JP3912454B2 - 駐車支援装置及び駐車支援システム - Google Patents
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Description
本発明は、乗員の駐車運転動作を支援する駐車支援装置及び駐車支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
駐車場に車を進入させて駐車させる運転動作は、通常、後退運転を伴うために、初心者のみならず経験豊かなドライバでも技量を必要とする。
従来から、画像処理を用いた機械認識による駐車支援システムが提案されている。駐車支援システムとは、ハンドル操作は乗員に委ねられ、システムは乗員に、駐車場に確実に進入させるためのハンドル操作情報、駐車場までの距離情報、障害物情報等を適宜与えることにより、乗員の運転操作を支援するものである。
【0003】
駐車支援システムにおける大きな課題は、システムにいかにして駐車場位置を入力するかである。システムが自車位置にたいする駐車場位置を正確に把握できれば、走行計画を乗員に提示し、運転を教示することは容易だからである。
例えば、特開平6−187597号は、CCDエリアセンサと画像処理装置とを具備し、画像処理によりセンサ座標系において駐車場位置を認識するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この特開平6−187597号の支援装置は、画像処理により駐車場位置を認識するために、その認識のための処理が膨大であり、従って、高速CPUと大容量のメモリを必要とし、低コスト化が困難である。
また、駐車スペースが複数あるような場合には、システムがシミュレーションを行って最適なスペースを選択するようになっているものの、選択結果は乗員の意図と異なる場合が多かった。
【0005】
本発明は、簡単かつ低コストに、乗員の操作を介在させて駐車場の位置に関するデータを入力する駐車支援装置及び駐車支援システムを提案する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、本発明に係る装置は、乗員の駐車動作を支援する駐車支援装置において、方位方向及び仰角方向に姿勢を変更可能なルームミラーと、前記ルームミラーの所定位置に駐車場近傍の2点が映った際のそれぞれの前記ルームミラーの姿勢を検知する検知手段と、検出した前記ルームミラーの姿勢に基づいて、駐車場の位置を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
前記演算手段は、駐車場の配置を、前記2つの指示点を結ぶ直線に直交する方向として定義することを特徴とする。また、ルームミラーの鏡面の所定の位置に、乗員に視認可能な第1のマーカを設け、リアウインドの所定の位置に、乗員に視認可能な第2のマーカを設け、前記演算手段は、乗員の視点から見て前記第1のマーカと前記第2のマーカとが前記ルームミラー上において重ね合った時点での前記ルームミラーの姿勢を入力し、入力した姿勢に基づいて、乗員の車両内位置を計測し、計測した乗員の車両内位置を基準として、駐車場の位置を演算することを特徴とする。
【0008】
本発明に係るシステムは、乗員の駐車動作を支援する駐車支援システムであって、
方位方向及び仰角方向に姿勢を変更可能であるルームミラーと、
所定の外部環境に照準を合わせることにより、前記ルームミラーの姿勢を検出する手段と、
前記ルームミラーを介して駐車場の所定の2つの位置に照準を合わせたことを報知する手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態である駐車支援システムを説明する。
〈実施形態〉…ハード構成
第1図は、本実施形態にかかるシステムが乗員に提示する駐車動作支援ための教示情報の出力例を示す。第1図の例では、液晶もしくはCRT等の表示装置の表示画面上における支援情報の出力例を示す。
【0020】
図中、1は駐車場の形状を示す表示図形、2は乗員に対するハンドル操作の指示を意味する指示図形、100は自車を表す表示図形であ。また、この表示画面の一部に、駐車場の周辺状況を自車位置も交えて表示する表示領域300と、ハンドルをどちらの方向に回転させるべきかの指示を表示する領域400とを含む。
【0021】
乗員は、ハンドル舵角指示図形2と走行軌跡3を示され、更に、表示領域400からもハンドルの操作方向を指示されるので、簡単に駐車場への進入及び駐車支援の完了を行うことができる。
ここで、自車の表示図形100の表示位置については、予め固定的に決めておき、システムが支援制御を開始した時点でその位置に図形100を表示すればよい。自車位置はシステムが有する座標系を基準にするからである。一方、駐車場位置は乗員が与えなくてはならない。駐車場の位置が支援システムに一旦与えられれば、システムは自車位置に対する駐車場位置の相対位置が知れるので、第1図のように、駐車場表示図形1を描画できる。
【0022】
第1図の教示情報の出力例では、ハンドル図形2は、ハンドルの操舵角を90度単位で変更すべきように乗員に対して教示する。
第2図は、実施形態の支援システムの構成を概略的に示すブロック図である。このシステムは、内部にマイクロコンピュータやROMならびにRAMを含むコントローラ101と、ルームミラーの角度検出機構102と、車輪速センサ103と、駐車環境までの距離を計測する(例えば超音波センサなどからなる)距離センサと、ルームミラーに設けられ乗員が操作して照準動作を開始することを指示する(照準)スイッチ105と、同じくルームミラーに設けられ乗員が操作して駐車場位置の入力を指示するための(駐車場位置指定)スイッチ106と、ハンドル舵角を検出する舵角センサ107と、運転操作教示用のデイスプレイ200(或いはデイスプレイプレイシステム180;第20図を参照)とを有する。
【0023】
車輪速センサ103及び距離センサ104は、走行軌跡を演算し、或いは障害物を検出するためのもので、本実施形態の支援システムの中核は、コントローラ101、角度検出機構102、照準スイッチ105と、位置指定スイッチ106である。
第3図は第2図の構成を更に詳細に示したもので、さらに、ギア位置検出センサ(後退検知信号Rを出力)と、車両の後方環境画像を撮影するカメラと、さらに、リアガラス教示システム180を有する。第8図および第9図の制御手順は上記Rレンジ信号が検知されると起動される。
【0024】
第20図の駐車支援システムは、教示をCRT表示器200の他に、リアガラス180上に行う点に特徴がある。
第4図は、第2図に示した実施形態の支援システムにおいて、乗員による駐車場位置入力動作に対する支援、そして乗員によるハンドル操作に対する教示支援動作の概略を示す。
【0025】
第4図に於いて、A1およびA2は共に車内のルームミラー110に映じている像を示す。第4図の例では、駐車境界を示す白線と多車が一台映じている。また、この例では、乗員は中央の空いているスペースに駐車しようとしている。このスペースをシステムに入力するために、乗員は、A1,A2において夫々TL及びTRと示されているところの当該空きスペースのコーナ位置を、「駐車位置指示スイッチ」106及びルームミラー110を操作して入力する。このとき、上記コーナ位置は、ルームミラー110の上下方向角度及び左右角度を基にして演算される。
【0026】
ルームミラー110及び角度検出機構102の構成を第5図を用いて説明する。即ち、このルームミラー110は、上下方向及び左右方向に移動可能で、左右方向の角度位置はセンサ112により、上下方向の角度位置はセンサ113により検出される。センサ112及びセンサ113が第2図のセンサ機構102を構成する。
【0027】
一方、第6図に示すように、ルームミラー110の鏡面の固定位置(既知)には十字形状のマーカ114が設けられている。本実施形態の特徴である、駐車場位置の入力は、乗員がこのマーカ114を目標の駐車スペースの角位置(第6図及び第4図のTL,TR)に夫々合わせ、合わせた都度、ルームミラーに設けられた駐車場位置指定スイッチ106を押すことにより、コントローラ101が押されたときのルームミラー110の角度位置(センサ112,113より検出)から、当該目標スペースの角位置(TL,TR)の座標を特定するものである。
【0028】
尚、ルームミラー110の角度が、自車の外部世界の位置座標を検出するために所定のキャリブレーションが必要である。第7図に示す照準スイッチ105はこのキャリブレーションに用いるものである。
このキャリブレーション及び駐車場位置の検出の原理は後に詳しく説明する。第4図に戻って、一旦、駐車場位置が入力されると、本支援システムは、第4図のEに示すような走行軌跡をCRT表示器200に表示する。また、同図のCに示すように、リアウインドには、LとCとRの文字(120L,120C,120R)と、三角形のマーカ120Hとが設けられている。一方、三角形マーカ120Hはコントローラ101がリアウインドウ上に表示(映示)するもので、現時点の操舵位置を示す。即ち、マーカ120Cは、コントローラが計算した理想的な軌跡に沿ったハンドル舵角位置を、120Rは理想舵角から右側にずれていることを、マーカ120Lは同じく左にずれていることを示すものとする。すると、乗員は、ハンドルマーカ120Hが文字マーカ120Cになるべく近くなうようにハンドル操作をすると、車体は理想的軌跡に沿って駐車を完了することとなる。
【0029】
〈制御手順〉
第8図は、第2図のシステムのコントローラ101の制御手順を示す。
この制御手順は、不図示のROMまたはRAMに記憶されているプログラムを表す。
ステップS100では、第4図に関連して簡単に説明したように、駐車場の入り口の2点の角位置TL,TRを入力する。ステップS200では、駐車スペースに障害物があるか否かを判断する。この判断は距離センサ104を用いて行う。尚、距離センサ104はオプションであり、センサ104が装着されていないときはステップS200及びステップS300はスキップされる。センサ104が装着され、そのセンサからの信号が障害物の存在を示すときは、システムは乗員にその旨音声などにより報知し、乗員はステップS300で改めて別の駐車場位置TL,TRを入力する。
【0030】
ステップS400ではコントローラ101が理想駐車軌跡を演算する。
ステップS500では演算して求めた理想駐車軌跡に沿った操舵の教示を行う。この教示は例えば第4図のCのような表示によって行う。
ステップS600では、現時点での自車位置(Xn,Yn)を計算する。この自車位置は第16図に関連して詳細に説明される。
【0031】
ステップS700では、ステップS600で演算した自車位置(Xn,Yn)と、駐車場位置TL,TRとに基づいて駐車運転動作が終了したかを判断する。
終了していなければ、ステップS200に戻って、ステップS200〜ステップS600の処理を繰り返す。
即ち、障害物が検出されない限り、ステップS400で理想駐車軌跡を演算し、ステップS500では、その軌跡に従った教示舵角と実ハンドル舵角との変位を、マーカ120Cに対するハンドルマーカ120Hとの変位量に変換して、その変位量に基づいた位置にハンドルマーカ120Hを表示する。
【0032】
ステップS400〜ステップS500の過程で、乗員はハンドルを操作しながら、自車を後退させ或いは同時に転回させるであろう。後退及びまたは転回の結果変化した自車位置はステップS600で検出され、その位置は再び、駐車動作が終了したか否かの判断のためにステップS700で用いられる。
第9図は第8図の制御手順を機能面で説明したものである。
【0033】
〈駐車場位置の指定〉
駐車場位置の指定は前述したように、ルームミラー110を用いて行う。
第9図のステップS100は駐車場位置の指定動作を詳細に説明する。ステップS112で乗車位置の把握を行う。これは、本実施形態では、ルームミラー110に映じる映像により駐車場位置の指定を行うために、ルームミラー110の姿勢に対する乗員の位置の較正精度が駐車場位置の精度に影響を与えるためである。ルームミラー110の姿勢位置は既知であり、その出力信号の精度は保証されるが、乗員の視点位置は可変であり較正が必要である。そこで、この較正は、第7図に示すように、リアウインドに設けられた所定(固定且つ既知の位置)のマーカ115とルームミラー110に設けられた指示マーカ114とを一致させることにより行われる。尚、マーカC115はリアウインドウ上の位置であって、地上高がルームミラー110の地上高Hと同じ高さに設定されている。
【0034】
較正動作について説明する。
第10図,第11図において、Cはリアウインドに固定されて設けられたマーカ115であり、一方、ルームミラー110にはマーカ114が固定されている。また、乗員の視点(眼)はD点に位置しているとする。
較正動作は、乗員が自らの視点は動かさず、且つ、ルームミラー110を介して駐車場の入り口全体を視野に入れることができるように移動する。次ぎに、この位置Dにおいて、ルームミラー110を動かして、マーカ114とマーカ115の像とが一致して乗員に見えるようにする。ここで乗員は較正のための動作が終了したことをシステムコントローラ101に知らせるために、照準スイッチ105(第7図,第2図)を押す。
【0035】
マーカ114とマーカ115の像とが一致して乗員に見えるためには、乗員Dとマーカ114とマーカ115の像Cとが一直線上になければならない。ここで、上下方向角度のズレを捨象して考えると、第10図,第11図において、一致がとれたときのミラー110の、車輌の車幅方向のx軸からの左右方向(水平面周りの)振れ角度θD(上下方向角度φD)は、ルームミラー110の乗員位置Dについての初期姿勢位置となる。乗員がスイッチ105(第7図)を押すと、コントローラ101はこの左右方向振れ角度θDと上下方向角度φDとを演算して記憶する。
【0036】
ステップS114(第9図)における駐車位置の指示は以下のようにしてなされる。
第6図に示すように、先ず、乗員位置Dにおいて、乗員はルームミラー110上のマーカ114を駐車場の左入り口角TLに一致するようにルームミラー110を移動させる。一致がとれたならば、駐車位置指定スイッチ106を押す。このスイッチが押されると、即ち、コントローラ101が、変速機がRレンジに設定された後の最初のスイッチ106のONを確認すると、コントローラ101は、そのときのルームミラー110の姿勢(センサ112,センサ113の出力)を取り込み、TRの自動車の座標系における座標を演算する。次ぎに、乗員はマーカ114を移動させてTRに一致させてから、同じようにスイッチ106を押す。この2回目のスイッチ106のONを受けて、コントローラ101はセンサ112,センサ113の出力を取り込み、TLの自動車の座標系における座標を演算する。換言すれば、第10図,第11図のキャリブレーションを行った後に、駐車場の夫々の点TL,TRにマーカ114を一致させるようにルームミラー110を動かして夫々得た角度センサ112,113(第5図)の2組の信号出力(θL,φL)(θR,φR)は、以下に説明するように、駐車場の夫々の入り口の角の点TL,TRの三次元位置を与える。
【0037】
第12図,第13図,第10図,第11図は駐車場の夫々の点TL,TRの位置を求める原理を説明する。
第10図,第11図は乗員の三次元位置(xD,yD,zD)を求める原理を説明する。第10図,第11図において、Dはドライバ位置を、Mはルームミラー110の位置を、Cはリアウインド上のマーカ115の位置を示す。即ち、乗員の車両の車幅方向の位置xDは既知である。着座シートはy方向に移動はしてもx方向には移動しないからである。従って、第10図から、乗員の前後方向位置yDを、
【0038】
【数1】
得ることができ、また第11図から、乗員のZ方向位置zDを、
【0039】
【数2】
を得ることができる。
第12図及び第13図において、Tは点TL,TRのいずれかを示すものとする。このとき、センサ112の出力がΔθを示し、センサ113の出力がΔφを示したとする。すると、駐車場位置Tの座標値は、自動車に固定された極座標系では、T(Lt,2Δθ)で表され、
【0040】
【数3】
となる。一方、直交座標系でのTの座標を(XT,YT)とすると、
【0041】
【数4】
となる。尚、スイッチ106を押したときのセンサ112,113の読取値を夫々、θ,φとすると、
【0042】
【数5】
Δθ=θ−θD
Δφ=φ−φD
である。
〈理想軌跡の算出〉
以上のようにして、自動車の座標系により駐車場の位置、即ちTL,TR の夫々の座標値(XTL,YTL)と(XTR,YTR)が得られたならば、第14図に従って理想軌跡の算出を行う。この理想軌跡の算出は、第14図において旋回半径(円Cの半径r)と、教示操舵角δを求めることに帰着する。
【0043】
まず、2点TL,TRを通る直線t(第14図)を決定する。この直線を自動車座標系x,yで表すと、
【0044】
【数6】
次に、TL,TR の中点TC(XTC,YTC)を通り上記直線tに垂直な法線tを求める。
【0045】
【数7】
ここで、
【0046】
【数8】
次に、法線tとy軸との交点Pの座標(XP,YP)を求める。
【0047】
【数9】
次に、Q,Rを、2つの直線OPとPTとが、それらに接する円Cとの接点として、∠OPT(=∠QPR)を求める。
【0048】
【数10】
尚、∠OPTが鋭角であるのか鈍角であるのか自明である場合には、
∠OPT=π−Arctanm …鋭角または直角
∠OPT=π+Arctanm …鈍角または直角
により、より簡単に求めることができる。
次に、点Qの座標(XQ,YQ)を求める。即ち、
【0049】
【数11】
次に、線分PRの長さと∠OPTとから、円Cの接点Rの座標(XR,YR)を算出する。
【0050】
【数12】
かくして円Cが決定された。この円Cから次の2通りの手法により旋回半径rを決定することができる。
(1)最小旋回半径を旋回半径rとする。この手法は操作指示が簡単となるという長所がある。
(2)|OC1|(C1は直線xと直線lとの交点)と、|OC2|(C2は直線tと直線lとの交点)のいずれか短い方の長さを最小回転半径とする。この手法によれば、切り返し操作が最小で、しかも、前後輪の位相差が最小のために、車両側面の接触事故の発生確率を最小にできる。
次ぎに、操舵角δ(=教示角)を算出する。ここで、この車両のホイールベースをL、舵角比をNとすると、教示操舵角δtは、
【0051】
【数13】
により決定する。
以上のようにして決定した舵角δtを決定すると、実施形態の理想軌跡は第15図のようになる。即ち、
区間 (a): 舵角0で点Oを起点にして出発し、舵角0のまま点Qまで移動する。この区間では、ハンドルの操作角がそのままマーカ120Hの位置に対応する。
区間 (b): 点Qに到達すると、上述の(1)または(2)のいずれかで決定した舵角δを維持して点Qから点Rまで移動する。この区間では、乗員による操作角δの、教示操作角δtに対する偏差(=δ−δt)がマーカ120Hの位置に対応する。
区間 (c): 点Rからの区間cでは、舵角を0にして駐車スペースに進入する。
【0052】
点Qまたは点Rに到達したか否かは、ステップS600で計算した自車位置(Xn,Yn)と、(XP,YP)または(XQ,YQ)と比較することにより行う。この区間では、ハンドルの操作角がそのままマーカ120Hの位置に対応する。
〈自車位置の検出〉
第16図により、車輪速センサ103の出力から自車位置(Xn,Yn)を求める手法を説明する。
【0053】
左右の車輪速センサ103Rと103Lからの出力をlR,lLとする。また、車両の重心位置の極座標を(R,θ)とすると、
【0054】
【数14】
左旋回、或いは右旋回であれば、それぞれ、
【0055】
【数15】
であるから、左旋回時の重心の移動軌跡は、
【0056】
【数16】
右旋回時の重心の移動軌跡は、
【0057】
【数17】
で表される。すると、微小移動(Δxn,Δyn)による軌跡について、
【0058】
【数18】
回転初期の移動による移動後の座標について、
【0059】
【数19】
が成り立つから、回転前の位置(xnー1,yn-1)から微小移動(Δxn,Δyn)により位置(xn,yn)に移動したとすると、
【0060】
【数20】
これがステップS600の内容である。
上記のように演算した車両軌跡の、特に旋回時の軌跡の演算精度について、第17図を参照して考察する。
【0061】
車両が旋回開始を指示し旋回を終了する区間QRでの旋回角をε、その区間の走行に要する時間をt、走行速度をVとすると、
ε=V・(t/r)
であるから、偏差Lx,Lyは、
【0062】
【数21】
で与えられる。これが本実施形態の教示軌跡の精度を与える。
〈駐車位置の補正〉
第8図,第9図のステップS300では、障害物があったり、或いは乗員が不具合を発見した場合には、駐車位置の補正を行う。
【0063】
尚、この不具合とは、例えば、旋回終了位置Rが明らかに直線tの以遠にある場合や、操作誤差が発生した場合である。前者の場合にはシステムはドライバに対して前進または後退を指示する。後者の場合には、点Rの間A/D再演算を指示する、または、点Rを前後に修正する。
第18図は駐車位置の補正の原理を説明する。即ち、第18図は、当初(TL,TR)を指示したが、左側の駐車場入り口TL(=TL1とする)が乗員によりTL2に変更された場合を説明する。
【0064】
駐車位置の補正のための演算には、駐車場に固定した座標系を用いる。即ち、この座標系は原点をTRにとり、直線t(2点TL,TRを通る直線)に平行にx'座標軸、これに直交するy'軸を取る。TLの位置変更に伴う∠TL1TRTL2をβとすると、駐車場座標系によるTL1の座標を(x'TL1,y'TL1)とすると、
【0065】
【数22】
但し、TLとTR間の距離|TLTR|は、
【0066】
【数23】
で表される。演算された(x'TL2,y'TL2)を自動車の座標系に変換すると、変換後のTL2の座標(xTL2,yTL2)は、駐車場座標系と自動車座標系の交角をαとすると、
【0067】
【数24】
【0068】
【数25】
により表される。この25式で表されたTL2の座標値(xTL2,yTL2)を、式6乃至式13における(XTL,YTL)に代入することで、補正された教示操舵角度δtを演算することができる。
【0069】
〈教示の表示〉
第4図に示したように、本実施形態では、リアウインドガラスに、操舵方向を表示して教示する。この教示は第3図の教示システム180によりなされる。 この教示システム180の詳細は第20図に示される。即ち、第20図に示すように、3つのマーカ(120L,120C,120R)が設けられたリアウインドガラス上に、三角形の図形マーカ120Hが表示される。この図形マーカ120Hは発光ダイオード181からの光をコリメートレンズ182で集光しポリゴンミラー183で反射させてウインドガラス上に映じさせたものである。ポリゴンミラー183の回転角度は、δ−δtに比例させる。
【0070】
教示をリアウインドに表示することの長所は、乗員が駐車場と教示とを同時に見ることができる点にある。即ち、教示により自分の運転操作を確認しながら駐車場に向けて後退を行うことができる点にある。
〈実施形態の効果〉
E1: 第6図のように、TLとTRの2点指示による駐車場位置の入力だけで、駐車場位置を指定することができるので、従来の駐車場を検知するためのカメラや距離センサを不要とした。
E2: 乗員位置は不確定であるが、第7図に示すように、ルームミラー110に装着されたマーカ114とリアウインドに装着されたマーカ115とが乗員位置において重なって見えるように、乗員自身が移動し或いはルームミラーを動かし、そのときのルームミラー110の姿勢位置(θD,φD)を用いてキャリブレーションを行えば、駐車場の位置をしているするときの乗員位置に制限を課す必要はなくなり、操作性が向上する。
E3: 理想舵角と実操舵角とが共にリアウインドに表示されるので、視認性を確保したまま駐車操作を続行できる。理想舵角に対する実操舵角のズレが提供されるので、操舵角の絶対値を意識しなくて済むので、操作性が向上する。
E4: 従来では、カメラや距離センサなどにより駐車運転操作の終了と判断していたために、カメラや距離センサなどの測定範囲外では操作終了の判断は不可能であったが、本実施形態では理想軌跡と自車の現在位置との差異がゼロになって時点をもって駐車操作の終了と判断しているために、カメラや距離センサの測定範囲外からであっても駐車を行うことができる。
E5: 式19乃至式21により駐車位置の補正(第9図のステップS300)を可能としているので、支援精度の向上が図れる。また、後の補正が許されることから、駐車場位置の初期入力は粗く行うことが許され、その結果、カメラや距離センサなどの測定範囲外からでも駐車支援が可能となり、操作性が向上した。
【0071】
〈第1変形例〉…カメラによる指示
前記実施形態では、ルームミラーを介して駐車場の入り口の位置を指示していた。この変形例はカメラを介して行うもので、ハード構成は実施形態と同じく第3図と同じである。即ち、カメラ108は自動車の後部に配置され、後方を撮影する。
【0072】
この変形例の動作を第21図,第22図により説明する。第21図はカメラ108により撮影された外界画像がCRT表示器200に映示されている様子を示す。第22図はカメラ108の視野を変更するスイッチ群の構成を示す。
第22図のスイッチ群は、通常は、ドアミラーの角度を調整することが付勢されるスイッチである。即ち、スイッチ501,502,503,504はそれぞれドアミラーを上方向、左方向、下方向、右方向にそれぞれ移動させるスイッチである。スイッチ501乃至504が右ドアミラーについて付勢されるのはスイッチ512がONされているときである。反対に、スイッチ501乃至504が左ドアミラーについて付勢されるのはスイッチ512がONされているときである。スイッチ511がONされていると、スイッチ501乃至504がカメラ108について付勢される。即ち、スイッチ511がONされている状態で例えばスイッチ501が押されると、カメラ108が上方向に移動する。スイッチ502が押されると、カメラ108は左方向を向く。…
第21図において、550はカメラ108の画面において固定された位置に装着されているマーカである。
【0073】
この変形例は、スイッチ511がONにしている状態で、スイッチ501乃至504を操作してマーカ550を駐車場の入り口に一致させるようにするものである。そして、カメラ108には、カメラ108の姿勢(パニング角θ,チルティング角φ)を検出するための不図示のセンサが設けられている。
第23図は、駐車場入り口にカメラが向いたときに水平面上でθのパニング角度が得られたことを、第24図は垂直面上でφのチルティング角が得られたことを示す。すると、駐車場の入り口Tの極座標は、
方位角:θ
距離LT:
【0074】
【数26】
となり、直交座標系では、T(XT,YT)とすると、
【0075】
【数27】
で表される。
このように、ルームミラーによらず、カメラによっても駐車場の入り口を捉えることができる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡単かつ低コストに、乗員の操作を介在させて駐車場の位置に関するデータを入力することができた。そのために、駐車支援の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の駐車支援システムにおける教示のための表示の一例を示す図。
【図2】 実施形態のシステムのハード構成を示す図。
【図3】 実施形態のシステムのハード構成をより詳細に示す図。
【図4】 実施形態のシステムにおける、駐車場位置を入力する方法および教示の方法を概略的に説明する図。
【図5】 実施形態のシステムに用いられるルームミラーの姿勢を検出する機構の構成を説明する図。
【図6】 ルームミラーを用いて駐車場位置を入力するための動作を説明する図。
【図7】 ルームミラーに対する乗員の位置を構成するための原理を説明する図。
【図8】 実施形態の駐車支援の制御手順を説明するフローチャート。
【図9】 図8の制御手順をより詳しく説明するフローチャート。
【図10】 実施形態のシステムが乗員の位置を検知する原理を説明する図。
【図11】 実施形態のシステムが乗員の位置を検知する原理を説明する図。
【図12】 実施形態のシステムがルームミラーを介して駐車場位置を検知する原理を説明する図。
【図13】 実施形態のシステムがルームミラーを介して駐車場位置を検知する原理を説明する図。
【図14】 実施形態において理想軌跡を決定する原理を説明する図。
【図15】 実施形態において理想軌跡を決定する原理を説明する図。
【図16】 実施形態において自車位置を決定する原理を説明する図。
【図17】 実施形態において自車位置を決定する時の精度を説明する図。
【図18】 実施形態において駐車場位置を再決定するときの原理を説明する図。
【図19】 実施形態において駐車場位置を再決定するときの原理を説明する図。
【図20】 実施形態の教示のための表示を実現するシステムの構成を説明する図。
【図21】 カメラを用いて駐車場位置を入力する変形例の原理を説明する図。
【図22】 図21の変形例に用いられる操作スイッチの構成を説明する図。
【図23】 変形例における駐車場位置の演算の原理を説明する図。
【図24】 変形例における駐車場位置の演算の原理を説明する図。
Claims (4)
- 乗員の駐車動作を支援する駐車支援装置において、
方位方向及び仰角方向に姿勢を変更可能なルームミラーと、
前記ルームミラーの所定位置に駐車場近傍の2点が映った際のそれぞれの前記ルームミラーの姿勢を検知する検知手段と、
検出した前記ルームミラーの姿勢に基づいて、駐車場の位置を演算する演算手段と、
を備えたことを特徴とする駐車支援装置。 - 前記演算手段は、駐車場の配置を、前記2つの指示点を結ぶ直線に直交する方向として定義することを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
- 前記ルームミラーの鏡面の所定の位置に、乗員に視認可能な第1のマーカを設け、
リアウインドの所定の位置に、乗員に視認可能な第2のマーカを設け、
前記演算手段は、
乗員の視点から見て前記第1のマーカと前記第2のマーカとが前記ルームミラー上において重ね合った時点での前記ルームミラーの姿勢を入力し、入力した姿勢に基づいて、乗員の車両内位置を計測し、計測した乗員の車両内位置を基準として、駐車場の位置を演算することを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。 - 乗員の駐車動作を支援する駐車支援システムであって、
方位方向及び仰角方向に姿勢を変更可能であるルームミラーと、
所定の外部環境に照準を合わせることにより、前記ルームミラーの姿勢を検出する手段と、
前記ルームミラーを介して駐車場の所定の2つの位置に照準を合わせたことを報知する手段とを備えたことを特徴とする駐車支援システム。
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-
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