JP3910432B2 - 咬合採得用材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、義歯を製造するのに先立って行われる咬合採得に関連し、個人の本来有する咬合(噛み合せ)機能を発現できる義歯を得ることのできる咬合採得用材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、咬合の異常と全身的な症状(頭痛、肩こり、背中の痛み等)との因果関係が研究されてきている。例えば、総義歯の調整や口腔内にスプリントを装着することにより患者の咬合状態を矯正することによって、種々の全身症状が改善されたことがこれまでにも報告されている(例えば、中村昭二「咬合関連症の発症因子およびその診断と治療」:P.J.A.Occlusion.Health.Vol.1(1995))。
【0003】
義歯を作製するには、患者個人の咬合位置、すなわち、上顎に対する下顎位置を予め決定し、記録しておく必要がある。そして、決定した上下顎位置に適合するように人工歯が配列される。総義歯を必要とする個人は、咬合させるべき歯が失われているために、歯の代わりとして、上下顎に適合した咬合床を装着した状態で、上顎に対する下顎位置を設定し記録する。このような一連の作業を咬合採得という。咬合床は、このように失われた歯の代わりに、上下顎の位置関係の記録と人工歯配列の目安となるものであるから、それ自体完成義歯を予測して製作される。
【0004】
咬合床は、基礎床と咬合堤とから形成されている。基礎床は、咬合圧に耐え得るだけの剛性を有する必要があることから、口腔内温度で変形しない、プラスチック、レジン、金属などで形成される。また、咬合堤は、形状調整や作業性の観点から、通常パラフィンワックスが使用されている。
【0005】
このような咬合床を利用して行われる咬合採得では、下顎位置を咀嚼運動が行われていない通常の咬合状態時(普通に顎を閉じた通常状態での咬頭嵌合位:以下「中心咬合位」)において決定することが通常である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の咬合床を用いる咬合採得では、中心咬合位にて下顎位置を決定したとしても、この咬合採得に基づいて作製した義歯では、義歯装着後の歯科医師による咬合調整が非常に手間がかかっていた。さらに、歯科医師の咬合調整によっても、義歯装着者の咀嚼障害、発音障害などを始めとする各種咬合関連症を防ぐことは困難であった。すなわち、義歯の装着により義歯装着が本来有する咬合機能を発現させるような義歯を製作することは非常に困難であった。一方、本発明者らは、咬合機能を確保しあるいは改善することのできる義歯には、義歯全体の咬合時における咬合力のバランス(例えば隣接する臼歯間及び左右の対応する臼歯間)の重要性、特に、第二小臼歯及び第一大臼歯(以下、咬合重心ともいう。)における咬合力バランスが重要であるとして、このような咬合力バランスを達成できる義歯を、特開平2001−137261号公報において開示している。このような義歯を得るためにも、従来の咬合採得は不適当であった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、個人本来の咬合機能や生理的感覚を再現できる、咬合採得を可能とする咬合採得用材を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々検討したところ、咬合採得において、中心咬合位における下顎位置を決定しただけでは、患者本来の咬合機能を発現させる義歯を得ることが非常に困難であることを見出した。さらに、患者本来の咬合機能を発現させるには、咬合採得時にも、強い咬合状態や咀嚼運動などの、粘膜や顎関節に負荷がかかった状態を再現することが重要であることを見出した。そして、このような状態を再現できる咬合採得用材により、上記した課題が解決でき、最終的に、咬合機能を改善しあるいは本来の咬合機能を発現させることができる義歯を製作できることを見出し、本発明を完成した。本発明によれば、以下の手段が提供される。
【0009】
)所定位置に配置された上下咬合床の一部を構成する咬合堤の上下に対向する臼歯面部間に重層可能複数枚の剛性シート体を備え、少なくとも一方の最表層の剛性シート体は、短手方向に沿う断面が半円状である、咬合採得用材。
(2)前記複数枚の剛性シート体は、それぞれ同じ厚みである(1)記載の咬合採得用材。
)前記複数枚の剛性シート体は、これらを重ねた状態において、長手方向に沿う一端側において軸体で回転可能あるいは該軸体に沿って移動可能に軸支されている、(1)または(2)に記載の咬合採得用材。
(4)前記剛性シート体は、咬合圧に相当する荷重によって変形しない(1)ないし(3)のいずれかに記載の咬合採得用材。
(5)前記剛性シート体は、アクリル系樹脂、スチロール系樹脂又はポリカーボネイト系樹脂で形成されている(4)記載の咬合採得用材。
(6)前記剛性シート体の厚みが、0.2ミリ〜0.8ミリである(1)ないし(5)のいずれかに記載の咬合採得用材。
【0010】
これらの発明によると、咬合採得時において、臼歯咬合面部において強い咬合や咀嚼時のように筋肉が機能した状態(粘膜、顎関節に負荷がかかった状態)を得ることができる。
すなわち、本発明の本咬合採得用材は、上下咬合床を所定位置に配置したとき、すなわち、咬合採得時に、上下に対向配置される咬合堤の臼歯咬合面間に位置される。そして、患者の筋肉を機能させて、あるいは、咬合器により、咬合や咀嚼運動の作用を上下咬合床に付与することにより、優先的に、臼歯咬合面において上下咬合堤を対咬接触させることができる。このため、臼歯部における咬合や生理的感覚を把握するのに適している。したがって、本咬合採得用材を使用して咬合採得することにより、患者固有の咬合機能を発現できる下顎の左右上下位置を記録することができる。また、剛性シート体で形成されていることから、咬合圧によって変形せず、正確に上下咬合堤臼歯部間距離を確保することができる。また、剛性シート体が、重層可能に備えられているために、容易に全体の厚みを 調整することができて、迅速な咬合採得が可能となっている。
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の咬合採得用材は、所定位置に配置された上下咬合床の一部を構成する咬合堤の上下に対向する臼歯面部間に配される。まず、本発明に係る咬合採得用材を上下から挟持することになる咬合堤の一形態を図1及び図2に示す。上顎咬合堤2を図1に示し、下顎咬合堤22を図2に示す。
【0013】
咬合堤2,22は、咬合床の一部を構成するものである。一般的には、基礎床(図示せず)に咬合堤2、22が一体化されて咬合床が構成されている。
【0014】
合堤2、22においては、図1及び図2に示すように、前歯部と臼歯部とを一体に有している。
【0015】
前歯部4、24は、左右の中切歯、側切歯、犬歯に相当する領域であり、臼歯部6、26は、左右の第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯のうち少なくとも前方の3個の臼歯に相当する領域である。基礎床に一体化される前は、咬合堤2、22パラフィン含有組成物によってU字状あるいは馬蹄状に形成されており、U字状体の屈曲部位を中心に前歯部4、24が形成され、両方の自由端側に臼歯部6、26が形成されている。また、所定の高さ(厚み)を有している
【0016】
【0017】
【0018】
本明細書において、所定位置に対向配置される咬合堤2,22の各臼歯部6,26において、対咬接触する咬合面8,28を含む部位を咬合面部10、30という。上顎第二小臼歯近心部から第一大臼歯近心部(特に舌側咬頭頂部)を含む領域とそれに対咬する下顎の臼歯部が、咬合の中心、すなわち、バランスのよい安定した咬合を得るための重要な対咬接触領域である。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
合堤は、従来公知の熱可塑性組成物の成形方法によって製造することができる。あるいは、成形後に、さらに切削加工等により形状を付与することもできる。咬合堤に適用できる成形方法や加工方法は、当業者においてよく知られている
【0028】
本発明は、この咬合堤を備えた咬合床とともに使用するのに適した咬合採得用材を提供する。本発明の咬合採得用材40の一例を図3に示す。本発明の咬合採得用材40は、所定位置に配置された上下咬合床の咬合堤の上下臼歯面部間に介在させうる複数枚の剛性シート体42を重層可能に備えている。剛性シート体42は、咬合圧に相当する荷重によって変形しない、すなわち、形状が変化しない、あるいは厚みなどのサイズが変化しない程度の剛性を有していることが好ましい。このような剛性を有する材料は、特に限定しない。このような材料としては、金属、樹脂などを使用できるが、好ましくは、アクリル系樹脂、スチロール系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂である。剛性シート体42の厚みは、好ましくは約0.2ミリ〜約0.8ミリである。また、各剛性シート体42の形態は特に限定しないが、口腔に挿入し、左右の臼歯部の咬合面間に介在させる観点から、細長い帯状体であることが好ましい。また、その断面形状も特に限定しないが、重層容易である方形状とすることが好ましい。なお、対咬する咬合平面が平行でない場合には、対咬する咬合平面に接する剛性シート体42、すなわち、積層された剛性シート体42の少なくとも一方の最表層(最上層の場合もあり最下層の場合もある。通常は、片側だけである。)の剛性シート体42は、短手方向に沿う断面が半円状(外側が円弧状となる)であることが好ましい。あるいは、かかる断面半円状の剛性シート体42を、最表層に配置可能になっていればよい。円弧側を対向する咬合堤の咬合平面に向けるようにする。すなわち、上顎に固定した場合は、下顎の咬合平面と接する面が断面円弧状になり、下顎に固定した場合は、上顎の咬合平面と接する面が断面円弧状となる。
【0029】
剛性シート体42は、複数枚が重層可能に備えられている。重層するという観点からは、剛性シート体42は、おおよそ同一形状に形成されていることが好ましい。特に、全ての剛性シート体がほぼ同じ厚みを有することが好ましい。ほぼ同じ厚みを有していると、重層枚数で厚みを容易に把握し認識できるからである。さらに、好ましくは、口腔内に挿入し、上下咬合堤間に配置しやすいような帯状体とする。
【0030】
重層可能に備えるためには、どのような形態が採用されていてもよい。好ましくは、複数枚の剛性シート体42を重ねた状態で、帯状体の剛性シート体の長手方向に沿う一端側において軸体44で支持された構造を採用することができる。この場合、各剛性シート体42は、軸体44に対して少なくともある範囲で回転可能あるいは軸体に沿って移動可能に形成されている。このように形成すると、剛性シート体42を回転あるいは移動させることで、剛性シート体42を容易に重層しあるいは重層状態から除去することができて、重層枚数を容易に調整できる。軸体44としては、例えば、棒状体の他、リングやチェーンなどの閉環状体などを採用することができる。なお、剛性シート体42は、例えば、10〜20枚程度が重層可能に構成されている。咬合採得用材40は、このような軸体44を、各剛性シート体42のほぼ同位置に設けた孔部に挿入し、全剛性シート体42を貫通させることができる。咬合採得用材40の他の形態としては、例えば、帯状体の長手方向に沿って各剛性シート体42を隣接する剛性シート体42に接触させながらずらすことができるように構成することもできる。
【0031】
本咬合採得用材40は、上下咬合床を所定位置に配置したとき、すなわち、咬合採得時に、上下に対向配置される咬合堤の臼歯咬合面間に位置される。そして、患者の筋肉を機能させて、あるいは、咬合器により、咬合や咀嚼運動の作用を上下咬合床に付与することにより、優先的に、臼歯咬合面において上下咬合堤を対咬接触させることができる。このため、臼歯部における咬合や生理的感覚を把握するのに適している。したがって、本咬合採得用材40を使用して咬合採得することにより、患者固有の咬合機能を発現できる下顎の左右上下位置を記録することができる。また、剛性シート体42で形成されていることから、咬合圧によって変形せず、正確に上下咬合堤臼歯部間距離を確保することができる。また、剛性シート体42が、重層可能に備えられているために、容易に全体の厚みを調整することができて、迅速な咬合採得が可能となっている。
【0032】
次に、咬合床の作製と、咬合採得方法について説明する。
(咬合床の作製)
基礎床は、公知の方法によって作製することができる。下顎基礎床と上顎基礎床とをそれぞれ作製する。続いて、上下基礎床にそれぞれ咬合堤を一体化して、咬合床とする。本咬合堤を加熱して軟化させた状態で、作業模型に装着した基礎床に対して、形状を適合させて配置し、一体化する
【0033】
次に、作製した咬合床を用いて咬合採得を実施する。咬合採得は、上顎咬合床による咬合平面の決定工程、下顎咬合床の装着による下顎の三次元位置の決定工程、上下咬合床の固定工程を含み、他に上唇、頬部の豊隆度の調整などの工程も備えている。まず、上顎咬合床を装着して、咬合平面を決定する。咬合平面の決定に際しては、好ましくは、可塑性(熱可塑性でもよい。好ましくは、37℃以下で軟化して可塑性を発現する。)と粘性とを有する調整用ワックスを、咬合堤の基底面と基礎床との間に介在させる
【0034】
【0035】
上顎咬合堤を変位させることにより咬合平面を構成する上顎咬合堤位置を決定することができたら、上顎咬合堤の基底面と上顎基礎床との間に、同じ調整用ワックスあるいは接着性がより高いワックスを注入して、上顎を固定する。
【0036】
咬合平面を決定後、下顎咬合床を装着し、下顎の三次元位置を決定する。下顎の三次元位置の決定は、装着された上下咬合床の上下に対向配置された臼歯面部における咬合状態に基づいて行う。すなわち、咬合や咀嚼運動に関連する筋肉が機能した状態とさせ、このときの臼歯咬合面部における対咬接触状態や、患者の生理的感覚から中心咬合位ないしは咬合高径を決定する。特に、第二小臼歯から第一大臼歯にかけての対咬接触、より好ましくは、第二小臼歯から第一大臼歯の近心部において対咬接触が得られるようにする。このような対咬接触状態により咬合採得することにより、個人の咬合機能を改善させ、あるいは本来の咬合機能を発揮させることのできる咬合高径や下顎の三次元位置を採得することができる。
【0037】
【0038】
このとき、上下に対する咬合堤の左右の臼歯咬合面間に本咬合採得用材を介在させて、臼歯咬合面部の対接触を行うことできる。すなわち、臼歯咬合面部間に介在させた状態で患者が咬合や咀嚼に際して使用する筋肉を機能させ、剛性シート体の介在させる枚数を左右において種々に変えていくことで、患者の生理的感覚にもっとも合致した下顎位置を決定することができる。本咬合採得用材を介在させると、容易に臼歯咬合面部における対咬接触による咬合採得が可能となるとともに、適切な下顎の三次元位置を容易にかつ確実に決定することができる。また、カットして咬合堤に溶着することにより本咬合採得用材は術者が患者に手を添えたり、患者の口角を左右に広げたり、あるいは、口腔内に手を挿入したりすることなく、患者自身がタッピングを行うことができる。このため、患者の咬合感覚を咬合採得時に最大限に引き出すことができる。したがって、咬合採得時に、機能的咬合を発現させることができる。
【0039】
以下、本咬合採得用材を用いた咬合採得の具体的工程について説明する。下顎位置の決定は、前後位置の決定、左右の高さ位置の決定、及び水平位置の決定の順序で行うことができる。前後位置は、本咬合採得用材を、左右の最奥の臼歯部から順次前歯部へと移動させ、患者が咬合の際に力が入る位置かあるいは気持ちのよい咬合感覚が得られる位置により求めることができる。この位置が、咬合重心の前後位置となる。次いで、本咬合採得用材を左右同時に噛ませたり、引張することで、左右の咬合感覚が同じになるまで、剛性シート体の枚数を増減させる。これにより、咬合重心の好ましい左右の高さ位置を決定することができる。すなわち、咬合高径が決定することができる。さらに、前後位置及び左右高さ位置が決定した下顎咬合面部に咬合採得用材の位置をマーキングする。そして、本咬合採得用材の外形を固定する。すなわち、重層された剛性シート体を接着して、厚みを固定する。さらに、本咬合採得用材の外形形状を、咬合堤(旧義歯の場合もある)に合わせて頬舌径を加工する。調整した咬合採得用材を、前記マーキング位置に戻して、患者自身がタッピングしてもっとも咬合感覚がよい箇所により水平的な位置関係を決めることができる。これらの操作により前後位置、左右の高さ位置、水平位置が決定できたら、その下顎位置を上顎に対して固定する。すなわち、上下顎の咬合堤を固定する。
【0040】
このようにして咬合高径や下顎の三次元位置を決定したら、上下咬合床を固定して、咬合採得を終了する
【0041】
【0042】
以上説明したように、本発明の咬合採得用材によれば、咬合採得時において、臼歯部咬合面部における対接触による咬合機能を発現させることができる
【0043】
【実施例】
以下、本発明を具体例を挙げて説明するが、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
【0044】
(咬合堤の作製)
図1及び図2に示す形態の咬合堤の作製例を示す。咬合堤は、上下とも前歯部と臼歯部とを一体に有する馬蹄状体であった。本例では、山八株式会社製パラフィンワックスソフトで前歯部と全体(前歯部と臼歯部)の基底面部を形成し、同社製パラフィンワックススーパーハードで臼歯部の咬合面部(臼歯部の咬合面側)を形成した。各咬合堤は、各咬合堤の外形形状に対応するキャビティを有する成形型に加熱して流動化させたパラフィンワックスを注入し、冷却することにより作製した。すなわち、各咬合堤の形状に対応する成形型を構成し、予め、咬合面部に相当する領域をそれ以外の領域(前歯部全体および臼歯部の基底面部)と区画しておいて、咬合面部を含む区画にパラフィンワックススーパーハードを注入し、ある程度固化させた後、前歯部及び基底面部を含む区画にパラフィンソフトを注入し、冷却し、硬化させた。
【0045】
【0046】
合採得時には、本発明による咬合採得用材(剛性シート体の寸法:長さ8cm、幅7mm、厚さ0.2mm)を使用したところ、臼歯咬合面部における対咬接触による機能的咬合を容易に実現できたので、咬合高径ならびに下顎の三次元位置を適切かつ正確に決定することができた
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、咬合採得時において、咬合機能を発現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】顎咬合堤の一形態を示す図である。上顎咬合堤を、咬合面が下方を向いた状態で示している。
【図2】顎咬合堤の一形態を示す図である。下顎咬合堤を、咬合面が上方を向いた状態で示している。
【図3】本発明における咬合採得用材の一形態を示す図である。
【符号の説明】
2,22 咬合堤
4、24 前歯部
6、26 臼歯部
8、28 咬合面
10、30 咬合面部
12、32 基底面部
14、34 凹状部
40 咬合採得用材
42 剛性シート体
44 軸体

Claims (6)

  1. 所定位置に配置された上下咬合床の一部を構成する咬合堤の上下に対向する臼歯面部間に重層可能複数枚の剛性シート体を備え、少なくとも一方の最表層の剛性シート体は、短手方向に沿う断面が半円状である、咬合採得用材。
  2. 前記複数枚の剛性シート体は、それぞれ同じ厚みである請求項1記載の咬合採得用材。
  3. 前記複数枚の剛性シート体は、これらを重ねた状態において、長手方向に沿う一端側において軸体で回転可能あるいは該軸体に沿って移動可能に軸支されている、請求項1または請求項2に記載の咬合採得用材。
  4. 前記剛性シート体は、咬合圧に相当する荷重によって変形しない請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の咬合採得用材。
  5. 前記剛性シート体は、アクリル系樹脂、スチロール系樹脂又はポリカーボネイト系樹脂で形成されている請求項4記載の咬合採得用材。
  6. 前記剛性シート体の厚みが、0.2ミリ〜0.8ミリである請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の咬合採得用材。
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