを備えたものとして構成される。尚、上記レーザ光に施す振幅変調は、被計測水Sへレーザ光Lを変調させることで被計測水S中に混入する自然光等の外来光とを区別する役割を担うものである。これらの振幅変調周波数成分Fおよびその包絡成分Eは、信号処理部37に与えられて後述するように生物汚泥の状態が判定される。
【0041】
また、曝気槽2内の処理水は、特に図示しないが該曝気槽2の略底部から空気が送り込まれて(エアブロー)、この空気とともに被処理水と微生物フロックとが撹拌された状態にある。したがって、上述した光学センサを用いて、被計測水Sの濃度を検出する際、発光部20と受光部31との間に空気が入り込むと、汚泥濃度が低くなった如く検出される。このため、検出誤差を生じることとになる。したがって、曝気槽2内の生物汚泥を検出する際、エアブローにより曝気槽2内に送り込まれる空気を一時的に中断する必要がある。
【0042】
或いは、特に図示しないが光学センサ10の周囲を囲繞した筒状の外囲を設けるとともに、その底部を開口させて、センサの検出部位に被測定水だけを取り込み、エアブローした際の空気が入り込まないように構成してもよい。
このように構成された生物汚泥監視装置において、図7に示す透過光を利用した検出方法を適用した場合、信号処理部37が行う生物汚泥の状態判断について図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0043】
まず、発光部20のレーザダイオード22が出力した所定の周波数により振幅変調されたレーザ光Lは、被計測水S中の汚泥粒子間を透過する際、汚泥粒子によって照射・散乱される。そして、汚泥粒子間を透過した透過光(レーザ光L)を受光した検出部30は、透過光の受光量に応じて光電変換器33を介して電気信号に変換した後、帯域通過フィルタ34を介して、復調(AM検波)を行い、発光部20が振幅変調した周波数成分の信号Fの包絡成分(受光信号)Eを求める。
【0044】
この受光信号Eの平均レベルは、前述したように被計測水SのMLSS濃度を示すものである。つまり、この平均レベルが低下することは、被計測水S中の生物汚泥の量、すなわち生物汚泥の濃度が高くなり、被計測水S中に存在する汚泥粒子間を透過する光量(透過光量)が減少したことを示している。したがって、受光信号Eの平均レベルを監視することで、返送汚泥中の生物汚泥の存在量を捉えることができる。
【0045】
このとき信号処理部37は、検出部30が出力する受光信号Eのレベルに乱れがないかどうかを判定する(ステップS1)。信号処理部37は、この受光信号Eのレベルに乱れがあると判定した場合、更にこの受光信号Eの信号振幅の変化を判定する(ステップS2)。ちなみに、ここで言う受光信号Eの信号振幅は、例えば図9に示すような受光信号Eが検出されたとき、この受光信号Eの平均レベル(MLSS濃度)を基準として、所定のレベル以上(B)または所定のレベル以下(C)の受光信号Eを抽出した信号波形の振幅変化(A)を捉えたものである。
【0046】
このとき信号処理部37は、受光信号Eの振幅変化が予め定めた閾値より小さいと判断したとき、溶液中のスラリ濃度が不均一であると判定する(ステップS2)。一方、信号処理部37は、ステップS2で受光信号Eの振幅変化が予め定めた閾値より大きいと判定したとき、更に該信号振幅の最小尖頭値(ミニマムピーク値)に変化がないかどうかを判定する(ステップS3)。このミニマムピーク値の変化が予め定めた閾値より大きいとき、信号処理部37は、該溶液中に糸状性バルキングが発生したと判断する。
【0047】
一方、信号処理部37は、ステップS3でミニマムピーク値の変化が予め定めた閾値より小さいとき、該溶液中に粘質性バルキングが発生したと判断する。
また、信号処理部37は、ステップS1で受光信号Eのレベルに乱れがないと判定したとき、更に該受光信号Eの信号振幅の変化を判定する(ステップS4)。このステップS4で、受光信号Eの振幅変化が予め定めた閾値より小さいと信号処理部37は、この受光信号のミニマムピーク値のレベルを判定する(ステップS5)。信号処理部37は、ステップS5において予め定めた閾値(過去の正常時のミニマムピーク値)より高いミニマムピーク値がある場合、該溶液の汚泥が分散したと判定する。また、ステップ5で予め定めた閾値(過去の正常時のミニマムピーク値)より低いミニマムピーク値のみである場合、信号処理部37は、該溶液の汚泥が解体したと判定する。
【0048】
一方、ステップS4で、受光信号Eの振幅変化が、予め定めた閾値より大きいと判定した信号処理部37は、更に該受光信号Eのミニマムピーク値のレベルを判定する(ステップS6)。信号処理部37は、ステップS6において受光信号Eのミニマムピーク値が予め定めた閾値より高いとき、該溶液の汚泥は正常であると判定する。また、ステップ6で受光信号Eのミニマムピーク値のレベルが予め定めた閾値より低いとき、信号処理部37は、該溶液の汚泥が解体したと判定する。
【0049】
したがって、このように構成された生物汚泥監視制御装置によれば、受光部31が受光した透過光のレベル、すなわち検出部30が出力する受光信号Eのレベル変化を監視することで、生物汚泥の状態を判定することが可能となる。特に生物汚泥を利用した水質浄化装置で問題となるバルキングの発生を検出することが可能となる。これは、糸状性細菌が増えてバルキングが発生すると受光部31が受光した透過光の受光レベルの短時間平均値の変動が大きくなるという知見に基づくものである。
【0050】
例えば、図10に示すように糸状性細菌が少ない場合、検出部30が出力する受光信号Eのレベルは、図11(b)に示すように検出部30が出力する受光信号Eの最大値および最小値との差によって示される信号振幅がある一定の範囲内にあり、且つ、その平均値が一定の値を示す。また、大きな振幅値が検出されているところは、センサ10の検出部位に存在する汚泥粒子の粒子径が小さく受光部31に到達する光量が多いことを示している。一方、小さな振幅値が検出されているところは、センサ10の検出部位に存在する汚泥粒子の粒子径が大きく受光部31に到達する光量が少ないことを示している。
【0051】
次に、図12に示すように糸状性細菌が増加して糸状性細菌が同士が絡み合って大きな粒子群が形成されると、その受光波形の短時間平均値は、図11(a)に示すように大きく変動する。したがって、バルキングの発生を検出することができる。
ちなみに、汚泥粒子の粒子径が小さく、糸状性細菌が存在しない場合(例えば図13)、検出信号の振幅値は小さく、且つ、検出信号の平均値も一定の値を示す[図11(c)]。
【0052】
特に、ステップS2で信号処理部37が、受光信号Eの振幅変化が大きく、バルキングの発生があると判定した後、更に受光信号Eのレベルの乱れの経時変化を捉えることにより、バルキングの進行度合いを判定することも可能である。つまり、ステップS2で受光信号Eの振幅変化が大きいと判定した信号処理部37は、更に、この受光信号Eの経時変化を観測する。そして、この受光信号Eのレベルが、時間の経過と共に大きくなる場合、信号処理部37は、バルキングが進行中であると判定することができる。一方、受光信号Eのレベルが、時間の経過と共に小さくなる場合、信号処理部37は、バルキングが小さくなり回復傾向にあると判定することができる。
【0053】
次に、図14に示すように被計測水Sを透過する光を検出する受光部31aと、被計測水Sに含まれる汚泥粒子により散乱される散乱光を検出する受光部31bとを組み合わせて構成した生物汚泥監視装置について説明する。この生物汚泥監視装置は、特に図示しないが信号処理部37の制御信号によって発光部20が被計測水Sの照射する光の波長を2種類選択できるように構成されている。
【0054】
このように構成された生物汚泥監視装置において、被計測水Sを透過する光を検出する受光部31aの光の波長を変化させたとき、それぞれの光の波長における受光信号Eの平均レベルによって被計測水Sの状態を判定することができる。具体的には、発光部20が被計測水S中に照射する光の波長を[450nm]および[630nm]としたとき、被計測水Sに含まれる汚泥粒子により散乱される散乱光を検出する受光部31bが検出したそれぞれの波長における受光信号の平均値から、図15に示すように生物汚泥の状態を判定することができる。
【0055】
具体的には、発光部20が発光した光の波長が[450nm]のときの受光信号Eの平均値が低く、且つ、発光部20が発光した光の波長が[630nm]のときの受光信号Eの平均値が低いとき、該被計測水の色調は黒みを帯びていると判定できる。また、発光部20が発光した光の波長が[450nm]のときの受光信号Eの平均値が低く、且つ、発光部20が発光した光の波長が[630nm]のときの受光信号Eの平均値が高いとき、該被計測水の色調は赤みを帯びていると判定できる。
【0056】
或いは、発光部20が発光した光の波長が[450nm]のときの受光信号Eの平均値が高く、且つ、発光部20が発光した光の波長が[630nm]のときの受光信号Eの平均値が低いとき、該被計測水の色調は紫色がかっていると判定できる。また、発光部20が発光した光の波長が[450nm]のときの受光信号Eの平均値が高く、且つ、発光部20が発光した光の波長が[630nm]のときの受光信号Eの平均値が高いとき、該被計測水の色調は白みがかっていると判定できる。つまり被計測水Sに含まれる汚泥粒子を透過した透過光を検出する受光部31aが検出したそれぞれの波長における受光信号Eの平均レベルを用いることで汚泥の状態を判定することができる。
【0057】
このように、被計測水Sに含まれる汚泥粒子により散乱される散乱光を検出する受光部31bは、該汚泥粒子の色調を検出する一方、被計測水Sを透過する透過光を検出する受光部31aは、該汚泥粒子の密度を検出する。したがって、散乱光を検出する受光部31bの出力信号(受光信号)と、透過光を検出する受光部31aの出力信号(受光信号)とを組み合わせて構成した生物汚泥監視装置によれば、発光部20が発光した光の波長を変えたとき、その波長毎の受光部(31a,31b)の受光信号Eの平均レベルを用いることによって、被計測水Sに含まれる生物汚泥の色調および密度を同時に判定することができる。
【0058】
例えば、被計測水Sを透過する光を検出する受光部31aにおいて、発光部20が発光した光の波長が[450nm]のときの受光信号Eの平均値が低く、また発光部20が発光した光の波長が[630nm]のときの受光信号Eの平均値が低い一方、被計測水Sに含まれる汚泥粒子により散乱される散乱光を検出する受光部31bにおいて、発光部20が発光した光の波長が[450nm]のときの受光信号Eの平均値が高く、また発光部20が発光した光の波長が[630nm]のときの受光信号Eの平均値が高いとき、被計測水Sに含まれる生物汚泥の状態は、色調が白く、且つ密度が低いと判定することができる。尚、上述した受光部(31a,31b)が検出した受光信号Eの平均値は、該被計測水SのMLSS濃度を示すことは言うまでもない。
【0059】
かくして、上述したように構成された生物汚泥監視装置によれば、光学センサのレーザダイオード22の波長を変化させて被計測水S中の生物汚泥に照射したときの散乱光および反射光を検出して、それぞれの波長の検出信号の平均レベルを組み合わせて判断しているので汚泥の色調変化および密度の変化を同時に捉えることが可能となる。
【0060】
尚、本発明はその要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することができる。例えば、上述した実施形態は、曝気槽2内に生物汚泥を検出する受光部31を設けたものであるが、曝気槽2に特に図示しないサンプリングチューブを設けて、曝気槽2内の汚泥スラリを計測槽に移送した後、その計測槽内の汚泥スラリに対して上述した手法を用いて生物汚泥の状態を検出するように構成してもよい。このサンプリングチューブを介して曝気槽2から計測槽への汚泥スラリの移送は、例えばポンプによる方法や圧縮空気等の方法によればよい。この場合、サンプリングチューブを介して曝気槽2内の汚泥スラリを計測槽に移送しているので、上述した実施形態で必要であった計測時の曝気槽2へのエアブローの停止が不要となり生物汚泥の状態を連続的に検出する上でより好ましい。
【0061】
或いは、曝気槽2内の汚泥スラリをバケット(図示せず)により汲み上げた後、上述した手法を用いて生物汚泥の状態を検出するように構成してもよい。この場合、曝気槽から汚泥スラリを汲み上げる方法は、特に図示しないが機械的な方法であっても、人手により汲み上げる方法のいずれの方法であってもかまわない。
【0062】
このようにして曝気槽2から汚泥スラリを汲み上げているので、生物汚泥を含む曝気槽2へのエアブローを停止することなく生物汚泥の状態を検出することが可能となる。
また、上述した実施形態においては、被計測水Sを透過する光を検出する透過光型プローブを用いた方法であるが、例えば図16に示すように被計測水Sに光を照射したとき、この被計測水S中の汚泥粒子により得られる散乱光を検出する受光部を備えた受光部31を用いて構成してもかまわない。この散乱光を検出する方法であっても生物汚泥の存在状態を、自動的かつ連続的に計測監視することが可能となる。
【0063】
尚、この図16にあっては、発光部、検出部および信号処理部は、上述した透過光型プローブを利用した生物汚泥監視装置と同様であるのでその記載を一部省略してある。
或いは、図17に示すように上述した被計測水Sを透過する光を検出する受光部31aと、被計測水Sに含まれる汚泥粒子により散乱される散乱光を検出する受光部31bとを組み合わせた生物汚泥監視装置としてもよい。この場合は、それぞれの受光部(31a,31b)が検出した検出信号は、合成回路38にて合成された後、帯域通過フィルタ(BPF)34を介して信号処理部37へ与えられる。この合成器は、それぞれのプローブが検出した検出信号のレベルの比率演算を行うことで、被計測水Sに含まれる生物汚泥の濃度を検出すること、およびプローブに付着した汚泥による検出誤差を補正する等行うことができる。
【0064】
或いは、上述した光学的手法により生物汚泥を検出する方法以外に、超音波を用いた手法(超音波法)であってもよい。この超音波法に用いられる超音波センサは、例えば図18に示すように超音波を被計測水S中に照射する送信子41および送信子41を駆動する送信部42と、送信子41と音響的に対峙する位置に設けた受信子43および受信子43が受信した超音波信号を処理する受信部44とから構成される。
【0065】
この超音波法は、送信子41から放射した超音波が被計測水Sに含まれる汚泥によって散乱され、受信子43が受信する超音波の信号レベルが汚泥濃度に応じて減衰することを利用したものである。したがって、超音波法を用いた場合であっても上述した光学的手法と同様に生物汚泥の状態を検出することが可能となる。
【0066】
或いは、上述した方法以外にマイクロ波を用いて生物汚泥の状態を検出してもよい。例えば、マイクロ波を利用したマイクロ波センサは、図19に示すようにマイクロ波を被計測水S中に照射するマイクロ波送信子51およびこのマイクロ波送信子51を駆動するマイクロ波送信部52と、このマイクロ波送信子51が送出したマイクロ波が被計測水Sに含まれる汚泥によって散乱された散乱波を受信するマイクロ波受信子53およびこのマイクロ波受信子53が受信したマイクロ波を処理するマイクロ波受信部54とを備えたものとして構成される。
【0067】
このマイクロ波法は、マイクロ波送信子51から放射したマイクロ波が被計測水Sに含まれる汚泥により散乱され、マイクロ波受信子53が受信するマイクロ波の信号レベルが汚泥濃度に応じて増減することを利用したものである。したがって、マイクロ波法を用いた場合であっても上述した光学的手法と同様に生物汚泥の状態を検出することが可能となる。
【0068】
尚、上述した反射光法、超音波法或いはマイクロ波法にあっては、物汚泥の粒子径に対して大きな投影面積の光、超音波或いはマイクロ波を被計測水S中に照射すると受光部あるいは受信子において波形変化を検出することが難しくなる(S/N比の劣化)。このため、被計測水S中に照射する光線束、超音波或いはマイクロ波の投影面積は、レンズ等により好ましくは[1cm2]以下程度に絞り込むように構成することが望ましい。
【0069】
このように本発明に係る生物汚泥監視装置は、均一に撹拌された被計測水の生物汚泥スラリの濃度を検出するセンサが出力した検出信号のレベルを所定の時間間隔で平均した平均データを監視しているのでバルキングした汚泥の存在を検出することができる。また、この平均データの経時変化を監視することでバルキングの進行度を検出することができる。
【0070】
また、上記検出信号の最大値と最小値との差によって示される振幅データを監視しているので、生物汚泥の粒子のばらつきを検出することができる。そしてこの振幅データの経時変化を監視することで、生物汚泥の異常を即座に検出することができる。
また、上記検出信号の振幅の最小尖頭値(包絡線の信号)と、該包絡線の信号の最大値と最小値との差によって示される包絡線の信号の振幅データとを監視しているので、汚泥スラリの清澄度合いを把握することができる。したがって、汚泥フロックの解体などを検出することができる。
【0071】
更に前記センサは、被計測水に異なる2種類の波長の光を照射したとき、それぞれの光が被計測水中の汚泥粒子間を透過する透過光および/または上記光の該計測水中の汚泥粒子への衝突により発生する散乱光を検出しているので、被計測水中に存在する汚泥の色調変化を検出することが可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る生物汚泥監視装置によれば、生物汚泥を用いた水質浄化装置の生物汚泥の状態を連続的に監視し、その状態変化を判定することが可能である。さらに、この状態変化の情報を用いて、生物汚泥の異常をいち早く検出し、水質浄化装置の運転条件を調整/制御することも可能となる。このため、水質浄化装置の安定した運転管理が実現できる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生物汚泥濃度とセンサが出力した信号波形の平均レベルとの関係を示すグラフ。
【図2】汚泥粒子径の違いとセンサが出力した信号波形の振幅との関係を示すグラフ。
【図3】糸状性細菌汚泥の存在率とセンサが出力した信号レベルとの乱れの関係を示すグラフ。
【図4】上澄み液濁度とセンサが出力した信号の包絡線を取り出した包絡線の信号レベルを示すグラフ。
【図5】生物汚泥色調の違いとセンサが出力した信号波形の振幅との関係を示すグラフ。
【図6】下水処理施設の一例を示す概略構成図。
【図7】本発明の一実施形態に係る生物汚泥監視装置の概略構成を示す図。
【図8】本発明の一実施形態に係る生物汚泥監視装置のバルキングを検出するアルゴリズムを示すフローチャート。
【図9】本発明の一実施形態に係る生物汚泥監視装置のセンサが検出した検出信号振幅の最小尖頭値の波形を示すグラフであって、特に糸状性細菌にバルキングが発生したときの波形を示すグラフ。
【図10】糸状性細菌が少ないときの生物汚泥を捉えた顕微鏡写真。
【図11】本発明の一実施形態に係る生物汚泥監視装置のセンサが検出した検出信号および検出信号の平均値との関係を示すグラフ。
【図12】糸状性細菌が多いときの生物汚泥を捉えた顕微鏡写真。
【図13】糸状性細菌がなく、かつ汚泥粒子径が小さいときの生物汚泥を捉えた顕微鏡写真。
【図14】透過光および散乱光を用いて生物汚泥の状態を検出する本発明の別の実施形態に係る生物汚泥装置の要部概略構成を示す図。
【図15】透過光および散乱光を用いて生物汚泥の状態を検出したときの汚泥状態の関係を示す図。
【図16】散乱光を用いて生物汚泥の状態を検出する本発明の別の実施形態に係る生物汚泥装置の要部概略構成を示す図。
【図17】透過光および散乱光を用いて生物汚泥の状態を検出する本発明の別の実施形態に係る生物汚泥装置の要部概略構成を示す図。
【図18】超音波を用いて生物汚泥の状態を検出する本発明の別の実施形態に係る生物汚泥装置の要部概略構成を示す図。
【図19】マイクロ波を用いて生物汚泥の状態を検出する本発明の別の実施形態に係る生物汚泥装置の要部概略構成を示す図。
【符号の説明】
10 センサ
20 発光部
21 レーザダイオード駆動回路
22 レーザダイオード
23 振幅変調器
30 検出部
31 受光部
32 光ファイバ
33 光電変換器
34 帯域通過フィルタ
35 増幅器
36 検波器
37 信号処理部
E 包絡成分
F 振幅変調周波数成分
L レーザ光
S 被計測水

Claims (8)

  1. 均一に撹拌された被計測水の生物汚泥スラリの濃度に応じた検出信号を出力するセンサと、
    (a)このセンサが出力した検出信号のレベルを所定の時間間隔で平均した平均データを求める手段、
    (b)上記検出信号の最大値と最小値との差によって示される振幅データを求める手段、
    (c)上記検出信号の振幅の最小尖頭値を求める手段、
    (d)上記最小尖頭値の時間変化に伴うデータの最大値と最小値との差によって示される信号の振幅データを求める手段、
    の少なくとも一つのデータを求める演算手段と、
    この演算手段で求められたデータから上記被計測水の生物汚泥の状態を判定する判定部と
    を備えることを特徴とする生物汚泥監視装置。
  2. 前記判定部は、前記センサが出力した検出信号のレベルを所定の時間間隔で平均した平均データが時間的に変動を繰り返したとき、前記生物汚泥スラリ中にバルキングが発生したと判定するものである請求項1に記載の生物汚泥監視装置。
  3. 前記判定部は、前記センサが出力した検出信号の最大値と最小値との差によって示される振幅データが予め定めた所定の値を超えたとき、または所定の値未満であるとき、前記生物汚泥スラリ中の汚泥粒子径のばらつきが増大している、もしくは減少していると判定するものである請求項1に記載の生物汚泥監視装置。
  4. 前記判定部は、前記センサが出力した検出信号の振幅の最小尖頭値および該最小尖頭値の時間変化に伴うデータの最大値と最小値との差によって示される信号の振幅データとから、前記生物汚泥スラリの清澄度を判定するものである請求項1に記載の生物汚泥監視装置。
  5. 前記センサは、上記被計測水に光を照射し、この光が該計測水中の汚泥粒子間を透過する透過光および/または上記光の該計測水中の汚泥粒子への衝突により発生する散乱光を検出する光学センサからなるものである請求項1〜4のいずれかに記載の生物汚泥監視装置。
  6. 前記センサは、上記被計測水に超音波を照射し、この超音波の該計測水中の汚泥粒子への衝突により発生する反射散乱音および/または透過音を検出する超音波センサからなるものである請求項1〜4のいずれかに記載の生物汚泥監視装置。
  7. 前記センサは、上記被計測水にマイクロ波を照射し、このマイクロ波の該計測水中の汚泥粒子間を透過する電磁波を検出するマイクロ波センサからなるものである請求項1〜4のいずれかに記載の生物汚泥監視装置。
  8. 前記センサは、上記被計測水に異なる2種類の波長の光を照射し、それぞれの光が該計測水中の汚泥粒子間を透過する透過光および/または上記光の該計測水中の汚泥粒子への衝突により発生する散乱光を検出するものである請求項5に記載の生物汚泥監視装置。
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