JP3899876B2 - 電話用システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気通信に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話は、人々が、特に公共の場にいるときに、人と通話する機会をより多くもたらす。
【0003】
この拡張された会話能力は、通話が容易な手段であり、表現に富むと同時に、騒々しい行為であることにより生じる否定的な側面を幾つか有する。
【0004】
公共の場にいるときに私的な会話をする状況に置かれた場合、人々が取り得る行動としては、幾つかの方法がある。第1の方法は、個人個人が大きく声を出して会話することである。この方法は、プライバシーが最優先事項ではない場合であるか、又は所定の状況において会話が容認されるか、若しくは聞きもらすにはあまりに重要であると考えられる場合であるかの判断を必要とする。
【0005】
第2の方法は、個人が静かに会話することである。会話を(他の人から)遮断するために部屋の隅で電話機を使用している人を見ることは珍しくない。これは、電話の両端のユーザにとってしばしば不都合であり、またこの場合も、この方法がどの様な場合に適切に作用するかの判断を必要とする。
【0006】
第3の方法は、個人が会話を他の場所に移動させることである。携帯電話を手に持って部屋を出て行く人々を見かけることは珍しくない。しかしながら、電話機を使っている人の注意が、動作(例えば、ドアをバタンと閉めること)にではなく、会話に集中している場合は特に、移動自体が気を散らせる行為である。また移動は、しばしば会話の途切れ(例えば、「もしもし。元気ですか?」、「ちょっと待って」等)を伴う。
【0007】
第4の方法は、個人が不可聴(非音声)技術を使用することである。会話を双方向のテキスト・ページャ(ポケベル)等の異なるモダリティ(様相)に切り替えると、音は生じない。しかしながら、会話の全ての参加者が、新たなモダリティへの切り替えを厭わず、且つそれが可能でなければならない。
【0008】
第5の方法は、個人が電話を受けないことである。ボイスメールは、受け手が忙しい時に、通話を処理する従来の方法である。しかしながら、ある通話には、応答しなければならない。
【0009】
第6に、プライバシー及び中断の問題に加えて、携帯電話の公共の場での使用の最近の観察結果から、移動通信の他の不利な点が明らかになっている。ユーザは、彼らの注意が直ちに他のこと(例えば、重要な放送に耳を傾けること、及び往来を通り抜けること等)に向けられねばならない場合に、素早く、しかし相手に情報を与えつつ丁寧に会話から離れる必要があり得る。
【0010】
従って、時には、非常に簡単な対話によって、適切に通話を一時的に中断するか、完全に中止する必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、上述の不利な点を伴わずに、公共の場で通話を遂行するためのシステム及び方法を提供することが望ましい。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、公共の場で移動電気通信装置を使用する際に、人々が容易に、表現力豊かに、且つ静かに会話することを可能にする。
【0013】
無声選択に応じて遠隔の受話者に会話の発話を提供する電話用システムが提供される。このシステムは、会話要素に関連付けられた機械装置を含む。メモリが、機械装置に連結され、遠隔の受話者への可聴の発話を表わす内部会話要素を格納する。プロセッサが、このメモリ及び機械装置に連結される。プロセッサは、機械装置及び会話要素とのユーザの対話に応じて音声信号を生成する。
【0014】
本発明の別の実施の形態では、機械装置が第1のボタンを含む。
【0015】
本発明の更に別の実施の形態では、プロセッサが音声ジェネレータを含む。
【0016】
本発明の更に別の実施の形態では、システムが、プロセッサに連結されるインピーダンス整合回路を更に含む。
【0017】
本発明の実施の一形態では、システムが、プロセッサに連結される、音声信号及び遠隔の受話者の声を聴取するためのイヤホンを含む。
【0018】
本発明の別の実施の形態では、システムが、携帯電話の入力に連結される音声出力を更に含む。
【0019】
【発明の実施の形態】
I.概要
本願明細書に記載されている方法及びシステム(一般に、「無声通話(Quiet Call)」又は「無声通話技術」として知られている)は、公共の場にいる参加者を通信の無声モード(例えば、キーボード、ボタン、タッチスクリーン)に移行させる。他の全ての参加者は、通常の電気通信インフラストラクチャ上で彼らの可聴技術(例えば、電話機)を使用し続けることができる。本発明の実施の形態は、ユーザの無音入力選択を、会話の他の参加者に直接伝送されることが可能な同義の可聴信号(例えば、携帯電話のマイクロホンのジャックに直接供給される音声信号)に変換する。
【0020】
無声通話システムの実施の一形態が、図1に示される。システム10は、個人16がいる発声区域11と、個人17がいる無声区域、即ち公共区域15とを含む。個人16は、電気通信インフラストラクチャ12上で個人17との通信を試みる。具体的には、個人16は電話機18を用いて、個人17の電話機13にダイヤルする。無声通話技術14は、無声区域15における対話/相互作用を妨げることなく、無声モードで個人17が個人16との可聴の会話を行うことを可能にする。
【0021】
A.利点
本発明の本実施の形態は、電話の送受信の両方に関して少なくとも以下の利点を有する。第1に、会話は、無声区域のユーザに対しては無声である。可聴ではない入力操作(キー又はボタンの押下、ディスプレイの接触)が、適切な音声会話信号に変換される。
【0022】
第2に、この会話は、発声区域にいる他のユーザには聞こえるように行われる。公共の場にいる参加者のみが、代替通信を選択する必要がある。他のユーザは、他の電話の場合と同じように参加する。
【0023】
第3に、可能な会話は、表現に富んでいる。異なる種類の会話のための表現に富んだ表現(例えば、挨拶及び基本的な質問への応答に適した決り文句(「はい」、「いいえ」、「多分」等)のリスト)が定義され得る。会話構造は、予め定義されても、必要に応じて記録されても、或いは要求に応じて合成して生成(例えば、テキストを音声に変換)されてもよい。
【0024】
第4に、この通信インターフェースは、ユーザが他の行為に従事している際に使い易い。このインターフェースは、それらが認識し易く(例えば、アイコン、テキスト・ラベル)、起動し易い(例えば、ポイント・アンド・クリック)ように、会話表現を含む。1回の入力選択(例えば、ボタン押下)が、対話をサポートする複雑であり得る応答シーケンス(例えば、丁寧に相手を保留の状態で待たせるか、又は丁寧に会話を終了させる動作)を呼び出すことができる。
【0025】
第5に、通信インターフェースは、状況に適したものである。このインターフェースは、様々な公共の又は無声の状況に目立たずに適応するように設計されている(例えば、メモを書き留めることが一般的である会議向きのペン・インターフェース)。電話機のユーザはしばしば、電話機で話しながら、同時にペン/紙を使用する(例えば、電話を切る前に日程表にメモを書き留めたり、会話の最中に印刷物及びラップトップを使用するためにラウンジを利用したりする)。呼出し用インターフェースは、メモを書き留める行為及び照会行為が混在する会話に有効であるように設計される。
【0026】
第6に、本発明の実施の形態は、既存の通信インフラストラクチャの範囲内で機能する。実施の一形態は、個人が有しているであろう利用可能なリソース(例えば、PC、PDA、データ処理能力を有する携帯電話)を使用し、そして/或いは会話の変換を助けるために低価格の構成部品を追加して使用する。インターフェースは、通話の最中、又は通話の切れ間に交換可能であり、且つ既存の通信チャネルを介して互いに共同利用が可能な、多種多様なハードウェアに実装されることが可能である(例えば、ある電話会議の数人の参加者は、異なる無声モードの解決策を有し得る)。
【0027】
多種多様な私的な会話は、様々な公共の賑やかな又は静かな状況の中でサポートされることが可能であり、このような状況には、会議/展示会会場、総会(例えば、本会議、基調演説)、「列に並ぶ」状況(例えば、発券、登録、手荷物受取)、情報会議(例えば、商談、技術的な総括)、大型の交通機関(例えば、バス、電車、飛行機)、ロビー/待合室、メモを書き留めることが必要な会議(例えば、技術会議、製品説明)、駐車場、個人輸送手段(例えば、タクシー、カー・プール、シャトル)、レストラン、商店(例えば、出入口、更衣室、通路)、街路、及び劇場が含まれる。
【0028】
B.通信シナリオ
多種多様な通信シナリオは、以下に示されるようにサポートされるが、これらに限定されるわけではない。第1に、人は、単純な質問及び回答、折り返し電話をかけてもらうための手配、及び情報の受取りを含む一般的な会話を公共の場において行うことができる。
【0029】
第2に、議事日程、状況等の選択され、予め定義されたトピックに関する質問及び回答と、注文又は指示の発信及び受信とを含む、トピック特有の会話を行うことが可能である。
【0030】
第3に、通話の延期機能(例えば、「かけ直します」ボタン又は「少々お待ち下さい」ボタン)を利用することが可能である。
【0031】
第4に、無声通話の実施の形態は、携帯電話の留守番電話として機能する(即ち、挨拶を再生し、電話のかけ手により録音されたメッセージを聞く)ことが可能である。
【0032】
第5に、無声通話の実施の形態は、通話を遮る(即ち、その会話に加わることを決める前に、挨拶を再生し、電話のかけ手の言葉を聞く)ことができる。
【0033】
第6に、無声通話の実施の形態は、ある関係者が、イベント又は会議を遠隔地で聞いている人々のために仲介者としての役割を果たす代表出席者として機能する。代表出席者は、無声通話が進行中であるところに存在するが、他の通話者が聞くことができるように、無声通話のユーザは、電話機のマイクロホンをオンにしておく(無声通話の通常のモードではない)。従って、無声通話のユーザはこのような方法で、静かに電話のかけ手と相互に対話することができ、ある意味ではその人の関心を(例えば、会議で)表わすか、又は進行中の状況に関するその人の意見を静かに得ることができる。
【0034】
第7に、無声通話は活動の報告者であり、ボタンが無声モードの対話を介して情報を伝達する(例えば、無声通話インターフェース上の「会議」ボタンをクリックすると、電話機が「私は今、…会議…に出席しています。この会議は約…15分…で終わるはずです」と応答する)。
【0035】
C.無声通話の会話例
大きなエンジニアリング会社の管理職であるエド(Ed)は、この会社の進行中のプロジェクトの四半期の実績評価に関する終日続く会議に参加している。彼及び多くの彼の同僚は、一連のプレゼンテーション及び質疑応答のセッションに参加するために飛行機で来ている。
【0036】
同時に、エドのプロジェクトは、幾つかの異なる手法の比較分析を必要としている重要な意志決定の分岐点にある。このプロジェクトの技術的なリーダーであるスー(Sue)は、プロジェクトの他のメンバーと共に「数字の算出」をしている。技術的な議論が進むと共に、スーはエドに進行状況を伝え続け、必要時には彼の同意を得るために、エドとの幾度かの異なる会話を必要とするであろう。スーは、無声通話システムを介してエドと連絡を取ることができることを承知している。
【0037】
スーが最初に電話をかけるとき、エドは彼の電話機を無音アラート用に設定している。エドは丁度、質問を提起しようとしているので、彼は「今は話すことが出来ないので、できるだけ早くかけ直します」という発声をスーに対してもたらす1回のクリックで、スーとの会話を素早く延期する。無声通話システムは、エド及びスーが、何れもボイスメール・システムに不必要な時間を費やすことなく素早く通話を延期することを可能にする。
【0038】
次の講演者に変わり手があくと、エドはスーに電話をかけ、彼が引き続き無声モードの状況にあることを、電話で聞き取れる指示を静かに(外部には無音で)発行することによってスーに知らせる。時間がかかり過ぎる恐れがあるので、彼は電話のために部屋から出て行くことはしたくない。エドは、彼のイヤホン(受話器)を使用して、スーが彼女の情報を伝えるのを聞く。エドは、彼が了解したことを信号で送り、電話を切る。エドが彼自身のプロジェクトに関してプレゼンテーションをする際に、彼は利用可能な最新の技術情報を手元に有する。無声通話システムは、エドが目立たない方法で情報を得ることを可能にする。
【0039】
後に、スーが次に電話をかけるときに、彼女は実行するかしないかに関するエドの判断を必要とする。スーは、彼女の勧めを伝え、エドは彼の同意を信号で送る。その後、エドは、完全な報告を聞くために午後1時半には手があくことを示す手短なメモをタイプする。無声通話のテキストを音声に変換する機能がメッセージを有声化し、彼らは二人とも電話を切る。無声通話システムは、エド及びスーが容易に且つ迅速に情報を交換することを可能にする。
【0040】
スーは、午後2時15分まで電話をする機会をもてない。彼女がエドに連絡を取ると、エドは、現在紹介されているプロジェクトについて概要を説明されたばかりなので、すぐに出るので少し待って欲しいという旨の信号を送る。エドは電話機のプラグを単に抜くことにより、彼の電話機を無声通話システムから取り外し、会議を静かに抜けて、通常の携帯電話と同じように彼の携帯電話で会話する。無声通話システムは、会話の流れを途切れさせずに、エドが必要に応じて会話モードを切り替えることを可能にする。
【0041】
会議の終盤で、新しいプロジェクトが紹介されており、エドは、彼及びスーが、そのプロジェクトが下している決定に関するある問題に取り組んできたことに気が付く。エドは急いでスーに電話をかけ、スーが聞き取れるように、彼の無声通話システム上のマイクロホンを作動させる。スーは、他方のプロジェクトが、構築されたプロトタイプを有する場合にのみ、この新しい情報が彼らに関連するとエドに話す。エドは、次の機会に、開発の状況について質問する。無声通話システムは、エドが目立たない、且つ対話型の方法で情報を共有することを可能にする。
【0042】
エドが午後5時30分に空港で家へ帰るための定期便を待っている際に、彼はスーと確認を取り合う。エドは混雑したロビーにいる人達に彼の仕事を知って欲しくないので、彼は無声通話システムにプラグ・インし、その日の出来事をスーと再検討する。彼らが対話していると、飛行機の遅延に関する放送がスピーカーから流れ始める。エドは、すぐに会話を一時的に中断し、他の用に割り込まれた旨を1つのボタンを押すことによりスーに知らせる。無声通話システムは、エドが内密に会話をすること、及び必要に応じて彼の周囲での出来事に注意を傾けることを可能にする。
【0043】
II.無声通話システム
本明細書に記載されている無声通話による会話は、2人以上の通話者の間で行われる電子的に補助された議論(例えば、電話機による通話)であり、以下の属性を有する。
【0044】
会話は、少なくとも一部は声で(例えば、電話、携帯電話、インターネット電話、テレビ電話、双方向無線、インターコム等を介して)表されている。
【0045】
会話の1人以上の参加者は、何らかの理由で(例えば、会議、劇場、待合室等)、話すことが不適切な、意図されない、又は望ましくない状況に置かれている。
【0046】
従って、議論をしている1人以上の参加者は、代わりとなる議論の無声モード(例えば、キーボード、ボタン、タッチスクリーン等)を使用して、議論の可聴のコンテンツを生成する。この可聴のコンテンツは、会話の他の参加者に無音で送信されることが可能な同義の電子表現に変換される。
【0047】
「無声通話技術」という用語は、本明細書では、人々が外/社会に出ている際に、容易に、表現力豊かに、且つ静かに会話することを可能にするハードウェア及び/又はソフトウェアを含む通信メカニズムを表すために用いられる。無声モード会話又は無声通話とは、この技術を使用して行われる会話である。
【0048】
本発明の実施の一形態において、2つの無声通話の操作モードが定義される。即ち、1)無声通話の実行、及び2)無声通話の準備である。
【0049】
A.無声通話の実行
図3は、無声通話を実行するために使用される無声通話システムの実施の形態の構成要素の構造の簡略化されたブロック図である。このモードでは、ユーザは、携帯電話での会話を遂行するが、このローカル・ユーザは声に出して話していないので、このローカル・ユーザにより周囲に可聴のコンテンツは直接生成されない。このモードでの無声通話システムの使用例には、会議に出席中の無音通信、及び公共の環境での内密な会話の遂行が含まれる。
【0050】
ユーザは、図3のブロック31で示される会話表現を見て、電話を介して有声化されるべき発話に関する選択をする。実施の一形態において、会話表現31は、図7に示されるようなテキスト・ラベルを有するアイコンであり得る。会話表現31と関連付けられた会話要素33aは、発話データ記憶装置33に格納され、会話要素33aが選択されると、検索されて、音声ジェネレータ34に渡され、電話接続のために必要とされる出力信号が生成される。音声を電話に伝えるコネクタ(audio-to-phone connector)35は、この電気接続を提供する。電話からユーザへのコネクタ(telephone-to-user connector)30により、ユーザはシステム及び他のユーザの両方によって生成された会話を聞くことができる。実施の一形態において、電話からユーザへのコネクタは、イヤホンである。切り替え可能な(スイッチ37による)音声入力36は、適切な場合にはユーザが電話に直接声を発することを可能にする。格納データ抽出装置32は、他のフォーマットで格納されたデータ(例えば、PCのカレンダ・エントリ(日程表の入力項目)、アドレス帳)を音声の生成に適したフォーマットに変換する。
【0051】
無声通話システムの実施の形態における構成要素を以下で説明する。
【0052】
i.無声通話システムの構成要素
a.会話表現
ユーザが会話の発話を始めるために呼び出すことができる会話要素33a(即ち、句、単語、文字、数字、記号、音響効果、及びこれらのシーケンス及び/又は組合せ)の会話表現31が、ユーザに対して表示される。会話表現のGUIの例が、図7に示される。
【0053】
会話表現31は、グラフィック形式(例えば、アイコン、記号、図、グラフ、チェックボックス、ボタン、他のGUIウィジェット、及びこれらのシーケンス及び/又は組合せ)、文字形式(例えば、表示されたテキスト、ラベル付けされた入力形式、及びこれらのシーケンス及び/又は組合せ)、及び物理的な形式(例えば、ボタン、スイッチ、ノブ、ラベル、バーコード、グリフ、点字又はその他の触れて感知できる表現、電子タグ、及びこれらのシーケンス及び/又は組合せ)を含む、会話要素33aの選択をユーザが声に出すことを必要としない任意の形式であり得る。
【0054】
ユーザは、各会話表現31の種類に応じて会話表現31を調べ(例えば、視覚的に、又は触れて)、その種類に応じて会話表現31を呼び出す(タイプ入力、ポイント・アンド・クリック、押下、アイ・トラッキング(目による追跡)、走査等)ことにより、各会話表現31と無言で対話する。
【0055】
会話表現31は、1つ又は複数の表示面(例えば、コンピュータ・ディスプレイ、タッチスクリーン、紙、物理装置等)、又は表示形式(例えば、ページ、フレーム、スクリーン等)を用いて示されることが可能である。複数の表示面又は形式が用いられる場合、これらは、ユーザのニーズに合わせて異なる方法(順次、階層的、グラフ・ベース、順序付けられていない等)で構成されることが可能である。ユーザは、その種類に従って、異なる表示面又は形式の中から1つを選択する(例えば、GUI選択、フリップ(指で弾く)又は回転等の物理的な操作、ボタンの押下等)。
【0056】
ユーザは、可視表示される会話要素33a及び関連付けられた会話表現31を以下のように更新することが可能である。第1に、個人は、新たな会話要素及び/又は関連する会話表現を追加することができる。
【0057】
第2に、個人は、会話要素及び/又は関連付けられた会話表現を削除することができる。
【0058】
第3に、個人は、会話要素の会話表現の種類(例えば、テキスト、ラベル、アイコン)を変更することができる。
【0059】
第4に、個人は、その種類に従って、会話要素の会話表現(例えば、テキスト値、ラベル値、アイコン画像)を変更することができる。
【0060】
第5に、個人は、1つ又は複数の会話表現と関連付けられた会話要素を変更することができる。
【0061】
第6に、個人は、会話要素と、その会話表現との関連を追加、削除、又は変更することができる。
【0062】
第7に、個人は、会話要素、それらの表示される会話表現、及び関連付けられた内部表現のためのアップロード/ダウンロードを起動することができる。
【0063】
第8に、個人は、選択された会話要素の記録及び再生機能を起動することができる。
【0064】
b.発話データ記憶装置
各会話要素(即ち、句、単語、文字、数字、記号、音響効果、及びこれらのシーケンス及び/又は組合せ)は、電話回線を介して通信されることが可能な可聴の発話の生成に適した1つ又は複数の内部表現を有する。発話データ記憶装置33に格納される会話要素33aは、例えば、サウンド・ファイル・フォーマット、記録及び再生フォーマット、テキスト、MIDIシーケンス等を含む。これらの内部表現は、発話データ記憶装置33に格納され、そこから検索されることが可能である。実施の一形態において、発話データ記憶装置33は、当該技術では公知であるように、読取り及び書込み可能なコンピュータ・メモリである。検索は、ランダム検索、順次検索、クエリー(問合せ)による検索、又はこの種の他の公知の方法によりアクセスされ得る。検索された会話要素のためのデータは、音声ジェネレータ34に渡される。
【0065】
c.音声ジェネレータ
音声ジェネレータ34は、会話要素の内部表現を、電話接続を介しての伝送に適した可聴のフォーマットに変換する。実施の一形態において、音声ジェネレータ34は、テキストを音声に変換するジェネレータ、サウンド・カード、音響効果ジェネレータ、及び再生装置の組合せ及び/又は同等物である。
【0066】
d.音声入力
ユーザのロケール(locale)での直接音声接続(例えば、マイクロホン)は、スイッチ37(例えば、押しボタン・スイッチ又は他の物理的なスイッチ、ソフトウェア・スイッチ(例えば、GUIウィジェット)、音響的な消音構造(例えば、防音ハウジング又は他の絶縁材)、及び直接電気接続(例えば、プラグ))により任意に起動されることが可能である。
【0067】
発話データ記憶装置への音声の記録は、会話表現から1つ又は複数の要素を選択し、記録コマンドを呼び出すことにより実行することが可能である。
【0068】
e.音声出力
音声出力41(図4)は、会話表現31から1つ又は複数の要素を選択し、再生コマンドを呼び出すことにより、発話データ記憶装置33から音声を生成することを可能にする。
【0069】
f.音声を電話に伝えるコネクタ
接続は、切替可能な音声入力36又は音声ジェネレータ34から生成されるユーザの会話入力間に提供され、電話伝送に適した信号を配信するが、その際に、ローカル・ユーザにより周囲に聞こえるコンテンツは直接生成されない。この接続には、信号、インピーダンス整合回路等の電子処理信号、赤外線検出等の光学から電気への変換、及び防音ハウジング又は他の絶縁材を用いて消音された音響信号の直接電気接続が含まれる。
【0070】
図5は、インピーダンス整合回路22を示す。抵抗R1及びR2は、入力及び出力信号に整合するように選択される。コンデンサC1は、信号の干渉の幾らかを除去する(直流成分のための電圧ブランキング)。
【0071】
g.電話からユーザへの接続
電話からユーザへの直接音声接続(即ち、イヤホン)が提供されるが、その際に、ローカル・ユーザにより周囲に聞こえるコンテンツは直接生成されない。実施の一形態において、電話からユーザへのコネクタ30は、直接電話に接続されるか、又は幾つかの仲介エレクトロニクス(例えば、PC及びサウンド・カード)を介して接続されるイヤホン又は他の局所的なスピーカ・システムを含む。
【0072】
h.アップロード/ダウンロード
会話要素、それらの表示される会話表現、及び関連付けられた内部表現のためのデータは、無声通話システムと、他の無声通話システム、外部記憶装置、(例えば、コンパクト・ディスク(「CD」)、デジタル・ビデオ・ディスク(「DVD」)、パーソナル携帯情報機器(「PDA」))、直接接続されたコンピュータ、及びネットワーク型のコンピュータ(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、インターネット、無線ネットワーク等)を含む他のシステムとの間で、アップロード及びダウンロードされることが可能である。接続は、シリアル接続(RS232、IrDA、イーサネット(登録商標)、無線、又は当該技術において公知である他の相互接続)によりもたらされ得る。会話表現31及び/又は発話データ記憶装置33からアップロード・コマンドが呼び出されると、フォーマットされたデータ(例えば、生バイト・データ、リッチ・テキスト・フォーマット、ハイパーテキスト・マークアップ言語等)が送信される(例えば、TCP/IP、RS−232のシリアル・データ等)。ダウンロード・コマンドが呼び出されると、格納データ用にフォーマットされた会話表現31(会話表現フォーマット、発話データ記憶装置フォーマット)が、適切な無声通話の構成要素(会話表現31、発話データ記憶装置33)に送信される。
【0073】
i.格納データ抽出装置
会話要素、それらの表示される会話表現、及び関連付けられた内部表現のためのデータは、ホスト・コンピュータに格納された情報から抽出されることが可能である。例えば、MicrosoftのOutlookフォーマットのカレンダ・エントリは、あるアプリケーションから、そのカレンダ・データを解析して表現する格納データ抽出装置32のフォームにドラッグされることが可能である。この例では、「約束」オブジェクトがアクセスされ、そのフィールド(例えば、件名、開始(時間)等)が処理される。文字列がそのフィールドから抽出され、会話のフレーズが、これらのフィールド及びフレーズのテンプレートからフォーマットされる。テンプレートは、下記のような適切なデータが挿入されるための欄を有する予め定義されたテキストの形式を取る。
「<件名>の約束は、<開始(時間)>に始まる予定です。」
なお、挿入欄<件名>及び<開始(時間)>は、約束オブジェクトからの文字により提供される。
その後、テキストからの音声の生成又は特別な目的のために予め定義された音声語彙が、約束情報を有声化するために用いられ得る。他の種類の抽出データには、アドレス帳のエントリ、データベースのレコード、スプレッドシートのセル、電子メールのメッセージ、駆動命令、パス名及び全域リソース・ロケータ等の情報ポインタ、及びあらゆる種類の格納されたタスク特有の情報が含まれ得る。
【0074】
B.無声通話の準備
図4は、会話構造を準備するために使用される無声通話システムの実施の一形態の構成要素を例示する。このモードでは、ユーザ、又はユーザの代理となる人が、無声通話システム内に格納された会話構造(表現、要素及び内部表現)を追加、削除又は変更することによって、無声モードの会話のための準備をする。
【0075】
ユーザは、会話表現31を見て、電話で有声化されるべき発話の更新に関して選択する(例えば、要素の追加、変更、削除)。発話データ記憶装置33は適切に更新される。アップロード/ダウンロード40は、音声出力41への出力信号を生成し、それによりユーザは、格納された会話を確認することができる。格納データ抽出装置32は、他のフォーマット(例えば、PCのカレンダ・エントリ、アドレス帳)で格納されたデータを、発話データ記憶装置33に格納するのに適したフォーマットに変換する。
【0076】
III.無声通話方法
実施の一形態において、無声モードの会話は、図6に示されるフローチャートに従って実行される。
【0077】
当業者は理解するであろうが、図6は特定の機能を実行するための論理ボックスを例示している。代替の実施の形態において、より多くの、又はより少ない論理ボックスが用いられてよい。本発明の実施の一形態において、論理ボックスは、ソフトウェア・プログラム、ソフトウェア・オブジェクト、ソフトウェア機能、ソフトウェア・サブルーチン、ソフトウェア方法、ソフトウェア・インスタンス、コードのフラグメント、ハードウェアの動作又はユーザによる操作を単独で又は組み合わせられて表し得る。
【0078】
本発明の実施の一形態において、図6及び図15で示される無声通話ソフトウェアは、コンピュータが読取り可能な媒体等の製品に格納される。例えば、無声通話ソフトウェアは、単独の又は組み合わせられた磁気ハード・ディスク、光ディスク、フレキシブル・ディスク、CD−ROM(コンパクト・ディスク読出し専用メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)、ROM(読出し専用メモリ)、又は他の読取り又は書込み可能なデータ記憶技術に記憶され得る。
【0079】
代替の実施の一形態において、無声通話ソフトウェアは、Java(登録商標)のアプレットを取得するためにハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル(「HTTP」)を使用してダウンロードされる。
【0080】
かかってきた通話は、楕円ブロック60により表されるように、ユーザによって受信される。ユーザはその後、論理ブロック61で示されるように、通話を受け付け、会話表現にアクセスする。その後、判断ブロック62で示されるように、この通話を続けるか否かの判断がこのユーザによりなされる。ユーザが通話を続けたくない場合は、論理ブロック63で示されるように電話は切られ、楕円ブロック65で示されるようにこの通話は完了する。ユーザが通話を続けたい場合は、論理ブロック64で示されるように、ユーザは通話に耳を傾け、会話表現31から会話要素を選択することによって応答する。論理ブロック66で示されるように、全ての会話要素の内部表現が、発話データ記憶装置33から取得される。
【0081】
更なる発話が選択されるか否かの判断が、判断ブロック67で示されるように、個人によってなされる。更なる発話が必要な場合は、論理は論理ブロック68に移り、そこで各会話要素の生成された音声が、音声を電話に伝えるコネクタ35を介して電話に送られる。論理はその後、判断ブロック67に戻る。
【0082】
通常の電話のプロセスは、フローチャートに示されるように進められる。無声通話方法における例外的な状況は、以下のように非同期で起こり得る。1)ユーザが生の音声を通話に組み込みたい時にはいつでも、切替可能な音声入力36が使用される。2)ユーザは、現在再生されている会話要素を、会話表現31から新たな選択をすることによって、無効にすることが可能である。そして、3)ユーザは、会話を終了させるために、いつでも電話を切ることができる。
【0083】
図15は、本発明の無声通話の実施の形態のための状態推移図を示す。具体的には、図15は、左ボタン157a、中央ボタン157b、及び右ボタン157cを有する機械装置157が、様々な状態に推移するために用いられる状態推移図を例示する。ボタン157a乃至cは、会話要素のための会話表現である。ボタンは、異なる状態で異なる会話表現を表すことが可能である。本発明の実施の一形態において、図15は無声通話ソフトウェアの状態推移図を示す。
【0084】
例示される実施の形態には、5つの状態が存在する。即ち、電話待機状態151、応答のための待機状態152、会話のための移動状態153、通話相手の話を聞く状態154、及び通話終了状態155であり、更に任意の状態156が示される。ユーザは、ボタン157a乃至cを押下することにより、様々な状態に推移することが可能である。状態が様々に推移するのに伴い、ユーザへの可聴のメッセージが生成され得る。
【0085】
例えば、電話待機状態151から応答のための待機状態152への推移は、通話着信イベントの発生時に果たされる。ユーザはその後、3つの選択肢を有する。それらの選択肢は、1)ユーザはボタン157aを押下することにより、何も言わない、2)ユーザはボタン157bを押下することにより、「メッセージを残して下さい」という発話を生成する、又は、3)ユーザは右のボタン157cを選択することにより、通話相手のみ聞き取れる「すぐに出るので少しお待ち下さい」という発話を生成する、というものである。
【0086】
図15から理解されるように、本発明の実施の形態は、周囲に可聴のコンテンツを生じさせずに、ユーザが会話を遂行することを可能にする。
【0087】
IV.無声通話の実施の形態
無声モードの会話において、会話の全ての参加者が、携帯電話等の電子装置を使用する。装置は、有線の装置であっても無線の装置であってもよい。しかしながら、「同様でない」公共の場にいる(即ち、静かにしなければならない)人は、会話に応答するための特殊なインターフェースを有するであろう。以下で、(1)PC、(2)PDA、(3)スキャナ及び紙のインターフェース、(4)物理的なボタン・インターフェースを有する電話付属装置、及び(5)無声通話機能を有する電気通信インフラストラクチャ、の5つの異なる実施の形態について説明する。他の実施の形態は、インターコム、CB無線、双方向無線、短波無線、又は、FM又はBluetooth等の他の無線送信機の使用を含み得る。
【0088】
A.PCによる実施の形態
無声通話を行うためのPCシステムによる実施の形態は、個人用の「会話器具」としてパソコンを使用する。
【0089】
PCによる実施の一形態において、会話表現を有するGUIテンプレートがPCに保存される。ユーザ(例えば、個人17)がポイント・アンド・クリックを実行すると、コンピュータは音声接続を介して外部には音を発生させずに電話に「言葉を発する(talk)」。
【0090】
これは、表示及びユーザによる選択に適したフォーマットで予め録音された有効な会話のフレーズを格納することにより達成される。図7は、ユーザ自身の声で表現された内部表現を有する会話表現を含むGUI表現を示す。例えば、一群の会話開始の挨拶(Hello)アイコン70が、アイコン70a乃至dで表される。ユーザは、「レスです。あなたの声は聞こえますが、今静かな場所にいるので、コンピュータを通してしか応答できません」等の冒頭文70aを予め録音することができる。他の種類のアイコン及び関連付けられた文を使用してもよい。例えば、制御71のアイコンは、アイコン71a乃至fを含むことができる。エチケット72のアイコンは、アイコン72a及びbを含むことができる。例えば、アイコン72aは、ユーザの声で表される可聴の表現力豊かな「お願いします」であってもよい。返答アイコン73は、アイコン73a乃至dを含み、「別れの挨拶」アイコン74は、アイコン74a乃至cを含む。
【0091】
実施の一形態において、MicrosoftのPowerPointが、会話表現及び会話要素、即ち(1)ノードがオーディオ・クリップ(WAVフォーマット)を含む、図7に示されるようなグラフィック構造、及び(2)テキストから音声を生成するジェネレータ(MicrosoftのAgentの会話機能を含むActiveXコンポーネントから得られる)、を形成するために用いられる。MicrosoftのAgentソフトウェアは、テキストを音声に変換する機能を含む。標準のMicrosoftのインターフェース定義(例えば、ActiveXコンポーネント)を使用することによって、MicrosoftのAgentのテキストを音声に変換する機能が、PowerPointのスライドに埋め込まれ、無声通話のためのテキストを音声に変換する機能を提供する無声通話GUIとして用いられる。
【0092】
会話のテンプレートは、一群の頻繁なユーザの間で、(例えば、アップロード/ダウンロードして)共有されることができる(例えば、ウェブ・ページ、共有ファイル、電子メール・メッセージとして)。個人は、彼らが加わりたい会話の種類を選び、各個人は無声通話インターフェースを用いる共有テンプレートを介して作業する。
【0093】
図2は、無声通話PCシステムの実施の形態を例示する。システム20は、携帯電話入力の入力ジャックに接続されるサウンド・カードを有するPC21を含む。このように嵌合する携帯電話ジャックを用いると、可聴なコンテンツが、ローカル・ユーザによって周囲に直接生じることはない。ユーザは、電話の会話と、PCにより生成される音声とを一緒に聞くことができるイヤホンを有する。
【0094】
実施の一形態において、パソコン21は、上述のような会話表現31、発話データ記憶装置33、音声ジェネレータ34、アップロード/ダウンロード40、及び音声出力41を含む。本発明の実施の一形態において、会話表現31は、PowerPointのスライド・ショーである。同様に、本発明の実施の一形態において、発話データ記憶装置33は、PowerPointの表現である。同様に、音声ジェネレータ34、及びアップロード/ダウンロード40はそれぞれ、PCのサウンド・カード、及びPowerPointのファイル転送ソフトウェアである。
【0095】
音声出力41は、PCのスピーカ・ジャックとPCのスピーカとの間で切替可能である。PCのスピーカは、スピーカ・ジャックが使用中である際には切断される。PCのスピーカ・ジャックは、音声を電話に伝えるコネクタ35(図3、4)に連結される。生成された会話は、PCのスピーカ・ジャックからプラグを取り外すことによって、(例えば、準備処理の一部として)ユーザのロケールで聞こえるようにすることができる。本発明の実施の一形態において、音声を電話に伝えるコネクタ22(図2)は、図5に示されるようなインピーダンス整合回路である。インピーダンス整合回路は、PCの音声信号が携帯電話に向けられることを可能にする。実施の一形態において、R1=10kオーム、R2=460オーム、そしてC1=0.1マイクロファラッドである。音声を電話に伝えるコネクタ35はその後、携帯電話23の音声入力に連結される。
【0096】
本発明の実施の一形態において、携帯電話23は、マイクロホンの代わりに音声を電話に伝えるコネクタ22への直接接続が使用されるハンドフリーのヘッドセットを有するQualCommのpdQ Smartphoneである。
【0097】
B.PDAの実施の形態
PDAの実施の一形態において、GUIの会話表現は、PDA80(図8)に保存され、PDAのスクリーンに表示される。ユーザが会話ボタンを軽く叩くと、PDAは音声接続を介して外部には無音で電話に「言葉を発する」。
【0098】
PDAの実施の一形態が、図8に例示され、PDA80及びPDAインターフェース81を含む。PDAインターフェース81は、コントローラ82に連結される。コントローラ82の音声出力はその後、音声を電話に伝えるコネクタ83に連結される。PDAの実施の形態の様々な構成要素の具体的な構造例を以下で説明する。
【0099】
図8及び9は、PDAの実施の形態(例えば、ハンドフリーのヘッドセットを有するQualcommのpdQ Smartphone)を例示する。PDA80は、図7に示されるようなGUIを使用し、そのノードはオーディオ・クリップを表わす。例えば、インジケータはデジタルで格納される信号データ(例えば、Quadravox 305のPlayback Module(再生モジュール)に保存されるWAVフォーマットのデータ)のための一連番号又はアドレスであってよい。
【0100】
実施の一形態において、コントローラ82(例えば、Quadravox QV305)は、ランダムに又は順番にアクセスされ得るオーディオ・クリップを保存する。実施の一形態において、コントローラ82は、Quadravox QV305 RS232の再生コントローラである。代替の実施の形態において、コントローラ82は、組み合わせられた又は単独の、有線/無線のユニバーサル・シリアル・バス(「USB」)、IrDA接続、パラレル・ポート、イーサネット(登録商標)、ローカル・エリア・ネットワーク、ファイバ、無線装置接続(例えば、Bluetooth)によって通信する。PDAの実施の形態もまた、Quadravox社により市販されているQVProソフトウェア等のアップロード/ダウンロード40(図4)を含む。コントローラ82は、PDA音声信号が電話機に向けられることを可能にする図5に示されるようなインピーダンス整合回路を介して電話入力に接続される。実施の一形態において、R1=10kオーム、R2=460オーム、そしてC1=0.1マイクロファラッドである。PDA80は、RS232のシリアルポートを介してコントローラ82に連結される。PDAインターフェースでの選択により示されるオーディオ・クリップの番号は、PDAのシリアルポートを介してコントローラ82に通信される。生成された会話は、ハンドフリーのイヤホンと、電話回線を介しての両方で聞き取れるが、外部コンテンツがローカル・ユーザによって周囲に直接生じることはない。
【0101】
実施の一形態において、空間的に配置された一群のPDAソフトウェア・ボタン91から成る会話構造が図9に示される。挨拶(例えば、もしもし/こんにちは、さようなら)、会話の流れの制御(例えば、待機、続行)、及び質問に対する一般的な返答(例えば、はい、いいえ)を含む、会話表現の代表的なサンプルが示される。
【0102】
C.紙のユーザ・インターフェースの実施の形態
紙のユーザ・インターフェースの実施の一形態において、会話表現は、図10、11及び12に示されるように、紙(例えば、ノート又はカード)にプリントされる。ユーザは、会話表現(例えば、コード)と関連付けられた会話要素を(例えば、バーコード又はグリフ・リーダーにより)走査すると、コンピュータは音声接続を介して外部には無音で電話に「言葉を発する」。
【0103】
図11は、紙のユーザ・インターフェースを用いる無声通話の実施の形態を例示する。紙のユーザ・インターフェースの実施の形態は、PDA110及びコントローラ111を含む。実施の一形態において、コントローラ111は、発話データ記憶装置33、音声ジェネレータ34、及び音声出力41として用いられる。実施の一形態において、コントローラ111は、QuadravoxのQV305 RS232再生コントローラである。紙のユーザ・インターフェースの実施の形態もまた、Quadravox社により市販されているQVProソフトウェア等のアップロード/ダウンロード40を含む。コントローラ111は、音声を電話に伝えるコネクタ112に連結される。実施の一形態において、音声を電話に伝えるコネクタ112は、図5に示されるようなインピーダンス整合回路である。また、スキャナ113が、コントローラ111に連結される。スキャナ113は、コード115を含む紙のインターフェース114を読み取るために用いられる。
【0104】
図12もまた、紙のインターフェースの別の実施の一形態を示す。紙のインターフェース120は、「もしもし/こんにちは」等の会話表現のためのコード121(即ち、会話要素)を含む。
【0105】
図11において、スキャナ113(Symbol SPT-1500バーコード・スキャナ等)が、会話要素を読み取るために用いられる。実施の一形態において、スキャナ113は、RS232ポートを介してコントローラ111に連結される。各コードは、会話表現と関連付けられたオーディオ・クリップ(WAVフォーマット)を示す。
【0106】
コントローラ111(例えば、QuadravoxのQV305 RS232再生コントローラ)は、ランダムに又は順番にアクセスされることが可能なオーディオ・クリップを保存する。コントローラ111は、音声信号が電話機に向けられることを可能にするインピーダンス整合回路112を介して電話入力に接続される。実施の一形態において、R1=10kオーム、R2=460オーム、そしてC1=0.1マイクロファラッドである。PDAインターフェースでの選択により示されるオーディオ・クリップの番号は、PDAのRS232のシリアル・ポートを介してコントローラ111に通信される。生成された会話は、ハンドフリーのイヤホンと、電話回線を介しての両方で聞き取れるが、ユーザの一般的なロケールには聞こえない。
【0107】
D.電話付属装置の実施の形態
電話付属装置の実施の一形態では、ラベル付けされたボタン等の物理的なインターフェースが会話表現である。装置は、電話付属装置として電話機に取り付けられてもよく、或いは電話機のメカニズム自体の設計に組み込まれてもよい。ユーザが会話ボタンを押すと、コンピュータは音声接続を介して外部には無音で電話に「言葉を発する」。
【0108】
図13は、本発明の電話付属装置の実施の一形態を示す。電話付属装置の実施の形態は、音声を電話に伝えるコネクタ132に連結される装置131に連結される携帯電話130を含む。装置131は、それぞれの会話表現としてラベル付けされるか、又は印を付けられたボタンを有する物理的なインターフェースである。
【0109】
電話付属装置の実施の一形態において、携帯電話130は、ハンドフリーのヘッドセットを有するQualcommのPDQ Smartphoneである。電話付属装置の実施の一形態において、装置131は、電子記録及び再生装置である。実施の一形態において、音声を電話に伝えるコネクタ132は、図5で示されるようなインピーダンス整合回路である。
【0110】
実施の一形態において、1つ又は複数の単一チャネル音声記録及び再生チップ(例えば、Radio shack(商標)のRecording Keychain)は、ラベル付けされた制御ボタンを介してアクセスされることが可能な音声を保存する。チップは、音声信号が電話機に向けられることを可能にする音声を電話に伝えるコネクタ132を介して電話入力に接続される。実施の一形態において、音声を電話に伝えるコネクタ132は、R1=10kオーム、R2=460オーム、そしてC1=0.1マイクロファラッドである図5に示されるようなインピーダンス整合回路である。生成された会話は、ハンドフリーのイヤホンと、電話回線を介しての両方で聞き取れるが、ユーザの一般的なロケールには聞こえない。
【0111】
ワンチップ版は、ユーザが普通の声で会話を続けることが可能な場所へ移動するまで、会話を延期するために用いられ得る単一の挨拶又は複数の挨拶を保持することができる。他のチップが、代替の挨拶(例えば、移動通話のスクリーニング)又は限られた応答(例えば、はい、いいえ等)のために追加されてもよい。
【0112】
代替の実施の形態では、通話オブジェクトが提供される。例えば、無声通話技術を有するクレジットカード(例えば、上述のチップの配置を用いることによる)は、可聴の発話(例えば、アカウント番号)を外部には無音で生成する。従って、予約を確認するため、又は他の目的で用いられる際に、個人情報が他人に聞かれることはない。
【0113】
E.電気通信インフラストラクチャの実施の形態
上述のように、音声通話は、電話機の少なくとも1つが非言語的なインターフェース(例えば、ボタン又はタッチスクリーン)を有する場合に行われる。非言語的なインターフェースは、電話接続を介して音声発話(録音された、又は合成された)を選択及び再生するために用いられる。音声の生成が導入され得る場所は、図14で示されるような通話の音声経路に多数存在する。実施の一形態において、電話の受け手142は、重要な電話を受けることを必要とする携帯電話のユーザであるが、常に会話が可能な状況にあるわけではない(例えば、会議、公共の交通機関、待合室)。
【0114】
図14は、無声通話技術を有する電気通信インフラストラクチャ140を示す。電気通信インフラストラクチャ140は、電話のかけ手141により用いられる電話機143を含む。電話機143は、電気通信サービス・プロバイダ146にアクセスする。電話機143は、電気通信サービス・プロバイダ146に接続される電話通信サーバ145に選択的にアクセスする。実施の一形態において、電気通信サービス・プロバイダ146は、電話通信サーバ148を制御する電気通信サービス・プロバイダ147にアクセスする。電話通信サーバ148はその後、携帯電話144に対してサービスを提供する。電気通信インフラストラクチャ140に属する全てのソフトウェア及び/又は機械装置が、無声通話技術の実施の形態を実行するために用いられ得る。例えば、無声通話ソフトウェアは、電気通信サービス・プロバイダ147で実行されてもよい。ユーザはその後、携帯電話144上でボタンを選択することによって、発話を開始することができる。
【0115】
代替の実施の形態において、上述の無声通話ソフトウェア及び/又は構造は、電話機144及び/又は143の内部等の、電気通信インフラストラクチャ140に属する他の部分に配置されてもよい。
【0116】
i.バンド内及びバンド外の発話の選択
少なくとも2つの無声通話の電気通信インフラストラクチャの実施の形態が存在する。即ち、1)通話者により成される発話の選択のための制御信号が音声オーディオ(voice audio)と混合される(即ち、タッチ・トーン等のバンド内通信)、又は2)制御信号が音声信号とは異なる通信チャネルを使用する(即ち、バンド外)、実施の形態である。何れの実施の形態においても、無声通話の発話の生成が可能なサーバ・アプリケーションが、電気通信インフラストラクチャへのアクセスを有し、図14に示されるように、通話の音声経路(例えば、サービス・プロバイダの電話サーバ)を操作することができる。
【0117】
a.音声オーディオを追加するためのバンド内選択
図16(a)及び図16(b)は、バンド内電気通信インフラストラクチャの実施の形態及び無声通話サーバを例示する。
【0118】
電話機が文字表示をサポートする場合、1セットの可能な発話が電話機上に表示される。テキストは、電気通信プロバイダから予め取得される(例えば、以前の音声又はデータ通話でダウンロードされる)か、現在の通話の最中に取得又はカスタマイズされることにより、電話機で設定される。通信は、通話者のID等の電話情報フィールドを介して、又はタッチ・トーン信号、ファックス・トーン、又はある意味では音声としてより注意を喚起する方法(例えば、リズミカルな、又は音楽的なシーケンス)であるカスタマイズされた信号技術のための押しボタン・ダイヤル信号(Dual-Tone Multi Frequency:「DTMF」)等のバンド内信号を介して行われることが可能である。
【0119】
電話機が専用の選択キーをサポートする場合、これらは会話要素の選択を操作するために用いられ得る。選択肢の1つが選択されると、符号化された選択と共にメッセージがバンド内信号によりプロバイダに送り返される。選択メッセージは、対応する会話要素にアクセスするために用いられる。
【0120】
電話機が選択キーをサポートしていない場合、標準の数字パッド(例えば、*、1、2等)が選択のために用いられ得る。他の関係者からの関連するDTMF信号は、通信事業者又はプロバイダ特有のメカニズムによって、又はDTMFが処理されている間に、電話のかけ手を一時的に保留の状態にさせることにより、抑制されるであろう。或いは、電話は、聴覚的にそれ程妨げにならない代替のトーン生成(例えば、他の周波数又はリズムのパターン)をサポートしてもよい。
【0121】
実施の一形態において、電話の受け手の電話機162は、図16(b)に示されるように、無声通話サーバ160及び無声通話ソフトウェア160aにアクセスするための無声通話技術を有する。
【0122】
別の実施の形態において、電話のかけ手の電話機161は、図16(b)に示されるように、無声通話サーバ160及び無声通話ソフトウェア160aにアクセスするための無声通話技術を有する。
【0123】
別の実施の形態において、第三者機関であるプロバイダが、図16(a)に示されるように、(おそらく電話の受け手により)通話に利用される。この例では、電話会議が確立され、電話の受け手の会話要素選択信号(おそらくDTMF又は他の可聴パターンとして)が受け入れられ、それらは対応する可聴の発話に変換される。
【0124】
様々なバンド内電気通信インフラストラクチャの実施の形態を以下で説明する。第1に、無声通話サーバでの代理応答の実施の形態が用いられ得る。携帯電話への呼び出しは、実際には先ず電話番号によって行われる。これは、接触点として電話番号を提供することによって、電話のかけ手(161)にとって解かり易くすることができる。無声通話サーバ160(例えば、電話通信プログラム、又はサービス・プロバイダ機能)は、かかってくる通話に応答し、電話の受け手の携帯電話162にダイヤルする。電話の受け手(162)が携帯電話162に出ると、電話のかけ手(161)との接続を確立させる。受け手の電話機162はその後、直ちに無声通話サーバ160に(例えば、図16(a)及び(b)に示されるように、電話会議を介して、又は仲介手段として機能するサーバ・アプリケーションによるリレーとして)接続する。電話の受け手(162)は、無声通話入力を選択し、その選択は、適切な可聴の発話への復号化及び変換のために無声通話サーバ160に信号を送られる。バンド内信号自体は、電話のかけ手(161)に可聴であっても(例えば、図16(a)に示される連続する三者通話の電話会議接続においてのように)、電話のかけ手(161)から遮られても(例えば、図16(b)に示されるリレー接続においてのように、又は制御信号が処理される間、電話のかけ手(161)を一時的に素早く保留の状態にさせることによる)よい。
【0125】
第2に、移動式のハンドセット(送受話器)からの第三者のアドインが、実施の一形態で用いられ得る。通話は先ず、電話の受け手の携帯電話162に直接かけられる。電話の受け手が携帯電話162に答えると、電話のかけ手(161)との接続がもたらされる。電話は、直ちに無声通話サーバ160に(例えば、電話会議又はリレー接続にダイヤルするか、又は持続性の電話会議又はリレー接続にアクセスすることによって)接続する。その後、バンド内信号及び発話の生成は、上述と同様の方法で続けられる。
【0126】
バンド内信号は、音声及びデータの両方の通信にただ1つの通信チャネルを必要とすること、及び電気通信インフラストラクチャを変更せずに機能することができる(例えば、DTMFサポートが既にこのシステムに備わっている)、という利点を有する。特定の状況下において、可聴の信号は、何人かの電話のかけ手に、電話の受け手の状況に関する可聴の合図を与えるのに役立つであろう。不利な点は、電話のかけ手の多くに、彼らが聞きたくない可聴の制御信号を我慢させる(例えば、それらを無視するか又はカムフラージュすることによって)か、又は電話のかけ手からそれらを隠す(例えば、制御信号の処理の間、電話のかけ手を保留状態にさせる)ことを必要とする点である。また、バンド内信号は、可聴のチャネルを介して通信されることが可能な制御データの量及び速さに制限される。
【0127】
b.音声オーディオを追加するためのバンド外選択
選択された会話要素は、電話の音声チャネル以外のある手段を介して無声通話サーバに通信されることが可能である。図17は、バンド外電気通信インフラストラクチャの実施の形態170を示す。バンド内信号と同様に、通話は電話番号によって(上述の代理応答手法)、又は電話の受け手の携帯電話に直接(第三者のアドイン)かけられ得る。無声通話サーバは、電話会議及びリレー構成の何れかを介して音声通話に接続される。
【0128】
バンド外制御の実施の形態を以下で説明する。
【0129】
第1に、関連した音声及びデータ接続の実施の形態が用いられ得る。電気通信システム(統合サービス・デジタル・ネットワーク(「ISDN」)等)は、音声とデータとを別々のチャネルで伝送する。例えば、電気通信プロバイダは人々の電話機のベルを鳴らすために呼出し音の電圧信号を送信する(バンド内信号)のではなく、プロバイダはデジタル・パケットを別のチャネルで送信する(バンド外信号)。通話は、音声チャネル及び関連する制御データ・ストリームを確立することによって、電気通信サービス・プロバイダにより処理される。制御情報は、代替のデータ・チャネルを用いて音声通信とは独立して無声通話サーバに送信される。音声経路と接続されている無声通話サーバは、上述のような適切な発話を導く。
【0130】
第2に、符号分割多元アクセス(「CDMA」)及びインターネット・フォン(Voice-over-IP:「VoIP」)等のデジタル通信は、音声及びデータをビットとして符号化し、パケットをデジタル・チャネル上に交互配置することによって同時通信を可能にする。
【0131】
第3に、独立したデータ接続の実施の形態が用いられ得る。実施の一形態において、ハンドセットは、電話の受け手と無声通話サーバとの間の制御情報を通信するために、独立したデータ接続、即ち第2の装置(例えば、無線接続されたPDA)を備えている。
【0132】
第4に、更なる電話接続の実施の形態が用いられ得る。ハンドセットが複数の電話機能を備えているか、又は幾つかの電話機が用いられてもよい。ある通話は、電話の受け手と無声通話サーバ171との間の制御情報を伝える。他の電話機173は、全ての関係者(電話のかけ手、電話の受け手、及びサーバ・アプリケーション)との接続を有する。
【0133】
第5に、デジタル音声及びデータの同時混合通信をサポートしているチャネル(例えば、無声通話電話機として機能するIPを使用可能な電話機と組み合わせられたVoIP)を使用する際に、合成の又は予め録音された会話要素が、電話機のハンドセットに単純なデータ・パケットとして格納されることが可能である。電話の受け手が音声発話を取得するために、予め録音されたデータ・セットが、電話のかけ手のデジタル・データ・ストリームに送られる。
【0134】
バンド外信号は、制御信号が隠されたり(例えば、電話のかけ手を一時的に保留状態にさせておくことによる)、カモフラージュされたり(例えば、リズミカルなパターンとして)、或いは我慢されたり(例えば、タッチ・トーン)する必要がない、という利点を有する。不利な点は、音声及びデータが混在するパケット通信(例えば、VoIP)の場合を除き、幾つかの通信チャネルが管理を必要とするという点である。
【0135】
ii.VoIP電気通信インフラストラクチャ
VoIPは、適切なサービス品質(QoS)及び優れた利益対価格比で、IPベースのデータ・ネットワークを介して電話をかけ、ファックスを送る能力である。http://www.protocols.com/papers/voip.htm及びhttp://www.techquide.comを参照されたい。音声データは、データ・パケットに符号化され、インターネット・プロトコルを使用して送信される。
【0136】
Net2phone(http://www.net2phone.com)のParityソフトウェア(http://www.paritysw.com/products/spt_ip.htm)、即ち「音声ソフトウェアを伴うPC」は、本発明のVoIP電話通信開発のアプリケーション・プログラム・インターフェース(「API」)を提供する。
【0137】
VoIPの実施の一形態において、情報はインターネット、電話交換及び/又はローカル・ネットワークを介して伝送される。図18乃至22は、VoIP機能を使用する様々な電気通信インフラストラクチャの実施の形態を例示する。これらのインフラストラクチャの実施の形態は、無声通話の音声発話が格納又は生成される位置、並びに、無声通話の対話に用いられる電話機がIP対応であるか否かという点で異なる。表1は、図18乃至22に示される様々なインフラストラクチャの実施の形態に関する5つの異なる構成を示す。
【表1】
【0138】
図18において、DTMF信号を送出することができるIPの使用が不可能な電話機180が無声電話として機能し、VoIPのゲートウェイ182を介する無声電話サーバ181からの音声発話の再生/生成を制御する。DTMF制御信号は、VoIPゲートウェイ182により検出され、適切な無声通話制御コードを有するIPデータ・パケットとして無声電話サーバ181にルーティングされる。無声電話サーバ181は、無声通話制御コードを有するIPデータ・パケットを受信し、格納/生成された無声通話の音声発話をIPデータ・パケットとして、(a)他の電話機184と通信しているVoIPゲートウェイ183と、(b)無声電話180と通信しているVoIPゲートウェイ182と、に送信することにより応答する。他の電話機184からの音声は、VoIPゲートウェイ183に送られ、無声電話180と通信しているVoIPゲートウェイ182を介してIPデータ・パケットとして無声電話にルーティングされる。
【0139】
図18において、DTMF信号を生成可能な任意の電話機を、無声電話サーバ181に存在している無声電話サービスに単に登録することによって、無声電話に変更することができる。
【0140】
図19において、IPを使用可能な電話機190が無声電話として機能し、無声電話サーバ191に無声通話制御コードをIPデータ・パケットとして送信することによって、無声電話サーバ191からの音声発話の再生/生成を制御する。無声電話サーバ191は、無声通話制御コードを有するIPデータ・パケットを受信し、格納/生成された無声通話の音声発話をIPデータ・パケットとして、(a)他の電話機194と通信しているVoIPゲートウェイ193と、(b)IPを使用可能な無声電話190と、に送信することにより応答する。他の電話機194からの音声は、VoIPゲートウェイ193に送られ、無声電話190にIPデータ・パケットとしてルーティングされる。
【0141】
図20において、IPを使用可能な電話機が無声電話200として機能し、無声電話サーバ201に無声通話制御コードをIPデータ・パケットとして送信することによって、無声電話サーバ201からの音声発話の再生/生成を制御する。無声電話サーバ201は、無声通話制御コードを有するIPデータ・パケットを受信し、格納/生成された無声通話の音声発話をIPデータ・パケットとして、(a)IPを使用可能な他の電話機204と、(b)IPを使用可能な無声電話200と、に送信することにより応答する。他の電話機204からの音声は、IPデータ・パケットとして無声電話200にルーティングされる。
【0142】
図21において、IPを使用可能な電話機が無声電話210として機能し、格納/生成された無声通話の音声発話をIPデータ・パケットとしてIPを使用可能な他の電話機214に送信する。他の電話機214からの音声は、IPデータ・パケットとして無声電話210にルーティングされる。
【0143】
図22において、IPを使用可能な電話機が無声電話220として機能し、格納/生成された無声通話の音声発話をIPデータ・パケットとして他の電話機224と通信しているVoIPゲートウェイ221に送信する。他の電話機224からの音声は、VoIPゲートウェイ221に送られ、IPデータ・パケットとして無声電話220にルーティングされる。
【0144】
iii.無線電話通信アプリケーション及びインターフェース
実施の一形態において、無線アプリケーション・プロトコル(「WAP」)内の無線電話通信アプリケーション・フレームワーク(「WTA」)が、無声通話の実施の形態で用いられる。例えば、無声通話ソフトウェアは、携帯電話に格納されたマイクロブラウザからアクセスされるWTAサーバに保存される。
【0145】
本発明の好ましい実施の形態の上述の説明は、例示及び説明のために提供されている。上述の説明は、本発明を網羅すること、又は開示された通りの形態に制限することを意図しない。明白に、多くの変更及び変形が、当業者には明らかであろう。実施の形態は、その説明により、他の当業者が企図される特定の使用に適した様々な実施の形態及び様々な変更態様と共に本発明を理解するのを容易にする、本発明の本質及びその実用的なアプリケーションを最も適切に説明するために選ばれ記載された。本発明の範囲は、本願の請求項及びそれに準ずる物により定義されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の無声通話システムの簡略化されたブロック図である。
【図2】本発明の実施の一形態の無声通話パソコン(「PC」)を示す図である。
【図3】本発明の実施の一形態に従った無声通話システムによる会話の遂行の簡略化されたブロック図である。
【図4】本発明の実施の一形態に従った無声通話の会話構造の準備に関する簡略化されたブロック図である。
【図5】本発明の実施の一形態のインピーダンス整合回路の概略図である。
【図6】本発明の実施の一形態に従った無声通話のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の一形態の無声通話のグラフィカル・ユーザ・インターフェース(「GUI」)である。
【図8】本発明の実施の一形態の無声通話のパーソナル携帯情報機器(「PDA」)を示す図である。
【図9】本発明の実施の一形態の無声通話のGUIを表示している携帯電話を示す図である。
【図10】本発明の実施の一形態の無声通話処理装置及びスキャナを示す図である。
【図11】本発明の実施の一形態の無声通話処理装置及びスキャナを示す図である。
【図12】本発明の実施の一形態の無声通話処理装置及びスキャナで会話表現として使用されるバーコードを有する用紙を示す図である。
【図13】本発明の実施の一形態に従った無声通話の電話付属装置を示す図である。
【図14】本発明の実施の一形態に従った無声通話の電気通信インフラストラクチャを示す図である。
【図15】本発明の実施の一形態に従った無声通話の状態図である。
【図16】(a)及び(b)は、本発明の実施の一形態に従った無声通話のバンド内電気通信インフラストラクチャを示す図である。
【図17】本発明の実施の一形態の無声通話のバンド外電気通信インフラストラクチャを示す図である。
【図18】本発明の実施の一形態に従ったVoIP電気通信インフラストラクチャを示す図である。
【図19】本発明の実施の一形態に従ったVoIP電気通信インフラストラクチャを示す図である。
【図20】本発明の実施の一形態に従ったVoIP電気通信インフラストラクチャを示す図である。
【図21】本発明の実施の一形態に従ったVoIP電気通信インフラストラクチャを示す図である。
【図22】本発明の実施の一形態に従ったVoIP電気通信インフラストラクチャを示す図である。
【符号の説明】
11 発声区域
12 電気通信インフラストラクチャ
13、18 電話機
14 無声通話技術
15 無声区域
130 携帯電話
131 装置
132 音声を電話に伝えるコネクタ
Claims (2)
- 異なる複数の会話群の会話表現が可視表示され、該複数の会話群から会話表現を選択することにより、該会話表現に対応した会話要素を選択する選択手段と、
前記会話要素と該会話要素に対応し遠隔の受話者への可聴の発話を表わす内部会話要素を格納する記憶手段と、
前記選択手段で選択された会話要素に対応する内部会話要素を前記記憶手段から読み出し、可聴の会話を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された可聴の会話を電話機の送話部へ送るために該電話機と接続する接続手段と、
前記接続手段からの可聴の会話と、電話機の受話部からの可聴の会話を受話するイヤホンと、
を具備し、
前記複数の会話群は、一群の会話開始の挨拶、一群の制御の会話、一群のエチケットの会話、及び一群の別れの会話の内、少なくとも2つの会話群を含み、
前記選択手段が、前記会話群の各会話内容としてテキストが永久可視表示されたノート及びカードの少なくとも一方を含み、前記テキストを参照してテキストに対応したコードを選択することにより、会話要素を選択する、
電話用システム。 - カレンダーからの約束情報、アドレス帳からのエントリー情報、データベースからのレコード情報、スプレッドシートからのセル情報及び電子メールからのメッセージ情報の内、少なくとも1つの情報を抽出し、該情報を所定のテンプレートにより会話フレーズに変換して前記記憶手段に格納する情報抽出手段、
をさらに具備する、請求項1に記載の電話用システム。
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