JP3901199B2 - Sem式回路パターン検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は,静電レンズに電磁レンズを重畳させた磁界重畳型電子銃に関するものであり,磁界重畳型電子銃の小型化,かつ安定動作の構造に関する。
静電レンズの電界と電磁レンズの磁界を重畳させた磁界重畳型電子銃は,静電レンズのみにより構成される静電型電子銃と比較し,収差係数が小さく,短焦点化が可能などの特徴を持つ。磁界重畳型電子銃の従来例を以下に示す。
Optik 57 , NO.3 (1980) p401に記載されている電子銃の構成図を図5に示す。電子銃は電子銃ヘッド部1,接地されたアノード電極2,真空容器3で構成されている。ここで電子銃ヘッド部1はタングステンチップで形成された電子源4と電磁レンズ部6,支柱25で構成されており,高電圧が印加された電子源4及び電磁レンズ部6が支柱25に釣り下がる構造になっている。また,電磁レンズ部6はコイル7,磁極23で構成されており,磁極23の一部は引き出し電極5を兼ねた構造になっている。 電子銃の機械的軸調整は,電子銃ヘッド部1が上記構造となっているため,支柱25を動かすことにより,電子源4及び電磁レンズ部6をアノード電極2に対して相対的に動かして行われる。また,電磁レンズ部6に対する電子源4の軸調整は機械的な組み立て精度で決まる。Optik 57 , NO.3 (1980) p401に記載されている電子銃の電子銃ヘッド部1近傍の構成と軸上電位分布,軸上磁界分布及び電子ビーム8軌道の模式図を図6に示す。電子源4に所望の加速電圧 -V0を印加し,引き出し電極5及び磁極23に電圧 -V0+V1を印加することにより,電子源4の先端から電子ビーム8が放出される。引き出し電極5及び磁極23は磁性体で構成されており,コイル7に電流を流すことにより軸上に磁界を発生させる。そして,電子源4より放出された電子ビーム8は軸上に発生した磁界により収束される。
特開平2−297852に記載されている電子銃を図7に示す。電子銃は電子銃ヘッド部1,電磁レンズ部6,アノード電極2で構成されている。ここで,電子銃ヘッド部1は電子源4,サプレッサ電極9,支柱25により構成されており,電子源4とサプレッサ電極9が支柱25に釣り下がる構造となっている。電磁レンズ部6はコイル7,磁極a10,磁極b11,磁極c12,非磁性金属13,碍子24で構成されており,非磁性金属13はコイル7より発生した磁界の影響で,磁極a10,磁極b11間に引力が働く際,磁極の変形を防ぐために置かれている。また,磁極b11,磁極c12間は碍子24で隔てられており,磁極c12は引き出し電圧が印加され,引き出し電極5としての役割を果たしている。電子銃の機械的軸調整は,電子銃ヘッド部1が上記構造をとっているため,支柱25を動かすことにより,電子源4及びサップレッサ電極9が磁極c12に対して相対的に動かして行われる。特開平2−297852に記載されている電子銃の電子源4近傍の構成,及び軸上電位分布,軸上磁界分布と電子ビーム8の軌道の模式図を図8に示す。電子源4に加速電圧V0を印加し磁極c12に引き出し電圧-V0+V1を印加することにより,電子源4の先端から電子ビーム8が放出される。コイル7に電流を流すことにより引き出し電極5兼磁極c12と磁極a10の間に収束磁界を発生させる。この電子銃は,電磁レンズ部6により形成される軸上磁界分布が最大となる位置より下方に電子源4先端を配置する構造を特徴としている。
特開平5−211848では,静電レンズにおける収差が最も顕著になる位置に,電磁レンズにより形成される磁束密度分布が最大となる位置を重畳する構造,及び重畳するよう電磁レンズの位置を制御する技術が開示されている。
特開平10−188868では,引き出し電極とアノード電極の間の減速電界に磁界を重畳させる構造を開示している。
特開平7−192674では,イオンポンプの磁石により形成される磁界を用いた磁界重畳型電子銃が開示されている。
特開平2−297852号公報
磁界重畳型電子銃において低収差化及び短焦点化は,電子源近傍に磁極を配置し,その形状を小型化すること,さらに電磁レンズの励磁を大きくすることで達成される。また,電子銃の機械的軸調整機構は,電磁レンズの中心に対して電子源の軸を合わせる調整機構が必要である。
Optik 57 , NO.3 (1980) p401に示された電子銃のように,電磁レンズ部6を高電圧が印加された電子源4と一体化させた場合,真空容器3内を超高真空に保つためにはコイル7を密閉する必要がある。また,コイル7の発熱が電子源4近傍の局所的な真空度の劣化を招き,電子源4の電子放出特性の不安定化,放電などの問題を引き起こす可能性がある。電子銃の機械的軸調整機構については,電子銃ヘッド部1が一体となっているため,アノード電極2に対する電子銃ヘッド部1の軸調整のみが可能となる。電磁レンズに対する電子源4の軸調整は機械的な組み立て精度のみで決定されることになる。
一方,特開平2−297852に示された電子銃のように,磁極と電子源4を分離させた場合,高電圧印加された電子銃ヘッド部1と接地された磁極a10との耐電圧を保証するため,磁極a10の内径を十分大きくしなければならない。
また,この電子銃では電磁レンズが作り出す軸上磁界の最大となる位置より下方に電子源4を配置することを特徴としていることから,所望の焦点距離を得るためには,コイル7を約10000[AT]もの励磁で使用する必要があり,コイル7の大型化は避けられない。また,冷却水を流すスペースを必要とすることから電子銃自体が大きなものとなってしまう。電子銃の機械的軸調整の機構は,電子銃ヘッド部1が前記で示した構造をとるため,引き出し電極5を兼ねた磁極c12に対して電子銃ヘッド部1を相対的に移動させる機構となる。この軸調整機構では,電子源4と引き出し電極5間で高い電界強度が発生しているため,放電の危険性は免れない。
これらの理由から,従来の技術による磁界重畳型電子銃では,電子源近傍の真空度劣化による電子放出の不安定及び放電の危険性,軸調整時の放電の危険性などの安定性に関する問題と,電子銃の大型化という問題が発生する。
本発明の課題は,磁界重畳型電子銃において小型かつ安定に動作する,磁界重畳型電子銃を実現することである。
本発明では上記課題を解決するために,電磁レンズを形成する磁極を複数に分割し,固定磁極と電子銃軸調整で動かすことが可能な可動磁極とに分割した。そして,固定磁極を接地電位とし,可動磁極を高電圧が印加された引き出し電極と,もしくは電子源と一体化し,可動磁極を小型化できるようにした。電子銃ヘッド部では,電子源に対して引き出し電極と可動磁極が一体となって相対的に移動させる調整機構を設けた。そして,電子銃ヘッド部が水平移動,もしくは傾斜のうち少なくとも1種類の移動する機構を設けることにより,高電圧が印加された電子源,引き出し電極,可動磁極が下磁極に対して相対的に水平移動,傾斜する構造にした。また,コイルを脱着可能の構造にし,電子銃ベーキング時にコイルが外せるようにし,電磁レンズを形成する固定磁極と下磁極の間を非磁性金属で充填した。
さらに,電子銃ヘッド部に内部ヒータを設けることにより,ベーキング時に電子源近傍の温度が十分上がるようにした。
以上に述べたように,本発明によれば静電レンズの電界と電磁レンズの磁界を重畳させた電子銃を小型かつ安定に動作させることが可能となる。
(実施例1)
本発明の第1の実施例を図を用いて説明する。 図1は本発明の実施形態における電子銃全体構成を説明するための断面図,図2はその平面図である。図は電子銃ヘッド部1,脱着可能コイル部26,固定磁極15,下磁極19,電子銃ヘッド部水平移動ネジ17,電子銃ヘッド部傾斜ネジ18,水平駆動部30,傾斜駆動部31,外部ヒータ20で構成される。ここで電子銃ヘッド部1は電子源4,サプレッサ電極9,引き出し電極5,可動磁極14,碍子24,内部ヒータ16で構成されており,電子源4,サップレッサ電極9,引き出し電極5,可動磁極14,内部ヒータ16が碍子24に釣り下られる構造になっている。また,脱着可能コイル部26は,コイル7,磁極23,コイル固定金具27で構成されており,コイル7はコイル固定金具27により磁極23に固定されている。そして,脱着可能コイル26はベーキングの際,電子銃から取り外すことができる構造になっている。可動磁極14と固定磁極15は空間を隔てて配置されている。
電子銃ヘッド部1は傾斜駆動部31に固定され,さらに傾斜駆動部31が水平駆動部30の曲面に乗る構造になっている。電子銃ヘッド部傾斜ネジ18は水平駆動部30に取り付けられ,電子銃ヘッド部傾斜ネジ18は脱着可能コイル26の磁極23に取り付けられている。電子銃ヘッド部水平移動ネジ17は,水平駆動部30を押すことにより,電子銃ヘッド部1を下磁極19に対して相対的に水平方向に移動させる。また,電子銃ヘッド部傾斜ネジ18は,傾斜駆動部31を押すことにより,電子源4を支点として電子銃ヘッド部1を傾斜させる構造になっている。
次に,電子銃ヘッド部1における電子源4と引き出し電極5の軸調整法を説明するため,電子銃ヘッド部を説明するための断面図を図3に,その平面図を図4に示す。図は電子源4,サプレッサ電極9,引き出し電極5,可動磁極14,碍子24,軸調整ネジ21,サプレッサ電極台座28,電子源加熱用支柱29で構成されている。電子源4は電子源加熱用支柱29に固定され,サプレッサ電極9はサプレッサ電極台座28に固定されている。また,引き出し電極5,可動磁極14は碍子24と一体になっており,サップレッサ電極台座28に取り付けられた軸調整ネジ21が碍子24を固定する構造になっている。電子源4に対する引き出し電極5の軸調整は,電子源4を装着する際に碍子24を軸調整ネジ21で押すことにより,碍子24と一体化した可動磁極14及び引き出し電極5を電子源4に対して相対的に平行移動させて中心を合わせた後に固定することで実施する。電子銃の機械的軸調整は,電子源4を装着する際行う,電子源4と引き出し電極及び可動磁極14の軸調整と,電子ビームを引き出した状態で行う,電子銃ヘッド部1とアノード電極2及び下磁極19の軸調整とを併用することにより行う。上記2つの軸調整を併用することにより,電磁レンズに対する電子源4の軸調整はより精密に行うことができる。
可動磁極14と固定磁極15の間は耐電圧に十分な距離を確保する必要があるが,それらの距離を離しすぎると強い軸上磁界を発生できなくなり,電子銃の光学条件を同じにするためには,強い励磁が必要になる。
固定磁極15と可動磁極14の耐電圧を考えると,それらの距離をS[mm],電子銃ヘッド部1の水平移動量を+1[mm],傾斜を+100[mrad]とした場合,軸調整により電子銃ヘッド部1の可動磁極14が最も固定磁極15に近づいた距離は約(S-1.5)[mm]となり,空間における耐電圧の保証値を5[kV/mm]とすると,可動磁極14と固定磁極15の空間の耐電圧は5(S-1.5)[kV]保証されることになる。
次に固定磁極15と可動磁極14の位置関係と,コイルの励磁の関係を考える。図12は,可動磁極14と固定磁極15の間の距離Sとコイルの消費電力の関係を示しており,加速電圧10[kV]で,電子源4から160[mm]の位置にクロスオーバを形成したときの計算結果である。可動磁極14と固定磁極15の距離Sを離すことにより,コイルの消費電力が大きくなる。コイルの消費電力が17[W]以上になる条件では,コイルの発熱による電子銃の長期安定性に問題があるため,消費電力が17[W]以下になるよう距離Sを調整する必要がある。従ってこの場合,可動磁極14と固定磁極15の間の距離は10[mm]以下にすることが必要となる。また,図13は可動磁極14と固定磁極15の高さ方向の相対的距離tを変えた場合の計算結果であり,加速電圧10[kV]で,電子源4から160[mm]の位置にクロスオーバを形成したときの計算結果である。この計算結果よりt>0の条件,つまり可動磁極14を固定磁極15より相対的に高くすることにより少ない消費電力で同じ光学条件を実現することができる。
図10は上記の電子銃構造において,1000[T]のコイル7に1[A]を流した場合の磁界分布の計算結果で,電子源4近傍を拡大したものである。計算結果の図は可動磁極14,固定磁極15,下磁極19で構成されており,計算結果として等磁力線を示している。また,可動磁極14及び下磁極の内径はF14[mm]で,可動磁極14と下磁極19の距離は8[mm]で計算を行った。この結果より,可動磁極14と固定磁極15の距離を8[mm]とした場合においても,その空間で磁気結合することにより,軸上に強い磁界を発生させることが可能であることがわかる。
図11は図10と同条件の計算結果で軸上磁界分布を示したものである。電磁レンズの主面の位置で約0.07[Teslas]の磁界が発生することがわかる。特開平2−297852に示された電子銃では,高電圧が印加された電子源4と磁極a10との間の耐電圧をもたせるため,磁極a10の内径を大きくしている。また,軸上磁界分布が最大となる位置より下方に電子源4を配置していることから,電磁レンズの主面の位置で0.1[Teslas]の磁界を発生させるために,10000[AT]以上もの励磁を用いる必要がある。また,本発明の電子銃で上記条件におけるコイル7の発熱量は約15[W]で冷却水を使用する必要はない。
上記の電子銃構造を用いることにより,磁界重畳型電子銃を小型にし,なお且つ安定に動作させることができた。
(実施例2)
本発明の第2の実施例を図を用いて説明する。図9は本発明の電子銃のベーキング時の形態を説明するための断面図で,電子銃ヘッド部1,アノード電極2,下磁極19,固定磁極15,非磁性金属13,外部ヒータ20,プレートヒータ22,脱着可能コイル部26,水平駆動部30,傾斜駆動部31で構成され,非磁性金属13は固定磁極15と下磁極19の間に充填されている。ここで,電子銃ヘッド部1は可動磁極14,引き出し電極5,サプレッサ電極9,電子源4,内部ヒータ16,碍子24で構成されており,可動磁極14,引き出し電極5,サプレッサ電極9,電子源4,内部ヒータ16が碍子24に釣り下げられる構造になっている。脱着可能コイル部26はコイル7,コイル固定金具27,磁極23で構成されており,コイル7はコイル固定金具27により磁極23に固定されている。電子銃ベーキングの際は,脱着可能コイル部26を外しプレートヒータ22を取り付け,外部ヒータ20,プレートヒータ22,内部ヒータ16によりベーキングを行う。ベーキングでは,内部ヒータ16による電子銃ヘッド部1のベーキングを行うことにより,電子銃ヘッド部1は十分加熱される。また,固定磁極15と下磁路の間を非磁性金属13で充填することにより,外部ヒータ20とプレートヒータ22の熱を効率良く電子銃に行き渡らすことができる。これらの構成を用いることにより,ベーキングを効率的に行うことができ,電子銃の到達真空度の向上,電子源近傍の真空度の向上などの理由から,電子銃を安定に動作させることができる。
尚,本実施例は上記本発明の実施の形態で示した電子銃の構造にそのまま適応でき,発明の効果を全く損なうものではない。
(実施例3)
本発明の第3の実施例を図を用いて説明する。図14は本発明の電子銃の機械的軸調整をモータ駆動で行う場合の構成を示したもので,電子銃部42とモータ制御部41で構成されている。ここで電子銃部42は,電子銃ヘッド部1,水平駆動部30,脱着可能コイル部26,モータ固定金具32,水平駆動モータa33,水平駆動モータb34,水平駆動モータc35,水平駆動モータd36,傾斜駆動モータa37,傾斜駆動モータb38,傾斜駆動モータc39,傾斜駆動モータd40で構成されている。また,図15はその断面図を示したもので,脱着可能コイル26,電子銃ヘッド部1,水平駆動部30,傾斜駆動部31,水平駆動モータa33,水平駆動モータc35,傾斜駆動モータa37,傾斜駆動モータc39で構成されており,脱着可能コイル26はコイル7磁極23,コイル固定金具27で構成されている。ここで,それぞれのモータは電子銃の機械的軸調整のときのみ駆動し,水平駆動部30及び傾斜駆動部31を動かし,それ以外のときは水平駆動部30及び傾斜駆動部31が動かないよう固定した状態で停止しているものとする。電子銃の機械的軸調整は,それぞれのモータが水平駆動部30,傾斜駆動部31を押すことにより行われる。モータの制御はモータ制御部41により行われる。その制御は,水平駆動モータa33が時計方向に回転する場合,それと180°の位相関係にある水平駆動モータc35が反時計方向に回転し,なお且つそれぞれのモータが同一の回転速度で駆動することにより水平駆動部30を一定の力で押すように行われる。また,その他のモータについても上記と同様の制御を行うものとする。この構成では,電子銃の機械的軸調整を手動でなく電気的制御行なうことができるため,より簡単に機械的軸調整ができるようになる。
尚,本実施例は上記本発明の実施の形態で示した電子銃の構造にそのまま適応でき,発明の効果を全く損なうものではない。
(実施例4)
本発明の第4の実施例を図を用いて説明する。図16は本発明の電子銃を欠陥レビュー機能付きのSEM式回路パターン外観検査装置に搭載した場合の構成図である。図は電子銃部42,鏡体部60,ステージ部58,画像処理部57,画像表示装置59,偏向制御部54,レンズ制御部55,リターディング電源56,電子銃電源53で構成されている。
電子銃部42は脱着可能コイル26,コイル7,固定磁極15,アノード電極2,下磁極19,可動磁極14,引き出し電極5,サップレッサ電極9,電子源4で構成されている。ここで,電子源4は電子銃電源53より電子源加熱電流Ifが供給され,所望の加速電圧V0が印加できる構造とする。さらに,電子源4に対して逆バイアスの電圧Vsがサプレッサ電極9に,正バイアスの電圧V1が引き出し電極5にそれぞれ印加できる構造となっていることとする。
鏡体部60は可動絞り43,ブランキングプレート44,ファラデーカップ45,コンデンサレンズ47,半導体検出器49,検出器71,偏向器46,対物レンズ48,ExB62,反射板63で構成されている。ここで半導体検出器49は10MHz〜200MHzのサンプリング周波数で動作するものとし,試料50から発生した二次電子を半導体検出器49に吸引するため,高電圧が印加できる構造になっている。また,検出器71は〜10MHz程度のサンプリング周波数で動作する検出器であり,半導体検出器49と同様に高電圧が印加できる構造になっている。また,ExB62は検査条件とレビュー条件とで,ExB62の静電偏向器及び電磁偏向器の極性が反転できるようになっている。
ステージ部58は,試料50,試料ホルダ51,碍子24,ステージ駆動装置52,試料室61で構成されている。ここで,試料50及び試料ホルダ51とステージ駆動装置52は,碍子24で電気的に絶縁されており,リターディング電圧Vrが印加可能な構造になっている。
電子ビーム8は,V0の電圧が印加された電子源4に電子源加熱電流Ifを供給し,電子源4に対して正バイアスのV1を引き出し電極5に,逆バイアスのVsをサプレッサ電極9にそれぞれ印加することにより,V0のエネルギーで放出される。
検査の条件において,放出された電子ビーム8は電子銃部42の脱着可能コイル26より発生される磁界により収束され,ブランキングプレート44にクロスオーバを形成する。そして,光学系の総合倍率が0.5〜1.5倍になるよう,コンデンサレンズ47の励磁を調整し,対物レンズ48で試料50にフォーカスさせられる。ここで,電子ビーム8のプローブ電流は可動絞り43の絞り径と電子ビーム8の放射角電流密度で決まり,20[nA]〜200[nA]まで調整可能となっている。
また,試料50にはリターディング電源56からリターディング電圧Vrが印加されており,その印加電圧を調整することにより,電子ビーム8の入射エネルギーを調整できるものとする。
偏向制御部54では偏向信号として10kHz〜200kHzの鋸状波を発生し,偏向器46で電子ビーム8を偏向させる。また,偏向制御部54は電子ビームを偏向する方向に対して直行する方向にステージ51を動かし,試料50に対して電子ビーム8が二次元的に走査するようステージ駆動装置52を制御するものとする。また,偏向制御部54では試料50に電子ビーム8を試料50に照射しない場合にファラデーカップ45で電子ビーム8を遮るようブランキングプレート44に電圧を印加できるものとする。
試料50から発生した二次電子65は,試料50から発生した二次電子65のみ光軸から分離させるよう調整されたExB62で反射板63に当てられ半導体検出器49に吸引される。半導体検出器49で検出された二次電子65はADコンバータ64でデジタル信号に変換され画像処理部57で画像化される。
画像処理部57では,最初に取り込んだ基準画像66と,ウェーハ上の基準画像66と異なる箇所で取り込んだ比較画像67との差画像を計算し,その差画像を欠陥画像68として画像表示装置59へ送る。また,画像処理部57は画像中に欠陥が存在する比較画像を画像表示装置59へ送ることができる。
例えば,このSEM式回路パターン外観検査装置で0.1[mm]のパターン寸法のウェーハを検査する場合,試料50におけるプローブサイズは0.1[mm]以下であることが好ましい。
対物レンズ48の焦点距離が30〜40[mm],かつプローブ電流が50〜150[nA]の条件で上記検査を行う場合,対物レンズ48の色収差を抑えるため光学系の総合倍率を0.5〜1.5倍で使用することが必然となり,電子銃の収差を抑える必要がある。静電型の電子銃でこの条件の検査を行う場合,物面側に定義した電子銃の色収差が45〜60[nm],球面収差が35〜50[nm]と大きいため,試料50におけるプローブサイズは0.15〜0.3[mm]となってしまう。ここで,本発明の電子銃を加速電圧10[kV],励磁800〜1000[AT]で使用することにより,物面側に換算した電子銃の焦点距離として8〜11[mm]を達成することができ,物面側に定義した電子銃の色収差は15〜20[nm],球面収差は1〜2[nm]となり,試料50におけるプローブサイズは0.05〜0.1[mm]を達成することができる。また,本発明の電子銃を5〜10倍の倍率で使用し,コンデンサレンズ47と対物レンズ48で0.1〜0.5に縮小する光学系を採用することにより,ブランキングプレート44,可動絞り43,ファラデーカップ45に付着したコンタミネーションの影響を緩和することができる。例えば,全てのレンズを1倍の倍率で使用した場合のコンタミネーションによる像ドリフト量を0.5[mm]とすると,上記光学条件を採用することにより,そのドリフトは0.05〜0.1[mm]まで減らすことができる。
一方,検出した回路パターン上の欠陥を高分解能で鮮明な画像で確認するためには,光学条件をレビューの条件にして欠陥画像の観察を行う。レビューの条件においては,コイル7の励磁を,電子ビーム69が可動絞りより上方にクロスオーバをつくり,かつプローブ電流が100[pA]〜5[nA]になるよう調整する。そして,光学系の総合倍率が0.2〜0.3になるようコンデンサレンズ47の励磁を調整し,対物レンズ48で試料50にフォーカスされる。試料50から発生した二次電子70は,ExB62を検査の調整に対して反転した極性で使用することにより検出器71で検出される。
そして,検出された二次電子70は画像表示装置59で画像化される。
本発明の電子銃をレビュー機能付きSEM式回路パターン外観検査装置に搭載し,電子銃を上記のように調整することにより検査条件とレビュー条件を瞬時に切り替え,なお且つ大電流で安定な検査装置を実現することができる。
本発明の実施形態における電子銃全体構成を説明するための断面図。 本発明の実施形態における電子銃全体構成を説明するための平面図。 本発明の電子銃の電子銃ヘッド部構成を説明するための断面図。 本発明の電子銃の電子銃ヘッド部構成を説明するための平面図。 従来の磁界重畳型電子銃の構成を説明するための図。 従来の磁界重畳型電子銃の電子源近傍の軸上電位分布,軸上磁界分布,電子ビーム軌道を説明するための図。 従来の磁界重畳型電子銃の構成を説明するための図。 従来の磁界重畳型電子銃の電子源近傍の軸上電位分布,軸上磁界分布,電子ビーム軌道を説明するための図。 本発明の電子銃のベーキング時の形態を説明するための断面図。 本発明の電子銃の磁界分布計算結果を説明するための図。 本発明の電子銃の軸上磁界分布計算結果を説明するための図。 本発明電子銃の可動磁極と固定磁極間の距離とコイル消費電力の関係を説明するための図。 本発明電子銃の可動磁極と固定磁極の相対的な高さ関係とコイル消費電力の関係を説明するための図。 本発明電子銃のモータによる機械的軸調整の方法を説明するための平面図。 本発明電子銃のモータによる機械的軸調整の方法を説明するための断面図。 本発明の電子銃を欠陥レビュー機能付きSEM式回路パターン外観検査装置に適応させた場合の図。
符号の説明
1…電子銃ヘッド部1,2…アノード電極2,3…真空容器3,
4…電子源4,5…引き出し電極5,6…電磁レンズ部6,7…コイル7,
8…電子ビーム8,9…サプレッサ電極9,10…磁極a10,11…磁極b11,
12…磁極c12,13…非磁性金属13
14…可動磁極14,15…固定磁極15,16…内部ヒータ16,
17…電子銃ヘッド部水平移動ネジ17,
18…電子銃ヘッド部傾斜ネジ18,19…下磁極19,20…外部ヒータ20,
21…軸調整ネジ21,22…プレートヒータ22,23…磁極23,24…碍子24,
25…支柱25,26…脱着可能コイル26,27…コイル固定金具27,
28…サップレッサ電極台座28,29…電子源加熱用支柱29,
30…水平駆動部30,31…傾斜駆動部31,32…モータ固定金具32,
33…水平駆動モータa33,34…水平駆動モータb34,
35…水平駆動モータc35,36…水平駆動モータd36,
37…傾斜駆動モータa37,38…傾斜駆動モータb38,
39…傾斜駆動モータc39,40…傾斜駆動モータd40,
41…モータ制御部41,42…電子銃部42,43…可動絞り43,
44…ブランキングプレート44,45…ファラデーカップ45,46…偏向器46,
47…コンデンサレンズ47,48…対物レンズ48,49…半導体検出器49,
50…試料50,51…試料ホルダ51,52…ステージ駆動装置52,
53…電子銃電源53,54…偏向制御部54,55…レンズ制御部55,
56…リターディング電源56,57…画像処理部57,58…ステージ部58,
59…画像表示装置59,60…鏡体部60,61…試料室61,62…ExB62,
63…反射板63,64…ADコンバータ64,65…二次電子65,
66…基準画像66,67…取得画像67,68…欠陥画像68,
69…レビュー条件での電子ビーム69,70…レビュー条件での二次電子70,
71…検出器71。

Claims (4)

  1. 電子線を発生する電子銃部と、
    被検査試料を載置する試料ステージを有するステージ部と、
    該被検査試料に対して前記電子線を走査し、該電子線走査により前記被検査試料から発生する二次電子を検出する機能を備えた鏡体部と、
    検出された二次電子を元に前記被検査試料の欠陥を検出する手段とを有し、
    前記電子銃部は、
    電子源と、該電子源を制御するための静電レンズ及び電磁レンズとを有し,
    該電磁レンズは、
    少なくとも1つの固定磁極と、
    該固定磁極に対して相対的に、前記電子源と一体となって移動可能な移動磁極とを備えることを特徴とするSEM式回路パターン検査装置。
  2. 被検査試料に対して電子線を照射し、発生する二次電子を検出して該被検査試料の欠陥検査を行うSEM式回路パターン検査装置であって、
    電子線を発生する電子銃部と、
    被検査試料を載置する試料ステージを有するステージ部と、
    該被検査試料に対して前記電子線を走査し、該電子線走査により前記被検査試料から発生する二次電子を検出する機能を備えた鏡体部と、
    検出された二次電子を元に前記被検査試料の欠陥を検出する手段とを有し、
    前記電子銃部は、
    電子源と、該電子源を制御するための静電レンズ及び電磁レンズとを有し,
    該電磁レンズは、
    少なくとも1つの固定磁極と、該固定磁極に対して相対的に、前記電子源と一体となって移動可能な移動磁極とを備え、
    前記鏡体部は、
    第1の検出器と、第2の検出器と、E×B偏向器とを備え、
    該E×B偏向器を構成する静電偏向器及び電磁偏向器の極性が反転可能に構成されたことを特徴とするSEM式回路パターン検査装置。
  3. 請求項2に記載のSEM式回路パターン検査装置において、
    前記第1の検出器は前記被検査試料のレビュー時に使用され、前記第2の検出器は前記被検査試料の欠陥検査時に使用されることを特徴とするSEM式回路パターン検査装置。
  4. 請求項1または2に記載のSEM式回路パターン検査装置において、
    前記可動磁極を可動させるためのモータを備えたことを特徴とするSEM式回路パターン検査装置。
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