JP3910083B2 - 音声パケット通信装置、トラフィック予測方法、及び音声パケット通信装置の制御方法 - Google Patents

音声パケット通信装置、トラフィック予測方法、及び音声パケット通信装置の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、IP(Internet Protocol)ネットワークを利用した音声パケット通信に使用されるVoIP(Voice over IP)ゲートウェイのような音声パケット通信装置、音声パケット通信装置を用いたトラフィック予測方法、及び音声パケット通信装置における通話品質最適化制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インターネット等のIPネットワークを利用した音声パケット通信においては、パケット通信の非リアルタイム性の影響(伝送遅延及びジッタ等)により通話品質が劣化する。このような通話品質の劣化を低減するため、音声パケット通信装置の受信部にバッファメモリを設け、音声パケットとして到達した音声符号化データをバッファメモリに一時的に蓄積してから所定の転送レートで音声復号器に送出する手法が採用されている。
【0003】
ところが、バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量が増加し過ぎると、通話遅延が顕著になる。このため、バッファメモリに到達した音声符号化データの電力が所定の基準電力値より低い無音部分(再生しても無音となる部分又は非常に低い音声レベルとなる部分)を破棄すること(即ち、無音圧縮)により、バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量を少なくして、通話遅延を短縮する遅延回復機能が実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような通話遅延回復のための基準電力値は、時々刻々と変化するIPネットワークのトラフィック状況に追従して変更される動的なものではなかった。したがって、上記した従来の音声パケット通信装置における通話遅延回復のための制御動作は、IPネットワークのトラフィック状況に応じて通話品質を最適に制御しているものとは言えなかった。換言すれば、上記した従来の音声パケット通信装置における通話遅延回復のための制御動作において、無音部分を削除し過ぎると、IPネットワークのトラフィックが混雑しているとき等(伝送遅延が顕著なとき)にバッファメモリが枯渇して、通話品質を低下させるおそれがあり、逆に、無音部分の削除を制限し過ぎると通話遅延の短縮が不十分になった。
【0005】
そこで、本発明は、上記したような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ネットワークのトラフィック状況に応じて通話品質が最適になるように遅延回復機能を動的に制御できる音声パケット通信装置、この装置を用いたトラフィック予測方法、及びこの装置における通話品質最適制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る音声パケット通信装置は、
ネットワークを経由して音声パケットとして到着する音声符号化データを一時的に蓄積すると共に、蓄積された音声符号化データを音声復号器に対して送出するバッファメモリと、
前記バッファメモリによる音声符号化データの送出を制御するバッファ制御部と
を有する音声パケット通信装置において、
前記バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量を監視し、監視結果を蓄積量情報として出力するバッファ蓄積量監視部と、
前記バッファ蓄積量監視部から出力された蓄積量情報を記憶し、記憶内容に基づく蓄積量分析結果を出力するバッファ蓄積量監視結果記憶・分析部と、
前記バッファ制御部の動作内容を監視し、監視結果を動作情報として出力するバッファ制御動作監視部と、
前記バッファ制御動作監視部から出力された動作情報を記憶し、記憶内容に基づく制御動作分析結果を出力するバッファ制御動作監視結果記憶・分析部と、
前記蓄積量分析結果及び前記制御動作分析結果を用いて前記ネットワークにおけるトラフィックを予測するトラフィック予測部と
を有することを特徴としている。
【0007】
また、前記音声パケット通信装置において、
前記バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部は、蓄積量情報を記憶してから第1の時間が経過すると当該蓄積量情報を破棄し、
前記バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部は、その記憶容量を越える蓄積量情報が投入されたときに、この投入された最新の蓄積量情報を記憶し、最も古い蓄積量情報を破棄し、
前記バッファ制御動作監視結果記憶・分析部は、動作情報を記憶してから第2の時間が経過すると当該動作情報を破棄し、
前記バッファ制御動作監視結果記憶・分析部は、その記憶容量を越える動作情報が投入されたときに、この投入された最新の動作情報を記憶し、最も古い動作情報を破棄する
ように構成してもよい。
【0008】
さらに、前記音声パケット通信装置に、前記バッファメモリに到着する音声符号化データの電力が所定の基準電力値より低い場合には、当該音声符号化データを不要フレームと判定する不要フレーム判定器を備え、
前記バッファ制御部は、前記バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量が削除動作開始しきい値を超えた場合に前記不要フレームを削除し、
前記トラフィック予測部がトラフィックの予測に用いる前記制御動作分析結果には、前記バッファ制御部による不要フレームの削除頻度が含まれる
ように構成してもよい。
【0009】
さらにまた、前記バッファメモリから音声復号器に対して音声符号化データを送出するタイミングにおいて、前記バッファメモリに音声符号化データが蓄積されていないときには、前記バッファ制御部が音声復号器に対して無音フレームを送出し、
前記トラフィック予測部がトラフィックの予測に用いる前記制御動作分析結果には、前記バッファ制御部による無音フレームの送出頻度が含まれる
ように構成してよい。
【0010】
また、前記トラフィック予測部が、前記蓄積量分析結果から求めた音声パケットの到着間隔の平均値及び直近に到着した音声パケットとその一つ前の音声パケットとの到着間隔を用いてトラフィックを予測するように構成してもよい。
【0011】
さらに、前記音声パケット通信装置に、前記不要フレームの削除動作開始しきい値を決定するしきい値決定部を備え、
前記しきい値決定部が、前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量を時間軸−蓄積量座標系に描いた場合における前記バッファメモリに音声パケットが到着した直後の点を繋ぐ上側包絡線と、前記トラフィック予測部によるトラフィックの予測結果と、前記バッファ制御手段による不要フレーム削除頻度とに基づいて前記不要フレームの削除動作開始しきい値を決定する
ように構成してもよい。
【0012】
さらにまた、前記不要フレームの削除停止しきい値を決定する削除動作停止しきい値決定部を有し、前記バッファ制御部は、前記バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量が削除動作停止しきい値より低くなった場合に前記不要フレームの削除動作を停止し、前記削除動作停止しきい値決定部が、前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量を時間軸−蓄積量座標系に描いた場合における前記バッファメモリに音声パケットが到着する直前の点を繋ぐ下側包絡線に基づいて前記不要フレームの削除動作停止しきい値を決定するように構成してもよい。
【0013】
また、前記音声パケット通信装置は、
音声パケットの到着間隔の平均値及びトラフィックの予測結果に基づいて次に到着する音声パケットの到着時刻を予測するパケット到着時刻予測部と、
不要フレームの削除動作を停止する前の前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移を予測する蓄積量推移予測部と、
不要フレームの削除動作を停止した後の前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移を予測する削除停止後蓄積量推移予測部と、
前記パケット到着時刻予測部により予測された音声パケットの到着時刻、前記蓄積量推移予測部により予測された前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移、及び前記蓄積量推移予測部により予測された前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移に基づいて、不要フレームの削除動作の停止しきい値を決定する削除動作停止しきい値決定部と
を有するように構成してもよい。
【0014】
また、前記音声パケット通信装置は、
音声パケットの到着間隔の平均値及びトラフィックの予測結果に基づいて次に到着する音声パケットの到着時刻を予測するパケット到着時刻予測部と、
不要フレームの削除動作を停止した後の前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移を予測する削除停止後蓄積量推移予測部と、
前記パケット到着時刻予測部により予測された音声パケットの到着時刻及び前記蓄積量推移予測部により予測された前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移に基づいて、不要フレームの削除動作の停止信号を前記バッファ制御部に通知する削除動作信号発生部と
を有するように構成してもよい。
【0015】
また、本発明に係る音声パケット通信装置を用いたトラフィック予測方法は、ネットワークを経由して音声パケットとして到着する音声符号化データを一時的に蓄積すると共に、蓄積された音声符号化データを音声復号器に対して送出するバッファメモリと、前記バッファメモリによる音声符号化データの送出を制御するバッファ制御部とを有する音声パケット通信装置を用いたトラフィック予測方法であって、
バッファ蓄積量監視部により、前記バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量を監視し、監視結果を蓄積量情報として出力し、
前記バッファ蓄積量監視部から出力された蓄積量情報を、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部に記憶し、記憶内容に基づく蓄積量分析結果を出力し、
バッファ制御動作監視部により、前記バッファ制御部の動作内容を監視し、監視結果を動作情報として出力し、
前記バッファ制御動作監視部から出力された動作情報をバッファ制御動作監視結果記憶・分析部に記憶し、記憶内容に基づく制御動作分析結果を出力し、
トラフィック予測部により前記蓄積量分析結果及び前記制御動作分析結果を用いて前記ネットワークにおけるトラフィックを予測することを特徴としている。
【0016】
また、本発明に係る音声パケット通信装置の制御方法は、ネットワークを経由して音声パケットとして到着する音声符号化データを一時的に蓄積すると共に、蓄積された音声符号化データを音声復号器に対して送出するバッファメモリと、前記バッファメモリによる音声符号化データの送出を制御するバッファ制御部とを有する音声パケット通信装置の制御方法であって、
バッファ蓄積量監視部により、前記バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量を監視し、監視結果を蓄積量情報として出力し、
前記バッファ蓄積量監視部から出力された蓄積量情報を、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部に記憶し、記憶内容に基づく蓄積量分析結果を出力し、
バッファ制御動作監視部により、前記バッファ制御部の動作内容を監視し、監視結果を動作情報として出力し、
前記バッファ制御動作監視部から出力された動作情報をバッファ制御動作監視結果記憶・分析部に記憶し、記憶内容に基づく制御動作分析結果を出力し、
トラフィック予測部により前記蓄積量分析結果及び前記制御動作分析結果を用いて前記ネットワークにおけるトラフィックを予測し、
前記バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部は、蓄積量情報を記憶してから第1の時間が経過すると当該蓄積量情報を破棄し、
前記バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部は、その記憶容量を越える蓄積量情報が投入されたときに、この投入された最新の蓄積量情報を記憶し、最も古い蓄積量情報を破棄し、
前記バッファ制御動作監視結果記憶・分析部は、動作情報を記憶してから第2の時間が経過すると当該動作情報を破棄し、
前記バッファ制御動作監視結果記憶・分析部は、その記憶容量を越える動作情報が投入されたときに、この投入された最新の動作情報を記憶し、最も古い動作情報を破棄することを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
<1>第1の実施形態
<1−1>第1の実施形態の構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る音声パケット通信装置の構成(トラフィック予測方法を実施するための構成)を示すブロック図である。
【0018】
図1に示されるように、第1の実施形態に係る音声パケット通信装置は、ネットワーク(図示せず)を経由して順次到達する音声符号化データ(音声パケット)Frinを一時的に蓄積すると共に、蓄積された音声符号化データを音声復号器に対して送出するバッファメモリ101と、このバッファメモリ101による音声符号化データ(フレーム)Froutの送出を制御するバッファ制御部102とを有する。
【0019】
また、第1の実施形態に係る音声パケット通信装置は、バッファメモリ101内部の音声符号化データ(フレーム)の蓄積量を逐次監視し、監視結果を蓄積量情報DATAaccumとして出力するバッファ蓄積量監視部103と、このバッファ蓄積量監視部103から出力された蓄積量情報DATAaccumを逐次記憶し、記憶内容に基づく蓄積量分析結果ANAaccumを出力するバッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104とを有する。
【0020】
さらに、第1の実施形態に係る音声パケット通信装置は、バッファ制御部102の動作内容を逐次監視し、監視結果を動作情報DATAcntとして出力するバッファ制御動作監視部105と、このバッファ制御動作監視部105から出力された動作情報DATAcntを逐次記憶し、記憶内容に基づく制御動作分析結果ANAcntを出力するバッファ制御動作監視結果記憶・分析部106とを有する。
【0021】
さらにまた、第1の実施形態に係る音声パケット通信装置は、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104から出力された蓄積量分析結果ANAaccum及びバッファ制御動作監視結果記憶・分析部106から出力された制御動作分析結果ANAcntを用いてネットワークにおけるトラフィックを予測するトラフィック予測部107と、バッファメモリ101に到達した音声符号化データが不要フレームであるか否かを判定する不要フレーム判定器108とを有する。
【0022】
図2は、第1の実施形態に係る音声パケット通信装置が適用されるVoIPネットワークの構成を示すブロック図である。図2に示されるように、VoIPネットワークは、送信端末201、送信器202、受信端末211、受信機212、及びIPネットワーク221を有する。IPネットワーク221は、例えば、インターネットであるが、LANやイントラネット等のインターネット以外のパケット通信網であってもよい。VoIPネットワークにおいては、送話者の音声は送信端末201で電気信号に変換され、送信器202により音声パケットとしてIPネットワーク221へ送信される。受信器212はIPネットワーク221を経由して到達した音声パケットを受信し、受信端末211が音声に変換できる電気信号に変換し、音声を再生する。送信端末201(又は受信端末211)は、例えば、一般公衆網を利用する通常電話機の機能とIP網を利用するIP電話機(インターネット電話機を含む)の機能とを併せ持つ多機能電話機である。送信器202(又は受信器212)は、例えば、VoIPゲートウェイである。また、送信端末201及び送信器202(又は、受信端末211及び受信器212)の機能を一つにまとめて、一体型の送信装置(又は受信装置)としてもよい。また、図2においては、送信側の構成及び受信側の構成を異なる構成として示したが、通常は、送信側の装置と受信側の装置はいずれも、送信機能と受信機能の両方を併せ持つ通信装置である。送信機能と受信機能の両方を併せ持つ通信装置としては、インターネット電話機がある。なお、第1の実施形態に係る音声パケット通信装置は、図2に示される受信器212に適用されるものである。
【0023】
<1−2>第1の実施形態の動作
以下に、第1の実施形態に係る音声パケット通信装置の動作(トラフィック予測方法)を説明する。
【0024】
バッファメモリ101は、IPネットワークを経由して到着した音声符号化データFrinを蓄積する。
【0025】
バッファ制御部102は、バッファメモリ101から音声復号器への音声符号化データFroutの送出を制御する。一般に、音声復号器は、一定周期で動作しており、動作の毎に一定長の音声符号化データを復号して音声信号を生成する。このため、バッファ制御部102は、一定周期で一定長の音声符号化データFroutを音声復号器に投入するように、バッファメモリ101を制御する。例えば、ITU(国際電気通信連合会)G.711規格の場合には10msec毎に80byte、G.729A規格の場合には10msec毎に10byte、G.723.1規格の場合には30msec毎に20byte(或いは24byte)の音声符号化データFroutが、音声復号器に投入される。バッファ制御部102は、音声復号器に対する音声符号化データFroutの投入タイミングに合わせて、バッファ制御信号CNTをバッファメモリ101に対して送出する。バッファメモリ101は、バッファ制御信号CNTを受信すると、音声復号器に対して音声符号化データFroutを送出する。
【0026】
また、バッファ制御部102は、音声復号器に対するデータ投入時にバッファメモリ101が枯渇している(音声符号化データが蓄積されていない)場合には、音声復号器に対して無音フレームFrbadを投入する。無音フレームFrbadは、音声復号器による再生結果が無音又は無音に近い低レベルの信号となる音声符号化データからなるフレームである。音声復号器が動作するためには音声符号化データが必要であるので、バッファメモリ101の枯渇時に音声復号器による再生結果が無音又は無音に近い低レベルの信号となる音声符号化データ(無音フレーム)を作成し投入する。
【0027】
さらに、バッファ制御部102は、バッファメモリ101内部の音声符号化データの蓄積量が多い場合、バッファメモリ101内部の不要フレームFrnonを削除する。不要フレームFrnonを削除するか否かの判断は、予め設けられたしきい値(バッファメモリ101内部の許容蓄積量)と音声符号化データの蓄積量とを比較した結果に基づいてなされる。音声符号化データの実際の蓄積量がしきい値を超えた場合には、バッファメモリ101から不要フレームFrnonを削除する。このしきい値は、固定でもよいが可変にしておくことが望ましい。
【0028】
ここで、不要フレームFrnonとは、再生しても無音(又は非常に低いレベル)となる音声符号化データのことである。不要フレームFrnonであるか否かの判定は、不要フレーム判定器108が実施する。不要フレーム判定器108は、音声符号化データFrinが到着すると音声として復号し、その電力を求め、求められた電力が不要フレーム判定用の基準電力値THDFrnon(例えば、−50[dBm0])より低い場合に、到着した音声符号化データFrinが不要フレームFrnonであると判定する。到着した音声符号化データFrinが不要フレームFrnonである判定された場合には、不要フレーム判定器108は、到着した音声符号化データFrinに対して、不要フレ−ム判定符号を付加する。
【0029】
バッファ蓄積量監視部103は、バッファメモリ101内部の音声符号化データの蓄積量を逐次監視し、蓄積量情報DATAaccumをバッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104へ逐次通知する。監視及び通知をするタイミングは、バッファメモリ101から音声復号器へのデータ投入時が好適である。
【0030】
バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104は、バッファ蓄積量監視部103からの蓄積量情報DATAaccumを一定時間(例えば、30秒間)にわたり記憶する。バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104の記憶内容は、バッファ蓄積量監視部103から蓄積量情報DATAaccumが通知される毎に、更新される。更新は、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104に最新の蓄積量情報DATAaccumを投入する際にバッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104の記憶容量を超える場合には、最も古い蓄積量情報を破棄し、最新の蓄積量情報を投入することによって実行される。また、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104に記憶された蓄積量情報DATAaccumが、所定の記憶時間を超える場合には、当該蓄積量情報を破棄する。
【0031】
バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104は、記憶している蓄積量情報をもとに、バッファメモリ101内部のバッファ蓄積量の変動の度合いを分析し、例えば、バッファ蓄積量の最大値、最小値、これらの差分を求める。また、バッファ蓄積量を統計的に分析して、バッファ蓄積量の平均値や分散値を求める。また、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104は、バッファメモリ101への音声符号化データFrinの到着のタイミングを監視し、分析することで、パケット到着間隔を求める。バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104は、これらの分析結果をバッファ蓄積量分析結果ANAaccumとして、トラフィック予測部107へ通知する。なお、「バッファ蓄積量の最大値」とは、バッファメモリ101が記憶している中で最大のバッファ蓄積量であり、「最大バッファ蓄積量」ともいう。また、「バッファ蓄積量の最小値」とは、バッファメモリ101が記憶している中で最小のバッファ蓄積量であり、「最小バッファ蓄積量」ともいう。「バッファ蓄積量の差分」とは、最大バッファ蓄積量と最小バッファ蓄積量値との差分である。「バッファ蓄積量の平均値」とは、バッファメモリ101が記憶しているバッファ蓄積量の平均値である。「パケット到着間隔」は、統計的に分析して得られた音声パケットの到着間隔の平均及び分散で表示される。
【0032】
バッファ制御動作監視部105は、無音フレームFrbadの挿入、不要フレームFrnonの削除、不要フレームFrnonの削除動作のしきい値変更等のバッファ制御動作を監視し、動作情報DATAcntをバッファ制御動作監視結果記憶・分析部106へ通知する。また、監視及び通知をするタイミングは、音声復号器へのデータ投入時が好適である。
【0033】
バッファ制御動作監視結果記憶・分析部106は、バッファ制御動作監視部105からの動作情報DATAcntを一定時間(例えば、30秒間)にわたり記憶する。バッファ制御動作監視結果記憶・分析部106の記憶内容は、バッファ制御動作監視部105から動作情報DATAcntが通知される毎に、更新される。更新は、バッファ制御動作監視結果記憶・分析部106に最新の動作情報DATAcntを投入する際にバッファ制御動作監視結果記憶・分析部106の記憶容量を超える場合には、最も古い動作情報を破棄し、最新の動作情報を投入することによって実行される。また、バッファ制御動作監視結果記憶・分析部106に記憶された動作情報DATAcntが、所定の記憶時間を超える場合には、当該動作情報を破棄する。
【0034】
バッファ制御動作監視結果記憶・分析部106は、記憶情報をもとにバッファ制御動作の動作履歴を分析する。例えば、挿入した無音フレームFrbadのフレーム数や削除した不要フレームFrnonのフレーム数を統計的に分析する。また、無音フレームFrbadの挿入動作の連続時間、不要フレームFrnonの削除動作の連続時間を求める。さらに、しきい値(バッファメモリ101内部の許容蓄積量)を変更する場合には、しきい値の変更履歴を分析する。さらにまた、これらの分析結果をバッファ制御動作分析結果ANAcntとしてトラフィック予測部107へ通知する。
【0035】
バッファ制御部102による無音フレームFrbadの挿入動作の分析結果は、無音フレーム挿入頻度である。無音フレーム挿入頻度は、所定の記憶時間の間に何フレームの無音フレームFrbadが挿入されたか(即ち、「挿入無音フレーム数/全処理フレーム数」)で表される。無音フレーム挿入頻度の値は、0〜1の範囲内となる。
【0036】
バッファ制御部102による不要フレームFrnonの削除動作の分析結果は、不要フレーム削除頻度である。不要フレーム削除頻度は、所定の記憶時間の間に何フレームの不要フレームFrnonが削除されたか(即ち、「削除不要フレーム数/全処理フレーム数」)で表される。不要フレーム削除頻度の値は、0〜1の範囲内となる。
【0037】
バッファ制御部102による無音フレームFrbadの挿入動作の連続回数は、何[msec]連続して無音フレームFrbadの挿入動作が発生したかで表す。バッファ制御部102による不要フレームFrnonの削除動作の連続回数は、何[msec]連続して不要フレームFrnonの削除動作が発生したかで表す。
【0038】
トラフィック予測部107は、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104から通知されるバッファ蓄積量分析結果ANAaccum及びバッファ制御動作監視結果記憶・分析部106から通知されるバッファ制御動作分析結果ANAcntに基づいてIPネットワークのトラフィックの状況を予測する。
【0039】
トラフィック予測方法の一例を以下に説明する。バッファ蓄積量分析結果ANAaccumから、直近パケットの一つ前のパケットからの到着間隔を示すANAaccum−rtime(t)と、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104の記憶時間におけるパケット到着間隔の平均値ANAaccum−aveti me(t)を抽出する。さらに、バッファ制御動作分析結果記憶・分析部106からのバッファ制御動作分析結果ANAcntに基づいて不要フレームFrnonの削除頻度を示すANAcnt−del(t)と、無音フレームFrbadの挿入頻度を示すANAcnt−ins(t)を抽出する。トラフィック予測部107は、以下の式(1)によりトラフィック予測結果ANAtrafを算出する。
【0040】
【数5】
Figure 0003910083
【0041】
なお、式(1)において、ANAcnt−del(t)及びANAcnt−ins(t)は、それぞれ0〜1の値をとる。また、a、b、cは任意の正の定数であり、例えば、a=0.5、b=c=0.25である。ただし、a、b、cの値は、前記値には限定されず、ネットワークの特性、音声パケット通信装置に要求される性能、装置の利用者の要望等の各種要因に応じて変更することができる。
【0042】
IPネットワークのトラフィックの予測結果ESTtrf(t)は、例えば、上記ANAtrafであり、0以上の値を取り、値が0に近いほどトラフィックが安定していることを示す。
【0043】
<1−3>第1の実施形態の効果
以上説明した第1の実施形態に係る音声パケット通信装置によれば、バッファメモリ101の音声符号化データの蓄積量の監視結果及びバッファ制御部102の動作の監視結果を用いることにより、時々刻々と変化するIPネットワークのトラフィック状況をリアルタイムで予測することができる。
【0044】
<2>第2の実施形態
<2−1>第2の実施形態の構成
図3は、本発明の第2の実施形態に係る音声パケット通信装置の構成(通話品質制御方法を実施するための構成)を示すブロック図である。
【0045】
第2の実施形態に係る音声パケット通信装置は、第1の実施形態に係るトラフィック予測方法を実施するための構成に加え、しきい値決定部301を有する。第2の実施形態におけるバッファ制御部102は、不要フレームFrnonの削除動作を開始するしきい値である削除動作開始しきい値311と、不要フレームFrnonの削除動作を停止するしきい値である削除動作停止しきい値312とを有する。バッファメモリ101内部の音声符号化データの蓄積量が削除動作開始しきい値311を超えたときには、不要フレーム判定器108により不要フレーム判定符号を付加された不要フレームFrnonの削除動作を開始する。バッファメモリ101内部の音声符号化データの蓄積量が削除動作停止しきい値312より小さくなったときには、不要フレーム判定器108により不要フレーム判定符号を付加された不要フレームFrnonの削除動作を停止する。
【0046】
バッファ制御部102は、削除動作開始しきい値311及び削除動作停止しきい値312を更新する。しきい値決定部301は、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104、バッファ制御動作監視結果記憶・分析部106、及びトラフィック予測部107から、それぞれ分析結果の通知を受け、削除動作開始しきい値311及び削除動作停止しきい値312の更新値を求め、バッファ制御部102へ通知する。
【0047】
<2−2>第2の実施形態の動作
以下に、第2の実施形態に係る音声パケット通信装置の動作(通話品質制御方法)を説明する。
【0048】
トラフィック予測部107によるトラフィック予測動作は、上記第1の実施形態の動作と同様である。
【0049】
バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104は、バッファ蓄積量分析結果ANAaccumをしきい値決定部301へ通知する。バッファ制御動作監視結果記憶・分析部106は、バッファ制御動作分析結果ANAcntをしきい値決定部301へ通知する。トラフィック予測部107は、トラフィック予測結果ANAtraf(t)をしきい値決定部301へ通知する。
【0050】
図4は、しきい値決定部301による不要フレームFrnonの削除動作開始しきい値311の決定動作を説明するための図である。図4において、横軸は時刻を示し、縦軸はバッファメモリ101の音声符号化データの蓄積量を示す。しきい値決定部301は、バッファ蓄積量分析結果ANAaccumに基づいてパケット到着時におけるバッファメモリ101の音声符号化データの蓄積量の包絡線を求める。この包絡線は、バッファメモリ101の音声符号化データの蓄積量を時間軸−蓄積量座標系に描いた場合におけるバッファメモリ101に音声パケットが到着した直後の点を繋ぐ上側包絡線と、バッファメモリ101の音声符号化データの蓄積量を時間軸−蓄積量座標系に描いた場合におけるバッファメモリ101に音声パケットが到着する直前の点を繋ぐ下側包絡線である。しきい値決定部301は、算出された上側包絡線に基づいて不要フレームFrnonの削除動作開始しきい値311を更新する。さらに、不要フレームFrnonの削除動作開始しきい値311の更新値をバッファ制御部102へ通知する。
【0051】
以下に、削除動作開始しきい値311及び削除動作停止しきい値312の決定方法の一例を説明する。しきい値決定部301は、バッファ蓄積量分析結果ANAaccumから最小バッファ蓄積量ANAaccum−min(t)を抽出し、バッファ制御動作分析結果ANAcntからフレーム削除頻度ANAcnt−del(t)を抽出し、使用する。さらに、しきい値決定部301は、トラフィック予測結果ANAtraf(t)を使用する。
【0052】
しきい値決定部301は、削除動作開始しきい値311を、例えば、次式(2)により決定する。
THDstart(t)=ENV(t)×(1+α(t)) …(2)
式(2)において、THDstart(t)は、ある時刻tにおける削除動作開始しきい値311であり、ENV(t)は、時刻tにおいて包絡線が示す値である。また、α(t)はフレーム削除頻度ANAcnt−del及びトラフィック予測結果ANAtrafに基づいて決定される正の値であり、求め方は後述する。
【0053】
トラフィック予測部107から出力されるトラフィック予測結果ANAtrafが、トラフィックが安定している(音声パケットの到着間隔がほぼ一定である)ことを示している場合には、突発的な通話遅延が生じないように不要フレームFrnonの削除動作を開始させるために、α(t)を小さくする方が望ましい。一方、トラフィック予測結果ANAtrafが、トラフィックが輻輳している(音声パケットの到着間隔のばらつきが大きい)ことを示している場合には、バッファメモリ101の枯渇を防ぐために、ある程度の通話遅延を許容して、α(t)を大きくする方が望ましい。
【0054】
また、不要フレームFrnonの削除頻度ANAcnt−delが、不要フレームFrnonの削除動作が頻繁に発生していることを示している場合には、不要フレームFrnon削除に起因する音質劣化を防ぐために、α(t)は大きくする方が望ましい。
【0055】
以上の点を考慮すれば、α(t)を、例えば、次式(3)のように決定することができる。
α(t)=T+β・ANAtraf(t)+γ・ANAcnt−del(t)…(3)
式(3)において、ANAtrafは、トラフィック予測結果であり、0以上の値をとり、値が0に近いほどトラフィックが安定している。また、ANAcnt−del(t)は、蓄積量分析結果から抽出したフレーム削除動作の発生頻度を表し、0〜1の値をとり、値が大きいほど、削除動作が頻繁に発生していることを表している。T、β、及びγは任意の正の定数である。例えば、T=0.1、β=1、γ=1とすることができる。ただし、T、β、及びγの値は、前記値には限定されず、ネットワークの特性、音声パケット通信装置に要求される性能、装置の利用者の要望等の各種要因に応じて変更することができる。
【0056】
また、しきい値決定部301は、算出された下側包絡線を基に、削除動作停止しきい値312を更新し、更新値をバッファ制御部102へ通知する。
【0057】
削除動作停止しきい値312が大き過ぎると予測される場合(即ち、メモリバッファ101内部の蓄積量が常にオフセットを持つ場合)、最小バッファ蓄積量ANAaccum−minを下回らない範囲、即ち、バッファメモリ101が枯渇しないと予測される範囲内で、削除動作停止しきい値312を小さい値に更新する。
【0058】
削除動作停止しきい値312を小さくした場合、小さくした分だけ、バッファメモリ101内部の不要フレームFrnonを削除する。これと同時に、削除動作開始しきい値311も同じ分だけ小さくする。
【0059】
<2−3>第2の実施形態の効果
以上説明した第2の実施形態に係る音声パケット通信装置によれば、しきい値決定部301が、トラフィックの予測結果ANAtraf、バッファメモリ101内部の蓄積量の分析結果ANAaccum、及びバッファ制御動作の分析結果ANAcntに基づいて、削除動作開始しきい値311及び削除動作停止しきい値312を制御するので、トラフィックの状態に応じて最適な制御ができる。
【0060】
また、上側包絡線を算出し、その算出結果に応じて、削除動作開始しきい値311を設定するので、削除動作開始しきい値311が小さく設定されることによる不必要な削除動作を抑制でき、音質を必要以上に劣化させることが無くなる。
【0061】
さらに、突発的な大きな遅延に対して、上側包絡線を基準にして削除動作開始しきい値311を設定するため、当該しきい値が不要に大きく設定されることを防止でき、不必要な蓄積量の増加を抑制でき、通話遅延を短縮できる。
【0062】
さらにまた、下側包絡線を算出し、その算出結果に応じて、削除動作停止しきい値を設定するので、削除動作停止しきい値312が必要以上に大きく設定されることによるバッファメモリ101内部の必要以上のフレーム蓄積量の増加を防止でき、固定遅延(常時存在する通話遅延)を短縮できる。
【0063】
また、削除動作停止しきい値312を小さく変更すると同時に、バッファメモリ101内部の不要フレームFrnonを削除するため、バッファメモリ101内部の固定遅延を速やかに短縮できる。
【0064】
<3>第3の実施形態
<3−1>第3の実施形態の構成
図5は、本発明の第3の実施形態に係る音声パケット通信装置の構成(通話品質制御方法を実施するための構成)を示すブロック図である。
【0065】
第3の実施形態に係る音声パケット通信装置においては、不要フレームFrnonの削除動作を継続するとバッファメモリ101が枯渇する可能性がある場合に、不要フレームFrnonの削除動作停止しきい値312を変更して(即ち、高くして)、不要フレームFrnonの削除動作を停止し、バッファメモリ101の枯渇を防止している。第3の実施形態に係る音声パケット通信装置における通話品質制御方法は、第2の実施形態に係る音声パケット通信装置に適用してもよいが、トラフィック予測部107及びバッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104を有する他の装置に適用することもできる。
【0066】
第3の実施形態に係る音声パケット通信装置は、バッファメモリ101に次の音声パケットが投入されるタイミングを予測するパケット到着時刻予測部501と、不要フレームFrnonの削除動作を停止しない場合におけるバッファメモリ101が枯渇するまでのバッファメモリ101内部のフレーム残量の推移を予測する蓄積量推移予測部502と、不要フレームFrnonの削除動作を停止した場合におけるフレーム残量の推移を予測する削除停止後蓄積量推移予測部503と、不要フレームFrnonの削除動作停止しきい値312を決定する削除動作停止しきい値決定部504とを有する。また、第3の実施形態に係る音声パケット通信装置は、第2の実施形態に係る音声パケット通信装置におけるバッファメモリ101、バッファ制御部102、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104、トラフィック予測部107、及び削除動作停止しきい値312と連動して動作するものとして説明するが、第3の実施形態における通話品質の制御は、第2の実施形態とは異なる構成にも適用できる。
【0067】
<3−2>第3の実施形態の動作
パケット到着時刻予測部501は、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104からのバッファ蓄積量分析結果ANAaccum及びトラフィック予測部107からのトラフィック予測結果ANAtrafに基づいて、次の音声パケットが到着する時刻ESTtimeを予測し、削除動作停止しきい値決定部504へ通知する。
【0068】
図6(a)及び(b)は、第3の実施形態に係る音声パケット通信装置における削除動作停止しきい値311の更新動作を説明するための図である。図6(a)及び(b)において、傾斜の急な太い実線は、削除動作を停止する前のバッファ蓄積量の予測推移を示し、傾斜の緩やかな太い破線は、削除動作を停止した後のバッファ蓄積量の予測推移を示す。
【0069】
第3の実施形態においては、パケット到着時刻ESTtimeを、次式(4)のように予測する。
ESTtime
=ANAaccum−avetime×(1+α×ANAtraf) …(4)
式(4)において、ANAaccum−avetimeは、バッファ蓄積量分析結果ANAaccumから抽出したパケット到着間隔の平均値である。また、ANAtrafは、トラフィック予測部107によるトラフィック予測結果であり、0以上の値をとり、0に近いほどトラフィックが安定していることを示す。αは任意の正の定数であり、例えば、α=1とすることができる。ただし、αは1には限定されず、ネットワークの特性、音声パケット通信装置に要求される性能、装置の利用者の要望等の各種要因に応じて変更することができる。
【0070】
蓄積量推移予測部502は、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104からのバッファ蓄積量分析結果ANAaccumを受け取り、バッファメモリ101が枯渇するまでの蓄積量の推移を予測し、蓄積量推移予測結果ACCUM(t)を削除動作停止しきい値決定部504へ通知する。
【0071】
図6(a)に示されるように、蓄積量推移予測部502は、蓄積量の推移(t秒後の蓄積量ACCUM(t))を、次式(5)のように予測する。
t≦tthdのときには、
ACCUM(t)=n−mt
t>tthdのときには、
ACCUM(t)=THDstop−a(t−tthd)…式(5)
ここで、tthdは、削除動作が停止すると予測される時刻であり、tthd=(n−THDstop)/mである。また、式(5)において、a、n、mはともにバッファ蓄積量分析結果ANAaccumから抽出する値である。nは、現在のバッファ蓄積量を示す。mは、バッファ蓄積量の単位時間当たりの減少量を示す。aは、削除動作停止時におけるバッファ蓄積量の単位時間あたりの減少量である。削除動作が停止している場合、m=aとなる。また、THDstopは、削除動作停止しきい値311である。
【0072】
削除停止後蓄積量推移予測部503は、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部104からのバッファ蓄積量分析結果ANAaccumを受け取り、現時刻に削除動作を停止した場合の蓄積量の推移を予測する。削除停止後蓄積量推移予測部503は、予測結果を、停止後蓄積量推移予測結果ACCUMstop(t)として、削除動作停止しきい値決定部504へ通知する。
【0073】
図6(b)に示されるように、削除停止後蓄積量推移予測部503は、不要バッファFrnonの削除動作停止後の蓄積量の推移(t秒後の蓄積量ACCUMstop(t))を、次式(6)のように予測する。
【0074】
【数6】
Figure 0003910083
【0075】
削除動作停止しきい値決定部504は、通知された情報を基に、次の音声パケットの到着予測時刻ESTtimeにおけるバッファメモリ101内部のフレーム蓄積量を予測する。この際、不要フレームFrnonの削除動作を続けた場合に、バッファメモリ101が枯渇するおそれがあれば、削除動作を停止する。フレーム蓄積量は、式(5)及び式(6)を用いて、ACCUM(ESTtime)を求めることで予測する。ACCUM(ESTtime)<0となる場合には、バッファメモリ101が枯渇することになる。バッファメモリ101が枯渇する可能性がある場合には、枯渇を防ぐために、図6(b)において実線で示される次式(7)を満たす時刻tの範囲内で削除動作を停止する必要がある。
【0076】
【数7】
Figure 0003910083
【0077】
上記式(7)から、バッファメモリ101を枯渇させないようにするためには、不要フレームFrnonの削除動作停止しきい値を変更させる通知をする時刻t(削除停止時刻t)を、次式(8)を満たす時刻とする必要がある。
【0078】
【数8】
Figure 0003910083
【0079】
削除動作停止しきい値決定部504は、上記式(8)を満たす時刻t内にバッファ制御部102に、しきい値更新を通知する。通知を受けたバッファ制御部102は、削除動作停止しきい値312を更新し、バッファ蓄積量が当該削除動作停止しきい値312を下回ると、不要フレームFrnonの削除動作を停止する。
【0080】
<3−3>第3の実施形態の効果
以上に説明した第3の実施形態に係る音声パケット通信装置(通話品質制御方法)によれば、次のパケットの到着時刻を予測し、バッファ蓄積量の推移を予測することで、バッファメモリ101が枯渇する可能性がある場合に、削除動作停止しきい値312を更新することで、バッファメモリ101が枯渇することを防ぐことができる。
【0081】
なお、上記予測はリアルタイムで実施されるものであり、ネットワークのトラフィック状況に応じて削除動作停止しきい値312を更新(遅延が小さいときは小さい蓄積量で、遅延が大きいときは大きい蓄積量で削除動作を停止させるように更新)することで、バッファメモリ101が枯渇することを防ぎつつ、バッファメモリ101内部に不必要な固定遅延が発生することを防ぐことができる。
【0082】
<4>第4の実施形態
<4−1>第4の実施形態の構成
図7は、本発明の第4の実施形態に係る音声パケット通信装置の構成(通話品質制御方法を実施するための構成)を示すブロック図である。
【0083】
第4の実施形態は、不要フレームFrnonの削除動作を継続するとバッファメモリ101が枯渇する可能性がある場合に、不要フレームFrnonの削除動作を速やかに停止し、バッファメモリ101の枯渇を防止する。第4の実施形態に係る音声パケット通信装置は、第2の実施形態に係る音声パケット通信装置における不要フレームFrnonの削除動作停止方法として使用してもよい。第4の実施形態に係る音声パケット通信装置は、第3の実施形態に係る音声パケット通信装置の構成において、蓄積量推移予測部502と削除動作停止しきい値312を取り除き、さらに削除動作停止しきい値決定部504を削除動作停止信号発生部701に置き換えたものである。
【0084】
<4−2>第4の実施形態の動作
パケット到着時刻予測部501は、第3の実施形態のものと同様に動作し、次の音声パケットが到着する時刻、即ち、パケット到着時刻ESTtime(t)を予測し、削除動作停止信号発生部701へ通知する。
【0085】
時刻tにおけるバッファ蓄積量をn(t)、削除動作停止時における蓄積量の単位時間あたりの減少量をaとすると、パケット到着時刻ESTtime(t)にバッファメモリ101が枯渇しないことを保証するには、次式(9)を満たす必要がある。
n(t)>a・ESTtime(t) …(9)
【0086】
これより、削除動作停止信号発生部701は、次式(10)に基づき、削除動作を停止するか否かを決定する。
n(t)>a・ESTtime(t)のときには、
CNTstop(t)=0
n(t)≦a・ESTtime(t)のときには、
CNTstop(t)=1…(10)
式(10)において、CNTstop(t)は、削除動作停止判定用のパラメータである。削除動作停止信号発生部701は、CNTstop(t)=1となった時点で、バッファ制御部102に対して、削除動作停止信号を通知する。バッファ制御部102は、削除動作停止信号を受けると、速やかに削除動作を停止する。
【0087】
<4−3>第4の実施形態の効果
以上説明した第4の実施形態に係る音声パケット通信装置(通話品質制御方法)によれば、次のパケットの到着時刻を予測し、バッファ蓄積量の推移を予測することで、バッファメモリ101が枯渇する可能性がある場合に、削除動作を停止することで、削除動作を停止するために必要であった、削除動作停止しきい値301を取り除くことができる。
【0088】
また、予測は、リアルタイムで実施するものであり、ネットワークの状況に応じて削除動作を停止(遅延が小さいときは小さい蓄積量で、遅延が大きいときは大きい蓄積量で停止)することで、バッファメモリ101の枯渇を防ぎつつ、バッファメモリ101内部に不必要な固定遅延が発生することを防ぐことができる。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1及び2の音声パケット通信装置、請求項14のトラフィック予測方法、又は請求項15の制御方法によれば、バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の監視結果及びバッファ制御部の動作の監視結果を用いることにより、時々刻々と変化するネットワークのトラフィック状況をリアルタイムで予測することができる。
【0090】
また、請求項3から13までの音声パケット通信装置、又は請求項16から26までの制御方法によれば、しきい値決定部が、トラフィックの予測結果、バッファメモリ内部の蓄積量の分析結果、及びバッファ制御動作の分析結果に基づいて、削除動作開始しきい値及び削除動作停止しきい値を制御するので、トラフィックの状態に応じて通話品質を最適に制御できる。
【0091】
また、請求項7及び8の音声パケット通信装置、又は請求項20及び21の制御方法によれば、上側包絡線を算出し、その算出結果に応じて、削除動作開始しきい値を設定するので、削除動作開始しきい値が小さく設定されることによる不必要な削除動作を抑制でき、音質を必要以上に劣化させることを無くすることができる。さらに、突発的な大きな伝送遅延があったとしても、上側包絡線を基準にして削除動作開始しきい値を設定するので、削除動作開始しきい値が不要に大きく設定されることを防止でき、不必要な蓄積量の増加に起因する通話遅延を短縮できる。
【0092】
さらにまた、請求項9の音声パケット通信装置、又は請求項22の制御方法によれば、下側包絡線を算出し、その算出結果に応じて、削除動作停止しきい値を設定するので、削除動作停止しきい値が必要以上に大きく設定されることによるバッファメモリ内部の必要以上のフレーム蓄積量の増加を防止でき、固定遅延を短縮できる。
【0093】
また、請求項10及び11の音声パケット通信装置、又は請求項23及び24の制御方法によれば、削除動作停止しきい値を小さく変更して直ぐに、バッファメモリ内部の不要フレームを削除するため、バッファメモリ内部の固定遅延を速やかに短縮できる。
【0094】
さらに、請求項12及び13の音声パケット通信装置、又は請求項25及び26の制御方法によれば、次のパケットの到着時刻を予測し、バッファ蓄積量の推移を予測することで、バッファメモリが枯渇する可能性がある場合に、削除動作を停止することで、削除動作を停止するために必要であった、削除動作停止しきい値を取り除くことができる。また、予測は、リアルタイムで実施するものであり、ネットワークの状況に応じて削除動作を停止(遅延が小さいときは小さい蓄積量で、遅延が大きいときは大きい蓄積量で停止)することで、バッファメモリの枯渇を防ぎつつ、バッファメモリ内部に不必要な固定遅延が発生することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る音声パケット通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 第1から第3までの実施形態に係る音声パケット通信装置が適用されるVoIPネットワークの構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態に係る音声パケット通信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 第2の実施形態に係る音声パケット通信装置における不要フレームの削除動作開始しきい値の更新動作を説明するための図である。
【図5】 本発明の第3の実施形態に係る音声パケット通信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 (a)及び(b)は、第3の実施形態に係る音声パケット通信装置における削除動作停止しきい値の更新動作を説明するための図である。
【図7】 本発明の第4の実施形態に係る音声パケット通信装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 バッファメモリ
102 バッファ制御部
103 バッファ蓄積量監視部
104 バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部
105 バッファ制御動作監視部
106 バッファ制御動作監視結果記憶・分析部
107 トラフィック予測部
108 不要フレーム判定器
301 しきい値決定部
311 削除動作開始しきい値
312 削除動作停止しきい値
501 パケット到着時刻予測部
502 蓄積量推移予測部
503 削除停止後蓄積量推移予測部
504 削除動作停止しきい値決定部
701 削除動作停止信号発生部
Frin バッファメモリに到着する音声符号化データ(音声パケット)
Frout バッファメモリが送出する音声符号化データ(フレーム)
Frnon 不要フレーム
Frbad 無音フレーム

Claims (26)

  1. ネットワークを経由して音声パケットとして到着する音声符号化データを一時的に蓄積すると共に、蓄積された音声符号化データを音声復号器に対して送出するバッファメモリと、
    前記バッファメモリによる音声符号化データの送出を制御するバッファ制御部と
    を有する音声パケット通信装置において、
    前記バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量を監視し、監視結果を蓄積量情報として出力するバッファ蓄積量監視部と、
    前記バッファ蓄積量監視部から出力された蓄積量情報を記憶し、記憶内容に基づく蓄積量分析結果を出力するバッファ蓄積量監視結果記憶・分析部と、
    前記バッファ制御部の動作内容を監視し、監視結果を動作情報として出力するバッファ制御動作監視部と、
    前記バッファ制御動作監視部から出力された動作情報を記憶し、記憶内容に基づく制御動作分析結果を出力するバッファ制御動作監視結果記憶・分析部と、
    前記蓄積量分析結果及び前記制御動作分析結果を用いて前記ネットワークにおけるトラフィックを予測するトラフィック予測部と
    を有することを特徴とする音声パケット通信装置。
  2. 前記バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部は、蓄積量情報を記憶してから第1の時間が経過すると当該蓄積量情報を破棄し、
    前記バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部は、その記憶容量を越える蓄積量情報が投入されたときに、この投入された最新の蓄積量情報を記憶し、最も古い蓄積量情報を破棄し、
    前記バッファ制御動作監視結果記憶・分析部は、動作情報を記憶してから第2の時間が経過すると当該動作情報を破棄し、
    前記バッファ制御動作監視結果記憶・分析部は、その記憶容量を越える動作情報が投入されたときに、この投入された最新の動作情報を記憶し、最も古い動作情報を破棄する
    ことを特徴とする請求項1に記載の音声パケット通信装置。
  3. 前記バッファメモリに到着する音声符号化データの電力が所定の基準電力値より低い場合には、当該音声符号化データを不要フレームと判定する不要フレーム判定器を有し、
    前記バッファ制御部は、前記バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量が削除動作開始しきい値を超えた場合に前記不要フレームを削除し、
    前記トラフィック予測部がトラフィックの予測に用いる前記制御動作分析結果には、前記バッファ制御部による不要フレームの削除頻度が含まれる
    ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の音声パケット通信装置。
  4. 前記バッファメモリから音声復号器に対して音声符号化データを送出するタイミングにおいて、前記バッファメモリに音声符号化データが蓄積されていないときには、前記バッファ制御部が音声復号器に対して無音フレームを送出し、
    前記トラフィック予測部がトラフィックの予測に用いる前記制御動作分析結果には、前記バッファ制御部による無音フレームの送出頻度が含まれる
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の音声パケット通信装置。
  5. 前記トラフィック予測部は、前記蓄積量分析結果から求めた音声パケットの到着間隔の平均値及び直近に到着した音声パケットとその一つ前の音声パケットとの到着間隔を用いてトラフィックを予測することを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の音声パケット通信装置。
  6. 前記バッファメモリに到着する音声符号化データの電力が所定の基準電力値より低い場合には、当該音声符号化データを不要フレームと判定する不要フレーム判定器を有し、
    前記バッファ制御部は、前記バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量が削除動作開始しきい値を超えた場合に前記不要フレームを削除し、
    前記バッファメモリから音声復号器に対して音声符号化データを送出するタイミングにおいて、前記バッファメモリに音声符号化データが蓄積されていないときには、前記バッファ制御部が音声復号器に対して無音フレームを送出し、
    前記トラフィック予測部は、前記蓄積量分析結果から音声パケットの到着間隔の平均値及び直近に到着した音声パケットとその一つ前の音声パケットとの到着間隔を求め、
    時刻をtとし、
    前記バッファ制御部による不要フレームの削除頻度をANAcnt−del(t)とし、
    無音フレームの送出頻度をANAcnt−ins(t)とし、
    音声パケットの到着間隔の平均値をANAaccum−avetime(t)とし、
    直近に到着した音声パケットとその一つ前の音声パケットとの到着間隔をANAaccum−rtime(t)とし、
    a、b、cのそれぞれを正の定数としたときに、
    0に近いほどトラフィックが安定であることを示す0以上の指標であるトラフィック予測値ANAtraf(t)を次式
    Figure 0003910083
    により求める
    ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の音声パケット通信装置。
  7. 前記不要フレームの削除動作開始しきい値を決定するしきい値決定部を有し、
    前記しきい値決定部が、前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量を時間軸−蓄積量座標系に描いた場合における前記バッファメモリに音声パケットが到着した直後の点を繋ぐ上側包絡線と、前記トラフィック予測部によるトラフィックの予測結果と、前記バッファ制御手段による不要フレーム削除頻度とに基づいて前記不要フレームの削除動作開始しきい値を決定する
    ことを特徴とする請求項3又は6に記載の音声パケット通信装置。
  8. 前記不要フレームの削除動作開始しきい値を決定するしきい値決定部を有し、
    前記削除動作開始しきい値決定部が、
    前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量を時間軸−蓄積量座標系に描いた場合における前記バッファメモリに音声パケットが到着した直後の点を繋ぐ上側包絡線をENV(t)とし、
    T、β、γを正の定数としたときに、
    前記不要フレームの削除動作開始しきい値THDstart(t)を次式
    THDstart(t)=ENV(t)(1+α(t))
    α(t)=T+β・ANAtraf(t)+γ・ANAcnt−del(t)
    により求める
    ことを特徴とする請求項6に記載の音声パケット通信装置。
  9. 前記不要フレームの削除停止しきい値を決定する削除動作停止しきい値決定部を有し、
    前記バッファ制御部は、前記バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量が削除動作停止しきい値より低くなった場合に前記不要フレームの削除動作を停止し、
    前記削除動作停止しきい値決定部が、前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量を時間軸−蓄積量座標系に描いた場合における前記バッファメモリに音声パケットが到着する直前の点を繋ぐ下側包絡線に基づいて前記不要フレームの削除動作停止しきい値を決定する
    ことを特徴とする請求項3及び6から8までのいずれかに記載の音声パケット通信装置。
  10. 音声パケットの到着間隔の平均値及びトラフィックの予測結果に基づいて次に到着する音声パケットの到着時刻を予測するパケット到着時刻予測部と、
    不要フレームの削除動作を停止する前の前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移を予測する蓄積量推移予測部と、
    不要フレームの削除動作を停止した後の前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移を予測する削除停止後蓄積量推移予測部と、
    前記パケット到着時刻予測部により予測された音声パケットの到着時刻、前記蓄積量推移予測部により予測された前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移、及び前記蓄積量推移予測部により予測された前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移に基づいて、不要フレームの削除動作の停止しきい値を決定する削除動作停止しきい値決定部と
    を有することを特徴とする請求項3及び6から8までのいずれかに記載の音声パケット通信装置。
  11. 前記削除動作停止しきい値をTHDstop(t)とし、
    音声パケットの到着間隔の平均値及びトラフィックの予測結果とに基づいて予測された次に到着する音声パケットの予測到着時刻をESTtimeとしたときに、
    前記削除動作停止しきい値決定部が、前記バッファ制御部に、前記削除動作停止しきい値を、次式を満たす時刻t内に通知する
    Figure 0003910083
    ことを特徴とする請求項10に記載の音声パケット通信装置。
  12. 音声パケットの到着間隔の平均値及びトラフィックの予測結果に基づいて次に到着する音声パケットの到着時刻を予測するパケット到着時刻予測部と、
    不要フレームの削除動作を停止した後の前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移を予測する削除停止後蓄積量推移予測部と、
    前記パケット到着時刻予測部により予測された音声パケットの到着時刻及び前記蓄積量推移予測部により予測された前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移に基づいて、不要フレームの削除動作の停止信号を前記バッファ制御部に通知する削除動作信号発生部と
    を有することを特徴とする請求項3から9までのいずれかに記載の音声パケット通信装置。
  13. パケット到着予測時刻をESTtime(t)とし、
    現在のバッファ蓄積量をn(t)とし、
    蓄積量の単位時間あたりの減少量をaとしたときに、
    前記削除動作信号発生部は、n(t)≦a・ESTtimeが成立すれば、不要フレームの削除動作を停止させる信号を発生する
    ことを特徴とする請求項12に記載の音声パケット通信装置。
  14. ネットワークを経由して音声パケットとして到着する音声符号化データを一時的に蓄積すると共に、蓄積された音声符号化データを音声復号器に対して送出するバッファメモリと、前記バッファメモリによる音声符号化データの送出を制御するバッファ制御部とを有する音声パケット通信装置を用いたトラフィック予測方法であって、
    バッファ蓄積量監視部により、前記バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量 視し、監視結果を蓄積量情報として出力し、
    前記バッファ蓄積量監視部から出力された蓄積量情報を、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部に記憶し、記憶内容に基づく蓄積量分析結果を出力し、
    バッファ制御動作監視部により、前記バッファ制御部の動作内容を監視し、監視結果を動作情報として出力し、
    前記バッファ制御動作監視部から出力された動作情報をバッファ制御動作監視結果記憶・分析部に記憶し、記憶内容に基づく制御動作分析結果を出力し、
    トラフィック予測部により前記蓄積量分析結果及び前記制御動作分析結果を用いて前記ネットワークにおけるトラフィックを予測する
    ことを特徴とするトラフィック予測方法。
  15. ネットワークを経由して音声パケットとして到着する音声符号化データを一時的に蓄積すると共に、蓄積された音声符号化データを音声復号器に対して送出するバッファメモリと、前記バッファメモリによる音声符号化データの送出を制御するバッファ制御部とを有する音声パケット通信装置の制御方法であって、
    バッファ蓄積量監視部により、前記バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量を監視し、監視結果を蓄積量情報として出力し、
    前記バッファ蓄積量監視部から出力された蓄積量情報を、バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部に記憶し、記憶内容に基づく蓄積量分析結果を出力し、
    バッファ制御動作監視部により、前記バッファ制御部の動作内容を監視し、監視結果を動作情報として出力し、
    前記バッファ制御動作監視部から出力された動作情報をバッファ制御動作監視結果記憶・分析部に記憶し、記憶内容に基づく制御動作分析結果を出力し、
    トラフィック予測部により前記蓄積量分析結果及び前記制御動作分析結果を用いて前記ネットワークにおけるトラフィックを予測し、
    前記バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部は、蓄積量情報を記憶してから第1の時間が経過すると当該蓄積量情報を破棄し、
    前記バッファ蓄積量監視結果記憶・分析部は、その記憶容量を越える蓄積量情報が投入されたときに、この投入された最新の蓄積量情報を記憶し、最も古い蓄積量情報を破棄し、
    前記バッファ制御動作監視結果記憶・分析部は、動作情報を記憶してから第2の時間が経過すると当該動作情報を破棄し、
    前記バッファ制御動作監視結果記憶・分析部は、その記憶容量を越える動作情報が投入されたときに、この投入された最新の動作情報を記憶し、最も古い動作情報を破棄する
    ことを特徴とする音声パケット通信装置の制御方法。
  16. 不要フレーム判定器により、前記バッファメモリに到着する音声符号化データの電力が所定の基準電力値より低い場合には、当該音声符号化データを不要フレームと判定し、
    前記バッファ制御部は、前記バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量が削除動作開始しきい値を超えた場合に前記不要フレームを削除し、
    前記トラフィック予測部がトラフィックの予測に用いる前記制御動作分析結果には、前記バッファ制御部による不要フレームの削除頻度が含まれる
    ことを特徴とする請求項15に記載の音声パケット通信装置の制御方法。
  17. 前記バッファメモリから音声復号器に対して音声符号化データを送出するタイミングにおいて、前記バッファメモリに音声符号化データが蓄積されていないときには、前記バッファ制御部が音声復号器に対して無音フレームを送出し、
    前記トラフィック予測部がトラフィックの予測に用いる前記制御動作分析結果には、前記バッファ制御部による無音フレームの送出頻度が含まれる
    ことを特徴とする請求項15又は16のいずれかに記載の音声パケット通信装置の制御方法。
  18. 前記トラフィック予測部は、前記蓄積量分析結果から求めた音声パケットの到着間隔の平均値及び直近に到着した音声パケットとその一つ前の音声パケットとの到着間隔を用いてトラフィックを予測することを特徴とする請求項15から17までのいずれかに記載の音声パケット通信装置の制御方法。
  19. 不要フレーム判定器により、前記バッファメモリに到着する音声符号化データの電力が所定の基準電力値より低い場合には、当該音声符号化データを不要フレームと判定し、
    前記バッファ制御部は、前記バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量が削除動作開始しきい値を超えた場合に前記不要フレームを削除し、
    前記バッファメモリから音声復号器に対して音声符号化データを送出するタイミングにおいて、前記バッファメモリに音声符号化データが蓄積されていないときには、前記バッファ制御部が音声復号器に対して無音フレームを送出し、
    前記トラフィック予測部は、前記蓄積量分析結果から音声パケットの到着間隔の平均値及び直近に到着した音声パケットとその一つ前の音声パケットとの到着間隔を求め、
    時刻をtとし、
    前記バッファ制御部による不要フレームの削除頻度をANAcnt−del(t)とし、
    無音フレームの送出頻度をANAcnt−ins(t)とし、
    音声パケットの到着間隔の平均値をANAaccum−avetime(t)とし、
    直近に到着した音声パケットとその一つ前の音声パケットとの到着間隔をANAaccum−rtime(t)とし、
    a、b、cのそれぞれを正の定数としたときに、
    0に近いほどトラフィックが安定であることを示す0以上の指標であるトラフィック予測値ANAtraf(t)を次式
    Figure 0003910083
    により求める
    ことを特徴とする請求項15に記載の音声パケット通信装置の制御方法。
  20. しきい値決定部により、前記不要フレームの削除動作開始しきい値を決定し、
    前記しきい値決定部が、前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量を時間軸−蓄積量座標系に描いた場合における前記バッファメモリに音声パケットが到着した直後の点を繋ぐ上側包絡線と、前記トラフィック予測部によるトラフィックの予測結果と、前記バッファ制御手段による不要フレーム削除頻度とに基づいて前記不要フレームの削除動作開始しきい値を決定する
    ことを特徴とする請求項16又は19に記載の音声パケット通信装置の制御方法。
  21. しきい値決定部により、前記不要フレームの削除動作開始しきい値を決定し、
    前記削除動作開始しきい値決定部が、
    前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量を時間軸−蓄積量座標系に描いた場合における前記バッファメモリに音声パケットが到着した直後の点を繋ぐ上側包絡線をENV(t)とし、
    T、β、γを正の定数としたときに、
    前記不要フレームの削除動作開始しきい値THDstart(t)を次式
    THDstart(t)=ENV(t)(1+α(t))
    α(t)=T+β・ANAtraf(t)+γ・ANAcnt−del(t)
    により求める
    ことを特徴とする請求項19に記載の音声パケット通信装置の制御方法。
  22. 削除動作停止しきい値決定部により、前記不要フレームの削除停止しきい値を決定し、
    前記バッファ制御部は、前記バッファメモリ内部の音声符号化データの蓄積量が削除動作停止しきい値より低くなった場合に前記不要フレームの削除動作を停止し、
    前記削除動作停止しきい値決定部が、前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量を時間軸−蓄積量座標系に描いた場合における前記バッファメモリに音声パケットが到着する直前の点を繋ぐ下側包絡線に基づいて前記不要フレームの削除動作停止しきい値を決定する
    ことを特徴とする請求項16及び19から21までのいずれかに記載の音声パケット通信装置の制御方法。
  23. パケット到着時刻予測部により、音声パケットの到着間隔の平均値及びトラフィックの予測結果に基づいて次に到着する音声パケットの到着時刻を予測し、
    蓄積量推移予測部により、不要フレームの削除動作を停止する前の前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移を予測し、
    削除停止後蓄積量推移予測部により、不要フレームの削除動作を停止した後の前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移を予測し、
    削除動作停止しきい値決定部により、前記パケット到着時刻予測部により予測された音声パケットの到着時刻、前記蓄積量推移予測部により予測された前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移、及び前記蓄積量推移予測部により予測された前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移に基づいて、不要フレームの削除動作の停止しきい値を決定する
    ことを特徴とする請求項16及び19から21までのいずれかに記載の音声パケット通信装置の制御方法。
  24. 前記削除動作停止しきい値をTHDstop(t)とし、
    音声パケットの到着間隔の平均値及びトラフィックの予測結果とに基づいて予測された次に到着する音声パケットの予測到着時刻をESTtimeとしたときに、
    前記削除動作停止しきい値決定部が、前記バッファ制御部に、前記削除動作停止しきい値を、次式を満たす時刻t内に通知する
    Figure 0003910083
    ことを特徴とする請求項23に記載の音声パケット通信装置の制御方法。
  25. パケット到着時刻予測部により、音声パケットの到着間隔の平均値及びトラフィックの予測結果に基づいて次に到着する音声パケットの到着時刻を予測し、
    削除停止後蓄積量推移予測部により、不要フレームの削除動作を停止した後の前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移を予測し、
    削除動作信号発生部により、前記パケット到着時刻予測部により予測された音声パケットの到着時刻及び前記蓄積量推移予測部により予測された前記バッファメモリの音声符号化データの蓄積量の推移に基づいて、不要フレームの削除動作の停止信号を前記バッファ制御部に通知する
    ことを特徴とする請求項16から22までのいずれかに記載の音声パケット通信装置の制御方法。
  26. パケット到着予測時刻をESTtime(t)とし、
    現在のバッファ蓄積量をn(t)とし、
    蓄積量の単位時間あたりの減少量をaとしたときに、
    前記削除動作信号発生部は、n(t)≦a・ESTtimeが成立すれば、不要フレームの削除動作を停止させる信号を発生する
    ことを特徴とする請求項25に記載の音声パケット通信装置の制御方法。
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