JP3910807B2 - 電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送受信機を備えた親機と無接点充電方式を用いた子機を備えた電話機に関し、詳しくは親機と子機に電力を供給する電源に用いる無接点充電トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、日本においては、コードレス電話機のように親機とコードレスにした子機をセットにした電話機が広まっている。子機の電源として充電電池が内蔵されており、常時の充電は、無接点で充電する無接点充電器を備えた親機により行なわれる。そして、欧州では、DECT規格の電話機が普及してきている。これは回線電話と携帯電話を兼ねたもので、親機用の電源と子機を充電する2系統の電源が必要となっている。さらに、米国においても、同様の方式の電話機が普及し始めてきており、ワールドワイドの入力電圧で、親機の電源と、子機はコードレスとしてその電力供給用に接触不良のない無接点充電器を備えた複数の出力が得られる電源装置が要求されてきている。
【0003】
つぎに、従来の電話装置における無接点充電器を備えた電源装置のブロック図を図5に示す。
図5に示すように、親機Aにおいて、1はAC入力電源、2は整流平滑回路、33はスイッチ回路、34はスイッチ回路33を制御する制御回路、T2は各種電源となる主トランス、35は各出力の整流平滑回路、36は各出力のレギュレータ、7は送受信機、38は出力電圧を安定化させるためのフィードバック回路(フォト・カプラ)、39は子機を充電するためのスイッチ回路、40は子機を充電するためのスイッチ回路9を制御する制御回路(自励発振)、T3は子機を充電するための充電トランス、である。子機Bは、受電トランス15、整流平滑回路16、充電電池17で構成される。
【0004】
この親機Aの電源装置は、AC入力電圧1を整流平滑した直流出力を主トランスT2の1次側コイルL1とスイッチ回路33を用いて2次側に伝送するコンバータを形成する。主トランスT2の2次側コイルL3、L4、L5から各種出力電圧に応じた直流出力をとりだし、各々整流平滑し、レギュレータ36を通して送受信器7に必要な複数の直流電源を供給する。また、充電トランスT3に必要な入力電源は主トランスT2の2次側コイルL5の出力を整流平滑したものを用いる。充電トランスT3は充電コイルL6とスイッチ回路39により必要な高周波電力を電磁誘導作用により無接点で子機Bの受電コイル15に供給する。L7は自励発振用コイルで制御回路40の一部となる。子機Bは親機Aの充電トランスT3から電磁誘導で伝送された電力を受電トランス15で受け、その電力を整流平滑し、充電電池17に供給する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の電源装置は、主トランスT2に親機Aの送受信機7に必要な複数の電源と、子機の充電に必要な電源を備え、充電トランスT3で子機Bに電力供給するための高周波出力をつくりだしている。このように、主トランスT2と充電トランスT3は絶縁型トランスであるため、2つのトランスを直列に接続することは電源装置としての効率を悪化させる。さらに、親機Aの送受信器7に供給する電力も子機Bの負荷変動があり、安定化させるうえで、レギュレータ回路36が必要となり、効率悪化の要因となる。また、小型軽量化のために、スイッチング回路を採用しても、効率悪化による放熱問題の対策のため部品点数が増えるなどのコスト増となる。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、多出力を有する電源でかつ子機の無接点充電が可能な電源をつくりだし、回路構成を簡略化し、部品点数を減らし、かつ効率を向上させた電源装置用の無接点充電トランスを提供することを目的とする。また、その無接点充電トランスを使用した電源装置を提供することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】
本発明は、子機と、子機を無接点で充電する充電器を有する親機とを備えた電話機の電源装置において、商用電源を直流に変換する整流平滑回路と商用電源より低い直流電圧を得る降圧型チョッパ回路を備え、該親機に必要な複数の直流出力電源と該充電器の電源からなる無接点充電トランスを備える
そして、無接点充電トランスは、親機に必要な複数の直流出力電源と充電器の電源とを兼ね備えたもので、U字型コアの二つの磁脚の端部に設けた充電コイルとコアの基部に設けた複数の出力コイルとの配置を疎結合としたことを特徴とする。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の無接点充電トランスの一実施例について、図1、図2、図3の断面模型図を用いて説明する。
【0009】
図1、図2、図3は、親機の充電トランスとそれに対向する子機の受電トランスの断面模型図である。
図において、親機AはトランスT1として、充電台としての筐体10、フェライト磁心を用いたU字型コア11、U字型コア11の二つの磁脚に巻回した充電コイル12、各種出力コイル13a、13b、自励発振用の発振コイル14を備える。
子機Bは、受電トランス15として、筐体20、フェライト磁心を用いたU字型コア18、U字型コアの2つの磁脚に巻線された受電コイル19を備える。
トランスT1の充電コイル12の一面(磁脚の端面を含む)と受電トランス15の受電コイル19の一面(磁脚の端面を含む)が互いの筐体10,20を挟んで対向しており、より近接するように受電側を載置することが充電を効率をよく行ううえで重要である。
【0010】
図1に示すように、U字型コア12の2つの磁脚の端面と充電コイル12の巻線の一面とが同一面となるように設け、受電トランスの受電コイル19の巻線の一面が近接するように設ける。
2つの出力コイル13a、13bは2つの充電コイル12と疎結合となるように間隔を空けてU字型コアのそれぞれの磁脚に配置したものである。
【0011】
図2は、2つの出力コイル13a、13bを2つの充電コイル12と疎結合となるように間隔を空けてU字型コアの磁脚間を接続した磁芯の基部に配置したものである。
【0012】
図3は、充電コイル12の2つの巻線外周にそれぞれ絶縁用のバリアテープ9を巻き、その外周に出力コイル13aまたは13bを巻線し、充電コイル12と疎結合となるように配置したものである。
【0013】
このように、充電コイル12と出力コイル13aおよび13bを疎結合としている。これにより、子機Bの負荷変動による出力コイルに発生する変動を少なくし、送受信機に供給する電圧変動を小さくして、従来、設けていたレギュレータを省略することができる。また、自励発振用の発振コイル14はタイミング用であり、U字型コアの一部に配置されていればよい。
【0014】
図4は、本発明の無接点充電トランスを用いた電源装置のブロック図を示す。図4に示すように、親機Aにおいて、1はAC入力電源、2は整流平滑回路、3は非絶縁型の降圧型チョッパ回路、4はスイッチ回路、5はスイッチ回路4を制御する制御回路、T1は各種出力源となる絶縁型のトランス、L1は充電コイル、L2は自励発振用コイル、L3,L4は2つの出力コイル、6は2つの出力の各整流平滑回路、7は送受信機、である。
子機Bは、受電コイル15、整流平滑回路16、充電電池17、で構成される。
【0015】
この電源装置の動作は、交流入力1を整流平滑した直流電圧を、降圧型チョッパ回路3により、入力電圧より低い一定の安定化した直流電圧をつくる。そして、その安定化した直流電圧を用いて、トランスT1の充電コイルL1とスイッチ回路により、子機Bに無接点で充電できる必要な電力を供給する充電トランスの機能と、トランスT1の2次コイルL3、L4から送受信機に必要な2つの出力電圧を得る機能を果たす。L2は自励発振用コイルであり、制御回路5と連動してスイッチ回路4のタイミングを制御している。子機Bの動作においては従来の電源装置で説明した内容と同じであり、同一符号とし、説明は省略する。
【0016】
このような構成とすることにより、従来、2つの絶縁型のトランスを用いて送受信用各種出力電源と充電用電源を構成していたが、本発明の無接点充電トランスを用いた電源装置は1つの絶縁型のトランスで2つの機能を持たせたものである。また、降圧型チョッパ回路を設けることにより、各国の異なった入力電圧を降圧し、入力変動の少ない一定の電圧をトランスに供給することができる。そして、送受信機用の入力電圧に対しても、子機Bの負荷変動の影響の少ないトランス構造とすることで、レギュレータ回路が不要となる。以上のことより、回路を簡略化し、部品点数を大幅に低減できるとともに、レギュレータが不要となるために効率を悪化することなく、小型、軽量化することができる。
【0017】
以上、本発明の無接点充電トランスとそのトランスを用いた電源装置の実施例を述べたが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。例えば、上記実施例では、送受信機は2出力としたが、1出力以上何出力でも可能である。また、トランスの構造はU字型コアで示したが、I字型、T字型、ポット型、コアレス型等でも共通である。
【0018】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の無接点充電トランスとそのトランスを用いた電源装置は、充電コイルと複数の出力コイルとの配置を疎結合とすることによって、子機Bの負荷変動により出力コイルに発生する変動を少なくし、送受信機に供給する電圧変動を小さくして、従来、設けていたレギュレータを省略することができる。かつ、充電器の電源と親機に必要な複数の直流出力電源とを1つのトランスを用いて形成することができる。このように、本発明の無接点充電トランスを用いた電源装置は、回路構成を簡略化し、部品点数を減らしかつ効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無接点充電トランスの一実施例である断面模型図
【図2】本発明の無接点充電トランスの他の実施例である断面模型図
【図3】本発明の無接点充電トランスの他の実施例である断面模型図
【図4】本発明の無接点充電トランスを用いた電源装置の一実施例であるブロック図
【図5】従来の多出力型電源装置のブロック図
【符号の説明】
T1 トランス
11、18 コア
12 充電コイル
13a、13b 出力コイル
14 発振コイル
15 受電トランス
19 受電コイル
10,20 筐体

Claims (2)

  1. 子機と、子機を無接点で充電する充電器を有する親機とを備えた電話機の電源装置において、
    商用電源を直流に変換する整流平滑回路と該商用電源より低い直流電圧を得る降圧型チョッパ回路を備え、該親機に必要な複数の直流出力電源と該充電器の電源からなる無接点充電トランスを備え、
    該無接点充電トランスを該親機に必要な複数の直流出力電源と該充電器の電源とを兼ね備えたもので、U字型コアの二つの磁脚の端部に設けた充電コイルと該コアの基部に設けた複数の出力コイルとの配置を疎結合としたこと、を特徴とする電源装置。
  2. 前記無接点充電トランスはI字型コア、T字型コア、ポット型コア等を用いることを特徴とする請求項1記載の電源装置
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