JP3900217B2 - 船外機のエンジン装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、気筒内に燃料を直接噴射するインジェクタを備える船外機のエンジン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
船外機には、例えばクランク軸を縦置きに配置したエンジンが搭載され、このエンジンには気筒内に燃料を直接噴射するインジェクタを備えるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、船外機のエンジンは、カウリングで覆われており、インジェクタに燃料を供給する燃料ポンプ、インジェクタを駆動するインジェクタドライバ、駆動電源であるオルタネータ等の発熱部品は、発熱部品自身が発する熱、あるいはエンジンの熱の影響を受け、耐久性が低下する。あるいは、発熱部品自身が発する熱、あるいはエンジンの熱による燃料のベーパーロックが生じて正確な空燃比を維持することができない等の問題がある。
【0004】
この発明はこのような欠点を解消すべくなされたもので、発熱部品を冷却することで耐久性が向上し、また正確な空燃比の維持が可能な船外機のエンジン装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明を次のように構成した。
【0008】
請求項1記載の発明は、『気筒をVバンクさせ、クランク軸を縦置きに配置したエンジンであり、気筒内に燃料を直接噴射するインジェクタを備える船外機のエンジン装置において、
前記インジェクタに高圧燃料を供給する高圧燃料ポンプを、前記Vバンクの間の上方位置に配置し、
前記高圧燃料ポンプから前記インジェクタに燃料を供給する燃料レールを前記高圧燃料ポンプの外側に配置し、
前記高圧燃料ポンプは、前記Vバンクの間で排気通路の上方位置に配置され、
前記排気通路は、前記Vバンクの間でシリンダボディに一体に形成され、
前記高圧燃料ポンプの下側には、制御装置が配置され、
前記制御装置は、前記Vバンクの間に配置され、
前記制御装置は、電子制御ユニットと、前記インジェクタを駆動するインジェクタドライバを有する、
ことを特徴とする船外機のエンジン装置。』である。
【0009】
この請求項1記載の発明によれば、高圧燃料ポンプを気筒のVバンクの間の上方位置にコンパクトに配置でき、さらに燃料レールを高圧燃料ポンプの外側に配置することで、燃料レールが排気通路から離れた位置であるからエンジンの熱による燃料のベーパーロックを効果的に防止することができ、正確な空燃比の維持が可能である。
【0010】
請求項2記載の発明は、『前記高圧燃料ポンプに前記クランク軸からの動力を、前記エンジンの上壁の上方に配置したベルトにより伝達するポンプ駆動手段を備えることを特徴とする請求項1記載の船外機のエンジン装置。』である。
【0011】
この請求項2記載の発明によれば、高圧燃料ポンプを駆動するベルトが冷却されるために耐久性が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の船外機のエンジン装置の実施例を図面に基づいて説明する。図1は第1実施例の船外機のエンジン装置の概略構成図である。
【0019】
符号1は乗り物である船舶で、矢印Frは船舶1の進行方向前方を示している。なお、後記する左右とは、前記前方に向っての方向をいうものとする。船舶1は船体2を有し、この船体2の船尾には船外機3が着脱自在に取り付けられている。船外機3は、燃料噴射式内燃機関である2サイクルのV型エンジン4を有し、このV型エンジン4は伝動ケース5の上端に着脱自在に取り付けられて、下方はカバー6aで、上方はカバー6bで開閉自在に覆われている。伝動ケース5は、水中に向って下方に延び、この伝動ケース5の下端に後方に伸びる不図示のシャフトが支承され、このシャフトにプロペラ7が取り付けられ、V型エンジン4の動力によりプロペラ7が回転される。
【0020】
V型エンジン4は、気筒4a,4bをVバンクさせ、クランク軸10を縦置きに配置したV型6気筒エンジンであり、気筒4a,4bに直接燃料を噴射するインジェクタ31を備えている。V型エンジン4の気筒4a及び気筒4bは上下方向に3気筒づつ配置され、気筒4a及び気筒4bの排気通路12,13は集合して排気管14,15に接続され、排気は排気管14,15から伝動ケース5内の水中に排出される。
【0021】
V型エンジン4は、各シリンダ孔16にピストン17が前後に摺動自在に嵌入されている。これら各ピストン17は、それぞれクランク軸10にコンロッド18により連結され、ピストン17により形成される燃焼室19に対応して点火プラグ20が取り付けられている。
【0022】
V型エンジン4には各気筒ごとにクランク室21が形成され、各クランク室21とそれぞれ連通する吸気通路22が形成され、これら各吸気通路22にそれぞれリード弁23が取り付けられている。また、これら各吸気通路22の上流側には、スロットル弁24が設けられ、また各吸気通路22にはオイルポンプ86によりオイルが供給される。
【0023】
V型エンジン4には、燃料を供給する燃料供給装置30が設けられている。燃料供給装置30は各気筒4a,4bに対応する複数のインジェクタ31を有し、これら各インジェクタ31はシリンダ側壁から燃焼室19内に向って、燃料を噴射する。各インジェクタ31は、燃料レール32から燃料が供給され、燃料レール32には分配燃料レール33が接続され、分配燃料レール33に高圧燃料ポンプ34の駆動によりベーパーセパレータ35からの燃料が圧送される。ベーパーセパレータ35では、燃料中の細かい気泡状の燃料蒸気あるいは混入した空気が分離される。
【0024】
高圧燃料ポンプ34は、気筒4a,4bのVバンクの間で排気通路12,13の上方位置に配置され、熱の影響を避けた位置に配置される。また、高圧燃料ポンプ34にクランク軸10からの動力を伝達するポンプ駆動手段Aを備えており、このポンプ駆動手段Aは、クランク軸10に連結された駆動プーリ70、高圧燃料ポンプ34に設けられた駆動プーリ71、この駆動プーリ70と駆動プーリ71に掛け渡した無端動力伝導体であるベルト72から構成されている。このように、Vバンクの間の上方位置の空間を利用して高圧燃料ポンプ34が配置されており、高圧燃料ポンプ34の配置スペースの確保が容易である。また、高圧燃料ポンプ34をクランク軸10からの動力により駆動し、特別な駆動機構を備えない分駆動機構の簡素化が可能である。
【0025】
ベーパーセパレータ35内には、ニードル弁35aとフロート35bが設けられ、ベーパーセパレータ35内の燃料が少なくなりフロート35bが所定レベル以下になるとニードル弁35aが開き、燃料が燃料タンク36側から供給される。燃料タンク36は、船体2に配置され、この燃料タンク36内に溜められた燃料がクランク室21内の圧力変動により稼動する低圧燃料ポンプ37により燃料フィルタ42を介してベーパーセパレータ35に供給される。ベーパーセパレータ35には圧力を調整する予圧レギュレータ38が一体に備えられる。さらに、分配燃料レール33には高圧レギュレータ39が接続され、噴射されない燃料は燃料通路40により燃料クーラ41を介して高圧燃料ポンプ34上流のベーパーセパレータ35に戻される。
【0026】
各インジェクタ31は電磁式で、これを電気的にオン(もしくはオフ)すれば、その期間だけ、燃料が燃焼室19内に噴射されるようになっている。この燃料供給装置30のうち燃料タンク36からホース側コネクタだけが船体2内に配置されており、他のものは船外機3を構成している。
【0027】
船外機3には、V型エンジン4を制御するための制御装置50が備えられ、アクチュエータとして機能する各点火プラグ20、インジェクタ31、オイルポンプ25が制御装置50に電気的に接続されている。
【0028】
V型エンジン4の駆動状態を検出する各種センサが設けられ、これらはいずれも制御装置50に電気的に接続されている。即ち、センサとして、クランク軸10の基準クランク角及び回転角を検出するクランク角センサ51、クランク室21内の圧力を検出するクランク室内圧センサ52、各気筒のいずれかの気筒の圧力を検出する筒内圧センサ53、気筒内の状態を検出するノックセンサ54、吸気通路22内の温度を検出する吸気温センサ55、スロットル弁24の開度を検出するスロットル開度センサ56が設けられている。
【0029】
また、V型エンジン4の温度を検出するシリンダ温度センサ57、排気通路内の上流側の圧力を検出する背圧センサ58、大気圧を検出する大気圧センサ59、冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ60、船外機3の前進、中立、後退の間のシフト動作あるいは変速状態を検出するシフトセンサ61、枢支軸回りの船外機3の上下回動位置を検出するトリム角センサ62が設けられている。
【0030】
また、気筒には、O2センサ63が設けられ、このO2センサ63は排気ガス中のO2濃度を検知し、これに基づき燃焼室19での空燃比を算出する。また、燃料配送管33の燃料圧力を検出する圧力センサ64が設けられている。
【0031】
V型エンジン4を覆う上部カウリング6bにエアーダクト146を設け、この上部カウリング6b及び下部カウリング6aとV型エンジン4との間でエアーダクト146からの空気を吸気系113に導く吸気通路Cが形成され、この吸気通路Cにオルタネータ141が配置されている。オルタネータ141は、制御装置50及びバッテリ900に接続され、バッテリ900に充電すると共に、制御装置50の駆動電源及び点火系等の電源である。
【0032】
このように、エアーダクト146からの空気を吸気系113に導く吸気通路Cが上部カウリング6bとV型エンジン4との間に簡単に形成され、この吸気通路Cにオルタネータ141を配置することで冷却され、オルタネータ141の耐久性が向上するとともに、熱による燃料のベーパーロックが防止されて正確な空燃比の維持が可能である。
【0033】
次に、船外機のエンジン装置の第2実施例を図2乃至図5に基づいて説明する。図2は船舶に搭載した船外機の左側面図、図3は船外機に搭載したエンジンの平面図、図4は船外機に搭載したエンジンの左側面図、図5は船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【0034】
船外機3は、図2に示すように、前部にスイベルブラケット102及びクランプブラケット103が設けられている。クランプブラケット103は船舶1の船体2の船尾板105に取付けられ、クランプブラケット103にスイベルブラケット102が横方向の支持軸106を支点に上下揺動自在に取り付けられている。さらに、スイベルブラケット102には船外機3がシフトリンク107により操舵自在に取付けられている。
【0035】
船外機3にはV型エンジン4が搭載され、このV型エンジン4は、排気ガイド109の上に載置されている。V型エンジン4は、クランクケース110、シリンダボディ111、シリンダヘッド112、吸気系113及び排気系114を有している。
【0036】
V型エンジン4のクランク軸10は鉛直方向へ向け、このクランク軸10にはドライブ軸116が連結され、ドライブ軸116の下端部に設けられたシフト切換機構117を介してV型エンジン4の動力がプロペラ軸118からプロペラ7に伝えられる。シフト切換機構117の切換作動によってプロペラ7の回転を前進、後進、中立にする。
【0037】
また、排気ガイド109の下部には、排気膨張室120が設けられ、排気管14,15からの排気が排気膨張室120で消音され、排気通路124からプロペラ7内の排気通路125へ導かれて水中排気口126より船外機外の水中に排出される。アイドル時には、排気が排気膨張室120から空中排気通路127を介して空中排気口128に導かれ、この空中排気口128を通って船外機後方へ排出される。V型エンジン4は上部カウリング129と下部カウリング130で覆われている。
【0038】
吸気系113は、船舶1の進行方向前側に配置され、この吸気系113はクランクケース110に接続された吸気管131と、吸気管131に接続された吸気サイレンサ132から構成され、吸気サイレンサ132の吸気口132aは後方を向いている。
【0039】
吸気管131には、図5に示すようにスロットル弁150が配置され、このスロットル弁150により吸入空気量が制御される。スロットル弁150は、吸気管131の一方の側部に配置されたスロットル駆動系151により駆動される。スロットル駆動系151は、スロットルワイヤ152、リンク153、ロッド154、リンク155及びスロットル弁150に連結された連結ロッド156から構成される。スロットルワイヤ152の操作によりリンク153がピン153aを支点にして回動し、これによりロッド154を介してリンク155がピン155aを支点にして回動し、連結ロッド156が作動してスロットル弁150が連動して開閉される。
【0040】
スロットルワイヤ152は、下部カウリング130の開口部130aから船舶1側に延びており、この開口部130aは燃料ホース157及び配線158等も挿通されている。
【0041】
排気系114は、船舶1の進行方向後側に配置され、気筒4a及び気筒4bの間でシリンダボディ111に一体に形成された排気通路12,13から構成されている。
【0042】
V型エンジン4は、左右の気筒4a,4bを90度にVバンクさせ、クランク軸10を縦置きに配置したV型エンジンであり、左右の気筒4a,4bは船舶1の進行方向後側に配置され、気筒4a,4bに直接燃料を噴射するインジェクタ31が備えられている。インジェクタ31に高圧燃料を供給する高圧燃料ポンプ34をVバンクの間の上方位置に配置し、シリンダボディ111に取り付けられている。
【0043】
船外機3の進行方向の中心線Lに対して一方側のV型エンジン4の左側には、オルタネータ141、オイルポンプ85、オイルポンプ86、燃料フィルタ42、低圧燃料ポンプ37及びベーパーセパレータ35が配置され、他方向の右側にはスタータモータ142及びO2センサカバー63aがそれぞれ左右に分けて配置されている。O2センサカバー63aは、O2センサカバー63を覆い水及び熱影響を軽減するために設けられている。
【0044】
オイルポンプ85、オイルポンプ86、燃料フィルタ42、低圧燃料ポンプ37及びベーパーセパレータ35は、吸気サイレンサ132と左側の気筒4bの間のVバンクの前方空間K2を利用してV型エンジン4の左側部に配置され、またスタータモータ142及びO2センサカバー63aは、吸気サイレンサ132と右側の気筒4aの間のVバンクの前方空間K3を利用してV型エンジン4の右側部に配置され、コンパクトな配置になっている。オルタネータ141は左側の気筒4bの上部に配置されている。
【0045】
フライホイール140の外周には、リングギヤ140aが設けられ、このリングギヤ140aがスタータモータ142の駆動ギヤ142aと噛み合っている。スタータモータ142によりフライホイール140を駆動し、クランク軸10をクランキングするためスタータ機構が簡素化される。
【0046】
V型エンジン4には、高圧燃料ポンプ34にクランク軸10からの動力を伝達するポンプ駆動手段Aが備えられ、このポンプ駆動手段Aは、クランク軸10の上端に設けたフライホイール140に固定された駆動プーリ70、高圧燃料ポンプ34に設けられた駆動プーリ71、この駆動プーリ70と駆動プーリ71に掛け渡した無端動力伝導体であるベルト72から構成され、このベルト72はオルタネータ141の駆動プーリ141aにも掛け渡されている。
【0047】
また、無端動力伝導体は、この実施の形態のベルト72に限定されず、例えばチェーン等で構成してもよい。また、無端動力伝導体によりオルタネータ141と高圧燃料ポンプ34を両方駆動する構造とすることで、低コスト、省スペース化が可能となる。
【0048】
このように、V型エンジン4の左側には、オルタネータ141が第2気筒上に配置され、この第2気筒は、右側の第1気筒より低い位置にある。また、V型エンジン4の右側にはスタータモータ142を、それぞれ左右に分けて配置することで、ほぼ同じ上下位置のリングギヤ140a及びベルト72により干渉することなく駆動可能に配置される。また、リングギヤ140aが大径であり、このリングギヤ140aの下方位置に燃料フィルタ37、ベーパーセパレータ35及びO2センサカバー63aがそれぞれ干渉しないように配置されている。
【0049】
なお、ベルト72はフライホイール140の上側に位置しているが、フライホイール140の下側に駆動プーリを設けてクランク軸10からの動力の取り出しをフライホイール140の下側から行うようにしてもよい。このように、クランク軸10からの動力の取り出しをフライホイール140の下側から行うと、クランク軸10の軸受に近付く分剛性が向上し、しかもフライホイール140の組付性が向上する。さらに、オルタネータ141、燃料フィルタ37、ベーパーセパレータ35等の補機をベルト72が避けて短くでき、ベルト72の耐久性が向上し、かつコンパクトで組付性も向上する。
【0050】
また、Vバンクの間の上方位置の空間を利用して高圧燃料ポンプ34及び制御装置50が配置され、高圧燃料ポンプ34及び制御装置50の配置スペースの確保が容易である。また、高圧燃料ポンプ34をクランク軸10からの動力により駆動し、特別な駆動機構を備えない分駆動機構の簡素化が可能である。
【0051】
クランク軸10の上端にはフライホイール140が設けられ、このフライホイール140の外側位置に高圧燃料ポンプ34が位置している。高圧燃料ポンプ34がフライホイール140の外側位置にあり、フライホイール140を利用した高圧燃料ポンプ34の駆動が可能になる。このように、フライホイール140から駆動力を取り出すことでポンプ駆動機構Aによる簡単な構成で高圧燃料ポンプ34を駆動することができる。
【0052】
この高圧燃料ポンプ34の下側には、制御装置50が配置され、制御装置50はVバンクの間に配置している。制御装置50は電子制御ユニット(ECU)50aとインジェクタ31を駆動するインジェクタドライバ50bを有し、電子制御ユニット50a上にインジェクタドライバ50bが組み付けられている。
【0053】
このように、船外機3には気筒4a及び気筒4b間の船外機後方に、クランク軸10上面に位置するフライホイール140から駆動される高圧燃料ポンプ34を配置する。そして、高圧燃料ポンプ34に供給するベーパーセパレータ35を吸気管131の左側面に配置することで、インジェクタ31に最短で駆動用のインジェクタドライバ50bをVバンクの間の後方に配置でき、外乱ノイズに対する誤動作を防止することができる。
【0054】
また、制御装置50の電子制御ユニット(ECU)50aとインジェクタ31を一緒に、Vバンクの間の後方に配置することで、電装系を―個所に集中して配置でき、ハーネスを短縮することができるから耐ノイズ特性が有利となる。また、オルタネータ141は左側面に配置することで、V型エンジンのVバンクが90度でもカウリング容積を最小とでき、船外機3のコンパクト性に有利となる。
【0055】
また、スターターモータ142をリモコンからのケーブル145と同じ側面に配置することで、船舶1からの制御用シフト、スロットルケーブル及びバッテリーケーブルとハーネスを一本にまとめることができ、船外機3の組み付けがし易くなりリギング性の向上が図られ、外観もシンプルとなる。
【0056】
この船外機3のエンジン装置では、各気筒4a,4bに対応する複数のインジェクタ31を有し、各インジェクタ31は、燃料レール32から燃料が供給され、燃料レール32には分配燃料レール33が接続される。燃料レール32は気筒4a,4bに沿って配置され、分配燃料レール33に高圧燃料ポンプ34から燃料が圧送される。高圧燃料ポンプ34をインジェクタ31に高圧燃料を供給する分配燃料レール33及び燃料レール32より上方位置に配置している。
【0057】
従って、噴射されない燃料を高圧燃料ポンプ34上流に戻すとき、インジェクタ31に高圧燃料を供給する分配燃料レール33及び燃料レール32よりも上方に高圧燃料ポンプ34が位置しているから、燃料配管内のエアーを自然に排出でき確実に撚料噴射精度を確保できる。また、高圧燃料ポンプ34を気筒4a,4bのVバンクの間の上方位置にコンパクトに配置できる。さらに、燃料レール32及び分配燃料レール33を高圧燃料ポンプ34の外側に配置することで、燃料レール32及び分配燃料レール33が吸気通路から離れた位置であるから熱による燃料のベーパーロックを効果的に防止することができ、正確な空燃比の維持が可能である。
【0058】
また、上部カウリング129には、上部の内側に左右一対のエアーダクト146が設けられており、このエアーダクト146は上下に開口部146a,146bを有し、空気を後方から取り入れて下方に向かうように形成されている。このように、V型エンジン4を覆うカウリングに左右一対のエアーダクト146を設け、上部カウリング129及び下部カウリング130のカウリングとV型エンジン4との間でエアーダクト146からの空気を吸気系113に導く吸気通路Cが左右に形成される。
【0059】
即ち、左側のエアーダクト146からの空気は、主に、V型エンジン4の左側の後部から前部に向けて側方を上方から下方に向かって流れて吸気管131の下方から右側に回り込み、また左側の後部から前部に向けて上方を流れて吸気管131の右側に回り込む吸気通路Cを流れ、吸気サイレンサ132の右側に位置する吸気口132aから吸い込まれる。このように、空気がV型エンジン4の上方から下方に向かって流れる吸気通路Cを長く形成することができ、効率的な冷却が可能になる。
【0060】
また、右側のエアーダクト146から空気は、主に、V型エンジン4の右側の後部から前部に向けて側方を上方から下方に向かって流れて吸気管131の右側に回り込み、また右側の後部から前部に向けて上方を流れて吸気管131の右側に回り込む吸気通路Cを流れ、吸気サイレンサ132の吸気口132aから吸い込まれる。
【0061】
この左側の吸気通路Cには、オルタネータ141、燃料フィルタ42及びベーパーセパレータ35が配置され、右側の吸気通路Cには、O2センサカバー63a及びスターターモータ142が配置されている。
【0062】
このように、エアーダクト146からの空気を吸気系113の吸気サイレンサ132の吸気口132aに導く左右の吸気通路Cが上部カウリング129及び下部カウリング130のカウリングとV型エンジン4との間に簡単に形成され、この吸気通路Cにオルタネータ141、燃料フィルタ42及びベーパーセパレータ35を配置することでこれらが冷却され、耐久性が向上するとともに、熱による燃料のベーパーロックが防止されて正確な空燃比の維持が可能である。特に、オルタネータ141は、エアーダクト146の真下にあり、効率的に冷却されるため発電時に、自己加熱により発電性能が低下することを抑えることができる。
【0063】
また、高圧燃料ポンプ34にクランク軸10からの動力をベルト72により伝達するポンプ駆動手段Aを備えており、エアーダクト146からの空気がポンプ駆動手段A、特に高圧燃料ポンプ34を駆動するベルト72が冷却されるためにベルト72の耐久性が向上する。
【0064】
また、左右の吸気通路Cの一部は、クランクケース110、吸気管131及び吸気サイレンサ132により形成される凹部の空間K2,K3により形成され、この吸気通路Cの一部により空気の流れが円滑になる。この凹部の空間K2には、ベーパーセパレータ35が配置され、ベーパーセパレータ35の冷却効率が向上する。
【0065】
また、左右の吸気通路Cの一部を、V型エンジン4と、このエンジン4の周囲の左側に配置したオルタネータ141、燃料フィルタ42及びベーパーセパレータ35、右側に配置したO2センサカバー63a及びスターターモータ142によりできる凹部で形成し、吸気通路Cの一部が特別な部材を用いないでV型エンジン4に配置でき、簡単な構造で形成することができる。
【0066】
また、上カウリング129には、エアーダクト146が左右の気筒4a,4bの直上に配置され、オルタネータ141を避けることで、吸気サイレンサ132までの通路面積を多く確保でき、空気流速が遅くできることからV型エンジン4内への水入り量を減少できる。
【0067】
次に、船外機のエンジン装置の第3実施例を図6乃至図8に基づいて説明する。図6は船外機に搭載したエンジンの平面図、図7は船外機に搭載したエンジンの左側面図、図8は船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【0068】
この実施の形態のV型エンジン4は、図2乃至図5の実施の形態と同様に構成されるが、図2乃至図5の実施の形態に対してオルタネータ141の以外の発熱部品である電子制御ユニット50aとインジェクタドライバ50bが左の空間K2により形成される吸気通路Cの一部に配置される。この電子制御ユニット50aを吸気サイレンサ132側に配置し、インジェクタドライバ50bをクランクケース110側に配置し、角部同士を直角にして縦長に組み付けている。この電子制御ユニット50aとインジェクタドライバ50bによりクランクケース110及び吸気管131との間に上下方向に吸気通路Cの一部が形成され、吸気通路Cの一部を特別な部材を用いないでV型エンジン4に簡単な構造で形成することができ、しかも電子制御ユニット50aとインジェクタドライバ50bが冷却される。
【0069】
次に、船外機のエンジン装置の第4実施例を図9乃至図11に基づいて説明する。図9は船外機に搭載したエンジンの平面図、図10は船外機に搭載したエンジンの左側面図、図11は船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【0070】
この実施の形態のV型エンジン4は、図6乃至図8の実施の形態と同様に構成されるが、図6乃至図8の実施の形態に対して電子制御ユニット50aよりも発熱度合の大きいインジェクタドライバ50bを常に吸気の流れがある吸気サイレンサ132側に配置しており、インジェクタドライバ50bの冷却効率が向上する。
【0071】
次に、船外機のエンジン装置の第5実施例を図12乃至図14に基づいて説明する。図12は船外機に搭載したエンジンの平面図、図13は船外機に搭載したエンジンの左側面図、図14は船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【0072】
この実施の形態のV型エンジン4は、図2乃至図5の実施の形態と同様に構成されるが、高圧燃料ポンプ34の下方位置で、左右の気筒4a,4bのVバンクの間に高圧燃料ポンプ34に空気を分離して燃料を供給するベーパーセパレータ35を配置している。このように、高圧燃料ポンプ34の下方位置にベーパーセパレータ35を配置することで、高圧燃料ポンプ34及びベーパーセパレータ35をユニット化することができ、燃料配管を短縮でき燃料供給の信頼性が向上し、かつ低コストで組付性も向上する。
【0073】
また、ベーパーセパレータ35の外側に、電子制御ユニット50aとインジェクタドライバ50bを配置しており、外側より容易に電子制御ユニット50a及びインジェクタドライバ50bのメンテナンスを行うことができる。また、インジェクタ31に最短で駆動用のインジェクタドライバ50bを配置でき、外乱ノイズに対する誤動作を防止することができる。さらに、電子制御ユニット50aとインジェクタドライバ50bをVバンク後方に配置することで、電装系を一個所に集中して配置ができ、ハーネスを短縮できて耐ノイズ特性が向上する。
【0074】
さらに、V型エンジン4の左側にスターターモータ142を配置し、右側にオルタネータ141を配置し、右側の吸気通路Cの吸気の流れの中に発熱部品であるオルタネータ141のみを配置することでオルタネータ141の冷却効率が向上する。
【0075】
次に、船外機のエンジン装置の第6実施例を図15乃至図17に基づいて説明する。図15は船外機に搭載したエンジンの平面図、図16は船外機に搭載したエンジンの左側面図、図17は船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【0076】
この実施の形態のV型エンジン4は、図12乃至図14の実施の形態と同様に構成されるが、図12乃至図14の実施の形態に対して左側の吸気通路Cに他の発熱部品であるインジェクタドライバ50bを配置している。即ち、インジェクタドライバ50bは、左の空間K2により形成される吸気通路Cの一部に配置される。また、インジェクタドライバ50bと、クランクケース110及び吸気管131との間に上下方向に吸気通路Cの一部が形成され、吸気通路Cの一部を特別な部材を用いないでV型エンジン4に簡単な構造で形成することができ、しかもインジェクタドライバ50bも冷却される。
【0077】
このように、右側の吸気通路Cに配置されるオルタネータ141に対して、V型エンジン4を挟んでもう一方側の左側の吸気通路Cにインジェクタドライバ50bを配置することで、オルタネータ141の冷却効果を低下させることなくインジェクタドライバ50bも冷却することができる。
【0078】
次に、船外機のエンジン装置の第7実施例を図18乃至図20に基づいて説明する。図18は船外機に搭載したエンジンの平面図、図19は船外機に搭載したエンジンの左側面図、図20は船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【0079】
この実施の形態のV型エンジン4は、図12乃至図14の実施の形態と同様に構成されるが、図12乃至図14の実施の形態に対して左側の吸気通路Cに他の発熱部品である電子制御ユニット50aを配置している。即ち、電子制御ユニット50aは、左の空間K2により形成される吸気通路Cの一部に配置される。また、電子制御ユニット50aと、クランクケース110及び吸気管131との間に上下方向に吸気通路Cの一部が形成され、吸気通路Cの一部を特別な部材を用いないでV型エンジン4に簡単な構造で形成することができ、しかも電子制御ユニット50aも冷却される。
【0080】
このように、右側の吸気通路Cに配置されるオルタネータ141に対して、V型エンジン4を挟んでもう一方側の左側の吸気通路Cに電子制御ユニット50aを配置することで、オルタネータ141の冷却効果を低下させることなく電子制御ユニット50aも冷却することができる。
【0081】
次に、船外機のエンジン装置の第8実施例を図21乃至図23に基づいて説明する。図21は船外機に搭載したエンジンの平面図、図22は船外機に搭載したエンジンの左側面図、図23は船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【0082】
この実施の形態のV型エンジン4は、図12乃至図14の実施の形態と同様に構成されるが、図12乃至図14の実施の形態に対して左側の吸気通路Cに他の発熱部品である電子制御ユニット50a及びインジェクタドライバ50bを配置している。即ち、オルタネータ141の以外の発熱部品である電子制御ユニット50aとインジェクタドライバ50bが左の空間K2により形成される吸気通路Cの一部に配置される。この電子制御ユニット50aを吸気サイレンサ132側に配置し、インジェクタドライバ50bをクランクケース110側に配置し、角部同士を直角にして縦長に組み付けている。この電子制御ユニット50aとインジェクタドライバ50bによりクランクケース110及び吸気管131との間に上下方向に吸気通路Cの一部が形成され、吸気通路Cの一部を特別な部材を用いないでV型エンジン4に簡単な構造で形成することができ、しかも電子制御ユニット50aとインジェクタドライバ50bが冷却される。
【0083】
このように、右側の吸気通路Cに配置されるオルタネータ141に対して、V型エンジン4を挟んでもう一方側の左側の吸気通路Cに電子制御ユニット50aとインジェクタドライバ50bを配置することで、オルタネータ141の冷却効果を低下させることなく電子制御ユニット50aとインジェクタドライバ50bを冷却することができる。
【0084】
次に、船外機のエンジン装置の第9実施例を図24乃至図26に基づいて説明する。図24は船外機に搭載したエンジンの平面図、図25は船外機に搭載したエンジンの左側面図、図26は船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【0085】
この実施の形態のV型エンジン4は、図21乃至図23の実施の形態と同様に構成されるが、図21乃至図23の実施の形態に対して電子制御ユニット50aよりも発熱度合の大きいインジェクタドライバ50bを常に吸気の流れがある吸気サイレンサ132側に配置しており、インジェクタドライバ50bの冷却効率が向上する。
【0086】
次に、船外機のエンジン装置の第10実施例を図27乃至図29に基づいて説明する。図27は船外機に搭載したエンジンの平面図、図28は船外機に搭載したエンジンの左側面図、図29は船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【0087】
この実施の形態のV型エンジン4は、図2乃至図5の実施の形態と同様に構成されるが、図2乃至図5の実施の形態に対してオルタネータ141をクランクケース110の左側上方位置に配置し、さらにオルタネータ141の以外の発熱部品であるベーパーセパレータ35が左の空間K2により形成される吸気通路Cの一部に配置される。このベーパーセパレータ35によりクランクケース110及び吸気管131との間に上下方向に吸気通路Cの一部が形成され、吸気通路Cの一部を特別な部材を用いないでV型エンジン4に簡単な構造で形成することができ、しかもベーパーセパレータ35も冷却される。
【0088】
次に、船外機のエンジン装置の第11実施例を図30乃至図32に基づいて説明する。図30は船外機に搭載したエンジンの平面図、図31は船外機に搭載したエンジンの左側面図、図32は船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【0089】
この実施の形態のV型エンジン4は、図2乃至図5の実施の形態と同様に構成されるが、図2乃至図5の実施の形態に対してオルタネータ141をクランクケース110の左側上方位置に配置し、さらにオルタネータ141の以外の発熱部品であるインジェクタドライバ50bが左の空間K2により形成される吸気通路Cの一部に配置される。このインジェクタドライバ50bによりクランクケース110及び吸気管131との間に上下方向に吸気通路Cの一部が形成され、吸気通路Cの一部を特別な部材を用いないでV型エンジン4に簡単な構造で形成することができ、しかもインジェクタドライバ50bも冷却される。
【0090】
次に、船外機のエンジン装置の第12実施例を図33乃至図35に基づいて説明する。図33は船外機に搭載したエンジンの平面図、図34は船外機に搭載したエンジンの左側面図、図35は船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【0091】
この実施の形態のV型エンジン4は、図2乃至図5の実施の形態と同様に構成されるが、図2乃至図5の実施の形態に対してオルタネータ141をクランクケース110の左側上方位置に配置し、さらにオルタネータ141の以外の発熱部品である電子制御ユニット50aが左の空間K2により形成される吸気通路Cの一部に配置される。この電子制御ユニット50aによりクランクケース110及び吸気管131との間に上下方向に吸気通路Cの一部が形成され、吸気通路Cの一部を特別な部材を用いないでV型エンジン4に簡単な構造で形成することができ、しかも電子制御ユニット50aも冷却される。
【0092】
次に、船外機のエンジン装置の第13実施例を図36乃至図38に基づいて説明する。図36は船外機に搭載したエンジンの平面図、図37は船外機に搭載したエンジンの左側面図、図38は船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【0093】
この実施の形態のV型エンジン4は、図12乃至図14の実施の形態と同様に構成されるが、図12乃至図14の実施の形態に対して、V型エンジン4の左側にオルタネータ141を配置し、右側にスターターモータ142を配置し、スターターモータ142を下部カウリング130の開口部130a側に設けることで、左側の吸気通路Cの吸気の流れの中に発熱部品であるオルタネータ141のみを配置することでオルタネータ141の冷却効率が向上し、リギング性も向上する。
【0094】
次に、船外機のエンジン装置の第14実施例を図39乃至図41に基づいて説明する。図39は船外機に搭載したエンジンの平面図、図40は船外機に搭載したエンジンの左側面図、図41は船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【0095】
この実施の形態のV型エンジン4は、図2乃至図5の実施の形態と同様に構成されるが、図2乃至図5の実施の形態に対して、左右の気筒4a,4bを60度にVバンクさせ、オルタネータ141は左側気筒4bの上部位置に配置している。オルタネータ141を左側気筒4bの上方位置に配置することで、クランク軸10を上方に延ばして駆動プーリ141aを設け、高圧燃料ポンプ34も上方位置に配置してベルト72で連動して駆動するようにしているが、オルタネータ141がVバンクする左右の気筒4a,4bの幅D1内に位置してコンパクトなエンジンになっている。
【0096】
このように、図2乃至図5の実施の形態に対して左右の気筒4a,4bを60度にVバンクさせ、さらに気筒4a,4bの幅D1内にオルタネータ141を配置することで、船外機3のカウリング左右幅を小さくでき船外機3のコンパクト性を高めることができる。また、カウリングとV型エンジン4との特にエアーダクト146直下付近のクリアランスが大きく確保でき、吸気通路Cを吸気が流れ易くなりオルタネータ141の冷却効果が向上する。
【0097】
また、各気筒4a,4bに対応する複数のインジェクタ31を有し、各インジェクタ31は、燃料レール32から燃料が供給され、燃料レール32には分配燃料レール33が接続されるが、燃料レール32及び分配燃料レール33を高圧燃料ポンプ34の外側に配置することで、燃料レール32及び分配燃料レール33が排気通路から離れた位置であるからエンジンの熱による燃料のベーパーロックを効果的に防止することができ、正確な空燃比の維持が可能である。
【0098】
次に、船外機のエンジン装置の第15実施例を図42乃至図44に基づいて説明する。この実施の形態のV型エンジン4は、図6乃至図8の実施の形態と同様に構成されるが、図6乃至図8の実施の形態に対して、左右の気筒4a,4bを60度にVバンクさせて狭角にしている以外は同様に構成されるから説明を省略する。
【0099】
次に、船外機のエンジン装置の第16実施例を図45乃至図47に基づいて説明する。この実施の形態のV型エンジン4は、図9乃至図11の実施の形態と同様に構成されるが、図9乃至図11の実施の形態に対して、左右の気筒4a,4bを60度にVバンクさせて狭角にしている以外は同様に構成されるから説明を省略する。
【0100】
次に、船外機のエンジン装置の第17実施例を図48乃至図50に基づいて説明する。この実施の形態のV型エンジン4は、図12乃至図14の実施の形態と同様に構成されるが、図12乃至図14の実施の形態に対して、左右の気筒4a,4bを60度にVバンクさせて狭角にしている以外は同様に構成されるから説明を省略する。
【0101】
次に、船外機のエンジン装置の第18実施例を図51乃至図53に基づいて説明する。この実施の形態のV型エンジン4は、図15乃至図17の実施の形態と同様に構成されるが、図15乃至図17の実施の形態に対して、左右の気筒4a,4bを60度にVバンクさせて狭角にしている以外は同様に構成されるから説明を省略する。
【0102】
次に、船外機のエンジン装置の第19実施例を図54乃至図56に基づいて説明する。この実施の形態のV型エンジン4は、図18乃至図20の実施の形態と同様に構成されるが、図18乃至図20の実施の形態に対して、左右の気筒4a,4bを60度にVバンクさせて狭角にしている以外は同様に構成されるから説明を省略する。
【0103】
次に、船外機のエンジン装置の第20実施例を図57乃至図59に基づいて説明する。この実施の形態のV型エンジン4は、図21乃至図23の実施の形態と同様に構成されるが、図21乃至図23の実施の形態に対して、左右の気筒4a,4bを60度にVバンクさせて狭角にしている以外は同様に構成されるから説明を省略する。
【0104】
次に、船外機のエンジン装置の第21実施例を図60乃至図62に基づいて説明する。この実施の形態のV型エンジン4は、図24乃至図26の実施の形態と同様に構成されるが、図24乃至図26の実施の形態に対して、左右の気筒4a,4bを60度にVバンクさせて狭角にしている以外は同様に構成されるから説明を省略する。
【0105】
次に、船外機のエンジン装置の第22実施例を図63乃至図65に基づいて説明する。この実施の形態のV型エンジン4は、図27乃至図29の実施の形態と同様に構成されるが、図27乃至図29の実施の形態に対して、左右の気筒4a,4bを60度にVバンクさせて狭角にしている以外は同様に構成されるから説明を省略する。
【0106】
次に、船外機のエンジン装置の第23実施例を図66乃至図68に基づいて説明する。この実施の形態のV型エンジン4は、図30乃至図32の実施の形態と同様に構成されるが、図30乃至図32の実施の形態に対して、左右の気筒4a,4bを60度にVバンクさせて狭角にしている以外は同様に構成されるから説明を省略する。
【0107】
次に、船外機のエンジン装置の第24実施例を図69乃至図71に基づいて説明する。この実施の形態のV型エンジン4は、図33乃至図35の実施の形態と同様に構成されるが、図33乃至図35の実施の形態に対して、左右の気筒4a,4bを60度にVバンクさせて狭角にしている以外は同様に構成されるから説明を省略する。
【0108】
次に、船外機のエンジン装置の第25実施例を図72乃至図74に基づいて説明する。この実施の形態のV型エンジン4は、図36乃至図38の実施の形態と同様に構成されるが、図36乃至図38の実施の形態に対して、左右の気筒4a,4bを60度にVバンクさせて狭角にしている以外は同様に構成されるから説明を省略する。
【0109】
なお、この発明は、この実施の形態に限定されず、クランク軸を縦置きに配置したエンジンに同様に適用できる。
【0111】
【発明の効果】
前記したように、請求項1記載の発明では、高圧燃料ポンプを気筒のVバンクの間の上方位置にコンパクトに配置でき、さらに燃料レールを高圧燃料ポンプの外側に配置することで、燃料レールが排気通路から離れた位置であるから熱による燃料のベーパーロックを効果的に防止することができ、正確な空燃比の維持が可能である。
【0112】
請求項2記載の発明では、高圧燃料ポンプに前記クランク軸からの動力をベルトにより伝達するポンプ駆動手段を備えるから、高圧燃料ポンプを駆動するベルトが冷却されるために耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の船外機のエンジン装置の概略構成図である。
【図2】船舶に搭載した船外機の左側面図である。
【図3】第2実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図4】第2実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図5】第2実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図6】第3実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図7】第3実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図8】第3実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図9】第4実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図10】第4実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図11】第4実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図12】第5実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図13】第5実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図14】第5実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図15】第6実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図16】第6実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図17】第6実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図18】第7実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図19】第7実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図20】第7実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図21】第8実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図22】第8実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図23】第8実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図24】第9実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図25】第9実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図26】第9実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図27】第10実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図28】第10実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図29】第10実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図30】第11実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図31】第11実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図32】第11実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図33】第12実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図34】第12実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図35】第12実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図36】第13実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図37】第13実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図38】第13実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図39】第14実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図40】第14実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図41】第14実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図42】第15実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図43】第15実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図44】第15実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図45】第16実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図46】第16実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図47】第16実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図48】第17実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図49】第17実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図50】第17実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図51】第18実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図52】第18実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図53】第18実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図54】第19実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図55】第19実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図56】第19実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図57】第20実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図58】第20実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図59】第20実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図60】第21実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図61】第21実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図62】第21実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図63】第22実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図64】第22実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図65】第22実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図66】第23実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図67】第23実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図68】第23実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図69】第24実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図70】第24実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図71】第24実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【図72】第25実施例の船外機に搭載したエンジンの平面図である。
【図73】第25実施例の船外機に搭載したエンジンの左側面図である。
【図74】第25実施例の船外機に搭載したエンジンの右側面図である。
【符号の説明】
3 船外機
4 V型エンジン
4a,4b 気筒
10 クランク軸
31 インジェクタ
34 高圧燃料ポンプ
50b インジェクタドライバ
111 吸気系
141 オルタネータ
146 エアーダクト
A ポンプ駆動手段
Claims (2)
- 気筒をVバンクさせ、クランク軸を縦置きに配置したエンジンであり、気筒内に燃料を直接噴射するインジェクタを備える船外機のエンジン装置において、
前記インジェクタに高圧燃料を供給する高圧燃料ポンプを、前記Vバンクの間の上方位置に配置し、
前記高圧燃料ポンプから前記インジェクタに燃料を供給する燃料レールを前記高圧燃料ポンプの外側に配置し、
前記高圧燃料ポンプは、前記Vバンクの間で排気通路の上方位置に配置され、
前記排気通路は、前記Vバンクの間でシリンダボディに一体に形成され、
前記高圧燃料ポンプの下側には、制御装置が配置され、
前記制御装置は、前記Vバンクの間に配置され、
前記制御装置は、電子制御ユニットと、前記インジェクタを駆動するインジェクタドライバを有する、
ことを特徴とする船外機のエンジン装置。 - 前記高圧燃料ポンプに前記クランク軸からの動力を、前記エンジンの上壁の上方に配置したベルトにより伝達するポンプ駆動手段を備えることを特徴とする請求項1記載の船外機のエンジン装置。
Priority Applications (2)
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