JP3910474B2 - 電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。 - Google Patents

電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、酸化物、有機結晶、またはイオン結晶などの表面の電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のCMOS半導体の製造技術では、25ナノメートル程度の微細加工技術が2001年での実験室レベルでの限度であり、量産技術としては100ナノメートルが近未来の目標である。ナノスケールの加工を、しかも、高速で安価に産業技術として行うためには全く新しいナノ加工技術の開発が求められていた。
【0003】
しかも、産業上の最も重要なCMOS半導体技術におけるシリコンとその化合物またはシリコン酸化物について、ナノスケールの微細加工技術の開発は高度情報社会の構築には不可欠であり、現実のシリコンテクノロジーの限界を超えるため、このようなナノスケールサイズの新しい加工技術の開発が期待されていた。一つの方法として、走査型トンネル顕微鏡の探針を用いて原子を離脱させることによるナノスケールの微細加工技術が知られている(特開平7−307312号公報、特開平11−340449号公報、特開2001−7315号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電子励起による局所的な原子移動を制御したナノスケールの加工技術は産業応用として、次世代の生産技術への応用、高度情報通信技術、高分解スペクトロスコピー、ナノテクノロジーの評価や加工技術、量子操作など多岐の産業分野への応用が期待されている。
【0005】
レーザー光、放射光、電子線励起などによる電子励起により、半導体、酸化物、イオン結晶、有機結晶などの表面において、結合状態にある電子を反結合状態に励起すると、原子離脱がおきて原子を削除できる現象は従来から知られていた。しかしながら、このような原子の離脱現象は確率論的に起きるため、表面における一様な原子離脱は可能であるが、超微細な原子レベルからナノスケールレベルでの加工には用いることが出来なかった。
【0006】
省エネルギー、超高速、超高密度集積を目指す次世代エレクトロニクスのためのナノスケールサイズの加工・製造技術として応用するためにはナノスケールから原子レベルのスケールの空間分解能を持ち、しかも、短時間での大面積処理と大量生産技術を可能とする次世代産業のためのナノ加工・製造技術の開発が不可欠である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、半導体、酸化物、有機結晶、またはイオン結晶などの表面において、原子レベルまたはナノスケールサイズの原子削除、原子離脱を制御して行うことによりナノスケールサイズの加工を可能にする製造技術として、電子励起原子移動を積極的に利用し、実空間領域では原子レベルから数十ナノメートルサイズの大きさで制御され、また、超高密度集積を可能にした表面ナノ構造の形成技術を開発した。
【0008】
本発明者らは、半導体、酸化物、イオン結晶、有機結晶などの表面において、レーザー光、放射光、電子線などの照射による電子励起により、結合に寄与している結合状態の電子を励起して反結合状態へ遷移させることにより、これらの物質の結合を弱めることを利用して電子励起原子移動により表面からの原子削除、原子離脱を誘起させ、これを利用して、任意の確率で表面原子を離脱させる現象を実空間領域で、しかも、原子レベルからナノスケールサイズで局所制御できることを見出した。
【0009】
本発明者らは、半導体、酸化物、イオン結晶、有機結晶などのp型表面とn型表面において、電子励起により価電子帯に局在するホールの局在度が異なるためp型半導体とn型半導体表面で電子励起による原子離脱に大きな差が生じることを発見し、これらが、p型半導体とn型半導体表面における電子の化学ポテンシャルの差と表面と真空界面におけるバンド構造の変形に起因したホールの局在度の差とホール間のクーロン反発によることを明らかにした。
【0010】
これらの発見に基づく本発明の方法は、半導体、酸化物、イオン結晶、有機結晶などの表面で高い空間分解能により、すなわちナノスケールでp型またはn型領域を形成し、この領域において、レーザー光、放射光、電子線などの照射による電子励起により原子移動を誘起して、ナノスケールの超微細加工やナノ加工の製造技術として用いることが出来る。
【0011】
ナノメータースケールから原子レベルでの空間分解能を持つ超高速のナノ加工製造技術を可能とするために、本発明の方法においては、収束イオンインプランテーション、走査型トンネル顕微鏡の探針による局所電場印加、局所構造ゲートによる局所電場印加、を用いて、基板表面にp型またはn型の局所的領域を作成する。これらの方法によって、収束イオンインプランテーションの場合は注入エネルギーと注入量を変化させることにより、また、走査型トンネル顕微鏡の原子レベルの探針による電場印加の場合には、表面から探針までの距離と印加する電圧を変えることにより、また、局所構造のゲートの場合はゲートのサイズと印加電場強度を変えることにより、表面においてp型化またはn型化する領域とそのサイズの大きさを指定することが出来る。
【0012】
また、本発明の方法においては、上記の方法で表面に作成した局所的n 型、 p 領域において、レーザー光、放射光、電子線による電子励起を行うことにより、表面原子の電子励起原子移動をナノスケールのn型またはp型局所領域のみで誘起させることができる。
【0013】
本発明の方法は、半導体、酸化物、イオン結晶、有機結晶などの表面において、ナノスケール構造の超微細量子細線描画、2次元超構造、量子細線や量子ドット創製に利用して、新規な表面ナノスケール構造や新規な量子デバイスを創製することができる。
【0014】
さらに、このようなナノスケール構造の超微細量子細線描画、2次元超構造、量子細線や量子ドット創製を利用して、原子を離脱した領域に異種金属や異種半導体を分子ビームエピタキシャル成長などにより選択的に成長させて、新規な量子操作を可能にする量子デバイスを創製するナノ加工のための新しい製造技術の開発が可能になった。
【0015】
すなわち、本各発明は、下記のものからなる。
(1)II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV族半導体、またはこれらの酸化物の基板表面において、局所ドーピングによりナノスケールサイズのp型またはn型領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、局所ドーピングした領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
【0016】
(2) II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV族半導体、またはこれらの酸化物の基板表面において、走査型トンネル顕微鏡などの原子レベルの探針による電場印加によりナノスケールサイズの領域を電場により他領域と比べてp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することにより、局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
【0017】
(3)II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV族半導体、またはこれらの酸化物の基板表面において、走査型トンネル顕微鏡などの原子レベルの探針による電場印加により、表面からの距離と印加電圧を可変にすることによりナノスケール領域のサイズの大きさを制御して任意の大きさのp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、該局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
【0018】
(4)II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV族半導体、またはこれらの酸化物の基板表面において、該基板の表面と該基板の背後に酸化物絶縁膜を介して作製したゲートとの間に印加するゲート電圧による電界効果を用いることによりp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、該局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
【0019】
(5)有機物結晶またはイオン結晶の基板表面において、局所ドーピングによりナノスケールのp型またはn型領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起して、局所ドーピングした領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
【0020】
(6) 有機物結晶またはイオン結晶表面において、走査型トンネル顕微鏡などの原子レベルの探針による電場印加によりナノスケール領域を電場により他領域と比べてp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起して、該局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
【0021】
(7)有機物結晶またはイオン結晶の基板表面において、走査型トンネル顕微鏡などの原子レベルの探針による電場印加により、表面からの距離と印加電圧を可変にすることによりナノスケール領域のサイズの大きさを制御して任意の大きさのp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、該局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
【0022】
(8)有機物結晶またはイオン結晶の基板表面において、該基板の表面と該基板の背後に酸化物絶縁膜を介して作製したゲートとの間に印加するゲート電圧による電界効果を用いることによりp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、該局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
【0023】
(9)ZnO、TiO2、遷移金属化合物やSrTiO3ペロブスカイトなどの酸化物の基板表面において、局所ドーピングによりナノスケールのp型またはn型領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、局所ドーピングした領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
【0024】
(10)ZnO、TiO2、遷移金属化合物やSrTiO3ペロブスカイトなどの酸化物の基板表面において、走査型トンネル顕微鏡などの原子レベルの探針による電場印加によりナノスケール領域を電場により他領域と比べてp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することにより、該局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
【0025】
(11)ZnO、TiO2、遷移金属化合物やSrTiO3ペロブスカイトなどの酸化物の基板表面において、走査型トンネル顕微鏡などの原子レベルの探針による電場印加により、表面からの距離と印加電圧を可変にすることによりナノスケール領域のサイズの大きさを制御して任意の大きさのp型またはn型の局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、該局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
【0026】
(12)ZnO、TiO2、遷移金属化合物やSrTiO3ペロブスカイトなどの酸化物の基板表面において、該基板の表面と該基板の背後に酸化物絶縁膜を介して作製したゲートとの間に印加するゲート電圧による電界効果を用いることによりp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、該局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
【0027】
(13)半導体、酸化物、有機結晶、またはイオン結晶の基板表面において、局所的ドーピング、原子レベルの探針による電場印加、またはゲートによる電界効果を用いることにより局所的にホールドープ領域や電子ドープ領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起を行うことにより、表面原子の局所的な電子励起原子移動をナノスケールサイズの局所領域でのみ誘起させて該局所領域の原子だけを削除、離脱させることにより、該基板表面においてナノスケール構造の超微細量子細線描画、2次元超構造、量子細線、または量子ドットを形成することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
【0028】
(14)上記(13)の方法で形成したナノスケール構造の超微細量子細線描画、2次元超構造、量子細線、または量子ドット領域に分子や原子ビーム蒸着または分子ビームエピタキシーにより異種金属原子や磁性半導体などの異種半導体を選択的に成長させて、表面ナノスケール構造や量子デバイスを形成することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
【0029】
【発明の実施の形態】
半導体、酸化物、有機結晶、またはイオン結晶などの表面において、収束イオンインプランテーションによる局所的ドーピング、走査型トンネル顕微鏡の原子レベル探針による電場印加、または局所的なゲートによる電界効果を用いることにより局所的にホールドープ領域や電子ドープ領域を作りだすと、その領域が表面であるため電荷の再配分が表面で起き、これにより、バンド構造の曲がりが生じる。そのため、n型半導体表面であれば、表面近傍にホールが集積しやすくなり、母体半導体を電子励起すると表面にホールの集積が促進される。
【0030】
本発明において、II−VI族化合物半導体は、ZnS,ZnSe,ZnTe,CdS,CdSe,CdTe,HgS,HgSe,HgTe等であり、III−V族化合物半導体は、GaN,GaAs,GaP,GaSb,InN,InP,InAs,InSb,AlN,AlP,AlAs,AlSb等であり、IV族半導体は、Si,Ge,C等であり、また、これらの酸化物を意味する。
【0031】
図1は、本発明の方法の一実施形態を示す概念図である。図1 (a)に示すように、半導体基板1にp型アクセプターやn型ドナー原子を収束イオンインプランテーション2によりイオン注入し、表面にp型またはn型領域3を形成する。次に、図1 (b)に示すように、このp型またはn型領域3をレーザー光照射4により電子励起してp型またはn型領域の原子5のみを離脱させて削除する。それにより、図1 (c)に示すように、半導体基板1に量子穴6を作製することが出来る。
【0032】
図2は、本発明の方法の他の実施形態を示す概念図である。図2 (a)に示すように、シリコン基板1の背後に酸化物絶縁膜7を介してゲート8を作製し、シリコン基板1の表面とゲート8との間に印加するゲート電圧による電界効果を用いることにより表面にp型またはn型領域3となる局所領域を作成し、この局所領域3のレーザー光照射4による電子励起により原子を離脱させることにより、図2 (b)に示すように、ナノスケールの量子穴6を作製する。
【0033】このような系において、さらなる電子励起が起これば、光や電子によって励起され、導入されたホールにより原子の結合が切れて原子離脱が促進される。これは、表面一般に起きる機構であるが、このようなドーピングを局所的に起こすことが出来れば、光による一様な電子励起を行っても、局所的にドーピングされた領域だけから原子離脱が起きる。
【0034】
このような条件を満たすため、半導体、酸化物、有機結晶、またはイオン結晶などの表面において、局所的ドーピング、原子レベルの探針による電場印加、またはゲートによる電界効果を用いることにより局所的にホールドープ領域や電子ドープ領域を作り、電子励起して原子レベルからナノスケールレベルでの加工が出来る。
【0035】
局所的なドーピング領域をレーザー光、放射光、電子線、またはこれらの組み合わせによる電子励起を行うことにより、表面の原子の電子励起原子移動をナノスケールの局所領域でのみ誘起させることが出来る。
【0036】
特に、p型半導体とn型半導体表面では電子励起による原子離脱に大きな違いが見られることを本発明者らは発見した。そこで、局所的ドーピング、原子レベルの探針による電場印加、またはゲートによる電界効果を用いることにより局所的にホールドープ領域や電子ドープ領域を作成し、この領域を電子励起すると局所的なホールドープ領域や電子ドープ領域だけに限って、原子離脱が生じる。
【0037】
本発明の方法の具体的適用分野としては次のような分野が挙げられる。
(1)次世代CMOS半導体生産技術への応用現在のCMOS半導体製造技術では50ナノメートル以下の確立した製造技術がないが、本発明によりナノメートルサイズのシリコンベース半導体の微細加工技術に応用することが出来る。シリコンとシリコン酸化物または遷移金属酸化物、シリコン窒化物などへの幅広い応用が本発明では可能であるため、現実の半導体製造プロセスとして応用できる。
【0038】
(2)半導体ナノスピンエレクトロニクスデバイスのための超微細加工技術への応用半導体をベースに電子の持つ電荷とは別のスピンによる自由度を積極的に利用することにより、省エネルギー(ナノジュール/書き込み・読み込みサイクル)、超高速(ナノ秒/書き込み・読み込みサイクル)、超高密度集積による革命的な新しい階層のスピンエレクトロニクス産業に必要な製造技術として応用することができる。
【0039】
現在のCMOS半導体製造技術ではエネルギーとしてミリ・ジュール/書き込み・読み込み、また再プログラムの書き込みや読み込みに時間としてミリ秒/サイクルからマイクロ秒/サイクルとエネルギー消費が大きく、しかも遅い書き込み・読み込み時間のため高度情報化社会には限界にきているが、本製造技術によって半導体ナノスピンエレクトロニクスが実現可能なので、これらの限界を大きく改善することが出来る。電子励起の照射時間制御と空間分解制御によるナノスケールでの加工法を用いて、ナノスケールサイズの半導体スピンエレクトロニクスに応用することができる。
【0040】
(3)量子コンピュータ用キュビット創製への応用量子計算のためのキュビットの作製のためには、ナノスケールの量子ドットとこれを制御するためのゲート、ソース、ドレインのナノ加工が不可欠であり、少なくとも現実的な計算のためには1000キュビット以上の量子コンピュータの作製が不可欠であるが、ナノスケールの加工には本発明による電子励起による表面ナノ加工技術が不可欠であり、本発明により固体半導体ベースの量子コンピュータの産業応用が開ける。
【0041】
(4)量子配線への応用ナノスケールから原子レベルでの量子配線は低抵抗の弾道型散乱機構を積極的に利用した量子配線が不可欠であるが、本発明はナノスケールの量子配線が可能になり、新機能を持つ量子デバイスや量子干渉効果、量子スピンコヒーレンスの制御に基礎をおくデバイスの配線に不可欠の技術となり大きな応用が開けてくる。
【0042】
(5)バイオチップの加工技術と創製ヘムタンパク質やDNAなどを半導体基板上に並べたバイオチップにはナノスケールサイズの微細加工・量子配線とバイオ分子機能との組み合わせが不可欠であり、本発明による電子励起による表面ナノ加工技術はバイオチップへの産業応用について不可欠の技術要素となる。
【0043】
(6)局所走査型原子吸光分光半導体表面、酸化物表面、金属表面、イオン結晶表面において電子励起による表面からの原子離脱と局所的な原子削除法と原子分光を組み合わせることにより、局所走査原子分光が可能となり、ナノスケールの空間分解能を持ちつつ原子離脱や原子削除が可能となり、これらを原子吸光分析と組み合わせることにより、ナノスケールの分解能を持つ原子吸光分光に応用できる。
【0044】
(7)超高集積ナノ構造磁気メモリの診断と分光質量分析と原子吸光分析を併用し、また、原子分光と併用することにより、ナノ構造を持つ磁性体の分光と診断が可能となり、超微細な磁区構造や超高密度磁気メモリ、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)などの磁区構造を直接観察するための分光技術への産業応用が開ける。
【0045】
(8)量子ドットなどの超構造における量子状態操作による量子通信への応用電子の持っている電荷とは別のもう一つの自由度であるスピンを用いた量子計算に応用する。スピンは量子力学的には上向きと下向きの二つの状態しか取り得ないので情報を運んでいる。これらを制御するために、量子ドットを並べてこれらに含まれる個々のスピンの個数と向きを制御する量子通信用デバイスを作製するために電子励起による原子移動を用いる。
【0046】
【実施例】
(実施例1)
STM(走査型トンネル顕微鏡)探針による電場印加とレーザー光励起によるナノ構造加工方法
図3(a)に示すように、シリコン半導体1とSTM探針9との間にゲート電圧(Vg)を印加することによりシリコン半導体1の表面1Aに電場を印加するとホールは表面に集まる。シリコ半導体1の表面1AからSTM探針の先端9Aまでの距離(h)とゲート電圧とを変えることによって、シリコン半導体1の表面1Aに印加される電場の領域を変えることが出来る。正の電圧をシリコン半導体1とSTM探針9間に印加することによりシリコン半導体1の表面1Aをn型に、また負の電圧を印加することによりシリコン半導体1の表面1Aをp型にすることができる。
【0047】
このような条件下で、レーザー光照射4によってシリコン半導体1の表面1Aの電子励起を行うと電場10の印加された局所領域でのみ電子励起による原子5の離脱が起き、ナノスケールのサイズ内での原子削除が起きて、図3(b)に示すように、量子穴6が作製される。レーザー光のパワーを一定に保ち、ゲート電圧を増加させることにより離脱原子により形成される量子穴6の深さが深くなる。
【0048】
また、レーザー光のパワーとゲート電圧を一定に保ちつつ、シリコン半導体1の表面1AとSTM探針9の先端9A間の距離(h)を縮めると離脱する原子の範囲は縮小し、量子穴6は深くなる。
【0049】
図8は、レーザー励起により離脱する原子数とレーザー・パワーとの関係を示すグラフである。離脱する原子はレーザーのパワーの二乗以上に比例した非線形の依存性がある。n型、p型ともにその電気抵抗値によらず、一定のカーブを示す。n型シリコンとp型シリコンで離脱原子数に大きな違いがあり、n型は表面にホールが多いから原子の結合破壊速度が大である。p型は表面にホールが少ないから原子の結合破壊速度は小さい。図8から、レーザー光のパワーと離脱原子の個数との関係は線型ではなく光のパワーの2乗以上で非線形に依存することから二つの光子が原子離脱機構に関係していることがわかる。
【0050】
すなわち、1番目の励起によってシリコン半導体1の表面の結合軌道に局在したホールが形成され、次の励起により導入されたホールの斥力または二本以上のボンドに局在したホールによってボンドがちぎれることを示している。
【0051】
また、図4に示すように、レーザー光による電子励起とSTM(走査型トンネル顕微鏡)探針によるp型またはn型による局所選択性により、指定した領域での原子離脱を促進して、4(a)に示すように、量子細溝11、図4 (b)に示すように、量子穴からなる円12、図4 (c)に示すように、量子穴からなるドット格子13を作製することができる。
【0052】
図2および図4(c)に示すように、局所的な電子励起により、局所的な領域を指定する走査型トンネル顕微鏡を走査させることにより、穴を作りたい場所だけで電場を加えて電子励起して原子移動を誘発させて、原子レベルからナノスケールサイズの量子穴を規則正しく配列することができる。量子穴のサイズと深さは印加ゲート電圧と表面から探針までの距離(h)を変えることにより制御することが出来る。
【0053】
(実施例2)
磁性半導体による量子ドットおよび半導体基板上の磁性量子ドットの作製
まず、図5 (a)に示すように、量子穴6を半導体基板1の表面に作製し、次に図5 (b)に示すように、MBE(分子ビームエピタキシャル結晶成長装置)により金属原子14を量子穴6に蒸着して、図5 (c)に示すように、金属磁性体15からなる量子ドット格子を作製する。
【0054】
GaAsやGaNなどの化合物半導体基板1の表面に実施例1の方法によりGa原子5だけを離脱させた量子穴6を作製し、MBE装置により遷移金属原子であるMn14を蒸着した。Mnは表面がAsやNから構成されている量子穴6にのみ蒸着することが出来るので、MnAsやMnNからなる強磁性体量子ドット15を半導体基板1の上に作製することが出来た。
【0055】
図6に示すように、強磁性体量子ドット15を強磁性薄膜16、量子井戸17、バックゲート18を形成した半導体基板1上に規則正しく並べることにより、磁性体の磁化方向の双安定性を用いた量子デバイスが作製できる。強磁性体量子ドット15の磁化方向は電流で制御する。これらの閉じこめポテンシャルを丸く先端が加工された電極19にかけた電圧により制御する。量子ドットにおけるポテンシャルを電圧によって制御することにより、電子やスピンの波動関数の広がりを制御することが出来るので、並べた量子ドット間の電子の波動関数やスピンの位相を制御することが出来る。
【0056】
これにより、異なる量子ドット間に交換相互作用などの量子的な相互作用による量子もつれ状態を形成することによって、量子計算が可能になる。量子計算の結果は、先端がとがった針状の電極20から電磁波を導入し、電子スピン共鳴によってそのスピン状態を読みとる。
【0057】
(実施例3)
半導体基板上の金属量子細線等の作製
レーザー光による電子励起とSTM探針によるp型またはn型による局所選択性により、指定した領域での原子離脱を促進して、量子穴からなる直線溝、量子穴からなる円溝、量子穴からなる角溝を作製し、MBE(分子ビームエピタキシャル結晶成長装置)により金属原子を蒸着して、図7 (a)に示すように、金属磁性体からなる量子細線21、図7 (b)に示すように、量子金属環22、図7 (c)に示すように、量子金属角ドット23を作製する。
【0058】
GaAsやGaNなどの化合物半導体基板1に実施例1の方法により、探針9を走査することにより量子穴からなる溝を作製する。これらの量子穴からなる溝に対して、MBE装置により遷移金属原子であるMnやCuを蒸着すると、MnやCu原子は表面がAsやNから構成されている量子穴からなる溝にのみ蒸着することが出来るのでMnやCuからなる量子細線、量子金属、または量子金属角ドットを半導体基板1の上に作製することが出来た。
【0059】
【発明の効果】
従来、半導体製造技術として大量生産、高速加工に用いることの出来るナノテクノロジー加工技術が得られていなかったため、ナノスケールサイズのCMOS半導体加工技術には限界があった。
【0060】
本発明の電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の創製方法は、ナノスケールサイズの次世代半導体製造技術に利用することができ、さらに半導体ナノスピンエレクトロニクスなどのスピンの自由度を積極的に利用した将来の量子エレクトロニクスのための、ナノスケール構造の超微細量子細線描画、2次元超構造、量子細線や量子ドットを利用して新規なスピンエレクトロニクスデバイスや新規な量子操作による量子デバイスを創製することが可能となる。
【0061】
電子励起による表面ナノ構造加工技術の産業応用として利用される分野として、ナノテクノロジーを利用した次世代半導体生産技術への応用、量子情報処理デバイス、量子通信技術、スペクトロスコピー、ナノテクノロジーによる量子操作など多岐の産業応用が可能になる。
【0062】
このような、ナノスケールサイズの量子デバイスやナノ構造の加工技術の開発により、省エネルギー・超高速・超高密度集積回路が可能になり、高度情報社会実現のための新デバイスの開発に利用できる製造技術を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の一実施形態を示す概念図である。
【図2】本発明の方法の他の実施形態を示す概念図である。
【図3】実施例1の方法を示す概念図である。
【図4】実施例1の方法により作製した(a)量子細溝、(b)量子円、(c)量子ドット格子の概念図である。
【図5】実施例2の方法を示す概念図である。
【図6】実施例2の方法により作製した強磁性量子ドットの概念的な斜視図である。
【図7】実施例3の方法により作製した(a)量子細線、(b)量子金属環、(c)量子金属角ドットの概念図である。
【図8】レーザー励起により離脱する原子数とレーザー・パワーとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 半導体基板
1A半導体基板の表面
2 イオンインプランテーション
3 n型またはp型領域
4 レーザー光照射
5 原子
6 量子穴
7 酸化物絶縁膜
8 ゲート
9 STM探針
9A STM探針の先端
10電場
11量子穴からなる細溝
12量子穴からなる
13量子穴からなるドット格子
14金属原子
15強磁性体量子ドット
16強磁性薄膜
17量子井戸
18バックゲート
19丸く先端が加工された電極
20先端が尖った針状の電極
21量子細線
22量子金属環
23量子金属角ドット

Claims (14)

  1. II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV族半導体、またはこれらの酸化物の基板表面において、局所ドーピングによりナノスケールサイズのp型またはn型領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、局所ドーピングした領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
  2. II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV族半導体、またはこれらの酸化物の基板表面において、走査型トンネル顕微鏡などの原子レベルの探針による電場印加によりナノスケールサイズの領域を電場により他領域と比べてp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することにより、局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
  3. II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV族半導体、またはこれらの酸化物の基板表面において、走査型トンネル顕微鏡などの原子レベルの探針による電場印加により、表面からの距離と印加電圧を可変にすることによりナノスケール領域のサイズの大きさを制御して任意の大きさのp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、該局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
  4. II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV族半導体、またはこれらの酸化物の基板表面において、該基板の表面と該基板の背後に酸化物絶縁膜を介して作製したゲートとの間に印加するゲート電圧による電界効果を用いることによりp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、該局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
  5. 有機物結晶またはイオン結晶の基板表面において、局所ドーピングによりナノスケールのp型またはn型領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起して、局所ドーピングした領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
  6. 有機物結晶またはイオン結晶表面において、走査型トンネル顕微鏡などの原子レベルの探針による電場印加によりナノスケール領域を電場により他領域と比べてp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起して、局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
  7. 有機物結晶またはイオン結晶の基板表面において、走査型トンネル顕微鏡などの原子レベルの探針による電場印加により、表面からの距離と印加電圧を可変にすることによりナノスケール領域のサイズの大きさを制御して任意の大きさのp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、該局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
  8. 有機物結晶またはイオン結晶の基板表面において、該基板の表面と該基板の背後に酸化物絶縁膜を介して作製したゲートとの間に印加するゲート電圧による電界効果を用いることによりp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、該局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
  9. ZnO、TiO2、遷移金属化合物やSrTiO3ペロブスカイトなどの酸化物の基板表面において、局所ドーピングによりナノスケールのp型またはn型領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、局所ドーピングした領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
  10. ZnO、TiO2、遷移金属化合物やSrTiO3ペロブスカイトなどの酸化物の基板表面において、走査型トンネル顕微鏡などの原子レベルの探針による電場印加によりナノスケール領域を電場により他領域と比べてp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することにより、局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
  11. ZnO、TiO2、遷移金属化合物やSrTiO3ペロブスカイトなどの酸化物の基板表面において、走査型トンネル顕微鏡などの原子レベルの探針による電場印加により、表面からの距離と印加電圧を可変にすることによりナノスケール領域のサイズの大きさを制御して任意の大きさのp型またはn型の局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、該局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
  12. ZnO、TiO2、遷移金属化合物やSrTiO3ペロブスカイトなどの酸化物の基板表面において、該基板の表面と該基板の背後に酸化物絶縁膜を介して作製したゲートとの間に印加するゲート電圧による電界効果を用いることによりp型またはn型領域となる局所領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線励起の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起することによって、該局所領域の原子だけを削除、離脱させて量子穴を作製することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
  13. 半導体、酸化物、有機結晶、またはイオン結晶の基板表面において、局所的ドーピング、原子レベルの探針による電場印加、またはゲートによる電界効果を用いることにより局所的にホールドープ領域や電子ドープ領域を作成し、この領域をレーザー光、放射光、電子線の一つ、またはこれらの組み合わせにより電子励起を行うことにより、表面原子の局所的な電子励起原子移動をナノスケールサイズの局所領域でのみ誘起させて該局所領域の原子だけを削除、離脱させることにより、該基板表面においてナノスケール構造の超微細量子細線描画、2次元超構造、量子細線、または量子ドットを形成することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
  14. 請求項13記載の方法で形成したナノスケール構造の超微細量子細線描画、2次元超構造、量子細線、または量子ドット領域に分子や原子ビーム蒸着または分子ビームエピタキシーにより異種金属原子や磁性半導体などの異種半導体を選択的に成長させて、表面ナノスケール構造や量子デバイスを形成することを特徴とする電子励起原子移動による表面ナノスケール構造の製造方法。
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