JP3908833B2 - 音声処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば補聴器、電話、拡声器、音声通信などの分野で用いられる音声処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
音声信号の伝送系のダイナミックレンジが狭いとき、あるいは難聴者のように受聴可能なダイナミックレンジが狭いとき、対象となる音声信号のレベルの小さい部分は増幅し、大きい部分は制限する手法がある。
【0003】
ところが、このような方法では、次のような問題点を生じてしまう。
【0004】
(1) 反射や残響のある空間に発声された音声は、受聴地点では反射音・残響音を伴っていることが多い。そして、本来の反射音・残響音のレベルは直接音よりも小さいが、ダイナミックレンジの圧縮および増幅が行われることにより、反射音・残響音のレベルが大きくなるので、相対的に反射音・残響音が目立つようになり、結果として聞き取りにくい音声になる。
【0005】
(2) ダイナミックレンジの圧縮率を大きく設定した場合に、音量も大きくしようとすると、結果的に小さい入力音に対する利得が大きくなるので、暗騒音が目立ったり、ハウリングが生じやすくなる。
【0006】
そこで、この発明の発明者は、特願平8−198340号において、次のような音声処理システムを提案した。図3は、その音声処理システムを補聴器に適用するとともに、音声帯域を3分割して処理を行うようにした場合である。
【0007】
すなわち、マイクロフォン11により音声などが収音され、その音声信号が、アンプ12を通じてバンドパスフィルタ13に供給されて有効な周波数帯域、例えば100Hz 〜8000Hzの周波数成分の音声信号S13が取り出され、この信号S13がA/Dコンバータ14に供給されて量子化ビット数が例えば16ビットのデジタル音声信号S14にA/D変換され、この信号S14がDSP15に供給される。
【0008】
このDSP15の詳細については後述するが、DSP15は、信号S13の帯域ごとに非線形のレベル変換を行うように、信号S14を処理し、その処理結果を信号S15として出力するものである。
【0009】
そして、このDSP15からの信号S15が、D/Aコンバータ16に供給されてアナログ音声信号S16にD/A変換され、この信号S16がアンプ17を通じて例えばダイナミック型に構成されたイヤホン18に供給される。したがって、マイクロフォン11により収音された音声などを、イヤホン18により聴くことができる。
【0010】
さらに、符号20はマイクロコンピュータを示す。このマイクロコンピュータ20は、DSP15が等価的に実現する回路の特性あるいはパラメータを設定するためのものであり、このため、マイクロコンピュータ20には、医師の処方箋にしたがって調整される半固定の可変抵抗器(トリマ)RHA〜RLA、RHB〜RLBと、受聴者が任意に調整する可変抵抗器RHC〜RLC、RRCとが接続される。そして、これら可変抵抗器RHA〜RRCから得られるアナログ電圧の大きさがマイクロコンピュータ20により検出され、その検出結果にしたがってDSP15が実現する回路の特性あるいはパラメータが制御される。
【0011】
そして、DSP15は、図3に示すように、信号S14の供給される3つのフィルタ51H、51M、51Lと、3つのレベル変換回路52H、52M、52Lと、加算回路53とを等価的に実現しているものである。
【0012】
この場合、フィルタ51Hは、ほぼ3kHz以上を通過帯域とするハイパスフィルタとされ、このフィルタ51Hからは信号S13の第3フォルマントおよび子音の成分のデジタル信号S1Hが取り出される。
【0013】
また、フィルタ51Mは、ほぼ1kHz〜3kHzを通過帯域とするバンドパスフィルタとされ、このフィルタ51Mからは信号S13の第2フォルマントの成分のデジタル信号S1Mが取り出される。さらに、フィルタ51Lは、ほぼ1kHz以下を通過帯域とするバンドパスフィルタあるいはローパスフィルタとされ、このフィルタ51Lからは信号S13のピッチおよび第1フォルマントの成分のデジタル信号S1Lが取り出される。
【0014】
そして、これら信号S1H、S1M、S1Lが、レベル変換回路52H、52M、52Lにそれぞれ供給される。
【0015】
この場合、レベル変換回路52Hは、例えば図4に示すような入出力特性で非線形増幅を行うものである。すなわち、図4において、符号HLは、図3の補聴器を使用する受聴者の最小可聴値(言葉の聞き取りが可能な最小レベル)に対応するレベルを示し、符号UCLは、同じく不快閾値(大きすぎて不快に感じるレベル)に対応するレベルを示す。したがって、HLとUCLとの間のレベル範囲が、対象とする受聴者にとって受聴可能な範囲である。
【0016】
そして、レベル変換回路52Hの入出力特性は、実線の折れ線Cで示すように、UCLとHLとを結ぶ直線部分を有するとともに、HL上にニーポイント(折れ曲がり点)PN を有する非線形特性とされる。また、このとき、可変抵抗器RHAを調整すると、UCLが図4の矢印Aの示す範囲で上下し、可変抵抗器RHBを調整すると、HLが矢印Bの示す範囲で上下するようにされる。さらに、可変抵抗器RHCを調整すると、ニーポイントPN が、HL上で左右に変化するようにされる。
【0017】
したがって、レベル変換回路52Hの入出力特性のうち、UCLとHLとの間の範囲、すなわち、受聴可能範囲と、この受聴可能範囲における特性の傾きを、可変抵抗器RHA〜RHCにより調整できることになる。
【0018】
例えば、可変抵抗器RHBを調整して図4に破線で示すようにHLを高くすると、入出力特性も破線で示すようになるので、実線の特性の場合に比べ、受聴できる入力音圧レベルの範囲は変化しないが、音声がより大きな音圧で出力されることになる。また、可変抵抗器RHCを調整してニーポイントPN を小入力側に変更すると、入出力特性は鎖線で示すようになるので、実線の特性の場合に比べ、より小さな音圧の音声まで受聴できることになる。
【0019】
さらに、レベル変換回路52M、52Lも、レベル変換回路52Hと同様に構成されるもので、可変抵抗器RMA〜RMC、RLA〜RLCにより、レベル変換回路52M、52LのUCL、HL、ニーポイントPN がそれぞれ変化し、その結果、レベル変換回路52M、52Lの入出力特性が変化するようにされている。
【0020】
したがって、可変抵抗器RHA〜RLA、RHB〜RLBを調整することにより、イヤホン18の出力音圧レベルを受聴可能範囲に収めることができ、可変抵抗器RHC〜RLCを調整することにより、入力音圧の範囲を変更することができる。
【0021】
そして、レベル変換回路52H、52M、52Lからの信号S2H、S2M、S2Lが加算回路53に供給されて加算され、その加算信号が上記の信号S15として取り出される。
【0022】
このような構成によれば、医師の処方箋にしたがって、すなわち、受聴者の聴力にしたがって、可変抵抗器RHA〜RLA、RHB〜RLBを調整することにより、UCLおよびHLを変更できるので、イヤホン18から出力される音声のレベルを受聴可能範囲に収めることができ、音声を適切に受聴することができる。
【0023】
また、受聴者が可変抵抗器RHC〜RLCを調整することにより、ニーポイントPN の左右位置を変更することができるので、例えば図5に実線で示す入出力特性とすれば、静かな場所で、ささやき声を聴くことができる。あるいは図5の破線の特性とすれば、小さな声を聴くことができ、鎖線の特性とすれば、暗騒音のある場所で、大きな声を聴くことができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、図3〜図5により説明した補聴器においては、その入出力特性を、受聴者の聴覚特性に対応してきわめて適切に設定することができるので、その聴覚特性を十分に補助することができる。
【0025】
ところが、上述の説明からも明らかなように、この補聴器により最大の効果を得るには、受聴者の不快閾値UCLおよび最小可聴値HLをあらかじめ検査・測定しておき、それに合わせて可変抵抗器RHA〜RLA、RHB〜RLBを設定する必要がある。そして、そのためには、医師による診断が必要である。したがって、上述の補聴器は、手軽に使用することができない。
【0026】
この発明は、このような問題点を解決しようとするものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
このため、この発明においては、
入力された音声信号をレベル変換して出力するレベル変換回路と、
このレベル変換回路の入出力特性を、基準の状態、第1の状態および第2の状態に設定する設定手段と
を有し、
上記レベル変換回路の入出力特性は、
上記基準の状態に設定したときには、所定の利得で、線形な特性とされ、
上記第1の状態に設定したときには、上記所定の利得よりも大きい利得で、入力レベルが小さくなるほど、大きな利得となる特性とされ、
上記第2の状態に設定したときには、上記所定の利得よりも小さい利得で、上記入力レベルが大きくなるほど、小さな利得となる特性とされる
ようにした音声処理装置
とするものである。
したがって、設定手段により、レベル変換回路の入出力特性が適切な特性に変更される。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明を補聴器に適用するとともに、音声帯域を3分割して音声信号の処理を行うようにした場合である。
【0029】
すなわち、マイクロフォン11により音声などが収音され、その音声信号が、アンプ12を通じてバンドパスフィルタ13に供給されて有効な周波数帯域、例えば100Hz 〜8000Hzの周波数成分の音声信号S13が取り出され、この信号S13がA/Dコンバータ14に供給されて量子化ビット数が例えば16ビットのデジタル音声信号S14にA/D変換され、この信号S14がDSP15に供給される。
【0030】
このDSP15の詳細については後述するが、DSP15は、信号S13の帯域ごとに非線形のレベル変換を行うように、信号S14を処理し、その処理結果を信号S15として出力するものである。
【0031】
そして、このDSP15からの信号S15が、D/Aコンバータ16に供給されてアナログ音声信号S16にD/A変換され、この信号S16がアンプ17を通じて例えばダイナミック型に構成されたイヤホン18に供給される。したがって、マイクロフォン11により収音された音声などを、イヤホン18により聴くことができる。
【0032】
さらに、符号20はマイクロコンピュータを示す。このマイクロコンピュータ20は、DSP15が等価的に実現する回路の特性あるいはパラメータを設定するためのものであり、受聴者が任意に調整する可変抵抗器RHD、RMD、RLDが接続される。そして、この可変抵抗器RHD〜RLDから得られるアナログ電圧の大きさがマイクロコンピュータ20により検出され、その検出結果にしたがってDSP15が実現する回路の特性あるいはパラメータが制御される。
【0033】
そして、DSP15は、図3に示すように、信号S14の供給される3つのフィルタ51H、51M、51Lと、3つのレベル変換回路52H、52M、52Lと、加算回路53とを等価的に実現しているものである。
【0034】
この場合、フィルタ51Hは、ほぼ3kHz以上を通過帯域とするハイパスフィルタとされ、このフィルタ51Hからは信号S13の第3フォルマントおよび子音の成分のデジタル信号S1Hが取り出される。
【0035】
また、フィルタ51Mは、ほぼ1kHz〜3kHzを通過帯域とするバンドパスフィルタとされ、このフィルタ51Mからは信号S13の第2フォルマントの成分のデジタル信号S1Mが取り出される。さらに、フィルタ51Lは、ほぼ1kHz以下を通過帯域とするバンドパスフィルタあるいはローパスフィルタとされ、このフィルタ51Lからは信号S13のピッチおよび第1フォルマントの成分のデジタル信号S1Lが取り出される。
【0036】
そして、これら信号S1H、S1M、S1Lが、レベル変換回路52H、52M、52Lにそれぞれ供給される。
【0037】
この場合、レベル変換回路52Hは、例えば図2AおよびBに示すような入出力特性および利得特性で非線形増幅を行うものである。すなわち、図2Aにおいて、横軸はマイクロフォン11の入力音圧レベルに換算したレベル変換回路52Hの入力レベルを示し、縦軸はイヤホン18の出力音圧レベルに換算したレベル変換回路52Hの出力レベルを示す。また、図2Bにおいて、横軸はマイクロフォン11の入力音圧レベルに換算したレベル変換回路52Hの入力レベルを示し、縦軸はその利得を示す。なお、図2においては、入力レベルが45dB以下は、暗騒音領域とみなして無視している場合である。
【0038】
そして、可変抵抗器RHDが基準の設定位置にあるときには、レベル変換回路52Hの入出力特性は基準の特性の状態となるもので、例えば折れ線90、90Gで示す特性となる。この特性は、
・入力レベルが45dBのときには、出力レベルは65dB(利得は20dB)
・入力レベルが100dB のときには、出力レベルは120dB (利得は20dB)
というように、入力レベルが45dB〜100dB の範囲では、すべての入力レベル範囲で20dBの利得を有する線形な入出力特性である。
【0039】
また、入力レベルが45dB以下の範囲でも、利得は20dBで、線形な入出力特性である。しかし、入力レベルが100dB 以上の範囲では、出力レベルが120dB に制限され、大音量から受聴者を保護するようにされている。
【0040】
そして、可変抵抗器RHDを例えば時計方向に調整したときには、例えば折れ線91、91Gで示す特性となる。この特性は、
・入力レベルが45dBのときには、出力レベルは75dB(利得は30dB)
・入力レベルが100dB のときには、出力レベルは120dB (利得は20dB)
というように、入力レベルが45dB〜100dB の範囲では、特性90、90Gよりも利得は大きいが、入力レベルが大きくなるにつれて利得が小さくなる特性である。
【0041】
また、入力レベルが45dB以下の範囲では、特性90、90Gよりも利得は大きいが、入力レベルが小さくなるにつれて利得も小さくなるレベル伸長特性とされる。さらに、入力レベルが100dB 以上の範囲では、出力レベルは120dB に制限される。
【0042】
そして、可変抵抗器RHDをさらに時計方向に調整したときには、例えば折れ線92、92Gで示す特性となる。この特性は、
・入力レベルが45dBのときには、出力レベルは90dB(利得は45dB)
・入力レベルが100dB のときには、出力レベルは120dB (利得は20dB)
というように、入力レベルが45dB〜100dB の範囲では、特性91、91Gよりも利得は大きいが、入力レベルが大きくなるにつれて利得が小さくなる特性である。
【0043】
また、入力レベルが45dB以下の範囲では、特性91、91Gよりも利得は大きいが、入力レベルが小さくなるにつれて利得がさらに小さくなるレベル伸長特性とされる。さらに、入力レベルが100dB 以上の範囲では、出力レベルは120dB に制限される。
【0044】
したがって、可変抵抗器RHDを時計方向に調整すると、小入力レベルに対する利得が大きくなるとともに、可変抵抗器RHDを時計方向に調整するにつれて小入力レベルに対する利得はより大きくなる。
【0045】
一方、可変抵抗器RHDを、上記とは逆に反時計方向に調整したときには、例えば折れ線93、93Gで示す特性となる。この特性は、
・入力レベルが45dBのときには、出力レベルは62dB(利得は17dB)
・入力レベルが100dB のときには、出力レベルは111dB (利得は11dB)
というように、入力レベルが45dB〜100dB の範囲では、特性90、90Gよりも利得は小さく、入力レベルが大きくなるにつれて利得が小さくなる特性である。
【0046】
また、入力レベルが45dB以下の範囲では、特性90、90Gよりも利得は小さく、入力レベルが大きくなるにつれて利得はさらに小さくなるレベル圧縮特性とされる。さらに、入力レベルが100dB 以上の範囲では、出力レベルも対応した小さな値111dB に制限される。
【0047】
そして、可変抵抗器RHDをさらに反時計方向に調整したときには、例えば折れ線94、94Gで示す特性となる。この特性は、
・入力レベルが45dBのときには、出力レベルは58dB(利得は13dB)
・入力レベルが100dB のときには、出力レベルは102dB (利得は2dB)
というように、入力レベルが45dB〜100dB の範囲では、特性93、93Gよりも利得は小さく、入力レベルが大きくなるにつれて利得が小さくなる特性である。
【0048】
また、入力レベルが45dB以下の範囲では、特性93、93Gよりも利得は小さく、入力レベルが大きくなるにつれて利得がさらに小さくなるレベル圧縮特性とされる。さらに、入力レベルが100dB 以上の範囲では、出力レベルも対応した小さな値102dB に制限される。
【0049】
したがって、可変抵抗器RHDを反時計方向に調整すると、利得が小さくなるとともに、可変抵抗器RHDを反時計方向に調整するにつれて大入力レベルに対する利得はより小さくなる。
【0050】
こうして、可変抵抗器RHDを調整すると、レベル変換回路52Hの入出力特性は、特性92←→特性90←→特性94の間を、その調整に対応して変更される。
【0051】
さらに、レベル変換回路52M、52Lも、レベル変換回路52Hと同様に構成されるものであり、可変抵抗器RMD、RLDの調整により、レベル変換回路52M、52Lの入出力特性もレベル変換回路52Hの入出力特性と同様に変更される。
【0052】
そして、レベル変換回路52H、52M、52Lからの信号S2H、S2M、S2Lが加算回路53に供給されて加算され、その加算信号が上記の信号S15として取り出される。
【0053】
このような構成によれば、受聴者は、可変抵抗器RHD〜RLDを調整することにより、レベル変換回路52H〜52Lの入出力特性を、図2における特性92←→特性90←→特性94の間で変更することができる。
【0054】
そこで、中等度の難聴でも少し重い難聴者が小さい音声を聴く場合、特性92に設定すれば、55dBの大きさの音声が95dBの大きさの音声に変換されるので、その音声を聴くことができる。また、中等度の難聴でも少し重い難聴者が普通の大きさの音声を聴く場合、特性91に設定すれば、65dBの大きさの音声が90dBの大きさの音声に変換されるので、その音声を聴くことができる。
【0055】
一方、軽い難聴者が小さい音声を聴く場合、特性91に設定すれば、55dBの大きさの音声が80dBの大きさの音声に変換されるので、その音声を聴くことができる。さらに、軽い難聴者が大きい音声を聴く場合、特性94に設定すれば、70dBの大きさの音声が80dBの大きさの音声に変換されて聞こえる。
【0056】
すなわち、変換回路52H〜52Lの入出力特性を、特性90から特性92の方向に変更すれば、小さい音の出力レベルがより大きくなり、音を大きくしたように聞こえる。逆に、変換回路52H〜52Lの入出力特性を、特性90から特性94の方向に変更すると、大きい音のレベルがより小さくなり、音を小さくしたように聞こえる。
【0057】
したがって、この入出力特性の変更は、使用者から見れば、いわゆるボリューム操作のような感じとなって違和感がなく、使用者本人にとって目的とする音を聞きやすいように調整をすることができる。したがって、図1の補聴器は、図3の補聴器のように、聴力の診断結果にしたがって補聴器の特性を設定する必要がないので、手軽に使用することができる。
【0058】
また、図2の特性の場合、その最大利得は45dBに制限されるので、例えばイヤホン18の後部にマイクロフォン11が一体に設けられて受聴者の耳部の位置で音声などの収音を行うようにされている場合でも、ハウリングマージンが45dB以下になっていれば、可変抵抗器RHD〜RLDをどのように調整しても、ハウリングを防止できる。
【0059】
さらに、ボリュームを大きくしても、例えば45dB以下の暗騒音の目だつこともない。また、120dB 以上の過大な音が受聴者に供給されることもない。
【0060】
なお、上述においては、可変抵抗器RHD〜RLDによりレベル変換回路52H〜52Lの入出力特性の設定を行うとしたが、プッシュスイッチの操作により設定を行うようにすることもできる。
【0061】
また、上述においては、レベル変換回路52H〜52Lの入出力特性を可変抵抗器RHD〜RLDにより独立して設定できるとしたが、それらの入出力特性を連動とすることもでき、その場合には、1つの可変抵抗器あるいはプッシュスイッチとすることができる。さらに、この発明は、電話、拡声器、音声通信などに適用した場合においても、有効である。
【0062】
【発明の効果】
この発明によれば、例えば、補聴器に適用した場合、聴力の診断結果にしたがって特性を設定する必要がなく、受聴者が本人にとって目的とする音を聞きやすいように調整するだけでよいので、手軽に使用することができる。
【0063】
また、受聴者が設定を行う場合、ハウリングの起きにくい設定条件で使用できるので、設定が楽である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一形態を示す系統図である。
【図2】この発明を説明するための特性図である。
【図3】この発明を説明するための系統図である。
【図4】この発明を説明するための特性図である。
【図5】この発明を説明するための特性図である。
【符号の説明】
11…マイクロフォン、13…バンドパスフィルタ、14…A/Dコンバータ、15…DSP、16…D/Aコンバータ、18…イヤホン、20…マイクロコンピュータ、51H…ハイパスフィルタ、51Lおよび51M…バンドパスフィルタ、52H、52Lおよび52M…レベル変換回路、53…加算回路、RHD、RLDおよびRMD…可変抵抗器

Claims (4)

  1. 音声信号が入力され、この入力された音声信号の入出力利得を、上記音声信号の入力レベルに応じて変更する利得変更回路と、
    この利得変更回路に複数の入出力利得特性を設定する利得設定手段と、
    使用者により操作されて上記複数の入出力利得特性のいずれか1つを選択する操作手段と
    を有し、
    上記複数の入出力利得特性は、少なくとも、
    上記音声信号の入力レベルが第1の所定レベルよりも大きいときには、一定の入出力利得である第1の入出力利得特性と、
    上記音声信号の入力レベルが上記第1の所定レベルよりも大きいときには、入出力利得が、上記一定の入出力利得よりも大きく、かつ、
    上記音声信号の入力レベルの増加にしたがって、上記一定の入出力利得まで単調に減少する第2の入出力利得特性と、
    上記音声信号の入力レベルが上記第1の所定レベルよりも大きいときには、入出力利得が、上記一定の入出力利得よりも小さく、かつ、
    上記音声信号の入力レベルの増加にしたがって単調に減少する第3の入出力利得特性と
    を含み、
    上記使用者が上記操作手段を操作するとき、上記利得設定手段により上記第1〜第3の入出力利得特性が選択される
    ようにした音声処理装置。
  2. 請求項1に記載の音声処理装置において、
    上記操作手段は可変抵抗器であり、
    この可変抵抗器が基準位置にあるとき、上記利得変更回路は上記第1の入出力利得特性とされ、
    上記可変抵抗器を上記基準位置から一方の方向に操作したとき、上記第2の入出力利得特性が選択され、
    上記可変抵抗器を上記基準位置から他方の方向に操作したとき、上記第3の入出力利得特性が選択される
    ようにした音声処理装置。
  3. 請求項1に記載の音声処理装置において、
    上記利得変更回路の入力レベルが、上記第1の所定レベルよりも大きい第2の所定のレベルのときには、上記利得変更回路の最大出力レベルを所定値に制限する
    ようにした音声処理装置。
  4. 請求項1に記載の音声処理装置において、
    上記第1の所定レベルを45dBに設定する
    ようにした音声処理装置。
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