JP3909002B2 - 光モジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,光モジュールに関し,特に回折光学素子からなるレンズ部を含む光モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信の分野では,半導体レーザ等の光源からの信号光を光ファイバに導光するために,例えば直径百数十μmのマイクロレンズの組み合わせが用いられている。一例をあげると,このようなマイクロレンズは,光源からの発散光を平行光束に変換する第1のマイクロレンズと,第1のマイクロレンズからの平行光束を光ファイバの端面に集光する第2のマイクロレンズとの組み合わせで用いられる。この第1,第2のマイクロレンズの組み合わせはレンズ素子組立体として光源と光ファイバの間に配置される。
【0003】
上記のようなレンズ素子組立体および光源からの光を導光される光ファイバは,一般に基板上に形成された横断面形状がV字形状であるV溝上に配置される。V溝は半導体製造技術であるフォトリソエッチング技術を利用して高精度に形成される。このV溝に沿ってマイクロレンズおよび光ファイバを配置するパッシブアライメントにより,パイロット光を用いずに,マイクロレンズの相互の光軸にずれを生じさせることなく,適正にこれらの部材を基板上に配置することができる。
【0004】
なお,上記のような光源と光ファイバの光結合に用いられるマイクロレンズに回折光学素子を採用することができる(例えば,下記の非特許文献参照。)。このような回折型のレンズは例えばシリコン基板の表面に所定の形状のパターンを用いてエッチング処理を施すことにより形成できる。マイクロレンズの形状を形成した後は,一般に反射光の防止のために,マイクロレンズの入射面および出射面に反射防止膜の成膜処理が施される。
【0005】
【非特許文献】
佐々木浩紀,小谷恭子,外5名,「光パッケージ技術−光源とシリコンマイクロレンズの高精度実装技術」,エレクトロニクス実装学会誌,2002年,vol.5,No.5,p.466−471
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記のような回折光学素子を用いた回折型のレンズでは,通常の屈折型のレンズとは異なり,1次の反射回折光の影響が支配的である。特に,レンズ媒質をシリコンで構成した場合,回折光学素子を形成するためのエッチングの深さが,透過型の回折光学素子と反射型の回折光学素子とで近い値になる。そのため,シリコンからなる回折光学素子では,透過型であっても,反射回折光の影響が大きく,そのままでは回折光学素子形成面での1次の反射回折光による反射結合効率が約−16dBになることがある。このようなレンズ入射面での反射光が再び光源に帰還すると,この帰還光がレーザ光源の発振の不安定要因となるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は,このような問題に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,透過型の回折光学素子を用いた光モジュールにおいて,反射回折光による光源の発振の不安定性を低減可能な光モジュールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,レーザ光源と,透過型の回折光学素子からなるレンズ部が形成された面を有する光学素子と,を含み,前記レーザ光源からの光が前記レンズ部に入射することによって生じる1次反射回折光が前記レーザ光源に帰還しないように,前記反射回折光の光路外に前記レーザ光源の発光部が位置するよう構成されていることを特徴とする光モジュールが提供される。かかる構成によれば,この反射回折光がレーザ光源に帰還するのを防止でき,反射回折光による光源の発振の不安定性を低減できる。
【0009】
また,本発明の第2の観点によれば,レーザ光源と,透過型の回折光学素子からなるレンズ部が形成された面を有する光学素子と,を含み,前記レーザ光源から前記レンズ部が形成された面へ入射する入射光束の主光線の方向と,前記光束が前記レンズ部を通過して前記レンズ部が形成された面から出射する出射光束の主光線の方向とが異なるように構成されていることを特徴とする光モジュールが提供される。かかる構成によれば,レンズ部の入射面における反射回折光がレーザ光源に帰還するのを防止でき,反射回折光による光源の発振の不安定性を低減できる。
【0010】
その際に,前記入射光束の主光線の方向は,前記レンズ部が形成された面の法線方向に対して傾斜する方向となるように前記レーザ光源を傾斜配置するように構成してもよい。また,前記レンズ部は回転非対称に構成され,前記出射光束の主光線の方向は,前記レンズ部が形成された面の法線方向と略同一であるように構成してもよく,あるいは,前記レンズ部は回転対称に構成され,前記出射光束の主光線は,その方向が前記レンズ部が形成された面の法線方向と略同一であり,かつ前記レンズ部の前記回転対称の軸以外の部分に入射するように構成してもよい。
【0011】
なおここで,レンズ部が形成された面とは必ずしもレンズ部が形成されている領域にある面ではなく,例えば,光学素子のある側面の一部にレンズ部が形成されているときには,その側面を指すものとする。また,光束の主光線の方向とは,その光束が光線で近似可能なときには,その光線の方向のことを指すものとする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下,図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお,以下の説明および添付図面において,略同一の機能および構成を有する構成要素については,同一符号を付すことにより,重複説明を省略する。
【0013】
まず,図1,図2を参照して本発明の第1の実施の形態にかかる光モジュールの光学系について説明する。図1は,本光モジュールの光学系の概念図である。図1に示すように本光学系は,レーザ光源11と,2つのレンズ12,13と,光ファイバ14とを含み,これらはこの順に配置されている。
【0014】
本光学系では,レンズ12,13と光ファイバ14は,同一の光軸AX1を共有するように配置されている。図1ではレーザ光源11からレンズ12へ入射する入射光束の主光線の方向をL1として描いており,レーザ光源11は,その方向L1が光軸AX1に対し角度θ傾斜した方向となるように傾斜配置されている。なお,ここではレーザ光源11の発光部が光軸AX1上に位置するよう配置されているが,これに限定するものではなく,レーザ光源11が傾斜配置されていればよい。
【0015】
2つのレンズ12,13は共に透過型の回折光学素子からなるコリメートレンズであり,その組み合わせによりレーザ光源11からの光を光ファイバ14に導くレンズ素子組立体を構成している。レンズ12,13において,回折光学素子が形成されている面をレンズ形成面とよぶ。レンズ12のレンズ形成面はレーザ光源11に対向し,レンズ13のレンズ形成面は光ファイバ14に対向するように配置されている。レンズ12,13のレンズ形成面の法線方向は,光軸AX1と同一方向である。
【0016】
図1に示す光学系において,レーザ光源11からの光束の主光線は,光軸AX1に対し角度θ傾斜した方向L1に進行してレンズ12に入射する。ここでは,その入射位置はレンズ12において光軸AX1から外れた位置になる。なお,レーザ光源11からの出射光は発散光であるため,図1ではその広がりを誇張して描いている。レンズ12を透過した光は,レンズ12により光軸AX1に平行な光となってレンズ13に入射する。レンズ13を透過した光はレンズ13により光ファイバ14の端面に集光される。
【0017】
このときのレンズ12における反射回折光を考える。図2に示すように,レーザ光源11からの光束は,その主光線の方向が光軸AX1に対しθ傾斜した角度となるようにレンズ12に入射し,レンズ12のレンズ形成面で光軸AX1に対して角度−θ傾斜した1次反射回折光を生じる。すなわち,方向L1に対し,2θの角度の方向に1次反射回折光を生じる。なお,ここではθの符号は図2に示すように,レーザ光源11とレンズ12間において光軸AX1に平行な軸から反時計回りに正,時計回りに負としている。
【0018】
この1次反射回折光は,レーザ光源11の発光部を含み光軸AX1に垂直な面内において,レーザ光源11の発光部からΔx離れた位置に帰還することになる。したがって,1次反射回折光の光路外にレーザ光源11の発光部が位置することになり,1次反射回折光がレーザ光源11に帰還しないため,1次反射回折光によるレーザ光源11への影響を小さくすることができる。
【0019】
例えば,レーザ光源11の発光面からレンズ12の入射面までの光軸AX1方向の距離が80μm,θ=1°の場合には,Δxは2.8μmになる。この場合の反射結合効率はモード結合理論によって求められ,−37.54dBとなり,レーザ光源11への影響は問題とならない程度である。
【0020】
なお,レンズ13と光ファイバ14間の反射に関しては,例えば光ファイバ14を光軸AX1に対して垂直な方向にわずかにずらして配置することにより,レンズ13での反射光が光ファイバ14に帰還するのを防止することができる。
【0021】
図3は,本実施の形態にかかる光モジュールの具体例の1つの構成図である。この光モジュールは,支持基板16と,レーザ光源11と,光学素子としての2つのマイクロレンズ112,113と,光ファイバ14とを有する。レーザ光源11,マイクロレンズ112,113,光ファイバ14はこの順に支持基板16上に配置されている。
【0022】
マイクロレンズ112,113はここではシリコン基板からなり,この基板の表面に形成された透過型の回折光学素子からなるレンズ部112a,113aをそれぞれ有する光学素子である。レンズ部112a,113aの回折光学素子は,例えばCGH(Computer Generated Hologram)素子により形成してもよい。CGH素子は,所望の光学特性を示す光学素子の光路差関数から所望の光学特性を得るに必要なフォトマスクのパターンをコンピュータを用いて求め,そのマスクパターンを用いて基板の表面の所望箇所にエッチング処理を施すことにより,所望の光学特性を有する回折型光学素子を形成したものである。
【0023】
マイクロレンズ112はレンズ部112aの上側から延設された略直方体形状の部分と,レンズ部112aの下側から延設された略蒲鉾形状の部分とを有する。略直方体形状の部分は実装時の取扱を容易にするためにレンズ部112aより幅広で平坦面を有するよう構成されており,ここでは取扱部とよぶ。略蒲鉾形状の部分は取扱部の中間位置から下方に突設されており,V溝17に適合する形状を有し,張出部と呼ぶ。この張出部の2つの端面は取扱部の対応する面とそれぞれ同一平面となり,この平面にレンズ部112aがそれぞれ形成されている。レンズ部112aが形成されているこの平面をレンズ形成面と呼ぶ。マイクロレンズ113はマイクロレンズ112と同様の形状,構成を有する。
【0024】
マイクロレンズ112,113は,例えば半導体技術で用いられるフォトリソ・エッチング技術を用いて,シリコン基板にマイクロレンズ112,113に対応する形状のパターンをフォトマスクパターンとして用いてエッチングを行うことにより作製可能である。
【0025】
2つのマイクロレンズ112,113はその組み合わせによりレーザ光源11からの光を光ファイバ14に導くレンズ素子組立体を構成している。レンズ部112a,113aは共にコリメート機能を有し,図1に示す前述のレンズ12,13にそれぞれ相当する。
【0026】
支持基板16は例えばシリコン結晶基板からなり,上面にはその一端から途中までに,横断面形状がV字形状であるV溝17が形成されている。V溝17は例えば異方性エッチングにより形成可能である。V溝17には2つのマイクロレンズ112,113と,光ファイバ14が載置されている。マイクロレンズ112のレンズ形成面はレーザ光源11に対向し,マイクロレンズ113のレンズ形成面は光ファイバ14に対向するように配置されている。マイクロレンズ112,113のレンズ形成面の法線方向は,レンズ部112a,113aの光軸の方向と同一である。
【0027】
本モジュールでは,マイクロレンズ112,113と光ファイバ14は,同一の光軸を共有するように配置されている。また,レーザ光源11からレンズ部112aへ入射する入射光束の主光線の方向が,マイクロレンズ112,113のレンズ形成面の法線方向に対し傾斜した方向となるようにレーザ光源11は傾斜配置されている。ここではレーザ光源11の発光面とマイクロレンズ112のレンズ形成面が正対した状態からレーザ光源11を支持基板16の上面に垂直な軸の周りに回転させて配置することにより,傾斜配置を行っている。以上の構成により,本モジュールではレンズ部112a,113aを図1に示すレンズ12,13と見なした場合,図1に示す光学系と同様の光学系を構成している。よって,図3に示す光モジュールの光学系の動作は,図1に示す光学系の動作と同様になる。
【0028】
以上述べたように本実施の形態では,レーザ光源からレンズへ入射する入射光束の主光線の方向がレンズの光軸方向と異なるように,レーザ光源を傾斜配置させている。これにより,この入射光束が回折光学素子からなるレンズ部に入射することによって生じる1次反射回折光がレーザ光源へ帰還するのを防ぐことができる。よって,反射回折光がレーザ光源の発振の不安定要因となるのを防止することができる。
【0029】
次に,図4,図5を参照して本発明の第2の実施の形態にかかる光モジュールの光学系について説明する。図4は,本光モジュールの光学系の概念図である。図4に示すように本光学系は,レーザ光源11と,2つのレンズ22,23と,光ファイバ14とを含み,これらはこの順に配置されている。
【0030】
本実施の形態のレンズ22,23は回転非対称,すなわち軸ずれ型となるように構成されており,この点が第1の実施の形態と大きく異なる。その他の点では,レンズ22,23は第1の実施の形態のレンズ12,13と同様であり,共に透過型の回折光学素子からなるコリメートレンズであり,レーザ光源11からの光を光ファイバ14に導くレンズ素子組立体を構成している。レンズ22,23において,回折光学素子が形成されている面をレンズ形成面とよぶ。
【0031】
本光学系では,レーザ光源11は,その出射光束の主光線の方向がレンズ22のレンズ形成面に対し垂直となるよう配置されている。図4ではこの主光線の方向をL2として描いている。なお,ここでは主光線がレンズ22の中心に入射するよう構成されているが,これに限定するものではなく,主光線の方向がレンズ形成面に対し垂直になっていればよい。
【0032】
レンズ22は,図4に示すように,そのレンズ形成面に垂直に入射した光が,その入射光の方向に対して角度θ傾斜した方向に出射するような軸がずれた構成となっている。図4ではこの出射光の方向を光軸AX2として示す。また,レンズ23は,角度θ傾斜して入射した光がレンズ23のレンズ形成面に垂直な方向に出射するように構成されている。図4ではこの出射光の方向をL3として示す。
【0033】
光ファイバ14は,その光軸が前述の方向L3と一致するように配置されている。図4に示すように,方向L2と方向L3の方向は平行であるが,同一直線上には位置していない。また,方向L2および方向L3は,光軸AX2に対し角度θ傾斜している。
【0034】
図4に示す光学系において,レーザ光源11からの光束の主光線は,方向L2に進行し,レンズ22のレンズ形成面に対し垂直に入射する。なお,レーザ光源11からの出射光は発散光であるため,図4ではその広がりを誇張して描いている。レンズ22を透過した光は,レンズ22により方向L2に対し角度θ傾斜した方向の光軸AX2に平行な光となってレンズ23に入射する。レンズ23を透過した光は,レンズ23により,光軸AX2に対し角度θ傾斜した方向L3と平行の主光線を有し,光ファイバ14の端面に集光される。
【0035】
このときのレンズ22における反射回折光を考える。レーザ光源11からの光束は,その主光線の方向がレンズ22において光軸AX2に対しθ傾斜した角度で入射し,レンズ22のレンズ形成面で光軸AX2に対して角度−θ傾斜した1次反射回折光を生じる。すなわち図5に示すように,レーザ光源11からの出射光の方向L2に対し,2θの角度の方向に1次反射回折光を生じる。この1次反射回折光は,レーザ光源11の発光部を含みL2に垂直な面内において,レーザ光源11の発光部からΔx離れた位置に帰還することになる。したがって,1次反射回折光の光路外にレーザ光源11の発光部が位置することになり,1次反射回折光がレーザ光源11に帰還しないため,1次反射回折光によるレーザ光源11への影響を小さくすることができる。
【0036】
例えば,レーザ光源11の発光部面とレンズ22の入射面までの方向L2における距離が80μm,θ=1°の場合には,Δxは2.8μmになる。この場合の反射結合効率はモード結合理論によって求められ,−37.54dBとなり,レーザ光源11への影響は問題とならない程度である。
【0037】
なお,本実施の形態においても,レンズ23と光ファイバ14間での反射に関しては,例えば光ファイバ14を方向L3に対して垂直な方向にわずかにずらして配置することにより,レンズ23のレンズ形成面での反射光が光ファイバ14に帰還するのを防止することができる。
【0038】
図6は,本実施の形態にかかる光モジュールの具体例の1つの構成図である。この光モジュールは,支持基板26と,レーザ光源11と,光学素子としての2つのマイクロレンズ212,213と,光ファイバ14とを有する。レーザ光源11と,マイクロレンズ212,213と,光ファイバ14はこの順に支持基板26上に配置されている。
【0039】
2つのマイクロレンズ212,213は,図3に示すマイクロレンズ112,113と同様の形状を有し,同様に透過型の回折光学素子からなるレンズ部212a,213aをそれぞれ有する光学素子である。マイクロレンズ212,213においてもレンズ部212a,213aが形成されている平面をレンズ形成面と呼ぶことにする。2つのマイクロレンズ212,213はその組み合わせによりレーザ光源11からの光を光ファイバ14に導くレンズ素子組立体を構成している。レンズ部212a,213aは共にコリメート機能を有し,回転非対称,すなわち軸ずれ型となるように構成されており,図4に示す前述のレンズ22,23にそれぞれ相当する。レンズ部212a,213aの光軸の方向はマイクロレンズ212,213のレンズ形成面の法線方向に対して傾いている。
【0040】
支持基板26は例えばシリコン結晶基板からなり,上面にはV溝27a,27bと,凹溝28が形成されている。凹溝28は横断面形状が長方形状の溝であり,支持基板26の一端から他端にわたって形成されている。V溝27a,27bは横断面形状がV字形状の溝であり,それぞれ凹溝28の両側に位置して凹溝28と連通し凹溝28と直交する方向に形成されている。
【0041】
V溝27aにはマイクロレンズ212が載置され,V溝27bにはマイクロレンズ212と光ファイバが載置されている。このように載置されたマイクロレンズ212,213の間に凹溝28が位置する。レーザ光源11はマイクロレンズ212に対向する位置に配置されている。マイクロレンズ212のレンズ形成面はレーザ光源11に対向し,マイクロレンズ213のレンズ形成面は光ファイバ14に対向するように構成されている。V溝27a,27bの底の中心は平行であるが同一線上にはなく,前述の方向L2および方向L3の位置関係と同様に構成されている。
【0042】
本モジュールでは,レーザ光源11はその出射光の方向がマイクロレンズ212,213のレンズ形成面の法線方向と平行になるように配置されている。マイクロレンズ212,213はレンズ形成面の法線方向に対し傾斜角をもつ光軸を共有するように配置されている。光ファイバ14はマイクロレンズ212,213のレンズ形成面の法線方向と平行の方向を光軸とするように配置されている。以上の構成により,本モジュールではレンズ部212a,213aを図4に示すレンズ22,23と見なした場合,図4に示す光学系と同様の光学系を構成している。よって,図6に示す光モジュールの光学系の動作は,図4に示す光学系の動作と同様になる。
【0043】
以上より,本実施の形態によれば,軸ずれ型のレンズを用いることにより,レーザ光源からの出射光がマイクロレンズのレンズ部で反射して発生する反射回折光がレーザ光源へ帰還するのを防ぐことができる。よって,この反射回折光がレーザ光源の発振の不安定要因となるのを防止することができる。
【0044】
次に,図7を参照して本発明の第3の実施の形態にかかる光モジュールの光学系について説明する。図7は,本光モジュールの光学系の概念図である。図7に示すように本光学系は,レーザ光源11と,2つのレンズ32,33と,光ファイバ14とを含み,これらはこの順に配置されている。
【0045】
2つのレンズ32,33は共に透過型の回折光学素子からなるコリメートレンズであり,その組み合わせによりレーザ光源11からの光を光ファイバ14に導くレンズ素子組立体を構成している。本実施の形態のレンズ32,33は回転対称に構成されており,その回転対称の軸を図7ではAX3として示す。レンズ32,33において,回折光学素子が形成されている面をレンズ形成面とよぶ。
【0046】
本光学系では,レーザ光源11からレンズ32へ入射する入射光束の主光線の方向がレンズ32のレンズ形成面に対し垂直となり,かつその入射位置は回転対称の軸AX3から外れた位置となるように構成されている。図7ではレーザ光源11からレンズ32へ入射する入射光束の主光線の方向をL4として描いている。レーザ光源11の発光点は軸AX3上にはなく,光ファイバ14の光軸は軸AX3と平行であるが軸AX3と異なる位置になるよう配置されている。
【0047】
図7に示す光学系において,レーザ光源11からレンズ32へ入射した光束の主光線は,レンズ形成面に対し垂直で,かつ軸AX3から外れた位置に入射する。そして,レンズ32を透過した光は,方向L4に対し傾斜した方向L5に進行し,レンズ33に入射する。図7ではこの傾斜角をθとして示す。なお,このθの大きさは入射位置により変更可能である。レンズ33における入射位置は軸AX3から外れた位置となり,レンズ33を透過した光は,方向L3と平行な方向の主光線を有し,光ファイバ14の端面に集光される。なお,レーザ光源11からの出射光は発散光であるため,図7ではその広がりを誇張して描いている。
【0048】
このときのレンズ32における反射回折光は,図5に示すものと同様になり,本実施の形態の場合も1次反射回折光の光路外にレーザ光源11の発光部が位置することになり,1次反射回折光がレーザ光源11に帰還しないため,1次反射回折光によるレーザ光源11への影響を小さくすることができる。
【0049】
比較例として,従来の光学系の概念図を図8に示す。図8に示す光学系は,レーザ光源1と,2つのレンズ2,3と,光ファイバ4とを含み,これらはこの順に同一光軸AX0を共有するように配置されている。レンズ2,3は回折光学素子からなるコリメートレンズであり,その組み合わせによりレーザ光源11からの光を光ファイバ14に導くレンズ素子組立体を構成している。
【0050】
この光学系では,レーザ光源1からの出射光の方向とレンズ2の光軸方向が同一であるため,レーザ光源1からの出射光がレンズ2に入射し,レンズ2で生じる1次反射回折光はレーザ光源11に帰還し,光源の発振の不安定要因となる。これに対して,上記の本発明の実施の形態にかかる光モジュールでは,反射回折光がレーザ光源へ帰還するのを防ぐことができるため,反射回折光がレーザ光源の発振の不安定要因となるのを防止することができる。
【0051】
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0052】
【発明の効果】
以上,詳細に説明したように本発明によれば,透過型の回折光学素子を用いた光モジュールにおいて,反射回折光の光源への帰還による光源の発振の不安定性を低減可能な光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態にかかる光モジュールの光学系の概念図である。
【図2】 図1の光学系における反射回折光を説明する図である。
【図3】 第1の実施の形態にかかる光モジュールの構成を示す斜視図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態にかかる光モジュールの光学系の概念図である。
【図5】 図4の光学系における反射回折光を説明する図である。
【図6】 第2の実施の形態にかかる光モジュールの構成を示す斜視図である。
【図7】 本発明の第3の実施の形態にかかる光モジュールの光学系の概念図である。
【図8】従来の光モジュールの光学系の概念図である。
【符号の説明】
1,11 レーザ光源
2,3,12,13,22,23,32,33 レンズ
4,14 光ファイバ
112a,113a,212a,213a レンズ部
16,26 支持基板
17,27a,27b V溝
28 凹溝
112,113,212,213 マイクロレンズ
AX1,AX2 光軸
AX3 軸
L1,L2,L3,L4,L5 方向

Claims (7)

  1. レーザ光源と,
    透過型の回折光学素子からなるレンズ部が形成された面を有し,前記レーザ光源からの出射光束を平行光とする光学素子と,
    透過型の回折光学素子からなるレンズ部が形成された面を有し,前記平行光となった出射光束を集光する光学素子と,
    前記集光された出射光束が入射する光ファイバと,
    前記レーザ光源と,前記レーザ光源からの出射光束を平行光とする光学素子と,前記平行光となった出射光束を集光する光学素子と,前記光ファイバと,が順に載置される支持基板と,
    を備え,
    前記レーザ光源から前記レーザ光源からの出射光束を平行光とする光学素子へと向かう主光線の方向と,前記レーザ光源からの出射光束を平行光とする光学素子から前記平行光となった出射光束を集光する光学素子へと向かう主光線の方向,ならびに,前記レーザ光源からの出射光束を平行光とする光学素子から前記平行光となった出射光束を集光する光学素子へと向かう主光線の方向と,前記平行光となった出射光束を集光する光学素子から前記光ファイバへと向かう主光線の方向が,それぞれ異なる方向であることを特徴とする,光モジュール。
  2. レーザ光源と,
    透過型の回折光学素子からなるレンズ部が形成された面を有し,前記レーザ光源からの出射光束を平行光とする光学素子と,
    透過型の回折光学素子からなるレンズ部が形成された面を有し,前記平行光となった出射光束を集光する光学素子と,
    前記集光された出射光束が入射する光ファイバと,
    前記レーザ光源と,前記レーザ光源からの出射光束を平行光とする光学素子と,前記平行光となった出射光束を集光する光学素子と,前記光ファイバと,が順に載置される支持基板と,
    を備え,
    前記レーザ光源からの出射光束の主光線の方向が,前記出射光束を平行光とする光学素子における前記レンズ部が形成された面の法線方向に対して略平行となるように,前記レーザ光源が,前記支持基板上に配置され,
    前記出射光束を平行光とする光学素子と前記平行光となった出射光束を集光する光学素子とは,それぞれのレンズ部が形成された面の法線方向に対して,傾斜角を有する光軸を共有するように,前記支持基板上に配置されることを特徴とする,光モジュール。
  3. 前記支持基板上に,前記レーザ光源から前記光ファイバへと向かう方向に沿って,溝部が形成され,
    前記溝部に,前記レーザ光源からの出射光束を平行光とする光学素子と,前記平行光となった出射光束を集光する光学素子と,前記光ファイバとが,順に離隔して載置されることを特徴とする,請求項に記載の光モジュール。
  4. 前記出射光束を平行光とする光学素子が載置された前記溝部の中心線と,前記平行光となった出射光束を集光する光学素子が載置された前記溝部の中心線とは,同一線上には位置しないことを特徴とする,請求項2または3に記載の光モジュール。
  5. 前記出射光束を平行光とする光学素子のレンズ部と,前記平行光となった出射光束を集光する光学素子のレンズ部とが,互いに回転非対称となるように,それぞれの前記光学素子が,前記支持基板上に配置されることを特徴とする,請求項2〜4のいずれかに記載の光モジュール。
  6. 前記出射光束を平行光とする光学素子のレンズ部と,前記平行光となった出射光束を集光する光学素子のレンズ部とが,互いに回転対称となるように,それぞれの前記光学素子が,前記支持基板上に配置され,
    前記出射光束の主光線は,当該主光線の方向が前記出射光束を平行光とする光学素子の前記レンズ部が形成された面の法線方向と略同一であり,かつ,前記レンズ部の前記回転対称の軸以外の部分に入射するように構成されていることを特徴とする,請求項2または3に記載の光モジュール。
  7. 前記出射光束を平行光とする光学素子および前記平行光となった出射光束を集光する光学素子は
    略直方体形状の取扱部と,
    前記取扱部から突設され,前記溝部に適合する形状を有する張出部と,
    を備え,
    前記張出部の2つの端面は,前記取扱部の対応する面とそれぞれ同一平面となり,
    前記レンズ部は,前記同一平面に形成されることを特徴とする,請求項1〜6のいずれかに記載の光モジュール。
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