JP3901370B2 - 水中微量有害有機化合物の分解処理装置及び方法 - Google Patents

水中微量有害有機化合物の分解処理装置及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中で利用するウォータージェット技術に係わり、特に水中に微量含有する有機系有害物の分解処理技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
暮らしを取り巻く水環境系が有機塩素系化合物質の汚染におびやかされている。一つはダイオキシンの問題である。ゴミ焼却炉から排出される焼却灰にはダイオキシンが濃縮している。この焼却灰の管理が不徹底であると、雨水により灰からダイオキシンが溶出し、土壌にしみ出して地下水の径路をたどったり、あるいは地表を流下したりして、近隣の中小の河川、池あるいは沼に流れ込んでいる。
【0003】
産業廃棄物の処分工程も、環境対策としての管理が不徹底であるケースが少なくない。野焼きの灰から溶出した有害成分が農業用のため池に流入することもある。農業用のため池の水は、水田や畑地へと使われ、連鎖的に生物の体内に入ることで、問題は深刻である。
【0004】
半導体の電子部品やジェットエンジン等を扱ういわゆる「ハイテク」工場において、洗浄用に使われるトリクロロエタン等の薬品の流出も問題である。この他、生活環境中にかなり拡散してしまっているが、内分泌障害物質(いわゆる環境ホルモン)も、水域を汚染している。大都市域の河川では、ノニルフェノール等が高濃度で検出される問題が露呈しており、ダイオキシンよりも問題はかえって深刻な可能性もある。
【0005】
このような水系の汚染については、その発生源に対する規制の強化が進んでいる。例えば、最新鋭のゴミ焼却炉では、触媒バグフィルターや燃焼ガス・排ガス温度の徹底管理が行われている。しかしながら、既設老朽炉や中小炉等ではコストの面から対策が不十分のままで、水系の汚染は続いているとみなせる。
【0006】
このような水環境系の汚染に対して、様々な手法が提案されているが、広い水域に低濃度で拡散した有害物質を処理する方法には、現時点で決定的に有効な技術が無いのが実情かと思われる。
【0007】
超臨界流体法や超音波法、あるいは触媒を用いる方法で有害物質を分解できるが、大量の汚染水の処理には向かない。ある種の薬剤を用いる方法には、二次汚染のおそれがある。
【0008】
キャビテーションを用いると、その気泡が破裂する際に生じる高温・高圧場の酸化作用及び熱分解作用によって有害物質を分解できるが、本発明はこのキャビテーションを活用する技術であるので、次にこのキャビテーション利用の先行技術における課題について説明する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図11及び図12には、従来から提案されている超音波法を示すが、この超音波法により発生するキャビテーションによっても有害物質を分解あるいは破細することが可能である。ここで、1は反応容器、2は処理液供給、3は処理液排出、4は超音波加振装置、5はキャビテーション、6は超音波振動、7はホーン型加振部材、をそれぞれ表す。しかし、キャビテーション5の発生領域が振動部材のごく近傍に限られること、言い換えれば、これら超音波法はエネルギーを高密度で局部に集中させる手法であるため、大量の汚染物質の処理には向かない。振動子の先端に発生するキャビテーション5には、周囲液をかく拌したり混合したりする作用は無い。当該汚染水を、キャビテーション5による反応部に流通させるためには、処理液供給2のためのポンプが必要になる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
【0011】
有害有機化合物を含む原水を採取して貯水槽に貯え、
前記貯水槽内の原水にエアレーションによって気体を微細気泡状にして吹き込んで前記原水中にキャビテーションの気泡核を強制的に供給し、
前記気泡核の分散した原水を高圧ポンプに送給して加圧し、
前記加圧された原水を反応器の入口に設けたノズルへ送給し、
前記ノズルの噴出孔の出口に、下流にいくほど拡がる拡大空洞部を設け、
前記ノズルから原水を前記反応器内部へ高圧で噴射し、
前記反応器内の水中水噴流のキャビテーションの作用で有害有機化合物を分解して無害化する水中微量有害有機化合物の分解処理装置。
【0012】
有害有機化合物を含む原水を採取し、採取した原水を高圧ポンプに送給して加圧し、加圧された原水を反応器の入口に設けたノズルへ送給し、前記ノズルから原水を前記反応器内部へ高圧で噴射し、前記反応器内に水中水噴流を衝突させるターゲットプレート(衝突板)を設け、前記ターゲットプレートの設置位置を、水中水噴流の軸方向に発生する衝撃分布の第1番目のピーク(第1ピーク)または第2番目のピーク(第2ピーク)に相当する領域内で選定し、前記反応器内の水中水噴流のキャビテーションの作用で有害有機化合物を分解して無害化する水中微量有害有機化合物の分解処理装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る水中微量有害有機化合物の分解処理装置及び方法について、図面を用いて以下説明する。図13は、本発明の実施形態であって、汚染原水中に原水の高速噴流を吹き込む方式による分解処理装置の全体系統を示すものである。ここで、8は浄化対象区域、9はノズル、10はキャビテーションを伴う水中水噴流、11はプランジャポンプ、12は高圧ホース、13は汲み上げライン、14は循環ポンプ、15は貯水槽、16は高圧水、20は三方切替弁、21は戻しライン、をそれぞれ表す。浄化対象汚染水域8中にノズル9を沈め、キャビテーションを伴う水中水噴流10を、浄化対象汚染水域8中に噴射するものである。この方法によって、広い水域の汚染を処理するためには、ノズル9あるいは採取位置を広範囲に移動させる必要がある。
【0014】
図1は、本発明の他の実施形態であり、水中微量有害有機化合物の分解処理装置の全体的な系統を示すものである。ここで、22は管形反応器、23は戻しライン、24はバルブ、25は異物除去フィルタ、をそれぞれ表し、その他の構成要素は図13のものと共通する。有害な有機化合物で汚染された浄化対象水域8から、循環ポンプにより原水が汲み上げられ、貯水槽15に入る。異物が入り込まないように、循環ポンプの前には、異物除去フィルタ25を介設させている。
【0015】
貯水槽15内の原水は、プランジャポンプ11に入り、後述する所定の圧力まで昇圧され高圧水16となり、高圧ホース12を通じて、管形反応器22の上流端に取り付くノズル9から、管形反応器22の内部に吹き込まれる。有害物を含む原水は、ノズル9かる吹き出して高速噴流となるが、管形反応器22の内部は、処理済の水で充満しているため、この高速噴流は、激しいキャビテーションを伴う水中噴流10となる。
【0016】
有害物質は、この激しいキャビテーションの作用により分解する。このようにしてウォータージェット法で処理した水は、管形反応器22からオーバーフローするようにして、浄化対象水域8へと戻される。浄化対象水域へ戻す際には、ポンプにより強制送給してもよい。この実施形態において、処理量が約20×103kg/日の場合、管形反応器22の内径は160mm及びその長さは1.5×103mmである。
【0017】
図2も本発明の更に他の実施形態の全体系統を示すものである。基本的には、図1の実施形態と同様であるが、管形反応器22からオーバーフローする処理途中の原水を、戻しライン23を通じて貯水槽26へ一度貯え、循環ポンプ27により原水のフィードタンクである貯水槽15へ戻す方式である。要するにこの実施形態は、繰り返して管形反応器22内に原水を通過させ、激しいキャビテーションに何度もさらして、分解率を高めようとするいわゆる循環方式である。この方法は、比較的難分解性物質の分解処理に適している。
【0018】
図3は、管形反応器22内において、キャビテーションを伴う水中水噴流10を衝突板であるターゲットに衝突させる実施形態を描いたものである。このターゲット31は、管形反応器22の後尾端からコントロールロッド32により支えられている。コントロールロッド32は、ターゲット31の位置決めをするためにも用いる。このように、噴流10をターゲット31に衝突させると、衝突の衝撃がトリガとなって水中に無数に浮遊する未発達の気泡核がいっせいに励起され、キャビテーションが促進され、有害物質の分解が進む。
【0019】
キャビテーションを伴う水中水噴流10の軸方向に対し、衝撃圧を測定すると、図3の下方に挿入したように、2つのピークを有する分布があらわれる。図3は、ノズルに近い「第1ピーク」に相当する位置にターゲット31を設置した例である。Xsはスタンドオフ距離を表す。このように第1ピークで衝突させると、衝突の威力が激しくキャビテーションが著しく促進されるものの、ターゲット31がエロージョンを起こし掘孔された状態になり易いので、ターゲット31を消耗品として取り扱い、性能低下が生じる前に交換する必要がある。
【0020】
図4は、下流の「第2ピーク」に相当する領域に、ターゲット31を設けた実施形態である。「第2ピーク」を用いる場合、ターゲット31のエローションは生じにくく、特殊な超硬質材を用いる必要は無く、通常のステンレス鋼で十分である。
【0021】
図5は、噴流を作り出すノズルの一例であり、その構造を縦方向断面図として描いたものである。高圧水16は、高圧水供給流路17を通して供給され、径小の噴出孔18において急減圧加速され、噴出孔18の先端に取り付くドーム状の拡大空洞部19の中に噴射され、キャビテーションを伴う水中高速水噴流となる。この拡大空洞部19の内部では、噴流の周囲に強いせん断渦が作り出されるため、キャビテーションが促進されるようになる。
【0022】
図6は、別の実施形態になるノズルである。高圧水16は、高圧水供給流路17を通して供給されるが、径小の噴出孔18の入口部が、上流側すなわち高圧水供給流路17の内部(上流側)へと突き出す突起体20になっている。この突起体20によって噴出孔18の内部には強い縮流が作り出されるので、噴出孔18から吹き出される噴流には激しいキャビテーションが生じる。噴出孔18の出口端には、円錐形の拡大空洞部19’を設けているが、このノズルの空洞体は、図5のノズルの空洞体に比べると容積は小さい。この拡大空洞部19’は、大きな「座ぐり」のようなものであり、噴出孔18の出口端が、キャビテーションによってただれるように壊食し性能が低下するの防ぐ目的で設けている。
【0023】
図8には、本発明の実施形態におけるウォータージェットの噴射条件をまとめて示す。プランジャポンプにおける加圧により、ノズルの噴射圧力Pjが650kgf/cm2(65MPa)になるようにする。ノズル口径Djが1mmの場合、ノズルからの噴出水量Qwは約12.5L/minである。この噴出水量Qwは、ノズルの形状により少しずつ異なる。例えば、図6ノズルでは、図5のノズルに比べて、同じ噴射圧力とした場合、およそ4%ほど噴射水量が少ない。
【0024】
ターゲットは、第2ピーク相当のスタンドオフ距離Xs=100mmの位置に設けた。この第2ピーク相当のスタンドオフ距離Xsは、ノズルの構造、噴射圧力Pj及びノズル口径Dj等により決まる。このように噴射条件によって決まるのは、第1ピーク相当のスタンドオフ距離の場合も同様である。
【0025】
処理対象の原水は、夏期の直射日光下で、水面に近い位置から汲み上げたこともあり、約30°Cであった。この水温は、キャビテーションの生成にとって、特に不利にならない。後述するエアレーション用(気泡核供給のために実施)の空気吹き込み量は、18L/minである。
【0026】
次に、本発明の実施形態に係る分解処理方法における機能並びに作用効果について説明する。
【0027】
図13に示す実施形態においても、噴流をターゲットプレートに衝突させて、分解率を高めることができる。この方式によると、衝突噴流は放射状に広がり、広い浄化対象水域8中に拡散してしまう。しかし、図1に示す実施形態によれば、ターゲット31に衝突した噴流も全量が管形反応器22内を通過するため、繰り返して反応をおこなわせる場合に効率が高い。従って、図1の手法で処理をすれば、最初の水域に戻すことなく系外へ搬出することも容易になる。
【0028】
図9は、同一の使用電力で比較したケースであって、本発明の実施形態と超音波法になる従来技術(図11)を処理水に対して比較したものである。縦軸の流量Qは、従来技術(超音波法)における処理水量Q*で割ることにより無次元化した。本発明になるウォータージェット法の場合、3倍以上に処理水を増やすことができたことが分かる。
【0029】
図10は、有害有機物の分解割合を、水域内にウォータージェットを直接吹き込む図13の実施形態と管形反応管に吹き込む図1の実施形態とを比較したものである。所定の時間をかけて処理した後の当該水域中の有機物の濃度Cで比較しているが、縦軸のCは、図13の技術において処理した後の濃度C*で割ることによって相対値として表した。図1の実施形態によって、大幅に有害有機物の濃度を低減できたことが分かる。これは、図1の手法が確実に反応管内を通す手法であるので、効率よく分解が進んだためである。この実施形態における有害物質は、内分泌かく乱物質(いわゆる環境ホルモン)として知られるフタル酸ジブチルであって、河川等環境中に拡散する前に水中に溶解した原水(初期濃度C=約8ppm)を供した。これは反応管内を4回ほど通過させた実績である。以上により、図1の実施形態を実施することの優位性が実証された。
【0030】
また、図7には本発明の他の実施形態を示す。ここで、28はエアポンプ、29はエアノズル、30は気泡群、をそれぞれ表す。基本的には、図1に示した構成と同じであるが、フィード水を貯える貯水槽15にエアレーションを行う点に特徴がある。貯水槽15の底部に多型のエアノズル29を沈め、エアポンプ28からホースで空気を供給する。このエアノズル29では微細な気泡群が発生し、貯水槽内に拡散する。図1に示した構成に準拠してさらに図7を説明すると、浄化対象水域8の汚染水は、汲み上げライン13と異物除去フィルタ25を通じて循環ポンプ14によって汲み上げられ、貯水槽15内に一度貯えられる。この貯水槽15内には、エアノズル29が底部に置かれていて、当該汚染水中にエアポンプ28から空気が供給される。空気は細かな気泡となり、貯水槽15内の汚染水中に分散し、その一部あるいはかなりの部分がキャビテーションの気泡核となる。気泡核が分散した水は、プランジャポンプ11によって加圧され、高圧水16として高圧ホース12中を送給される。次に、ノズルを通じて管形反応器22内にキャビテーションを伴う水中水噴流10として吹き込まれる。このような気泡核の存在のために、無対策の場合に比べてキャビテーションはかなり活発になる。この激しいキャビテーションの作用によって、汚染物質は分解されて消滅する。以上のようにして、処理の終了した水は、戻しライン23を通じて元の浄化対象水域8に戻る。
【0031】
エアレーションには、(1)酸化作用、(2)混合攪拌作用、(3)キャビテーションの気泡核(Nuclei)の供給、の3つの作用がある。処理対象の水中に溶存酸素が少ない場合、分解の効果がやや低下するが、(1)はそれを補うものである。処理対象水域中に含まれる有害物質の濃度は、水中に均一であるとは限らない。汲み上げ位置を変えることによって、様々な濃度の汚染水を取り扱うが、上記(2)の作用はこの濃度を均一にして、分解率を安定化させるものである。
【0032】
上記(3)のキャビテーションの気泡核の供給作用が、本発明においては最も重要である。水中の溶解空気量が少ないと、酸化作用が乏しくなるばかりでなく、気泡核も少なくなるということである。エアレーションによって供給される空気の大半は、上記(3)の作用を有するのみで、浮上して水面から放出されてしまうが、残りの空気は汚水中に溶解し、キャビテーションの気泡核となる。気泡核が増えるとキャビテーションの威力が格段に高まり、水中の有害物質を分解する能力が高まる。
【0033】
以上説明したように、本発明の実施形態は、次のような構成と機能並びに作用を奏するものを含むものである。
【0034】
処理対象水を循環ポンプで汲み上げてフィードタンクへ入れ、ここで空気泡等の吹き込み(エアレーション)を行い、タンク内の処理対象水を攪拌して含有物濃度の均一化を図ると同時に、気体含有割合を高め、キャビテーションの気泡核(Nuclei)を十分に供給する。フィードタンク内の処理対象水をプランジャポンプへ供給し、400〜800kgf/cm2(40〜80MPa)まで昇圧し、ストレートで長尺の反応管内の端部に設けたノズルから、噴流を反応管内に吹き出す、あるいは処理対象水中に直接吹き込む。
【0035】
反応管内は、噴流として吹き出した処理済の水で充満しているので、ノズルから吹き出す高速噴流は、激しいキャビテーションを伴う水中水噴流となる。この激しいキャビテーションの作用によって、水中に含まれる有害な有機塩素化合物等は無害な物質へと分解する。例えばダイオキシン類は分解する。また、湖沼池の過富化対策であれば、アオコ(緑藻類)等のプランクトンは、破細されて死滅する。処理済水は、反応管の出口において、ノズルとは反対側に設けたオーバーフロー管を通じて、元の処理水域へと戻す。この際に、戻す位置は、同じ水域であっても汲み上げた位置からはずらすようにする。
【0036】
このような手法はOnce−through(ワンス・スルー)方式であるが、難分解性の物質の場合には、循環式のサーキットにすることも可能であり、反応管であるチューブの中を何度も繰り返して通し、化学反応分解に要する時間を長くとるようにする。
【0037】
汚染物質を含む原水(処理対象水)は、貯水槽に一度貯えられる。ここでエアレーションによって空気泡が吹き込まれ、この汚染水はキャビテーションの気泡核を十分に含有するようになる。この水は、プランジャポンプで所定の圧力まで昇圧され、高圧ホースを通じて、管型反応器に取り付くノズル部へと送給され原水中に直接吹き込まれるか、あるいは管型反応器内で水中高速水噴流として吹き込まれる。
【0038】
管型反応器内は分解処理済みあるいは分解処理途中の水で充満するので、管型反応器内に吹き込まれた噴流は、水中高速水噴流となる。この水中高速水噴流には激しいキャビテーションが発生し、キャビテーション気泡の圧壊時に生じる、(1)衝撃圧の作用、(2)熱分解作用、(3)酸化作用、によって、有害物質が分解されたり、あるいは破細されたりする。ダイオキシン類は、主として上記3つの作用のうち、(2)と(3)の作用によって分解する。一方水中の病原性菌類は、主として(1)と(2)の作用によって死滅する。
【0039】
【発明の効果】
本発明を具体化することによって得られる効果は、以下のように纏められる。
【0040】
(1)従来からある他の方式と比較すると、消費動力(エネルギー)が少なくて済む。全体的に、処理コストを抑えて、処理効率を高めることができる。
【0041】
(2)オゾン、過酸化水素、凝集剤、PH調整剤あるいは添加剤といった薬剤を一切使用しない。従って、低コストであるだけでなく、水域の2次汚染を起こすおそれは全くない。
【0042】
(3)比較的重量物であるのはプランジャポンプのみであって、コンパクトな「キット」として全体を装備すれば、可搬型とすることができるので、水域に汚染問題の生じているフィールドへ持ち出して処理することが可能である。
【0043】
(4)難分解性の化学物質でも繰り返して反応管内を流通させることが可能であり、汚染水域の水の中で、汲み上げた水の中の有害物を確実に分解することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の他の実施形態に係る水中微量有害有機化合物の分解処理装置であって、管形反応器を用いた全体系統を示す図である。
【図2】本発明の更に他の実施形態であって、水中微量有害有機化合物の分解処理装置であって、管形反応器を用いた全体系統を示す図である。
【図3】本発明の分解処理法の詳細を示すものであり、水中ウォータージェットをターゲットに衝突させる方法の一例を示す図である。
【図4】本発明の分解処理法の詳細を示すものであり、水中ウォータージェットをターゲットに衝突させる方法の他の例を示す図である。
【図5】本発明で利用するウォータージェット用ノズルの構成例を示す図である。
【図6】本発明において利用するウォータージェット用ノズルの他の構成例を示す図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【図8】本実施形態に係るウォータージェットの噴射条件を示す図である。
【図9】本発明を適用した場合の実績を示すものであって、本発明の効果を具体的に実証した図である。
【図10】本発明を図1と図13の実施形態を適用した場合の実績を示すものであって、有害有機物の濃度を示す図である。
【図11】従来技術における分解処理装置の全体系統を示す図である。
【図12】他の従来技術における分解処理装置の全体系統を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る水中微量有害有機化合物の分解処理装置を用いた全体系統を示す図である。
【符号の説明】
8 浄化対象区域
9 ノズル
10 キャビテーションを伴う水中水噴流
11 プランジャポンプ
12 高圧ホース
13 汲み上げライン
14 循環ポンプ
15 貯水槽
16 高圧水
20 三方切替弁
21 戻しライン
22 管形反応器
23 戻しライン
24 バルブ
25 異物除去フィルタ

Claims (5)

  1. 有害有機化合物を含む原水を採取して貯水槽に貯え、
    前記貯水槽内の原水にエアレーションによって気体を微細気泡状にして吹き込んで前記原水中にキャビテーションの気泡核を強制的に供給し、
    前記気泡核の分散した原水を高圧ポンプに送給して加圧し、
    前記加圧された原水を反応器の入口に設けたノズルへ送給し、
    前記ノズルの噴出孔の出口に、下流にいくほど拡がる拡大空洞部を設け、
    前記ノズルから原水を前記反応器内部へ高圧で噴射し、
    前記反応器内の水中水噴流のキャビテーションの作用で有害有機化合物を分解して無害化する
    ことを特徴とする水中微量有害有機化合物の分解処理装置。
  2. 有害有機化合物を含む原水を採取し、採取した原水を高圧ポンプに送給して加圧し、加圧された原水を反応器の入口に設けたノズルへ送給し、前記ノズルから原水を前記反応器内部へ高圧で噴射し、前記反応器内に水中水噴流を衝突させるターゲットプレート(衝突板)を設け、前記ターゲットプレートの設置位置を、水中水噴流の軸方向に発生する衝撃分布の第1番目のピーク(第1ピーク)に相当する領域内で選定し、前記反応器内の水中水噴流のキャビテーションの作用で有害有機化合物を分解して無害化する
    ことを特徴とする水中微量有害有機化合物の分解処理装置。
  3. 有害有機化合物を含む原水を採取し、採取した原水を高圧ポンプに送給して加圧し、加圧された原水を反応器の入口に設けたノズルへ送給し、前記ノズルから原水を前記反応器内部へ高圧で噴射し、前記原水中又は前記反応器内に、水中水噴流を衝突させるターゲットプレート(衝突板)を設け、前記ターゲットプレートの設置位置を、水中水噴流の軸方向に発生する衝撃分布の第2番目のピーク(第2ピーク)に相当する領域内で選定し、
    前記反応器内の水中水噴流のキャビテーションの作用で有害有機化合物を分解して無害化する
    ことを特徴とする水中微量有害有機化合物の分解処理装置。
  4. 請求項1、2または3において、
    前記反応器から排出された処理済み水を、採取地点とは異なる箇所へ戻すことを特徴とする水中微量有害有機化合物の分解処理装置。
  5. 請求項1、2または3において、
    前記反応器から排出された処理対象水を前記採取した原水に循環させて、前記反応器内を水中水噴流として繰り返し噴射する
    ことを特徴とする水中微量有害有機化合物の分解処理装置。
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