JP3731179B2 - 補聴器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声を瞬間的にうるさく感じること、また、音声が金属的に鋭く響くこと、即ち、俗に言うキンキンすることなどを抑制して明瞭度を向上した補聴器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、音波を聴覚として認識する過程は非常に複雑であるが、大略、次のような伝導系、即ち、音波→外耳道→鼓膜→耳小骨→蝸牛→有毛細胞→神経→脳細胞、を経て認識され、この伝導系うち、外耳道と鼓膜は外耳、鼓膜と耳小骨は中耳、蝸牛と有毛細胞は内耳と呼ばれる。
【0003】
従って、前記伝導系に於ける何れかの機能が低下した場合には聴力障害が起こり、そして、どの機能がどの程度に低下したかに依って症状が異なり、対応の方法も異なってくる。
【0004】
老人性難聴の一般的な形態は、脳機能まで含めた全体の機能が低下し、弱い音が聴こえ難くなるものである。
【0005】
図7は通常の聴覚をもった人間に於ける音の大きさの等感曲線を表す線図であり、横軸には周波数〔Hz〕を、また、縦軸には音圧レベル〔dB〕をそれぞれ採ってある。尚、音圧レベルは、以下、SPL(sound pressure
level)と略称する。
【0006】
図示されている特性線はフレッチャー・マンソン・カーブとして知られているものであり、図中のハッチングした範囲が一般的な会話の音声エネルギの分布を表し、また、「最小可聴値」と指示した一点鎖線は通常の聴覚をもった人間に対応する特性線であるが、老人に於いては、老人性難聴最小可聴値と指示した一点鎖線で示した特性線のように高くなってしまう。尚、この老人性難聴最小可聴値は個人々に依って相違する為、図示の特性線は一例として見るのが妥当である。
【0007】
図中の一般的会話の音声エネルギ分布から看取できるように、老人性難聴の場合、通常の聴覚をもった人間が聴くことができる音声スペクトラムの半分程度しか可聴レベルに入らないから、音として感じることはあっても、言葉として理解することはできない。
【0008】
図示例の場合、補聴器に依って音響レベルを50〔dB〕程度も高くすれば、会話の音声スペクトラムは略可聴レベルに入るから言葉として理解することができるようになるのであるが、日常的に遭遇する例えば80〔dB〕の音がきた場合には130〔dB〕となって、耐えがたい大きな音になってしまう。
【0009】
正常な聴覚の人が耐えられる最大レベルは130〔dB〕程度であって、難聴者の場合には120〔dB〕〜130〔dB〕とされ、殆ど変わらないようであるが、実際には低いことが多い。
【0010】
図8は日本語母音のホルマントを表す図であって、横軸に第1ホルマント〔kHz〕を、縦軸に第2ホルマント〔kHz〕をそれぞれ採ってある(要すれば、「昭和60年11月30日 丸善発行 理科年表 第491頁」、を参照)。
【0011】
図8から認識されることは、例えば(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)、(オ)を明確に区別する為には、第1ホルマントに対して第2ホルマントを確実に伝送する必要があるということである。
【0012】
図9は各音とホルマント周波数とを対応させて代表値を示した表であり、この表からすると、第1ホルマント周波数に対し第2ホルマント周波数は1.5倍から7.7倍まで変化しているが、これを確実に伝送しないとア、イ、ウ、エ、オの区別がつかない。
【0013】
一般に、第1ホルマントのレベルに対して第2ホルマントのレベルは20〔dB〕〜40〔dB〕程度低いので、第1ホルマントは聴こえても、第2ホルマントは聴こえ難いこととなり、その上、通常の老人性難聴者は、図7に破線で示してあるように、高い周波数の感度が極端に低下する為、第2ホルマントは更に聴こえ難くなり、第1ホルマントは聴こえても、何を言っているのか判らない状態になる。
【0014】
従来の対策1
前記したようなことから、従来の補聴器では、第2ホルマントが聴こえる程度にレベルを上昇させることが共通した考え方になっているのであるが、このような手段を採った場合、軽度の難聴であれば一応の効果が得られるものの、それ以上の難聴になると第1ホルマントのレベルが100〔dB〕を越える場合が多くなり、うるさく感じることになる。
【0015】
従来の対策2
トーン・コントロール回路に依って、高い周波数の増幅度を上昇させることが行なわれているが、これも軽度の難聴者には有効であるが、それ以上の難聴者の場合、第1ホルマントの周波数が高くなると、レベルが上昇して100〔dB〕を越えて苦痛になり、結果として、いわゆるキンキンした音として感ずるようになる。
【0016】
従来の対策3
自動音量調節回路に依って、100〔dB〕を越えるような強い音がきた場合には、直ちに利得を低下させ、100〔dB〕を越えないように調節することが多用され、アタック・タイム、レリース・タイムを最適化して、レベルの変動を感じさせないようにする為の開発が種々となされているが、例えば会話中に急に大きな声を出した場合にはレベルが低下して音源が遠くなったように感じられ、これは特にステレオ音響装置を介して音を聞いている場合には、定位感が無くなって、音源の位置がふわふわ移動するように感じられるので好ましくない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、音声を明瞭に、且つ、うるさく感じないように増幅することができる補聴器を実現させようとする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の補聴器では、第1ホルマントの利得を上昇させることなく、第2ホルマントの利得を上昇させて音声の明瞭度を高く維持すると共にうるさく感じないようにしている。但し、第1ホルマントも聴こえない状態は論外であって、その場合は、第1ホルマントが聴こえるように全般的な増幅を行なった上、第2ホルマントの利得を上昇させるようにしなければならない。
【0019】
通常、会話に於ける第1ホルマントのレベルは約50〔dB〕〜60〔dB〕と高く、軽度〜中程度の難聴者であっても充分に聴こえるレベルであるが、第2ホルマントのレベルは第1ホルマントに比較すると20〔dB〕〜40〔dB〕程度も低いので、それと同程度に強調しても、うるさく感じるようなレベルにはならない。
【0020】
従って、第1ホルマントの利得は上昇させず、第2ホルマントの利得を上昇させることで音声は明瞭となり、また、第1ホルマントの利得は変えないので、うるさく感じることもない。
【0021】
図1は本発明に依る補聴器の動作条件設定を説明する為の線図であり、横軸には周波数を、また、縦軸にはSPLをそれぞれ採ってあり、(A)は図8に見られる母音(イ)に関する周波数スペクトルを、また、(B)は図8に見られる母音(ア)に関する周波数スペクトルをそれぞれ示している。
【0022】
例えば、SPLが50〔dB〕以下の音が聴こえない人の場合、図1(A)から明らかなように(イ)の音は第1ホルマントだけしか聴こえないので、何の音か判断できないのであるが、(ア)の音は、第2ホルマントが僅かに聴こえるので、(ア)の音であると判断できるが、少し小声になると不明確になる。
【0023】
本発明に依る補聴器では、図1に破線で示してあるように、第1ホルマントは増幅せず、第2ホルマントのみを必要レベル分だけ増幅して、第1ホルマント及び第2ホルマントを共に可聴レベル内にあるようにする。
【0024】
図1(A)の(イ)の音の場合、第1ホルマントの周波数350〔Hz〕から上の周波数を6〔dB/oct〕で最大20〔dB〕まで補正している。
【0025】
この補正に依り、第2ホルマント(2.7〔kHz〕、SPL42〔dB〕)は18〔dB〕増強されてSPL60〔dB〕となるから、SPL50〔dB〕以下が聴こえない人でも、充分に第1ホルマント及び第2ホルマントを聴き取ることができて(イ)の音であると判断できることになる。尚、図1(A)では、補正された周波数スペクトルを一点鎖線で示してある。
【0026】
図1(B)の(ア)の音の場合、第1ホルマントの周波数1〔kHz〕から上の周波数を6〔dB/oct〕で最大20〔dB〕まで補正している。
【0027】
(ア)の音は、SPL50〔dB〕以下が聴こえない難聴者であっても、第2ホルマントが53〔dB〕あるので、補正しなくても注意すれば(ア)であることを判断できるが、補正すればSPL57〔dB〕となるので、更に明確に聴取できる。尚、図1(B)に於いても、補正された周波数スペクトルを一点鎖線で示してある。
【0028】
本発明の補聴器に於ける補正特性は、第1ホルマントの変化に関連して変化させる点に大きな特徴があり、従来の例えばトーン・コントロールなどに依る周波数特性の補正では、第1ホルマントが変化しても、補正特性自体は変化しない。
【0029】
例えば、従来のトーン・コントロールを用いて、図1(A)に見られる(イ)の音の周波数スペクトルに合わせた補正特性、即ち、破線に見られる補正特性を設定し、その状態で(ア)の音を聞いた場合、(ア)の音の第1ホルマントである1〔kHz〕は10〔dB〕増強されてSPL80〔dB〕となり、(イ)の音に比較して(ア)の音は10〔dB〕大きい音となってしまう。そして、第1ホルマントの周波数が高くなるにつれて増幅度も大きくなるから、いわゆるキンキンした音になるのである。
【0030】
聴力障害の程度は多様である為、補聴器は使用者の障害程度に合わせた補正が必要であり、従って、補正量の大きさについては使用者に合わせなければならず一定に定めることはできない。
【0031】
そのように使用者の障害程度に合わせて補正を行なう場合、使用者が第1ホルマントも聴こえない程度であれば、先ず第1ホルマントが聴こえるレベルまでの増幅を行なった上で、更に、前記説明した本発明に依る補正の増幅を行なう必要がある。
【0032】
前記説明した第1ホルマント及び第2ホルマントは、言語を理解するのに必要最少の要素であって、第3ホルマント、第4ホルマント・・・・等にも更に有用な情報が含まれるので、ぞれ等を再現することも重要であり、これ等は略第1ホルマントよりも高い周波数に含まれるので、本発明に依る補正は有効となる。
【0033】
また、前記説明は主として言語を対象としたが、楽音、その他日常生活上で必要となる音波から得られる情報の全てに対して第1ホルマント以上の周波数を聴取できるようにすることが有効であり、多くの情報を得ることが可能になる。
【0034】
前記したところから、本発明に依る補聴器に於いては、
(1)
時間と共に変化する音響信号を周波数分析して最もレベルが高い周波数帯の信号をリアルタイムで求め且つ前記最もレベルが高い周波数帯の信号に比較して高い周波数範囲の信号の利得を上昇させる為の制御信号を発生する第一の手段(例えば、増幅器Q3、或いは、バンド・パス・フィルタ群2及びダイオード・マトリクス3及びコンパレータ4、或いは、ディジタル・シグナル・プロセッサ13など)と、前記第一の手段からの制御信号が入力されて周波数特性が変化し前記最もレベルが高い周波数帯の信号に比較して高い周波数範囲の信号の利得を上昇して増幅を行なう第二の手段(例えば、増幅器Q1及びQ2からなる増幅系、或いは、パラメトリック・イコライザ5、或いは、ディジタル・シグナル・プロセッサ13など)とを備えてなることを特徴とするか、又は、
【0035】
(2)
前記(1)に於いて、前記第一の手段は利得が周波数の函数になっている増幅器(例えば、増幅器Q3)であることを特徴とするか、又は、
【0036】
(3)
前記(1)に於いて、前記第一の手段からの制御信号が入力されて周波数特性が変化し前記最もレベルが高い周波数帯の信号に比較して高い周波数範囲の信号の利得を上昇して増幅を行なう第二の手段は個々に利得制御が可能で且つ周波数特性を異にする複数の増幅器が並列接続され各出力を加算して取り出し得る増幅装置(例えば、増幅器Q1及びQ2からなる増幅装置)であることを特徴とするか、又は、
【0037】
(4)
前記(1)に於いて、前記第一の手段はバンド・パス・フィルタ群(例えば、バンド・パス・フィルタ群2)及びダイオード・マトリクス(例えば、ダイオード・マトリクス群3)及びコンパレータ群(例えば、コンパレータ群4)からなり、該バンド・パス・フィルタ群に於けるn番目のバンド・パス・フィルタFnの出力端はダイオード・マトリクス中のダイオードを介して該コンパレータ群に於けるn番目のコンパレータCnの正(プラス)入力端子に接続され且つバンド・パス・フィルタFn以外のバンド・パス・フィルタの出力端はダイオード・マトリクス中のダイオードを介してn番目のコンパレータCnの負(マイナス)入力端子に接続されてなることを特徴とするか、又は、
【0038】
(5)
前記(1)に於いて、前記第一の手段からの制御信号が入力されて周波数特性が変化し前記最もレベルが高い周波数帯の信号に比較して高い周波数範囲の信号の利得を上昇して増幅を行なう第二の手段が入力するパラメータを変えることで所望の周波数特性を実現するパラメトリック・イコライザであることを特徴とするか、又は、
【0039】
(6)
音響信号が入力される側に設けられてアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器(例えば、A/D変換器12)と、前記A/D変換器から出力され時間と共に変化するディジタル信号を周波数分析して最もレベルが高い周波数帯の信号をリアルタイムで求め、次いで、前記最もレベルが高い周波数帯の信号に比較して高い周波数範囲の信号の利得を上昇させる為の制御信号を発生し、次いで、前記制御信号が入力されて周波数特性が変化し前記最もレベルが高い周波数帯の信号に比較して高い周波数範囲の信号の利得を上昇して増幅を行なうディジタル・シグナル・プロセッサと、該ディジタル・シグナル・プロセッサから出力されたディジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器(例えば、D/A変換器14)とを備えてなることを特徴とする。
【0040】
前記手段を取ることに依り、あらゆる音声を明瞭に、且つ、うるさく感じないように増幅することができる補聴器が実現される。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明に依る補聴器は、前記説明した本発明の原理を実現できる増幅系をもつものであれば良く、その増幅系は周波数特性を変え得るものであることが必要となるが、それには、従来から多くの手段が知られている。
【0042】
図2は本発明に於ける実施の形態1を構成する為の増幅装置を説明する図であり、(A)は周波数特性を表す線図、(B)は増幅装置の構成を表すブロック図である。
【0043】
図に於いて、Q1は図2(A)の(1)に見られる周波数特性をもつ増幅器、Q2は図2(A)の(2)に見られる周波数特性をもつ増幅器、Q3は増幅器Q2を制御する増幅器、OTは増幅装置の出力端、βは増幅器Q2の補正利得をそれぞれ示している。
【0044】
増幅装置は、並列接続された増幅器Q1及びQ2と、増幅器Q2の補正利得βを制御する増幅器Q3とからなっていて、増幅器Q1及びQ2の加算出力が出力端OTから出力される。
【0045】
増幅器Q2は、増幅器Q3からの第1ホルマント周波数に対応した出力で制御されて利得が変化するようになっていて、図2(A)の(3)、(4)、(5)に見られる周波数特性を実現することができる。例えば、一般的な会話の音声レベルでは、第1ホルマント周波数に応じて(3)と(5)の間の特性になるが、第1ホルマントが聴こえないほど弱い音の場合には(5)の特性が好適であり、また、第2ホルマントも充分に聴こえるような強い音の場合には(3)の特性が好適である。
【0046】
増幅器Q2の利得が低い場合、増幅器Q1の特性が支配的であり、増幅器Q2の利得が全周波数帯で増幅器Q1の利得を越えた場合、増幅器Q2の特性が支配的となり、その間、利得は円滑に変化し、高域補正が始まる周波数が移動するので、本発明の特性補正増幅系として好適である。
【0047】
図2から看取できるように、増幅器Q2の特性は、200〔Hz〕から2〔kHz〕の間で20〔dB〕補正されているが、この補正量は難聴者のレベルに合わせて定められるべきであって、20〔dB〕に限定されることはない。
【0048】
図3は図2に見られる増幅器Q3に依る第1ホルマント周波数検出について説明する為の図であり、横軸には周波数を、左縦軸には利得を、右縦軸には出力レベルをそれぞれ採ってある。
【0049】
増幅器Q3は、図2に同じ記号Q3で指示した特性線から明らかであるが、6〔dB/oct〕で直線的に利得が増加する増幅器であって、音声信号が加わった場合、第1ホルマント周波数が高くなるにつれて増幅度が増加して出力は大きくなる。
【0050】
この出力に依って、図2について説明したように、増幅系の特性を変化させることになる。即ち、
第1ホルマント周波数:250〔Hz〕以下は図2(5)の特性
:600〔Hz〕は図2(4)の特性
:2〔kHz〕以上は図2(3)の特性
となる。
【0051】
図2及び図3について説明した補聴器はアナログ回路で構成された簡易型ではあるが、実用的であって、ディジタル処理に付随する信号処理の遅れがなく、また、1ビット以下の微弱信号の切捨ても起こらないので、両耳にそれぞれ補聴器を使用した場合に音源の位置を正確に認識できる為、周囲の状況を音に依って判断できる旨の利点がある。
【0052】
図4は本発明の実施の形態2である補聴器を説明する為の要部ブロック図であり、図に於いて、1は入力増幅器、2はバンド・パス・フィルタ群、3はダイオード・マトリクス、4はコンパレータ群、5はパラメトリック・イコライザ(パラメトリック増幅器)、6は出力増幅器をそれぞれ示し、バンド・パス・フィルタ群2はバンド・パス・フィルタF1、F2、F3、F4で構成され、又、コンパレータ群4はコンパレータC0、C1、C3、C4で構成され、そして、バンド・パス・フィルタ群2に於ける例えば1番目のバンド・パス・フィルタF1の出力端はダイオード・マトリクス3中のダイオードを介してコンパレータ群4に於ける1番目のコンパレータC1のプラス入力端子に接続され且つバンド・パス・フィルタF1以外のバンド・パス・フィルタF2、F3、F4の各出力端はダイオード・マトリクス3中のダイオードを介して1番目のコンパレータC1のマイナス入力端子に接続されている。この構成を採ることで、バンドパスフィルタ群2に於ける各バンドパスフィルタF1乃至F4の出力レベルを比較して最も高い出力レベルのバンドパスフィルタを選出することができる。
【0053】
図5は図4に見られる補聴器に於ける主要構成要素の特性を説明する為の線図であって、(A)はバンド・パス・フィルタの特性を表す線図、(B)はパラメトリック・イコライザの特性を表す線図であり、何れに於いても、横軸に周波数を、また、縦軸に増幅度をそれぞれ採ってあり、特性線のそれぞれに付与した記号は、図4に示した各要素で同記号のものの特性に対応し、f1 、f2 、f3 、f4 はバンド・パス・フィルタF1、F2、F3、F4の中心周波数である。尚、パラメトリック・イコライザは、入力するパラメータを変えることで所望の周波数特性を実現できる増幅器であって、例えば、可聴周波数帯域を数分割し、各帯域ごとに通過レベルの増強或いは減衰を調整することが可能であり、通過帯域の周波数や周波数帯域幅を独立して変化させることができる(必要あれば、CQ出版株式会社発行、雑誌「トランジスタ技術」1999年5月号、別冊付録「エレクトロニクス用語辞典」 II 、第85頁を参照。)。
【0054】
図4に見られる補聴器に於けるコンパレータC1〜C4は、二つの入力端子の電圧を比較して出力を送出するものであることは良く知られ、マイナス端子よりもプラス端子の電圧がプラスであれば出力はプラスとなり、そうでない場合には出力がマイナスになる。
【0055】
若し、バンド・パス・フィルタF2の出力電圧が他のバンド・パス・フィルタの出力電圧に比較して大きい場合、バンド・パス・フィルタF2の電圧がコンパレータのどの端子に加わるかに依ってコンパレータの出力は決まる。
【0056】
例えば、バンド・パス・フィルタF2からの電圧はダイオード・マトリクス3の作用に依って、コンパレータC2ではプラス端子に加わるが、他のコンパレータC1、C3、C4ではマイナス端子に加わることになるので、バンド・パス・フィルタF2の出力電圧が他のバンド・パス・フィルタの出力よりも高い場合には、コンパレータC2の出力だけがプラスとなり、他のコンパレータの出力はマイナスになる。
【0057】
従って、バンド・パス・フィルタF2の中心周波数f2 、又は、それに近い周波数をもつ最も高い信号レベルの入力信号が到来した場合にはコンパレータC2の出力がプラスとなり、そして、例えば、バンド・パス・フィルタF3の中心周波数f3 、又は、それに近い周波数をもつ最も高い信号レベルの入力信号が到来した場合には、コンパレータC3の出力がプラスとなる。
【0058】
パラメトリック・イコライザ、即ち、パラメトリック増幅器は、外部から特性を変化させることができるのは良く知られているところであり、図4に示したパラメトリック・イコライザ5は、図5(B)に見られる通り、コンパレータC1の出力がプラスになった時、中心周波数f1 よりも高い周波数の増幅度を上昇させる動作をする。
【0059】
同様に、コンパレータC2の出力がプラスの時、中心周波数f2 より高い周波数の増幅度を上昇させ、コンパレータC3の出力がプラスの時、中心周波数f3 より高い周波数の増幅度を上昇させ、コンパレータC4の出力がプラスの時、中心周波数f4 より高い周波数の増幅度を上昇させる動作をそれぞれ行なう。
【0060】
図4の補聴器に於ける周波数特性は、図5(B)に見られるパラメトリック・イコライザ5の特性の何れかになるのであるが、どのような特性をとるかは入力信号に依って決まる。
【0061】
若し、入力信号が所定レベルに満たない低いレベルである場合、コンパレータC0の出力が正となって、パラメトリック・イコライザ5の特性は図5(B)のC0となって、f0 よりも高い周波数のみが増幅され、また、入力信号が所定レベルを越えている場合、入力信号に含まれる周波数のうち最大エネルギをもつ周波数に依って特性が決まり、例えば、その周波数がf1 であるならば、f1 以下の周波数は増幅されず、f1 より高い周波数のみが増幅されることになる。
【0062】
同様に、周波数がf2 又はf3 又はf4 であるならば、それに対応してf2 以下又はf3 以下又はf4 以下の周波数は増幅されず、それ等より高い周波数の入力信号のみが増幅されることになる。
【0063】
前記各説明では、理解を容易にする為、使用周波数帯域を4バンドに分割する方式を採ったが、一般的には、オクターブを1/3、或いは、オクターブを1/6に分割して1バンドとしている。
【0064】
従って、300〔Hz〕〜2400〔Hz〕(3オクターブ)の場合、9バンド或いは18バンドに分割されることになり、このように多数のバンドに分割しても、現在の集積回路技術に依って、バンド・パス・フィルタはアクティブ・フィルタとして容易に構成することができ、又、コンパレータやパラメトリック・イコライザまで含めて集積化することも極めて容易である。
【0065】
本発明の補聴器に於ける補正特性の傾斜は、一般的には、6〔dB/oct〕或いは12〔dB/oct〕であり、又、最大補正量は20〔dB〕〜30〔dB〕であるが、これ等は使用者の耳の特性を補正するもので個人差があるから、それぞれ個別に合わせるようにすれば最良の結果が得られる。
【0066】
ところで、本発明の補聴器に必要な音響信号の処理を行なうには、現在、大変有用な電子装置が実用化されていて、例えばディジタル・シグナル・プロセッサ(digital signal processor:DSP)がその例であり、DSPはプログラミングするのみで、種々の電子装置、例えばスペクトラム・アナライザやパラメトリック・イコライザなどとして動作させることが可能である。
【0067】
図6は本発明の実施の形態3である補聴器を説明する為の要部ブロック図であり、図に於いて、11は入力増幅器、12はA/D変換器、13はDSP、14はD/A変換器、15は出力増幅器をそれぞれ示している。
【0068】
この補聴器では、入力信号が第1ホルマント周波数を聴き取れる一定のレベルを維持するように入力増幅器11を通過させ、その増幅信号をA/Dコンバータ12を用いてディジタル化し、そのディジタル信号をDSP13に入力する。
【0069】
DSP13では予めプログラミングしておくことに依って、スペクトラム・アナライザとしての作用で周波数分析を行ない、それに依って得られたディジタル・データを演算し、パラメトリック・イコライザとしての作用で第2ホルマント周波数の信号のみを増幅する補正を行なって信号を送出する。
【0070】
DSP13で補正増幅された信号はD/A変換器14に依って再びアナログ信号に変換され、出力増幅器15に依って適宜増幅されて使用者の耳に達することになる。
【0071】
【発明の効果】
本発明に依る補聴器に於いては、時間と共に変化する音響信号を周波数分析して最もレベルが高い周波数帯の信号をリアルタイムで求め且つ前記最もレベルが高い周波数帯の信号に比較して高い周波数範囲の信号の利得を上昇させる為の制御信号を発生する第一の手段と、第一の手段からの制御信号が入力されて周波数特性が変化し前記最もレベルが高い周波数帯の信号に比較して高い周波数範囲の信号の利得を上昇して増幅を行なう第二の手段とを備える。
【0072】
前記構成を取ることに依り、あらゆる音声を明瞭に、且つ、うるさく感じないように増幅することができる補聴器が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に依る補聴器の動作条件設定を説明する為の線図である。
【図2】本発明に於ける実施の形態1を構成する為の増幅系を説明する図である。
【図3】図2に見られる増幅器Q3に依る第1ホルマント周波数検出について説明する為の図である。
【図4】本発明の実施の形態2である補聴器を説明する為の要部ブロック図である。
【図5】図4に見られる補聴器に於ける主要構成要素の特性を説明する為の線図である。
【図6】本発明の実施の形態3である補聴器を説明する為の要部ブロック図である。
【図7】通常の聴覚をもった人間に於ける音の大きさの等感曲線を表す線図である。
【図8】日本語母音のホルマントを表す図である。
【図9】各音とホルマント周波数とを対応させて代表値を示した表である。
【符号の説明】
Q1 増幅器
Q2 増幅器
Q3 増幅器
OT 増幅装置の出力端
β 増幅器Q2の補正利得
1 入力増幅器
2 バンド・パス・フィルタ群
3 ダイオード・マトリクス
4 コンパレータ群
5 パラメトリック・イコライザ(パラメトリック増幅器)
6 出力増幅器
Claims (6)
- 時間と共に変化する音響信号を周波数分析して最もレベルが高い周波数帯の信号をリアルタイムで求め且つ前記最もレベルが高い周波数帯の信号に比較して高い周波数範囲の信号の利得を上昇させる為の制御信号を発生する第一の手段と、
前記第一の手段からの制御信号が入力されて周波数特性が変化し前記最もレベルが高い周波数帯の信号に比較して高い周波数範囲の信号の利得を上昇して増幅を行なう第二の手段と
を備えてなることを特徴とする補聴器。 - 前記第一の手段は利得が周波数の函数になっている増幅器であること
を特徴とする請求項1記載の補聴器。 - 前記第一の手段からの制御信号が入力されて周波数特性が変化し前記最もレベルが高い周波数帯の信号に比較して高い周波数範囲の信号の利得を上昇して増幅を行なう第二の手段は
個々に利得制御が可能で且つ周波数特性を異にする複数の増幅器が並列接続され各出力を加算して取り出し得る増幅装置であること
を特徴とする請求項1記載の補聴器。 - 前記第一の手段はバンド・パス・フィルタ群及びダイオード・マトリクス及びコンパレータ群からなり、
該バンド・パス・フィルタ群に於けるn番目のバンド・パス・フィルタFnの出力端はダイオード・マトリクス中のダイオードを介して該コンパレータ群に於けるn番目のコンパレータCnの正(プラス)入力端子に接続され且つバンド・パス・フィルタFn以外のバンド・パス・フィルタの出力端はダイオード・マトリクス中のダイオードを介してn番目のコンパレータCnの負(マイナス)入力端子に接続されてなること
を特徴とする請求項1記載の補聴器。 - 前記第一の手段からの制御信号が入力されて周波数特性が変化し前記最もレベルが高い周波数帯の信号に比較して高い周波数範囲の信号の利得を上昇して増幅を行なう第二の手段が入力するパラメータを変えることで所望の周波数特性を実現するパラメトリック・イコライザであること
を特徴とする請求項1記載の補聴器。 - 音響信号が入力される側に設けられてアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器と、
前記A/D変換器から出力され時間と共に変化するディジタル信号を周波数分析して最もレベルが高い周波数帯の信号をリアルタイムで求め、次いで、前記最もレベルが高い周波数帯の信号に比較して高い周波数範囲の信号の利得を上昇させる為の制御信号を発生し、次いで、前記制御信号が入力されて周波数特性が変化し前記最もレベルが高い周波数帯の信号に比較して高い周波数範囲の信号の利得を上昇して増幅を行なうディジタル・シグナル・プロセッサと、
該ディジタル・シグナル・プロセッサから出力されたディジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器と
を備えてなることを特徴とする補聴器。
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