JP3908407B2 - 薄膜の堆積方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層薄膜のスパッター堆積方法および薄膜に関し、特に磁界を制御したマグネトロンスパッタによる積層薄膜の堆積方法および薄膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、積層膜は2つ以上の別個の材料を用いて、蒸着やスパッタリングで堆積形成されている。2つ以上の材料を堆積するとき、スパッタリングのカソードは2つ以上必要になる(例えば、Masaki Koike et al. "Nanofabrication of Multilayer Zone Plates by Helicon Plasma Sputtering" Jpn. J. Appl. Phys. Vol 34(1995) pp.6754-6757)。この文献では、2つのヘリコンカソードを使用するスパッタリング技術で、AgとAlの層を交互に堆積し、多層ゾーンプレートを形成する技術が報告されている。また、コンポジットターゲットを使用して、カソードを1つにする試みも為されている(例えば、Brij B. Lai et al. "Magnetic and recording properties of monolayer and multilayer thin-film media by using composite targets. J. Appl. Phys. 79(8), 15 April 1995 pp.5336-5338)。この文献では、クロムと磁性体との同心円状コンポジットターゲットを使用して、Crを下地層とする磁性膜の形成方法が報告されている。
【0003】
しかしながら、カソードを2つ以上使用するとスパッタ装置が複雑になり、またそれぞれの層の厚さや不純物量の制御が困難になるという問題が生じる。すなわち、2つの原料が同時に堆積されると、気中での分離により基板面内の組成ばらつきがもたらされる。一方堆積が2つの原料間で交互に行われると、堆積モードが切り替わることにより、各層間にnmレベルの非常に薄い界面フィルムが形成されるという問題が生じる。
【0004】
ところで、スパッタリング装置は、基板上にある材料の層を堆積させる装置としてよく知られている。その1つとして、堆積材料のスパッタ速度を加速するために、磁界を応用するマグネトロンスパッタリング装置がある。この装置は、電界に交差する磁界の印加により、陰極から出た電子にトロコイド運動を行わせて、ターゲット上に高密度のプラズマを作り、比較的低電圧でスパッタ速度を高めることができる。
【0005】
図18に典型的なマグネトロンスパッタ装置を示す。この装置は、真空チャンバー11内に、カソード部13とアノード15を有している。被処理基板17はアノード15に取り付けられている。カソード部13は、複数の磁石19を有し、ターゲットと呼ばれる原料21は、カソード部の支持台23上に載置される。最近では、アノード15とカソード部13の上下の位置関係を逆にした装置がよく使用されている。そのような構成の方が、被処理基板の搬送に好都合だからである。
【0006】
装置を稼動させる場合には、容器11は排気口27から真空に引き、注入口25からアルゴンのような不活性ガスを低圧で注入する。直流もしくはRF電力をカソード13に印加する。磁石19は、ターゲット21表面上に強い磁界の閉磁路を形成する。ターゲット上にこのような磁界が存在すると、電子はトロコイド運動を行ってターゲット近傍に閉じ込められるとともに、電子と気体分子の衝突頻度が高まる。
【0007】
容器11中の不活性ガスは、加速された電子と衝突してイオン化される。その結果、プラズマがカソード13の近傍に発生する。プラズマからの陽ガスイオンはカソード方向に加速されて、ターゲット21に衝突し、ターゲット材料の一部を叩き出す。叩き出されたターゲット材料は、基板17上に堆積する。
【0008】
このように、磁界はターゲット21上の電子密度を増加させることにより、この領域のイオン化率を増加させている。磁界はスパッタ堆積の向上のため長年使用されてきたが、現在まで原料の堆積率を増加させるためだけに使用されてきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
商用化されたマグネトロンスパッター装置は、固定磁界若しくは交番磁界を使用している。固定磁界は、上記の例のように、永久磁石をターゲットの裏面ほぼ全体をカバーするように取り付けることにより実現できる。固定磁界は固定磁化電流が流れる電磁石を用いても実現できる。交番磁界は、永久磁石片が周期的にターゲットの裏面に移動するか、単一もしくは複数のコイルが、周期的に変化する電流により磁化される電磁石を使用することによって達成することができる。
【0010】
このように、磁界を利用することにより、スパッタ速度を増加させることはできるが、積層膜の層厚や不純物濃度を精度良く制御する方法は知られていなかった。
【0011】
本発明の第1の課題は、膜厚が精密に制御できる積層膜の堆積方法を提供することにある。本発明の第2の課題は、組成が精密に制御できる積層膜の堆積方法および薄膜を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の堆積方法は、磁界を変化させる磁界発生手段を有するマグネトロンスパッタ装置を用いた積層薄膜の堆積方法であって、前記マグネトロンスパッタ装置のカソードに、ターゲットとして2つ以上の構成元素を含む合金材料を載置する工程と、前記マグネトロンスパッタ装置のアノードに被処理基板を設置する工程と、前記マグネトロンスパッタ装置のチャンバーを真空状態にした後、不活性ガスを封入する工程と、前記カソードに、DC電力およびRF電力のいずれかを印加すると同時に、前記ターゲットの下部より交番磁界を印加し、前記交番磁界の掃引時間を変化させ、ターゲットのエロージョン位置の変化速度と前記構成元素毎のスパッタ指向性に基づき、積層薄膜の各層の厚さを変化させる工程とを具備することを特徴とする。
【0013】
前記磁界発生手段は電磁石を有し、前記交番磁界の掃引時間を変化させ、ターゲットのエロージョン位置の変化速度と前記構成元素毎のスパッタ指向性に基づき、積層薄膜の各層の厚さを変化させる工程は、前記電磁石の磁化電流の周期を変化させることが望ましい。また、前記磁界発生手段は永久磁石を有し、前記交番磁界の掃引時間を変化させ、ターゲットのエロージョン位置の変化速度と前記構成元素毎のスパッタ指向性に基づき、積層薄膜の各層の厚さを変化させる工程は、前記永久磁石を前記ターゲットの下で移動させる周期を制御するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の堆積方法は、磁界を変化させる磁界発生手段を有するマグネトロンスパッタ装置を使用する薄膜の堆積方法であって、前記マグネトロンスパッタ装置のカソードに、ターゲットとして2つ以上の構成元素を含む合金材料を載置する工程と、前記マグネトロンスパッタ装置のアノードに被処理基板を設置する工程と、前記マグネトロンスパッタ装置のチャンバーを真空状態にした後、不活性ガスを封入する工程と、前記カソードに、DC電力およびRF電力のいずれかを印加すると同時に、前記ターゲットの下部より交番磁界を印加し、前記交番磁界の最大強度を変化させ、ターゲットのエロージョン位置の変化と前記構成元素毎のスパッタ指向性に基づき、積層薄膜の前記構成元素の相対組成を変化させる工程とを具備することを特徴とする。
【0015】
前記磁界発生手段は電磁石を有し、前記交番磁界を印加する工程は、前記交番磁界の最大値を、電磁石の磁化電流を変化させることが望ましい。
【0016】
上記の薄膜の堆積方法(請求項1および4)において、前記ターゲットとしての前記複合材料は、2つ以上の金属元素を含む複合金属であることが望ましい。前記複合金属は、WSi、CoFe,CoCu,CoCr,FeCu,FeNi,MnNi,(Co,Fe,Cu,Cr,Ni,Mn)のグループから選ばれた3つを構成元素とする3元合金、CoCrTa,FeNiCoMnCuのグループから選ばれた1つであることが望ましい。
【0018】
前記薄膜は、前記少なくとも2つの元素のマグネトロンスパッタにおけるスパッタ指向性の違いを利用して、磁界を掃引することにより、形成されることを特徴とする。前記薄膜がその上に形成される基板をさらに具備することがのぞましい。
【0020】
本発明では、磁界を周期的に変化させ、ある材料の堆積率を他の材料に対して周期的に増加させている。2つ以上の材料から成る均一な化合物ターゲット使用し、磁界のパラメーターを変化させることにより、材料の相対的なスパッタリング率が増加し、細密に制御された積層膜の堆積が可能になる。
【0021】
本発明(請求項1)は、磁界掃引時間を変化させ、堆積層の厚さを変えるものである。層厚は、磁界掃引時間にほぼ比例する。本発明(請求項4)は、磁力を変化させることにより、スパッター種の相対組成を変化させるものである。電磁石では、入力電流波形の振幅、すなわち最大電流を調整することによってなされる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の説明に先立ち、本発明の骨子を説明する。
【0023】
本発明では、既存のスパッタリング装置を用いて、磁界を変化させることにより層厚数nmの細密な層構造を作製する。単一の複合原料を用い、磁界のパラメータを変化させることにより、再現性の良い層厚と組成を実現することができる。
【0024】
スパッタ装置の支持台にターゲットを設置し、電磁界をかけてスパッタを開始すると、電子が集中したところからターゲットが飛散し、ターゲット表面に侵食点(エロージョン)が形成される。この時ターゲットが複合材料、たとえばWSiであれば、構成材料であるWとSiにより、図1(a)に示すように、スパッタ方向に異なる指向性が現れる。この状態で磁界を掃引すると、図1(b)に示すように、侵食点22の位置が移動する。アノードに設置された供試基板の一点に注目すると、侵食点22の真上にある場合は最もSiリッチな膜が堆積され、侵食点22の移動に伴い堆積される膜組成が変化し、所定距離移動したところで最もWリッチな膜が堆積される。
【0025】
磁界を変化(移動)させるには、図2に示すように、カソード部13に電磁石を用いるとよい。電磁石は、例えば図2(b)の平面図に示すように同心円状に形成された鉄心19a,19b,19cに、コイル20a,20b,20cを巻いて形成されている。各コイルに流す電流を制御することにより、侵食点の位置を変化させることができる。
【0026】
磁界の移動は、永久磁石を用いても実現することができる。図3(a)は、図2(a)の構成を永久磁石で実現した例で、永久磁石19をターゲット23の下部で機械的に掃引している。あるいは、図3(b)の平面図に示すように、永久磁石19をターゲット23の下で、中心軸の周りを回転させてやってもよい。 このように、磁界の移動は、電磁石でも永久磁石でもできるが、電磁石方式の方がフレキシビリティに富む。
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、図18に示すような一般的なマグネトロンスパッタ装置が使用され、カソード部には図2に示すような電磁石方式が採用される。ターゲットには、WSi2.8 を使用する
アノード15に被処理基板17を配置した後、チャンバー11を閉じ、図示しない排気系を動作させて、排気口27よりチャンバー11内を10-6Pa程度の真空度になるまで排気する。
【0029】
次に図示しないガス供給系を動作させて、ガス供給口25よりArガスをチャンバー内に供給し、図示しないコンダクタンスバルブを調節して、チャンバー内の圧力を8mTorrに保持する。
【0030】
つぎに、図示しないスパッタ電源を動作させてカソード13に2.5kWのDC電力を供給する。同時に3個の電磁コイルを用いて、磁界を発生させる。100%磁化電流(交流電流のピーク値)においてターゲットの表面の3つのゾーンで計測された磁界値は図4に示すようになる。なお、図4においてRは、ターゲット21上のある位置の中心から半径を表す。
【0031】
この状態で電磁石の磁化電流を、1サイクル4秒で掃引し、被処理基板17上にWSi膜を堆積する。図5は、マグネット掃引時間4秒で形成されたWSi膜のTEM(透過形電子顕微鏡)による断面写真である。WとSiの層が規則正しく繰り返されているのがわかる。
【0032】
図6は、積層膜(WSi)の断面写真の上に、WのSIMS(二次イオン質量分析計)によるプロファイルを重ねた写真である。Wのピークと層構成が一致しているのがわかる。
【0033】
図7は、積層膜の断面写真の上にSiのSIMSプロファイルを重ねた写真である。Siのピークと層構成が一致しているのがわかる。
【0034】
次に、マグネット掃引時間を変化させることにより、層厚を変化させた結果を説明する。図8は、上記の装置条件で、マグネット掃引時間を変化させ、約30秒間堆積を行った場合の層の数と各層の厚さを示す。図9は、これをグラフ化したものである。この場合、層はたとえばWのピークから次のピークまでを1層とカウントしたものと定義する。また、30秒間で堆積される積層膜の総厚は85nmである。
【0035】
図9より、単位層の層厚は磁界掃引時間と比例することがわかる。従って同じ膜厚の中に含まれる層の数は、掃引時間に逆比例して少なくなる。
図10乃至図12は、5秒掃引時間に対する層と組成を示し、図13乃至図15は、9秒掃引時間に対するものを示す。
【0036】
これらの図は、層が細密に制御され、極めて周期性があることを示す。
同じ数の層が13インチの丸いターゲットで堆積された8インチ幅の基板のセンターと端に見られることが確認されている。
【0037】
上記の実験に用いられた材料はタングステンシリサイドであった。しかしながら、本発明は磁界によってある成分のスパッタ率が他の成分のそれより大きくなる材料であれば、すべてに有効であり、3元以上の合金であってもよい。例えば、CoFe,CoCu,CoCr,FeCu,FeNi,MnNi,またはこれらの3元合金、CoCrTa,FeNiCoMnCuなどが可能である。
【0038】
(第2の実施形態)
本発明では、堆積膜の相対組成は磁力を変化させることにより調整可能である。電磁石では、最大電流である入力電流波形の振幅を調整することによりなされる。
【0039】
第2の実施形態では、第1の実施形態と同じ構成のスパッタ装置を用いて、磁化電流の最大値を変化させて堆積膜の組成を変化させている。図10,図11あるいは図13,図14から分かるように、本発明の積層膜は、プロファイルの谷においても、構成元素の含有率はゼロにならない。図16は磁化電流のピーク値を100%から下げた場合の、SIMSにおける山(頂点)対谷(谷底)の比の変化を示す。磁化電流を40%変化させることにより、山対谷の比を1.45 から1.66 まで最大13%変化させることができる。
【0040】
なお、本発明の積層膜は、図17に模式的に示すように、構成元素の含有率が緩やかに変化し、相対組成のピークが入れ替わる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記に限られるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、RF電源を用いるならば、複合絶縁膜の積層膜の堆積も可能である。
【0041】
【発明の効果】
本発明では、磁界を周期的に変化させ、ある材料の堆積率を他の材料に対して周期的に増加させている。2つ以上の材料から成る均一な化合物ターゲット使用し、磁界のパラメーターを変化させることにより、材料の相対的なスパッタリング率が増加し、細密に制御された積層膜の堆積が可能になる。
【0042】
本発明の積層薄膜の堆積方法によれば、多元合金をターゲットに用いて、マグネトロンスパッタ装置の磁界を変化させることにより、精度のよい積層薄膜を容易に製造することができる。このためこの発明は、光学格子、較正標準を作製するプロセスや、Al−Agを用いたX線用のブラッグフレネルレンズ、Mo−Siを用いた多層反射マスク等に応用することができる。
【0043】
また、本発明は、2つ以上の異なる材料の非常に薄くかつ繰り返し層が必要とされる磁気抵抗ヘッドに発展可能である。この応用の材料の組み合わせとしては、CoFe,CoCu,CoCr,FeCu,FeNi,MnNi,またはこれらの三元合金、CoCrTa,FeNiCoMnCuなどが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はW、Siのスパッタ指向性を説明する図で、(b)は磁界変化による積層膜の形成方法の原理を説明する図。
【図2】(a)は本発明の実施例で使用されるマグネトロンスパッタ装置のカソード部を示す断面図で、電磁石方式の磁界発生手段が用いられており、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図。
【図3】(a)は永久磁石を使用した磁界発生手段の1例を示す断面図で、(b)は永久磁石を使用した磁界発生手段の他の例を示す平面図。
【図4】本発明の第1の実施形態における磁界発生手段の磁化電流と磁界の値を示した図。
【図5】第1の実施形態における繰り返し層を有する薄膜のTEMによる断面写真。
【図6】組成プロファイルを示すために、TEM断面写真の上に重ねられたWのSIMSプロファイル。
【図7】組成プロファイルを示すために、TEM断面写真の上に重ねられたSiのSIMSプロファイル。
【図8】第1の実施形態において、マグネット掃引時間を変化させた時の一定膜厚の薄膜に含まれる層の数と、層の厚さを示す図。
【図9】図8のマグネット掃引時間と層厚の関係をグラフ化した図。
【図10】5秒掃引時間で形成されたWSi膜中のWのSIMSによるプロファイルを示す図。
【図11】5秒掃引時間で形成されたWSi膜中のSiのSIMSによるプロファイルを示す図。
【図12】5秒掃引時間で形成されたWSi膜中のTEMによる断面写真。
【図13】9秒掃引時間で形成されたWSi膜中のWのSIMSによるプロファイルを示す図。
【図14】9秒掃引時間で形成されたWSi膜中のSiのSIMSによるプロファイルを示す図。
【図15】9秒掃引時間で形成されたWSi膜のTEMによる断面写真。
【図16】本発明の第2の実施形態における磁化電流とSIMSの山対谷値の関係を示す図。
【図17】本発明の積層膜の組成が、緩やかに変化することを摸式的に示した図。
【図18】本発明にも使用される一般的なマグネトロンスパッタ装置の構成を概念的に示す断面図。
【符号の説明】
11…真空チャンバー
13…カソード部
15…アノード
17…基板
19…磁石
20…コイル
21…ターゲット
22…侵食点(エロージョン)
23…支持台
25…注入口
27…排気口

Claims (6)

  1. 磁界を変化させる磁界発生手段を有するマグネトロンスパッタ装置を用いた積層薄膜の堆積方法であって、
    前記マグネトロンスパッタ装置のカソードに、ターゲットとして2つ以上の構成元素を含む合金材料を載置する工程と、
    前記マグネトロンスパッタ装置のアノードに被処理基板を設置する工程と、
    前記マグネトロンスパッタ装置のチャンバーを真空状態にした後、不活性ガスを封入する工程と、
    前記カソードに、DC電力およびRF電力のいずれかを印加すると同時に、前記ターゲットの下部より交番磁界を印加し、前記交番磁界の掃引時間を変化させ、ターゲットのエロージョン位置の変化速度と前記構成元素毎のスパッタ指向性に基づき、積層薄膜の各層の厚さを変化させる工程と、
    を具備することを特徴とする薄膜の堆積方法。
  2. 前記磁界発生手段は電磁石を有し、前記交番磁界の掃引時間を変化させる工程は、前記電磁石の磁化電流の周期を変化させることを特徴とする請求項1に記載の薄膜の堆積方法。
  3. 前記磁界発生手段は永久磁石を有し、前記交番磁界の掃引時間を変化させる工程は、前記永久磁石を前記ターゲットの下で移動させる周期を制御することを特徴とする請求項1に記載の薄膜の堆積方法。
  4. 磁界を変化させる磁界発生手段を有するマグネトロンスパッタ装置を使用する薄膜の堆積方法であって、
    前記マグネトロンスパッタ装置のカソードに、ターゲットとして2つ以上の構成元素を含む合金材料を載置する工程と、
    前記マグネトロンスパッタ装置のアノードに被処理基板を設置する工程と、
    前記マグネトロンスパッタ装置のチャンバーを真空状態にした後、不活性ガスを封入する工程と、
    前記カソードに、DC電力およびRF電力のいずれかを印加すると同時に、前記ターゲットの下部より交番磁界を印加し、前記交番磁界の最大強度を変化させ、ターゲットのエロージョン位置の変化と前記構成元素毎のスパッタ指向性に基づき、積層薄膜の前記構成元素の相対組成を変化させる工程と、
    を具備することを特徴とする薄膜の堆積方法。
  5. 前記磁界発生手段は電磁石を有し、前記交番磁界を印加する工程は、前記交番磁界の最大値を、電磁石の磁化電流を変化させることにより変化させることを特徴とする請求項4の薄膜の堆積方法。
  6. 前記合金材料は、WSi、CoFe,CoCu,CoCr,FeCu,FeNi,MnNi,(Co,Fe,Cu,Cr,Ni,Mn)のグループから選ばれた3つを構成元素とする3元合金、CoCrTa,FeNiCoMnCuのグループから選ばれた1つであることを特徴とする請求項1および請求項4のいずれかに記載の薄膜の堆積方法。
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