JP3911591B2 - 排水処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水、産業排水、生活排水などの有機性物質を含む原排水(以下、有機性排水という)を、生物学的処理する排水処理方法、さらに詳しくは、有機性排水と排水処理装置から発生する余剰汚泥とを同時に処理する排水処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機性排水を生物学的に処理する場合、排水中の有機物は分解されると同時に、その一部は排水処理に関与する微生物の増殖に利用される。排水処理に必要な量以上に増殖した微生物は、余剰汚泥として処理されている。
【0003】
余剰汚泥の処理方法としては、従来から、濃縮、脱水後に埋め立て、焼却、あるいは嫌気性消化などの方法が実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の方法によれば、余剰汚泥の濃縮、脱水という煩雑な操作が必要な上に、埋め立てを行なう場合には、埋め立て地の確保が困難、焼却を行なう場合には、多大なエネルギーが必要であるという問題があった。また、嫌気性消化を行なう場合には、約30日間という長期間の処理日数を必要とし、汚泥の減容化率も約50%と低いという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、有機性排水を生物学的処理する排水処理方法において、余剰汚泥の濃縮、脱水という煩雑な操作が必要でなく、余剰汚泥の可溶化処理を行なう際の予熱と、可溶化処理後の汚泥からの熱回収・冷却とを効率よく行なうことできて、必要熱量を大幅に削減することができ、運転コストが非常に低廉であり、しかも埋め立て地の確保や、焼却のエネルギーが必要でなく、比較的短期間の処理日数ですむうえに、汚泥の減容化率を大幅にアップすることができる、排水処理方法を提供しようとすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段と発明の効果】
本発明は、有機性排水を曝気槽に導入して生物学的処理を行なうことにより、排水中の有機物を除去し、曝気槽からの汚泥混合液を汚泥沈殿槽に導入し、ついで汚泥沈殿槽の上澄み水を処理水として排出するとともに、汚泥沈殿槽の底部から汚泥を含む汚泥混合液を取り出して、汚泥混合液の所要部分を曝気槽に返送する一方、汚泥混合液の残部を汚泥可溶化槽に導き、そこで汚泥混合液を加熱して、汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させる可溶化処理を行ない、ついで可溶化処理された汚泥を含む汚泥混合液を曝気槽に再導入して、可溶化処理された汚泥と有機性排水中の有機物とを同時に生物学的処理する排水処理方法において、
汚泥沈殿槽の底部から取り出した汚泥混合液を、予熱用熱交換器を介して汚泥可溶化槽に導き、この汚泥可溶化槽に導く汚泥混合液のpHは7〜10の中性からアルカリ性に調整して操作し、汚泥可溶化槽において可溶化処理された汚泥を含む汚泥混合液は、冷却用熱交換器を介して曝気槽に再導入し、この汚泥可溶化槽から排出された汚泥混合液のpHは5〜8に調整した後に、曝気槽へ返送し、冷却用熱交換器において可溶化汚泥の冷却に使用されて温度が上昇した温水を、予熱用熱交換器に循環してその保有する熱を予熱に使用し、これによって温度が低下した水を再び冷却用熱交換器に循環して冷却水として使用し、汚泥可溶化槽において汚泥沈殿槽からの汚泥混合液の加熱に足りない熱を、蒸気ボイラから蒸気を供給して直接加熱し、冷却用熱交換器の冷却水排出側と予熱用熱交換器の予熱水導入側との中間に温水加熱器が介在されており、循環冷却用熱交換器において可溶化汚泥の冷却に使用されて温度が上昇した温水を予熱用熱交換器に循環させるさい、温水加熱器において足りない熱を蒸気ボイラから供給された蒸気により補充して、予熱水を加熱し、予熱用熱交換器の予熱水排出側と冷却用熱交換器の冷却水導入側との中間に温水タンクが介在されていて、この温水タンクによって温水を一時貯留し、温水加熱器においては、蒸気ボイラからの蒸気により予熱用温水が加熱されるが、これにより生じるドレン水は、給水ユニットに送られて、この給水ユニットから蒸気ボイラに戻されることを特徴としている。
【0007】
上記において、汚泥可溶化槽で汚泥混合液は加熱され、汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させる。一般的に汚泥が生物学的に分解されにくい理由は、汚泥が堅い細胞壁に囲まれており、その細胞壁が生物学的に分解困難であるからである。従って、その細胞壁を生物学的に分解容易な形態に変化させれば、これを再び曝気槽へ返送することによって、曝気槽で汚泥を生物処理して減容化することができるものである。
【0008】
上記において、汚泥可溶化槽の温度は、50〜120℃、好ましくは65〜95℃の範囲であり、加熱時間は、0.5〜12時間、好ましくは2〜8時間の範囲である。なお、ここで言う「加熱時間」とは、連続処理の場合は汚泥可溶化槽における汚泥混合液の滞留時間を意味する。
【0009】
沈殿槽から取り出した汚泥混合液を、予熱用熱交換器を介して汚泥可溶化槽に導き、また、可溶化処理後の汚泥を、冷却用熱交換器を介して曝気槽に再導入する。
【0010】
この時、可溶化汚泥の冷却によって回収される熱を、汚泥の予熱に利用すると外部からの投入する熱量を低減することができるが伝熱面を介して一方に高温可溶化汚泥を流し、他方に低温汚泥を流して直接熱回収する方式では、伝熱面の両側がスケーリングしやすい汚泥に接触して、伝熱面の汚れや流路の詰まりを起こしてしまう。一般に、熱交換器の高温流体側と低温流体側の両方の流路と伝熱面の洗浄を効率的に行なうことは困難であるので、従来の技術では、可溶化処理後の汚泥から効率的に熱回収することは困難であった。
【0011】
本発明では、冷却用熱交換器において可溶化汚泥の冷却に使用されて温度が上昇した温水を、予熱用熱交換器に循環してその保有する熱を予熱に使用し、これによって温度が低下した水を再び冷却用熱交換器に循環して冷却水として使用する。2つの熱交換器を使って、その間に温水を循環させることよって、効率的に汚れや詰まりを防止しながら、汚泥の熱回収・冷却と予熱を効率よく行なうことを可能にした。従って、必要熱量を大幅に削減することができ、運転コストが非常に低廉となるものである。
【0012】
これによって、沈殿槽からの汚泥混合液を汚泥可溶化槽へ導くときの汚泥混合液の加熱、および汚泥可溶化槽から曝気槽へ返送(再導入)するときの汚泥混合液の冷却が、それぞれ効率よく行なわれ、結果として外部からの投入熱量を低減することができる。
【0013】
なお、これらの予熱用熱交換器および冷却用熱交換器としては、例えば2重管式熱交換器あるいはシェルアンドチューブ式の熱交換器のような汎用熱交換器でも使用が可能となり、その場合、管内に汚泥混合液を通すことにより、汚泥混合液の流れがスムーズで、かつ均一となり、流速が大となって、汚泥が詰まりにくい。また仮に、管内に汚泥が詰まった場合でも、洗浄により清掃が容易である。一方、シェルアンドチューブ式の熱交換器の胴側には、清缶剤、脱酸剤等を加えた脱イオン水よりなる清浄剤を通すのが、好ましい。
【0014】
上記汚泥可溶化槽に導く汚泥混合液のpHは7〜10に調整する。汚泥の構成成分は有機物が中心であるため、pHは中性からアルカリ性で操作すると可溶化に効果的である。
【0015】
汚泥可溶化槽から排出された汚泥混合液のpHは5〜8に調整した後に、曝気槽へ返送する。これは曝気槽が、通常、pH中性の条件で運転されるため、その条件を維持するためのものである。
【0016】
汚泥可溶化槽においては、沈殿槽からの汚泥混合液を、上記熱交換器を用いて間接的に加熱するか、または蒸気などにより直接加熱するか、両加熱を併用すると良い。
【0017】
上記の本発明の方法によれば、曝気槽で、可溶化処理された余剰汚泥と、有機性原排水中の有機物とを同時処理することが可能であり、従来法における余剰汚泥の濃縮、脱水という煩雑な操作が必要でなく、排水処理プロセスが簡略化されるとともに、従来の余剰汚泥の埋め立て処理におけるような埋め立て地の確保が不要であり、また従来の余剰汚泥の焼却のための多大なエネルギーの消費を必要とせず、さらに従来の余剰汚泥の嫌気性消化を行なう場合のような長い処理日数を必要とせず、汚泥の減容化率を大幅にアップすることができて、排水処理を効率よく実施することができるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明の方法によれば、冷却用熱交換器において可溶化汚泥の冷却に使用されて温度が上昇した温水を、予熱用熱交換器に循環してその保有する熱を予熱に使用し、これによって温度が低下した水を再び冷却用熱交換器に循環して冷却水として使用する。2つの熱交換器を使って、その間に温水を循環させることよって、効率的に汚れや詰まりを防止しながら、汚泥の熱回収・冷却と予熱を効率よく行なうことができるという効果を奏する。
さらに、本発明の方法によれば、汚泥可溶化槽において汚泥沈殿槽からの汚泥混合液の 加熱に足りない熱を、蒸気ボイラから蒸気を供給して直接加熱し、冷却用熱交換器の冷却水排出側と予熱用熱交換器の予熱水導入側との中間に温水加熱器が介在されており、循環冷却用熱交換器において可溶化汚泥の冷却に使用されて温度が上昇した温水を予熱用熱交換器に循環させるさい、温水加熱器において足りない熱を蒸気ボイラから供給された蒸気により補充して、予熱水を加熱し、予熱用熱交換器の予熱水排出側と冷却用熱交換器の冷却水導入側との中間に温水タンクが介在されていて、この温水タンクによって温水を一時貯留し、温水加熱器においては、蒸気ボイラからの蒸気により予熱用温水が加熱されるが、これにより生じるドレン水は、給水ユニットに送られて、この給水ユニットから蒸気ボイラに戻されるもので、これによって、沈殿槽からの汚泥混合液を汚泥可溶化槽へ導くときの汚泥混合液の加熱、および汚泥可溶化槽から曝気槽へ返送(再導入)するときの汚泥混合液の冷却が、それぞれ効率よく行なわれ、結果として外部からの投入熱量を低減することができるという効果を奏する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の排水処理方法の実施形態を示すフローシートである。なお、本発明は、図示の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0021】
同図において、例えば下水、産業排水、および生活排水などの有機性物質を含む原排水を、排水供給ポンプ(11)によって好気性処理槽である曝気槽(1)に導入する。曝気槽(1)の底部には、ブロア(13)から空気を送り込む散気装置(10)が具備されており、該曝気槽(1)における曝気処理によって、排水中の有機物が生物学的に分解される。
【0022】
こうして、曝気槽(1)において生物学的処理を行なうことにより、排水中の有機物を除去する。そして、曝気槽(1)からの汚泥混合液を汚泥沈殿槽(2)に導入し、汚泥沈殿槽(2)の上澄み水を引抜きポンプ(12)によって処理水として排出するとともに、汚泥沈殿槽(2)の底部から汚泥を含む汚泥混合液を取り出して、汚泥混合液の所要部分を流送ポンプ(14)によって曝気槽(1)に返送する。
【0023】
一方、汚泥沈殿槽(2)の底部からの汚泥混合液の残部を、流送ポンプ(15)によって汚泥可溶化槽(3)に導き、そこで汚泥混合液を所要時間加熱して、汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させる可溶化処理を行なう。
【0024】
汚泥沈殿槽(2)の底部から取り出した汚泥混合液は、例えば2重管式熱交換器あるいはシェルアンドチューブ式の予熱用熱交換器(4)を介して汚泥可溶化槽(3)に導く。
【0025】
また、上記汚泥可溶化槽(3)に導く汚泥混合液のpHは7〜10に調整する。汚泥の構成成分は有機物が中心であるため、pHは中性からアルカリ性で操作すると可溶化に効果的である。
【0026】
ついで、汚泥可溶化槽(3)において可溶化処理された汚泥を含む汚泥混合液を、曝気槽(1)に再導入して、可溶化処理された汚泥と、有機性原排水中の有機物とを同時に生物学的処理するものである。
【0027】
なお、汚泥可溶化槽(3)において可溶化処理された汚泥を含む汚泥混合液は、例えば2重管式熱交換器あるいはシェルアンドチューブ式の冷却用熱交換器(5)を介して曝気槽(1)に再導入する。
【0028】
また、汚泥可溶化槽(3)から排出された汚泥混合液のpHは5〜8に調整した後に、曝気槽(1)へ返送する。これは曝気槽(1)が、通常、pH中性の条件で運転されるため、その条件を維持するためである。
【0029】
すなわち、本発明では、冷却用熱交換器(5)において可溶化汚泥の冷却に使用されて温度が上昇した温水を、予熱用熱交換器(4)に循環してその保有する熱を予熱に使用し、これによって温度が低下した水を再び冷却用熱交換器(5)に循環して冷却水として使用する。2つの熱交換器を使って、その間に温水を循環させることよって、効率的に汚れや詰まりを防止しながら、汚泥の熱回収・冷却と予熱を効率よく行なうものである。
【0030】
その他、図1において、(6)は蒸気ボイラであり、汚泥可溶化槽(3)において汚泥沈殿槽(2)からの汚泥混合液の加熱に足りない熱を、この蒸気ボイラ(6)から蒸気を供給して直接加熱する。また(7)は温水加熱器で、冷却用熱交換器(5)の冷却水排出側と予熱用熱交換器(4)の予熱水導入側との中間に介在されており、循環冷却用熱交換器(5)において可溶化汚泥の冷却に使用されて温度が上昇した温水を予熱用熱交換器(4)に循環させるさい、この温水加熱器(7)において足りない熱を蒸気ボイラ(6)から供給された蒸気により補充して、予熱水を加熱するものである。(8)は温水タンクで、予熱用熱交換器(4)の予熱水排出側と冷却用熱交換器(5)の冷却水導入側との中間に介在されていて、温水を一時貯留するためのものである。
【0031】
なお、温水加熱器(7)においては、蒸気ボイラ(6)からの蒸気により予熱用温水が加熱されるが、これにより生じるドレン水は、給水ユニット(9)に送られて、この給水ユニット(9)からポンプ(16)によって蒸気ボイラ(6)に戻される。また給水ユニット(9)には、適宜、補給水が給水されるものである。
【0032】
これによって、沈殿槽(2)からの汚泥混合液を汚泥可溶化槽(3)へ導くときの汚泥混合液の加熱、および汚泥可溶化槽(3)から曝気槽(1)へ返送(再導入)するときの汚泥混合液の冷却が、それぞれ効率よく行なわれ、結果として外部からの投入熱量を低減することができる。
【0033】
なお、これらの予熱用熱交換器および冷却用熱交換器としては、例えば2重管式熱交換器あるいはシェルアンドチューブ式の熱交換器のような汎用熱交換器でも使用が可能となり、その場合、管内に汚泥混合液を通すことにより、汚泥混合液の流れがスムーズで、かつ均一となり、流速が大となって、汚泥が詰まりにくい。また仮に、管内に汚泥が詰まった場合でも、洗浄により清掃が容易である。一方、シェルアンドチューブ式の熱交換器の胴側には、清缶剤、脱酸剤等を加えた脱イオン水よりなる清浄剤を冷却水として通すのが、好ましい。
【0034】
【実施例】
実施例
つぎに、上記図1に示す装置を用いて実施した本発明の具体的な実験例について説明する。
【0035】
まず、曝気槽(1)に、有機性物質を含む20℃の原排水を、排水供給ポンプ(11)によって導入した。この曝気槽(1)において生物学的処理を行なうことにより、排水中の有機物を除去する。そして、曝気槽(1)からの汚泥混合液を汚泥沈殿槽(2)に導入した。また、汚泥沈殿槽(2)の上澄み水を処理水として引抜きポンプ(12)によって排出した。
【0036】
一方、汚泥沈殿槽(2)の底部からの汚泥混合液の残部を、流送ポンプ(15)によって汚泥可溶化槽(3)に導いた。汚泥可溶化槽(3)での加熱温度は90℃、加熱時間は5時間、汚泥混合液のpHは7の条件で実施し、この汚泥可溶化槽(3)において、汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させる可溶化処理を行なった。
【0037】
なお、汚泥沈殿槽(2)の底部から取り出した汚泥混合液の温度は20℃であり、シェルアンドチューブ式の予熱用熱交換器(4)から汚泥可溶化槽(3)に導入する汚泥混合液の温度は80℃とした。
【0038】
ついで、汚泥可溶化槽(3)において可溶化処理された汚泥を含む汚泥混合液を、曝気槽(1)に再導入して、可溶化処理された汚泥と、有機性原排水中の有機物とを同時に生物学的処理した。
【0039】
なお、汚泥可溶化槽(3)において可溶化処理された汚泥を含む汚泥混合液の温度は90℃であり、シェルアンドチューブ式の冷却用熱交換器(5)から曝気槽(1)に再導入する汚泥混合液の温度は40℃とした。
【0040】
すなわち、本発明では、冷却用熱交換器(5)において可溶化汚泥の冷却に使用されて温度が上昇した80℃の温水を、温水加熱器(7)において蒸気ボイラ(6)からの蒸気により90℃に加熱した後、これを予熱用熱交換器(4)に循環してその保有する熱を汚泥混合液の予熱に使用する。そして、予熱によって温度が低下した30℃の水を、再び冷却用熱交換器(5)に循環して冷却水として使用しており、2つの熱交換器(4)(5)を使って、その間に温水を循環させることよって、効率的に汚れや詰まりを防止しながら、汚泥の熱回収・冷却と予熱を効率よく行なうものである。
【0041】
比較例
汚泥可溶化槽(3)を設置せず、従来の曝気槽(1)を用いて、実施例と同じ操作を行なった。
【0042】
性能評価
実施例および比較例において、曝気槽(1)内のMLSS(汚泥濃度)の経時変化をそれぞれ測定した。得られた測定結果を図2に示す。実施例および比較例ともに系外への余剰汚泥の引き抜きは実施していない。
【0043】
上記図2から明らかなように、汚泥濃度は比較例では上昇しているのに対し、本発明の実施例ではほとんど変化がなく、これは曝気槽(1)内の有機物である余剰汚泥が減容化され、結果として汚泥の有機物含量が低下しているためである。
【0044】
このように、本発明の実施例によれば、既存の活性汚泥処理施設に、汚泥減容化装置を組み込み、余剰汚泥の発生を抑制することができた。
【0045】
また、本発明の実施例においては、冷却用熱交換器(5)において可溶化汚泥の冷却に使用されて温度が80℃に上昇した温水を、予熱用熱交換器(4)に循環してその保有する熱を予熱に使用し、これによって温度が30℃に低下した水を再び冷却用熱交換器(5)に循環して冷却水として使用するもので、2つの熱交換器を使って、その間に温水を循環させることよって、効率的に汚れや詰まりを防止しながら、汚泥の熱回収・冷却と予熱を効率よく行なうものであり、従って、予熱水は、20℃昇温相当熱量を必要とするのみである。これに対し、汚泥沈殿槽(2)の底部から汚泥可溶化槽(3)に導いた20℃の汚泥混合液を、例えば蒸気ボイラ(6)からの蒸気により直接90℃に加熱する場合には、70℃昇温相当熱量を必要とし、本発明の実施例によれば、必要熱量が71%減少するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の排水処理方法の実施形態を示すフローシートである。
【図2】 図1に示す装置を用いて実施した具体的な実験例の結果を示し、曝気槽内のMLSS(汚泥濃度)の経時変化を表すグラフである。
【符号の説明】
1:曝気槽
2:汚泥沈殿槽
3:汚泥可溶化槽
4:予熱用熱交換器
5:冷却用熱交換器
6:蒸気ボイラ
7:温水加熱器
8:温水タンク
9:給水ユニット
Claims (1)
- 有機性排水を曝気槽(1)に導入して生物学的処理を行なうことにより、排水中の有機物を除去し、曝気槽(1)からの汚泥混合液を汚泥沈殿槽(2)に導入し、ついで汚泥沈殿槽(2)の上澄み水を処理水として排出するとともに、汚泥沈殿槽(2)の底部から汚泥を含む汚泥混合液を取り出して、汚泥混合液の所要部分を曝気槽(1)に返送する一方、汚泥混合液の残部を汚泥可溶化槽(3)に導き、そこで汚泥混合液を加熱して、汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させる可溶化処理を行ない、ついで可溶化処理された汚泥を含む汚泥混合液を曝気槽(1)に再導入して、可溶化処理された汚泥と有機性排水中の有機物とを同時に生物学的処理する排水処理方法において、
汚泥沈殿槽(2)の底部から取り出した汚泥混合液を、予熱用熱交換器(4)を介して汚泥可溶化槽(3)に導き、この汚泥可溶化槽(3)に導く汚泥混合液のpHは7〜10の中性からアルカリ性に調整して操作し、汚泥可溶化槽(3)において可溶化処理された汚泥を含む汚泥混合液は、冷却用熱交換器(5)を介して曝気槽(1)に再導入し、この汚泥可溶化槽(3)から排出された汚泥混合液のpHは5〜8に調整した後に、曝気槽(1)へ返送し、冷却用熱交換器(5)において可溶化汚泥の冷却に使用されて温度が上昇した温水を、予熱用熱交換器(4)に循環してその保有する熱を予熱に使用し、これによって温度が低下した水を再び冷却用熱交換器(5)に循環して冷却水として使用し、汚泥可溶化槽(3)において汚泥沈殿槽(2)からの汚泥混合液の加熱に足りない熱を、蒸気ボイラ(6)から蒸気を供給して直接加熱し、冷却用熱交換器(5)の冷却水排出側と予熱用熱交換器(4)の予熱水導入側との中間に温水加熱器(7)が介在されており、循環冷却用熱交換器(5)において可溶化汚泥の冷却に使用されて温度が上昇した温水を予熱用熱交換器(4)に循環させるさい、温水加熱器(7)において足りない熱を蒸気ボイラ(6)から供給された蒸気により補充して、予熱水を加熱し、予熱用熱交換器(4)の予熱水排出側と冷却用熱交換器(5)の冷却水導入側との中間に温水タンク(8)が介在されていて、この温水タンク(8)によって温水を一時貯留し、温水加熱器(7)においては、蒸気ボイラ(6)からの蒸気により予熱用温水が加熱されるが、これにより生じるドレン水は、給水ユニット(9)に送られて、この給水ユニット(9)から蒸気ボイラ(6)に戻されることを特徴とする、排水処理方法。
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