JP3902571B2 - 汚染土壌浄化装置 - Google Patents
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ロータリーキルンは、内部に多数の掻き揚げ羽根を配設した円筒状のドラムからなり、一端部の投入ホッパに汚染土壌を運ぶためのベルトコンベヤとバーナが設けられ、他端部の排出ホッパに排出口が設けられている。ロータリーキルンは、投入された汚染土壌が、バーナの火炎で燃焼されながら、掻き揚げ羽根によってバーナ側から排ガスの排出口側に遠ざかって移動するように構成されている。
ロータリーキルンの排出ホッパには、排気ダクトを介して集塵器が設置され、その集塵器の先には、排風機が設置されている。
従来、このような公園等の砂場の砂やバンカの砂を浄化する場合は、その砂をトラックによって大型の汚染土壌浄化装置がある場所に輸送して浄化し、再度トラックで輸送して元に戻すという方法が一般に取られていた。
このため、公園等の砂場の砂やバンカの砂を浄化する汚染土壌浄化装置は、この汚染土壌浄化装置を容易に移動させて、短時間で効率よく土壌の浄化作業をできるようにするための可搬性があることが望まれている。
なお、特許請求の範囲における「加熱分離」とは、熱脱着・揮発(以下、単に「加熱分離」という)によって汚染土壌中の汚染物質が汚染土壌から分離されることをいう。
さらに、請求項1に記載の発明によれば、汚染土壌浄化装置は、ロータリーキルン及びモータ可変速回転装置がキャスタを有する台車に載設され、集塵器及びエジェクタシステムが架台に載設されると共に、ロータリーキルンとエジェクタシステムとの間に設置された排気ダクトが分離することが可能なフランジ部を有する。これにより、汚染土壌浄化装置は、台車側と架台側とに2つに分離して、クレーン付きトラックなどによって容易に搬送される。
このような構成にすれば、スパイラルは、このように短冊状に形成して間隔を空けて配設されることにより、その間隔がバーナの火炎の熱で膨張した熱膨張部の逃げとなるため、熱膨張によるスパイラルの変形が防止される。このため、スパイラルは、ロータリーキルンに固定した溶接箇所が熱膨張によって割れることが防止されて、しっかりと固定される。
さらに、本発明の請求項1に記載の汚染土壌浄化装置によれば、汚染土壌浄化装置は、排気ダクトのフランジ部を分離することにより、ロータリーキルン及びモータ可変速回転装置がある台車側と、排ガス処理装置及びエジェクタシステムがある架台側とに分離して運搬し易くすることができる。このため、汚染土壌浄化装置は、クレーン付きトラックなどによって容易に搬送することができる。
まず、図1を参照して汚染土壌浄化装置1を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る汚染土壌浄化装置を示すブロック図である。
この汚染土壌浄化装置1の汚染土壌Bの処理能力は、例えば、処理温度が500℃のときに処理量3t/h程度であり、処理温度が260℃のときに処理量6t/h程度である。汚染土壌浄化装置1は、処理温度を約850℃まで上昇させて、その温度で汚染土壌B中の汚染物質を燃焼分解または加熱分離できるので、すべての汚染土壌Bの浄化を行うことができる装置である。
燃料は、例えば、灯油である。なお、燃料は、白灯油、重油、軽油、アルコール、ブロパンガスまたはLPガスであってもよく、特に限定されない。
バーナ22は、燃料を燃焼させた火炎をロータリーキルン3内に送り込んでいる。バーナ燃焼制御器23は、温度センサTによってロータリーキルン3内の燃焼状況(温度)を調整する装置である。なお、このバーナ燃焼制御器23は、バーナ22の火力をプログラム制御できる装置であるが、手動的に操作する装置であってもよい。
ロータリーキルン3の土壌排出口3fから排出された処理土Cは、汚染物質が除去されたか処理土C中の成分を分析して、適合値に浄化されていれば、その処理土Cが再利用される。
まず、図2を参照して燃料タンクを説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る汚染土壌浄化装置の概略正面図である。
なお、燃料タンク21は、台車9に直接載設してもよい。
燃焼装置2は、台車9の端部に載設されると共に、ロータリーキルン3の他端部3bに接続されている。燃焼装置2は、燃料タンク21内の燃料を吸引するためのポンプ24を備えている。燃焼装置2の処理温度は、汚染土壌浄化装置1によって浄化する汚染土壌Bの汚染物質に適合した温度であればよい。
Q=(1/K1)×K2×K3×Δt×V
であり、約3,540,000kcal/hである。
なお、このバーナ22は、通常、260℃〜500℃の中間温度域で汚染土壌Bの燃焼分解または加熱分離を行う。そして、バーナ22の火力を1,800,000kcal/hに低下させて使用したときの燃料の消費は、灯油210リットル/hである。バーナ22からロータリーキルン3内に送り込まれる燃焼ガス量は、例えば、500℃のときで2700m3/h程度であり、この量は後記するエジェクタシステム5によって調整される。
燃焼装置2の温度制御は、例えば、熱電対温度計からなる温度センサTによって、例えば、設定温度±50℃に保たれている。
汚染土壌供給装置8は、所定量の汚染土壌Bをその汚染土壌Bがある場所からロータリーキルン3の投入口3dに運ぶ装置であり、受け取りホッパ82と、ベルトコンベヤ83と、土壌ホッパ84とから構成されている。
受け取りホッパ82は、汚染土壌Bを均等にベルトコンベヤ83上に載せるためのものであり、汚染土壌Bを一箇所に集めるための漏斗型の容器から構成されている。受け取りホッパ82は、上部が円錐形状に開口し、下部が汚染土壌Bをベルトコンベヤ83に落下させるために開口されている。なお、受け取りホッパ82には、必要に応じて、バイブレータ付きの篩及び定量化のためのスクリュウを取り付けてもよい。
ベルトコンベヤ83は、汚染土壌Bを土壌ホッパ84に供給するためのものであり、一端部が汚染土壌Bのある場所の近傍に配置され、他端部が土壌ホッパ84上に配置されている。
土壌ホッパ84は、下端部に設けたシュータ85から投入口3dに所定量の汚染土壌Bを継続的に供給すると共に、汚染土壌Bを一時的に貯蔵する容器であり、ロータリーキルン3による汚染土壌Bの浄化作業が途切れない程度の貯蔵容量を有する。
図3は、図2の矢視X−X線方向の拡大側面図である。図4は、モータ可変速回転装置を示す要部拡大正面図である。図5は、ロータリーキルンの土壌排出口を示す要部拡大平面図である。図6は、ロータリーキルン内におけるスパイラルの設置状態を示す要部拡大断面図である。
なお、ロータリーキルン3の材質は、比較的低温で汚染土壌Bの浄化処理を行う場合に炭素鋼、中位の温度で使用する場合に耐熱鋼、高温で使用する場合に耐火材ライニングがそれぞれ適している。
図2に示すように、ロータリーキルン3の一端部3aには、汚染土壌Bが投入される投入口3dと、排ガスをロータリーキルン3外に排出するガス排出口3eとが配設されている。ロータリーキルン3の他端部3bには、バーナ22と、浄化した汚染土壌Bを排出する土壌排出口3fとが配設されている。ロータリーキルン3の一端部3a及び他端部3bには、ロータリーキルン3を回動自在に支持するドラムリング33,34が配設されている。図2、図3及び図4に示すように、ロータリーキルン3の中央部3cには、ロータリーキルン3全体を回転させるためのモータ可変速回転装置4の第2チェーン44fが噛合される駆動部32が配設されている。ロータリーキルン3は、図2及び図3に示すように、台車9上に設置されたカバー10によって覆われている。そのカバー10は、例えば、放熱性を備えたメッシュ状の冷延鋼板からなる。
なお、前記空気取り入れ口3gからエジェクタシステム5の吸引力によって吸入される空気は、例えば、風速が15m/secで、風量が24.6m3/secである。
V=a×n×p×π×D×D/4
で約6.1m3/hとなる。
モータ可変速回転装置4は、例えば、ロータリーキルン3を3〜4段階あるいは無段階に変速回転させることができる装置であって、ロータリーキルン3の回転を細かく調整することができる。このモータ可変速回転装置4は、駆動源としてのモータ41と、このモータ41の回転を減速させる減速機42とから構成され、台車9に載設されている。
台車9は、ロータリーキルン3、モータ可変速回転装置4、燃焼装置2及びカバー10を載設し、下面にキャスタ93を配設して載設した前記装置を移動し易くして作業性の向上を図ったものである。この台車9は、鋼鉄製の骨格と鋼板とを溶接手段によって組み立てて形成されている。
図7は、エジェクタシステムの構造を示す拡大概略図である。
エジェクタシステム5は、ロータリーキルン3と排ガス処理装置6(図2参照)との間の排気ダクト7に介在されて、圧送ブロア51からのジェット気流Dに巻き込み作用によって、ロータリーキルン3内の排ガスを吸入すると共に、その排ガスの流れを付勢させて排ガス処理装置6に送る装置である。このエジェクタシステム5は、大気中の空気を取り入れると共に吸入空気の音を消音するための吸入サイレンサ52と、この吸入サイレンサ52から吸入した空気をジェット気流Dに変換するための圧送ブロア51と、この圧送ブロア51によって発生した空気の音を消音するための吐出サイレンサ53と、排気ダクト7に接続されたT字型継手からなるエジェクタ54とから構成されている。エジェクタ54は、例えば、ステンレス鋼などの耐熱鋼によって形成されている。
A=K4×Q/K5
で約44,200Nm3/hとなる。
排ガス処理装置6は、汚染土壌Bがロータリーキルン3内でバーナ22によって燃焼されて発生した排ガス中の燃焼灰などのダスト・塵埃を集塵して分離するための装置である。この排ガス処理装置6は、ロータリーキルン3から排気ダクト7を介して送られ排ガス中のダスト・塵埃を除塵する集塵器61と、この集塵器61によって分離されたダスト・塵埃を集めるダスト回収器62と、集塵器61を通過した排ガスを濾過するフィルタ63と、フィルタ63を通過した排ガスを大気中に送るための煙道64とから構成されている。
なお、この排ガス処理装置6の下流には、汚染物質の種類に応じて、更に第2次、第3次の排ガス処理装置(図示せず)を配設してもよい。
図2に示すように、排ガス処理装置6及びエジェクタシステム5は、同じ架台11上に載設され、一緒に輸送される。
フィルタ63は、耐熱鋼などから形成された金属フィルタなどからなる。なお、このフィルタ63は、なくてもよい。
図8は、汚染土壌浄化装置を分解して搬送するときの状態を示す説明図である。
汚染土壌浄化装置1は、ボルト・ナットを離脱してフランジ部71a,72aを分離することによって、図8に示すように、汚染土壌浄化装置1を台車9側と架台11側とに分離して、クレーン付きトラックやトレーラなどの輸送車12で搬送される。
まず、図8に示すように、汚染土壌浄化装置1のロータリーキルン3側と排ガス処理装置6側とを繋いでいるフランジ部71a,72aのボルト・ナット(図示せず)を外して分離し、汚染土壌浄化装置1を2つに分ける。これにより、汚染土壌浄化装置1は、ロータリーキルン3及び燃焼装置2を積載した台車9側と、エジェクタシステム5及び排ガス処理装置6を載置した架台11側とに分離することができるため、クレーン12aによって輸送車12の荷台12bに容易に載せて輸送することが可能となる。なお、汚染土壌供給装置8(図2参照)及び燃料タンク21(図2参照)などは、荷台12bの空いたスペースに載置する。
バーナ22の火力や、ロータリーキルン3を回転させるモータ可変速回転装置4の回転速度は、汚染土壌Bに含有されている汚染物質によって、適宜に調整する。
この場合、燃焼装置2は、1,457,000kcal/h程度の加熱能力があればよく、処理温度が約260℃、燃焼ガス量が約2,220Nm3/hでロータリーキルン3内の汚染土壌Bを加熱・燃焼させる。
例えば、図2に示す排ガス処理装置6には、排ガスやダスト・塵埃の温度を低下させるための冷却装置を配設してもよい。また、大気中に排出される排ガスは、活性炭吸着や化学分解させて、無害化させて大気中に放出させるようにしてもよい。
図9に示すように、スパイラル31(図6参照)は、多数の短冊状の扇型片37aを所定間隔で螺旋状に連続的に配設したスパイラル37であってもよい。なお、このスパイラル37は、例えば、幅が約90mmで、ピッチが約230mmで、5〜10mmの間隔で配設される。
スパイラル37は、このように短冊状に形成して間隔を空けて配設されることにより、その間隔がバーナ22の火炎の熱で膨張した熱膨張部の逃げとなるため、熱膨張によるスパイラル37の変形が防止される。このため、スパイラル37は、ロータリーキルン3に固定した溶接箇所が熱膨張によって分離されることが防止されて、しつかりと固定される。
2 燃焼装置
3 ロータリーキルン
3a 一端部
3b 他端部
3d 投入口
3e ガス排出口
3f 土壌排出口
3g 空気取り入れ口
4 モータ可変速回転装置
5 エジェクタシステム
6 排ガス処理装置
7 排気ダクト
9 台車
11 架台
31,37 スパイラル
32 駆動部
33,34 ドラムリング
54 エジェクタ
61 集塵器
93 キャスタ
71a,72a フランジ部
B 汚染土壌
Claims (4)
- 燃料を燃焼装置によって燃焼して汚染土壌を浄化する汚染土壌浄化装置において、
投入された前記汚染土壌中の汚染物質を燃焼分解または加熱分離させる前記燃焼装置を備えたロータリーキルンと、
前記ロータリーキルンを回転させるためのモータ可変速回転装置と、
前記ロータリーキルンから排出される排ガス中のダスト・塵埃を捕捉するための集塵器と、
前記ロータリーキルン内の前記排ガスを前記集塵器に導く排気ダクトと、
前記ロータリーキルンと前記集塵器との間に配設されたエジェクタシステムと、を備え、
前記ロータリーキルン及び前記モータ可変速回転装置は、キャスタを有する台車に載設され、
前記集塵器及び前記エジェクタシステムは、同じ架台に載設されると共に、
前記ロータリーキルンと前記エジェクタシステムとの間に設置された前記排気ダクトは、分離することが可能なフランジ部を有することを特徴とする汚染土壌浄化装置。 - 前記ロータリーキルンは、一端部に、前記汚染土壌が投入される投入口と、前記ロータリーキルン内の排ガスが排出されるガス排出口とが配設され、
他端部に、前記燃焼装置と、前記ロータリーキルン内の前記汚染土壌が排出される土壌排出口とが配設され、
内部に、投入された前記汚染土壌を前記一端部から前記他端部側に移動させるためのスパイラルが配設されたことを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌浄化装置。 - 前記土壌排出口は、前記ロータリーキルン内に空気を送る空気取り入れ口を兼用していることを特徴とする請求項2に記載の汚染土壌浄化装置。
- 前記ロータリーキルンは、中央部に、前記モータ可変速回転装置を連結するための駆動部が配設され、
一端部及び他端部に、前記ロータリーキルンを回動自在に支持するドラムリングが配設されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の汚染土壌浄化装置。
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