JP3911290B2 - エアゾールを含む麻酔用処方 - Google Patents
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Description
本発明は一般的に、痛み緩和に用いられる麻酔用製剤に関する。更に特定すると本発明は、患者に麻酔薬を吸入投与する際に有用とされる低沸点の放出推進剤中に麻酔薬を配合した製剤に関する。
発明の背景
麻酔治療は痛み緩和の頼みの綱である。麻酔薬は、手術後またはその他の状態で急性の痛みや慢性の痛みを伴っている患者に多様な形態で投与することができる。最も古い麻酔薬の一つであるモルヒネは、錠剤としてまたは注射薬として投与するために利用可能である。合成麻酔薬であるフェンタニルは1960年にPaul Janssenにより初めて合成され、それはモルヒネよりも150倍の作用を持つことが見いだされた[Theodore Stanley, "The History and Development of the Fentanyl Series," Journal of Pain and Symptom Management(1992)7:3(suppl.), S3-S7参照]。フェンタニルならびにその誘導体であるサフェンタニル(sufentanil)及びアルフェンタニル(alfentanil)は、注射による投与に利用できる。さらにフェンタニルは、皮膚貼着剤の形で経皮輸送系による投与に利用することもできる。[Duragesic(登録商標)(フェンタニル経皮系)パッケージインサート、Janssen Pharmaceutica, Piscataway, NJ 08855, Jan-Jun 1991参照]。
合成麻酔薬であるフェンタニルの特徴は、モルヒネよりも迅速に効き始め、またその作用時間が短いことである。このためフェンタニルは、急性の痛みを緩和するのに有用な薬物とされる。現在ではフェンタニルは、典型的には急性の痛みを緩和する目的で静脈内注射により投与される。フェンタニルは経皮用貼着剤としても投与することができるが、フェンタニルの経皮吸収は、その薬物を長期間投与できるように設計されているのであって、短期間の作用として急速にピークのレベルにまで達することはない。
麻酔薬のための注射による投与に代わる方法として、吸入による投与がある。モルヒネ[J. Chrusbasik et al., "Absorption and Bioavailability of Nebulized Morphine," Br. J. Anaesth.(1988)61, 228-30参照]、フェンタニル[M. H. Worsley et al., "Inhaled Fentanyl as a Method of Analgesia, "Anaesthesia(1990)45, 449-51参照]、及びサフェンタニル[A. B. Jaffe et al., "Rats Self-administer Sufentanil in Aerosol Form", Psychopharmacology,(1989)99, 289-93参照]は、エアゾールとして肺に投与できることが示されている。Worsleyによって記述された試験的な研究では、「吸入したフェンタニルは、更なる研究に値する効果的で安全性のある、簡便な無痛法である。」ことを示唆していた。
効力の強い合成麻酔薬のエアゾールの吸入は、速効性ボーラス麻酔剤の非侵襲性投与の機構を提供する。麻酔薬の調節された静脈内注入に要求に応じてボーラス麻酔剤を併用することは、「患者の無痛覚調節(patient-contorolled analgesia:PCA)」といわれ、手術後の痛みを緩和する極めて有効な手段であることがわかっている。
要求無痛法は1968年、Schetzerによって最初に導入され、手術後の患者を治療するのに効果的な機構となることを明らかにした[Maureen Smythe, "Patient-Controlled Analgesia: A Review," Pharmacotherapy(1992), 12:2, 132-43参照]。患者の無痛覚調節を利用する以前は、手術後の痛みを緩和するための手法は、間欠的に麻酔薬を筋肉内注射することよりなっていた。患者が痛みを感じ、その時配置していなくてはならない看護婦を呼んで投与ために薬物をベッドサイドに運んでくるという繰り返しを行っていては、手術後の痛み緩和が最適状態にならない[Phillip Shade, "Patient-controlled Analgesia: Can Client Education Improve Outcomes?," Journal of Advanced Nursing(1992)17, 408-13参照]。
間欠的に麻酔薬投与することによる手術後の痛みの緩和法は、アメリカ合衆国で毎年2100万以上の外科手術を受ける患者の多くにとって、あまり効果的でない痛みの緩和法であることがわかっている[John Camp, "Patient-Controlled Analgesia," AFP(1991), 2145-2150参照]。かりにすべての患者が確実に手術後に一定量の麻酔薬を実際に受けたとしても、治療用麻酔薬の薬物動態データの調査から、患者の違いによって、例えば基本的に健全でない潜在的に危険な方法となることがわかっている[L. E. Mather, "Pharmacokinetics and Patient-Controlled Analgesia," Acta Anaesthesiologica Belgica(1992)43:1, 5-20参照]。
静脈内での患者の無痛覚調節を自動的に行わせる最初の商業化された装置は、1970年代中頃にWales社より開発された。この装置、即ちCardiff Palliator(Graesby Medical Limited, United Kingdom)は、現在利用されている数多くのコンピュータ制御の患者無痛覚調節用静脈内ポンプ[Elizabeth Ryder, "All about Patient-Controlled Analgesia," Journal of Intravenous Nursing(1991)14, 372-81]の前型である。これらのコンピュータ制御の静脈内麻酔薬注入用ポンプを利用する研究により、患者の要求に応じて投与される麻酔薬が、これらの薬物を間欠的に筋肉内投与する場合に比較して少ない用量で優れた痛み除去効果を示すことがわかった[Morton Rosenburg, "Patient-Controlled Analgesia," J. Oral Maxillofac Surg(1992)50, 386-89参照]。
これらのコンピュータ制御のポンプは通常、次の4つの異なるパラメーターについてプログラムできるようになっている。即ち1)基本となる静脈内麻酔薬注入速度、2)個々の患者に応じて供給されるボーラス麻酔剤、3)一時間ごとの麻酔薬の最大許容総量、及び4)投薬間の締め出し間隔である。静脈内のフェンタニルを用いて手術後の痛みを緩和する典型的なプログラムでは、基本となる注入速度は20μg/hr、ボーラス薬の要求用量は20μg、時間毎の最大用量は180μg、そして投薬間の締め出し間隔は5分である。30人の患者について静脈内のフェンタニルを用いて患者の無痛覚調節を行い、手術後の痛みを処置した研究において、それら一群の患者の研究で痛みの除去を達成するのに必要とされる血中のフェンタニルの最小有効濃度(MEC)は、0.23〜1.18ng/mlの範囲内であることがわかった。2ng/mlのフェンタニル血中濃度が呼吸速度を抑制するために通常必要とされることを示す公表されたデータと一致する当研究において、臨床上有意な呼吸抑制は見られなかった[Geoffrey Gourlay et al., "Fentanyl Blood Concentration−Analgesic Response Relationship in the treatment of Postoperative Pain," Anesth Analg(1988)67, 329-37参照]。
痛み緩和のための麻酔薬の投与は、過剰量の麻酔薬が呼吸抑制などの合併症を引き起こすため、潜在的に危険性がある。患者の呼吸速度は麻酔薬の投与によって低下する。呼吸速度の低下は、呼吸の一回換気量の変化とは関係がないであろう[Miller, Anesthesia(2nd ed), Churchill Livingston, I, 762参照]。コンピュータ制御の患者無痛覚調節用静脈内注入ポンプで用いられる4つのプログラム可能なパラメーターは、麻酔薬が過剰量になる見込みを最小にするように選択される。好ましい手法では、かなり低い速度に基本となる注入速度をセットし、患者が追加の薬物を自己投与するために一回量の要求ボタンを押す回数に基づいてこの注入速度が上昇する。
患者自身のみが要求ボタンを押すのであれば、呼吸抑制は起こらない。しかしながら、例えば患者が眠っている間などに患者の家族や友人が麻酔薬要求ボタンを押す場合があるとの報告がある[Robert Rapp et al., "Patient-Controlled Analgesia: A Review of the Effectiveness of Therapy and an Evaluation of Currently Available Devices, "DICP, The Annals fo Pharmacotherapy(1989)23, 899-9040参照]。
現在、静脈内注入用ポンプを用いて行わなければならないことが、患者の無痛覚調節の持つ問題点である。このため、埋め込みカテーテルが患者の静脈内に位置づけられる必要があり、また静脈内に麻酔薬の基本的な注入を行い、そして患者の薬物に対する必要性の変化に適合するように、要求に基づいた自己投与量の追加の麻酔薬を間欠的に投与できるように、患者が常にかなり大きいシステムを運搬することが必要となる。腕時計のようなインターフェースを組み入れた携帯用のPCA装置がこれまでに開示されている[D. J. Rowbotham, "A Disposable Device for Patient-Controlled Analgesia with Fentanyl," Anaesthesia(1989)44, 922-24参照]。このシステムには、コンピュータ制御されたプログラム可能なPCA注入ポンプの特徴のいくつか、例えば基本の注入速度及び各ボーラスの用量などの特徴が組み入れられている。しかしながら、このシステムには、大きな注入ポンプで用いられているような静脈内用カテーテルが使用されているが、継続して患者に投与されたフェンタニルの実際の用量を正確に記録するための設備は組み入れられていない。
フェンタニルを経皮用貼着剤によって投与することもできるが、この方法では手術後の主要治療として最適状態にできないことがわかっている[K. A. Lehmann et al., "Transdermal Fentanyl for the Treatment of Pain after Major Urological 0perations, Eur. J. Clin Pharmacol(1991)21:17-21参照]。Lehmannは、フェンタニルを経皮的手法で投与した場合の麻酔薬の量は低く、多くの患者で痛みを除去するには不十分であること、また、貼着剤の注入速度の基準線を上げることは患者に重篤な呼吸抑制に陥る危険をもたらす場合があることを明らかにした。更に彼は、そのような合併症が経皮用貼着剤によって麻酔薬を供給することと結び付いて現れた場合、経皮用貼着剤によって形成された「皮膚のフェンタニル貯蔵箇所」がその貼着剤を剥したあとでもなお麻酔薬の吸収を継続させるため、注入を素早く停止させることができないことも明らかにした。
麻酔薬を非侵襲的に投与できる長期間作用可能な製剤、即ち例えば徐放性の経口投与のモルヒネまたはフェンタニル経皮用貼着剤などの製剤と併用してフェンタニルをエアゾールで投与することは、動き回れる患者に麻酔薬を基準線の速度での麻酔薬及び速効性の麻酔薬ボーラスを非侵襲的に投与する手段を提供する。
前述したフェンタニルのエアゾール供給法が持つ問題点は、その薬物を投与するために効率の悪い、大きな噴霧器を用いなくてはならないことである。さらにこれらの噴霧器は、水性溶液中に薬物を入れた開放容器から投与することによって働くもので、通常は蒸気を分散させてしまい、また再生するエアゾール分配がないために投与過剰となる可能性を生じる。またその水相のフェンタニルを盗みだして誤用する可能性、また、直ちに水性の注射製剤にこの調節された物質が無許可に再包装される可能性がある。
今日なされるほとんどの外科手術は歩き回ることのできる患者に対して行われているため、またこれらの患者が病院から迅速に退院することがよくあるため、また患者の無痛覚調節が手術後の痛みの緩和の好ましい手段として位置づけられているため、非侵襲性で歩行可能な患者の無痛覚調節のための安全で効果的な方法を提供することが望まれている。
エアゾール製剤を含むフェンタニルを提供する試みの一つは、1990年7月12日に公表されたWO 90/0733に記載されている。ここではエアゾール組成物を含むフェンタニルを製造する目的で、補助溶剤及び界面活性剤を用いる必要性について開示されている。この界面活性剤はフェンタニルに被膜を作り、またこの補助用材は製剤をつくるために放出推進剤と併用されている。
発明の概要
エアゾール放出推進剤と、フェンタニル、サフェンタニル、及びレミフェンタニルからなる群より選択される麻酔薬の塩基型を含む(そして本質的にこれらだけからなっていてもよい)エアゾール製剤が開示されてる。このような製剤は、その薬物が放出推進剤中に溶解されるているように構成でき、潤滑剤を用いる必要のない装置において用いられる。また、潤沢剤を含む製剤についても開示されており、この場合の潤沢剤及び放出推進剤は両方とも極性であるかまたは両方とも非極性である。したがってこの潤沢剤の成分は溶媒または補助溶剤として作用せず、患者にその製剤を分散させるために用いられるバルブのための潤滑剤として作用する。代表的な非極性の放出推進剤にはクロロフルオロカーボン類があり、それは通常、非極性の潤滑剤である例えば分画されたココナッツ油のような飽和植物油などと組み合わせて用いられる。代表的な極性の放出推進剤にはハイドロフルオロアルカン類があり、それは通常、ポリエチレングリコールなどの極性の潤滑剤と組み合わせて用いられる。
本発明の第1番目の目的は本質的に、放出推進剤とフェンタニル、サフェンタニル、及びレミフェンタニルからなる群より選択された麻酔薬の塩基を持たない型とからなるエアゾール製剤を提供することである。
本発明の特徴は、この製剤が補助溶剤または界面活性剤を含まず、それらを必要としないことにある。
本発明の利点は、容器から麻酔薬を放出するため、また目的とする無痛覚の効果を提供するために必要な最小限の成分のみがこの製剤中に存在していることである。
本発明の他の利点は、この製剤を投与することによって特に速効性の無痛覚の効果を得ることができることである。
もう一つの利点は、この製剤を用いることによって、投与後数秒以内に、歩くことのできる患者に無痛覚の効果をもたらすことができることである。
本発明の他の重要な目的は、放出推進剤と麻酔薬の塩基を持たない型と潤滑剤とから本質的になるエアゾール製剤を提供することである。なおここでの潤滑剤及び放出推進剤は、両方とも極性であるか、または両方とも非極性である。
本発明の他の特徴は、潤滑剤を含まない製剤を装置から分散させることにある。この装置におけるバルブは潤滑剤を必要としないものであるが、潤滑剤を含む製剤であればどのようなタイプのバルブからも分散させることができる。
本発明の製剤の他の利点は、麻酔薬を放出推進剤に、界面活性剤または補助溶剤を用いることなく溶解しても粒子の凝集を含まない製剤を形成できることである。
本発明にかかるこれら又はその他の目的、利点、及び特徴、図面と組み合わせで本開示を参照することにより当業者に明らかとなろう。なお図面において、同じ数字は同じ構成要素を一貫して示している。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明で得られるフェンタニルの血漿レベルを、時間に対してプロットした実験結果を示すグラフである。
好適な態様の詳細な説明
本発明に関連して用いられる痛み緩和で使用されるこの製剤が開示される前に、本発明が記述された特定の方法論、装置類及び製剤に限定されるわけではないこと、即ち方法、装置、及び製剤を当然さまざまに変化させ得ることを理解すべきである。また本明細書で用いられる用語は、特定の態様だけを記述する目的のために用いられるものであって、本発明の範囲を限定する意向はなく、即ち本発明は添付の請求の範囲によってのみ限定されることも理解すべきである。
本明細書及び添付の請求の範囲で用いられているように、単数形式の「一つの」、「一個の」及び「その」(「a」、「an」、及び「the」)という用語は、他の方法でその内容がはっきりと指示されない限り複数の指示対象を含むことを認めなくてはならない。したがって例えば、「一つの製剤」に関連する製剤には異なる製剤の混合物が含まれ、「一つの拮抗薬」に関連する拮抗薬には複数個のそのような化合物が含まれ、また「その治療法」に関連する治療法には当業者に知られている同等の工程及び同等の方法に関連する方法が含まれる。
他で定義されない限り、本明細書で用いられている全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術に通常の知識を有する人により普通に理解されているのと同じ意味を持っている。本明細書に記述されている方法及び材料と同じかまたは等価の何らかの方法及び材料を、本発明を実施する際または試験する際に用いることができるが、好ましい方法及び材料が本明細書には記載されている。本明細書に挙げた全ての刊行物は、特殊な情報を説明し開示するための参照文献として本明細書明細書に組み入れられ、この参照文献は特殊な情報との関連付けて引用された。
「無痛覚薬(analgesic drug)」及び「麻酔薬(narcotic drug)」という用語は本明細書では相互変換可能に用いられており、フェンタニル、サフェンタニル、及びレミフェンタニルからなる群より選択された薬物の塩基を持たない型を意味すると解釈できる。
例えば「放出用推進剤(propellant)」、「エアゾール放出用推進剤(aerosol propellant)」、「低沸点の放出用推進剤」、及びそれに類似の用語は、化合物を圧力をかけて液体状にする計測用量吸入器と併用して一般的に用いられる化合物(たいていは通常の大気圧及び温度で気体である)を説明するために本明細書においては相互変換可能に用いられており、クロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類、ヒドロクロロフルオロカーボン類、ヒドロクロロカーボン類、ヒドロカーボン類、及びヒドロカーボンエーテル類を含んでいる。
「だけから本質的になる」という用語は、本明細書においては製剤の成分を説明するために用いられており、それは製剤が列挙した特定の成分を含むとともに0.05重量%以下の内在的に添加された他の成分を含むこと、またその製剤が0.05重量%以下の量で少量の許容可能なレベルの混入成分を含んでいてもよいことを意味している。この用語は、例えば(これらの通常の機能のために添加される)薬物及び/または分散した薬物粒子を溶解するために添加することのできる補助溶剤及び/または界面活性剤などのような、内在的に添加された成分は除外する。本発明の製剤は本質的に放出推進剤、薬物、及び潤滑剤だけからなっていてもよく、この際の潤滑剤及び放出推進剤は両方とも極性であるかまたは両方とも非極性のいずれかである。
「極性」及び「非極性」という用語は、一つの化合物を他の化合物と比較した機能的な特徴を説明するため、特に放出推進剤に比較した潤滑剤の溶解性の特徴を定義するために本明細書では用いられている。極性の潤滑剤は極性の放出推進剤に加えられ、また非極性の潤滑剤は非極性の放出推進剤に加えられる。極性の潤滑剤は容易に極性の放出推進剤に溶解し、また非極性の潤滑剤は容易に非極性の放出推進剤に溶解する。しかしながら極性の潤滑剤は、極性の潤滑剤における麻酔薬の溶解度に何の影響も、または何の意味のある影響も与えない。さらに、非極性の潤滑剤は、非極性の潤滑剤における麻酔薬の溶解度に何の影響も、または何の意味のある影響も与えない。したがって潤滑剤は、バルブに潤滑性をもたらすためにだけ添加されるのであって、製剤中で補助溶剤または界面活性剤として作用せず、放出推進剤に対する麻酔薬の溶解性にどのような影響も、またはどのような意味のある影響も与えることはない。潤滑剤及び放出推進剤のような化合物の溶解性は、それらの化合物の極性によってほぼ決定される。非極性または弱い極性の潤滑剤は、非極性または弱い極性の放出推進剤溶媒に溶解する。高い極性の潤滑剤は高い極性の放出推進剤溶媒に溶解する。したがって似たものが似たものに溶解する。潤滑剤を放出推進剤に添加する場合、その潤滑剤及び放出推進剤の両者は同じ極性または充分に似た極性(両方とも極性であるかまたは両方とも非極性である)を備えているため、潤滑剤は補助溶剤、分散剤、または界面活性剤として機能しない。したがって潤滑剤には、放出推進剤への麻酔薬の溶解性に対して何の効果もない及び/または無視してもよい効果がある。極性を厳密に決定する従来法に従うと、負電価中心が正電価中心と同時に存在しない場合に分子が極性を持つ。本発明者らの決定法はこの厳密な従来の決定法を否定しているわけではないが、本発明者らは、放出推進剤に対する麻酔薬の溶解度に何らかのまたは何らかの意味のある影響を与えることなく極性の潤滑剤が極性の放出推進剤に溶解することを示すべく詳述した。例えば潤滑剤は、放出推進剤に対する麻酔薬の溶解度に20%またはそれ以下の影響、好ましくは10%またはそれ以下の影響、そして最も好ましくは0%の影響しか持たない。
一般的な製剤
開示したエアゾール製剤は溶液であって懸濁液ではなく、それらの製剤は低沸点の放出推進剤及び塩基を持たない型の麻酔薬だけから本質的になる。麻酔薬はフェンタニル、サフェンタニル、またはレミフェンタニルから選択された薬物の薬剤学的に純粋な塩基を持たない型である。
放出推進剤及び薬物だけからなる製剤は、潤滑剤を必要としないバルブを備えた装置と組み合わせて用いられる。本発明の他の製剤では、かなり少量の、例えば0.01重量%〜0.5重量%の範囲内の量の潤滑剤を含んでいる。潤滑剤が用いられている場合、その潤滑剤及び放出推進剤は両方とも極性であるかまたは両方とも非極性である。したがって潤滑剤はこの製剤中で補助溶剤または界面活性剤として機能しない。
特定の低沸点放出推進剤が、本発明の製剤を生成するにあたって特に有用であることが見いだされた。これらの放出推進剤は、次の構造式に示すとおりである。
麻酔薬の成分は乾燥粉末として放出推進剤の成分に添加される。この乾燥粉末は、溶解して放出推進剤の溶液を形成する粒子を含んでいる。麻酔薬成分は、製剤(溶液)中に最大5重量%の割合で含まれている。ただし重量割合では0.5%の量で通常は含まれており、また製剤全体の容積、即ち放出推進剤及び麻酔薬を組み合わせた容積に対しては、それより少ない割合で通常は含まれている。一般的に言うと、麻酔薬は容積割合で約0.5%〜0.01%の量で製剤中に含まれている。
麻酔薬は放出推進剤とともに、計測用量吸入器(MDIs)に連結して通常用いられるタイプの加圧エアゾール吸入器の容器に内蔵される。この容器は、製剤の計測した用量を開口部から放出させるバルブを備えている。製剤中に放出された放出推進剤が「一瞬で開放されて(フラッシュして)」、ほとんどガス状になる場合に、少量の過冷された放出推進剤及び麻酔薬の粒子とが放たれる。放出推進剤の残りは肺の方に移動するように蒸発して粒子だけが患者に供給される。
この製剤は有効量の補助溶剤及び/または界面活性剤を含んでいない。ここで補助溶剤や界面活性剤の有効量とは、補助溶剤が放出推進剤溶媒に薬物を溶解させる能力に影響を与える可能性のある量または影響を与える量、及び/または粒子を均一に分散して混合する量である。何らかの補助溶剤及び/または界面活性剤を用いなくても麻酔薬が均一に放出推進剤に溶解するような製剤を形成する能力は、本発明の特に重要な目的である。そこで以下に、更に説明を行う。
本発明の製剤が放出推進剤だけを含んでいて、溶媒または界面活性剤を含まない場合、この製剤は潤滑剤を必要としないバルブと組み合わせて用いられる。このようなバルブの一例は、Bespak社より商業的に入手できるBK 357である。このバルブは、クロロフルオロカーボン類、ヒドロフルオロカーボン類、134a、及びヒドロフルオロカーボン類とエタノールとの混合物などのさまざまな従来の放出推進剤を用いている、従来の用量計測吸入器から放出される薬物の用量を繰り返し計測するために用いられることがわかっている。バルブ技術分野の当業者であれば、ここに溶解する放出推進剤及び薬物だけを含有する本発明の製剤を他のバルブ、即ち、潤滑剤を用いないで作動できるように設計され製造されたバルブと組み合わせて用いることが可能であることがわかるであろう。フェンタニルクエン酸塩のような薬物の塩が補助溶剤及び/または界面活性剤を使用することなく放出推進剤に配合されている場合、得られた製剤は従来の用量計測吸入器で本質的に用いることのできないような明らかに薬物が凝集した粒子からなる懸濁液を形成することが指摘される。しかしながら本明細書に記載された製剤によりこの薬物の塩基型を用いることによって、薬物が放出推進剤に溶解している製剤を得ることができる。
界面活性成分を界面活性剤として作用させるためには、極成分子を非極性溶媒と組み合わせて用いればよいことがわかっている。例えば、従来の石鹸に含まれる極成分子は、油に含まれる非極性分子に対して界面活性剤として作用する。この従来の考え方に基づけば、放出推進剤溶媒が非極性である場合には従来の製剤には極性の界面活性剤及び/または補助溶剤が用いられるであろう。これとは別に、放出推進剤が極性である場合には、界面活性剤及び/または補助溶剤には非極性のものが用いられる。したがって従来の製剤は、放出推進剤を薬物と混合する従来の効果を得るために溶媒及び/または界面活性剤を用いており、それによって薬物粒子の凝集を減少させ、従来の用量計測吸入装置から分散させることが可能なより均一な製剤を提供する。
本発明の製剤は界面活性剤及び/または補助溶剤を用いる必要がない。しかしながら製剤が潤滑剤を必要とするバルブを用いるべきであるならば、その製剤中に潤滑剤が含まれていなくてはならない。添加された潤滑剤は、補助溶剤及び/または界面活性剤として添加されているのではない。特定して言うと、製剤が非極性の放出推進剤、例えばクロロフルオロカーボンのような放出推進剤を含んでいるのであれば、潤滑剤も非極性のものが用いられる。したがって非極性の潤滑剤は、従来の界面活性剤及び/または補助溶剤として作用しない。非極性の放出推進剤と共に用いられるべきこのような非極性の潤滑剤の例としては、飽和の植物油が挙げられる。それは例えば、ミグリオール(Miglyol)812、829及び840として商業的に入手できる一連の分画されたココナッツ油である。潤滑剤として従来より用いられているこの他の植物油及び/またはああ非極性分子も、非極性の放出推進剤が製剤に用いられているのであれば、この製剤中に含有させることができる。
本発明の製剤が例えばハイドロフルオロアルカン(HFA)のような極性放出推進剤を用いて調製されていて、その製剤が潤滑剤を必要とするバルブを備えた装置において用いられる場合には、この製剤はポリエチレングリコールのような極性の潤滑剤、例えばPEG 100、200、300、400、600、1000、及び1500として入手できる潤滑剤を含有している。潤滑剤の性質を備える他の極性分子も、放出推進剤として極性の分子を用いた本発明の製剤とともに用いることができる。
上記の点に基づいて、本発明の製剤が補助溶剤及び/または界面活性剤を含まず、潤滑剤を必要としないバルブと組み合わせて用いられることが理解できる。しかしながらこの製剤は、初めは他の機能を持つらしいと考えられたが、実際にはバルブの潤滑剤としてのみ作用している化合物を含有している。この製剤に混合された潤滑剤は、放出推進剤溶媒が極性である場合には極性であり、また放出推進剤溶媒が非極性である場合には潤滑剤は非極性である。したがって潤滑剤は、この製剤中で補助溶剤及び/または界面活性剤の効果を得るために混合されているのではなく、潤滑剤を必要とするバルブと組み合わせて潤滑剤が用いられる場合、バルブに潤滑性をもたらすのに充分な量だけ存在している。潤滑剤及び放出推進剤はそれらの極性については充分に類似しており、そのため潤滑剤は、補助溶剤及び/または分散剤としての効果がないかまたは実質的に効果を持たず、即ち放出推進剤に含まれる薬剤の溶解度及び/または分散度に影響を与えない。
薬物粒子は本質的に、麻酔薬、即ちフェンタニル、サフェンタニル、及びレミフェンタニルからなる群より選択された薬物の塩基を持たない型(及び塩型ではない)だけからなる。これらのような麻酔薬は通常塩型で存在し配合されている。例えばフェンタニルは通常、次に示すようなフェンタニルのクエン酸塩として存在している。
本明細書に開示されている処理工程に従うと、フェンタニルのクエン酸塩型または他の塩型は、本発明の製剤で用いられる薬物の塩基を持たない型を得るために用いることができる。フェンタニルの塩基を持たない型を次に示す。
それぞれの麻酔薬に関しては、出発物質として塩型が一般的に用いられる。この塩型が次に、その薬物の塩基を持たない型を得るために処理される。この薬物の塩基を持たない型は、放出推進剤に溶解して本発明の製剤である薬物/放出推進剤溶液を生成する。かりにこの薬物の塩基を持たない型がその際に生成しないのであれば、その薬物は放出推進剤に溶解することができず、かなり大量の補助溶剤及び/または界面活性剤を用いなければその製剤を作ることができない。
本発明と関連して用いられる他の好ましい麻酔薬の塩基を持たない型の構造式が次に示されている。好ましい麻酔薬には、フェンタニル、サフェンタニル、及びレミフェンタニルの塩基を持たない型が含まれる。レミフェンタニルは、速効性の麻酔効果のため特に好ましい。
塩基を持たない型の麻酔薬の調製
種々の麻酔薬の塩基を持たない型が前記に示されている。この薬物の塩基を持たない型は通常、例えばフェンタニルクエン酸塩のような塩型を出発物質として用いて生成される。この薬物の塩型は水に溶解してから水中でアンモニアのような強塩基と結合し、アンモニウム水酸化物を形成する。この溶液から塩基を持たない型の薬物を析出させることができる。その後、塩基を持たない型の薬剤学的に純粋な薬物を得るために、様々な精製過程を行う。それは、本発明の製剤を形成するために放出推進剤と組み合わされる、塩基を持たない純粋な型の薬物である。
放出推進剤
薬物を肺に投与する際に用いられる放出推進剤は、二つまたは三つのディジットを用いることによって記載される。二つのディジットが存在する場合、一つ目のディジットはゼロであると推定される。一つ目のディジットは、この化合物にある炭素原子の数よりも小さい。したがって、かりに一つ目のディジットが三つのディジットの数字において1であるならば、その化合物は二つの炭素原子を含んでいる。放出推進剤が二つのディジットだけによって設計されているならば、第1番目のディジットはゼロであると推定され、その化合物はただ一つの炭素原子を有している。放出推進剤を記述する二つ目のディジットは、その化合物における水素原子の数よりも大きい。したがってかりに二つ目のディジットが1であるならば、この化合物は水素原子を含んでいない。三つ目の最後のディジットはその化合物におけるフッ素の数を示している。
上述の情報は、放出推進剤が炭素原子、水素原子及びフッ素原子からなる場合、三つのディジットによって記述される放出推進剤の化学組成を決定するために用いることができる。しかしながら放出推進剤は塩素原子も含んでいてもよい。この化合物における塩素原子の数は、飽和の炭素鎖に結合することのできる原子の全体数からフッ素原子及び水素原子の和を差し引くことによって算出される。したがって114と記述された放出推進剤は、その放出推進剤が二個の炭素原子を含むことを示している。この数字における第2番目の1は、この化合物が水素原子を含んでいないことを示している。第3番目のディジットである「4」は、この化合物が4個のフッ素原子を含んでいることを示している。二個の炭素原子は6個の結合原子を用いて飽和されるため、この放出推進剤は二個の塩素原子を含んでいることになる。
いくつかの放出推進剤は、互いに異性体である。異性体が存在する場合、最も対称性のある化合物の放出推進剤化合物については、それ自身を記述した数字によって示される。この構造に最も近い異性体は、その数字の後に文字「a」を付けることによって示される。非対称性の度合が大きくなるにつれて、文字「b」、「c」などが付けられる。環状化合物には「C」が数字の前に付けられる。互いに異性体の二つの放出推進剤の例を示す目的で、以下に放出推進剤114及び114aとして構造式を示す。
特定の製剤
本発明の特定の製剤は、上記に一般的に記載したように、また実施例1において特定して記載したように塩基を持たない型の薬物をまず形成することによって生成される。塩基を持たない型の薬物は、乾燥粉末状態で放出推進剤中に溶解される。その後でいくつかの製剤については、バルブ潤滑剤(非極性のものまたは極性のもの)が添加される。いくつかの実用的な製剤の例が次に列挙されている。ここで全ての%は重量%である。
製剤 ナンバー1
塩基を持たないフェンタニル 1.0%
放出推進剤 227 99.0%
製剤 ナンバー2
塩基を持たないサフェンタニル 0.2%
放出推進剤 134a 99.8%
製剤 ナンバー3
塩基を持たないフェンタニル 0.1%
11及び12を28:72で混合した放出推進剤 99.9%
製剤 ナンバー4
塩基を持たないレミフェンタニル 0.01%
放出推進剤 227 99.99%
製剤 ナンバー5
塩基を持たないフェンタニル 0.02%
227及び134aを50:50で混合した 99.98%
放出推進剤
製剤 ナンバー6
塩基を持たないサフェンタニル 0.95%
放出推進剤 (極性) 99.0%
潤滑剤 (極性) 0.05%
製剤 ナンバー7
塩基を持たないサフェンタニル 0.15%
放出推進剤 (非極性) 99.8%
潤滑剤 (非極性) 0.05%
製剤 ナンバー8
塩基を持たないフェンタニル 0.1%
放出推進剤 (極性) 99.85%
PEG 300 0.05%
製剤 ナンバー9
塩基を持たないレミフェンタニル 0.01%
放出推進剤 (非極性) 99.94%
油 0.05%
製剤 ナンバー10
塩基を持たないサフェンタニル 0.02%
放出推進剤 (HFA 極性) 99.93%
PEG 300 0.05%
製剤 ナンバー11
塩基を持たないフェンタニル 1.0%
放出推進剤 CFC 98.95%
ミグリオール 812 0.05%
製剤 ナンバー12
塩基を持たないサフェンタニル 0.2%
放出推進剤 (HFA) 99.75%
PEG 100 0.05%
製剤 ナンバー13
塩基を持たないフェンタニル 0.1%
放出推進剤(極性及び非極性の混合物) 99.9%
製剤 ナンバー14
塩基を持たないレミフェンタニル 0.01%
放出推進剤 114 99.94%
ミグリオール 829 0.05%
製剤 ナンバー15
塩基を持たないレミフェンタニル 0.02%
227及び134aを50:50で混合した 99.98%
放出推進剤
製剤 ナンバー16
塩基を持たないフェンタニル 0.95%
放出推進剤 (HFA) 99.0%
PEG 300 0.05%
製剤 ナンバー17
塩基を持たないサフェンタニル 0.15%
放出推進剤 134a 99.8%
ミグリオール 840 0.05%
製剤 ナンバー18
塩基を持たないフェンタニル 0.1%
11及び12を28:72で混合した放出推進剤 99.85%
分画されたココナッツ油 0.05%
製剤 ナンバー19
塩基を持たないレミフェンタニル 0.01%
放出推進剤 227 99.94%
飽和油 0.05%
製剤 ナンバー20
塩基を持たない 0.02%
227及び134aを50:50で混合した 99.93%
放出推進剤
潤滑剤 0.05%
比較用製剤
比較用製剤 ナンバー21 (界面活性剤/補助溶剤を含まない)
フェンタニルクエン酸塩 15.71mg
スパン 850 0
p11 1.913g
p12 4.920g
全体 (5ml) 6.849g
比較用製剤 ナンバー22 (0.05%の界面活性剤を含む)
フェンタニルクエン酸塩 15.71mg
スパン 85 3.42mg
p11 1.912g
p12 4.918g
全体 (5ml) 6.849g
比較用製剤 ナンバー23 (0.05%の界面活性剤を含む)
フェンタニルクエン酸塩 15.71mg
スパン 85 34.2mg
p11 1.904g
p12 4.845g
全体 (5ml) 6.849g
界面活性剤及び/または補助溶剤を含まない本発明の製剤とは異なり、比較用製剤ナンバー21(界面活性剤/補助溶剤を含まない)は、明らかに凝集した粒子を含んでいた。
比較用製剤の例22及び23は、溶液ではなく懸濁液である。製剤の例1〜20は溶液である。
一般的方法論
痛みを緩和する非侵襲性の方法は、痛みに襲われている患者に投与される薬物の量を厳密に制御して維持できるようにする方式でなされる。この製剤は、調節できかつ反復可能な方式で肺内に供給することによって投与される。この製剤は、患者が物理的な圧力をかけることによりボタンが押されたり、バルブが開放されることがないという意味で、患者が直接作動できない装置から供給されることが好ましい。これに反してこの装置は、空気の流速をモニターする装置のようなモニター装置からのデータを受け取った際に信号を発信するようにプログラムされたマイクロプロセッサーからの信号を受け取ることにより、鎮痛薬を放出するバルブが自動的に開く。この装置を用いている患者はマウスピースから空気を吸引し、吸息速度と算出された患者の吸息容積が、モニターを行った結果で一回またはそれ以上測定され、それが一回用量の鎮痛薬を放出するための吸入周期における最適ポイントを決定する。対象の患者の吸息量グラフを作成するために、その患者について一回またはそれ以上のモニターを行った結果として吸息量が測定され、記録される。この記録された情報は、患者の吸息周期におけるその好ましいポイントを導き出すためにマイクロプロセッサーによって分析される。この好ましいポイントは、反復可能な供給を行う可能性が最も高いポイントに基づいて計算される。
この装置は好ましくは、マイクロプロセッサーに情報を連続的に送る流速モニター装置を備えており、そのマイクロプロセッサーが吸息周期における最適ポイントが得られたことを検出すると、このマイクロプロセッサーは鎮痛薬を放出させるバルブの開放を作動させる。したがって薬物は常に、特定の患者の吸息流量グラフで予めプログラムされた箇所、即ち薬物の供給及び薬物の周辺の堆積の再現性が最大となるように特定して選択された箇所で供給される。この装置は、薬物供給の効率を良好にするのに用いることができ、また実際にそれを行うことができることが示される。しかしながらこのことはあまり重要な特徴ではない。重要な特徴は、吸息周期における特定のポイントで厳密に調整された量の薬物を放出できる再現性があることであり、それによって個々の患者の肺に制御された反復可能な量の薬物を確実に供給することができる。
最適流速及び鎮痛薬を開放する時間を算出するために頻繁モニターしながらバルブの開放を自動的に調節することは、患者に鎮痛薬を繰り返し供給する手段を提供することに結び付く。バルブは手動ではなく自動的に開放されるため、毎回同じ量の時間だけ、または特定の投薬行為で望まれるように予めプログラムされて測定された時間だけ、予め決まっているように繰り返して開放できる。投薬行為がモニター行為よりも優先するため、放出される鎮痛薬の量及び/または吸息周期における放出ポイントは、患者の特定の状態に基づいて再調整することができる。例えば、患者がある度合を程度の肺の不全を引き起こすような状態にあるとき、そのような状態がマイクロプロセッサーによりモニター行為において考慮され、鎮痛薬の量及び/または放出ポイントが、それぞれの投薬行為で患者に同じ量の鎮痛薬を投与できるように算出された方法で再調整される。
肺内経路を経て輸送される薬物を含む爆発性放出推進剤の製剤の量を厳密に調節する能力は、それぞれのバルブの開放およびそれぞれの投薬行為を用いて放出推進剤/薬物からなる製剤をより少量供給することによって改善できることがわかっている。患者に供給された鎮痛薬の量に関する反復可能性(repeatibility)は、鎮痛薬が患者により順調に正常に吸入がなされている場合に改善される。ある程度までは、より大量の鎮痛薬と比較してより少量の鎮痛薬が放出された場合、順調な吸入が行なわれる効果が高められる。したがって本発明の重要な目的は、エアゾール化された鎮痛薬を、患者が個々の吸入呼吸を続ける間に一連の間欠的な爆発で患者に供給することにあり、それぞれの爆発は、患者が最適な吸息流を維持している間に供給される。
患者に輸送された鎮痛薬の量は、供給される特定の薬物によって大きく異なる。本発明によれば、異なる麻酔薬を供給することが可能である。サフェンタニルが投与される場合では通常、約10μg〜約100μgの範囲内の量が患者に投与される。サフェンタニルはフェンタニルの約10倍の効力があることが示されるため、フェンタニルは一般的に、約100μg〜1000μgの量が患者に投与される。これらの用量は、肺内供給の方法が採用される場合、供給の効率が約10%であって、放出される量の調節が装置の効率を勘案するように行われなくてはならないという仮定に基づいている。実際に装置から放出される鎮痛薬の量及び実際に患者に供給される鎮痛薬の量の間の違いは、多くの要因ににより変化する。一般的に上述した装置は約20%の効率であるが、その効率は10%にまで低くすることもできるし、また50%にまで高くすることもできる。このことは、放出された鎮痛薬のわずか10%ほどが患者の呼吸器系に実際に到達できること、また50%もが供給され得ることを意味する。この供給効率は患者毎に幾分変化するであろうから、鎮痛薬の放出を行う装置をプログラムする際には勘案されなくてはならない。一般的に従来の用量計測型吸入装置は約10%の効率である。
鎮痛薬を投与する際、全体の用量結果は1μg〜100mgのどこかの量になるように投与することができるが、より好ましくは約10μg〜10mgの量になるように投与される。供給される量の多様性は、異なる薬物が非常に異なる効力を持ち、また供給される薬物の効力に関連して非常に異なる装置から供給されるかもしれないという事実によるものである。全体の用量結果は、この装置から鎮痛薬の一回またはそれ以上の爆発を伴って生成するそれぞれの吸入を用い、患者によってなされる数回の吸入が関与しているであろう。
薬物効力及び供給効率だけでなく、鎮痛薬の感受性が考慮されなくてはならない。本発明は鎮痛薬の感受性が変化したり、または使用者の承諾があったり、または肺の効率が時間が経て変化したりするならば、時間の経過で投与量を変化できるようにする。
上述の記載に基づき実際に装置から放出される麻酔薬の用量を、ほとんど直前のモニター行為、即ち患者の吸入の吸息流量を測定するモニター行為に基づいて変えることが可能であることが理解できるであろう。
実施例
次に示す実施例は、本発明の製剤の作り方または方法の利用の仕方を当業者に開示し説明する目的で記載されたものであって、発明者が本発明として認めた範囲を限定するものではない。用いた条件(例えば量、温度など)に関して完全に正確性を期すように努力はしたが、実験上の誤差や偏りがあることは考慮すべきである。別に明示されない限り、部分は重量部、分子量は平均分子量、温度は摂氏、そして圧力は大気圧またはほぼ大気圧である。
実施例1
塩基を持たないフェンタニルの生成
フェンタニルの塩基を持たない型は、フェンタニルクエン酸塩(Sigma Chemicals社より購入)を用いて得ることができる。まず500mgのフェンタニルクエン酸塩を100mLの蒸留水に溶解する。混合は入念に行われるべきで、好ましくは約60秒間、超音波処理によって行われる。その後その溶液のpHがpH10.0になるように、2.5%v/vの水酸化アンモニウム溶液を滴下しつつ加えることによって調節する。フェンタニルの塩基を持たない型が、pHがほぼ10.0に近づくにつれて析出してくる。
その溶液の250mlを分離用漏斗に移す。最初のビーカーの内容物がすべて確実に移されるように、そのビーカーを25mlの水で洗浄してからその洗浄水も漏斗に合わせる。pH電極、温度プローブ及びビーカーを25mlのジエチルエーテルを用いて洗浄し、それも同様に分離用漏斗に加える。
100mlのジエチルエーテルをその分離用漏斗に加える。次にストッパーを付けて内容物を振る。その後その内容物が二層になるまで放置する。排出して下層の水相を確保する。有機相を、冷却板で約−15℃の温度に維持した氷浴に置くことで冷却されている計量したるつぼに移す。水相を分離用漏斗に戻して更に50mlのジエチルエーテルを添加する。ストッパーを付けて再び振る。排出して水相を捨てる。有機相をるつぼに移してエーテルを蒸発させる。
必要であれば、入念にその残渣を乾燥するためにそのるつぼを、約45−50℃で一晩、真空乾燥基中に入れてもよい。純度と収率を確認するために、残渣の量を調べるべくそのるつぼを再び計測する。そのるつぼから残渣を注意深く取り除いて重さを計る。この値が理論収率のパーセントとして表される。
実施例2
純度の測定
実施例1に記載した方法によって乾燥状態で純粋な型の塩基を持たないフェンタニルが得られる。メタノールに測定した重量のサンプルを入れて、標準曲線と走査することによって純度を測定する。この標準曲線はフェンタニルクエン酸塩/メタノール溶液の一連の希釈溶液を作ることによって作成され、それによってフェンタニル塩基の濃度がわかる。
実施例3
製剤投与
製剤は本質的に塩基を持たないフェンタニル及び放出推進剤だけからなり、ヒトの患者に供給した。この患者には、100μgのフェンタニル塩基を含む製剤の量として50μlの製剤が投与された。したがって患者は、図2に示すように、また上記に記載したように、装置から50μlの用量の製剤が吸入された。
最初の投与は100μgのフェンタニルであり、結果として50μlの製剤が放出された。20分、40分、60分、及び80分間隔でその患者には、それぞれ200、300、400、及びもう一度400μgのフェンタニル塩基が投与された。したがって、患者に投与されたフェンタニル塩基の全体蓄積量は、100、300、600、1,000及び1,400μgであった。患者で検出されるフェンタニル塩基の血漿レベルは、血漿1ミリリットルあたりのナノグラムで測定された。
図1に示された結果は、本発明の方法論と本発明の製剤を用いて肺内経路によって投与した後、数秒以内に患者の血液中にフェンタニルが現れることを示している。この結果は、患者に実際に投与されるフェンタニルの量に対してとりわけ大きな割合の量のフェンタニルが、肺内経路によって患者に供給されることに驚かされる。さらにこの結果は、投与してからフェンタニルが実際に患者の血液中に現れるまでの時間がかなり短時間であるという観点でも驚かされる。
手術後の痛みに対して静脈内のフェンタニルを用いて無痛覚調節を行った30人の患者について以前に公表された研究では、それら一群の患者の研究で痛みの除去を達成するのに必要とされる血中のフェンタニルの最小有効濃度(MEC)は、0.23〜1.18ng/mlの範囲内であることがわかった(Geoffrey Gourlay et al., cited above参照)。したがって本発明の製剤及び方法は、素早くかつ効果的に痛みの除去を達成するために用いられうる。
本発明の製剤及び方法を用いることによって、5秒またはそれ以下の時間内に痛みをうまく除去できるような患者の麻酔薬の血中レベルを得ることができる。具体的には、100μgのフェンタニル塩を含む製剤量を投与することによって患者にフェンタニルなどの麻酔薬の血中レベルを得ることができ、それによって痛みを除去できる量以上である1.5ng/ml以上の血中レベルを得ることが可能である。用量の追加は、高い度合で痛みを除去する目的で投与することができる。これは図1に明らかに示されている。例えば、300μgのフェンタニル塩を投与することによって、4.0ng/ml以上の血中レベルを得ることができる。1,400μgのフェンタニル塩を投与することによって6.0ng/ml以上の血中レベルを得ることが可能になり、それは激痛でさえも痛みを充分に除去できる量である。このように本発明は、50μgから約2,000μgの麻酔薬を吸入によって患者に投与するために用いることができ、1分以内に1.5〜6.5ng/mlの範囲内の血中レベルを得ることができる。従って本発明の製剤及び方法は、非常に短時間で患者の血漿中に高いレベルの麻酔薬を導入する手段を提供する。
本発明は、最も実用的で好ましい態様であると考えられるものについて本明細書に示されかつ説明されている。しかしながら、本発明の請求の範囲内に含まれるものから新しく発展させたものが形成されること、及びこの記載を参照した上で当業者が明らかな修飾を加えることができるであろうことが認識される。
Claims (19)
- フェンタニル、サフェンタニル、及びレミフェンタニルからなる群より選択された薬物の塩基を持たない型からなる群より選択された麻酔薬、及び麻酔薬が完全に溶解されている放出推進剤だけから本質的になる溶液状のエアゾール製剤であって、前記放出推進剤がクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類、ヒドロクロロフルオロカーボン類、ヒドロクロロカーボン類、ヒドロカーボン類及びヒドロカーボンエーテル類からなる群から選ばれる少なくとも1種である、エアゾール製剤。
- 麻酔薬が該製剤の全体容量に対して0.01から1重量%の範囲内の量で存在する、請求の範囲1の製剤。
- フェンタニル、サフェンタニル、及びレミフェンタニルからなる群より選択された薬物の塩基を持たない型からなる群より選択された麻酔薬、潤滑剤、ならびに麻酔薬が完全に溶解されている放出推進剤だけから本質的になる溶液状のエアゾール製剤であって、該放出推進剤及び該潤滑剤が両方とも非極性であるかまたは両方とも極性であり、該潤滑剤が該放出推進剤中の麻酔薬の溶解度に有意に影響を与えない、エアゾール製剤であって、前記放出推進剤がクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類、ヒドロクロロフルオロカーボン類、ヒドロクロロカーボン類、ヒドロカーボン類及びヒドロカーボンエーテル類からなる群から選ばれる少なくとも1種である、エアゾール製剤。
- 放出推進剤及び潤滑剤が両方とも極性である、請求の範囲7の製剤。
- 放出推進剤及び前記潤滑剤が両方とも非極性である、請求の範囲7の製剤。
- 放出推進剤がヒドロフルオロアルカンであり、潤滑剤がポリエチレングリコールである、請求の範囲7の製剤。
- 放出推進剤がクロロフルオロカーボンであり、潤滑剤が飽和の植物油である、請求の範囲7の製剤。
- 前記製剤が麻酔薬の肺内投与用のエアゾール製剤である、請求項1〜11のいずれかに記載の製剤。
- 圧縮されたキャニスターから、放出推進剤と組み合わせて50μm以上の量のフェンタニル、サフェンタニル、及びレミフェンタニルからなる群より選択された麻酔薬を含む製剤を計測した用量だけ放出し、患者の肺に該計測した用量の製剤を吸入させ、その吸入時から30秒またはそれ以下の時間内に1.5ng/ml以上の麻酔薬の血漿レベルを得ることを特徴とする、請求の範囲12の製剤。
- 薬物がフェンタニルである、請求の範囲13の製剤。
- 薬物がレミフェンタニルである、請求の範囲13の製剤。
- 薬物がサフェンタニルである、請求の範囲13の製剤。
- 薬物が50μg〜2,000μgの範囲内で投与される、請求の範囲13の製剤。
- 一分以内に得られる血漿レベルが1.5〜6.5ng/mlの範囲内である、請求の範囲17の製剤。
- 加圧エアゾール吸入器を有し、請求項1〜18のいずれかに記載のエアゾール製剤が該加圧エアゾール吸入器の容器に内蔵され、該容器は計測した用量のエアゾール製剤を開口部から放出させるバルブを備える、麻酔薬の肺内投与用装置。
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