JP3902571B2 - 汚染土壌浄化装置 - Google Patents

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本発明は、燃料を燃焼装置によって燃焼して汚染土壌を浄化する汚染土壌浄化装置に関する。
従来から重金属汚染や有機化合物汚染によって汚染された工場跡地などの汚染土壌、犬の糞や寄生虫や雑菌で汚染された公園の砂場の砂、または柴や小枝などの有機物によって汚染されたゴルフ場のバンカの砂などの汚染土壌を燃焼装置によって浄化する汚染土壌浄化装置が知られている(例えば、特許文献1)。
これらの汚染土壌を焼いて浄化する汚染土壌浄化装置は、特許文献1に開示されているように、横置の回転するロータリーキルン中を回転軸方向に汚染土壌を送ると共に、プロパンガスなどのバーナの火炎をドラム内に吹き込み、この火炎で汚染土壌を焼いて汚染土壌中の有機物を燃焼させると同時に殺菌するものである。
ロータリーキルンは、内部に多数の掻き揚げ羽根を配設した円筒状のドラムからなり、一端部の投入ホッパに汚染土壌を運ぶためのベルトコンベヤとバーナが設けられ、他端部の排出ホッパに排出口が設けられている。ロータリーキルンは、投入された汚染土壌が、バーナの火炎で燃焼されながら、掻き揚げ羽根によってバーナ側から排ガスの排出口側に遠ざかって移動するように構成されている。
ロータリーキルンの排出ホッパには、排気ダクトを介して集塵器が設置され、その集塵器の先には、排風機が設置されている。
また、汚染土壌の汚染物質としては、例えば、水銀や鉛などの重金属、油類、PCB(ポリ塩化ビフェノール)、ダイオキシン、シアンや農薬などの化合物、犬や猫などの動物の糞、寄生虫や寄生虫の卵などの害虫類、菌核病菌などの菌類、生ゴミや草や木など有機物があり、その汚染状態は様々である。これらの汚染土壌の浄化は、各種の有害物質に汚染された土壌をロータリーキルンなどの燃焼設備からなる汚染土壌浄化装置によって行われている。汚染土壌浄化装置は、汚染土壌を高温度雰囲気下で燃焼処理して、汚染土壌に含まれている各種の有害物質を燃焼分解して浄化し、処理された土壌を再利用できるようにしている。この汚染土壌浄化装置にて各種の有害物質が燃焼分解されて排出される灰を含むガスは、浄化されることによって無害化されて大気に放出される。
特開2002−263633号公報(段落0015、図1)
しかしながら、前記特許文献1に開示されている汚染土壌浄化装置にあっては、ロータリーキルンの一端部の投入ホッパには、ベルトコンベヤとバーナとが設置され、他端部の排出ホッパには、排出口と排気ダクトが設置されている。このため、ロータリーキルンに投入された汚染土壌は、ロータリーキルンに投入されると同時にバーナの火炎で燃焼された後、掻き揚げ羽根によってバーナ側から排出口側に向って遠くに離れるように移動される。しがたって、このような汚染土壌浄化装置のロータリーキルンにあっては、汚染土壌がバーナの火炎から遠ざかるように移動されるため、汚染土壌を効率よく加熱及び燃焼させることができないという問題点があった。
また、特許文献1に開示されている汚染土壌浄化装置にあっては、排風機が集塵器の先に設置されている。このため、ロータリーキルン内の排ガスを吸引する排風機の吸引力は、ロータリーキルンと排風機との間に設置された集塵器によって低下するという問題点がある。また、排風機は、排気ダクトに直接設置されることにより、バーナで熱せられた高温の排ガスを直接受けるため、故障し易く、また耐熱性の良好な材料で作製しなければならず、コストアップの原因になっていた。
ところで、前記した工場跡地などの汚染土壌を浄化処理する汚染土壌浄化装置では、膨大な汚染土壌を処理するのにエネルギーコストが大きく、それに伴い装置全体が大規模なものとなっている。このため、汚染土壌浄化装置は、装置の設営が簡単で、搬送し易いコンパクトな装置が要望されている。
また、公園の砂場の砂やゴルフ場内のバンカの砂を殺菌・浄化する汚染土壌浄化装置は、この砂を焼いて犬の糞や木の小枝や草などの有機物を燃焼分解して浄化すると共に、砂の中にいる例えばトキソカラ属線虫などの寄生虫や、菌核病菌、菌萎縮病菌、菌立植病菌などの菌類を死滅させることにより、砂を再利用している。
従来、このような公園等の砂場の砂やバンカの砂を浄化する場合は、その砂をトラックによって大型の汚染土壌浄化装置がある場所に輸送して浄化し、再度トラックで輸送して元に戻すという方法が一般に取られていた。
このため、公園等の砂場の砂やバンカの砂を浄化する汚染土壌浄化装置は、この汚染土壌浄化装置を容易に移動させて、短時間で効率よく土壌の浄化作業をできるようにするための可搬性があることが望まれている。
本発明の課題は、ロータリーキルン内の汚染土壌の加熱効率を向上させると共に、可搬性に優れたコンパクトな汚染土壌浄化装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の汚染土壌浄化装置は、燃料を燃焼装置によって燃焼して汚染土壌を浄化する汚染土壌浄化装置において、投入された前記汚染土壌中の汚染物質を燃焼分解または加熱分離させる前記燃焼装置を備えたロータリーキルンと、前記ロータリーキルンを回転させるためのモータ可変速回転装置と、前記ロータリーキルンから排出される排ガス中のダスト・塵埃を捕捉するための集塵器と、前記ロータリーキルン内の前記排ガスを前記集塵器に導く排気ダクトと、前記ロータリーキルンと前記集塵器との間に配設されたエジェクタシステムと、を備え、前記ロータリーキルン及び前記モータ可変速回転装置は、キャスタを有する台車に載設され、前記集塵器及び前記エジェクタシステムは、同じ架台に載設されると共に、前記ロータリーキルンと前記エジェクタシステムとの間に設置された前記排気ダクトは、分離することが可能なフランジ部を有することを特徴とする。
なお、特許請求の範囲における「加熱分離」とは、熱脱着・揮発(以下、単に「加熱分離」という)によって汚染土壌中の汚染物質が汚染土壌から分離されることをいう。
請求項1に記載の発明によれば、汚染土壌浄化装置は、ロータリーキルンと排ガス処理装置との間にエジェクタシステムを配設したことにより、排気ダクト内を流れる排ガスを付勢して流速を増加させると共に、ロータリーキルン内の燃焼ガス及び排ガス処理装置内を流れる排ガスも付勢させて排ガスや、ロータリーキルン内に流入される空気の流れを良好にさせることができる。このため、燃焼装置によって燃焼されて燃焼分解または加熱分離した汚染物質は、付勢された燃焼ガスの流れによって効果的に汚染土壌から燃焼分解または加熱分離されると共に、汚染土壌浄化装置内全体において、排ガスの流動性が向上されて、汚染土壌浄化装置の浄化効率をアップさせることが可能となる。
さらに、請求項1に記載の発明によれば、汚染土壌浄化装置は、ロータリーキルン及びモータ可変速回転装置がキャスタを有する台車に載設され、集塵器及びエジェクタシステムが架台に載設されると共に、ロータリーキルンとエジェクタシステムとの間に設置された排気ダクトが分離することが可能なフランジ部を有する。これにより、汚染土壌浄化装置は、台車側と架台側とに2つに分離して、クレーン付きトラックなどによって容易に搬送される。
請求項2に記載の汚染土壌浄化装置は、請求項1に記載の汚染土壌浄化装置であって、前記ロータリーキルンは、一端部に、前記汚染土壌が投入される投入口と、前記ロータリーキルン内の排ガスが排出されるガス排出口とが配設され、他端部に、前記燃焼装置と、前記ロータリーキルン内の前記汚染土壌が排出される土壌排出口とが配設され、内部に、投入された前記汚染土壌を前記一端部から前記他端部側に移動させるためのスパイラルが配設されたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、汚染土壌浄化装置は、ロータリーキルンが、投入口側にガス排出口を配設し、燃焼装置側に土壌排出口を配設したことにより、ロータリーキルンに投入された汚染土壌がガス排出口側から燃焼装置側に向って移動される。このため、ロータリーキルン内に投入された汚染土壌は、スパイラルによって掻き混ぜられながら燃焼装置の火炎に向って移動されることにより、効率よく加熱・燃焼されて、汚染土壌中の汚染物質が燃焼分解または加熱分離される。
請求項3に記載の汚染土壌浄化装置は、請求項2に記載の汚染土壌浄化装置であって、前記土壌排出口は、前記ロータリーキルン内に空気を送る空気取り入れ口を兼用していることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、汚染土壌浄化装置は、土壌排出口が空気取り入れ口を兼用していることにより、ロータリーキルンに特別な空気取り入れ口を形成する必要がないため、ロータリーキルンの形状及び構造を簡素化させることができる。また、ロータリーキルンは、燃焼装置と土壌排出口とが配設された他端部に空気取り入れ口を形成したことにより、空気を燃焼装置に効率よく送って燃料を燃焼させることができると共に、他端部側からガス排出口がある一端部側に排ガスが流れるようにして、排ガスの流れをスムーズにすることができる。
請求項4に記載の汚染土壌浄化装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の汚染土壌浄化装置であって、前記ロータリーキルンは、中央部に、前記モータ可変速回転装置を連結するための駆動部が配設され、一端部及び他端部に、前記ロータリーキルンを回動自在に支持するドラムリングが配設されたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、汚染土壌浄化装置は、ロータリーキルンが、中央部の駆動部によって回転して、一端部及び他端部のドラムリングによって回動自在に支持されていることにより、ロータリーキルンの両端がドラムリングによって支持されているため、ガタつきを抑えて回転の振れを解消し、ドラムリングの回転音を静かにさせることができる。
本発明に係る汚染土壌浄化装置は、スパイラルが、多数の短冊状の扇型片を所定間隔で螺旋状に連続的に配設されていることが好ましい。
このような構成にすれば、スパイラルは、このように短冊状に形成して間隔を空けて配設されることにより、その間隔がバーナの火炎の熱で膨張した熱膨張部の逃げとなるため、熱膨張によるスパイラルの変形が防止される。このため、スパイラルは、ロータリーキルンに固定した溶接箇所が熱膨張によって割れることが防止されて、しっかりと固定される。
本発明の請求項1に記載の汚染土壌浄化装置によれば、汚染土壌浄化装置は、エジェクタシステムを配設したことにより、排気ダクト内を流れる排ガスを付勢して流速を増加させると共に、ロータリーキルン内の燃焼ガス及び排ガス処理装置内を流れる排ガスも付勢させて排ガスや、ロータリーキルン内に流入される空気の流れを良好にさせることができる。このため、燃焼装置によって燃焼されて燃焼分解または加熱分離した汚染物質は、付勢された燃焼ガスの流れによって効果的に汚染土壌から燃焼分解または加熱分離されると共に、排ガスが、汚染土壌浄化装置内全体で流動性が向上されて、汚染土壌浄化装置の浄化効率をアップさせることが可能となる。
さらに、本発明の請求項1に記載の汚染土壌浄化装置によれば、汚染土壌浄化装置は、排気ダクトのフランジ部を分離することにより、ロータリーキルン及びモータ可変速回転装置がある台車側と、排ガス処理装置及びエジェクタシステムがある架台側とに分離して運搬し易くすることができる。このため、汚染土壌浄化装置は、クレーン付きトラックなどによって容易に搬送することができる。
本発明の請求項2に記載の汚染土壌浄化装置によれば、ロータリーキルン内に投入された汚染土壌が、スパイラルによって回転しながら燃焼装置の火炎に向って移動されることにより、効率よく加熱・燃焼されて、汚染土壌を浄化されることができる。
本発明の請求項3に記載の汚染土壌浄化装置によれば、汚染土壌浄化装置は、土壌排出口が空気取り入れ口を兼用していることにより、ロータリーキルンの形状及び構造を簡素化させることができる。また、ロータリーキルンは、他端部に空気取り入れ口を形成したことにより、空気を燃焼装置に効率よく送って燃料を燃焼させることができると共に、排ガスの流れをスムーズにすることができる。
本発明の請求項4に記載の汚染土壌浄化装置によれば、汚染土壌浄化装置は、ロータリーキルンが、中央部の駆動部によって回転されると共に、両端部のドラムリングによって回動自在に支持されているため、ガタつきを抑えて回転の振れを解消し、ドラムリングを静かに回転させることができる。
図1〜図8を参照して、本発明の実施の形態に係る汚染土壌浄化装置を説明する。
まず、図1を参照して汚染土壌浄化装置1を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る汚染土壌浄化装置を示すブロック図である。
図1に示す汚染土壌浄化装置1は、燃料タンク21の燃料をバーナ22で燃焼させて、その燃焼した火炎によって汚染土壌B中の汚染物質を燃焼分解または加熱分離して浄化する装置である。この汚染土壌浄化装置1は、投入された汚染土壌B中の汚染物質を燃焼分解または加熱分離する燃焼装置2を備えたロータリーキルン3と、ロータリーキルン3を回転させるためのモータ可変速回転装置4と、ロータリーキルン3から排出される排ガス中のダスト・塵埃を捕捉するための集塵器61を備えると共に、燃焼した排ガスを浄化するための排ガス処理装置6と、ロータリーキルン3内の排ガスを排ガス処理装置6に導く排気ダクト7と、ロータリーキルン3と排ガス処理装置6の集塵器61との間に配設されたエジェクタシステム5とを備えている。
この汚染土壌浄化装置1の汚染土壌Bの処理能力は、例えば、処理温度が500℃のときに処理量3t/h程度であり、処理温度が260℃のときに処理量6t/h程度である。汚染土壌浄化装置1は、処理温度を約850℃まで上昇させて、その温度で汚染土壌B中の汚染物質を燃焼分解または加熱分離できるので、すべての汚染土壌Bの浄化を行うことができる装置である。
燃焼装置2は、燃料を貯蔵する燃料タンク21と、大気中の空気Aを取り入れて、燃料タンク21の燃料を燃焼させるバーナ22と、バーナ22の火力の調整を行うバーナ燃焼制御器23とを備えてなる。この燃焼装置2は、ロータリーキルン3の他端部3b側に設置されている。
燃料は、例えば、灯油である。なお、燃料は、白灯油、重油、軽油、アルコール、ブロパンガスまたはLPガスであってもよく、特に限定されない。
バーナ22は、燃料を燃焼させた火炎をロータリーキルン3内に送り込んでいる。バーナ燃焼制御器23は、温度センサTによってロータリーキルン3内の燃焼状況(温度)を調整する装置である。なお、このバーナ燃焼制御器23は、バーナ22の火力をプログラム制御できる装置であるが、手動的に操作する装置であってもよい。
ロータリーキルン3は、モータ可変速回転装置4によって全体が回転され、計量器81で計量された所望量の汚染土壌Bを、スパイラル31によって掻き混ぜながらバーナ22の火炎によって浄化する装置である。このロータリーキルン3は、一端部3aに、汚染土壌Bが投入される投入口3dとロータリーキルン3内の排ガスが排出されるガス排出口3eとが配設され、他端部3bに、燃焼装置2とロータリーキルン3内の汚染土壌Bが排出される土壌排出口3fとが配設され、内部に、投入された汚染土壌Bを一端部3aから他端部3b側に移動させるためのスパイラル31が配設されている。
ロータリーキルン3の土壌排出口3fから排出された処理土Cは、汚染物質が除去されたか処理土C中の成分を分析して、適合値に浄化されていれば、その処理土Cが再利用される。
ロータリーキルン3内の排ガスは、エジェクタシステム5によって吸入されて、排気ダクト7を介して排ガス処理装置6に送られている。その排ガス処理装置6は、排ガス内の灰や汚染物質などのダスト・塵埃を除塵する集塵器61と、この集塵器61で分離されたダスト・塵埃を回収するダスト回収器62と、ダスト・塵埃が大気中に排出されることを阻止するフィルタ63と、このフィルタ63を通過した排ガスを導いて大気中に排気させるための煙道64とから構成されている。
次に、図2〜図8を参照して、さらに各部を詳細に説明する。
まず、図2を参照して燃料タンクを説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る汚染土壌浄化装置の概略正面図である。
燃料タンク21は、上部に燃料を給油するための給油口21a、下部にその燃料を燃焼装置2に送るための燃料ホース21bと、燃料タンク21を支える複数の脚21cとを備えている。
なお、燃料タンク21は、台車9に直接載設してもよい。
次に、図2を参照して燃焼装置2を説明する。
燃焼装置2は、台車9の端部に載設されると共に、ロータリーキルン3の他端部3bに接続されている。燃焼装置2は、燃料タンク21内の燃料を吸引するためのポンプ24を備えている。燃焼装置2の処理温度は、汚染土壌浄化装置1によって浄化する汚染土壌Bの汚染物質に適合した温度であればよい。
公園の砂場の砂(汚染土壌B)やゴルフ場のバンカの砂(汚染土壌B)を汚染土壌浄化装置1で浄化する場合、燃焼装置2の処理温度は、例えば、260℃とする。処理温度を260℃にすることにより、汚染土壌B中の線虫及び線虫卵が約50℃で死滅し、その他の有害虫や菌やウイルスが約80℃で死滅し、犬の糞や小枝や草などの有機物が燃焼されて灰になる。
また、テトラクロロエチレン含有の汚染土壌Bを汚染土壌浄化装置1で浄化する場合の燃焼装置2の処理温度も、例えば、260℃とする。この場合、その汚染土壌Bは、235℃の温度でテトラクロロエチレンの加熱分離が行われて、その温度より高い260℃で浄化することにより、適宜に汚染土壌B中のテトラクロロエチレンの99.99%が除去されて無害化される。
水銀などの低沸点金属を含有の汚染土壌Bを汚染土壌浄化装置1で浄化する場合、燃焼装置2の処理温度は、例えば、500℃とする。この場合、その汚染土壌Bは、275℃以上の温度で顕著に水銀の加熱分離が行われて、汚染土壌B中の水銀が除去されて無害化される。
また、PCB含有の汚染土壌Bを浄化する場合、ロータリーキルン3を間接加熱多筒式にすることによって、PCBが350℃の間接加熱で加熱分離し、これに続く第2、第3の排ガス処理装置(図示せず)によって凝縮後液中反応で分解されて浄化される。
例えば、揮発性有機化合物で汚染された汚染土壌Bを浄化する場合、汚染物質が灯油であれば沸点150〜280℃、軽油であれば240〜350℃、重油であれば沸点350℃以上に加熱して、汚染土壌Bに染み込んでいる揮発性有機化合物が燃焼分解または加熱分離されて、汚染土壌Bが浄化処理される。
また、シアン、農薬などの化合物または高沸点金属含有の汚染土壌Bを汚染土壌浄化装置1で浄化する場合、燃焼装置2の処理温度は、例えば、850℃とする。この場合、農薬などは、800℃の加熱で熱分解して、燃焼されることにより、適宜に汚染土壌B中の農薬などが除去されて無害化される。この場合、ロータリーキルン3から排出された処理土C及び排ガスは、冷却装置(図示せず)を配設して冷却すると共に、これに続く第2、第3の排ガス処理装置(図示せず)を配設して浄化することが望ましい。
バーナ22の能力Qは、装置の効率K1を0.70、汚染土壌Bの比熱K2を0.43kcal/kg・℃、汚染土壌Bの比重K3を2.0、燃焼洗浄温度Δtを480℃、処理量Vを6.0m3とすると
Q=(1/K1)×K2×K3×Δt×V
であり、約3,540,000kcal/hである。
なお、このバーナ22は、通常、260℃〜500℃の中間温度域で汚染土壌Bの燃焼分解または加熱分離を行う。そして、バーナ22の火力を1,800,000kcal/hに低下させて使用したときの燃料の消費は、灯油210リットル/hである。バーナ22からロータリーキルン3内に送り込まれる燃焼ガス量は、例えば、500℃のときで2700m3/h程度であり、この量は後記するエジェクタシステム5によって調整される。
燃焼装置2の温度制御は、例えば、熱電対温度計からなる温度センサTによって、例えば、設定温度±50℃に保たれている。
次に、図2を参照して汚染土壌供給装置8を説明する。
汚染土壌供給装置8は、所定量の汚染土壌Bをその汚染土壌Bがある場所からロータリーキルン3の投入口3dに運ぶ装置であり、受け取りホッパ82と、ベルトコンベヤ83と、土壌ホッパ84とから構成されている。
受け取りホッパ82は、汚染土壌Bを均等にベルトコンベヤ83上に載せるためのものであり、汚染土壌Bを一箇所に集めるための漏斗型の容器から構成されている。受け取りホッパ82は、上部が円錐形状に開口し、下部が汚染土壌Bをベルトコンベヤ83に落下させるために開口されている。なお、受け取りホッパ82には、必要に応じて、バイブレータ付きの篩及び定量化のためのスクリュウを取り付けてもよい。
ベルトコンベヤ83は、汚染土壌Bを土壌ホッパ84に供給するためのものであり、一端部が汚染土壌Bのある場所の近傍に配置され、他端部が土壌ホッパ84上に配置されている。
土壌ホッパ84は、下端部に設けたシュータ85から投入口3dに所定量の汚染土壌Bを継続的に供給すると共に、汚染土壌Bを一時的に貯蔵する容器であり、ロータリーキルン3による汚染土壌Bの浄化作業が途切れない程度の貯蔵容量を有する。
次に、図2〜図6を参照してロータリーキルン3を説明する。
図3は、図2の矢視X−X線方向の拡大側面図である。図4は、モータ可変速回転装置を示す要部拡大正面図である。図5は、ロータリーキルンの土壌排出口を示す要部拡大平面図である。図6は、ロータリーキルン内におけるスパイラルの設置状態を示す要部拡大断面図である。
ロータリーキルン3は、例えば、内径が約900mm、長さが約4000mmの両端を閉塞した円筒状の横置きの鋼管杭からなり、その内部には、汚染土壌Bを一端部3aから他端部3b側に移動させるためのスパイラル31が配設されている。
なお、ロータリーキルン3の材質は、比較的低温で汚染土壌Bの浄化処理を行う場合に炭素鋼、中位の温度で使用する場合に耐熱鋼、高温で使用する場合に耐火材ライニングがそれぞれ適している。
図2に示すように、ロータリーキルン3の一端部3aには、汚染土壌Bが投入される投入口3dと、排ガスをロータリーキルン3外に排出するガス排出口3eとが配設されている。ロータリーキルン3の他端部3bには、バーナ22と、浄化した汚染土壌Bを排出する土壌排出口3fとが配設されている。ロータリーキルン3の一端部3a及び他端部3bには、ロータリーキルン3を回動自在に支持するドラムリング33,34が配設されている。図2、図3及び図4に示すように、ロータリーキルン3の中央部3cには、ロータリーキルン3全体を回転させるためのモータ可変速回転装置4の第2チェーン44fが噛合される駆動部32が配設されている。ロータリーキルン3は、図2及び図3に示すように、台車9上に設置されたカバー10によって覆われている。そのカバー10は、例えば、放熱性を備えたメッシュ状の冷延鋼板からなる。
図5に示すように、土壌排出口3fは、ロータリーキルン3の他端部3bに円周方向に長く形成された長孔からなり、ロータリーキルン3内に空気A(図1参照)を送る空気取り入れ口3gを兼用している。土壌排出口3fの周辺には、回転するロータリーキルン3の他端部3bに挿入されたバーナ22の筒部22aを支持する支持具35が配設されている。その支持具35は、鋼板からなり、溶接などによって台車9上に固定されている(図2参照)。
なお、前記空気取り入れ口3gからエジェクタシステム5の吸引力によって吸入される空気は、例えば、風速が15m/secで、風量が24.6m3/secである。
図6に示すように、スパイラル31は、帯状の耐熱鋼板を投入口3d側から土壌排出口3f側に向けて螺旋状に形成して、ロータリーキルン3の内壁に点溶接などによって固定されている。なお、スパイラル31は、例えば、高さが約90mmで、ピッチが約230mmである。
図3に示すように、ドラムリング33,34は、回転するロータリーキルン3を支持する環状部材からなり、ロータリーキルン3の一端部3aと他端部3bを支持している(図2参照)。ドラムリング33,34は、台車9の前後上に設置されたドラム受け91,92によってそれぞれ固定されている。
駆動部32は、ロータリーキルン3の中央部3cの全周に設置されたスプロケットからり、溶接手段によってロータリーキルン3に固着されている。その駆動部32には、モータ可変速回転装置4の第2チェーン44fが係合されると共に、その周囲には保護用のチェーンカバー36が設置されている。
このように構成された前記ロータリーキルン3の汚染土壌Bの処理量Vm3/hは、例えば、ロータリーキルン3内の空充率aを0.1、ロータリーキルン3の回転数nを420回/h、スパイラル31のピッチpを0.23m、ロータリーキルン3の直径Dを9000mmとすると、
V=a×n×p×π×D×D/4
で約6.1m3/hとなる。
次に、図3及び図4を参照して、モータ可変速回転装置4を説明する。
モータ可変速回転装置4は、例えば、ロータリーキルン3を3〜4段階あるいは無段階に変速回転させることができる装置であって、ロータリーキルン3の回転を細かく調整することができる。このモータ可変速回転装置4は、駆動源としてのモータ41と、このモータ41の回転を減速させる減速機42とから構成され、台車9に載設されている。
モータ41は、台車9に載設されたバッテリ(図示せず)または発電機(図示せず)を電源として駆動車41aを回転させる三相モータなどからなる。モータ41の上方には、モータ41をロータリーキルン3の熱から保護するための断熱材によって形成されたモータカバー45が設置されている。駆動車41aは、ベルト43bを回動させるための平ベルト車からなる。
減速機42は、モータ41の回転を減速させるため装置であり、モータ41の回転をチェーン伝動装置44に伝達させるためのベルト伝動装置43と、ベルト伝動装置43の回転をさらに減速させて駆動部32に伝達させるためのチェーン伝動装置44とから構成されている。この減速機42は、ロータリーキルン3の下部の台車9に載設されている。
ベルト伝動装置43は、モータ41の回転を減速してチェーン伝動装置44に伝達する装置である。このベルト伝動装置43は、一方を駆動車41aに巻き掛け、他方をベルト車43aに巻き掛けられたベルト43bを備えている。
チェーン伝動装置44は、ベルト車43aに連動する第1スプロケット44aと、この第1スプロケット44aに噛合する第1チェーン44bによって回転する第2スプロケット44cと、この第2スプロケット44cと同じ回動軸44eに設置されて同回転する第3スプロケット44dと、この第3スプロケット44dに噛合する第2チェーン44fによって回転するロータリーキルン3の駆動部32と、第2チェーン44fの張り具合を調整するための補助用スプロケット44gとから構成されている。
次に、図2及び図3を参照して台車を説明する。
台車9は、ロータリーキルン3、モータ可変速回転装置4、燃焼装置2及びカバー10を載設し、下面にキャスタ93を配設して載設した前記装置を移動し易くして作業性の向上を図ったものである。この台車9は、鋼鉄製の骨格と鋼板とを溶接手段によって組み立てて形成されている。
次に、図7を参照してエジェクタシステム5を説明する。
図7は、エジェクタシステムの構造を示す拡大概略図である。
エジェクタシステム5は、ロータリーキルン3と排ガス処理装置6(図2参照)との間の排気ダクト7に介在されて、圧送ブロア51からのジェット気流Dに巻き込み作用によって、ロータリーキルン3内の排ガスを吸入すると共に、その排ガスの流れを付勢させて排ガス処理装置6に送る装置である。このエジェクタシステム5は、大気中の空気を取り入れると共に吸入空気の音を消音するための吸入サイレンサ52と、この吸入サイレンサ52から吸入した空気をジェット気流Dに変換するための圧送ブロア51と、この圧送ブロア51によって発生した空気の音を消音するための吐出サイレンサ53と、排気ダクト7に接続されたT字型継手からなるエジェクタ54とから構成されている。エジェクタ54は、例えば、ステンレス鋼などの耐熱鋼によって形成されている。
なお、エジェクタシステム5による燃焼ガスの送量Aは、灯油の燃焼排ガス量K4を12.8Nm3/L、バーナ22の能力を1,750,000kcal/h、灯油の発生熱量K5を8,400kcal/Lとすると、
A=K4×Q/K5
で約44,200Nm3/hとなる。
次に、図2を参照して排ガス処理装置6を説明する。
排ガス処理装置6は、汚染土壌Bがロータリーキルン3内でバーナ22によって燃焼されて発生した排ガス中の燃焼灰などのダスト・塵埃を集塵して分離するための装置である。この排ガス処理装置6は、ロータリーキルン3から排気ダクト7を介して送られ排ガス中のダスト・塵埃を除塵する集塵器61と、この集塵器61によって分離されたダスト・塵埃を集めるダスト回収器62と、集塵器61を通過した排ガスを濾過するフィルタ63と、フィルタ63を通過した排ガスを大気中に送るための煙道64とから構成されている。
なお、この排ガス処理装置6の下流には、汚染物質の種類に応じて、更に第2次、第3次の排ガス処理装置(図示せず)を配設してもよい。
図2に示すように、排ガス処理装置6及びエジェクタシステム5は、同じ架台11上に載設され、一緒に輸送される。
集塵器61は、排気ダクト7から送られてきた排ガスを渦巻き状に下降させて、慣性的にダスト・塵埃を分離する装置であり、例えば、サイクロン式集塵器からなる。集塵器61は、バーナ22の燃焼温度が500℃で外気温度が30℃の場合に約260℃になるため、耐熱性のある鋼板やステンレス鋼などによって形成されている。なお、集塵器61は、サイクロン式集塵器に限定されるものではなく、例えば、電気集塵器、フィルタ、またはウォータスクラバーであってもよい。
フィルタ63は、耐熱鋼などから形成された金属フィルタなどからなる。なお、このフィルタ63は、なくてもよい。
次に、図2及び図8を参照して各機器を接続する排気ダクトを説明する。
図8は、汚染土壌浄化装置を分解して搬送するときの状態を示す説明図である。
図2に示すように、排気ダクト7は、高温の排ガスを各機器に送るための管であり、例えば鋼管またステレス鋼管からなる。ロータリーキルン3とエジェクタシステム5との間に設置された排気ダクト7は、ボルト・ナット(図示せず)によって接続され、このボルト・ナットを離脱することによって、ロータリーキルン3側の配管71と、エジェクタシステム5側の配管72とに分離することが可能なフランジ部71a,72aが形成されている。
汚染土壌浄化装置1は、ボルト・ナットを離脱してフランジ部71a,72aを分離することによって、図8に示すように、汚染土壌浄化装置1を台車9側と架台11側とに分離して、クレーン付きトラックやトレーラなどの輸送車12で搬送される。
また、エジェクタシステム5と集塵器61との間は、配管73と、エルボなどの継手76,77とによって接続されている。集塵器61とフィルタ63との間は、サイクロンの一部を構成する配管74と、リタンベントからなる継手78と、配管75と、エルボからなる継手79とによって接続されている。これらの継手76,77,78,79は、例えば、可鍛鋳鉄などから形成されている。
次に、各図を参照して本発明の実施の形態に係る汚染土壌浄化装置の設置方法及び作用を説明する。
まず、図8に示すように、汚染土壌浄化装置1のロータリーキルン3側と排ガス処理装置6側とを繋いでいるフランジ部71a,72aのボルト・ナット(図示せず)を外して分離し、汚染土壌浄化装置1を2つに分ける。これにより、汚染土壌浄化装置1は、ロータリーキルン3及び燃焼装置2を積載した台車9側と、エジェクタシステム5及び排ガス処理装置6を載置した架台11側とに分離することができるため、クレーン12aによって輸送車12の荷台12bに容易に載せて輸送することが可能となる。なお、汚染土壌供給装置8(図2参照)及び燃料タンク21(図2参照)などは、荷台12bの空いたスペースに載置する。
このように、汚染土壌浄化装置1は、輸送車12によって搬送できるため、汚染土壌Bがある目的地に容易にかつ低コストで運ぶことができる。このため、汚染土壌浄化装置1は、特に、汚染土壌Bがある汚染現場が点在していて、その汚染現場を移動して浄化作業を行うのに適しており、可搬性がよい。例えば、汚染土壌浄化装置1は、工場跡地内に点在する汚染現場の汚染土壌Bを浄化する場合や、各地の公園の砂場の砂を浄化する場合や、ゴルフ場内に点在するバンカの砂を浄化する場合などに適している。また、汚染土壌浄化装置1は、輸送するときに、2つに分解するだけでよく、各機器をバラバラに分解する必要がないため、分解作業が容易であり、分解作業の作業時間を短縮することができる。
汚染土壌Bを浄化する目的地に運ばれた汚染土壌浄化装置1は、図2に示すようにセッティングを行う。すなわち、汚染土壌浄化装置1は、フランジ部71a,72bをボルト・ナット(図示せず)で繋ぎ、ロータリーキルン3側の配管71とエジェクタシステム5側の配管72を連結する。その汚染土壌浄化装置1は、汚染土壌Bがある近隣に配置する。ベルトコンベヤ83は、一端を汚染土壌Bがある位置に配置し、他端を土壌ホッパ84上に配置する。これで、セットが完了する。
このように、汚染土壌浄化装置1は、現地で組み立てることができ、かつ分解される機器の数が少ないため、組み立て作業が容易であり、組み立て作業の作業時間を短縮することができる。
また、汚染土壌浄化装置1は、汚染土壌Bがある現地で浄化処理を行うことができるため、従来のように汚染土壌Bを汚染土壌浄化装置1がある場所に運搬して、浄化した処理土Cを元に場所に戻すという汚染土壌Bの運搬作業が不要となる。
次に、燃料タンク21を開け、バーナ22を点火して、汚染土壌浄化装置1を予熱させる。
バーナ22の火力や、ロータリーキルン3を回転させるモータ可変速回転装置4の回転速度は、汚染土壌Bに含有されている汚染物質によって、適宜に調整する。
以下、公園の砂場の砂(汚染土壌B)やゴルフ場のバンカの砂(汚染土壌B)を殺菌・浄化する場合を例にして説明する。
この場合、燃焼装置2は、1,457,000kcal/h程度の加熱能力があればよく、処理温度が約260℃、燃焼ガス量が約2,220Nm3/hでロータリーキルン3内の汚染土壌Bを加熱・燃焼させる。
図2に示すように、汚染土壌Bは、受け取りホッパ82に投入される。受け取りホッパ82内の汚染土壌Bは、受け取りホッパ82によって、定量の汚染土壌Bがベルトコンベヤ83上に落とされて、そのベルトコンベヤ83で土壌ホッパ84内に運ばれる。土壌ホッパ84からロータリーキルン3内には、処理量約6.0m3/hの汚染土壌Bが供給される。
図4に示すように、ロータローキルン3は、モータ41が回転すると、駆動車41a、ベルト43b、ベルト車43a、第1スプロケット44a、第1チェーン44b、第2スプロケット44c、回動軸44e、第3スプロケット44d、第2チェーン44fを介して駆動部32に減速して伝達されて、そのロータリーキルン3が約7rpmで低速回転する。ロータリーキルン3は、横置きの円筒形でなり、中央部3cに駆動部32が配置され、一端部3a及び他端部3bにドラムリング33,34が配置されて支えられているため、ガタつきなく静かに回転する。
ロータリーキルン3内の汚染土壌Bは、ロータリーキルン3が回転したことにより、図6に示すように内壁にあるスパイラル31によって、掻き混ぜられながら矢印Eの土壌排出口3f側に導かれる。これに対して、バーナ22から放された火炎は、汚染土壌Bが進む矢印E方向と反対の矢印F方向に向けて放出される。このため、汚染土壌Bは、回転するスパイラル31によって掻き混ぜられながらバーナ22の方向に進むことにより、有効的にバーナ22の火炎で直接かつ連続的に加熱・燃焼処理されるため、汚染土壌B全体が均一に燃焼される。したがって、汚染土壌B内の菌類や寄生虫類や寄生虫類の卵は、高温と火炎とによって死滅し焼却される。また、汚染土壌B内に含まれていた犬の糞や小枝や草や雑草の種などは、バーナ22の火炎で燃焼して、燃焼分解または加熱分離される。この燃焼によって発生した灰、汚染物質及び排ガスは、バーナ22の火炎の勢いと、空気取り入れ口3gから入った大気の気流と、エジェクタシステム5の吸引力によって、ガス排出口3eからロータリーキルン3外に排出される。
汚染土壌Bは、このようにして菌類や寄生虫類や寄生虫類の卵などが死滅・焼却され、犬の糞や草や小枝などの有機物が焼却されると共に、エジェクタシステム5の吸引力やバーナ22の火炎によってそれらの燃焼灰が燃焼分解されて排ガスと共に排出される。このため、汚染土壌Bは、汚染物質が除去されて再利用できる状態に浄化される。なお、ロータリーキルン3内の汚染土壌Bは、スパイラル31によって、土壌排出口3fに近づくにつれて、バーナ22の火炎に近くなり、高温に加熱・燃焼処理されて、乾燥された改良土壌となって土壌排出口3fから排出される。排出された汚染土壌B(処理土C)は、冷却され、図1に示すように成分を分析された上で再利用される。浄化され無害化された処理土Cは、再利用ができるため、従来行っていた汚染土壌Bを廃棄して新しい土壌に替えることが不用となる。
また、バーナ22の火炎が放される箇所の周囲は、高温に加熱されるが、支持具35によって覆われ、かつロータリーキルン3がメッシュ状のカバー10で覆われているため、熱に対する安全性が施されている。
前記ガス排出口3eから排出された排ガス、灰及び汚染物質などのダスト・塵埃は、排気ダクト7及びエジェクタ54を介して排ガス処理装置6に送られる。エジェクタシステム5を通過する排ガスは、エジェクタ54のみを通過して、直接圧送ブロア51内を通過しないため、その圧送ブロア51が高温の排ガスによって腐食や故障することがなく、点検・保守・整備が容易である。
排気ダクト7を介して集塵器61に送られた排ガス及びダスト・塵埃は、サイクロンによって排ガス中のダスト・塵埃がダスト回収器62側に分離されて浄化され、浄化された排ガスが配管74,75及び継手78を通過し、さらにフィルタ63で濾過されて煙道64から大気中に放出される。
このようにして汚染土壌浄化装置1は、汚染土壌Bを浄化すると共に、この浄化処理によって発生したダスト・塵埃を含み排ガスを排ガス処理装置6で浄化し、ダスト・塵埃を除去して大気中に放出するため、環境を害することがない。
また、汚染土壌浄化装置1は、汚染物質によって、燃焼装置2による処理温度やモータ可変速回転装置4によるロータリーキルン3の回転速度などの運転条件を調整することによって、各種の汚染物質によって汚染された汚染土壌Bを燃焼分解または加熱分離して浄化することができる。
なお、本発明に係る汚染土壌浄化装置は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
例えば、図2に示す排ガス処理装置6には、排ガスやダスト・塵埃の温度を低下させるための冷却装置を配設してもよい。また、大気中に排出される排ガスは、活性炭吸着や化学分解させて、無害化させて大気中に放出させるようにしてもよい。
図9は、スパイラルの変形例を示すロータリーキルンの要部拡大断面図である。
図9に示すように、スパイラル31(図6参照)は、多数の短冊状の扇型片37aを所定間隔で螺旋状に連続的に配設したスパイラル37であってもよい。なお、このスパイラル37は、例えば、幅が約90mmで、ピッチが約230mmで、5〜10mmの間隔で配設される。
スパイラル37は、このように短冊状に形成して間隔を空けて配設されることにより、その間隔がバーナ22の火炎の熱で膨張した熱膨張部の逃げとなるため、熱膨張によるスパイラル37の変形が防止される。このため、スパイラル37は、ロータリーキルン3に固定した溶接箇所が熱膨張によって分離されることが防止されて、しつかりと固定される。
本発明の実施の形態に係る汚染土壌浄化装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る汚染土壌浄化装置の概略正面図である。 図2の矢視X−X線方向の拡大側面図である。 モータ可変速回転装置を示す要部拡大正面図である。 ロータリーキルンの土壌排出口を示す要部拡大平面図である。 ロータリーキルン内におけるスパイラルの設置状態を示す要部拡大断面図である。 エジェクタシステムの構造を示す拡大概略図である。 汚染土壌浄化装置を分解して搬送するときの状態を示す説明図である。 スパイラルの変形例を示すロータリーキルンの要部拡大断面図である。
符号の説明
1 汚染土壌浄化装置
2 燃焼装置
3 ロータリーキルン
3a 一端部
3b 他端部
3d 投入口
3e ガス排出口
3f 土壌排出口
3g 空気取り入れ口
4 モータ可変速回転装置
5 エジェクタシステム
6 排ガス処理装置
7 排気ダクト
9 台車
11 架台
31,37 スパイラル
32 駆動部
33,34 ドラムリング
54 エジェクタ
61 集塵器
93 キャスタ
71a,72a フランジ部
B 汚染土壌

Claims (4)

  1. 燃料を燃焼装置によって燃焼して汚染土壌を浄化する汚染土壌浄化装置において、
    投入された前記汚染土壌中の汚染物質を燃焼分解または加熱分離させる前記燃焼装置を備えたロータリーキルンと、
    前記ロータリーキルンを回転させるためのモータ可変速回転装置と、
    前記ロータリーキルンから排出される排ガス中のダスト・塵埃を捕捉するための集塵器と、
    前記ロータリーキルン内の前記排ガスを前記集塵器に導く排気ダクトと、
    前記ロータリーキルンと前記集塵器との間に配設されたエジェクタシステムと、を備え、
    前記ロータリーキルン及び前記モータ可変速回転装置は、キャスタを有する台車に載設され、
    前記集塵器及び前記エジェクタシステムは、同じ架台に載設されると共に、
    前記ロータリーキルンと前記エジェクタシステムとの間に設置された前記排気ダクトは、分離することが可能なフランジ部を有することを特徴とする汚染土壌浄化装置。
  2. 前記ロータリーキルンは、一端部に、前記汚染土壌が投入される投入口と、前記ロータリーキルン内の排ガスが排出されるガス排出口とが配設され、
    他端部に、前記燃焼装置と、前記ロータリーキルン内の前記汚染土壌が排出される土壌排出口とが配設され、
    内部に、投入された前記汚染土壌を前記一端部から前記他端部側に移動させるためのスパイラルが配設されたことを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌浄化装置。
  3. 前記土壌排出口は、前記ロータリーキルン内に空気を送る空気取り入れ口を兼用していることを特徴とする請求項2に記載の汚染土壌浄化装置。
  4. 前記ロータリーキルンは、中央部に、前記モータ可変速回転装置を連結するための駆動部が配設され、
    一端部及び他端部に、前記ロータリーキルンを回動自在に支持するドラムリングが配設されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の汚染土壌浄化装置。
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