JP3897297B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真等における画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては、各種の方法があるが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像を乾式トナーを用いて現像し、紙等にトナー像を転写したのち、加熱、加圧等により定着し、コピーを得るものである(例えば、特許文献1、2及び非特許文献1参照)。
【0003】
電気的潜像を現像する方式には大別して、絶縁性有機液体中に各種の顔料や染料を微細に分散させた現像剤を用いる液体現像方式と、カスケード法、磁気ブラシ法、パウダークラウド法等のように天然または合成樹脂にカーボンブラック等の着色剤を分散したトナーを用いる乾式現像方式があり、乾式現像方式には一成分現像方式とキャリアを用いる二成分現像方式がある。
【0004】
トナー像を転写紙上に加熱定着する方法としては、大別して接触定着法と非接触定着法があり、前者は加熱ローラ定着、ベルト定着、後者はフラッシュ定着、オーブン(雰囲気)定着があげられる。
【0005】
加熱ローラ定着方式はトナー像と加熱ローラが直接接触するため、極めて熱効率の良い定着方式であり、装置も小型化できるため、広く一般に用いられている。しかしながら、加熱ローラ定着方式はトナー像及び転写紙が直接接触するため、転写紙上に形成されたトナー像により、画像品質が大きく左右されると言う欠点を有しているので、転写紙上に均一で密なトナー像を形成することが重要である。そのために従来よりさまざまな検討がなされ、例えば、定着前と定着後のトナー像の高さの比率を特定の範囲に制御する磁性トナー(特許文献3参照)、一定荷重のもとに測定された、特定の空隙率を有するトナー(特許文献4参照)、特定の粒径分布を有し、タップ密度から求めた空隙率が特定の範囲を有するトナー(特許文献5参照)、シリコーン化合物を含有する無機微粉体を含有し、特定の粒径分布を有し、タップ密度から求めた空隙率が特定の範囲を有するトナー(特許文献6参照)が考案されている。しかし、これらは初期の画像に対しては有効な手段であるが、耐久性において、特に現像剤が劣化してきた場合や、高温高湿時に現像剤の帯電量が低下した場合には、現像剤の帯電量分布がブロードになってしまい、転写紙上に均一で密なトナー像を形成することができない。
【0006】
帯電量分布がブロードになることを抑制するためにもさまざまな検討がなされているが、トナーに荷電制御剤を添加することが最も効果が大きい。その中でも無色あるいは白色のものはカラートナーにおいて必要不可欠である。これら無色あるいは白色の荷電制御剤としては例えばサリチル酸誘導体の金属塩化合物(特許文献7〜10参照)、芳香族ジカルボン酸金属塩化合物(特許文献11参照)等があるが、これらは環境に懸念のあるクロム化合物であったり、カラートナーに必要な無色あるいは白色性が不十分であった。
【0007】
これらの問題を解決するため、中心金属として4価金属であるジルコニウムに注目し、特に4価の陽イオン体、オキソ錯体である2価の陽イオン体とサリチル酸、又はサリチル酸誘導体との各種化合物による検討が行われた(特許文献12参照)。これによるレジンとの分散性が良好で電子写真用トナーに良好な帯電性を付与できる無色な荷電制御剤が見出されたものの、特に高温高湿環境での帯電量の低下という問題が残っている。
【0008】
さらに、金属化合物と無機イオンとカルボン酸誘導体の比率を検討がなされたり(特許文献13,14参照)、ジルコニウム原子と芳香族カルボン酸の構成単位の検討がなされたりしている(特許文献15参照)。これらにより高湿下でも高い摩擦帯電量が維持できるようになったが、キャリアの帯電量が低い場合に現像剤の帯電量分布がブロードとなりかぶりを生じるという問題が解決されていない。
【0009】
また、非結晶性または低結晶性の芳香族化合物の金属塩のX線回折を規定することで再転写を改善することが提案されているが(特許文献16参照)、非結晶性または低結晶性の荷電制御剤では生産時の混練工程による熱やせん断エネルギーにより構造が変化してしまい、狙いの品質を得るためには生産の条件がかなり限定されたり、耐久性においてキャリアを汚染し、現像剤の劣化につながるなどの欠点があるなど、すべてにおいて満足するものが無いのが現状である。
【0010】
また、加熱ローラ定着方式はトナー像及び転写紙が直接接触するため、転写紙に非常に多くの熱エネルギーを奪われる。このため使用するモードや転写紙の種類、環境などによりローラ表面の温度が大きく変動し、定着後の画像品質を左右すると言う欠点を有している。
【0011】
ローラ表面温度が充分に高い場合は定着性には特に問題はないが、トナー中の樹脂の溶融粘度が低下して、ローラ通過後にトナー像が転写紙上に大きく広がる現象が発生する。このため、細線などの再現性が劣化し、画像品質を損なってしまう。また、逆にローラ表面温度が低い場合、トナー中の樹脂の溶融粘度が高いため、ローラ通過後にトナー像が転写紙上に大きく広がる現象は発生しにくくなる。しかしながら、この場合は定着性が悪化する。
【0012】
この問題を解決する技術として、従来よりいくつかの提案がなされている。例えば、ポリエステル樹脂と極性基を有するワックスから成る芯粒子を樹脂被覆し、ポリエステル樹脂とワックスの溶融粘度を規定したロール定着用トナー(特許文献17参照)、特定のポリエステル樹脂と離型剤から成り、ポリエステル樹脂の80〜120℃における溶融粘度と溶融粘度と温度のグラフの傾きと特定の離型剤の溶融粘度を規定したフィルム定着用トナー(特許文献18〜20参照)、特定のポリエステル樹脂と離型剤から成り、ポリエステル樹脂の80〜120℃における溶融粘度と溶融粘度と温度のグラフの傾きと特定の離型剤の溶融粘度を規定したフィルム定着用カプセルトナー(特許文献21参照)、特定のポリエステル樹脂と有機金属化合物、離型剤を含有し、ポリエステル樹脂の120〜150℃における溶融粘度と溶融粘度と温度のグラフの傾きと特定の離型剤の溶融粘度を規定したフィルム定着用トナー(特許文献22参照)、110〜130℃で測定された溶融粘度と温度の関係式を規定したスチレン−アクリル樹脂から成るトナー(特許文献23参照)が、特定の荷電制御剤を含有し、平均粘度勾配を規定したトナー(特許文献24参照)がそれぞれ考案されている。
しかしながら、これらの従来技術は定着特性の改良に対しては効果があるものの、トナー像の体積変化や面積変化などの画像品質の改善に対しては考慮されていない。
【0013】
また、近年ますます高画質化が進み、トナー粒径は小さくなる傾向にある。トナー粒径が小さい場合、定着ローラ間で加圧しても、トナー粒子に圧が加わり難いため、トナー像を均一に定着することが難しくなる。特に面圧を低くした定着装置の場合、この傾向が顕著となる。また、さらに転写紙として薄紙を使用した場合はさらに低面圧となり、トナー像表面性が悪化し、画像品質を悪化させる。また、厚紙を用いた場合は高面圧となるため、トナーが押しつぶされ不均一性が強調され、画像品質が悪化する。この現象はデジタル現像の場合が特に顕著であり、独立したドットの再現性が大きく影響をうける。そのため、1本または2本の弾性層を形成したローラーを用いる加熱ローラー定着方式が、他の加熱定着法と比べ熱効率が高いことから現在広く使用されている。
【0014】
ハーフトーンの濃度は一様であるべきだが、ミクロな濃度むらが生じていると、肉眼で見たときにざらついた印象をあたえる。ざらつきの物理的評価値は粒状度(granularity)である。
ノイズは濃度変動の周波数特性であるウィナースペクトラム(Wiener Spectrum)によって測定できる。
平均値が0である濃度変動成分をf(x)とすると
F(u)=∫f(x)exp(−2πiux)dx 式1
WS(u)=F(u)2 式2
ここでuは空間周波数である。
粒状度(GS)は、WSと視覚の周波数特性(Visual Transfer Function:VTF)の積を積分した値で、以下の式で表される。
GS=exp(-1.8<D>)∫WS(u)1/2VTF(u)du 式3
exp(-1.8<D>)は濃度と人の知覚する明るさの差を補正するための係数である。<D>は濃度の平均値を表す。
粒状度は画像のなめらかさの主観評価と高い相関がある。粒状度の値が小さいほど滑らかな高画質となり逆に大きいとざらついたプアな画像品質となる。
【0015】
【特許文献1】
特公昭42−23910号公報
【特許文献2】
特公昭43−24748号公報
【特許文献3】
特開平6−230602号公報
【特許文献4】
特開平8−220793号公報
【特許文献5】
特開平8−278659号公報
【特許文献6】
特開平10−48874号公報
【特許文献7】
特公昭55−42752号公報
【特許文献8】
特開昭61−69073号公報
【特許文献9】
特開昭61−221756号公報
【特許文献10】
特開平9−124659号公報等
【特許文献11】
特開昭57−111541号公報
【特許文献12】
特願平11−515329号
【特許文献13】
特許第3135507号公報
【特許文献14】
特許第3154088号公報
【特許文献15】
特開2001−66830号公報
【特許文献16】
特開2000−147828号公報
【特許文献17】
特許第2743476号公報
【特許文献18】
特開平3−122661号公報
【特許文献19】
特開平4−85550号公報
【特許文献20】
特公平8−16804号公報
【特許文献21】
特公平8−12459号公報
【特許文献22】
特公平7−82250号公報
【特許文献23】
特公平7−72809号公報
【特許文献24】
特開平10−246989号公報
【非特許文献1】
米国特許第2,297,691号明細書
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、2本のローラの間を通過させる事によってトナー像の加熱定着を行う加熱ローラ定着装置において、
1.高温高湿環境での帯電量の低下が無くかぶりのない、粒状度の良好な優れた画像を得られる画像形成方法を提供する
2.キャリアの帯電量が低い場合においても現像剤の帯電量分布がブロードとならず、かぶりがなく優れた画像を得られ、粒状度の良好な画像形成方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明の目的は、以下の(1)〜(7)により達成される。
(1)外部より帯電部材に電圧を印加し被帯電体に帯電を行う帯電工程と、帯電している被帯電体に静電荷像を形成する工程と、静電荷像をトナーによって現像してトナー画像を形成する現像工程と、外部より転写部材に電圧を印加しトナー画像を転写体上に転写する転写工程と、転写後の被帯電体表面をクリーニング部材でクリーニングするクリーニング工程と、トナー画像を1本または2本の弾性を有するローラーを通過させることにより加熱定着する定着工程からなる画像形成方法において、トナーが少なくともバインダー樹脂と着色剤と荷電制御剤からなり、該荷電制御剤が、ジルコニウムと芳香族オキシカルボン酸とからなるジルコニウム化合物の結晶であり、該荷電制御剤のCuKα特性X線に対するブラッグ角2θの主要ピークがピークA:5.5度±0.3度にあり、このX線強度がスキャンスピード0.5〜4度/分において2000〜15000cpsの範囲にある画像形成方法。
【0018】
(2)前記画像形成方法において、前記荷電制御剤のCuKα特性X線に対するブラッグ角2θの主要ピークが少なくともメインピークA:5.5度±0.3度、サブピークB:31.6度±0.3度にあり、この強度比がピークA/B=3〜25の範囲にあることを特徴とする画像形成方法。
【0019】
(3)前記画像形成方法において、前記トナーの100〜150℃における揮発分が0.10重量%以下である画像形成方法。
【0020】
(4)前記画像形成方法において、前記荷電制御剤の芳香族オキシカルボン酸が3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸である画像形成方法。
【0021】
(5)前記画像形成方法において、前記バインダー樹脂がポリエステル樹脂を50〜100重量%含有し、該ポリエステル樹脂の酸価が5〜25mgKOH/gである画像形成方法。
【0022】
(6)前記画像形成方法において、前記帯電工程が、帯電部材を被帯電体に接触させて外部より帯電部材に電圧を印加し、被帯電体を帯電することを特徴とする画像形成方法。
【0023】
(7) 前記画像形成方法において、静電潜像担持体上の静電潜像を現像剤により現像し、転写装置を介して現像画像を転写材へ静電転写する工程の際に、静電潜像担持体と転写装置とが当接することを特徴とする画像形成方法。
【0024】
トナーにおける荷電制御剤の機能は既述のように高い帯電性を付与することはもちろんのことであるが、同時にシャープな帯電量分布及び高温高湿及び低温低湿での環境変動に対する帯電量の安定性を付与することにあり、そのために荷電制御剤として何が必要であるかを鋭意検討した結果、荷電制御剤がジルコニウムと芳香族オキシカルボン酸又はその塩からなるジルコニウム化合物であって、その結晶面が同一面で成長していることが必要であり、このときの結晶面はCuKα特性X線に対するブラッグ角2θの主要ピークがピークA:5.5度±0.3度にあり、このX線強度がスキャンスピード0.5〜4度/分において2000〜15000cpsの範囲にあることが必要であることが判明した。
【0025】
一般的にX線回折測定において結晶性物質はブラッグの回折条件により結晶面間隔に応じて固有の回折ピークが表れ、回折強度は結晶の状態、結晶化度に依存しており、結晶化による硬度もある範囲においては結晶化度に依存している。2θピークA:5.5度±0.3度はジルコニウムと芳香族オキシカルボン酸又はその塩の主成分に起因するピークである。この強度が2000cps未満であると結晶性が低いため生産時の混練の熱やせん断のエネルギーにより、ジルコニア化合物内の結合の切断がおこりやすくなり、帯電性が低くなってしまう。特に高温高湿環境において顕著に帯電量の低下が発生してしまう。また15000cpsを超えると負極性が増大し、凝集力が増大するため、他材料との分散性が不十分となりシャープな帯電量分布が得られなくなる。すなわちCuKα特性X線に対するブラッグ角2θの主要ピークがピークA:5.5度±0.3度にあり、このX線強度がスキャンスピード0.5〜4度/分において2000〜15000cpsの範囲にあることで高い帯電性とシャープな帯電量分布を得ることが可能となり、これにより転写紙上に均一で密な画像を形成することができる。
【0026】
次に画像を1本または2本の弾性を有するローラーを通過させることにより加熱定着する加熱ローラ定着装置は、ローラの持つ弾性により、トナー像の表面及び転写紙との接点がより密着され、定着性や画像濃度のバラツキや光沢の不均一が少なくなるため、定着後も画像がつぶれず、粒状度の良好な鮮明な画像品質を得ることができることを判明した。
【0027】
さらに該荷電制御剤のCuKα特性X線に対するブラッグ角2θの主要ピークが少なくともメインピークA:5.5度±0.3度、サブピークB:31.6度±0.3度にあり、この強度比がピークA/B=3〜25の範囲にあることにより高温高湿での帯電量の安定性がさらに良好となり、高温高湿においてもかぶりのない、粒状度の良好な画像品質を得ることができる。サブピークB:31.6度±0.3度は面間隔:2.8553〜2.8914オングストロームに相当し、電子密度が大きいため、水分子と水素結合しにくく、高温高湿環境における帯電量の低下を抑制できると考えられる。このときの比率はピークA/B=3〜25の範囲が良い。3未満であると高温高湿環境における帯電量安定性に十分な効果がなく、25を超えるとメインピークに由来する単結晶性の性質が不十分となり多結晶性となるため、帯電量分布がブロードになりやすい。
【0028】
さらに、該トナーの100〜150℃における揮発分が0.10重量%以下であることによりローラーの弾性層の劣化を経時にわたって防止し、粒状度が良好な画像を得ることができることが判明した。つまり、定着後微量にローラー上に残存するトナーの100〜150℃における揮発成分が弾性層内部に分子状態で進入し可塑化させることにより可とう性が発現し、弾性層の劣化を引き起こす。実機内においてはコピーを使用していない予熱状態であっても、常にローラーは100〜150℃に加温されている状態であるためこれにより微量にローラー上に残存するトナーの100〜150℃における揮発成分が徐々に弾性層内部に進入することが考えられる。100℃以下での揮発成分については実機内で瞬時に揮発してしまい残存しないため実質弾性層の汚染には関与しないと考えられる。つまりトナーの100〜150℃における揮発成分が0.10重量%以下であることにより、ローラーの弾性成分を劣化させることなく、ローラの持つ弾性により、トナー像の表面及び転写紙との接点がより密着され、定着性や画像濃度のバラツキや光沢の不均一が少なくなり、画像の粒状度が良好な画像を得ることができる。さらに好ましくはトナーの100〜150℃における揮発成分が0.08重量%以下である。最も好ましくは0.05重量%以下である。0.10重量%を超えると長期下の使用または保存において弾性層の劣化をひきおこす。ここで100〜150℃における揮発成分とは後述するバインダー樹脂組成物の未反応モノマーから派生する低分子量の副生成物や他材料に残留する低分子量成分等が含まれる。さらにトナー製造時に分解発生する低分子量成分等が含まれる。バインダー樹脂の未反応モノマーである例えばスチレンモノマーなどは100℃以下にて残留せず揮発してしまうため、実質的には弾性層の劣化に関与していないと考えられる。
【0029】
さらに、バインダー樹脂がポリエステル樹脂を50〜100重量%含有し、該ポリエステル樹脂の酸価が5〜25mgKOH/gであることがよい。ポリエステル樹脂の酸価が5〜25mgKOH/gであることにより、ポリエステル樹脂に含まれる遊離状態のカルボキシル基が電子受容性を有するため、トナーの負極性を向上することができる。また、前記芳香族オキシカルボン酸又はその塩がポリエステル樹脂のカルボキシル基と水素結合することにより、擬似的な架橋が形成されトナーが増粘し定着時に画像がつぶれず粒状度がさらに良好な画像を得ることができる。酸価が25mg/KOHを超えると、高湿下での帯電安定性が悪化する。
【0030】
さらに前記芳香族オキシカルボン酸又はその塩が3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸であることが最も好ましく、特に高湿下での帯電量の低下を抑制できる点において好ましい。また、前記ポリエステル樹脂のカルボキシル基との水素結合性においても最も有効である。
【0031】
さらに、粒状度の良好な画像を得るためには前記帯電工程、転写工程において接触方式が有効であり、帯電ローラーや帯電ブレード、転写ベルトなどが使用できる。しかし、これらの不具合として直接感光体に接触するために、トナーが融着するという問題が発生しやすい。しかし、本発明のトナーはもともと帯電量分布がシャープであるために逆帯電トナーの発生量が少なく、そのような不具合を発生しないため好ましい。また、融着のメカニズムの1つとしてトナー表面に凝集体として存在している荷電制御剤が遊離して付着し、これが核となって融着が進行するケースがある。本発明のトナーは荷電制御剤の他材料への分散性が良好であるため、トナー表面に凝集体として存在せず、融着の核とならないため前記帯電工程、転写工程のそれぞれが接触方式であっても、トナーの融着が発生しないと考えられる。
前記帯電ローラーや帯電ブレード、転写ベルト、クリーニングブレードの材質としては導電性ゴムが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明における画像形成方法の一例を図1を参照して説明する。
図1のデジタル複写機は、周知の電子写真方式を用い内部にドラム状感光体1を備えている。感光体1の周囲には矢印Aで示す回転方向に沿って、電子写真複写行程を実施する帯電器2、露光手段3、現像手段4、転写手段5、クリーニング手段6および定着手段10が配置されている。
【0033】
露光手段3は、複写機上面の原稿載置台7に置かれた原稿を読み取り手段8によって読み取られた画像信号を基に感光体1上に静電潜像を形成する。
感光体1上に形成された静電潜像は、現像手段4によってトナー像化され、そのトナー像が給紙装置9から給送されてくる転写紙に転写手段5によって静電転写される。トナー像が載った転写紙は、定着手段10に搬送、定着された後に、機外へ排出される。
一方、未転写部や汚れの付着した感光体1はクリーニング手段6によりクリーニングされ次の作像ステップに入る。
【0034】
次に、定着装置について詳細に説明する。
図2は、熱ローラ方式の定着装置の一例を示すもので、基本構成としてはハロゲンランプ等の加熱手段14(以下「ヒータ」という。)を有する定着ローラ11と、芯金16上に発泡シリコーンゴム等の弾性層17を有し、定着ローラ11に圧接される加圧ローラ15とを備えている。加圧ローラ15の弾性層17上にはPFAチューブ等からなる離型層18が設けられている。定着ローラ11は、芯金22(図示せず)の上にシリコーンゴム等の弾性層12を設け、更にトナーの粘性による付着を防止する目的で、フッ素樹脂等の離型性の良い樹脂表層13が形成されている。弾性層12の層厚は画像品質と定着時の熱伝達効率を考慮して通常は100〜500μm程度の厚さが好ましい。また樹脂表層13は、加圧ローラ15と同様にPFAチューブ等で構成され、その厚みは機械的劣化を考慮して10〜50μm程度の厚みが好ましい。定着ローラ11の外周面には、温度検知手段19が設けられ、定着ローラ11の表面温度を検知することで、その温度をほぼ一定に保つようにヒータ14を制御している。このような構成の定着器において、定着ローラ11と加圧ローラ15とが、所定の加圧力で圧接されて定着ニップ部Nを構成し、駆動手段(図示せず)により駆動を受けてそれぞれ矢印R1方向、矢印R5方向に回転することによって、上述の定着ニップ部Nにて転写材Pを挟持搬送する。この際、定着ローラ11はヒータ14によって所定の温度に制御されており、転写材P上のトナー像Tは、両ローラ間を通過するときに、圧力を受けながら熱溶融し、ローラ対を出て冷却されることによって永久像として転写材Pに定着される。
【0035】
加圧ローラの構成は外径φ30mm、肉厚6mmで表面に導電性のPFAチューブが被されており軸上のゴム硬度は42HS(アスカC)で構成されている。又、定着ローラはアルミの芯金から構成されており肉厚はt=0.4mmである。本構成に於いてニップNを得るためにローラの両端に片側88Nの圧力がかけられておりその時の面圧は9.3N/cm2になっている。
【0036】
本発明によるオキシカルボン酸としては公知のものが使用可能であるが下記の一般式(1)で表される化合物が帯電付与能力の点から好ましい。
【0037】
【化1】
(但し、R1、R2及びR3は各々水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、塩素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基のいずれかを表す。)
【0038】
さらに帯電付与の点から以下の具体例のものが好ましい。
【化2】
【0039】
本発明のトナーに用いられる樹脂としては、従来より公知の樹脂が全て使用される。例えば、スチレン、ポリ−α−スチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、石油樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラート樹脂などが挙げられるが、特にポリエステル樹脂を用いる事が好ましい。
【0040】
ポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって得られる。使用されるアルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、1,4−ビス(ヒドロキシメタ)シクロヘキサン、及びビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類、その他二価のアルコール単量体、三価以上の多価アルコール単量体を挙げることができる。また、カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸等の二価の有機酸単量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の三価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。ポリエステル樹脂のTgは58〜75℃が好ましい。
【0041】
以上の樹脂は単独使用も可能であるが二種類以上併用しても良い。
また、これら樹脂の製造方法も特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合いずれも使用できる。
【0042】
本発明では、定着時の離型性を向上させるためワックス成分も使用可能である。例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等のようなポリオレフィンワックスや、キャンデリラワックス、ライスワックス、カルナウバワックス等の天然ワックスが使用可能である。ワックス成分の添加量は0.5〜10重量部が好ましい。
【0043】
本発明に使用される着色剤としては、従来からトナー用着色剤として使用されてきた顔料及び染料の全てが適用される。具体的には、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコオイルブルー、オイルブラック、アゾオイルブラックなど特に限定されない。着色剤の使用量は1〜10重量部、好ましくは3〜7重量部である。
【0044】
上記トナーには必要に応じてその他、添加剤を添加する事も可能である。添加剤としては、シリカ、酸化アルミニウム類、酸化チタン類を例示することができる。高流動性を付与する事を主目的する場合には疎水化処理シリカあるいはルチル型微粒子酸化チタンとして平均一次粒径が0.001〜1μm、好ましくは0.005〜0.1μmの範囲ものから適宜選択でき、特に有機シラン表面処理シリカあるいはチタニアが好ましく、通常0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量%の割合で使用される。
【0045】
また、例えば本発明において、トナーを二成分系乾式トナーとして使用する場合に混合して使用するキャリアとしては、ガラス、鉄、フェライト、ニッケル、ジルコン、シリカ等を主成分とする、粒径30〜1000μm程度の粉末、または、該粉末を芯材としてスチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂等をコーティングしたものから適宜選択して使用可能である。
【0046】
(トナーの製造方法)
本発明に用いるトナーの製造方法は、少なくとも結着剤樹脂、荷電制御剤および顔料を含む現像剤成分を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕または分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末を戻して再利用する製造方法も含まれる。
【0047】
ここで言う製品となる粒子以外の粉末(副製品)とは溶融混練する工程後、粉砕工程で得られる所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子や引き続いて行われる分級工程で発生する所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。このような副製品を混合工程や溶融混練する工程で原料と好ましくは副製品1に対しその他原材料99から副製品50に対し、その他原材料50の重量比率で混合するのが好ましい。
【0048】
少なくとも結着剤樹脂、荷電制御剤および顔料、副製品を含む現像剤成分を機械的に混合する混合工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。
【0049】
以上の混合工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。
この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが重要である。具体的には、溶融混練温度は、結着剤樹脂の軟化点を参考に行うべきであり、軟化点より低温過ぎると切断が激しく、高温過ぎると分散が進まない。
【0050】
以上の溶融混練工程が終了したら、次いで混練物を粉砕する。この粉砕工程においては、まず粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
この粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中で分級し、もって所定の粒径例えば平均粒径が5〜20μmの現像剤を製造する。
【0051】
また、現像剤を調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造された現像剤にさらに先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中または漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。
使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
【0052】
以下に測定方法について記載する。
本発明のX線回折の測定には、例えば日立製作所製RINT1100を用い、CuKα線を用い次の条件により測定する。
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:30Ma
スキャンスピード:0.5〜4度/分
【0053】
本発明において、トナー中の100〜150℃における揮発分の定量方法については熱天秤により100〜150℃の間に加熱時の重量減少量として測定する熱重量測定により測定される。具体的には、TGA−7、PE7700(パーキンエルマー社製)を使用し、トナー3〜8mgを精秤し▲1▼とし、窒素気流下で30〜100℃まで昇温速度20℃/分で加熱後のトナー重量を▲2▼とし、その後連続して、100℃〜150℃まで昇温速度10℃/分で加熱し150℃にて10分間ホールド後の重量を▲3▼とした。(▲2▼−▲3▼)÷▲1▼×100で算出された値がトナー中の100〜150℃における揮発分(重量%)である。
【0054】
【実施例】
以下具体的実施例によって本発明を説明するが本発明はこれにより限定されない。
実施例1〜5
(荷電制御剤の製造)
実施例1〜5に使用される荷電制御剤として5−メトキシサリチル酸を有するジルコニウム化合物を以下のように製造した。5−メトキシサリチル酸20〜30部と25%苛性ソーダ20〜30部を水300〜400部に溶解し、50℃に5〜15℃/分の昇温速度で昇温し、攪拌しながらオキシ塩化ジルコニウム15〜25部を水80〜100部に溶解した溶液を滴下した。同温度で1時間攪拌後室温に5〜15℃/分の速度で冷却し、25%苛性ソーダ5〜8部を加えPH7.5〜8.0に調整した。析出した結晶をろ過、水洗、乾燥して20〜35部の白色結晶を得た。得られたジルコニウムと5−メトキシサリチル酸からなるジルコニウム化合物のCuKα特性X線に対するブラッグ角2θの主要ピークはピークA:5.5度±0.3度にあり、このX線強度は、スキャンスピード0.5〜4度/分において表1記載のとおりであった。
【0055】
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し、表1に記載した所望の重量平均粒径とした。その後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)を混合しトナーを得た。
得られたトナーと平均粒径50μmのフェライト粒子にシリコーン樹脂コートしたキャリアを4.0%トナー濃度で混合し、現像剤を作製した。
【0056】
得られた現像剤について、以下の方法により、高温高湿及び常温常湿でのトナー帯電量の測定、及び画像評価を行った。結果を表1に示す。
▲1▼各環境におけるトナーの帯電量の測定方法:高温高湿(30℃、90%)、常温常湿(25℃、65%)にて平均粒径50μmのフェライト粒子にシリコーン樹脂コートしたキャリアを4.0%トナー濃度で混合し、現像剤を作製し、東芝ケミカル(株)製のブローオフ粉体帯電量測定装置TB−200にて帯電量を測定した。
【0057】
▲2▼画像評価方法
リコーMF6550に図2記載の定着装置を装備し、高温高湿環境(30℃、90%)にて50000枚複写画像をとった後、現像剤の帯電量と画像の粒状度を測定した。
【0058】
粒状度の測定方法
まず、imagio MF6550(リコー製)の定着装置部分を改造し、弾性層を有する定着装置とした。この評価機械にて、リコー標準プリンタテストチャートをプリントしたサンプルを連続50000枚得た。その後1時間電源を入れたまま待機し、その後さらに連続50000枚プリントした後、サンプル画像を得た。次にサンプル画像のドットで作られたグレースケール(ハーフトーン部)を、大日本スクリーン社のGenaScan5000スキャナで1000dpiにて読み込み、画像データを得た。画像データから、濃度分布に変換し、前記式3にて粒状度を求め、評価した。
【0059】
実施例6
実施例1において荷電制御剤を以下に記載のジルコニウムと3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸化合物とした以外は実施例1と同様にして現像剤を得、同様に評価した。結果を表1に示す。
荷電制御剤は以下の製法により得た。3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸30〜40部と25%苛性ソーダ15〜28部を水300〜400部に溶解し、50℃に5〜15℃/分の速度で昇温し、攪拌しながらオキシ塩化ジルコニウム15〜26部を水70〜120部に溶解した溶液を滴下した。同温度で1時間攪拌後室温に5〜15℃/分の速度で冷却し、25%苛性ソーダ5〜9部を加えPH7.5〜8.0に調整した。析出した結晶をろ過、水洗、乾燥して20〜40部の白色結晶を得た。得られたジルコニウムと3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸化合物からなるジルコニウム化合物のCuKα特性X線に対するブラッグ角2θの主要ピークはピークA:5.5度±0.3度にあり、このX線強度は、スキャンスピード0.5〜4度/分において表1記載のとおりであった。
【0060】
実施例7
実施例6においてバインダー処方を以下のようにした以外は実施例6と同様にして現像剤を得、同様に評価した。結果を表1に示す。
スチレン−nブチルアクリレート共重合体 50重量部
ポリエステル樹脂(酸価25mgKOH/g) 50重量部
【0061】
実施例8
実施例6においてバインダー処方を以下のようにした以外は実施例6と同様にして現像剤を得、同様に評価した。結果を表1に示す。
スチレン−nブチルアクリレート共重合体 0重量部
ポリエステル樹脂(酸価5mgKOH/g) 100重量部
【0062】
実施例9
トナー処方は実施例8のトナー処方と同一であり、同様に現像剤を作製した。画像評価方法において、帯電部を改造し帯電ローラーを装着し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0063】
実施例10〜12
トナー処方はポリエステル樹脂を表1記載の含有量含有した以外は実施例8のトナー処方と同一であり、同様に現像剤を作製した。画像評価方法において、実施例9の改造機にさらに転写部を改造し転写ベルトを装着し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
なお、上記実施例9〜12において、帯電ローラー、転写ベルトへのトナー融着、固着の発生はなかった。
【0066】
比較例1〜5
(荷電制御剤の製造)
比較例1〜5に使用する荷電制御剤として5−メトキシサリチル酸を有するジルコニウム化合物を以下のように製造した。5−メトキシサリチル酸5〜28部と25%苛性ソーダ5〜22部を水350〜450部に溶解し、50℃に昇温し、攪拌しながらオキシ塩化ジルコニウム10〜12部を水90部に溶解した溶液を滴下した。同温度で0.5時間攪拌後室温に1〜3℃/分の速度で冷却し、25%苛性ソーダ約6部を加えPH7.5〜8.0に調整した。析出した結晶をろ過、水洗、乾燥して20〜30部の白色結晶を得た。得られたジルコニウムと5−メトキシサリチル酸からなるジルコニウム化合物のCuKα特性X線に対するブラッグ角2θの主要ピークはピークA:5.5度±0.3度にあり、このX線強度は、スキャンスピード0.5〜4度/分において表2記載のとおりであった。
【0067】
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し、表2に記載した所望の重量平均粒径とした。その後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)を混合しトナーを得た。
得られたトナーと平均粒径50μmのフェライト粒子にシリコーン樹脂コートしたキャリアを4.0%トナー濃度で混合し、現像剤を作製した。
画像評価方法は実施例10〜12と同一の装置を使用し、同様の評価をおこなった。結果を表2に示す。
【表2】
【0068】
比較例1は帯電ローラーが汚れており、汚れ部分の周囲の画像が特にかぶりが多く発生していた。比較例5は転写ベルトの両端が汚れていた。
【0069】
【発明の効果】
本発明の画像形成方法のよれば高温高湿環境でも粒状度の良好な高品位の画像品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法に用いるデジタル複写機の一例の概略断面図である。
【図2】本発明の画像形成方法に用いる熱ローラ方式の定着装置の一例の概略断面図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電器
3 露光手段
4 現像手段
5 転写手段
6 クリーニング手段
7 原稿載置台
8 読み取り手段
9 給紙装置
10 定着手段
11 定着ローラ
12 弾性層
13 樹脂表層
14 加熱手段
15 加圧ローラ
16 芯金
17 弾性層
18 離型層
19 温度検知手段
N 定着ニップ部
P 転写材
T トナー像
Claims (7)
- 外部より帯電部材に電圧を印加し被帯電体に帯電を行う帯電工程と、帯電している被帯電体に静電荷像を形成する工程と、静電荷像をトナーによって現像してトナー画像を形成する現像工程と、外部より転写部材に電圧を印加しトナー画像を転写体上に転写する転写工程と、転写後の被帯電体表面をクリーニング部材でクリーニングするクリーニング工程と、トナー画像を1本または2本の弾性を有するローラーを通過させることにより加熱定着する定着工程からなる画像形成方法において、トナーが少なくともバインダー樹脂と着色剤と荷電制御剤からなり、該荷電制御剤が、ジルコニウムと芳香族オキシカルボン酸とからなるジルコニウム化合物の結晶であり、該荷電制御剤のCuKα特性X線に対するブラッグ角2θの主要ピークがピークA:5.5度±0.3度にあり、このX線強度がスキャンスピード0.5〜4度/分において2000〜15000cpsの範囲にあることを特徴とする画像形成方法。
- 前記荷電制御剤のCuKα特性X線に対するブラッグ角2θの主要ピークが少なくともメインピークA:5.5度±0.3度、サブピークB:31.6度±0.3度にあり、この強度比がピークA/B=3〜25の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
- 前記トナーの100〜150℃における揮発分が0.10重量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成方法。
- 前記荷電制御剤における芳香族オキシカルボン酸が3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の画像形成方法。
- 前記バインダー樹脂がポリエステル樹脂を50〜100重量%含有し、該ポリエステル樹脂の酸価が5〜25mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記帯電工程が、帯電部材を被帯電体に接触させて外部より帯電部材に電圧を印加し、被帯電体を帯電することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の画像形成方法。
- 静電潜像担持体上の静電潜像を現像剤により現像し、転写装置を介して現像画像を転写材へ静電転写する工程の際に、静電潜像担持体と転写装置とが当接することを特徴とする請求項1〜6記載のいずれかに記載の画像形成方法。
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