JP3911743B2 - カラーインクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカラーインクジェット記録方法及び装置に関し、特に、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液からその重ね記録によりコンポジットブラックと称される黒色の記録を行う時にリアルブラックと称される黒色記録液に由来する本来の黒色により近い色を容易に具現することのできるカラーインクジェット記録方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のカラーインクジェット記録装置では、より黒らしい黒、いわゆるリアルブラックを実現するため、イエロー、マゼンタ、シアン、そしてブラックの4色の記録液を使用して記録を行っていた。しかし、このような記録装置では、装置コストが高くなり、また、装置の規模が大きくなるという欠点があった。
【0003】
そこで最近では、コストダウン及びダウンサイジングのため、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液(カラー記録液)のみを搭載したヘッドを専用に使用し、ブラックの記録液のヘッドをオプションとしたモデルが多く市販されている。このタイプのカラーインクジェット記録装置では、周知のように、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液からその重ね記録によりコンポジットブラックと称される黒色の記録を行っている。3色の記録液は、より黒に近い黒を引き出すため、それが用いられる記録装置で予め定められた順序で重ねて記録されるように設計されている。なお、上記したような4色の記録液を使用する装置でも、カラー画像などを記録する場合には、高品位記録を実現するためにコンポジットブラックを利用していることもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のカラーインクジェット記録方法に従い所定の順序でイエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液を重ね記録することにより形成したコンポジットブラックでは、その色調がリアルブラックからかけ離れている、記録濃度が十分でない、あるいは、種々の記録媒体を使用した場合、記録媒体ごとに色調が変化する、などの重要な問題点がある。
【0005】
ところで、インクジェット方式に限らず、例えば電子写真方式などのような様々な画像形成方式において、複数の色調の記録材料を重ねて記録し、黒色(コンポジットブラック)を表現することは、以前から行われている。また、この従来の重ね記録において、各色の記録材料を重ねる順序により、得られるコンポジットブラックの色調が変化し得るということも知られている。これに対して、例えば、記録する色の順序を常に一定にすることにより、いずれの記録においても同じ色調のコンポジットブラックを再現することが試みられている。
【0006】
しかし、インクジェット方式での記録材料であるインクは、液体であり、記録媒体に対する浸透作用を有しているので、複数のインクを重ねて記録した時の混色の予測が極めて困難である。また、インクは、記録媒体に応じて浸透の度合いも異なるので、同じ記録液と記録方法を用いても、得られる色調が記録媒体ごとに大きく変動するという問題がある。特に、OHPフィルム、バックプリントフィルムなどの特殊な専用記録媒体、表面にセルロース繊維が露出した紙、すなわち、いわゆる「普通紙」(本願明細書でも、「普通紙」なる語は、この種の紙を意味する)、インク受容のためのコート層を設けたコート紙、いわゆるインクジェット専用紙の間で、コンポジットブラックの色調の変化が顕著である。
【0007】
上記したような物性上の問題点を考慮して、例えば、特開平1−127352号公報は、記録面と観察面が異なるバックプリントフィルムとその他の記録媒体とで記録順序を逆にすることを教示している。しかし、この記録方法は、記録面と観察面が異なる記録媒体においてのみ有効で、例えば、普通紙やインクジェット専用紙などでは満足し得る効果を得ることができない。また、特開昭62−271778号公報は、バックプリントフィルムなどの特殊な専用記録媒体において、インク浸透度の大きい順に記録を行うことを開示している。しかし、この記録方法は、特殊な専用記録媒体においてのみ有効で、例えば、普通紙やインクジェット専用紙などでは満足し得る効果を得ることができない。さらに、上記した2つの記録方法の場合、主に中間色(赤、緑、青など)の色再現を向上させ得るに留まり、よりリアルブラックに近いコンポジットブラックを形成するまでに至っていない。
【0008】
本発明の目的は、上記したような従来の技術の問題点を克服して、使用する記録媒体の種類及び記録液の組成等に影響されることなくよりリアルブラックに近いコンポジットブラックを形成することが容易に可能なカラーインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明のもう1つの目的は、上記したようなカラーインクジェット記録方法を実施するのに有用なカラーインクジェット記録装置を提供することにある。
【0009】
本発明のその他の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することができるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、少なくともイエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液を使用して、インクジェット方式により記録媒体上に記録を行う方法であって、前記3色の記録液からその重ね記録によりコンポジットブラックの記録を行うに当たり、前記記録液のそれぞれの色調に応じて前記イエロー、マゼンタ及びシアンの重ね記録の順序を変更することを特徴とするカラーインクジェット記録方法であって、前記記録媒体が普通紙であり、予め得られた前記イエローの記録液で記録された印字の色調CIEL* * * 表色系で表した* 正の値を示すときには重ね記録の最後にシアンを記録しかつ上記a* 値が負であるときには重ね記録の最後にイエローを記録することを特徴とするカラーインクジェット記録方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるカラーインクジェット記録方法及び装置をその好ましい実施形態を参照して説明する。本発明はしかし、これらの実施形態にのみ限定されるものではないことを理解されたい。
本発明は、上記したように、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液を少なくとも使用してかつ、従って、必要に応じて、その他の色調、例えばブラックなどの記録液を併せて使用して、インクジェット方式により記録媒体上に記録を行う方法及び装置に関する。
【0014】
本発明によるカラーインクジェット記録方法は、その1つの面において、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液からその重ね記録によりコンポジットブラックの記録を行うに当たり、使用する記録媒体の種類に応じてイエロー、マゼンタ及びシアンの重ね記録の順序を変更することを特徴とする。特に、バックプリントフィルム、OHPフィルム、普通紙、コート紙(インクジェット専用紙)など、それぞれ特性を異にする記録媒体ごとに重ね記録の順序を変更することを特徴とする。
【0015】
特に、記録媒体が普通紙及びコート紙である場合、それぞれの記録媒体ごとにイエロー、マゼンタ及びシアンの重ね記録の順序を変更することが好ましい。本発明者らの知見によれば、このような重ね記録の順序の変更は、それが逆転するように行うことが特に好ましい。
また、上記のようにしてコンポジットブラックの記録に用いられるイエロー、マゼンタ及びシアンの記録液は、それぞれ、単色で普通紙上に印字率100%のパターンを記録した時に0.9以上のステータスA濃度を呈示するものであることが好ましい。0.9以上のステータスA濃度を呈示するような記録液を使用してコンポジットブラックを形成することにより、その光学反射濃度も0.9以上とすることができる。
【0016】
本発明によるカラーインクジェット記録方法は、そのもう1つの面において、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液からその重ね記録によりコンポジットブラックの記録を行うに当たり、記録液のそれぞれの色調に応じてイエロー、マゼンタ及びシアンの重ね記録の順序を変更することを特徴とする。
ここで、用いられる記録媒体が普通紙である場合、イエローの記録液の色調が、CIE(国際照明学会)が1976年に定めたCIEL* * * 表色系のa* 値で表した時に、正の値を示すときには重ね記録の最後にシアンを記録し、また、a* 値が負であるときには重ね記録の最後にイエローを記録することが好ましい。また、この記録方法でも、コンポジットブラックの記録に用いられるイエロー、マゼンタ及びシアンの記録液は、それぞれ、単色で普通紙上に印字率100%のパターンを記録した時に0.9以上のステータスA濃度を呈示するものであることが好ましい。
【0017】
本発明によるカラーインクジェット記録装置は、少なくともイエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液が充填された、従って、必要に応じてブラック等の記録液がさらに充填されていてもよいインクカートリッジと、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液からその重ね記録によりコンポジットブラックの記録を行う時に用いられる記録媒体あるいは用いられる記録液の色調に応じて前記イエロー、マゼンタ及びシアンの重ね記録の順序を変更するが可能な記録順序変更手段とを含んでなることを特徴とする。
【0018】
インクカートリッジは、その記録ヘッドに各色の記録液を噴射するためのノズルを装備している。ここで、用いられる記録方式がシリアル方式で、記録ヘッドが記録媒体の搬送方向に関して垂直な方向で走査されるような場合、各色ごとのノズル又はそれを有するヘッドを、記録ヘッドの走査方向と同一となるように配置するのが好ましい。また、記録ヘッドの走査時、その走査の往路あるいは復路のいずれか一方の行程において記録を行うことが好ましい。
【0019】
記録順序変更手段は、記録装置(ここでは特に「印字装置」とも記載する)内に記録順序を記憶するメモリを設け、そのデータを印字制御部に引き渡すように構成することが好ましい。
さらに、本発明の記録装置には、最初に、可能な記録順序の組み合わせのすべてを用いてコンポジットブラックを形成し、次いで、実際に使用する記録媒体に応じて、ユーザーが記録順序を選択することができるような手段を設けることが好ましい。
【0020】
以上に本発明の好ましい実施形態の概要を説明した。引き続いて、本発明によるカラーインクジェット記録方法及び装置をさらに具体的に説明することにする。
通常、カラーインクジェット記録装置の製品仕様を作成する場合には、設計の段階で、コンポジットブラックの形成に最も良いイエロー、マゼンタ及びシアンの組み合わせを見い出すことによってこれを行っている。しかしながら、実際には、ユーザーが使用する記録媒体は上記したように多岐に及び、また、媒体ごとにインクの浸透の度合い等が異なるので、製品仕様で予め設定された記録順序でコンポジットブラックの形成を行っても、リアルブラックに最も近い黒色を表現することはできない。すなわち、本発明者らは、イエロー、マゼンタ及びシアンの重ね記録により実際に最高のコンポジットブラックを形成することのできる記録順序は、製品仕様の記録手順とは異なるものであるという知見を得、鋭意研究の結果、従来においてはまったく予想さえもできなかったことであるが、本発明のように記録媒体あるいは記録液の色調に応じて記録順序を変更することにより、カラー記録液のみで、リアルブラックの色調により近く、かつ高濃度のコンポジットブラックを形成することができるということを見い出した。
【0021】
記録媒体によってカラー記録液の記録順序を変更するわけであるが、特に本発明者らは、普通紙とコート紙、すなわち、インクジェット専用紙で、記録順序を変更することについて着目した。なぜなら、普通紙とインクジェット専用紙では、以下に示すように、記録液の浸透過程が大きく異なるからである。
インクとして用いられる記録材料が液体であるため、それを用いて記録を実施した場合、記録媒体ではその深さ方向に関して色分布ができる。そこで、商業的に入手可能な一般的な普通紙とインクジェット専用紙について、可能なすべての記録順序の組み合わせを使用して、コンポジットブラックの印字を試みた。その結果、普通紙では一番最後に記録を行ったインクの色が、また、インクジェット専用紙では一番最初に記録を行ったインクの色が、それぞれコンポジットブラックの色調に大きく影響していることが判明した。このことから、インクジェット専用紙上で理想的な黒色を再現できる各色インクの記録順序でも、普通紙上では、不満足な黒色しか再現できず、それとは異なる記録順序で記録を行ったほうが、より良好な黒色を実現できるということがわかった。これは、普通紙では、その表面から内部にかけてセルロース繊維が連通しているために、普通紙の表面に記録されたインクが次から次へと深さ方向に浸透していき、後から記録されたインクが表面に残りやすくなるからであると考えられる。反対に、インクジェット専用紙では、その表面にインク受容のためのコート層が設けてあるので、最初に表面に記録されたインクが、内部に浸透することなく、インク受容層に最も多く留まることが可能であるからであると考えられる。
【0022】
また、普通紙記録においては、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色のうちイエローの色調が非常に重要であることを見い出した。CIEL* * * 表色系のL* * * 空間上におけるイエローの値a* が正の場合には、得られるコンポジットブラックの色調は山吹色(赤みがかかったイエロー)となり、また、反対にa* が負の場合には、得られる色調はレモン色(青みがかかったイエロー)となる。そのため、イエローの値a* が正の場合には、青みの要素であるシアンの記録を最も影響の大きい最後の段階で記録することによって、よりリアルに黒色を再現することができる。
【0023】
以上のような記録順序の変更を行うということは、記録装置に装備された記録ヘッドを記録媒体の搬送方向とは垂直の方向に走査するタイプの、いわゆるシリアル方式のカラーインクジェット記録の場合、図1に示すように、各記録液ごとのノズル2又はこれを有する記録ヘッド1が、ヘッド1の走査方向Aと同一方向であることが望ましい。なお、図中、Cはシアン記録液用ヘッド、Mはマゼンタ記録液用ヘッド、そしてYはイエロー記録用ヘッドであり、また、Bは記録媒体の搬送方向である。記録ヘッド1の配置がヘッドの走査方向Aと同一方向であることが望ましい理由は、シリアル方式の場合、ノズル又はこれを有するヘッドの配置が、ヘッドの走査方向に対して垂直であり、記録媒体の搬送方向が順方向(1方向)のみであれば、物理的に記録順序が決定されてしまうからである。
【0024】
図2は、本発明によるインクジェット記録装置の好ましい1態様を示した斜視図である。図示の装置では、矢印Bの方向に搬送される記録媒体5の上を、所定の記録部位において、インクカートリッジ3の前面に取り付けられた記録ヘッド1が矢印Aの方向に走査可能である。ここで、記録ヘッドの色ごとの配置が図1を参照して説明したようにヘッドの走査方向と垂直に並んでいれば、記録媒体の搬送順に各色の記録を行わなければならない。記録媒体の搬送手順が双方向であれば、記録順序を変更することは可能であるが、明らかなように、搬送手順が複雑になるばかりか、その際の記録媒体の位置合わせに高い精度が要求される。
【0025】
また、普通紙とインクジェット専用紙とではそれらの記録媒体に浸透するインクの浸透の度合いに明確な差異があるので、これらの記録媒体に対する記録順序を反対に設定し、記録媒体に応じ、ヘッド走査方向の往路あるいは復路の一方向のみで記録を行えば、容易に記録順序を変更できるばかりでなく、1走査で1行印字が可能となる。
【0026】
次に、主観評価や他社製のインクジェット記録装置の調査などの結果、黒色の記録濃度について、インクジェット方式では、普通紙上での光学反射濃度(印字率100%のパターンの光学反射濃度)が0.9以上であれば許容可能であることがわかった。また、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色のインクを重ねて記録してコンポジットブラックを形成する場合には、上記のような0.9以上の記録濃度を得る手段として、各色インクの単色でのステータスA濃度が0.9以上であることが必要であるということも見い出された。
【0027】
さらに、本発明の記録装置に組み込まれるべき適当な記録順序変更手段としては、以下に説明するものに限定されるわけでばないけれども、図3に示すような構成を挙げることができる。図示の記録装置(印字装置)は、その装置内に記録順序を記憶するメモリを有しており、そのデータを制御部の印字制御部に引き渡すことができる。印字制御部は、同じく制御部に含まれる紙送り制御部と協同しつつ、メモリからの指示にそってヘッドを駆動させ、所望の印字を実現することができる。記録順序の変更の手順は、例えば、図4にフローチャートで示すような手順であることができる。すなわち、図示のようにユーザーが記録順序を選択できるようにしておくことで、いかなる記録媒体に対しても、常にユーザーが望むところのより良好な黒色を表現することができる。
【0028】
本発明では、コンポジットブラックを構成する3色の単色でのステータスA濃度が、同様の印字パターンにおいて、普通紙上で全色0.9以上であれば、コンポジットブラックの光学反射濃度も普通紙上で0.9以上になる。
【0029】
【実施例】
引き続いて、本発明をその実施例を参照して説明する。なお、下記の実施例では、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液を使用して記録媒体上に記録を行う例を示すけれども、この3色の記録液にブラックの記録液を追加した4色の記録液系でも、本発明に従いイエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液を重ねて記録して良好なコンポジットブラックを実現することが可能である。
例1
下記の条件を満たす3種類のインクA、B及びC(それぞれ、シアンC、マゼンタM及びイエローYを含む3色カラーインク)を常法に従って調製した。
【0030】
Figure 0003911743
さらに、記録媒体として、X社製のコピー用普通紙及びC社製のインクジェット専用紙(コート紙)を用意した。
シリアルタイプのインクジェット式印字装置(ドロップ・オン・デマンド型、解像度360dpi 、インク粒量=約50pl)にそれぞれの記録媒体をセットし、それぞれの記録媒体について、すべての記録順序の組み合わせで、試作インクAでコンポジットブラックを印字した。十分に乾燥させた後、得られた印字の色調及び光学反射濃度を測色計で測定した。得られたコンポジットブラックの測色結果を次の第1表に示す。次の表及びそれに続けて記載するその他の表において、例えばC−M−Yは、シアンC、マゼンタM及びイエローYの順序で印字を行ったことを示している。また、次式(1)により表される黒色の色調:
【0032】
【数1】
Figure 0003911743
【0033】
は、理想的にはゼロ(0)である。
【0034】
【表1】
Figure 0003911743
【0035】
上記第1表において、普通紙では、M−C−YやC−M−Yの黒色の色調(1)がより0に近い値を示しているが、インクジェット専用紙では、Y−M−CとY−C−Mがより0に近い値を示している。すなわち、この表に記載の結果から、より黒色に近いコンポジットブラックを印字する場合、普通紙とインクジェット専用紙とでは記録順序を変更するのが好ましいことがわかる。
例2
前記例1に記載の手法を繰り返した。本例では、先に調製した試作インクBと記録媒体としての普通紙(X社製)を使用した。得られたコンポジットブラックの測色結果を下記の第2表に示す。
【0036】
さらに、試作インクA及びBを使用して、前記例1に記載の手法を繰り返した。本例では、しかし、イエロー、マゼンタ及びシアンの単色で、普通紙(X社製)上にそれぞれの色を印字した。得られた測色結果を次の第3表に示す。
【0037】
【表2】
Figure 0003911743
【0038】
【表3】
Figure 0003911743
【0039】
前記例1の第1表及び上記第2表の結果を比較するに、同じ普通紙であっても、試作インクBの場合には、記録順序Y−M−C、M−Y−C及びM−C−Yにおいて、前式(1)により表される黒色の色調の値がより小さい。Y−M−CとM−C−Yの色調(1)の値はほぼ同じであるが、L* の値は、Y−M−Cの方が低いので、よりリアルブラックに近い黒色であると判断することができる。コンポジットブラックの形成において、前記例1の試作インクAの好ましい記録順序とは明らかに異なっている。
【0040】
さらに、上記第3表に記載の結果から、試作インクAとBとでは、マゼンタ及びシアンの色調はそれほど相違しないけれども、イエローのそれは明瞭に異なっている。そして、イエローのa* が、試作インクAでは負であり、試作インクBでは正であることがわかる。
以上のような結果から、普通紙記録では、イエローのa* が正の値であれば、シアンを最後に記録することが最もよい黒の色調を表現する方法であること、そして、イエローのa* が負の値であれば、イエローを最後に記録することが最もよい黒の色調を表現する方法であること、がわかる。
例3
記録濃度を評価するため、前記例1及び例2に記載の手法を試作インクCを使用して繰り返した。得られた記録濃度測定結果を次の第4表に示す。なお、標柱の濃度は、単色の欄がステータスA濃度、コンポジットブラックの欄が光学反射濃度(OD)である。
【0041】
【表4】
Figure 0003911743
【0042】
前記例1の第1表に記載の濃度と上記第4表に記載の濃度とを比較するに、試作インクAでは、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色ともステータスA濃度が0.9以上であり、コンポジットブラックの光学反射濃度も0.9以上の値を示している。一方、試作インクCでは、3色のうち2色は、ステータスA濃度が0.9以上であるにもかかわらず、コンポジットブラックの光学反射濃度は0.9を満たしていない。このような測定結果から、コンポジットブラックの光学反射濃度を0.9以上にするためには、単色での記録濃度が全色0.9以上あることが必要であることがわかる。
その他の測定結果
本発明者らは、印字特性の評価のため、次のような商業的に入手可能な記録媒体及びインクジェット用インクならびに試作インクを使用して一連の印字実験を行った。
使用した記録媒体:
コピー用普通紙(X社製)
普通紙(すかし入り書簡紙)
コピー用再生普通紙(X社製)
インクジェット専用紙(C社製)
インクジェット専用紙(E社製)
インクジェット専用紙(K社製)
使用したインクジェット用インク:
試作インク
C社製インクA
E社製インクA
E社製インクB
但し、試作インク及びE社製インクAの普通紙上でのYのa* 値は負、C社製インクAの普通紙上でのYのa* 値は正である。得られた結果を下記の第5表〜第10表に示す。表中、VOはコンポジットブラックの光学反射濃度、CO,MO及びYOはそれぞれ単色C,M,YのステータスA濃度である。
【0043】
【表5】
Figure 0003911743
【0044】
【表6】
Figure 0003911743
【0045】
【表7】
Figure 0003911743
【0046】
【表8】
Figure 0003911743
【0047】
【表9】
Figure 0003911743
【0048】
【表10】
Figure 0003911743
【0049】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、少なくともイエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液を使用してその重ね記録によりコンポジットブラックの記録を行うに当たり、記録媒体あるいは記録液の色調に応じてイエロー、マゼンタ及びシアンの重ね記録の順序を変更するように構成したので、記録媒体ごとのより黒色に近い色調のコンポジットブラックを形成することができる。特に、バックプリントフィルム、OHPフィルム、普通紙、インクジェット専用紙など、それぞれ特性を異にする記録媒体ごとに重ね記録の順序を変更することで、より大きな色調改善効果を得ることができる。
【0050】
また、普通紙に記録を行う場合、イエローの記録液の色調がCIEL* * * 表色系のa* 値で表した時に正の値を示すときには重ね記録の最後にシアンを記録しかつa* 値が負であるときには重ね記録の最後にイエローを記録するようにしたので、より良好なコンポジットブラックを形成することができる。
また、各色ごとのノズル又はそれを有するヘッドを記録ヘッドの走査方向と同一となるように配置したので、記録順序の変更時における記録媒体の搬送が簡単になり、かつ普通紙とインクジェット専用紙との記録順序を反対にすることで、ヘッド走査方向の往路又は復路のどちらか一方のみで印字でき、一行印字が可能となる。
【0051】
さらに、記録液として、単色で普通紙上に印字率100%のパターンを記録した時に0.9以上のステータスA濃度を呈示するような記録液を使用してコンポジットブラックを形成することにより、その光学反射濃度も0.9以上とすることができる。
さらにまた、最初に、可能な記録順序の組み合わせのすべてを用いてコンポジットブラックを形成し、次いで、実際に使用する記録媒体に応じて、ユーザーが記録順序を選択することにより、すべての記録媒体について、最も良好な黒色を表現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施において用いられるインクジェットヘッドのノズルの配置を示した略示図である。
【図2】本発明によるインクジェット記録装置の好ましい1態様を示した斜視図である。
【図3】本発明によるインクジェット記録装置の好ましい1構成例を示した系統図である。
【図4】本発明によるインクジェット記録方法における記録順序設定の好ましい1方法を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…記録ヘッド
2…ノズル
3…インクカートリッジ
5…記録媒体
A…ヘッドの走査方向
B…記録媒体の搬送方向
C…シアン記録液用ヘッド
M…マゼンタ記録液用ヘッド
Y…イエロー記録液用ヘッド

Claims (1)

  1. 少なくともイエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液を使用して、インクジェット方式により記録媒体上に記録を行う方法であって、前記3色の記録液からその重ね記録によりコンポジットブラックの記録を行うに当たり、前記記録液のそれぞれの色調に応じて前記イエロー、マゼンタ及びシアンの重ね記録の順序を変更することを特徴とするカラーインクジェット記録方法であって、
    前記記録媒体が普通紙であり、予め得られた前記イエローの記録液で記録された印字の色調をCIEL表色系で表したa値が正の値を示すときには重ね記録の最後にシアンを記録しかつ上記a値が負であるときには重ね記録の最後にイエローを記録することを特徴とするカラーインクジェット記録方法。
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