JP3911505B2 - 円形フライヤー - Google Patents
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Description
(1)揚げ上がった食材の美観が損なわれないこと。例えば、本体となる食材の周囲に別の食材がまぶしてあるような食品(ゴマ団子など)を、油槽から引き揚げてバットなどに収容する際に、食品に衝撃を加えると、まぶされている食材(ゴマ)が本体(団子)から剥がれ落ちてしまうことがある。このため、揚げ上がった食材を取り出す際に、食材にできるだけ衝撃を与えないようにする必要がある。
(2)エプロンコンベアを昇降式として揚がった食材を押し上げる方式の場合、エプロンコンベアの動作をできるだけスムーズとし、小さい動力で円滑に動くようにしたい。
(3)調理時及びメンテナンス時の作業性、安全性を向上させる。
(4)油量ができるだけ少ないこと。また、油を所定の単位ごと(例えば、18リットル単位で缶に入れられている業務用油の場合は、18リットル又はその半分の9リットル単位)で交換できるようにしたい。
なお、略円形の油槽とは、平面形状の一部が欠けた円形や、楕円形を含む。また、多少の凹凸があってもよい。
このような機構により、シャフトの回転運動を利用して送り羽根の昇降運動をも行わせることができる。そのため、送り羽根の昇降用の別の駆動源が不要になり、送り羽根昇降機構をシンプルにできる。そして、送り羽根をボスの中心に設けたスロープに沿ってガイドさせることにより、送り羽根の下端をスロープに沿わせてガイドさせる場合に比べて、駆動トルクを小さくでき、エプロンコンベアの動きをスムーズにできる。
前記油槽の終端部から前記取り出し部にかけて形成されたスロープ上に、油槽から前記取り出し部に向けて徐々に上がる油切り板を設置すると、揚げ上がった食材の油切りを促進できる。
揚げ上がった食材は、油切り板の上端から連続して下方に傾斜する受け網上に移動するため、食材に衝撃を加えずに油槽から取り出すことができる。
ヒーターを油槽の底板から所定の間隔を開けて配置することにより、ヒーターの下方の油の加熱が抑えられる。このため、底板まで沈んだ油かすが加熱されて焦げるようなことがなく、焦げの臭いや色が油に移ることを防ぐことができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る円形フライヤーの全体の構造を示す図である。
フライヤー1は、四角い箱状の本体10を有し、同本体10には、油を溜める油槽20と、揚げ上がった食材が取り出される取り出し部70が設けられている。そして、油槽20内及び取り出し部70上には、食材を送るエプロンコンベア40が設置されている。また、油槽20には、油槽内の油を加熱するヒーター(図1には図示されず、図2の符号25)が配置されている。
図2は、本体の平面図である。
図3は、油槽内における食材摺動網や油切り板の配置状態を示す平面図である。
図4は、油槽終端部の構造を説明する図であり、図4(A)は、油槽終端部を周方向に見た状態を模式的に示す側面図であり、図4(B)は油切り板の平面図である。
図5は、フライヤー組立体としての側面断面図である。
このように、油槽20の一部が切り欠かれて食材取り出し部70を設けたことと、油槽20の中央にボス21を設けたことにより、油槽20の貯油量を少なくできる。
この例では、本体10の幅は650mm、奥行きは650mm、高さは400mmである。
なお、油槽20の始端部23cに、油かすを溜めるための、底板平坦部23aより低いくぼみを設けてもよい。
また、油槽20の底壁23には、油抜き用の配管15が接続している。
以下の例では、加熱手段に電気ヒーターを用いる例について説明するが、加熱手段としては、他にIHヒーターやガスバーナーを使用できる。
図6は、エプロンコンベアを説明する図であり、図6(A)はエプロンコンベアの全体を示す斜視図であり、図6(B)はシャフトの平面図である。
図7は、エプロンコンベアの平面図である。
エプロンコンベア40は、ボス21の中心の周りに回転するシャフト41と、同シャフト41に取り外し可能に保持される複数(この例では8個)の送り羽根51と、この送り羽根51を油槽20の底板スロープ部23bで上昇させ油槽20の始端部23cで油槽20内に下降させる昇降機構とを有する。
送り羽根51は、横長の長方形状のエプロン板53を有する。このエプロン板53は、例えば、複数の正方形の孔(寸法は一例で7mm×7mm)が格子状に開けられたパンチングプレートを使用できる。エプロン板53の寸法は、高さが油槽20の有効調理深さ以上であり、幅は、油槽20の幅(後述するボスカバー部61aの外周面と油槽20の外周壁との間)よりやや狭い。エプロン板53の下端53aは、エプロンコンベア40の進行方向に湾曲している。
シャフト41がモータ47で駆動されて図6の反時計方向に回転すると、各送り羽根51はシャフト41を中心にして図6の反時計方向に回転する。各送り羽根51は、シャフト41のスリット43内を上下方向に摺動可能に保持されているため、シャフト43が回転すると、スポークバー55の下横バー59は、シャフトカバー部61bのガイドスロープ63にガイドされてスリット43内を上方に移動しながらシャフト41の回りを旋回する。そして、上述のように、エプロン板53は、油槽20内においては、油槽20に浸され、かつ、同板の下端53aが食材摺動板31及び油切り板35の上面に沿って(ただし、1〜2mmのスキマはある)移動する。これにより、油槽中を浮いている食材や、食材摺動板31まで沈んだ食材もエプロン板53で搬送される。また、エプロン板53は、食材取り出し部70においては、同部に置かれたバット71の上方を移動しているため、バット71に収容されている、揚げ上がった食材に引っ掛かからない。
油槽20には、有効調理深さ(この例では55mm)まで油が入れられる。油槽20は、上述のような構造であるため、必要な油の量を9リットル程度まで減らすことができる。油槽20中の油は、電気ヒーター25により、所定の温度(約180℃)に加熱される。なお、電気ヒーター25は、油槽20の底板23から約15mm上方に配置されているため、同ヒーター25より下方の油は所定温度まで加熱されず、所定温度が180℃の場合で、約50〜60℃である。このため、食材摺動網31を通過して底板23上に沈んだ油かすが加熱されて焦げることがなく、焦げの臭いや色が油に移ることを防いでいる。
このように、このフライヤー1においては、食材を投入する位置と取り出す位置が隣接しているため、調理者が大きく動く必要がない。
図9は、油槽清掃時の状態を示す斜視図である。
清掃する際は、まず、油槽20内の油を配管15(図1参照)から抜く。そして、シャフト41のキャップ45を外して、各送り羽根51をシャフト41から取り外した後、昇降ガイド筒61をボス21及びシャフト41から取り外す。そして、シャフト41の上端にハンガー部材80を被せる。ハンガー部材80には、ヒーター25を引っ掛けるための複数のフック81が形成されている。ヒーター25をボス21の縁から取り外して、ハンガー部材80のフック81に引っ掛ける。このとき、ヒーター25の加熱部が油槽20の底壁23から最低100mm以上持ち上げられると、油槽20の清掃を行いやすい。
11 段部 13 ガード部材
15 配管
20 油槽 21 ボス
23 底壁 25 電気ヒーター
31 食材摺動網 35 油切り板
36 リブ 37 孔
40 エプロンコンベア 41 シャフト
43 スリット 45 キャップ
47 モーター 51 送り羽根
53 エプロン板 55 スポークバー
57 縦バー 59 横バー
61 昇降ガイド筒 63 ガイドスロープ
70 食材取り出し部 71 バット
73 受け網 80 ハンガー部材
81 フック
Claims (5)
- 食材を揚げる油を溜める、平面形状が一部切欠かれた略円形の油槽と、
該油槽の円形の切欠かれた部分に設けられた、揚げ上がった食材の取り出し部と、
該油槽内の油を加熱する手段と、
該油槽内で、前記食材を送りながら回転運動する送り羽根を有するエプロンコンベアと、
を具備する円形フライヤーであって、
前記油槽の終端部から前記取り出し部にかけて、揚げ上がった食材が油槽から徐々に上がるスロープが形成されており、
前記油槽の中央部には、前記送り羽根の回転運動機構、及び、前記送り羽根を前記スロープで上昇させ前記油槽の始端部で該油槽内に下降させる昇降機構、を収容する略円筒形のボスが立設されていることを特徴とする円形フライヤー。 - 前記エプロンコンベアが、前記送り羽根のエプロン板に接続され前記ボスにまで延びるスポークバーを有し、
前記コンベア回転運動機構及び昇降機構が、
前記スポークバーのボス側の端部が上下方向摺動可能にスライド嵌合されるスリットが形成されたシャフトと、
前記シャフトの外周に沿って配設された、前記送り羽根を前記油槽のスロープで上昇させるとともに前記油槽の始端部で下降させるように、前記スポークバーをガイドするスロープが形成された昇降ガイド筒と、
前記シャフトを回転運動させる手段と、を有し、
前記シャフトの回転により、前記スポークバーは前記ガイドスロープによってガイドされて前記シャフトのスリット内を上下方向に摺動しながら前記シャフトの周りを回転昇降することを特徴とする請求項1記載の円形フライヤー。 - 前記油槽の底板上に載置された食材摺動網と、
前記油槽の終端部から前記取り出し部にかけて該油槽の底が徐々に上がるように形成されたスロープ上に載置された、油槽から前記取り出し部に向けて徐々に上がる油切り板と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の円形フライヤー。 - 前記食材取り出し部に、該取り出し部の入口から前記エプロンコンベアの進行方向に向けて斜め下方向に傾斜する、揚げ上がった食材が滑り落ちる受け網が設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の円形フライヤー。
- 前記油加熱手段が、電気ヒーターであって、
該電気ヒーターが前記油槽から上に取り出した後に、前記シャフトに一時的に保持できるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の円形フライヤー。
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