JP3902276B2 - 混成集積回路装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は混成集積回路装置に関し、特にフレキシブルシートを採用した多層基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に多層基板を採用している混成集積回路装置には、約1mm程度の厚さのガラスエポキシ基板等が貼り付けられたものがあり、例えば特願平2−201219号にその構造が説明されており、図5がその一例である。
まずガラスエポキシ基板40には、ゲートアレイ、マイコンおよびメモリチップ等の半導体素子が露出するように開口部42が形成され、この開口部の周辺およびガラスエポキシ基板40の周辺には、導電パッド48,50が設けられている。
【0003】
図面では省略したが、このガラスエポキシ基板40を貼り付ける基板があり、この基板に設けられた導電ランド(チップを固着するためのパッド)に前記半導体素子が固着されており、この開口部42から露出されている。従って、半導体素子の電極パッドと開口部42周辺の導電パッド50が金属細線にて電気的に接続されている。
【0004】
また前記ガラスエポキシ基板を貼り付ける基板は、そのサイズがガラスエポキシ基板よりも大きく形成され、このサイズの大きい基板の上に形成されたIC回路の一部から延在された導電パッドや半導体素子の電極パッドが、ガラスエポキシ基板40周辺に設けられた導電パッド48と金属細線を介して電気的に接続され、結局2枚の基板により所定の回路が達成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、金属基板やセラミツク基板に前記ガラスエポキシ基板を貼り合わせた場合、実装される雰囲気温度や基板に実装される半導体素子の発熱により、2枚の基板に反りが発生する問題があった。そのため、上層に形成されるガラスエポキシ基板を、歪みが吸収できるフレキシブルシートで代用する構成が考えられている。しかしフレキシブルシートも基板に接着剤を使って貼り合わせるため、高温雰囲気内で使用すると、フレキシブルシート自身にヒビが入り、フレキシブルシート上の配線が断線する問題があった。
【0006】
これは基板の上に何層もシートを貼り付けようとすれば、接着材を使うため更に前記問題が顕著化する。
更には、フレキシブルシートは基板に貼り合わされるため、フレキシブルシートの下層は、極薄い接着剤のみ介在している。つまりフレキシブルシートのある基板は、印刷抵抗のような極薄い素子であれば配置可能であるが、高さのある素子は、フレキシブルシートの下の基板に配置できない問題があった。
【0007】
またフレキシブルシートの下層は、接着剤が介在するため、ボンデイングツールによりワイヤボンドできない問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題に鑑みて成され、第1に、金属性基板に突出部を設け、この突出部に固定穴のあるフレキシブルシートを設けることで解決するものである。つまりフレキシブルシート全面に接着剤を塗らず、この突出体と固定穴を使って固定しているので、この部分以外はフリーになっている。従って高温雰囲気に晒されて膨張しても、お互いの熱膨張の差を直接受けないため、フレキシブルシートが破れたりする不具合は生じない。
【0009】
また金属基板の中でもAl、Cuは、非常に柔らかいためプレスにより簡単に突出部を形成できる。従って、突出部にフレキシブルシートの固定穴を配置し、フレキシブルシートから飛び出した突出部頭部をつぶせば、簡単に金属性基板とフレキシブルシートを固定できる。
また前述したように、突出体と固定穴だけで固定されるため、フレキシブルシートの上に更にフレキシブルシートを配置しても、夫々がフリーであるため、熱膨張の影響は殆ど受けない。
【0010】
更に、ステップ状の突出部によりフレキシブルシートをある高さをもって固定することができる。またフレキシブルシートのボンディング部には、この高さ分金属性基板に突出部を設ければ、ボンディング性も維持できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。図2は、下層の金属性基板10と上層のフレキシブルシート11を固定した時の平面図であり、図1は図2のA−A線における断面図である。
下層の金属性基板10は、例えばプレスが可能な金属でなり、その表面には、導電路12、導電パッド13、導電ランド14および外部リード用パッド15等が例えばCu等の金属材料により形成されている。ここで導電ランド14は、トランジスタ、パワーモストランジスタやダイオード等の半導体素子16を固着する部分であり、外部リード用パッド15は、基板10の少なくとも一側辺に複数個設けられ、例えば半田を介して外部リード17を固着する部分である。また導電路12は、印刷抵抗、チップ抵抗、チップコンデンサおよび半導体素子等の回路素子が電気的に接続されている。
【0012】
ここで金属性基板10は、具体的にはAlより成っている。またCuでも可能である。また一般にAl基板は、絶縁性や基板の美観(堅くすることで傷が付きにくくなる)から両面に陽極酸化が施され酸化アルミニウムが形成され、この表面には接着性を示す絶縁樹脂19を介して、ホットプレスにより前述したCuの導電路12等が被着されている。
【0013】
続いてフレキシブルシート11について説明する。このフレキシブルシートは、絶縁性を有する材料で成り、その表面には、導電路22、導電パッド23、導電ランド24が設けられ、導電ランド24には、金属性基板10に設ける必要のない、発熱が少ない小信号系の半導体素子26が半田や銀ペースト等を介して接続されている。また導電路22は、前述した回路素子が電気的に接続されている。
【0014】
本混成集積回路装置は、金属性基板の回路とフレキシブルシートの回路を接続することで目的とする回路が構成されている
本発明の特徴は、このフレキシブルシートを金属性基板に設ける際、従来用いられたような全面接着を用いないところにある。発明が解決しようとする課題の欄でも述べたように、金属性基板とフレキシブルシートが全面で接着されていると、両者の熱膨張係数の違いにより導電路の断線、ボンデイング部の剥がれ等色々な問題が発生する。
【0015】
そのため図1に示したように、基板10の裏面からプレスを行い、基板の実装面に突出部30,31を設けている。図2からも判るように、フレキシブルシート11は、横に長い矩形であるため、右と左に2こづつ固定穴32,33が設けられており、この固定穴32,33に挿入できるように突出部30,31が設けられている。
【0016】
ここで図1では、この突出部と固定穴により、フレキシブルシート11が金属性基板に配置できることを説明するため、わざと離間させて図示している。また図2は、金属性基板にフレキシブルシートが配置されているところを説明している。
この固定穴32,33に突出部30,31が挿入され、フレキシブルシートを固定するために、ここでは図3のように突出部30,31の頭部をポンチ100を使ってつぶしている。しかし突出部をつぶす代わりに接着剤を塗布して固定しても良いし、方法はいろいろと考えられる。
【0017】
つまり図2からも判るように、フレキシブルシート11は、4点で金属性基板の上に固定され、それ以外は、金属基板とフリーになっている。
ここで金属基板の熱膨張係数の方がフレキシブルシートよりも大きい場合、フレキシブルシートに張力が働くが、その場合は、フレキシブルシートを若干たわませておけばよい。つまり右と左の固定穴の離間距離よりも突出部の離間距離を狭くしておけば熱膨張係数により発生する応力は発生せず何ら問題ない。またフレキシブルシートの方が基板よりも熱膨張係数が大きい場合、フレキシブルシートが伸びてたわむだけであるのでこれも問題ない。
【0018】
またフレキシブルシートの上に更にフレキシブルシートを固定することも可能である。図4はこれを説明したもので、図2のフレキシブルシート11に更にフレキシブルシート40が固定されている。つまり突出部30,31に全く同じサイズのシートを配置しても良いし、一部重畳するように配置しても良い。重ねて配置してあるために、全体としての素子実装密度を高めることができる。また上層のシート40、下層のシート11、および金属性基板10は、突出部と固定穴のみで固定されているので、熱膨張係数により発生する前記問題は無い。
【0019】
図1に戻れば、フレキシブルシート11の下には、高さの無い印刷抵抗や配線が設けられている。つまりチップ抵抗、チップコンデンサまたは半導体チップ等の高さのある素子をフレキシブルシート11の下に配置した場合、シートがたわんでワイヤーボンディング性、チップのダイボンディング性に問題を発生する。これを解決するために、図3では突出部50,51を採用している。突出部50は、図1の突出部30,31の代わりに代用するもので、前記素子の高さ分だけステップを高く配置しているために、シートをある間隔だけおいて配置できる。またボンディングパッドのあるシートの下には、プレスによりこの高さの突出部51を設ければ、ボンディングツールは、ボンデイングパッドに所望の圧力を加えることができるために、ボンディング性を悪化させることもない。
【0020】
ここでフレキシブルシートは、基板配線とのショートを考え、その裏面は導電性手段が設けられていない方が好ましい。しかしフレキシブルシートの裏に絶縁シートを介在させれば、両面に導電手段が設けられていても良い。図2に於いてシート11と同じサイズの絶縁シートをシート11の下に介在させることで基板の導電手段との短絡は問題なくなる。またシートに固定穴が設けられていれば突出部に挿入できるため、簡単にシート11と金属性基板の間に設けることができる。
【0021】
最後に図面では省略したが、多層基板は、例えばケースに覆われて封止される。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、金属性基板に突出部を設け、この突出部に固定穴のあるフレキシブルシートを設けることで、フレキシブルシートの位置あわせができると共に、高温雰囲気に晒されて膨張しても、お互いの熱膨張の差を直接受けないため、フレキシブルシートが破れたりする不具合は生じない。
【0023】
また金属基板の中でもAl、Cuは、非常に柔らかいためプレスにより簡単に突出部を形成でき、しかも突出部を容易につぶすことができる。つまり別途スペーサを用いてネジ止めするような煩雑な工程を用いなくとも簡単にフレキシブルシートを固定できる。
また前述したように、突出体と固定穴だけで固定されるため、フレキシブルシートの上に更にフレキシブルシートを配置しても、夫々がフリーであるため、熱膨張の影響は殆ど受けない。従って複数枚のシートを固定でき、高密度の回路を実現できる。
【0024】
更に、ステップ状の突出部によりフレキシブルシートをある高さをもって固定することができ、フレキシブルシートの下に高さのある素子を固着できる。しかもフレキシブルシートのボンディング部には、この高さ分金属性基板に突出部を設ければ、ボンディング性も維持でき、金属性基板とフレキシブルシート、フレキシブルシートとこの上に配置されるフレキシブルシートの電気的接続が非常に信頼性良く実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明する混成集積回路装置の断面図である。
【図2】図1のフレキシブルシートを配置した際の平面図である。
【図3】他の実施の形態を説明する断面図である。
【図4】他の実施の形態を説明する平面図である。
【図5】従来の混成集積回路装置を説明する平面図である。
【符号の説明】
10 金属性基板
11 フレキシブルシート
12,22 導電路
13,23 導電パッド
14,24 導電ランド
16,26 半導体素子
30,31 突出部
32,33 固定穴
Claims (1)
- 表面が絶縁性を有する金属性基板と、前記金属性基板に被着された第1の導電路と、前記金属性基板に実装され、前記第1の導電路と電気的に接続された第1の回路素子と、前記金属性基板に配置されたフレキシブルシートと、前記フレキシブルシートに被着された第2の導電路と、前記フレキシブルシートに実装され、前記第2の導電路と電気的に接続された第2の回路素子とを有する混成集積回路装置において、
前記フレキシブルシートの両端は第1の固定穴および第2の固定穴を有し、前記金属性基板は前記第1の固定穴および第2の固定穴に対応した位置にステップ状の第1の突出部および第2の突出部を有し、前記フレキシブルシートは、前記第1の固定穴および第2の固定穴に前記第1の突出部および第2の突出部が挿入されて固定され、前記フレキシブルシートに被着されたワイヤボンディング部の下方は、第3の突出部が設けられることを特徴とした混成集積回路装置。
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JPH1098241A JPH1098241A (ja) | 1998-04-14 |
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1996
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