JP3900859B2 - Liquid crystal device, projection display device, and electronic device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶装置、投射型表示装置および電子機器に関し、特に応答速度に優れた液晶装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶プロジェクタ等の投射型液晶表示装置において、光変調手段として用いられる液晶ライトバルブにはアクティブマトリクス型液晶装置が使用されている。アクティブマトリクス型液晶装置は、信号線や画素電極、画素スイッチング用素子などが形成された素子基板と共通電極が形成された対向基板とが、シール材を介して一定の間隙をもって対向配置されており、この間隙の間に液晶を挟持して構成されている。液晶装置の表示領域には、データ線と走査線に囲まれた多数の画素電極が形成されており、これら画素電極がマトリクス状に配列されている。
【0003】
アクティブマトリクス型液晶装置の表示方式としては、ツイステッドネマティック(Twisted Nematic, 以下、TNと略記する)モードの表示方式が現在、主流を占めている。その理由は、明るい、コントラストが高い、応答速度が比較的速い、駆動電圧が低い、階調表示が容易であるなど、TNモードの液晶装置はディスプレイとして基本的に必要とされる諸特性をバランス良く具備しているからである。TNモードにおいては、素子基板と対向基板との間で液晶分子の長軸方向が90°ねじれた構造を採る。
【0004】
ところで、液晶表示装置の広視野角化を図る一つの手段として、基板に対して面内方向の横電界を発生させ、この横電界で液晶分子を基板に平行な面内で回転させることで光スイッチング機能を持たせるインプレイン・スイッチング(In-Plane Switching, 以下、IPSと略記する)技術が実用化されている。そして、近年、IPS技術をさらに改良した形のフリンジフィールド・スイッチング(Fringe-Field Switching, 以下、FFSと略記する)技術が、"High-Transmittance, Wide-Viewing-Angle Nematic Liquid Crystal Display Controlled by Fringe-Field Switching", S.H.Lee et al., ASIA DISPLAY 98, p.371-374, "A High Quality AM-LCD using Fringe-Field Switching Technology", S.H.Lee et al., IDW'99, p.191-194 などに発表されている。
【0005】
図13はIPSとFFSの概念の違いを示す図であって、図13(a)はIPSの概略構成、図13(b)はFFSの概略構成をそれぞれ示している。一対の基板200、201間の液晶分子202が一対の電極203,204による横電界Eで駆動される点は同様である。ところが、セルギャップをd、電極幅をw、電極間距離をlとすると、これらの寸法の関係が、IPSではl/d>1かつl/w>1であるのに対し、FFSではl/d<1かつl/w<1、またはl/d=0かつl/w=0である。すなわち、IPSではセルギャップや電極幅よりも電極間距離が大きいのに対し、FFSではセルギャップや電極幅よりも電極間距離が小さい(図13(a)のIPSにおける電極203と電極204が充分に接近した状態)か、もしくは電極間距離が0、言い換えると、図13(b)に示すように一方の電極204(−極)の上方に絶縁層205を介して他方の電極203(+極)を積層した形態の電極構成を採用している。この電極構成の違いによって発生する電界の方向が若干異なり、IPSでの電界方向は電極が対向する方向(図中y方向)であるが、FFS、特に図13(b)の電極構造においては、電極203,204が積層されているため、横方向(図中Y方向)に加えて、電極203の縁の近傍で基板面に垂直な方向(図中Z方向)にも電界成分を持っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
TNモードのアクティブマトリクス型液晶装置は、誘電率異方性が正の液晶で平行配向、ノーマリーホワイトモードを採用した場合、画素電極と共通電極への電圧印加によって縦電界を発生させ、この縦電界で基板面と略垂直な方向に液晶分子を立たせ(これを以下、ON状態という)、黒表示を行う。そして、電圧印加を止めることによって液晶分子を平行配向状態に戻し(これを以下、OFF状態という)、白表示を行う。すなわち、OFF状態からON状態への移行は電圧印加(外部からのエネルギー供給)に因るが、ON状態からOFF状態への移行は液晶自身の粘性による自然な戻りに因るものである。したがって、OFF状態からON状態への応答速度は印加電圧を大きくするなどの手段を用いて速めることができるが、ON状態からOFF状態への応答速度は使用する液晶材料で決まると考えられていた。そのため、TNモードでは応答速度が比較的速いとは言っても、液晶材料の特性で決まるON状態からOFF状態への応答速度が遅いために、全体の応答速度の向上には限界があった。
【0007】
そこで、ON状態からOFF状態への応答速度の向上を目的として、上下の基板に横電界を発生させるための電極を備えた液晶装置が、特開平9−236819号公報、特開平11−042109号公報などに提案されている。これらの公報に記載の液晶装置においては、上基板、下基板のそれぞれに横電界を発生させるための一対の櫛歯状の電極を備え、しかも各基板上の電極によって発生する横電界の方向が直交するように各電極が配置されている。この構成によれば、液晶分子の配向方向が基板面に垂直方向から平行な方向に変化する際に各基板上の電極から発生する横電界が液晶分子の配向変化を助長する。この作用により、液晶分子の状態変化がより速くなり、高速応答が可能になる。
【0008】
しかしながら、上記公報に記載の液晶装置の場合、製造プロセスが非常に複雑になり、製造コストも増大するという問題があった。すなわち、横電界で液晶を駆動して表示を行う通常のIPS方式の液晶装置であれば、一対の基板のうちの一方の基板にのみ横電界発生用の櫛歯状電極を形成すれば済むが、上記公報に記載の液晶装置においては、上基板、下基板の双方に櫛歯状電極を形成しなければならず、さらにこの櫛歯状電極を駆動するためのスイッチング素子が個々の基板に必要となる。そのため、上基板、下基板がともに素子基板となり、製造プロセスが双方の基板で煩雑になるとともに、製造コストが増大してしまう。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、製造プロセスや製造コストの増大を招くことなく、応答速度の向上を図ることができる液晶装置、およびこの液晶装置を用いた投射型表示装置、電子機器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の液晶装置は、互いに対向配置された一対の基板間に誘電率異方性が正の液晶からなる液晶層が挟持された液晶装置であって、前記一対の基板を構成する第1の基板に設けられ、表示領域の全体にわたって形成された第1の電極と、前記一対の基板を構成する第2の基板に設けられるとともに、前記第1の電極と前記液晶層を挟んで対峙し、該第1の電極との間で該液晶層に対して縦電界を印加する第2の電極と、前記第2の基板に設けられ、前記第2の電極上に絶縁膜を介して形成されるとともに該第2の電極との間で前記液晶に対して横電界を印加する第3の電極と、を備え、前記横電界を印加するための電極は前記第2の基板のみに設けられており、前記縦電界を印加した状態から該縦電界を印加しない状態に切り換える際に、前記横電界を印加し、前記第3の電極は、線上部分を備えると共に、前記第2の電極上の一部にのみ形成され、前記第2の電極に重なり且つ前記液晶層のバルク部分を構成する液晶分子の長軸方向が、前記縦電界を印加しない状態において、前記線状部分の延在方向に対して略垂直な方向を向くように配向処理がなされていることを特徴とする。
【0011】
本発明の液晶装置は、基本的には誘電率異方性が正の液晶を用いた平行配向モードの液晶装置であり、第1の基板上、第2の基板上にそれぞれ設けられた電極間で発生する基板面に略垂直な方向の電界(この電界のことを本明細書では縦電界という)で液晶を駆動して表示を行うものである。したがって、両基板の電極への電圧印加によって縦電界が発生し、その縦電界により液晶分子の長軸方向が基板面に平行な方向から垂直な方向に向くように配向方向が変わり、ON状態となる。
【0012】
次に、OFF状態に切り換える際、従来であれば電圧印加を止めるだけで液晶の粘性による自然な戻りによって基板面に垂直な方向から平行な方向に液晶分子の配向状態を変えていた。それに対し、本発明の液晶装置の場合、第2の基板に液晶層に対して基板面に略平行な方向の電界(この電界のことを本明細書では横電界という)を印加するための複数の電極が設けられているので、この横電界の印加により誘電率異方性が正の液晶が電界方向に沿って配向する、すなわち、液晶分子の長軸方向が基板面に平行な方向に向くように配向する。このように、本発明によれば、液晶自身の粘性で元の配向状態に戻ろうとする力に加えて、横電界に沿って液晶分子が配向しようとする力を作用させることができるので、ON状態からOFF状態への応答速度を従来よりも速くすることができる。
【0013】
なお、本発明の液晶装置において、誘電率異方性が正の液晶を用いなければならないのは、誘電率異方性が正の液晶では分極の方向が分子長軸方向であって一方向に限定できるため、横電界が印加された時に分子長軸方向が横電界の向きに揃おうとし、液晶が戻ろうとする動きを補助できるが、誘電率異方性が負の液晶では分極の方向が分子短軸方向であり、一方向に限定できないため、横電界が印加されても液晶分子の向きが一方向に揃わないからである。
【0014】
また本発明においては、上記公報に記載の液晶装置と異なり、横電界発生用の電極を形成するのは第2の基板側のみで済むので、製造工程が煩雑になったり、製造コストが増大することがない。
【0015】
より具体的な電極構成の一例として、前記第1の基板に第1の電極を設け、前記第2の基板に前記第1の電極との間で縦電界を発生させる第2の電極を設け、さらに前記第2の基板には前記第2の電極との間で横電界を発生させる第3の電極を設けた構成を採ることができる。
【0016】
この構成によれば、第2の基板上の第2の電極は、第1の基板上の第1の電極との間で縦電界を発生させる電極として機能すると同時に、第2の基板上の第3の電極との間で横電界を発生させる電極としても機能するので、電極構成を簡単にすることができる。
【0017】
さらに、前記第2の電極を略矩形状の電極とし、前記第3の電極を前記第2の電極の上方に絶縁膜を介して形成された線状部分を有する電極とすることもできる。
【0018】
この構成は、[従来の技術]の項で説明したFFSの電極構成に類似したものである。FFSの電極構成を採用した場合、線状(櫛歯状)電極の縁の近傍で基板面に垂直な方向にも電界成分を持っており、IPSでは線状電極間に位置する液晶分子は駆動されても線状電極の上方に位置する液晶分子はほとんど駆動されないが、FFSの場合、線状電極間に位置する液晶分子は勿論のこと、線状電極の上方に位置する液晶分子も駆動されることになる。したがって、電極をインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)等の透明導電膜で形成すれば、電極の部分も表示に寄与させることができ、同じ条件のIPSに比べて開口率を大きくできるという利点が得られる。ただし、本発明においては、電極の配置がFFSと似ているというだけであって、セルギャップ、電極幅、電極間距離などの相互の寸法の関係は、上述のFFSとして定義される関係を必ずしも満たす必要はない。
【0019】
電極構成の他の例としては、前記第1の基板に第1の電極を設け、前記第2の基板に前記第1の電極との間で縦電界を発生させる第2の電極を設け、さらに前記第2の基板には互いの間に横電界を発生させる第3の電極および第4の電極を設けた構成を採ることができる。
【0020】
本例の場合、第2の基板上に縦電界を発生させる第2の電極とは別個に横電界を発生させる第3の電極および第4の電極を設けた点で、前の例に比べると電極構成が若干複雑になる。その反面、各電極の機能を分離させることができるので、各電極に印加する電圧値の設定の自由度が上がり、印加電圧値のパターンを変えることで応答速度を調節することができる。
【0021】
さらに、前記第2の電極を略矩形状の電極とし、前記第3の電極および前記第4の電極をともに前記第2の電極の上方に絶縁膜を介して形成された線状部分を有する電極とすることもできる。その場合、前記第3の電極および前記第4の電極を同じ層で形成することが望ましい。
【0022】
この構成は、[従来の技術]の項で説明したIPSの電極構成に類似したものである。IPSの電極構成を採用した場合、第3の電極および前記第4の電極は絶縁膜を介した別々の層で構成してもよいが、同一の層で構成すれば、同一の工程で第3の電極と第4の電極を同時に形成することができるので、その分製造プロセスが複雑になることがない。
【0023】
また、前記第3の電極が線上部分を備え、前記縦電界を印加しない状態において、前記液晶層のバルク部分を構成する液晶分子の長軸方向が前記線状部分の延在方向に対して略垂直な方向を向くように配向処理がなされていることが望ましい。ここで言う「液晶層のバルク部分」とは、各基板の表面の配向処理によって配向状態が完全に規定された基板表面近傍の領域を除く、液晶分子がその配向方向を自由に変え得るセル厚方向中央部の液晶部分のことである。
【0024】
この構成によれば、第3の電極に電圧を印加した際に線状部分の延在方向に対して略垂直な方向に横電界が発生するが、初期の配向状態が、バルク部分の液晶分子の長軸方向が前記線状部分の延在方向に対して略垂直な方向を向くように規定されているので、横電界の方向とON→OFF時に液晶分子が戻ろうとする方向が一致し、液晶分子の戻りを円滑に補助することができる。
【0025】
一般に、表示モードには電圧無印加(OFF)時に白表示、電圧印加(ON)時に黒表示のノーマリーホワイト、電圧無印加(OFF)時に黒表示、電圧印加(ON)時に白表示のノーマリーブラックの2種類があるが、本発明の液晶装置においてはノーマリーホワイトを採用することが望ましい。
【0026】
本発明の液晶装置においては、ON状態からOFF状態に切り替える際に液晶分子の戻りを補助するために横電界を印加するが、その際、電圧印加方法によっては第1の基板上の第1の電極との間に一時的に縦電界が発生することも考えられ、電界の乱れが発生する恐れもある。その場合、電界の乱れに起因して液晶の配向乱れ、いわゆるディスクリネーションが発生するが、ノーマリーブラックモードでは白表示から黒表示に切り替わる際にディスクリネーションが発生するため、光漏れが起こり、コントラストの低下につながることもある。ところが、ノーマリーホワイトモードでは黒表示から白表示に切り替わる際にディスクリネーションが発生するため、ディスクリネーションの発生自体は好ましいことではないが、コントラストが低下することはない。よって、本発明ではノーマリーホワイトを採用することが望ましい。
【0027】
前記第1ないし第3の電極の全てをITO等の透明導電膜で形成する構成としてもよい。
この構成によれば、本発明の液晶装置を透過型液晶装置として実現することができる。
【0028】
また、前記第1ないし第3の電極のうち、前記一対の基板のいずれか一方の基板上の電極をITO等の透明導電膜で形成し、他方の基板上の電極の少なくとも一つをアルミニウム、銀等の金属膜で形成する構成としてもよい。
この構成によれば、別の反射層や外付けの反射板などを追加することなく、本発明の液晶装置を反射型液晶装置として実現することができる。
【0029】
この場合、様々な形態が考えられ、第1の基板を入射側、第2の基板を反射側とするならば、例えば第1の電極を透明導電膜、第2の電極、第3の電極(第4の電極)を金属膜とすればよい。あるいは、第1の電極を透明導電膜、第2の電極を金属膜、第3の電極(第4の電極)を透明導電膜としてもよい。逆に第2の基板を入射側、第1の基板を反射側とするならば、第2の電極、第3の電極(第4の電極)を透明導電膜、第1の電極を金属膜とすればよい。
【0030】
さらに、前記液晶層を加熱する加熱手段を備えた構成としてもよい。
この構成によれば、加熱手段の作用によって液晶層の温度を常温以上に上昇させることができ、それにより液晶の粘度が低下するので、ON状態からOFF状態に切り替える際の液晶分子の戻りを速め、応答速度を向上することができる。
【0031】
本発明の投射型表示装置は、光源と、前記光源からの光を変調する上記本発明の液晶装置からなる光変調手段と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、応答速度の速い表示が可能な投射型表示装置を実現することができ、特にフィールドシーケンシャル(時分割)駆動のカラー投射型表示装置に好適なものとなる。
【0032】
本発明の電子機器は、上記本発明の液晶装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、応答速度の速い表示が可能な液晶表示部を備えた電子機器を実現することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜図4を参照して説明する。
本実施の形態の液晶装置は薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)をスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス方式の透過型液晶装置の例であり、図1(a)は液晶装置の全体構成を示す斜視図、図1(b)は図1(a)における一画素の拡大図、図2は一画素の電極構成のみを取り出して示す斜視図、図3は同平面図、図4(a)、(b)は同液晶装置の動作を説明するための図であって図2のA−A’線に沿う断面図である。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0034】
本実施の形態の液晶装置1は、図1(a)に示すように、TFTが形成された側の素子基板2(第2の基板)と対向基板3(第1の基板)とが対向配置され、これら基板2,3間に誘電率異方性が正の液晶からなる液晶層(図示略)が封入されている。素子基板2の内面側には、多数のソース線4および多数のゲート線5が互いに交差するように格子状に設けられている。各ソース線4と各ゲート線5の交差点の近傍にはTFT6が形成されており、各TFT6を介して画素電極7(第2の電極)がそれぞれ接続されている。すなわち、マトリクス状に配置された各画素毎に一つのTFT6と画素電極7が設けられている。一方、対向基板3の内面側全面には、多数の画素がマトリクス状に配列されてなる表示領域の全体にわたって一つの共通電極8(第1の電極)が形成されている。
【0035】
TFT6は、図1(b)に示すように、ゲート線5から延びるゲート電極10と、ゲート電極10を覆う絶縁膜(図示略)と、絶縁膜上に形成された多結晶シリコン、アモルファスシリコン等からなる半導体層11と、半導体層11中のソース領域に電気的に接続されたソース線4から延びるソース電極12と、半導体層11中のドレイン領域に電気的に接続されたドレイン電極13とを有している。そして、TFT6のドレイン電極13が画素電極7に電気的に接続されている。本実施の形態の場合、画素電極7はITO等の透明導電膜で形成され、対向基板3側の共通電極8もITO等の透明導電膜で形成されている。表示に寄与する縦電界を発生させるための電極は、従来と同様、上記の画素電極7と共通電極8であるが、これに加えて、図1(a)、(b)では図示を省略するが、本発明特有の作用を生み出す横電界を発生させるための電極が形成されている。これについて次に説明する。
【0036】
図2〜図4に示すように、素子基板2の画素電極7の上方に絶縁膜14を介して櫛歯状電極15(第3の電極)が形成されている。櫛歯状電極15は、略矩形状の画素電極7の上方に絶縁膜14を介してITO等の透明導電膜により形成されており、画素電極7の長手方向に延在する複数本(本実施の形態では3本)の線状部分15aを有している。また、図示は省略するが、この櫛歯状電極15を画素電極7とは独立して個別に駆動するためのTFT、このTFTに信号を供給するソース線およびゲート線が素子基板2上に形成されている。そして、櫛歯状電極15を覆うように素子基板の全面にわたって樹脂材料、無機材料等からなる配向膜16が形成されている。また、対向基板3側にも共通電極8を覆うように樹脂材料、無機材料等からなる配向膜17が形成されている。
【0037】
本実施の形態の場合、図3に示すように、素子基板2側、対向基板3側の配向膜16,17には、ともに櫛歯状電極15の線状部分15aの延在方向と略直交する同方向に配向処理が施されている(図3において、素子基板2上の配向膜16の配向方向を実線の矢印、対向基板3上の配向膜17の配向方向を破線の矢印で示す)。したがって、画素電極7−共通電極8間に電圧を印加していない状態(OFF状態)では、液晶層18の液晶分子19は、セル厚方向に向かってねじれることなく、その長軸方向が櫛歯状電極15の線状部分15aの延在方向と略直交する方向に向くように平行配向している。
【0038】
上記構成の液晶装置の動作について説明する。
まず、OFF状態から画素電極7−共通電極8間に電圧を印加する(ON状態とする)場合、図4(a)に示すように、共通電極8(第1の電極)にV0(例えばV0=0V)、画素電極7(第2の電極)に+V(例えば+V=+5V)、櫛歯状電極15(第3の電極)にも画素電極7と同じく+V(例えば+V=+5V)の電圧を印加する。この時、画素電極7−共通電極8間には電位差が生じ、基板面に略垂直な方向に縦電界Evが発生するが、画素電極7と櫛歯状電極15は同電位であるから横電界は発生しない。そこで、縦電界Evに対応して、櫛歯状電極15の線状部分15aの延在方向と略直交する方向に平行配向していた液晶分子19が、その長軸方向が縦電界Evの方向に向くように立ち上がる。
【0039】
次に、ON状態からOFF状態に切り換える場合、図4(b)に示すように、共通電極8(第1の電極)と櫛歯状電極15(第3の電極)への印加電圧は変えずに、画素電極7(第2の電極)への印加電圧のみを+V(例えば+V=+5V)からV0(例えばV0=0V)に切り換える。この時、画素電極7−共通電極8間の電位差はなくなるので、ON時に発生していた縦電界EV が消滅する一方、画素電極7−櫛歯状電極15間には電位差が生じるので、横電界EL が発生する。この横電界に対応して、ON時に基板面に略垂直な方向に垂直配向していた液晶分子19が、その長軸方向が横電界Evの方向に向くように平行配向状態に戻る。
【0040】
なお、上のような電圧印加方法を採用した場合、「ON状態からOFF状態に切り換えた際、画素電極7−共通電極8間には電位差がなくなり、縦電界EV が消滅する」と述べたが、櫛歯状電極15−共通電極8間には電位差があるため、実際には若干の縦電界が発生しており、OFF状態に切り換えた時点では横電界と縦電界が混在した状態となる。その結果、電界の乱れが発生し、それに起因して液晶の配向乱れ、いわゆるディスクリネーションが発生することが考えられる。このディスクリネーションによる表示の不具合を抑えるためには、ノーマリーホワイトの表示モードを採用することが望ましい。ノーマリーブラックモードでは白表示から黒表示に切り替わる際にディスクリネーションが発生することになり、光漏れが起こるため、コントラストの低下が生じる。その点、ノーマリーホワイトモードでは黒表示から白表示に切り替わる際にディスクリネーションが発生することになるため、コントラストが低下することはないからである。
【0041】
液晶分子19は、両基板表面の配向処理によってOFF状態では平行配向をとるように規制されているため、ON状態からOFF状態に切り換えた時に縦電界EV が消滅したただけでも平行配向状態に戻っていくが、従来は、液晶の粘性だけに頼った動きのためにどうしても遅くなり、ON時に比べてOFF時の応答速度が低下する原因となっていた。これに対して、本実施の形態の液晶装置1の場合、素子基板2側に画素電極7と櫛歯状電極15とを備え、ON状態からOFF状態に切り替える際に画素電極7と櫛歯状電極15とで液晶に横電界を印加する構成となっているため、この横電界が平行配向状態へ液晶分子が戻ろうとする動きをアシストする結果、OFF時の応答速度を従来に比べて向上させることができる。
【0042】
本発明者は、本実施の形態の液晶装置の応答速度の向上効果を従来の液晶装置と比較した。櫛歯状電極を持たない従来の液晶装置を作製し、応答速度を測定した結果、ON時(印加電圧:5V)の応答速度が20msec、OFF時(印加電圧:0V)の応答速度が35msecであった。これに対し、本実施の形態で説明したような櫛歯状電極を追加した液晶装置を作製して応答速度を評価した結果、ON時の応答速度は20msecと変わらないが、OFF時の応答速度を25msecに改善することができた。
【0043】
また、[従来の技術]の項で挙げた公報に記載の液晶装置と異なり、本実施の形態の場合、横電界発生用の電極を形成するのは素子基板2側のみで済むので、上記公報に記載の液晶装置ほど製造プロセスが煩雑になったり、製造コストが増大することがない。さらに、画素電極7は、共通電極8との間で縦電界を発生させる電極として機能すると同時に、櫛歯状電極15との間で横電界を発生させる電極としても機能するので、電極構成を簡単にすることができる。本実施の形態の電極の構成はいわゆるFFSの電極構成に類似したものであり、櫛歯状電極15の上方に位置する液晶分子も駆動されるため、電極の部分も表示に寄与させることができ、同じ条件のIPS構造の液晶装置に比べて開口率を大きくできるという利点も得られる。
【0044】
また本実施の形態の場合、OFF状態において、液晶層18のバルク部分を構成する液晶分子19の長軸方向が櫛歯状電極15の線状部分15aの延在方向に対して略垂直な方向を向くように配向処理がなされているため、櫛歯状電極15の線状部分15aの延在方向に対して略垂直な方向に横電界EL が発生した際に横電界EL の方向とOFF時に液晶分子19が戻ろうとする方向が一致し、液晶分子19の戻りを円滑に補助することができる。
【0045】
なお、横電界の印加のタイミングに関しては、OFF状態に切り換えた後、OFF状態が続く間、横電界を印加し続けてもよいが、本発明における横電界の印加の意味は、横電界を使って液晶分子を完全に駆動するというよりも、液晶分子が戻ろうとする動きを横電界がアシストするだけのものである。これだけで応答速度の向上には充分効果がある。したがって、上述したディスクリネーションによる悪影響を極力排除することを考えると、OFF状態に切り換えた直後の一定の時間だけ横電界を印加し、その後は止めてもよい。
【0046】
印加電圧のパターンに関しては、本実施の形態の場合、ON時には共通電極:V0、画素電極:+V、櫛歯状電極:+Vとし、OFF時には共通電極:V0、画素電極:V0、櫛歯状電極:+Vとしたが、ON時に縦電界が発生し、OFF時に横電界が発生しさえすれば、その他のいかなるパターンで電圧を印加してもよい。また、液晶材料の特性に合わせて横電界の大きさや印加時間を制御することにより、応答速度を調節することもできる。
【0047】
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態を図5〜図7を参照して説明する。
本実施の形態の液晶装置はTFTをスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス方式の反射型液晶装置の例である。基本構成は図1(a)、(b)に示した第1の実施の形態と同様であり、異なる点は横電界を発生させるための電極構成のみである。よって、液晶装置の全体構成の説明は省略し、電極構成と動作を中心に説明する。図5は一画素の電極構成のみを取り出して示す斜視図、図6は同平面図、図7(a)、(b)は同液晶装置の動作を説明するための図であって図5のB−B’線に沿う断面図である。なお、図5〜図7において、図2〜図4と共通の構成要素については同一の符号を付す。
【0048】
本実施の形態の液晶装置は、図5〜図7に示すように、素子基板2の画素電極7の上方に絶縁膜14を介して一画素毎に第1の櫛歯状電極21(第3の電極)、第2の櫛歯状電極22(第4の電極)が形成されている。これら第1、第2の櫛歯状電極21,22は、略矩形状の画素電極7の上方に絶縁膜14を介してアルミニウム、銀等の光反射率の高い同一の層の金属膜により形成されている。各櫛歯状電極21,22は画素電極の長手方向に延在する複数本(本実施の形態では2本)の線状部分21a,22aをそれぞれ有しており、コ字状の第1の櫛歯状電極21と逆コ字状の第2の櫛歯状電極22とが組み合わされて配置されている。また、図示は省略するが、これら櫛歯状電極21,22の各々を画素電極7とは独立して個別に駆動するためのTFT、このTFTに信号を供給するソース線およびゲート線が素子基板2上に形成されている。
【0049】
第1の実施の形態の液晶装置は透過型であったため、全ての電極が透明導電膜で形成されていたのに対し、本実施の形態の液晶装置は反射型に対応するものであり、各電極の構成材料は、対向基板3上の共通電極8がITOなどの透明導電膜、素子基板2上の画素電極7および2つの櫛歯状電極21,22がアルミニウム、銀等の金属膜となっている。したがって、本実施の形態の液晶装置は、対向基板3側が光入射側となる。
【0050】
本実施の形態の場合、図6に示すように、素子基板2側、対向基板3側の配向膜16,17には、各櫛歯状電極21,22の線状部分21a,22aの延在方向と直交する方向に対してそれぞれ45°をなす方向に配向処理が施されており(図6において、素子基板2上の配向膜16の配向方向を実線の矢印、対向基板3上の配向膜17の配向方向を破線の矢印で示す)、これら基板2,3間にツイステッドネマティック(Twisted Nematic,TN)液晶が挟持されている。したがって、画素電極7−共通電極8間に電圧を印加していない状態(OFF状態)では、液晶層23の液晶分子24はセル厚方向全体で90°ねじれており、バルク部分の液晶分子24は、その長軸方向が各櫛歯状電極21,22の線状部分21a,22aの延在方向と略直交する方向に向くように平行配向している。
【0051】
上記構成の液晶装置の動作について説明する。
まず、OFF状態からON状態に切り換える場合、図7(a)に示すように、共通電極8(第1の電極)にV0(例えばV0=0V)、画素電極7(第2の電極)に+V(例えば+V=+5V)、第1の櫛歯状電極21(第3の電極)、第2の櫛歯状電極22(第4の電極)にも画素電極7と同じく+V(例えば+V=+5V)の電圧を印加する。この時、画素電極7−共通電極8間には電位差が生じ、基板面に略垂直な方向に縦電界Evが発生するが、画素電極7、第1,第2の櫛歯状電極21,22は全て同電位であるから、これらの電極間に横電界は発生しない。そこで、縦電界Evに対応して、櫛歯状電極21,22の線状部分21a,22aの延在方向と略直交する方向に平行配向していた液晶分子24が、その長軸方向が縦電界Evの方向に向くように立ち上がる。
【0052】
次に、ON状態からOFF状態に切り換える場合、図7(b)に示すように、共通電極8(第1の電極)への印加電圧は変えず、画素電極7(第2の電極)にV0(例えばV0=0V)、第1の櫛歯状電極21(第3の電極)に+V(例えば+V=+5V)、第2の櫛歯状電極22(第4の電極)に−V(例えば−V=−5V)の電圧を印加する。この時、画素電極7−共通電極8間の電位差はなくなるので、ON時に発生していた縦電界EV が消滅する一方、第1の櫛歯状電極21−第2の櫛歯状電極22間、第1の櫛歯状電極21−画素電極7間、および第2の櫛歯状電極22−画素電極7間にはそれぞれ電位差が生じるので、横電界EL が発生する。この横電界EL に対応して、ON時に基板面に略垂直な方向に垂直配向していた液晶分子24が、その長軸方向が横電界Evの方向に向くように平行配向状態に戻る。
【0053】
なお、本実施の形態においても第1の実施の形態と同様、OFF時に画素電極7−共通電極8間には電位差がないが、第1,第2の櫛歯状電極21,22−共通電極8間には電位差があるため、若干の縦電界が発生しており、ディスクリネーションが発生することが考えられる。したがって、このディスクリネーションに起因するコントラスト比の低下を抑えるために、本実施の形態の場合もノーマリーホワイトの表示モードを採用することが望ましい。
【0054】
本実施の形態の液晶装置においても、ON状態からOFF状態に切り替える際に第1,第2の櫛歯状電極21,22を用いて液晶層23に横電界を印加する構成となっており、この横電界が平行配向状態へ液晶が戻ろうとする動きをアシストするため、OFF時の応答速度を従来に比べて向上させることができる、という第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0055】
本発明者は、本実施の形態の液晶装置の応答速度の向上効果を従来の液晶装置と比較した。櫛歯状電極を持たない従来の液晶装置を作製し、応答速度を測定した結果、ON時(印加電圧:5V)の応答速度が16msec、OFF時(印加電圧:0V)の応答速度が32msecであった。これに対し、本実施の形態で説明したような第1,第2の櫛歯状電極を追加した液晶装置を作製して応答速度を評価した結果、ON時の応答速度は16msecと変わらないが、OFF時の応答速度を23msecにまで改善することができた。
【0056】
本実施の形態の場合、素子基板2上に縦電界を発生させる画素電極7とは別個に横電界を発生させる第1の櫛歯状電極21、第2の櫛歯状電極22を設けた点で、第1の実施の形態に比べると電極構成や配線構成が若干複雑になる。しかしながら、横電界を発生させるための2つの櫛歯状電極21,22があるために、各電極に印加する電圧値の設定の自由度が上がり、印加電圧値のパターンを変えることで応答速度を調節することができる。上記印加電圧のパターン例を見ても、2つの櫛歯状電極21,22間に2×V(例えば2×V=10V)の電圧が印加され、第1の実施の形態に比べて2倍の印加電圧となるので、より大きな横電界を発生させることができ、液晶分子の戻りをより強くアシストすることができる。
【0057】
さらに本実施の形態の場合、第1の櫛歯状電極21、第2の櫛歯状電極22が同一の層で形成されているので、同一の工程で第1の櫛歯状電極21と第2の櫛歯状電極22を同時に形成することができ、製造プロセスが複雑になることがない。また、素子基板2上の画素電極7、第1,第2の櫛歯状電極21,22を全てアルミニウム、銀等の金属膜で形成しているため、これらの電極を対向基板3側から入射された外光を反射させる反射層として機能させることができ、別の反射層や外付けの反射板などを追加することなく、反射型液晶装置を実現することができる。なお、下側に位置する画素電極7を金属膜で形成すれば、その上の第1,第2の櫛歯状電極21,22は透明導電膜で形成してもよい。
【0058】
また、本実施の形態では、TN液晶を用いていることと各基板の配向処理の方向が第1の実施の形態と異なっているものの、液晶層23のバルク部分を構成する液晶分子24の長軸方向が各櫛歯状電極21,22の線状部分21a,22aの延在方向に対して略垂直な方向を向くようになっていることは同じである。したがって、横電界の方向と液晶分子のON→OFF時の戻り方向が一致し、液晶分子の戻りを円滑に補助できるという効果が得られる点では第1の実施の形態と同様である。
【0059】
第1、第2の実施の形態の液晶装置に、液晶層を加熱するためのヒータなどの加熱手段を備えた構成としてもよい。
本発明者が、任意の液晶装置において液晶の温度と応答時間の関係を調べたものが図12である。図12において、横軸は液晶の温度[℃]、縦軸は応答時間[msec]である。OFF時→ON時の応答時間を実線、ON時→OFF時の応答時間を破線で示す。
【0060】
図12に示すように、OFF時→ON時の応答時間よりもON時→OFF時の応答時間の方が長いことがわかる。これはON時→OFF時の応答が液晶分子の戻りのみに因っているためであり、上で述べた通りである。−20℃における応答時間はともに100msecを超えているが、温度の上昇とともに応答時間は短くなる傾向にあり、30℃を超えるとOFF時の応答時間も10msec以下となる。これは、ある一種の液晶材料について調べた結果であるが、液晶材料を変えても40℃以上になれば概ね10msec以下、例えば数msecといったの応答時間が実現できる。
【0061】
この結果から、本発明の液晶装置において応答速度をさらに改善するためにはヒータなどの加熱手段により液晶層を加熱することが有効である。さらに、液晶層の温度を常に一定範囲に制御するような温度制御手段を備えることがより好ましい。後述する投射型液晶表示装置のライトバルブに本発明の液晶装置を用いるような場合には光源からの強い光が液晶装置に照射され、液晶層の温度が必然的に上昇してしまうので、応答時間の改善にとっては有利である。
【0062】
[投射型表示装置]
図8は、上記実施の形態の液晶装置を液晶ライトバルブとして用いた色順次単板方式(フィールドシーケンシャルカラー方式)の投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)の一例を示す概略構成図である。図中、符号500は光源、501,502は集光レンズ、503はカラーホイール、504は液晶ライトバルブ(光変調手段)、505は投射レンズを示す。
【0063】
光源500は、メタルハライド等のランプ506とランプ506の光を反射するリフレクタ507とから構成されている。光源500からの白色光が第1集光レンズ501を透過した後、高速回転するカラーホイール503を透過することにより、赤色光、青色光、緑色光が例えば数msecといった時分割で出射される。その後、出射された各色光は第2集光レンズ502を透過する。第2集光レンズ502を透過した光は液晶ライトバルブ504に入射され、ここで変調された後、投射レンズ505によってスクリーン(図示略)上に投射され、画像が拡大されて表示される。
【0064】
上記構成の投射型液晶表示装置は、各色に対応する画像を1つの液晶ライトバルブ504で時分割で切り換えて投射し、カラー表示を実現するものであるから、液晶ライトバルブ504には応答速度が速いことが要求される。そこで、上記実施の形態の液晶装置を用いたことにより、画像品位に優れた投射型液晶表示装置を実現することができる。また上述したように、光源500からの強い光が液晶ライトバルブ504に照射され、液晶層の温度が高くなるので、応答時間の改善にとっては有効であり、時分割駆動のカラー投射型表示装置に好適なものとなる。
【0065】
[電子機器]
上記実施の形態の液晶表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
図9は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図9において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0066】
図10は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図10において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0067】
図11は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図11において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0068】
図9〜図11に示す電子機器は、上記実施の形態の液晶装置を用いた液晶表示部を備えているので、応答速度の速い表示が可能な液晶表示部を備えた電子機器を実現することができる。
【0069】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施の形態ではスイッチング素子にTFTを用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置に本発明を適用したが、スイッチング素子に薄膜ダイオード(Thin Film Diode,TFD)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置、パッシブマトリクス方式の液晶装置、カラーフィルターを備えたカラー液晶装置などにも適用が可能である。また、液晶装置の応用例としては、上記の投射型液晶表示装置の他、直視型の液晶表示装置にも応用できることは勿論である。
【0070】
その他、横電界を発生させるための電極(上記実施の形態では櫛歯状電極とした)等の各構成要素の形状、構成材料等の具体的な記載に関しては、上記実施の形態の例に限ることなく、適宜変更が可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、ON状態からOFF状態に切り換え際に第2の基板上の電極を用いて液晶に横電界を印加する構成となっており、この横電界がOFF時の液晶の戻りを補助するように働くため、従来に比べて応答速度が速い液晶装置を実現することができる。また、横電界発生用の電極を形成するのは第2の基板側のみで済むので、製造プロセスが煩雑になったり、製造コストが増大することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の液晶装置を示す図であって、図1(a)は液晶装置の全体構成を示す斜視図、図1(b)は図1(a)における一画素の拡大図である。
【図2】 同、液晶装置の一画素の電極構成のみを取り出して示す斜視図である。
【図3】 同、電極構成を示す平面図である。
【図4】 図4(a)、(b)ともに同液晶装置の動作を説明するための図であって、図2のA−A’線に沿う断面図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態の液晶装置の一画素の電極構成のみを取り出して示す斜視図である。
【図6】 同、電極構成を示す平面図である。
【図7】 図7(a)、(b)ともに同液晶装置の動作を説明するための図であって、図5のB−B’線に沿う断面図である。
【図8】 同、液晶装置を備えた投射型表示装置の一例を示す図である。
【図9】 同、液晶装置を備えた電子機器の一例を示す図である。
【図10】 同、電子機器の他の例を示す図である。
【図11】 同、電子機器のさらに他の例を示す図である。
【図12】 液晶の温度と応答時間との関係を測定した結果を示すグラフである。
【図13】 横電界モードの液晶表示装置((a)IPS方式、(b)FFS方式)の原理を説明するための図である。
【符号の説明】
1 液晶装置
2 素子基板(第2の基板)
3 対向基板(第1の基板)
7 画素電極(第2の電極)
8 共通電極(第1の電極)
14 絶縁膜
15 櫛歯状電極(第3の電極)
15a,21a,22a (櫛歯状電極の)線状部分
16,17 配向膜
18,23 液晶層
19,24 液晶分子
21 第1の櫛歯状電極(第3の電極)
22 第2の櫛歯状電極(第4の電極)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a liquid crystal device, a projection display device, and an electronic apparatus, and particularly relates to a liquid crystal device excellent in response speed.
[0002]
[Prior art]
In a projection type liquid crystal display device such as a liquid crystal projector, an active matrix type liquid crystal device is used as a liquid crystal light valve used as a light modulation means. In an active matrix liquid crystal device, an element substrate on which signal lines, pixel electrodes, pixel switching elements, and the like are formed and a counter substrate on which a common electrode is formed are opposed to each other with a certain gap through a sealing material. The liquid crystal is sandwiched between the gaps. A large number of pixel electrodes surrounded by data lines and scanning lines are formed in the display area of the liquid crystal device, and these pixel electrodes are arranged in a matrix.
[0003]
As a display method of an active matrix liquid crystal device, a display method in a twisted nematic (hereinafter abbreviated as TN) mode is currently in use. The reason is that the TN mode liquid crystal device balances the basic characteristics required for display, such as bright, high contrast, relatively fast response speed, low drive voltage, and easy gradation display. It is because it is well equipped. The TN mode employs a structure in which the major axis direction of liquid crystal molecules is twisted by 90 ° between the element substrate and the counter substrate.
[0004]
By the way, as one means for widening the viewing angle of the liquid crystal display device, a lateral electric field is generated in the in-plane direction with respect to the substrate, and the liquid crystal molecules are rotated in a plane parallel to the substrate by this lateral electric field. In-plane switching (hereinafter abbreviated as IPS) technology that provides a switching function has been put into practical use. In recent years, the Fringe-Field Switching (hereinafter abbreviated as FFS) technology, which is a further improvement of the IPS technology, has been developed as "High-Transmittance, Wide-Viewing-Angle Nematic Liquid Crystal Display Controlled by Fringe-". Field Switching ", SHLee et al., ASIA DISPLAY 98, p.371-374," A High Quality AM-LCD using Fringe-Field Switching Technology ", SHLee et al., IDW'99, p.191-194 It has been announced.
[0005]
13A and 13B are diagrams showing the difference in concept between IPS and FFS. FIG. 13A shows a schematic configuration of IPS, and FIG. 13B shows a schematic configuration of FFS. Similarly, the
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
When a TN mode active matrix liquid crystal device adopts a liquid crystal with positive dielectric anisotropy and a parallel alignment and normally white mode, a vertical electric field is generated by applying a voltage to the pixel electrode and the common electrode. A liquid crystal molecule is made to stand in a direction substantially perpendicular to the substrate surface by an electric field (hereinafter referred to as an ON state), and black display is performed. Then, by stopping the voltage application, the liquid crystal molecules are returned to the parallel alignment state (hereinafter referred to as the OFF state), and white display is performed. That is, the transition from the OFF state to the ON state is due to voltage application (energy supply from the outside), but the transition from the ON state to the OFF state is due to a natural return due to the viscosity of the liquid crystal itself. Therefore, the response speed from the OFF state to the ON state can be increased by using a means such as increasing the applied voltage, but the response speed from the ON state to the OFF state is considered to be determined by the liquid crystal material used. . Therefore, although the response speed is relatively fast in the TN mode, the response speed from the ON state to the OFF state determined by the characteristics of the liquid crystal material is slow, so there is a limit to the improvement of the overall response speed.
[0007]
Accordingly, for the purpose of improving the response speed from the ON state to the OFF state, a liquid crystal device provided with electrodes for generating a horizontal electric field on the upper and lower substrates is disclosed in JP-A-9-236819 and JP-A-11-042109. It has been proposed in publications. In the liquid crystal devices described in these publications, each of the upper substrate and the lower substrate has a pair of comb-like electrodes for generating a horizontal electric field, and the direction of the horizontal electric field generated by the electrodes on each substrate is Each electrode is arrange | positioned so that it may orthogonally cross. According to this configuration, when the alignment direction of the liquid crystal molecules changes from a direction perpendicular to the substrate surface to a direction parallel to the substrate surface, the lateral electric field generated from the electrodes on each substrate promotes the change in alignment of the liquid crystal molecules. By this action, the state change of the liquid crystal molecules becomes faster and a high-speed response is possible.
[0008]
However, in the case of the liquid crystal device described in the above publication, there is a problem that the manufacturing process becomes very complicated and the manufacturing cost increases. That is, in a normal IPS liquid crystal device that performs display by driving liquid crystal with a horizontal electric field, a comb-like electrode for generating a horizontal electric field may be formed only on one of the pair of substrates. In the liquid crystal device described in the above publication, comb-shaped electrodes must be formed on both the upper substrate and the lower substrate, and a switching element for driving the comb-shaped electrodes is required for each substrate. It becomes. Therefore, both the upper substrate and the lower substrate become element substrates, and the manufacturing process becomes complicated for both substrates, and the manufacturing cost increases.
[0009]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and a liquid crystal device capable of improving the response speed without causing an increase in a manufacturing process or manufacturing cost, and the liquid crystal device are used. An object is to provide a projection display device and an electronic apparatus.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a liquid crystal device of the present invention is a liquid crystal device in which a liquid crystal layer made of a liquid crystal having a positive dielectric anisotropy is sandwiched between a pair of substrates arranged opposite to each other, A first electrode provided on a first substrate constituting a pair of substrates and formed over the entire display region; a second electrode constituting the pair of substrates; and the first electrode A second electrode that faces the liquid crystal layer and applies a vertical electric field to the liquid crystal layer between the first electrode and the second substrate; And a third electrode that applies a lateral electric field to the liquid crystal between the second electrode and the electrode for applying the lateral electric field. 2 is provided only on the
[0011]
The liquid crystal device of the present invention is basically a parallel alignment mode liquid crystal device using a liquid crystal having a positive dielectric anisotropy, and is provided between electrodes provided on a first substrate and a second substrate, respectively. Display is performed by driving the liquid crystal with an electric field in a direction substantially perpendicular to the substrate surface generated in step (this electric field is referred to as a vertical electric field in this specification). Therefore, a vertical electric field is generated by applying voltage to the electrodes of both substrates, and the vertical electric field changes the orientation direction so that the major axis direction of the liquid crystal molecules is directed from a direction parallel to the substrate surface to a direction perpendicular to the substrate state. Become.
[0012]
Next, when switching to the OFF state, the orientation state of the liquid crystal molecules is changed from the direction perpendicular to the substrate surface to the direction parallel to the natural return due to the viscosity of the liquid crystal simply by stopping the voltage application. On the other hand, in the case of the liquid crystal device of the present invention, a plurality of electric fields for applying an electric field in a direction substantially parallel to the substrate surface to the liquid crystal layer (this electric field is referred to as a transverse electric field in this specification) is applied to the second substrate. Therefore, the liquid crystal with positive dielectric anisotropy is aligned along the direction of the electric field by the application of the transverse electric field, that is, the major axis direction of the liquid crystal molecules is oriented in a direction parallel to the substrate surface. Oriented as follows. Thus, according to the present invention, in addition to the force to return to the original alignment state due to the viscosity of the liquid crystal itself, the force to align the liquid crystal molecules along the transverse electric field can be applied. The response speed from the state to the OFF state can be made faster than before.
[0013]
In the liquid crystal device of the present invention, a liquid crystal having a positive dielectric anisotropy must be used in a liquid crystal having a positive dielectric anisotropy. Because it can be limited, when the transverse electric field is applied, the molecular long axis direction can be aligned with the direction of the transverse electric field, which can assist the movement of the liquid crystal to return, but in the liquid crystal with negative dielectric anisotropy, the direction of polarization is This is because the molecular minor axis direction cannot be limited to one direction, and the liquid crystal molecules are not aligned in one direction even when a lateral electric field is applied.
[0014]
Further, in the present invention, unlike the liquid crystal device described in the above publication, the electrode for generating the horizontal electric field only needs to be formed on the second substrate side, so that the manufacturing process becomes complicated and the manufacturing cost increases. There is nothing.
[0015]
As an example of a more specific electrode configuration, the first substrate is provided with a first electrode, and the second substrate is provided with a second electrode that generates a vertical electric field between the first electrode, Further, the second substrate may be provided with a third electrode that generates a lateral electric field with the second electrode.
[0016]
According to this configuration, the second electrode on the second substrate functions as an electrode that generates a vertical electric field with the first electrode on the first substrate, and at the same time, the second electrode on the second substrate. Since it functions also as an electrode which generates a transverse electric field between the three electrodes, the electrode configuration can be simplified.
[0017]
Furthermore, the second electrode may be a substantially rectangular electrode, and the third electrode may be an electrode having a linear portion formed above the second electrode through an insulating film.
[0018]
This configuration is similar to the FFS electrode configuration described in [Prior Art]. When the FFS electrode configuration is adopted, there is an electric field component in the direction perpendicular to the substrate surface in the vicinity of the edge of the linear (comb-like) electrode. In IPS, the liquid crystal molecules located between the linear electrodes are driven. However, in the case of FFS, liquid crystal molecules positioned above the linear electrodes are driven as well as liquid crystal molecules positioned between the linear electrodes. Will be. Therefore, if the electrode is formed of a transparent conductive film such as indium tin oxide (hereinafter abbreviated as ITO), the portion of the electrode can also contribute to the display, which is more open than the IPS under the same conditions. The advantage is that the rate can be increased. However, in the present invention, the arrangement of the electrodes is merely similar to that of FFS, and the relationship of mutual dimensions such as the cell gap, the electrode width, and the distance between the electrodes is not necessarily the relationship defined as the above FFS. There is no need to satisfy.
[0019]
As another example of the electrode configuration, a first electrode is provided on the first substrate, a second electrode that generates a vertical electric field between the first electrode and the second substrate is provided, The second substrate may be provided with a third electrode and a fourth electrode that generate a transverse electric field between them.
[0020]
In the case of this example, compared to the previous example, a third electrode and a fourth electrode for generating a lateral electric field are provided separately from the second electrode for generating a vertical electric field on the second substrate. The electrode configuration is slightly complicated. On the other hand, since the function of each electrode can be separated, the degree of freedom in setting the voltage value applied to each electrode is increased, and the response speed can be adjusted by changing the pattern of the applied voltage value.
[0021]
Further, the second electrode is a substantially rectangular electrode, and the third electrode and the fourth electrode both have a linear portion formed above the second electrode through an insulating film. It can also be. In that case, it is desirable to form the third electrode and the fourth electrode in the same layer.
[0022]
This configuration is similar to the electrode configuration of the IPS described in [Prior Art]. When the IPS electrode configuration is adopted, the third electrode and the fourth electrode may be configured as separate layers with an insulating film interposed therebetween. However, if configured with the same layer, the third step can be performed in the same process. Since the first electrode and the fourth electrode can be formed simultaneously, the manufacturing process is not complicated accordingly.
[0023]
Further, in the state where the third electrode has a linear portion and no vertical electric field is applied, the major axis direction of the liquid crystal molecules constituting the bulk portion of the liquid crystal layer is substantially the same as the extending direction of the linear portion. It is desirable that the orientation treatment is performed so as to face the vertical direction. The term “bulk portion of the liquid crystal layer” as used herein refers to a cell thickness that allows liquid crystal molecules to freely change the alignment direction except for the region near the substrate surface where the alignment state is completely defined by the alignment treatment of the surface of each substrate. It is the liquid crystal part at the center in the direction.
[0024]
According to this configuration, when a voltage is applied to the third electrode, a lateral electric field is generated in a direction substantially perpendicular to the extending direction of the linear portion, but the initial alignment state is the liquid crystal molecules in the bulk portion. Is defined so that the direction of the major axis is oriented in a direction substantially perpendicular to the extending direction of the linear portion, the direction of the transverse electric field coincides with the direction in which the liquid crystal molecules return when ON → OFF, Smooth return of liquid crystal molecules can be assisted.
[0025]
In general, the display mode is normally white when no voltage is applied (OFF), normally white when voltage is applied (ON), black when no voltage is applied (OFF), and white when voltage is applied (ON). Although there are two types of black, it is desirable to adopt normally white in the liquid crystal device of the present invention.
[0026]
In the liquid crystal device of the present invention, a lateral electric field is applied to assist the return of liquid crystal molecules when switching from the ON state to the OFF state. At this time, depending on the voltage application method, the first electric field on the first substrate is applied. A vertical electric field may be temporarily generated between the electrodes and the electric field may be disturbed. In this case, the alignment of the liquid crystal is disturbed due to the disturbance of the electric field, and so-called disclination occurs.However, in the normally black mode, disclination occurs when switching from white display to black display, so light leakage occurs. This may lead to a decrease in contrast. However, in the normally white mode, disclination occurs when switching from black display to white display. Therefore, although disclination itself is not preferable, contrast does not decrease. Therefore, it is desirable to use normally white in the present invention.
[0027]
All of the first to third electrodes may be formed of a transparent conductive film such as ITO.
According to this configuration, the liquid crystal device of the present invention can be realized as a transmissive liquid crystal device.
[0028]
Of the first to third electrodes, an electrode on one of the pair of substrates is formed of a transparent conductive film such as ITO, and at least one of the electrodes on the other substrate is aluminum, It is good also as a structure formed with metal films, such as silver.
According to this configuration, the liquid crystal device of the present invention can be realized as a reflective liquid crystal device without adding another reflective layer or an external reflective plate.
[0029]
In this case, various forms are conceivable. If the first substrate is the incident side and the second substrate is the reflection side, for example, the first electrode is the transparent conductive film, the second electrode, and the third electrode ( The fourth electrode) may be a metal film. Alternatively, the first electrode may be a transparent conductive film, the second electrode may be a metal film, and the third electrode (fourth electrode) may be a transparent conductive film. Conversely, if the second substrate is the incident side and the first substrate is the reflection side, the second electrode, the third electrode (fourth electrode) are the transparent conductive film, and the first electrode is the metal film. do it.
[0030]
Furthermore, it is good also as a structure provided with the heating means which heats the said liquid-crystal layer.
According to this configuration, the temperature of the liquid crystal layer can be raised to room temperature or higher by the action of the heating means, thereby reducing the viscosity of the liquid crystal, so that the return of the liquid crystal molecules when switching from the ON state to the OFF state is accelerated. , Response speed can be improved.
[0031]
The projection type display device of the present invention comprises a light source, a light modulation unit comprising the liquid crystal device of the present invention for modulating light from the light source, and a projection unit for projecting light modulated by the light modulation unit. It is characterized by that.
According to this configuration, it is possible to realize a projection display device capable of displaying with a high response speed, and is particularly suitable for a color sequential display device driven by field sequential (time division).
[0032]
An electronic apparatus according to the present invention includes the liquid crystal device according to the present invention.
According to this configuration, it is possible to realize an electronic device including a liquid crystal display unit capable of displaying with a high response speed.
[0033]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[First Embodiment]
A first embodiment of the present invention will be described below with reference to FIGS.
The liquid crystal device of this embodiment is an example of an active matrix type transmissive liquid crystal device in which a thin film transistor (hereinafter abbreviated as TFT) is used as a switching element. FIG. 1A shows the entire liquid crystal device. FIG. 1B is an enlarged view of one pixel in FIG. 1A, FIG. 2 is a perspective view showing only the electrode configuration of one pixel, FIG. 3 is the same plan view, and FIG. (a), (b) is a figure for demonstrating operation | movement of the liquid crystal device, Comprising: It is sectional drawing which follows the AA 'line of FIG. In all the drawings below, the film thicknesses and dimensional ratios of the constituent elements are appropriately changed in order to make the drawings easy to see.
[0034]
In the
[0035]
As shown in FIG. 1B, the
[0036]
As shown in FIGS. 2 to 4, a comb-like electrode 15 (third electrode) is formed above the
[0037]
In the case of the present embodiment, as shown in FIG. 3, the
[0038]
The operation of the liquid crystal device having the above configuration will be described.
First, when a voltage is applied between the
[0039]
Next, when switching from the ON state to the OFF state, as shown in FIG. 4B, the applied voltage to the common electrode 8 (first electrode) and the comb-like electrode 15 (third electrode) is not changed. In addition, only the voltage applied to the pixel electrode 7 (second electrode) is changed from + V (for example, + V = + 5 V) to V. 0 (Eg V 0 = 0V). At this time, since the potential difference between the
[0040]
When the voltage application method as described above is adopted, “when switching from the ON state to the OFF state, there is no potential difference between the
[0041]
Since the
[0042]
The present inventor compared the effect of improving the response speed of the liquid crystal device of this embodiment with that of a conventional liquid crystal device. As a result of fabricating a conventional liquid crystal device having no comb-like electrode and measuring the response speed, the response speed when ON (applied voltage: 5 V) is 20 msec, and the response speed when OFF (applied voltage: 0 V) is 35 msec. there were. On the other hand, as a result of fabricating a liquid crystal device with the comb-like electrode added as described in this embodiment and evaluating the response speed, the response speed at the time of ON is not different from 20 msec. Was improved to 25 msec.
[0043]
Further, unlike the liquid crystal device described in the publication cited in [Prior Art], in the case of the present embodiment, it is only necessary to form the electrode for generating the lateral electric field only on the
[0044]
In the case of the present embodiment, in the OFF state, the major axis direction of the
[0045]
Regarding the timing of applying the horizontal electric field, the horizontal electric field may continue to be applied as long as the OFF state continues after switching to the OFF state. Rather than completely driving the liquid crystal molecules, the lateral electric field only assists the movement of the liquid crystal molecules to return. This alone is sufficient for improving the response speed. Therefore, considering that the adverse effects due to the disclination described above are eliminated as much as possible, the lateral electric field may be applied for a certain period of time immediately after switching to the OFF state and then stopped.
[0046]
Regarding the pattern of applied voltage, in the case of this embodiment, the common electrode: V 0 , Pixel electrode: + V, comb-like electrode: + V, common electrode: V when OFF 0 Pixel electrode: V 0 Although the comb-like electrode is set to + V, the voltage may be applied in any other pattern as long as a vertical electric field is generated when it is ON and a horizontal electric field is generated when it is OFF. Further, the response speed can be adjusted by controlling the magnitude of the horizontal electric field and the application time in accordance with the characteristics of the liquid crystal material.
[0047]
[Second Embodiment]
Hereinafter, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
The liquid crystal device of this embodiment is an example of an active matrix reflective liquid crystal device using TFTs as switching elements. The basic configuration is the same as that of the first embodiment shown in FIGS. 1A and 1B, and the only difference is the electrode configuration for generating a lateral electric field. Therefore, the description of the overall configuration of the liquid crystal device is omitted, and the description will focus on the electrode configuration and operation. FIG. 5 is a perspective view showing only the electrode configuration of one pixel, FIG. 6 is a plan view thereof, and FIGS. 7A and 7B are diagrams for explaining the operation of the liquid crystal device. It is sectional drawing which follows the BB 'line. 5-7, the same code | symbol is attached | subjected about the same component as FIGS.
[0048]
As shown in FIGS. 5 to 7, the liquid crystal device according to the present embodiment has a first comb-like electrode 21 (third) for each pixel via an insulating
[0049]
Since the liquid crystal device of the first embodiment is a transmission type, all the electrodes are formed of a transparent conductive film, whereas the liquid crystal device of the present embodiment corresponds to a reflection type, The constituent material of the electrodes is that the
[0050]
In the case of the present embodiment, as shown in FIG. 6, the
[0051]
The operation of the liquid crystal device having the above configuration will be described.
First, when switching from the OFF state to the ON state, as shown in FIG. 7A, the common electrode 8 (first electrode) has V 0 (Eg V 0 = 0V), + V (for example, + V = + 5V) to the pixel electrode 7 (second electrode), the first comb-like electrode 21 (third electrode), the second comb-like electrode 22 (fourth electrode) ) Is also applied with a voltage of + V (for example, + V = + 5 V) in the same manner as the
[0052]
Next, when switching from the ON state to the OFF state, as shown in FIG. 7B, the voltage applied to the common electrode 8 (first electrode) is not changed, and V is applied to the pixel electrode 7 (second electrode). 0 (Eg V 0 = 0V), + V (for example, + V = + 5 V) for the first comb-like electrode 21 (third electrode), and -V (for example, -V =-) for the second comb-like electrode 22 (fourth electrode). 5V) is applied. At this time, since the potential difference between the
[0053]
In the present embodiment, as in the first embodiment, there is no potential difference between the
[0054]
The liquid crystal device of the present embodiment also has a configuration in which a lateral electric field is applied to the
[0055]
The present inventor compared the effect of improving the response speed of the liquid crystal device of this embodiment with that of a conventional liquid crystal device. As a result of fabricating a conventional liquid crystal device having no comb-like electrode and measuring the response speed, the response speed when ON (applied voltage: 5 V) is 16 msec, and the response speed when OFF (applied voltage: 0 V) is 32 msec. there were. On the other hand, as a result of fabricating a liquid crystal device having the first and second comb-like electrodes added as described in this embodiment and evaluating the response speed, the response speed at the time of ON is not different from 16 msec. The response speed when OFF was improved to 23 msec.
[0056]
In the case of the present embodiment, a first comb-
[0057]
Furthermore, in the case of the present embodiment, the first comb-
[0058]
In the present embodiment, the length of the
[0059]
The liquid crystal device according to the first and second embodiments may include a heating unit such as a heater for heating the liquid crystal layer.
FIG. 12 shows the relationship between the temperature of the liquid crystal and the response time in an arbitrary liquid crystal device by the present inventor. In FIG. 12, the horizontal axis represents the liquid crystal temperature [° C.], and the vertical axis represents the response time [msec]. The response time from OFF to ON is indicated by a solid line, and the response time from ON to OFF is indicated by a broken line.
[0060]
As shown in FIG. 12, it can be seen that the response time from ON to OFF is longer than the response time from OFF to ON. This is because the response from ON to OFF is due only to the return of the liquid crystal molecules, as described above. Although the response time at −20 ° C. exceeds 100 msec, the response time tends to be shortened as the temperature rises. When the temperature exceeds 30 ° C., the response time at OFF becomes 10 msec or less. This is a result of investigation on a kind of liquid crystal material. Even if the liquid crystal material is changed, a response time of about 10 msec or less, for example, several msec, can be realized when the temperature is 40 ° C. or higher.
[0061]
From this result, in order to further improve the response speed in the liquid crystal device of the present invention, it is effective to heat the liquid crystal layer by a heating means such as a heater. Furthermore, it is more preferable to provide a temperature control means that always controls the temperature of the liquid crystal layer within a certain range. When the liquid crystal device of the present invention is used for a light valve of a projection type liquid crystal display device to be described later, the liquid crystal device is irradiated with strong light from the light source, and the temperature of the liquid crystal layer inevitably rises. It is advantageous for improving the time.
[0062]
[Projection type display device]
FIG. 8 is a schematic configuration diagram showing an example of a color sequential single plate type (field sequential color type) projection type liquid crystal display device (liquid crystal projector) using the liquid crystal device of the above embodiment as a liquid crystal light valve. In the figure,
[0063]
The
[0064]
The projection type liquid crystal display device having the above configuration realizes color display by switching images corresponding to the respective colors in a time division manner with one liquid crystal
[0065]
[Electronics]
Examples of electronic devices provided with the liquid crystal display device of the above embodiment will be described.
FIG. 9 is a perspective view showing an example of a mobile phone. In FIG. 9,
[0066]
FIG. 10 is a perspective view showing an example of a wristwatch type electronic apparatus. In FIG. 10,
[0067]
FIG. 11 is a perspective view illustrating an example of a portable information processing apparatus such as a word processor or a personal computer. In FIG. 11,
[0068]
Since the electronic apparatus shown in FIGS. 9 to 11 includes a liquid crystal display unit using the liquid crystal device of the above embodiment, an electronic apparatus including a liquid crystal display unit capable of displaying with a high response speed is realized. Can do.
[0069]
The technical scope of the present invention is not limited to the above embodiment, and various modifications can be made without departing from the spirit of the present invention. For example, in the above embodiment, the present invention is applied to an active matrix liquid crystal device using a TFT as a switching element. However, an active matrix liquid crystal device using a thin film diode (TFD) as a switching element, a passive device. The present invention can also be applied to a matrix type liquid crystal device, a color liquid crystal device including a color filter, and the like. As an application example of the liquid crystal device, it is needless to say that it can be applied to a direct-view type liquid crystal display device in addition to the above-mentioned projection type liquid crystal display device.
[0070]
In addition, the specific description of the shape of each constituent element, such as an electrode for generating a lateral electric field (in the above embodiment, a comb-like electrode), the constituent material, etc. is limited to the example of the above embodiment. The change can be made as appropriate.
[0071]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, the lateral electric field is applied to the liquid crystal using the electrode on the second substrate when switching from the ON state to the OFF state. Since it works to assist the return of the liquid crystal when is turned off, a liquid crystal device with a faster response speed than the conventional one can be realized. Further, since the electrode for generating the horizontal electric field is formed only on the second substrate side, the manufacturing process is not complicated and the manufacturing cost does not increase.
[Brief description of the drawings]
1A and 1B are diagrams showing a liquid crystal device according to a first embodiment of the present invention, in which FIG. 1A is a perspective view showing an overall configuration of the liquid crystal device, and FIG. 1B is a diagram in FIG. It is an enlarged view of one pixel.
FIG. 2 is a perspective view showing only the electrode configuration of one pixel of the liquid crystal device.
FIG. 3 is a plan view showing the electrode configuration.
4A and 4B are diagrams for explaining the operation of the liquid crystal device, and are cross-sectional views taken along the line AA ′ in FIG. 2;
FIG. 5 is a perspective view showing only an electrode configuration of one pixel of a liquid crystal device according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a plan view showing the electrode configuration.
7A and 7B are diagrams for explaining the operation of the liquid crystal device, and are cross-sectional views taken along the line BB ′ in FIG. 5;
FIG. 8 is a diagram showing an example of a projection display device provided with a liquid crystal device.
FIG. 9 is a diagram illustrating an example of an electronic apparatus including a liquid crystal device.
FIG. 10 is a diagram showing another example of the electronic device.
FIG. 11 is a diagram showing still another example of the electronic device.
FIG. 12 is a graph showing the results of measuring the relationship between liquid crystal temperature and response time.
FIG. 13 is a diagram for explaining the principle of a horizontal electric field mode liquid crystal display device ((a) IPS mode, (b) FFS mode).
[Explanation of symbols]
1 Liquid crystal device
2 Element substrate (second substrate)
3 Counter substrate (first substrate)
7 Pixel electrode (second electrode)
8 Common electrode (first electrode)
14 Insulating film
15 Comb-shaped electrode (third electrode)
15a, 21a, 22a Linear part (of comb-like electrode)
16, 17 Alignment film
18, 23 Liquid crystal layer
19, 24 Liquid crystal molecules
21 1st comb-like electrode (3rd electrode)
22 Second comb-like electrode (fourth electrode)
Claims (8)
前記一対の基板を構成する第1の基板に設けられ、表示領域の全体にわたって形成された第1の電極と、
前記一対の基板を構成する第2の基板に設けられるとともに、前記第1の電極と前記液晶層を挟んで対峙し、該第1の電極との間で該液晶層に対して縦電界を印加する第2の電極と、
前記第2の基板に設けられ、前記第2の電極上に絶縁膜を介して形成されるとともに該第2の電極との間で前記液晶に対して横電界を印加する第3の電極と、を備え、
前記横電界を印加するための電極は前記第2の基板のみに設けられており、前記縦電界を印加した状態から該縦電界を印加しない状態に切り換える際に、前記横電界を印加し、
前記第3の電極は、線上部分を備えると共に、前記第2の電極上の一部にのみ形成され、
前記第2の電極に重なり且つ前記液晶層のバルク部分を構成する液晶分子の長軸方向が、前記縦電界を印加しない状態において、前記線状部分の延在方向に対して略垂直な方向を向くように配向処理がなされていることを特徴とする液晶装置。A liquid crystal device in which a liquid crystal layer made of a liquid crystal having positive dielectric anisotropy is sandwiched between a pair of substrates arranged to face each other,
A first electrode provided on a first substrate constituting the pair of substrates and formed over the entire display area;
Provided on the second substrate constituting the pair of substrates, facing the first electrode and the liquid crystal layer, and applying a vertical electric field to the liquid crystal layer between the first electrode A second electrode that,
A third electrode provided on the second substrate, formed on the second electrode via an insulating film and applying a lateral electric field to the liquid crystal between the second electrode; With
The electrode for applying the transverse electric field is provided only on the second substrate, and when switching from the state where the longitudinal electric field is applied to the state where the longitudinal electric field is not applied, the transverse electric field is applied,
The third electrode includes a line portion and is formed only on a part of the second electrode;
The major axis direction of the liquid crystal molecules that overlap the second electrode and constitute the bulk portion of the liquid crystal layer has a direction substantially perpendicular to the extending direction of the linear portion in a state where the longitudinal electric field is not applied. A liquid crystal device characterized by being subjected to an alignment treatment so as to face.
前記縦電界を印加しない状態において、前記所定時間経過後は前記横電界を印加しないことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。The electrode for applying the transverse electric field applies the transverse electric field only for a predetermined time after switching to the state in which the longitudinal electric field is not applied,
2. The liquid crystal device according to claim 1, wherein the horizontal electric field is not applied after the predetermined time has elapsed in a state where the vertical electric field is not applied.
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