JP3909016B2 - Method for producing non-chromium treated zinc-coated steel sheet - Google Patents

Method for producing non-chromium treated zinc-coated steel sheet Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家電用、建材用、自動車用等に用いられる、6価クロム(あるいは3価クロム)を含有しない、耐食性に優れた非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
亜鉛めっき鋼板あるいは亜鉛合金めっき鋼板(ここではこれらを総称して「亜鉛系めっき鋼板」と称する)は、海水等の塩分を含む雰囲気又は高温多湿の雰囲気では、表面に白錆が発生して外観を著しく損ねたり、素地鉄面に対する防錆力が低下したりする。
【0003】
この白錆の防止には、従来よりクロメート系の防錆処理剤が利用されており、例えば特開平3−131370号公報には、オレフィン−α,β−エチレン性不飽和カルボン酸共重合体樹脂ディスパージョンに水分散性クロム化合物と水分散性シリカを含有させた樹脂系処理剤が記載されている。
【0004】
このようなクロメート系処理剤による皮膜は、既知の処理剤の中で耐食性が最も良好なものとして認識されている。とは言え、クロメート処理による皮膜は有害元素であることが知られている6価クロムを含有しており、そのため6価クロムを含有しない表面処理鋼板への要求が高まっている。
【0005】
有害なクロムを含まないノンクロム防錆処理剤として、これまでに、様々なものが提案されている。例えば、防錆成分として硫化物やイオウを用いたものが、特開平8−239776号公報、特開平8−67834号公報に記載されている。これらの処理剤に含まれる硫化物やイオウに特有の臭気や毒性のない、トリアジンチオール化合物を用いた処理剤が、例えば特開昭53−31737号公報、特開平10−195345号公報に開示されている。特開昭61−223062号公報には、防錆成分としてのチオカルボニル基含有化合物と、水に難溶又は不溶性の有機化合物を混合して得られる金属との反応性エマルジョンが記載されている。
【0006】
このほかに、特開昭54−71734号公報には、ミオイノシトールの2〜6個の結合りん酸エステル又はその塩類と、チタン弗化物及びジルコニウム弗化物のうちの少なくとも一方と、チオ尿素又はその誘導体とを含有する水溶液で、亜鉛又は亜鉛合金を表面処理する方法が記載されている。特開平3−226584号公報では、Ni2+とCo2+の一方又は両方と、アンモニア及び1級アミン基を有する化合物のうちの少なくとも1種とを含有しているpH5〜10の水溶液である表面処理剤が使用されている。
【0007】
上記の従来の防錆皮膜形成用の表面処理剤は、一般に、インヒビター(あるいは防錆インヒビター)と呼ばれる防錆成分のほかに、有機樹脂及びシリカを含有していて、前処理を施した亜鉛めっき鋼板あるいは亜鉛合金めっき鋼板の表面に適用されて防錆皮膜を形成する。めっき鋼板表面の前処理には、酸洗、アルカリ洗浄、そしてリン酸塩処理が含まれる。
【0008】
最近になって、非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板に対するユーザーからのいろいろな要求を満たすために、硬さの向上した皮膜や潤滑性を持つ皮膜が必要とされるようになり、それにつれて、めっき鋼板表面に位置する接着層と、その上の機能性有機(又は無機)被覆層を備えた表面処理めっき鋼板が知られるようになってきた。このような表面処理めっき鋼板においては、接着層が、下地のめっき鋼板と上層の機能性被覆層との間に介在して、機能性被覆層の下地めっき鋼板への付着性や、めっき鋼板の耐食性を向上させている。
【0009】
下層の接着層は、有機系のものと無機系のものに大別される。有機系の接着層には、有機樹脂とシランカップリング剤とを含有するコーティング剤から形成されるものと、有機樹脂と反応性有機化合物(例えばタンニン酸)とを含有するコーティング剤から形成されるものがある。有機系接着層を形成するコーティング剤は、シリカを含有していることもある。無機系の接着層としては、反応性無機化合物(例えば六フッ化チタン酸(H3TiF6))をベースにしたものなどが知られている。
【0010】
上層の機能性被覆層を形成するコーティング剤としては、表面処理亜鉛系めっき鋼板の用途に応じ、既存の各種のコーティング剤から選ばれたものが用いられる。
【0011】
【特許文献1】
特開平3−131370号公報
【特許文献2】
特開平8−239776号公報
【特許文献3】
特開平8−67834号公報
【特許文献4】
特開昭53−31737号公報
【特許文献5】
特開平10−195345号公報
【特許文献6】
特開昭61−223062号公報
【特許文献7】
特開昭54−71734号公報
【特許文献8】
特開平3−226584号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
下層の接着層と上層の機能性被覆層から構成されるこのような2層構造の表面処理皮膜は、下層接着層用のコーティング剤の塗布とその後の接着層の形成のための処理、そして上層機能性被覆層用コーティング剤の塗布とその後の機能性被覆層の形成のための処理の、2段階の処理を経て形成される。この2段階処理のうちの、第2段階の機能性被覆層形成のための処理は、コーティング剤として従来から知られたものを使用できるため、従来と同様に行うことができる。それに対して、第1段階の接着層形成のための処理は、最近になって知られるようになった接着層形成用の新しいコーティング剤を使用するため、製造プロセスとしてなお開発段階にある。
【0013】
通常、表面処理層の形成は、コーティング剤の塗布、焼付け、水冷、及び乾燥の工程を経て行われる。本発明の発明者らは、有機樹脂、シランカップリング剤、そして防錆インヒビターとしてのシリカを含む有機系の接着層形成用コーティング剤を使って下層接着層を形成する際に、このような通常の表面処理層形成工程を採用すると、機能性被覆層の下地めっき鋼板への密着性や、めっき鋼板の耐食性の向上といった効果が思いどおりに得られないという問題に遭遇した。
【0014】
本発明は、かかる問題の解決を目指してなされたものであり、すなわち、下層接着層形成用のコーティング剤としてシランカップリング剤を含むものを使用して、亜鉛めっき鋼板又は亜鉛合金めっき鋼板上に2段階の塗装処理を経て下層接着層と上層被覆層から構成される2層構造の表面処理皮膜を形成することにより耐食性に優れた非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板を製造する新しい方法の提供を目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法は、亜鉛めっき鋼板又は亜鉛合金めっき鋼板の上に、有機樹脂、シランカップリング剤及びシリカのみを含む水性コーティング剤により接着層を形成し、次いでこの接着層の上に、機能性有機被覆層形成用の水性コーティング剤により機能性有機被覆層を形成することにより、2層構造の表面処理皮膜を形成する非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板を製造する方法であって、接着層の形成を、コーティング剤の塗布による塗膜の形成と、50℃以上100℃未満の温度で全ての水が失われないよう塗膜焼付けることとによって行うことを特徴とする、非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法である。
【0016】
接着層を形成するコーティング剤は、固形分換算で、有機樹脂を30〜70wt%、シランカップリング剤を5〜30wt%、シリカを20〜60wt%含有するのが好ましい。
【0017】
好ましくは、前記接着層の厚さを0.05〜0.4μm、接着層と機能性被覆層との合計の厚さを0.6〜2.0μmとするようにする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法では、接着層とその上層の機能性被覆層との2層構造の皮膜を形成するに当たり、接着層の形成を、コーティング剤の塗布と焼付けによって行い、通常の表面処理層の形成で行われるその後の水冷と乾燥を省く。接着層の形成に続いて、上層の機能性被覆層の形成を通常の表面処理層の形成方法により行う。
【0019】
このために本発明の方法で使用する接着層形成用のコーティング剤は、有機樹脂、シランカップリング剤及びシリカを含有する。
【0020】
接着層用のコーティング剤における有機樹脂としては、アクリル、フェノール、ウレタン、エポキシ及びポリエステル等の単独重合化合物、あるいはこれらの共重合化合物、又はそれらの単独重合化合物もしくは共重合化合物の混合物などを使用することができる。コーティング剤における有機樹脂の含有量は、固形分換算で、有機樹脂、シランカップリング剤及びシリカの合計質量の30〜70%であるのが好ましい。30wt%未満では、コーティング剤の成膜性が不足し、70wt%を超えると、コーティング剤により形成した塗膜の接着性、耐食性が不十分になる。
【0021】
シランカップリング剤としては、例えばγ−(2 −アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2 −アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2 −アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2 −アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3 −(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3 −(メチルジメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3 −(トリエトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3 −(メチルジエトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシランなどを挙げることができるが、グリシジルエーテル基を有するγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを使用すると、塗膜の加工密着性は特に向上する。さらに、トリエトキシタイプのシランカップリング剤を使用すると、下地処理剤の保存安定性を向上させることができる。これは、トリエトキシシランが水溶液中で比較的安定であり、重合速度が遅いためであると考えられる。シランカップリング剤の含有量は、固形分換算で、有機樹脂、シランカップリング剤及びシリカの合計質量の5〜30%であるのが好ましい。5wt%未満では、形成した塗膜の密着性が不十分となり、30wt%を超えると、塗膜の密着性を向上させるというシランカップリング剤の効果が飽和に近くなるとともに、コーティング剤の貯蔵安定性が低下する。
【0022】
シリカとしては、気相シリカあるいはコロイダルシリカ(液相シリカ)のいずれを使用することもできる。気相シリカの代表例は、日本アエロジル社のA−100、A−200、A−300、R−972などの製品を挙げることができる。コロイダルシリカの代表例としては、日産化学社のスノーテックスO、スノーテックスOX、スノーテックスOL、スノーテックスOXX、スノーテックスN、スノーテックスNS、スノーテックスCなどを挙げることができる。シリカの含有量は、固形分換算で、有機樹脂、シランカップリング剤及びシリカの合計質量の20〜60%であるのが好ましい。20wt%未満では、コーティング剤から形成した塗膜の耐食性が十分でなく、60wt%を超えると、塗膜が脆くなり、脆性破壊を起こして密着性が低下する。
【0023】
接着層を形成するためのコーティング剤は、上記の固形成分(有機樹脂、シランカップリング剤、シリカ)のほかに、コーティング剤の下地めっき鋼板への塗布を可能にする溶媒としての水を含む。固形成分と水は、コーティング剤を塗布してその後の焼付けで所望の接着層を形成できる限り、どのような混合割合で混合してもよい。とは言え、コーティング剤の固形分濃度は1〜20wt%程度であるのが一般的である。
【0024】
コーティング剤を塗布する方法は、特に限定されず、例えばロールコート、カーテンコート、スプレーコート、バーコート、浸漬などの、一般的な方法を使用可能である。
【0025】
コーティング剤の塗布により形成した塗膜からは、焼付けにより接着層を形成することができる。焼付けは、50℃以上100℃未満の温度範囲内で行うのが好適である。50℃より低い温度での焼付けでは、接着層の形成に時間がかかり(焼付けは、一般に10秒以内の時間で完了するのが好ましい)、また、乾燥が不十分な場合には、残留する水に、接着層の上に形成する有機被覆層形成用のコーティング剤が溶けて接着層がうまく形成できないことがあり、あるいは処理中の鋼板の搬送途中でロールに接着層の一部が付着することがあるなどの不都合が生じかねない。焼付け温度が100℃以上になると、後に上層に形成する機能性被覆層との密着性を得るのに必要な未反応のシランカップリング剤を接着層中に残すことができず、また、接着層の上に有機被覆層形成用のコーティング剤をまんべんなく塗布するのに有効な接着層中の水が全て失われでしまうので不都合である。接着層が完全に乾燥すると親油性になるので、水性の有機被覆層形成用コーティング剤の塗布性を低下させることになる。
【0026】
焼付けは、表面処理鋼板の製造において一般に使用されている方法で行うことができる。そのような方法の例を挙げると、熱風吹き付け(熱風乾燥炉)、赤外線加熱、誘導加熱などである。
【0027】
接着層は、0.05〜0.4μmの厚さで形成するのが好適である。0.05μm未満の厚さでは、接着効果が不十分であり、めっき鋼板の耐食性が低下し、また厚さが0.4μmを超えると、接着層の脆性破壊が起こりやすくなり、そのため塗膜の剥離が起きやすくなる。
【0028】
また、本発明の方法で用いる接着層形成用のコーティング剤には、形成する接着層の特性に特に不利にならない限り、上記の有機樹脂、シランカップリング剤及びシリカ以外の成分、例えば、有機樹脂の水への溶解を助けるアルコールやセロソルブ(商品名)などの有機助剤や、増粘剤(例えばポリアクリル酸)などを随意に添加することができる。
【0029】
本発明の方法では、焼付けによる接着層の形成後、一般的な皮膜形成方法で行われる焼付け後の水冷と乾燥を行わずに、上層被覆層を形成する。接着層への上層被覆層の密着性を確保するためには、そのために有効な未反応シランカップリング剤を上層被覆層形成前の接着層中に残しておく必要がある。本発明では、接着層形成のための焼付けを50℃以上100℃未満という比較的低温で行っており、このような低温で焼き付けた塗膜(接着層)はより高温で焼き付けた場合と比べて軟質であり、水にさらされると有効成分の未反応シランカップリング剤が溶け出して失われてしまう。また、水冷後に行われる乾燥作業で高温にさらされると、接着層中の未反応シランカップリング剤の量が減少し、あるいはなくなってしまい、接着層と上層被覆層との密着性が得られなくなってしまう。これが、本発明において低温での焼付けによる接着層の形成後、水冷と、それに続く乾燥を行わないことの理由である。
【0030】
接着層の上に形成する機能性有機被覆層のためのコーティング剤としては、表面処理鋼板の製造に従来から用いられているいずれのコーティング剤を使用してもよい。その塗布、焼付け、水冷、乾燥のいずれも、従来からの方法及び装置で行うことができる。また、機能性被覆層の厚さも、特に限定されず、接着層との合計の厚さが通常の表面処理鋼板における被覆層の厚さである0.6〜2.0μm程度となるようにすることができる。
【0031】
本発明の方法を適用可能な亜鉛系めっき鋼板は、表面に亜鉛めっきを施した鋼板、あるいは亜鉛とFe、Ni、Co、Cr、Mg、Al、Si、Mn等の1種又は2種以上の金属とからなる亜鉛合金めっきを施した鋼板である。めっき方法は、特に限定されるものではなく、電気めっき法、溶融めっき法、真空めっき法等いずれでもよい。めっきを施す鋼板は、特に限定されず、冷延鋼板あるいは熱延鋼板のいずれでもよい。
【0032】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0033】
(実施例1〜10、比較例11〜21)
試験板の下地鋼板として、日本テストパネル社製電気亜鉛めっき鋼板(70×150×0.8mm)を使用した。
【0034】
表1に示した固形成分を表2に示した分量で水に溶解又は分散させて、固形分濃度20wt%の接着層用コーティング剤を調製した。これらのコーティング剤を下地鋼板にバーコーターで、表2に「下層厚み」として示した乾燥膜厚になるように塗布し、同表に示した接着層焼付け温度で焼付け、接着層を形成した。
【0035】
【表1】

Figure 0003909016
【0036】
次に、機能性有機被覆層形成用のアクリル系エマルジョンコーティング剤のメタルコートKD(日本ペイント社より入手)を、接着層の上に1μmの乾燥膜厚となるようにバーコーターで塗布し、鋼板到達温度150℃となるよう焼き付けて水冷乾燥し、試験板を作製した。
【0037】
各試験板について、成膜性、密着性及び耐食性を評価した。
成膜性の評価は、接着層(下層)を形成し、機能性被覆層(上層)を形成する前の試験板について、JIS K 5400に準じて行った。エリクセン試験機で試験板に7mmの押出し部を作り、押出し部の先端にセロテープ(登録商標)(ニチバン社製)を貼付し、その後テープを引き剥がして行った。テープに試験板から剥離した塗膜が付着していない試験板を良好(表2中、○印で表記)、付着していたものを不良(表2中、×印で表記)と判定した。
【0038】
密着性の評価は、機能性被覆層(上層)まで形成した試験板について、上記の成膜性評価と同じエリクセン試験機により同じ条件で試験を行い、テープに試験板から剥離した塗膜が付着していない試験板を良好(表2中、○印で表記)、付着していたものを不良(表2中、×印で表記)と判定した。
【0039】
耐食性の評価は、JIS Z 3271に規定された塩水噴霧試験により行い、雰囲気温度35℃で、5%のNaCl水溶液を試験板に吹き付け、240時間後の錆発生率を測定して、錆発生面積が試験板表面積の50%以下であるものを良好(表2中、○印で表記)、50%を超えるものを不良(表2中、×印で表記)と判定した。
【0040】
【表2】
Figure 0003909016
【0041】
表2から明らかなように、本発明の実施例1〜10の試験板では、成膜性、密着性及び耐食性の全ての評価項目について良好な結果が得られた。それに対し、比較例11〜16、18〜21の試験板では、三つの評価項目のうちの一つ以上について不十分な結果が示された。比較例17では、評価項目のいずれについても良好な結果が得られたけれども、接着層形成用コーティング剤のシランカップリング剤含有量が多いため、コーティング剤の貯蔵安定性が悪かった。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、機能性被覆層の密着性が向上し、且つ耐食性が向上した、下層接着層と上層被覆層からなる2層構造の表面処理皮膜を備えた非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造が可能になる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a non-chromium-type treated zinc-based plated steel sheet that does not contain hexavalent chromium (or trivalent chromium) and has excellent corrosion resistance, which is used for home appliances, building materials, automobiles, and the like.
[0002]
[Prior art]
Zinc-plated steel sheets or zinc alloy-plated steel sheets (herein collectively referred to as “zinc-based plated steel sheets”) appear as white rust on the surface in an atmosphere containing salt such as seawater or in a hot and humid atmosphere. Or the rust prevention power against the base iron surface is reduced.
[0003]
In order to prevent this white rust, a chromate-based antirust treatment agent has been conventionally used. For example, JP-A-3-131370 discloses an olefin-α, β-ethylenically unsaturated carboxylic acid copolymer resin. A resin-based treatment agent in which a dispersion contains a water-dispersible chromium compound and water-dispersible silica is described.
[0004]
Such a coating with a chromate treatment agent is recognized as having the best corrosion resistance among known treatment agents. Nevertheless, the chromate-treated film contains hexavalent chromium, which is known to be a harmful element, and therefore there is an increasing demand for surface-treated steel sheets that do not contain hexavalent chromium.
[0005]
Various non-chromium anticorrosive treatment agents that do not contain harmful chromium have been proposed so far. For example, those using sulfide or sulfur as a rust preventive component are described in JP-A-8-239776 and JP-A-8-67834. Treatment agents using triazine thiol compounds that do not have the odor and toxicity peculiar to sulfides and sulfur contained in these treatment agents are disclosed in, for example, JP-A Nos. 53-31737 and 10-195345. ing. JP-A-61-223062 describes a reactive emulsion of a thiocarbonyl group-containing compound as a rust preventive component and a metal obtained by mixing an insoluble or insoluble organic compound in water.
[0006]
In addition, JP-A-54-71734 discloses 2-6 linked phosphate esters of myo-inositol or salts thereof, at least one of titanium fluoride and zirconium fluoride, thiourea or its A method for surface-treating zinc or a zinc alloy with an aqueous solution containing a derivative is described. In JP-A-3-226584, an aqueous solution having a pH of 5 to 10 containing one or both of Ni 2+ and Co 2+ and at least one of ammonia and a compound having a primary amine group. A surface treatment agent is used.
[0007]
The above-mentioned conventional surface treatment agent for forming a rust preventive film generally contains an organic resin and silica in addition to a rust preventive component called an inhibitor (or rust preventive inhibitor), and is pre-treated galvanized. It is applied to the surface of a steel plate or zinc alloy plated steel plate to form a rust preventive film. Pretreatment of the surface of the plated steel sheet includes pickling, alkali cleaning, and phosphating.
[0008]
Recently, coatings with improved hardness and lubricity have been required to meet various user requirements for non-chromium treated zinc-based plated steel sheets. Surface-treated plated steel sheets having an adhesive layer located on the steel sheet surface and a functional organic (or inorganic) coating layer thereon have been known. In such a surface-treated plated steel sheet, the adhesive layer is interposed between the underlying plated steel sheet and the upper functional coating layer, and the adhesion of the functional coating layer to the underlying plated steel sheet or the plated steel sheet Corrosion resistance is improved.
[0009]
The lower adhesive layer is roughly divided into an organic type and an inorganic type. The organic adhesive layer is formed of a coating agent containing an organic resin and a silane coupling agent and a coating agent containing an organic resin and a reactive organic compound (for example, tannic acid). There is something. The coating agent that forms the organic adhesive layer may contain silica. Known inorganic adhesive layers include those based on reactive inorganic compounds (for example, hexafluorotitanic acid (H 3 TiF 6 )).
[0010]
As the coating agent for forming the upper functional coating layer, those selected from various existing coating agents are used according to the application of the surface-treated zinc-based plated steel sheet.
[0011]
[Patent Document 1]
JP-A-3-131370 [Patent Document 2]
JP-A-8-239776 [Patent Document 3]
JP-A-8-67834 [Patent Document 4]
Japanese Patent Laid-Open No. 53-31737 [Patent Document 5]
JP 10-195345 A [Patent Document 6]
JP-A-61-223062 [Patent Document 7]
Japanese Patent Laid-Open No. 54-71734 [Patent Document 8]
Japanese Patent Laid-Open No. 3-226584
[Problems to be solved by the invention]
Such a two-layered surface treatment film composed of a lower adhesive layer and an upper functional coating layer is obtained by applying a coating agent for the lower adhesive layer and subsequent treatment for forming the adhesive layer, and the upper layer. It is formed through a two-stage process of applying a functional coating layer coating agent and then a process for forming a functional coating layer. Of these two-stage treatments, the treatment for forming the functional coating layer in the second stage can be performed in the same manner as the conventional one because a conventionally known coating agent can be used. On the other hand, the treatment for forming the adhesive layer in the first stage is still in the development stage as a manufacturing process because it uses a new coating agent for forming the adhesive layer that has recently become known.
[0013]
Usually, the surface treatment layer is formed through the steps of applying a coating agent, baking, water cooling, and drying. The inventors of the present invention normally use such an organic resin, a silane coupling agent, and an organic adhesive layer-forming coating agent containing silica as a rust inhibitor to form such a normal adhesive layer. When the surface treatment layer forming step was adopted, the problem that the effect of improving the adhesion of the functional coating layer to the base plated steel sheet and the corrosion resistance of the plated steel sheet could not be obtained as expected.
[0014]
The present invention has been made with the aim of solving such a problem, that is, using a material containing a silane coupling agent as a coating agent for forming a lower adhesive layer on a galvanized steel plate or a zinc alloy plated steel plate. Providing a new method for producing non-chromium-type treated galvanized steel sheets with excellent corrosion resistance by forming a two-layered surface treatment film consisting of a lower adhesive layer and an upper coating layer after two stages of coating treatment It is the purpose.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The method for producing a non-chromium treated zinc-based plated steel sheet of the present invention comprises forming an adhesive layer on a galvanized steel sheet or a zinc alloy plated steel sheet with an aqueous coating agent containing only an organic resin, a silane coupling agent and silica, Next, a non-chromium-type treated zinc-based plated steel sheet that forms a surface treatment film having a two-layer structure by forming a functional organic coating layer on the adhesive layer with an aqueous coating agent for forming a functional organic coating layer. a method of manufacturing, effect formation of the adhesive layer, and forming a coating film by coating the coating agent, by a baking Rukoto a coating film so that is not lost all of the water at a temperature below than 50 ° C. 100 ° C. This is a method for producing a non-chromium treated galvanized steel sheet.
[0016]
The coating agent for forming the adhesive layer preferably contains 30 to 70 wt% of an organic resin, 5 to 30 wt% of a silane coupling agent, and 20 to 60 wt% of silica in terms of solid content.
[0017]
Preferably, the thickness of the adhesive layer is 0.05 to 0.4 μm, and the total thickness of the adhesive layer and the functional coating layer is 0.6 to 2.0 μm.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
In the method for producing a non-chromium-treated zinc-plated steel sheet according to the present invention, in forming a two-layered film of an adhesive layer and an upper functional coating layer, the adhesive layer is formed by applying and baking a coating agent. The subsequent water cooling and drying performed in the formation of the normal surface treatment layer are omitted. Subsequent to the formation of the adhesive layer, the upper functional coating layer is formed by an ordinary method for forming a surface treatment layer.
[0019]
For this purpose, the coating agent for forming an adhesive layer used in the method of the present invention contains an organic resin, a silane coupling agent and silica.
[0020]
As the organic resin in the coating agent for the adhesive layer, a homopolymer compound such as acrylic, phenol, urethane, epoxy and polyester, a copolymer compound thereof, or a homopolymer compound or a mixture of the copolymer compounds is used. be able to. The content of the organic resin in the coating agent is preferably 30 to 70% of the total mass of the organic resin, the silane coupling agent and silica in terms of solid content. If it is less than 30 wt%, the film formability of the coating agent is insufficient, and if it exceeds 70 wt%, the adhesion and corrosion resistance of the coating film formed by the coating agent are insufficient.
[0021]
Examples of the silane coupling agent include γ- (2-aminoethyl) aminopropyltrimethoxysilane, γ- (2-aminoethyl) aminopropylmethyldimethoxysilane, γ- (2-aminoethyl) aminopropyltriethoxysilane, γ- (2-aminoethyl) aminopropylmethyldiethoxysilane, γ- (2-aminoethyl) aminopropylmethyldimethoxysilane, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, γ-methacryloxypropylmethyldimethoxysilane, γ-methacrylic Roxypropyltriethoxysilane, γ-methacryloxypropylmethyldiethoxysilane, N-β- (N-vinylbenzylaminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane, N-β- (N-vinylbenzylaminoethyl)- γ-aminopropylmethyl Rudimethoxysilane, N-β- (N-vinylbenzylaminoethyl) -γ-aminopropyltriethoxysilane, N-β- (N-vinylbenzylaminoethyl) -γ-aminopropylmethyldiethoxysilane, γ-glycine Sidoxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltriethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane, γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyl Methyldimethoxysilane, γ-mercaptopropyltriethoxysilane, γ-mercaptopropylmethyldiethoxysilane, methyltrimethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, methyltriethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, vinyltriacetoxy , Γ-chloropropyltrimethoxysilane, γ-chloropropylmethyldimethoxysilane, γ-chloropropyltriethoxysilane, γ-chloropropylmethyldiethoxysilane, hexamethyldisilazane, γ-anilinopropyltrimethoxysilane, γ -Anilinopropylmethyldimethoxysilane, γ-anilinopropyltriethoxysilane, γ-anilinopropylmethyldiethoxysilane, vinyltrimethoxysilane, vinylmethyldimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, vinylmethyldiethoxysilane, octadecyldimethyl [3- (trimethoxysilyl) propyl] ammonium chloride, octadecyldimethyl [3- (methyldimethoxysilyl) propyl] ammonium chloride, octadecyldimethyl [3- (trieth Cysilyl) propyl] ammonium chloride, octadecyldimethyl [3- (methyldiethoxysilyl) propyl] ammonium chloride, γ-chloropropylmethyldimethoxysilane, γ-mercaptopropylmethyldimethoxysilane, methyltrichlorosilane, dimethyldichlorosilane, trimethylchlorosilane, etc. When γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane having a glycidyl ether group and γ-glycidoxypropyltriethoxysilane are used, the work adhesion of the coating film is particularly improved. Furthermore, when a triethoxy type silane coupling agent is used, the storage stability of the base treatment agent can be improved. This is thought to be because triethoxysilane is relatively stable in an aqueous solution and the polymerization rate is slow. The content of the silane coupling agent is preferably 5 to 30% of the total mass of the organic resin, the silane coupling agent and silica in terms of solid content. If it is less than 5 wt%, the adhesion of the formed coating film becomes insufficient, and if it exceeds 30 wt%, the effect of the silane coupling agent that improves the adhesion of the coating film is close to saturation, and the storage stability of the coating agent is increased. Sex is reduced.
[0022]
As silica, either vapor phase silica or colloidal silica (liquid phase silica) can be used. Representative examples of gas phase silica include products such as A-100, A-200, A-300, and R-972 manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd. Representative examples of colloidal silica include Snowtex O, Snowtex OX, Snowtex OL, Snowtex OXX, Snowtex N, Snowtex NS, and Snowtex C from Nissan Chemical Co., Ltd. The content of silica is preferably 20 to 60% of the total mass of the organic resin, the silane coupling agent and silica in terms of solid content. If it is less than 20 wt%, the corrosion resistance of the coating film formed from the coating agent is not sufficient, and if it exceeds 60 wt%, the coating film becomes brittle, causing brittle fracture and lowering adhesion.
[0023]
The coating agent for forming the adhesive layer contains water as a solvent that enables the coating agent to be applied to the base plated steel sheet in addition to the solid components (organic resin, silane coupling agent, silica). The solid component and water may be mixed in any mixing ratio as long as a desired adhesive layer can be formed by applying a coating agent and subsequent baking. However, the solid content concentration of the coating agent is generally about 1 to 20 wt%.
[0024]
The method for applying the coating agent is not particularly limited, and general methods such as roll coating, curtain coating, spray coating, bar coating, and dipping can be used.
[0025]
From the coating film formed by application of the coating agent, an adhesive layer can be formed by baking. Baking is preferably performed within a temperature range of 50 ° C. or more and less than 100 ° C. When baking at a temperature lower than 50 ° C., it takes time to form an adhesive layer (the baking is generally preferably completed within 10 seconds), and in the case of insufficient drying, residual water is used. In addition, the coating agent for forming the organic coating layer formed on the adhesive layer may melt and the adhesive layer may not be formed well, or a part of the adhesive layer may adhere to the roll during the conveyance of the steel plate being processed. Inconvenience such as there may occur. When the baking temperature is 100 ° C. or higher, an unreacted silane coupling agent necessary for obtaining adhesion with a functional coating layer to be formed later on cannot be left in the adhesive layer. It is inconvenient because all the water in the adhesive layer effective for evenly coating the coating agent for forming the organic coating layer on the surface is lost. When the adhesive layer is completely dried, it becomes oleophilic, so that the applicability of the aqueous organic coating layer forming coating agent is lowered.
[0026]
Baking can be performed by a method generally used in the production of a surface-treated steel sheet. Examples of such a method include hot air blowing (hot air drying furnace), infrared heating, induction heating and the like.
[0027]
The adhesive layer is preferably formed with a thickness of 0.05 to 0.4 μm. If the thickness is less than 0.05 μm, the adhesion effect is insufficient, and the corrosion resistance of the plated steel sheet is reduced. If the thickness exceeds 0.4 μm, brittle fracture of the adhesive layer is likely to occur, and therefore the coating film Peeling easily occurs.
[0028]
In addition, the coating agent for forming an adhesive layer used in the method of the present invention includes components other than the above organic resin, silane coupling agent and silica, for example, an organic resin, unless particularly disadvantageous in the properties of the adhesive layer to be formed. Organic assistants such as alcohol and cellosolve (trade name) that help dissolve water in water, and thickeners (for example, polyacrylic acid) can be optionally added.
[0029]
In the method of the present invention, after the adhesive layer is formed by baking, the upper coating layer is formed without performing water cooling and drying after baking performed by a general film forming method. In order to ensure the adhesion of the upper coating layer to the adhesive layer, it is necessary to leave an unreacted silane coupling agent effective for that purpose in the adhesive layer before the formation of the upper coating layer. In the present invention, the baking for forming the adhesive layer is performed at a relatively low temperature of 50 ° C. or more and less than 100 ° C., and the coating film (adhesive layer) baked at such a low temperature is compared with the case of baking at a higher temperature. When it is soft and exposed to water, the unreacted silane coupling agent as an active ingredient dissolves and is lost. In addition, when exposed to a high temperature in a drying operation performed after water cooling, the amount of unreacted silane coupling agent in the adhesive layer decreases or disappears, and adhesion between the adhesive layer and the upper coating layer cannot be obtained. End up. This is the reason why water cooling and subsequent drying are not performed after formation of the adhesive layer by baking at a low temperature in the present invention.
[0030]
As the coating agent for the functional organic coating layer formed on the adhesive layer, any coating agent conventionally used in the production of surface-treated steel sheets may be used. Any of the application, baking, water cooling, and drying can be performed by a conventional method and apparatus. Further, the thickness of the functional coating layer is not particularly limited, and the total thickness with the adhesive layer is set to about 0.6 to 2.0 μm, which is the thickness of the coating layer in a normal surface-treated steel sheet. be able to.
[0031]
The zinc-based plated steel sheet to which the method of the present invention can be applied is a steel sheet having a galvanized surface, or one or more of zinc and Fe, Ni, Co, Cr, Mg, Al, Si, Mn, etc. It is the steel plate which gave the zinc alloy plating which consists of metals. The plating method is not particularly limited, and any of electroplating method, hot dipping method, vacuum plating method and the like may be used. The steel plate to be plated is not particularly limited, and may be either a cold rolled steel plate or a hot rolled steel plate.
[0032]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example demonstrates this invention further, this invention is not limited to these examples.
[0033]
(Examples 1-10, Comparative Examples 11-21)
An electrogalvanized steel sheet (70 × 150 × 0.8 mm) manufactured by Nippon Test Panel Co., Ltd. was used as the base steel sheet for the test plate.
[0034]
The solid component shown in Table 1 was dissolved or dispersed in water in the amounts shown in Table 2 to prepare an adhesive layer coating agent having a solid content concentration of 20 wt%. These coating agents were applied to the base steel plate with a bar coater so as to have a dry film thickness shown as “lower layer thickness” in Table 2, and baked at the adhesive layer baking temperature shown in the same table to form an adhesive layer.
[0035]
[Table 1]
Figure 0003909016
[0036]
Next, a metal coat KD (obtained from Nippon Paint Co., Ltd.), an acrylic emulsion coating agent for forming a functional organic coating layer, was applied onto the adhesive layer with a bar coater so as to have a dry film thickness of 1 μm. Baking was carried out so as to reach an ultimate temperature of 150 ° C., followed by water-cooled drying to prepare a test plate.
[0037]
Each test plate was evaluated for film formability, adhesion, and corrosion resistance.
Evaluation of film formability was performed according to JIS K 5400 for the test plate before forming the adhesive layer (lower layer) and forming the functional coating layer (upper layer). A 7 mm extruded portion was formed on the test plate with an Erichsen tester, and cello tape (registered trademark) (manufactured by Nichiban Co., Ltd.) was applied to the tip of the extruded portion, and then the tape was peeled off. The test plate on which the coating film peeled off from the test plate was not attached to the tape was judged good (indicated by a circle in Table 2), and the test plate adhered was judged defective (indicated by an x in Table 2).
[0038]
For the evaluation of adhesion, the test plate formed up to the functional coating layer (upper layer) is tested under the same conditions using the same Erichsen test machine as the film formation evaluation described above, and the coating film peeled off from the test plate is adhered to the tape. An untreated test plate was judged good (indicated by a circle in Table 2), and a test plate adhered was judged defective (indicated by a cross in Table 2).
[0039]
Corrosion resistance was evaluated by a salt spray test specified in JIS Z 3271. At an atmospheric temperature of 35 ° C., a 5% NaCl aqueous solution was sprayed on the test plate, and the rust generation rate after 240 hours was measured. Is less than 50% of the test plate surface area (indicated by a circle in Table 2), and more than 50% is determined as defective (indicated by an x in Table 2).
[0040]
[Table 2]
Figure 0003909016
[0041]
As is clear from Table 2, in the test plates of Examples 1 to 10 of the present invention, good results were obtained for all evaluation items of film formability, adhesion, and corrosion resistance. On the other hand, the test plates of Comparative Examples 11 to 16 and 18 to 21 showed insufficient results for one or more of the three evaluation items. In Comparative Example 17, good results were obtained for any of the evaluation items, but the storage stability of the coating agent was poor because of the high content of the silane coupling agent in the adhesive layer forming coating agent.
[0042]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the non-chromium provided with the surface treatment film having a two-layer structure composed of the lower layer adhesive layer and the upper layer coating layer with improved adhesion of the functional coating layer and improved corrosion resistance. Production of die-treated galvanized steel sheet becomes possible.

Claims (3)

亜鉛めっき鋼板又は亜鉛合金めっき鋼板の上に、有機樹脂、シランカップリング剤及びシリカのみを含む水性コーティング剤により接着層を形成し、次いでこの接着層の上に、機能性有機被覆層形成用の水性コーティング剤により機能性有機被覆層を形成することにより、2層構造の表面処理皮膜を形成する非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板を製造する方法であって、接着層の形成を、コーティング剤の塗布による塗膜の形成と、50℃以上100℃未満の温度で全ての水が失われないよう塗膜焼付けることとによって行うことを特徴とする非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。On the galvanized steel sheet or zinc alloy plated steel sheet, an adhesive layer is formed by an aqueous coating agent containing only an organic resin, a silane coupling agent and silica, and then a functional organic coating layer is formed on the adhesive layer. A method for producing a non-chromium-type treated galvanized steel sheet that forms a surface-treated film having a two-layer structure by forming a functional organic coating layer with an aqueous coating agent, comprising: and forming a coating film by coating method of non-chromate-type treatment galvanized steel sheet which is characterized in that by the baking Rukoto a coating film so that is not lost all of the water at a temperature below than 50 ° C. 100 ° C. . 前記接着層を形成するコーティング剤が、固形分換算で、有機樹脂を30〜70wt%、シランカップリング剤を5〜30wt%、及びシリカを20〜60wt%含有する、請求項1記載の非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。  The non-chromium according to claim 1, wherein the coating agent forming the adhesive layer contains, in terms of solid content, 30 to 70 wt% organic resin, 5 to 30 wt% silane coupling agent, and 20 to 60 wt% silica. A method for producing die-treated galvanized steel sheet. 前記接着層の厚さを0.05〜0.4μm、接着層と機能性被覆層との合計の厚さを0.6〜2.0μmとする、請求項1又は2記載の非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。  The non-chrome type treatment according to claim 1 or 2, wherein the thickness of the adhesive layer is 0.05 to 0.4 µm, and the total thickness of the adhesive layer and the functional coating layer is 0.6 to 2.0 µm. A method for producing a zinc-plated steel sheet.
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