JP3907485B2 - 含フッ素共重合体を用いたポジ型レジスト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の構造の含フッ素アクリレートおよびビニルエーテルを必須成分として共重合した含フッ素共重合体と酸発生剤を含有したポジ型レジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
フッ素系化合物は、フッ素の持つ撥水性、撥油性、低吸水性、耐熱性、耐候性、耐腐食性、透明性、感光性、低屈折率性、低誘電性などの特徴から先端材料分野を中心として幅広い応用分野で使用または開発が続けられている。特に、紫外線領域(特に真空紫外波長域)での透明性を応用したレジスト材料などの分野で活発な研究開発が行われている。レジスト材料、特に最近の半導体製造工程に主として使用されるポジ型レジストにおける高分子設計としては、できるだけ多くのフッ素を導入することで使用波長での透明性を実現しつつ、酸不安定性、基板への密着性、高いガラス転移点(硬度)を実現させようとするものである。
しかしながら、フッ素含量を増加させることで各波長での透明性を高めた高分子化合物は種々提案されているが、特に十分な透明性を高めた高フッ素含有の樹脂であって、さらに親水性、密着性を同時に付与した工夫をしている例は少ない。最近になって、特に真空紫外線領域の次世代F2レジスト分野においてヒドロキシ基含有のフッ素系スチレンやヒドロキシ基含有のフッ素系ノルボルネン化合物が発表されたことで、フッ素を含有し、かつヒドロキシ基の極性を共存させる考え方が見られるようになってきた。しかしながら、芳香環やカルボニル結合を含有した系において材料設計を行うケースがまだまだ多く、基材への密着性や親水性を保ちながら真空紫外域での高い透明性が実現できるようなポジ型レジストに関しては十分に開発されたとはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、高いフッ素含量を有し、芳香環やカルボニル結合を低減させた特定の共重合組成により、真空紫外線から可視域にいたるまで高い透明性を有し、かつ基板への密着性、高い成膜性等を併せ持つ新規な含フッ素共重合体と酸発生剤からなるポジ型レジスト組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、工業的にも使いやすいとされるアクリル酸系単量体とビニルエーテルを必須成分として組み合わせた含フッ素共重合体および酸発生剤の組み合わせが優れたポジ型レジスト特性を示すこと見出した。
【0005】
すなわち本発明は、少なくとも一般式(1)で表されるα位にフルアロアルキル基を有するアクリル系単量体、および一般式(2)で表されるビニルエーテルを必須成分とする含フッ素共重合体
である。
【0006】
【化5】
【0007】
(式中、R1は炭素数1〜4のフルオロアルキル基、R2は水素単独でも良く、またはフッ素原子、ハロゲン原子、酸素原子並びに分岐を含んでも良い炭化水素基または芳香族や脂環族を有する環状体であり、R3は、フッ素原子、ハロゲン原子、酸素原子並びに分岐を含んでも良い炭化水素基または芳香族や脂環族を有する環状体であって、少なくともR2の一部に酸不安定性基を含有する)であって、さらには特定の第3成分を好適に使用できる含フッ素共重合体を見出し、かつ当該共重合体と酸発生剤の組み合わせがレジスト材料として十分なポジ型性能を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
本発明の含フッ素共重合体は、少なくとも分子中に一般式(1)の含フッ素アクリル系単量体と一般式(2)のビニルエーテルを必須成分として共重合することで達成される。
【0010】
すなわち、本発明で使用できる一般式(1)の含フッ素アクリル系単量体は、α位であるR1に炭素数1〜4のフルオロアルキル基を有するアクリル酸単量体である。R1として好ましいフルオロアルキル基はCF3またはC4F9である。
また、本発明で使用できるR2は水素原子でも良く、またフッ素原子、ハロゲン原子、酸素原子並びに分岐を含んでも良い炭化水素基または芳香族や脂環族を有する環状体であるが少なくともその一部に酸不安定性基を含有する必要がある。その条件を満たしていれば、R2の構造は限定されない。一般的にヒドロキシ基含有の化合物をα位にCF3やC4F9を有したアクリル酸またはアクリル酸クロリドとエステル化することで合成される。
【0011】
当該R2の一部に必要な酸不安定性基としては、例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アダマンチル基などに代表されるの環式酸不安定性基等を挙げることができる。前記置換メチル基としては、例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、ブロモフェナシル基、メトキシフェナシル基、メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、ブロモベンジル基、ニトロベンジル基、メトキシベンジル基、メチルチオベンジル基、エトキシベンジル基、エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、i−プロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。また、前記1−置換エチル基としては、例えば、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−エトキシプロピル基、1−プロポキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−イソプロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。
【0012】
また、前記1−分岐アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等を挙げることができる。また、前記シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、メチルジ−i−プロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。また、前記ゲルミル基としては、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、イソプロピルジメチルゲルミル基、メチルジ−i−プロピルゲルミル基、トリ−i−プロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等を挙げることができる。また、前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0013】
また、前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等を挙げることができる。さらに、前記環式酸不安定性基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、4−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基、ノルボルネン基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基などのアルキルアダマンチル基等を挙げることができる。
【0014】
これらの酸不安定性基のうち、t−ブチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、トリメチルシリル基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、アルキルアダマンチル基などは特に一般的置換基として好適である。
【0015】
また、当該R2はその一部分または全部がフッ素化されていても良い。フッ素含有の置換基として特に好適に使用されるものにフルオロアルキル基、ヘキサフルオロカルビノール基であって、当該含フッ素置換基が環状構造に付与した特定の含フッ素置換基なども挙げられる。また前述した酸不安定性基の一部がフッ素化された置換基を使用することもできる。
これらのR2を使用する目的としては、前述の酸不安性基によるポジ型感光性をはじめ、透明性、有機溶媒やアルカリ水溶液への溶解性、高いガラス転移点、環状構造によるエッチング耐性、密着性などの特徴を付与させることであり、本発明の応用分野ごとに使い分けることが可能であり、複数の種類のR2を同時に使用することも可能である。
【0016】
すなわち、本発明において最も好ましいR2の組み合わせとしては、酸不安定性基からなる置換基とフッ素を含有した2種類のR2を同時に含有させることである。
【0017】
一般式(1)のR2として必要な酸不安基の組成比としては全体の10モル%以上であり、10モル%未満ではポジ型レジスト特性が十分ではない。
本発明に使用できる一般式(2)のビニルエーテルは特に限定されないが、環状構造やフッ素を含有したビニルエーテルが好適に使用できる。すなわち使用できるR3としては前述したR2で説明したもののうち単独の水素原子を除いたすべての置換基である。
【0018】
好ましいR3を例示するならば、メチル基、エチル基などのアルキル基、トリフルオロエチル基やCnF2n+1を有するフルオロアルキル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルネル基、アダマンチル基、ブチルラクトン基、さらにはこれらにヒドロキシ基、ヘキサフルオロカルビノール基を組み合わせたものが好ましく採用される。
具体的に例示すると、アルキルビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテルなどをあげることができる。また、パーフルオロアルキルビニルエーテルとしては、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテル、パーフルオロイソプロピルビニルエーテル、パーフルオロブチルビニルエーテル、パーフルオロイソブチルビニルエーテル、パーフルオロ−sec−ブチルビニルエーテル、パーフルオロ−t−ブチルビニルエーテル、パーフルオロペンチルビニルエーテル、パーフルオロヘキシルビニルエーテル、パーフルオロオクチルビニルエーテル、パーフルオロドデシルビニルエーテルなどをあげることができる。また、ヒドロキシル基を有するビニルエーテル類として、ヒドロキシメチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロビルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールビニルエーテルなどがあげられる。アリルエーテル類も使用でき、その例としてはメチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ベンジルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテルなどがあげられる。ヒドロキシル基を有するアリルエーテル類としては、例えばエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのアルキレングリコールモノアリルエーテル類、またはアリルアルコール、グリセリンモノアリルエーテルなどの多価アルコールのアリルエーテル類があげられる。また、エポキシ基を有するビニルエーテル、アリルエーテルがあげられる。また、β−ケトエステル基を含有するビニルエーテルまたはアリルエーテルとしては、アセト酢酸アリルなどがあげられる。さらに、トリメトキシビニルエーテルなどの加水分解性基を有する珪素を含んだビニルエーテルもあげることができる。
【0019】
本発明は、すでに説明したように一般式(1)、(2)の単量体を必須成分として共重合されるが、さらに別の共重合可能な第3成分の単量体を単独または複数使用することができる。その第3成分としては一般式(1)、(2)の共存下で共重合反応性があれば特に限定されない。すなわち本発明でしようできる第3成分を具体的に例示するならば、少なくとも、オレフィン、フルオロオレフィン、ヘキサフルオロアセトン、環状オレフィン、環状フルオロオレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、含フッ素スチレン系化合物、ノルボルネン化合物、含フッ素ノルボルネン化合物、無水マレイン酸、ビニルシランの一種以上の単量体との共重合体が好適である。さらに一般式(1)に示された範囲以外の他のビニルエーテルとも共重合が可能である。
すなわち、オレフィンとしては、エチレン、プロピレンシクロヘキセンなど、フルオロオレフィンとしては、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテン、オクタフルオロシクロペンテンなどが例示できる。
【0020】
また、本発明で使用できるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとしてはエステル側鎖について特に制限なく使用できるが、公知の化合物を例示するならば、メチルアクリレート又はメタクリレート、エチルアクリレート又はメタクリレート、n‐プロピルアクリレート又はメタクリレート、イソプロピルアクリレート又はメタクリレート、n‐ブチルアクリレート又はメタクリレート、イソブチルアクリレート又はメタクリレート、n‐ヘキシルアクリレート又はメタクリレート、n‐オクチルアクリレート又はメタクリレート、2‐エチルヘキシルアクリレート又はメタクリレート、ラウリルアクリレート又はメタクリレート、2‐ヒドロキシエチルアクリレート又はメタクリレート、2‐ヒドロキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール基を含有したアクリレート又はメタクリレート、さらにアクリルアミド、メタクリルアミド、N‐メチロールアクリルアミド、N‐メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどの不飽和アミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アルコキシシラン含有のビニルシランやアクリル酸またはメタクリル酸エステル、t−ブチルアクリレート又はメタクリレート、3‐オキソシクロヘキシルアクリレート又はメタクリレート、アダマンチルアクリレート又はメタクリレート、アルキルアダマンチルアクリレート又はメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート又はメタクリレート、トリシクロデカニルアクリレート又はメタクリレート、ラクトン環やノルボルネン環などの環構造を有したアクリレートまたはメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸などが使用できる。さらにαシアノ基含有の上記アクリレート類化合物や類似化合物としてマレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸などを共重合することも可能である。
また、本発明で使用できる含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステルは、エステル部位にフッ素を含有したアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルであって、α位にシアノ基が導入されていても良い。そのエステル部位にフッ素を含有する単量体としては、前述のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとして説明したエステル側鎖の一部がフッ素化されたものは特に制限なく使用できる。すなわち上述のエステル部位としてフルオロアルキル基や、また環状構造とフッ素を共存する単位であって、その環状構造が例えばフッ素やトリフルオロメチル基で置換された含フッ素ベンゼン環、含フッ素シクロペンタン環、含フッ素シクロヘキサン環、含フッ素シクロヘプタン環、含フッ素ノルボルネル基、含フッ素置換基含有のノルボルネル基、含フッ素置換基含有のアダマンチル基等を有する単位などを有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルである。またエステル部位が含フッ素のt−ブチルエステル基であるアクリル酸またはメタクリル酸のエステルなども使用可能である。
【0021】
さらに、本発明に使用できるスチレン系化合物、含フッ素スチレン系化合物としてはスチレン、フッ素化スチレン、ヒドロキシスチレンなどの他、ヘキサフルオロカルビノール基が一つ又は複数個結合した化合物も使用できる。またトリフルオロメチル基で水素を置換したスチレンまたはヒドロキシスチレン、α位にハロゲン、アルキル基、含フッ素アルキル基が結合した上記スチレンまたは含フッ素スチレン系化合物なども使用可能である。
【0022】
ノルボルネン化合物、含フッ素ノルボルネン化合物は、一核または複数の核構造を有するノルボルネン単量体であって、これらは特に制限なく一般式(1)〜(4)の単量体と共重合することが可能である。この際、含フッ素オレフィン、アリルアルコール、含フッ素アリルアルコール、アクリル酸、αフルオロアクリル酸、メタクリル酸、ビニルエステル、含フッ素ビニルエステル、本明細書で記載したすべてのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル、含フッ素アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルなどの不飽和化合物と、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンとを用いてDiels Alder付加反応を行ったノルボルネン化合物が好ましく採用される。
【0023】
一方、アリルエーテル、ビニルエステルなどは、一般的に本発明による一般式(1)〜(4)および式(5)の単量体との重合反応性が乏しいとされているが、その共重合比により導入することが可能であり、例えば、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基を含有しても良いアルキルビニルエーテルであって、その水素の一部または全部がフッ素で置換されていても良い。、またシクロヘキシルビニルエーテルやその環状構造内に水素やカルボニル結合を有した環状型ビニルエーテル、またそれらの環状型ビニルエーテルの水素の一部または全部がフッ素で置換された単量体も使用できる。なお、アリルエーテル、ビニルエステル、ビニルシランについても公知の化合物であれば特に制限なく使用することが可能である。
また、本発明で説明した第3成分としての共重合性化合物は単独使用でも2種以上の併用でもよい。
【0024】
本発明で好適に使用できる第3成分を挙げるならば、一般式(3)、(4)、(6)および式(5)に示した単量体である。
【0025】
【化6】
【0026】
(一般式(6)中、R4は分岐を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数3〜20のシクロアルキル基であって、部分的にフッ素を含んでいてもよい)。
【0027】
これらのうち、一般式(3)、(4)のヘキサフルオロカルビノール基はR2と同様の酸不安定基やその他の置換基で保護することも可能である。
本発明によれば、一般式(1)、(2)の単量体の共重合組成比としては特に制限はなく採用されるが、10〜100%の間で選択することが好ましい。さらに好ましくは20〜100%であり、20%未満では十分な解像度が発現しない。本発明にかかる高分子化合物の重合方法としては、一般的に使用される方法であれば特に制限されないが、ラジカル重合、イオン重合などが好ましく、場合により、配位アニオン重合やリビングアニオン重合などを使用することも可能である。ここではより一般的なラジカル重合法を説明する。
すなわち、ラジカル重合開始剤あるいはラジカル開始源の存在下で、塊状重合、溶液重合、懸濁重合または乳化重合などの公知の重合方法により、回分式、半連続式または連続式のいずれかの操作でおこなえばよい。
【0028】
ラジカル重合開始剤としては特に限定されるものではないが、例としてアゾ系化合物、過酸化物系化合物、レドックス系化合物が挙げられ、とくにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、過酸化ベンゾイル等が好ましい。
【0029】
重合反応に用いる反応容器は特に限定されない。また、重合反応においては、重合溶媒を用いてもよい。重合溶媒としては、ラジカル重合を阻害しないものが好ましく、代表的なものとしては、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル系、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素系、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤などがある。また水、エーテル系、環状エーテル系、フロン系、芳香族系、などの種々の溶媒を使用することも可能である。これらの溶剤は単独でもあるいは2種類以上を混合しても使用できる。また、メルカプタンのような分子量調整剤を併用してもよい。共重反応の反応温度はラジカル重合開始剤あるいはラジカル重合開始源により適宜変更され、通常は20〜200℃が好ましく、特に30〜140℃が好ましい。
【0030】
このようにして得られる本発明にかかる高分子化合物の溶液または分散液から、媒質である有機溶媒または水を除去する方法としては、公知の方法のいずれも利用できるが、例を挙げれば再沈殿ろ過または減圧下での加熱留出等の方法がある。また、有機溶媒中で重合し、そのままレジスト組成物として使用することも、沸点の差を利用した溶媒置換法にてレジストそ組成物とすることもできる。
【0031】
また、前述した一般式(1)、(3)、(4)の酸不安定性基は重合後に高分子反応として付与させることもできる。
【0032】
本発明にかかる高分子化合物の数平均分子量としては、通常、1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000の範囲が適切である。
【0033】
次に、ここまでに説明した含フッ素共重合体を用いたポジ型レジスト組成物について記述する。
【0034】
本発明のレジスト組成物は、通常は本発明の含フッ素共重合体を有機溶媒に溶解させて応用に供する。使用できる有機溶媒としては含フッ素共重合体が可溶であれば特に制限されないが、
、エーテル類、エステル類、エーテルエステル類、ケトン類、ケトンエステル類、アミド類、アミドエステル類、ラクタム類、ラクトン類、(ハロゲン化)炭化水素類等を挙げることができ、より具体的には、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、酢酸エステル類、ヒドロキシ酢酸エステル類、乳酸エステル類、アルコキシ酢酸エステル類、(非)環式ケトン類、アセト酢酸エステル類、ピルビン酸エステル類、プロピオン酸エステル類、N,N−ジアルキルホルムアミド類、N,N−ジアルキルアセトアミド類、N−アルキルピロリドン類、γ−ラクトン類、(ハロゲン化)脂肪族炭化水素類、(ハロゲン化)芳香族炭化水素類等を挙げることができる。
【0035】
このような溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、イソプロペニルアセテート、イソプロペニルプロピオネート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸i−プロピル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を挙げることができる。これらの溶剤のうち、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヘプタノン、乳酸エステル類、2−ヒドロキシプロピオン酸エステル類、3−アルコキシプロピオン酸エステル類等が好ましい。前記溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0036】
さらに前記溶剤には、必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ターペン系の石油ナフサ溶媒やパラフィン系溶媒等の高沸点溶剤を1種以上添加することもできる。
【0037】
本発明によるレジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が発現するタイプである。すなわち酸不安定置換基を有した本発明の含フッ素共重合体は、活性エネルギー線が照射される前にはアルカリ性水溶液に不溶もしくは難溶であって、活性エネルギー線を照射したことにより酸発生剤から発生した酸により加水分解されアルカリ性水溶液に対して溶解性を示すようになる。本発明に使用できる酸発生剤としては光、電子線、X線などにより強酸が発生するものであれば特に限定されないが、特に超強酸のオニウム塩化合物が好ましい。一例を具体的に例示するならば、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルフォニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルフォニウム10−カンファースルホネート等が好ましい。また、含フッ素スルフォニルイミド[例えばHN(O2SC2F5)2]などの超強酸を用いたオニウム塩化合物も好適に採用される。また、前記オニウム塩化合物の他に、ハロゲン含有化合物、スルフォン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等を使用することができる。これらの他の酸発生剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0038】
また、一般的にレジスト組成物には酸拡散制御剤が配合されるが、本発明ではその種類も特に制限なく使用できる。特にレジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。このような含窒素有機化合物としては、例えば、含窒素有機化合物としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、1−ナフチルアミン等の芳香族アミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類等を挙げることができる。含窒素化合物(II)としては、例えば、エチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノジフェニルアミン、2,2'−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等を挙げることができる。含窒素化合物(III)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等、または、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。前記ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等を挙げることができる。前記含窒素複素環化合物としては、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。前記酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0039】
レジスト組成物の添加剤として、場合により界面活性剤が配合される。その目的は表面のスムージング、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す。このような界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系あるいは両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤である。界面活性剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部に対して、界面活性剤の有効成分として、通常、2重量部以下である。
【0040】
その他、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等の増感剤、染料あるいは顔料、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、形状改良剤等を混合使用することも可能である。
【0041】
前述のようにして調製された組成物溶液は、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー、半導体製造に使用される各工程での基板上にレジスト被膜を形成したのち、加熱処理(以下、「PB」という。)を行い、次いで所定のマスクパターンを介して該レジスト被膜に露光する。その際に使用することができる放射線としては、水銀灯の輝線スペクトル(波長254nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2レーザー(波長157nm)や、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線等、さらにはAr2、ArKrFレーザーなども使用することができる。また、放射線量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて、適宜選定される。露光後は、レジストの見掛けの感度を向上させるために、加熱処理(以下、「PEB」という。)を行うことが好ましい。その加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等により変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。その後、アルカリ現像液で現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
【0042】
アルカリ現像液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の1種以上を、通常、1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%の濃度となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。特に好ましいアルカリ現像液は、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類の水溶液である。また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、このようにアルカリ性水溶液からなる現像液を使用する場合には、一般に、現像後、水洗する。
【0043】
本発明の応用分野は、さらに所望により混和性のある添加物、例えば付加的樹脂、可塑剤、安定剤、着色剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、相溶化剤、密着剤、酸化防止剤などの種々添加剤を含有させることができる。
【0044】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
本発明のポジ型レジスト組成物を製造するにあたり、含フッ素共重合体を重合した。モノマーの略号または構造は、以下に示すとおりである。
【0045】
TFMA-B :α−トリフルオロメチルアクリル酸 t−ブチル
TFMA-TFE :α−トリフルオロメチルアクリル酸トリフルオロエチル
TFMA-HFIP :α−トリフルオロメチルアクリル酸ヘキサイソプロピル
TFMA-MAD :α−トリフルオロメチルアクリル酸メチルアダマンチル(下図参照)
TFMA-H-BisHFAB :下記モノマー
【0046】
【化7】
【0047】
TFE-VE :トリフルロエチルビニルエーテル
シクロヘキシルビニルエーテル :シクロヘキシルビニルエーテル
HEVE :ヒドロキシエチルビニルエーテル
C8F17エチルビニルエーテル :下記モノマー
【0048】
【化8】
【0049】
4-HFA-ST :4−(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)スチレン(下図参照)
3,5-HFA-ST :3,5ービス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)スチレン(下図参照)
【0050】
【化9】
【0051】
TFM-VA :トリフルオロメチルビニルアセテート
MA-B :メタクリル酸 t−ブチル
TFMA-M :α−トリフルオロメチルアクリル酸メチル
CTFE :クロロトリフルオロエチレン
OFCPE :オクタフルオロシクロペンテン
「合成例1」 α−トリフルオロメチルメタクリル酸 t−ブチル/α−トリフルオロメチルメタクリル酸トリフルオロエチル/トリフルオロエチルビニルエーテルの例
攪拌機を備えたガラス製反応器にα−トリフルオロメチルメタクリル酸−t−ブチル(以下、TFMA−Bという)10.0g(51mmol)、α−トリフルオロメチルアクリル酸トリフルオロエチル(以下、TFMA−TFEという)11.3g(51mmol)、トリフルオロエチルビニルエーテル 6.4g(51mmol)、t−ブチルパーオキシピバレート(P−PV)0.27g(1.53mmol)、トルエン13.8mlを仕込み、反応器内を窒素で置換した。反応器を徐々に昇温し、60℃で64時間攪拌しながら反応した。反応終了後、テトラヒドロフランを20ml加えて一旦樹脂を溶解した後、n−ヘキサン500ml中に投入して再沈して樹脂を析出させ、これをろ過して樹脂を取り出した。70℃で真空乾燥することによって、白色固体の重合体を得た。収量11.6g(収率42%)。得られた樹脂の一部はテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G.P.C)によって、ポリスチレンを標準物質とした分子量を測定した。この結果、分子量およびその分布は、Mn=19,000、Mw=32,300、分子量分散(Mw/Mn)=1.7であった。反応条件等を表1に示した。溶媒に対する溶解性は、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、テトラヒドロフランに可溶であって、n−ヘキサンには不溶であった。
「合成例2〜8」 および「合成比較例1」 モノマーを変更して合成例1と同様な操作で合成例2〜8に示す樹脂を合成した。反応条件および結果を表1に示した。溶媒に対する溶解性は、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、テトラヒドロフランに可溶であって、n−ヘキサンには不溶であった。
「合成例2」 (TFMA−MAD/C8F17エチルビニルエーテル)系
「合成例3」(TFMA-B/TFMA−H−BisHFAB/シクロヘキシルビニルエーテル)系
「合成例4」(TFMA-B/C8F17エチルビニルエーテル/4−HFA−ST)系
「合成例5」(TFMA-MAD/C8F17エチルビニルエーテル/3,5−HFA-ST)系
「合成例6」(TFMA-B/シクロヘキシルビニルエーテル/OFCPE)系
「合成例7」(TFMA−MAD/ヒドロキシブチルビニルエーテル/TFM−V)系
「合成例8」(FMA-B/トリフルオロメチルビニルエーテル/CTFE)系
「合成比較例1」(TFMA-M/トリフルオロエチルビニルエーテル)系
【0052】
【表1】
【0053】
「実施例1」 合成例1で得られた含フッ素共重合体100重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルに総固形分濃度が15%になるように溶解した(溶液1A)。次いで、溶液Aに酸発生剤としてトリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルホネートを2重量部、酸拡散制御剤としてトリ−n−オクチルアミンを0.5重量部溶解させ、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過してレジスト溶液(溶液1B)を調整した。これらをスピンコートし、膜厚100ナノメータの光透過率を真空紫外線である波長157nmの光にて測定したところ78%の高い透明性を示した。
【0054】
次いで、この溶液1Aを6インチのシリコンウェハー上にスピンコートし膜厚155ナノメータの膜を得た後、80℃で乾燥したところ、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に不溶であった。一方、同様にして溶液1Bをスピンコートしたところ膜厚151ナノメータのレジスト膜を得た。次に80℃で60秒プリベークを行った後、KrFエキシマレーザー248nmを照射し、120℃で120秒加熱したところ、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に溶解した。現像の結果、溶解パターンは良好で現像欠陥も見られなかったことから、良好なポジ型のレジスト挙動が確認された。結果は表に示す。
「実施例2〜8」
合成例2で得られた樹脂を実施例1と同様にプロピレングリコールモノメチルエーテルに総固形分濃度が15%になるように溶解した(溶液2A)。さらに同様にして実施例3〜8のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液(溶液3A〜8A)を得た。
【0055】
次に第1表に示す組成で溶液2A〜8Aに対して、それぞれの合成例で得られた含フッ素共重合体100重量部に対して、酸発生剤、酸拡散制御剤を表に示す組成で混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過してレジスト溶液(3B〜8B)を調整した。これらの溶液の157nmでの透明性を測定したところいずれも表に示す高い透明性であった。
次いで、この溶液2A〜8Aを6インチのシリコンウェハー上にスピンコートし、それぞれの膜厚の膜を得た後、80℃で乾燥したところ、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に不溶であった。一方、同様にして溶液2B〜8Bをスピンコートしたところ膜厚151ナノメータのレジスト膜を得た。次に80℃で60秒プリベークを行った後、KrFエキシマレーザー248nmを照射し、120℃で120秒加熱したところ、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に溶解した。現像の結果、溶解パターンは良好で現像欠陥も見られなかったことから、良好なポジ型のレジスト挙動が確認された。その結果を表に示す。
「比較例1」
合成比較例2で得られた樹脂を実施例1と同様にプロピレングリコールモノメチルエーテルに総固形分濃度が15%になるように溶解した(溶液2H)。
【0056】
次に第1表に示す組成で溶液に対して、合成比較例2で得られた含フッ素共重合体100重量部に対して、酸発生剤、酸拡散制御剤を表に示す組成で混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過してレジスト溶液(2I)を調整した。これらの溶液の157nmでの透明性を測定したところいずれも第表に示す高い透明性であった。
次いで、この溶液2Hを6インチのシリコンウェハー上にスピンコートし、それぞれの膜厚の膜を得た後、80℃で乾燥したところ、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に不溶であった。一方、同様にしてレジスト溶液2Iをスピンコートしたところ膜厚149ナノメータのレジスト膜を得た。次に80℃で60秒プリベークを行った後、KrFエキシマレーザー248nmを照射し、120℃で120秒加熱したが、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に不溶であった。その結果を表2示す。
【0057】
【表2】
Claims (2)
- 少なくとも一般式(1)で表されるα位にフルアロアルキル基を有するアクリル系単量体、および一般式(2)で表されるビニルエーテルを必須成分として共重合することで得られる含フッ素共重合体および酸発生剤からなるポジ型レジスト組成物であり、前記含フッ素共重合体が第3成分として、一般式(3)、(4)の一方または両方の含フッ素スチレン系単量体を共重合して得られるもの、又は式(5)の含フッ素環状オレフィンを共重合して得られるものであることを特徴とするポジ型レジスト組成物。
- R2、R3の両方にフッ素を含有する請求項1記載の含フッ素共重合体を用いることを特徴とするポジ型レジスト組成物。
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