図1は、本発明の実施の形態に係る光ディスク記録装置の構成を示したブロック図である。図1に示したように、光ディスク記録装置1は、光ピックアップ10、スピンドルモータ11、RFアンプ12、サーボ回路13、識別手段であるアドレス検出回路14、デコーダ15、信号品位調整手段、識別手段、及び設定手段であるシステム制御部16、エンコーダ17、ストラテジ回路18、レーザドライバ19、レーザパワー制御回路20、周波数発生器21、エンベロープ検出回路22、C1エラー検出回路23、再生信号品位の測定手段である再生信号品位検出回路部24、データ記憶回路25、記憶手段である記憶部26、操作手段及び入力手段である操作部27、並びに表示手段である表示部28を備えている。また、光ピックアップ10、サーボ回路13、エンコーダ17、ストラテジ回路18、レーザドライバ19及びレーザパワー制御回路20によって、データ記録手段であるデータ記録部が構成されている。
スピンドルモータ11は、データを記録する対象である光ディスクDを回転駆動するモータである。また、スピンドルモータの回転軸先端部には光ディスクを保持(チャッキング)するためのターンテーブルなどからなる図外の光ディスク保持機構が設けられている。光ピックアップ10は、レーザダイオード、レンズ及びミラーなどの光学系、戻り光(反射光)受光素子、並びにフォーカスサーボ機構などを備えている。また、記録及び再生時にはレーザ光を光ディスクDに対して照射して、光ディスクDからの戻り光を受光して受光信号であるEFM(Eight to Fourteen Modulation)変調されたRF信号をRFアンプ12に出力する。なお、フォーカスサーボ機構は、光ピックアップ10のレンズと光ディスクのデータ面との距離を一定に保つためのサーボ機構である。また、光ピックアップ10は、モニタダイオードを備えており、光ディスクDの戻り光によってモニタダイオードに電流が生じ、この電流がレーザパワー制御回路20へ供給されるようになっている。
周波数発生器21は、スピンドルモータ11が出力した回転角度や回転数を検出するための信号をサーボ回路13に出力する。
RFアンプ12は、光ピックアップ10から供給されるEFM変調されたRF信号を増幅して、増幅後のRF信号をサーボ回路13、アドレス検出回路14、エンベロープ検出回路22、再生信号品位を測定する再生信号品位検出回路部24、及びデコーダ15に出力する。
デコーダ15は、再生時には、RFアンプ12から供給されるEFM変調されたRF信号をEFM復調して再生データを生成し、データ記憶回路25に出力する。また、デコーダ15は、記録時には、テスト記録によって記録された領域を再生する際に、RFアンプ12から供給されたRF信号をEFM復調する。そして、復調した信号に基づいて、C1エラー検出回路23がC1エラーを検出して、システム制御部16に出力する。C1エラー検出回路23はEFM復調された信号に対してCIRC(Cross Interleaved Reed Solomon Code)と呼ばれる誤り訂正符合を用いたエラー訂正を行い、C1エラーの個数(C1エラー値)を検出する。
本実施形態に係る光ディスク記録装置1では、データの記録を行う際に、本記録に先立ち、光ディスクDの内周側のPCA(Power Calibration Area)領域にテスト記録を行う。そして、このテスト記録した領域の再生結果に基づいて、光ディスクDに対して良好な記録を行える記録条件を求めるように構成されている。C1エラー検出回路23は、このようなテスト記録した領域での再生信号のC1エラーを検出して、システム制御部16に出力する。
ここで、光ディスクDのテスト記録を行う領域について、図2を用いて説明する。図2は、光ディスクの領域構成を示した断面図である。光ディスクDの外径は120mmであり、光ディスクDの直径46〜50mmの区間がリードイン領域114として用意され、その外周側にデータを記録するプログラム領域118及び残余領域120が用意されている。一方、リードイン領域114よりも内周側には、内周側PCA領域112が用意されている。内周側PCA領域112には、テスト領域112aと、カウント領域112bと、が用意されている。このテスト領域112aには、前述のように本記録に先立ち、テスト記録が実施される。ここで、テスト領域112aとしては、テスト記録を複数回行える領域が用意されている。また、カウント領域112bには、テスト記録終了時にテスト領域112aのどの部分まで記録が終了しているかを示すEFM信号が記録される。したがって、次にこの光ディスクDに対してテスト記録を行う際には、カウント領域112bのEFM信号を検出することにより、テスト領域112aのどの位置からテスト記録を開始すれば良いかが、分かるようになっている。本実施形態に係る光ディスク記録装置1では、データの本記録を行う前に上記のテスト領域112aにテスト記録を行っている。
図1に戻り、データ記憶回路25は、デコーダ15から出力された光ディスクDの再生データや、光ディスク記録装置1の外部から入力されたデータなどを一旦記憶する。そして、再生時には記憶したデータを図外のデータ再生部へ出力し、記録用光ディスクにデータを記録する時には、記憶したデータをエンコーダ17へ出力する。
アドレス検出回路14は、RFアンプ12から供給されたRF信号中に含まれるウォブル信号成分を抽出し、このウォブル信号成分に含まれる各位置の時間情報(アドレス情報)、及び光ディスクを識別する識別情報(ディスクID)やディスクに使われている色素などのディスクの種類を示す情報を復号し、システム制御部16に出力する。ここで、ウォブル信号成分とは記録用光ディスクの蛇行した記録トラックの蛇行周波数を表す信号成分であり、時間情報や識別情報などは蛇行周波数をFM変調することで記録されている。
再生信号品位検出回路部24は、光ディスクDのテスト記録領域を再生している時に、RFアンプ12から供給されるRF信号から再生信号品位に関係するβ値やアシンメトリを算出し、算出結果をシステム制御部16に出力する。ここで、β値は、EFM変調された信号波形のピークレベル(符号は+)をa、ボトムレベル(符号は−)をbとすると、β=(a+b)/(a−b)で求めることができる。
エンベロープ検出回路22は、光ディスクDへテスト記録を行う前に、光ディスクDのテスト領域112aのどの部分からテスト記録を開始するかを検出するために、上述した光ディスクDのカウント領域112bでのEFM信号のエンベロープを検出する。
サーボ回路13は、スピンドルモータ11の回転制御、並びに光ピックアップ10のフォーカス制御、トラッキング制御、及び送り制御を行う。本実施形態に係る光ディスク記録装置1では記録時には、光ディスクDを各速度一定で駆動する方式であるCAV(Constant Angular Velocity)方式と、光ディスクDを線速度一定にして駆動する方式であるCLV(Constant Linear Velocity)方式と、を切り替えることができるようになっている。そのため、サーボ回路13は、システム制御部16から供給される制御信号に応じてCAV方式とCLV方式とを切り替える。ここで、サーボ回路13によるCAV制御では、周波数発生器21によって検出されるスピンドルモータ11の回転数が、設定した回転数と一致するように制御される。また、サーボ回路13によるCLV制御では、RFアンプ12から供給されるRF信号中のウォブル信号が設定された速度倍率になるようにスピンドルモータ11が制御される。
エンコーダ17は、データ記憶回路25から供給される記録データをEFM変調し、ストラテジ回路18に出力する。ストラテジ回路18は、エンコーダ17から供給されたEFM信号に対して時間軸補正処理などを行い、レーザドライバ19に出力する。レーザドライバ19は、ストラテジ回路18から供給される記録データに応じて変調された信号と、レーザパワー制御回路20の制御に従って光ピックアップ10のレーザダイオードを駆動する。
レーザパワー制御回路20は、光ピックアップ10のレーザダイオードから照射されるレーザパワーを制御する。具体的には、レーザパワー制御回路20は、光ピックアップ10のモニタダイオードから供給される電流値と、システム制御部16から供給される最適なレーザパワーの目標値を示す情報と、に基づいて、最適なレーザパワーのレーザ光が光ピックアップ10から照射されるように、レーザドライバ19を制御する。
システム制御部16は、CPU、ROM、及びRAM等から構成されており、ROMに格納されたプログラムに従って光ディスク記録装置1の各部を制御する。システム制御部16は、上述したようにデータの本記録に先立ち、光ディスク記録装置1にセットされた光ディスクDの所定の領域に対し、テスト記録を行うように装置の各部を制御する。そして、システム制御部16は、上述したテスト記録された領域を再生している際に得られる信号から、再生信号品位検出回路部24によって検出されたβ値などの再生信号品位、C1エラー検出回路23によって検出されたC1エラーのカウント値などに基づいて、光ディスク記録装置1がテスト記録を行った光ディスクDに対して、再生信号品位パラメータと装置記録パラメータ(記録条件)との関係を求めることにより、記録エラーのない良好な記録を行うことができる記録可能速度を求める記録速度判定処理などを行う。
記憶部26は、実験などを行って予め求めたデータなどを記憶しておくためのものである。操作部27は、再生信号品位を表すパラメータを選択・入力するために操作するためのものである。表示部28は、光ディスクに記録したデータの再生信号品位などを表示するためのものである。
なお、以上のように構成された光ディスク記録装置1は光ディスクの記録・再生装置をパーソナルコンピュータによって実現することができる。すなわち、光ピックアップ10、スピンドルモータ11、及び周波数発生器21は、光ディスクドライブで実現できる。また、RFアンプ12、サーボ回路13、アドレス検出回路14、デコーダ15、エンコーダ17、ストラテジ回路18、レーザドライバ19、レーザパワー制御回路20、エンベロープ検出回路22、C1エラー検出回路23、及び再生信号品位検出回路部24は、MPUや周辺回路で実現できる。または、光ディスクドライブ装置の周辺回路で実現できる。システム制御部16は、MPUで実現できる。データ記憶回路25、及び記憶部26はメモリ、RAM、及びROMで実現できる。操作部27は、キーボードやマウスなどの入力デバイスで実現できる。表示部28は、モニタで実現できる。
以上のように構成された光ディスク記録装置1における光ディスクDへのデータ記録時の動作を説明する。発明者らは、ソースディスクから記録可能な光ディスクへ音楽データを複写した際に、良い音質を得るために様々な実験や検討を行った。その結果、ソースディスクに記録された音楽データと、複写先の光ディスクの音楽データと、の再生信号波形、つまり再生信号品位が同様になるようにして、複写先の記録可能な光ディスクへ音楽データを記録すると、ソースディスクと略同様の音質が得られることが分かった。
そこで、光ディスク記録装置では、光ディスクに記録されているデータを複写する場合、データ記録済みの光ディスク(複写元の光ディスク)の再生信号品位を測定し、その再生信号品位と同様の再生信号品位が得られるように、再生信号品位に関係する装置記録パラメータを所定値に設定して、複写先の記録用光ディスクにデータを記録する。
例えば、プレスCD(音楽CD)や記録済みCD−Rなどから音楽データを読みこむ際に、再生信号品位を測定しβ値やアシンメトリなどの信号品位パラメータを求める。続いて、元の音楽データの再生波形が同様に再現されるよう、測定した信号品位パラメータに基づいて、再生信号品位に関係する装置記録パラメータ(例えば、OPCを行う際の目標β値など)を所定の値に設定する。そして複写元の光ディスクに記録されている音楽データを上記設定にて記録用光ディスク記録する。なお、本記録前に実施されるOPCにて複数のレーザパワーにてテスト記録されたテストデータを再生するときに再生信号品位を測定して、測定された信号品位パラメータと再生信号品位に関係する装置記録パラメータとの関係を求めて記憶部26に記憶し、及び装置記録パラメータの調整をすると良い。また、再生信号品位を表す信号品位パラメータと、再生信号品位に関係する装置記録パラメータと、の関係は、予め実験などを行って求めておき記憶部26に記憶しておき、記録時に記憶部26から読み出して装置記録パラメータを調整するようにすると良い。
これにより、複写元の光ディスクの音楽データと、複写先の光ディスクの音楽データと、の再生信号波形や再生信号品位が略同様となり、音楽データの音質を略同様に調整することができる。なお、データとしては、音楽データに限らず他のデータであっても良い。
再生信号品位を表す信号品位パラメータとしては、β値やアシンメトリの他に、HF変調度、HF振幅、HF反射率、平均反射率、クロストーク、ジッタ、デビエーション、有効長などがある。また音楽データの信号品位を測定する際には、上記の信号品位パラメータのいずれか1つまたは複数を測定して、装置記録パラメータの設定などを行うと良い。また、これらの信号品位パラメータは完全に独立しておらず、1つのパラメータを変更すると、これに伴って他のパラメータも変化することがある。
データを記録する際の再生信号品位に関係する装置記録パラメータとは、光ディスクにデータを記録する際にデータの再生信号品位を決定するパラメータであり、例えば、ライトストラテジ、データを記録する際に光ディスクへ照射するレーザパワー、OPCやランニングOPCでの目標β値、フォーカスバランス、トラッキングバランス、記録速度などがある。
さらに、複写元の再生信号品位に内周外周差がある場合、装置記録パラメータを記録位置(半径位置又は時間)で変化させながら記録し、略同様の再生信号品位内周外周差をつけても良い。
図3は光ディスク記録装置の動作を説明するためのフローチャートの1例である。ここでは、再生信号品位を表す信号品位パラメータをβ値として以下に説明する。まず、ユーザはプレスCD(音楽CD)や記録済CD−Rなどのソースディスクを光ディスク記録装置1にセットして音楽データを再生するために操作部27を操作する(s1)。システム制御部16は、操作部27からの信号を受信すると、ソースディスクの音楽データを読み取るために、サーボの自動調整を行う。サーボ回路13は、光ピックアップ10へフォーカスサーボ機構及びトラッキングサーボ機構の制御信号を出力する。また、スピンドルモータ11へ回転制御信号を出力する。システム制御部16は、レーザパワー制御回路20へレーザパワーを制御するための所定の信号を出力する。レーザパワー制御回路20は、レーザドライバ19の制御信号を出力し、レーザドライバ19から光ピックアップ10へレーザダイオードから照射するレーザ光のパワー制御信号を出力する。光ピックアップ10のレーザダイオードからは、所定のレーザパワーのレーザ光が照射され、レーザ光の戻り光(反射光)が光ピックアップ10の受光素子で受光されて、電気信号に変換されてRFアンプ12へ出力される(s2)。
そして、RFアンプ12で増幅された音楽データの信号は、デコーダ15でデコードされてデータ記憶回路25に出力され、データ記憶回路25でソースディスクの音楽データが記憶される(s3)。
また、RFアンプ12で増幅されたこの信号は、再生信号品位検出回路部24に出力されて、再生信号品位検出回路部24はソースディスクの音楽データの再生信号品位を測定する(s4)。測定結果がシステム制御部16に出力され、内蔵RAMに格納される(s5)。ソースディスクの音楽データがデータ記憶回路25へ全て格納されると、システム制御部16は表示部28へソースディスクの音楽データ・再生信号品位の格納が完了したことを表示する(s6)。
ユーザは、この表示を確認すると、光ディスク記録装置1からソースディスクを取り出して、代わりにデータを記録可能な光ディスクを光ディスク記録装置1にセットする(s7)。
システム制御部16は、データを記録する光ディスクのサーボ自動調整を行い、所定の信号をサーボ回路13、レーザパワー制御回路20、エンコーダ17に出力する。光ピックアップ10から光ディスクにレーザ光が照射され、この戻り光が受光素子で受光されて変換され、RFアンプ12に出力される。この信号は、アドレス検出回路14に出力され、信号中のATIP(Absolute Time In Pre-groove)情報を読み取って光ディスクの種類の判別を行う。続いて、光ディスクのアドレスが検出されてシステム制御部16に出力される(s8)。システム制御部16は、光ディスク識別情報に基づいて、記憶部26に予め記憶されているデータを読み出す。そして、このデータと前記RAMに格納した再生信号品位の測定結果と、に基づいて装置記録パラメータの設定を行う(s9)。
続いて、システム制御部16は、装置記録パラメータの設定に問題があるかないかを確認するのと同時に、最適レーザパワーを決定するために、OPC(Optimum Power Control)を行う。すなわち、設定した装置記録パラメータに基づいて所定の信号をサーボ回路13、レーザパワー制御回路20、エンコーダ17、ストラテジ回路18に出力する。光ピックアップ10は、PCAにテスト信号を記録して再生する。この戻り光がRFアンプ12を介して再生信号品位検出回路部24に出力される(s10)。再生信号品位検出回路部24は、テスト信号の再生信号品位を検出してシステム制御部16に出力する(s11)。システム制御部16は、再生信号品位検出回路部24から出力された再生信号品位のデータと、RAMに記憶させたソースディスクの再生信号品位と、を比較する(s12)。比較の結果、同等の再生信号品位が得られないなどの問題がある場合はs9の装置記録パラメータを変更し、再度s9〜s12を実行する。問題がなければ、この装置記録パラメータの設定でデータ記憶回路25に格納されたソースディスクから読み取った音楽データを光ディスクに記録する。つまり、データ記憶回路25から音楽データを出力させるとともに、設定した装置記録パラメータに基づいて所定の信号をサーボ回路13、レーザパワー制御回路20、エンコーダ17、ストラテジ回路18に出力する。そして、光ピックアップ10から記録用光ディスクへ音楽データに応じたレーザ光を照射させて、音楽データを記録する(s13)。音楽データの記録が完了したら、システム制御部16は、表示部28に記録が完了したことを表示する(s14)。そして、処理を終了する。
記憶部26に予め記憶されているデータとは、データを記録する際の再生信号品位に関係する装置記録パラメータであり、ディスク識別情報に対応した、ライトストラテジ、OPCでの目標β値などがある。さらに、前記ディスク識別情報に対応させて再生信号品位を表す信号品位パラメータと、再生信号品位に関係する装置記録パラメータとの関係をあらわすデータを予め実験などで求めておき、記憶部26に記憶しておくとなお良い。ソースディスクの再生信号品位と予め求めておいた関係に基づいて装置記録パラメータの調整を行うことでソースディスクと略同様の再生信号品位で記録することができる。
また、OPCは複数のレーザパワーでテストデータを記録し、再生して再生信号品位をみることによって最適レーザパワーを決定するものである。このとき複数の記録条件における再生信号品位を測定することで、当該光ディスクにおける再生信号品位を表す信号品位パラメータと、再生信号品位に関係する装置記録パラメータとの関係を求めても良い。更に、OPCにおいてレーザパワーを変化させ記録するのではなく、ライトストラテジなどの装置記録パラメータを変化させて、再生信号品位に関係する装置記録パラメータとの関係を求めても良い。ここで得られた関係とソースディスクの再生信号品位とに基づいて装置記録パラメータの調整を行うことでソースディスクと略同様の再生信号品位で記録することができる。あるいはもう一度s9へ戻って調整条件を検証しても良い。
次に、光ディスク記録装置では、記録用光ディスクへ記録するデータの再生信号品位を表す信号品位パラメータを、ユーザが任意の値に設定できる。すなわち、光ディスク記録装置で音楽データを光ディスクに記録した場合、ユーザの好みに応じて再生信号品位を表す信号品位パラメータを設定可能にすることで、ユーザが良いと感じる音質に設定することができる環境を提供するものである。以下、詳細に説明する。
再生信号品位を表す信号品位パラメータとしては、β値やアシンメトリの他に、HF変調度、HF振幅、HF反射率、平均反射率、クロストーク、ジッタ、デビエーション、有効長などがある。また、これらの信号品位パラメータは完全に独立しておらず、1つのパラメータを変更すると、これに伴って他のパラメータも変化することがある。
データを記録する際の再生信号品位に関係する装置記録パラメータとは、光ディスクにデータを記録する際にデータの再生信号品位を決定するパラメータであり、例えば、ライトストラテジ、データを記録する際に光ディスクへ照射するレーザパワー、OPCやランニングOPCでの目標β値、フォーカスバランス、トラッキングバランス、記録速度などがある。
しかしながら、上記の装置記録パラメータを変更した場合、上記の信号品位パラメータの代わる度合いはディスクの種類ごとに異なっている。したがってユーザが装置記録パラメータを変更する場合には所望の再生信号品位を得ることは難しいものとなってしまう。光ディスク記録装置では、ユーザは好みに応じて再生信号品位を表す信号品位パラメータを設定可能であり、装置側は当該光ディスクにおける再生信号品位を表す信号品位パラメータと、再生信号品位に関係する装置記録パラメータとの関係から、設定された任意の信号品位パラメータに基づいて装置記録パラメータを調整するようにしている。
また、再生信号品位パラメータ値によっては記録用光ディスクに記録したデータが再生できなくなる場合や、装置記録パラメータの設定可能範囲外でなければ目的の再生信号品位を達成できない場合もあるため、そのような再生信号品位パラメータ値の設定をユーザが選択しようとした場合、表示部に警告表示をしたり、再生信号品位パラメータ値の設定範囲を制限するようにしても良い。
図4は、表示部に表示させる再生信号品位を表す信号品位パラメータを設定するための表示例である。図4(A)に示したように、例えば表示部にグラフを表示させて、ユーザはこのグラフから設定値を選択するようにしても良い。また、図4(B)に示したように、再生信号品位を表す信号品位パラメータのパターンを設定した表を表示させて、この表から設定値を選択するようにしても良い。さらに、図4(C)に示したしたように、ユーザが任意の値を設定できるゲージを表示部に表示させておき、ユーザは所望の設定値を選択できるようにしても良い。なお、この場合、例えば、設定β値を変化させると、それに伴ってC1エラー、ジッタ、音の各パラメータは変化する。
このように、ユーザは再生信号品位を表す信号品位パラメータを任意の値に設定することができるので、例えば音楽データを光ディスクに記録する場合、好みの音質に設定することができ、従来の光ディスク記録装置や記録用光ディスクを選択するための費用や時間を低減できる。
また、記録装置と再生装置が違う場合において、再生装置の特性に合わせた音質に設定することができ、記録装置では信号品位が良くても再生装置で再生すると音質が悪いといった問題も低減できる。
また、光ディスク記録装置では、再生信号品位を表す信号品位パラメータの設定を装置が自動的に行うか、ユーザが任意の値を設定するか、の切り替えを行う切り替えスイッチを設けると良い。この場合は、装置が自動的に再生信号品位を表すパラメータの設定を行う場合は、初期値(デフォルト値)を設定しておく必要がある。
図5は、光ディスク記録装置の動作を説明するためのフローチャートの1例である。光ディスクに記録するデータは予めデータ記憶回路25に格納されているものとする。まず、ユーザは、操作部27の切り替えスイッチを操作して、再生信号品位を表す信号品位パラメータの設定をユーザが行うモードを選択する。そして、光ディスク記録装置1に記録用光ディスクをセットする(s31)。システム制御部16は、セットされた記録用光ディスクの種類を判別するために、サーボの自動調整を行う。サーボ回路13、レーザパワー制御回路20、エンコーダ17にそれぞれ所定の信号を出力する。これらの信号により、光ピックアップ10からレーザ光が記録用光ディスクに照射され、その戻り光が光ピックアップ10の受光素子で受光され、電気信号に変換されてRFアンプ12に出力される。RFアンプ12で増幅されたこの信号は、アドレス検出回路14に出力されて、アドレス検出回路14でATIP情報(アドレス情報)が検出されシステム制御部16に出力される(s32)。システム制御部16は、この信号に基づいて光ディスクの種類を判別し、記憶部26から再生信号品位を表す信号品位パラメータのデータパターンを呼び出す。そして、このデータを、例えば、表に変換して表示部28に表示させる(s33)。ユーザは、操作部27を操作して、表示部28に表示された表から信号品位パラメータの所望の値を選択して、その値を入力する(s34)。システム制御部16は選択された信号品位パラメータの値に基づいて、再生信号品位に関係する装置記録パラメータを調整する(s35)。調整は、記憶部26に記憶されている当該光ディスクにおける再生信号品位を表す信号品位パラメータと再生信号品位に関係する装置記録パラメータとの関係と、設定された任意の信号品位パラメータとに基づいて装置記録パラメータを調整するようにしてもよい。あるいは次段で説明されるOPCにおいて、当該光ディスクにおける再生信号品位を表す信号品位パラメータと再生信号品位に関係する装置記録パラメータとの関係と、設定された任意の信号品位パラメータとに基づいて装置記録パラメータを調整するようにしてもよい。
続いて、OPCを行うためにサーボ回路13、レーザパワー制御回路20、エンコーダ17にそれぞれ所定の信号を出力し、テスト記録を行う。テスト記録した個所を再生し、その戻り光が光ピックアップ10の受光素子で受光されて電気信号に変換されて、RFアンプ12からは、増幅された信号が再生信号品位検出回路部24に出力される(s36)。システム制御部16は、再生信号品位検出回路部24から出力された信号などに基づいて最適なレーザパワーを設定する。そして、システム制御部16は、データ記憶回路25から記録用光ディスクに記録するデータを出力させる(s37)。このデータはエンコーダ17、ストラテジ回路18、レーザドライバ19を介して光ピックアップ10からレーザ光として照射され、光ディスクにデータが記録される(s38)。データの記録が完了すると、光ディスク記録装置1は、表示部28にデータの記録が完了したことを表示させて、処理を終了する(s39)。
次に、光ディスク記録装置は、記録するデータの種類、フォーマット形式、例えばCD−DA(オーディオデータ)やCD−ROM MODE−1(パソコン用データ)などに応じて再生信号品位を表す信号品位パラメータを、自動的に設定、つまり各データの種類に適した設定を選択する。その設定に応じて装置記録パラメータを調整・設定し、記録用光ディスクにデータの記録を行う。すなわち、光ディスク記録装置でデータを光ディスクに記録した場合、該データに応じた再生信号品位に関する信号品位パラメータのパターンを設定可能な環境を提供するものである。
以下、詳細に説明する。光ディスク記録装置では、複写元の光ディスクに記録されているデータを読み取った際に、また、外部からデータ記憶回路に記録用データが送信された際に、システム制御部16が記録用データの種類を判別する。そして、システム制御部16は判別結果に基づいて、再生信号品位を表す信号品位パラメータを設定する。例えば、記録用データがコンピュータデータの場合は再生時にエラーが発生しないよう、音楽データの場合は音質が最良になるように再生信号品位に関するパラメータを自動で設定する。その設定に応じて装置記録パラメータを自動で調整・設定し、記録用光ディスクにデータの記録を行う。また、再生信号品位と装置記録パラメータの関係を予め記憶しておくことで、装置記録パラメータを直接的に自動で設定しても良い。このようにユーザは記録するデータの種類を気に掛けなくとも光ディスク記録装置が自動的に判別してくれるので、初心者にとっては有効である。
このとき、再生信号品位を表す信号品位パラメータとして、コンピュータ用データの場合、C1エラー値に着目すると良い。図6(A)は、光ディスクにデータを記録した際のC1エラー値とβ値との関係を示した図である。C1エラーとβとの関係は2次曲線となるため、C1エラー値がこの2次曲線のボトム値になるように、記録装置パラメータを設定する。一方、音楽用データの場合、ジッタ値に着目すると良い。図6(B)は、ジッタとβとの関係を示した図である。ジッタ値がこの2次曲線のボトムとなるように記録装置パラメータを設定する。
また、音楽データの場合、HF変調度(I3/I11)に着目し、HF変調度の値が大きくなるポイントを狙っても良い。このとき、ライトストラテジを調整して短いピット(特に3T)の長さを長くするよう、装置記録パラメータを調整しても良い。
しかし、ユーザによっては、例えば音楽用データを光ディスクに記録する場合に、音質には特にこだわらず、エラーがなく確実にデータが光ディスクに記録されることを重視することがある。そこで、このような場合、光ディスクに記録するデータは音楽データであるが、再生信号品位に関する信号品位パラメータをコンピュータデータ用に適した設定してもよい。よって、ユーザがデータに応じた再生信号品位に関する信号品位パラメータのパターン(オーディオ向パターン、コンピュータデータ向パターンなど)を選択することができる。
図7は、データの種類に応じた再生信号品位を表す信号品位パラメータの設定例である。上記のパラメータを考慮して、図7に示したように、データの種類、光ディスクの種類などに応じて、β値などの再生信号品位を表す信号品位パラメータを表示しても良い。さらに、ライトストラテジなどの装置記録パラメータを表示しても良い。
図8は、光ディスク記録装置の動作を説明するためのフローチャートの1例である。光ディスクに記録するデータは、予めデータ記憶回路25に格納されているものとする。まず、ユーザは、光ディスク記録装置1に記録用光ディスクをセットする(s51)。システム制御部16は、セットされた記録用光ディスクの種類を判別するために、サーボ回路13、レーザパワー制御回路20、エンコーダ17にそれぞれ所定の信号を出力する。これらの信号により、光ピックアップ10からレーザ光が記録用光ディスクに照射され、その戻り光が光ピックアップ10の受光素子で受光され、電気信号に変換されてRFアンプ12に出力される。RFアンプ12で増幅されたこの信号は、アドレス検出回路14に出力されて、アドレス検出回路14でATIP情報(アドレス情報)が検出されシステム制御部16に出力される(s52)。
続いて、操作部27の切り替えスイッチを操作して、記録するデータに応じて再生信号品位に関する信号品位パラメータパターンの設定を装置が自動的に行うか、それともユーザが設定するか、を選択する(s53)。パラメータの設定を装置が自動的に行う場合、システム制御部16は、データ記憶回路25に格納されたデータの種類とディスクの種類から、記憶部26の再生信号品位に関する信号品位パラメータを呼び出す。(s54)。システム制御部16は選択されたパラメータの値に基づいて、パラメータ値を自動で設定する。または、記憶部26の再生信号品位に関する信号品位パラメータ、及び装置記録パラメータを呼び出し、自動で設定する(s55)。続いて、OPCを行うためにサーボ回路13、レーザパワー制御回路20、エンコーダ17にそれぞれ所定の信号を出力する。これらの信号により、光ピックアップ10からレーザ光が記録用光ディスクに照射され、テスト記録される。その箇所を再生し、その戻り光が光ピックアップ10の受光素子で受光され、電気信号に変換されてRFアンプ12に出力される(s56)。RFアンプ12からは、増幅された信号が再生信号品位検出回路部24に出力される。信号品位6は、再生信号品位検出回路部24から出力された信号などに基づいて最適なレーザパワーを設定する(s57)。そして、システム制御部16は、データ記憶回路25から記録用光ディスクに記録するデータを出力させる。このデータはエンコーダ17、ストラテジ回路18、レーザドライバ19を介して光ピックアップ10からレーザ光として照射され、光ディスクにデータが記録される(s58)。データの記録が完了すると、光ディスク記録装置1は、表示部28にデータの記録が完了したことを表示させて、処理を終了する(s59)。
一方、ユーザが設定する場合は、各データの種類に適した再生信号品位に関する信号品位パラメータの設定を、表に変換して表示部28に表示させる。このとき、装置記録パラメータを表示させても良い。操作部27を操作してどのデータの種類に適した再生信号品位を表す信号品位パラメータの設定で記録を行うか選択する(s60)。システム制御部16は、この選択に基づいて、信号品位を表す装置記録パラメータを設定して(s61)、s56以降の処理を実行する。
次に、光ディスク記録装置では、再生時の信号品位に変動、つまり変化や揺らぎが生じるように再生信号品位に関係する装置記録パラメータを設定してデータの記録を行う。
以下詳細に説明する。再生時の信号品位に変化又は揺らぎ(変動)が生じるようにするため、例えば、一定周波数で信号品位が変化すると良い。また、ランダムな周波数で信号品位が変化するように記録しても良い。さらに、中心周波数を設定し、不規則的に信号品位が変化するようにしても良い。
再生時の信号品位に変化又は揺らぎが生じるようにするためには、例えば、記録パワーを変化させると良い。また、ライトストラテジを変化させるようにしても良い。さらにフォーカスバランスを変化させても良い。
但し、上記方法で再生時の信号品位に変化又は揺らぎが生じるようにした場合、ウォブル、ディスク偏心、ディスク面振れなどにより、信号に載せたくない揺らぎ成分が実際には載ってしまうことがある。そこで、以下の方法で装置記録パラメータを変化させることにより、載せたくない揺らぎ成分を打ち消しながら、本来の揺らぎを載せることができる。
すなわち、載せたくない揺らぎ成分がキャンセルできるように、この揺らぎ成分を打ち消すパラメータを設定する。図9は、揺らぎ成分と揺らぎ成分を打ち消すためのパラメータとの波形を示したグラフである。図9に示したように、ディスク偏心の周波数の絶対値に対応するように装置記録パラメータとして記録パワーを設定することで、ディスク偏心が原因で発生する揺らぎを打ち消すことができる。
また、ベース周波数として任意の周波数を信号に載せることで、記録データに所望の周波数の揺らぎ成分を追加することができる。例えば、人間の脳波の一種であるα波成分の周波数(約10Hz)が好適である。すなわち、人間の脳波にはα波、β波、γ波などがあり、α波成分が多くなると人間はリラックスした状態になることが知られている。また、α波成分の周波数(約10Hz)で揺らいでいる音楽を聞くと、この周波数に同調して脳波はα波成分が多くなると言えわれている。そこで、光ディスクに記録する音楽データに、このα波成分の周波数(約10Hz)の揺らぎを載せることで、再生した音楽データを聞いた人がリラックスできるという効果が期待できる。
このように、記録するデータが音楽データの場合、再生時の再生信号品位に変化又は揺らぎが生じるようにすることで、新たな聴感や精神的な効果を生じさせることができる。
次に、光ディスク記録装置の動作をフローチャート用いて説明する。図10は、光ディスク記録装置の動作を説明するためのフローチャートである。光ディスクに記録するデータは、予めデータ記憶回路25に格納されているものとする。また、記録データに載せる周波数成分の設定は、記憶部26に記憶されているものとする。まず、ユーザは、操作部27のスイッチを操作して、記録するデータに載せる周波数成分の種類を設定する(s71)。続いて、ユーザは、光ディスク記録装置1に記録用光ディスクをセットする(s72)。システム制御部16は、設定された周波数成分の種類に応じて、記憶部26から周波数成分のパターンを読み出すとともに、データ記憶回路25から光ディスクへ記録するデータを読み出す(s73)。そして、このデータの再生信号品位が設定された周波数成分で変動するように、装置記録パラメータを設定する(s74)。続いて、システム制御部16は、サーボ回路13、レーザパワー制御回路20、エンコーダ17、ストラテジ回路18に、それぞれ所定の信号を出力して、光ピックアップ10を制御してレーザ光を光ディスクに照射して、データを記録する(s75)。データの記録が完了すると、システム制御部16は表示部28にその旨を表示させて(s76)、処理を終了する。
次に、光ディスク記録装置では、光ディスクの再生信号品位や記録するデータに応じて、自動的に最適な記録速度でデータ記録を実施する。以下、詳細に説明する。
前記のように、従来、光ディスクにデータを記録する際に誤って、光ディスクが対応していない記録速度に設定してデータの記録を行おうとした場合、光ディスク記録装置が光ディスクに応じて自動的に最大記録可能速度に設定し直してくれる機能があった。しかし、その機能を用いてデータを記録した場合、必ずしも最良の再生信号品位になるとは限らなかった。もちろん、音楽データを記録した場合でも、必ずしも最良の音質になるとは限らなかった。
そこで、光ディスク記録装置では、光ディスクに応じて最適な記録速度でデータの記録を行うことで、例えば光ディスクへ音楽データを記録する場合に、良い音質を得ることができる。さらに、記録するデータの種類に応じて、最適な記録速度で行ってもよい。
光ディスク及び記録するデータの種類に応じた最適な記録速度は、予め記憶部26で記憶させておき、光ディスクにデータを記録する際に、その光ディスクの種類、及び記録するデータの種類を識別しておき、その識別結果に応じた最適な記録速度の情報を記憶部26から読み出すようにすれば良い。
次に、光ディスク記録装置の具体的な動作を説明する。図11は、光ディスク記録装置の動作を説明するためのフローチャートの1例である。
光ディスクに記録するデータは、予めデータ記憶回路25に格納されているものとする。まず、ユーザは、記録用光ディスクをセットする(s81)。サーボの自動調整を行い、システム制御部16は、記録用光ディスクのATIP情報を読み取って、記録用光ディスクの種類を識別する(s82)。そして、システム制御部16は、記憶部26から光ディスク及び記録するデータの最適記録速度に関する情報を読み出して、記録用光ディスクの種類と、記録するデータの種類と、に応じた最適な記録速度を自動で選択する(s83)。そして、選択した記録速度で記録用光ディスクにデータを記録する(s84)。データの記録が完了すると、システム制御部16は表示部28にその旨を表示させて(s85)、処理を終了する。
次に、光ディスク記録装置では、データの記録前に、データの再生信号品位、データを複写する記録用光ディスクにデータを記録した場合の推定再生信号品位をユーザに提示する。以下、詳細に説明する。
ユーザは、光ディスクにデータを記録する際に、複写先の光ディスクにデータを記録した際にどのような再生信号品位となるか知っておきたい場合がある。このような場合に、光ディスク(メディア)は購入しなくても、記録するデータの推定再生信号品位などの情報を知ることができれば、ユーザの労力や経費を低減することが可能となる。
そこで、光ディスク記録装置では、記憶部26に、予め実験などにより求めた光ディスクの再生信号品位に関係する信号品位パラメータ、装置記憶パラメータ、及び各パラメータの関係を記憶させておく。そして、光ディスクにデータを記憶させる際に、記憶部26が記憶した再生信号品位に関係する信号品位パラメータを表示部28に表示させて、ユーザが表示部28に表示された再生信号品位に関する信号品位パラメータ又は該パラメータ値を操作部27で選択できるようにする。ユーザが操作部27を操作してある信号品位パラメータ又はパラメータ値を選択すると、システム制御部16は、前記設定結果、及び記憶部26が記憶した装置記録パラメータの値を設定して、サーボ回路13、レーザパワー制御回路20、エンコーダ17、及びストラテジ回路18に所定の信号を出力して、光ピックアップ10からレーザ光を照射させて、スピンドルモータにセットされた記録用光ディスクへデータを記録する。
上記のように、記録データの推定再生信号品位の情報を提供することで、ユーザは、予め光ディスクに記録するデータの推定再生信号品位を把握することができる。したがって、従来のように、記録後に再生信号品位が悪いことが判明して、別のメディアでデータ記録のやり直しを行ったり、良い音質で音楽データを記録できるメディアを選別するために、複数のメディアを購入するといったことは不要となる。つまり、ユーザにとっては、非常に有益である。
図12は、光ディスク記録装置の表示部に表示する光ディスクの推定再生信号品位の例である。また、ユーザに提供する推定再生信号品位のデータは、例えば図12(A)に示した記録速度に応じた推定再生信号品位の表のように、表形式で推定再生信号品位を表示しても良い。また、図12(B)に示した記録速度をパラメータとしたβとジッタとの関係を表したグラフのように、グラフ形式で推定再生信号品位を表示しても良い。
また、上記のように動作する本発明の実施形態の光ディスク記録装置1は、光ディスクの駆動装置を備えたコンピュータによって実現することができる。すなわち、記録用光ディスクの種別を識別する識別手段であるアドレス検出回路14及びシステム制御部16は、コンピュータを構成するMPUや周辺回路で実現できる。さらに、記録用光ディスクにデータを記録した場合の推定再生信号品位を記憶する記憶手段である記憶部26は、コンピュータを構成するメモリ、RAM、及びROMで実現できる。加えて、該記録用光ディスクの推定再生信号品位を表示する表示手段である表示部28は、コンピュータを構成するモニタで実現できる。
また、推定再生信号品位として、OPCなどの試し書きデータの再生信号品位の確定結果を使っても良い。
また、上記各部を動作させるプログラムは、予め記憶部26に記憶させておき、ユーザの操作部27の操作があると、このプログラムを読み出して実行するようにすると良い。
なお、記録用光ディスクが新たに発売されて、その光ディスクに関する情報を入手したい場合には、図外の通信手段を用いて、インターネットを介してファームウェアを更新すると良い。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態の光ディスク記録装置は、過去にデータを記録した際の再生信号品位の信号品位パラメータを記憶部で記憶している。そして、光ディスクにデータを記録する場合に、ユーザは過去のデータを呼び出してデータを記録することができる。
以下、詳細に説明する。例えば、過去にユーザが自分で調整して音楽データを光ディスクaに記録した設定だと、非常に良い音質で音楽データを記録できたので、また同じ設定で光ディスクaに音楽データを記録したい場合、つまり、記録するデータと再生信号品位で複写元のディスクを変えたい場合がある。また、再生信号品位の値がある値の時の条件検索を行って、検索結果に基づいて、再生信号品位に関する信号品位パラメータを設定したい場合がある。このような場合に、過去に光ディスクへデータを記録した際の再生信号品位に関する信号品位パラメータの情報を知ることができれば、ユーザは、容易に再生信号品位に関する信号品位パラメータを設定してデータ光ディスクへ記録することができる。
そこで、本発明の第2実施形態の光ディスク記録装置では、記憶部26に、過去に光ディスクへデータを記録する際に設定した再生信号品位に関係する信号品位パラメータを記憶させておく。そして、別の光ディスクにデータを記憶させる際に、記憶部26が記憶した再生信号品位に関する信号品位パラメータを表示部28に表示させて、ユーザが表示部28に表示された再生信号品位に関する信号品位パラメータを操作部27で選択できるようにする。ユーザが操作部27を操作してあるパラメータを選択すると、システム制御部16は、記憶部26が記憶した再生信号品位に関する信号品位パラメータの値に設定して、サーボ回路13、レーザパワー制御回路20、エンコーダ17、及びストラテジ回路18に所定の信号を出力して、光ピックアップ10からレーザ光を照射させて、スピンドルモータにセットされた記録用光ディスクへデータを記録する。
上記のように、過去に記録した再生信号品位に関する信号品位パラメータの情報を提供することで、この機能がない場合は、再生信号品位に関する信号品位パラメータをどのように設定したかをメモしておく必要があり、再度その設定でデータを記録する場合にはそのメモを見直す必要があるが、本発明を用いることで、そのような煩わしい作業は行わなくても良い。
再生信号品位に関する信号品位パラメータの設定を光ディスク記録装置に記憶させる場合は、データの記録完了後に、この設定を残しておくかどうかの表示が装置の表示部に表示される。ユーザは指示に従って、例えば覚え書きなどを操作部を操作して入力しておけば良い。また、光ディスク記録装置に記憶させた再生信号品位に関する信号品位パラメータの設定を呼び出す際には、光ディスクにデータを記録する前に操作部を操作して、所望の設定を呼び出すようにすれば良い。
また、上記のように動作する本発明の第2実施形態に係る光ディスク記録装置1は、光ディスクの駆動装置を備えたコンピュータによって実現することができる。すなわち、光ディスクへデータを記録する際に設定した再生信号品位に関する信号品位パラメータを記憶する記憶手段である記憶部26は、コンピュータを構成するメモリ、RAM、及びROMで実現できる。また、記憶部26が記憶した再生信号品位に関する信号品位パラメータを表示する表示手段である表示部28は、コンピュータを構成するモニタで実現できる。表示部28に表示された再生信号品位に関する信号品位パラメータを選択する操作手段である操作部27はキーボードやマウスで実現できる。データ記録時の再生信号品位に関する信号品位パラメータを記憶部26が記憶した値に設定する再生信号品位調整手段であるシステム制御部16は、コンピュータを構成するMPUや周辺回路で実現できる。
また、上記各部を動作させるプログラムは、予め記憶部26に記憶させておき、ユーザの操作部27の操作があると、このプログラムを読み出して実行するようにすると良い。
なお、以上の説明において、設定データは、光ディスクの種類毎(メディア毎)、記録速度毎に設定しておくと良い。
また、本発明は、CLV方式やCAV方式に限らず、パーシャルCAV方式やその他の記録方式にも適用できる。