JP3893318B2 - Matte anion electrodeposition coating method and painted product - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、仕上り性、ダイスマーク隠蔽性、塗膜性能に優れる艶消しアニオン電着塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】
従来、アルミニウムは多の金属(鉄鋼など)よりも高温における加工性が良いので、熱間押し出しにより種々の断面形状を持つ型材を比較的容易に得ることができる。このようなアルミニウムに種々の金属を混ぜてアルミニム合金が製造されている。
【0003】
このようなアルミニウム合金は軽量で加工性が容易であることや耐蝕性に優れるといった本来のアルミニウムの優れた性質を利用して、特に建材関係の材料として多く使用されるようになってきている。
【0004】
該アルミニウム合金の熱間押し出し方法は、通常、円柱形のアルミニウム鋳塊を加熱して溶融させ、次いでこの溶融物を押し出し機に入れ、所定の断面形状の孔を持つダイスに押し付けて、ところてん式に孔を通過させて所定の形状を持つ型材を得る方法である。
【0005】
また、アルミニウム合金自体は耐塩水性等の腐食物質に対しては腐食され難いが、耐アルカリ性(モルタル等)に対して容易に腐食するため、通常、アルミニウム合金を陽極酸化処理した後、艶消しアニオン電着塗料等により艶消しクリヤー塗膜が被覆されているのが一般的である。
【0006】
従来の発明として、塩基性のアニオン電着塗料を塗装し、水洗後、未硬化のまま、高級アルキルアリールスルホン酸類の少なくとも1種を含有して塩基性化合物を添加してなるpH1〜7の水溶液中で通電し、ついで水洗を行い、焼付硬化する艶消し電着塗装方法(特開昭59−229494号公報参照)がある。
【0007】
しかしこの電着塗装方法によるとpH1〜7の高級アルキルアリールスルホン酸類の水溶液は、艶消し塗膜は得られるものの触媒効果が塗膜表面のみで進み、不均一硬化から塗膜性能の低下、低温硬化性が不十分、意匠性の面から艶消し度合いの目安であるL値において満足な値が得られないなどの問題点があった。
【0008】
上記発明においてpH7を越えると艶消し効果は弱くなるが、塩基性のアニオン電着塗膜を塩基性溶液であるため浸漬によるショックも少なく、水溶液が電着で発生したガス穴の内部に浸透するため、仕上がり性、塗膜性能、低温硬化性が良好であった。
【0009】
アニオン電着塗装ラインでは、図1のように2つの電着槽を用いて、被塗物に目的に応じて、艶有りアニオン電着塗料、又は艶消しアニオン電着塗料を塗装している場合が多く、そのような艶消しアニオン電着塗料に関する発明としては、例えば、樹脂の溶解性パラメーターを調整し、水分散してなるエマルションによって得られる艶消しアニオン型電着塗料(特開2001−131494号公報参照)などの発明がある。
【0010】
しかし上記艶消しアニオン電着塗料は、塗料の配合が固定しているため意匠性に関しては一定であり、艶消し度合いを変化させるのは容易でなかった。このことから仕上り性、ダイスマーク隠蔽性、塗膜性能、低温硬化性に優れ、容易に意匠性を変化できる艶消しアニオン型電着塗膜形成方法が求められていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記した問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、樹脂の溶解性パラメーターの差が0.5〜1.5であるアニオン電着塗料の電着塗装によって得られた塗膜を未硬化まま、少なくとも1種の高級アルキルアリールスルホン酸類に1当量以上の塩基性化合物を添加してpHが7.1〜14に調整した水溶液に浸漬して、通電した後、水洗し、焼付け乾燥してなる塗膜形成方法により、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、
1.以下の工程1〜4:
工程1:ビニル重合体樹脂(A)と架橋剤(B)の溶解性パラメーターの差が0.5〜1.5であるビニル重合体樹脂(A)、及び架橋剤(B)を含有し水分散してなるアニオン電着塗料(I)をアルミニウム合金に電着塗装を施す工程、
工程2:工程1による未硬化の塗膜を、少なくとも1種の高級アルキルアリールスルホン酸類を1当量以上の塩基性化合物を添加してなるpHが7.1〜14の水溶液(II)に浸漬して通電する工程、
工程3:純水、又は工業用水、又は回収液で水洗する工程、及び
工程4:焼付け乾燥する工程よりなり、該水溶液( II )での通電条件が、第1段目として10〜150Vの電圧を印加した後、第2段目として150〜300Vの電圧を印加する2段通電方法であることを特徴とする艶消しアニオン電着塗膜形成方法、
2.ビニル共重合体樹脂(A)が、水酸基含有不飽和モノマー(a)、カルボキシル基含有不飽和モノマー(b)、その他のラジカル重合性不飽和モノマー(c)をラジカル共重合させて得られる第1項に記載の艶消しアニオン電着塗膜形成方法、
3.架橋剤(B)が、アミノ樹脂硬化剤及び/又はブロックイソシアネート化合物である第1項又は第2項に記載の艶消しアニオン電着塗膜形成方法、
4.高級アルキルアリールスルホン酸類が、ジノニルナフタレンスルホン酸、及び/又はジノニルナフタレンジスルホン酸である第1項乃至第3項のいずれか1項に記載の艶消しアニオン電着塗膜形成方法、及び
5.第1項乃至第4項のいずれか1項に記載のアニオン電着塗膜形成方法により得られた艶消し塗膜のL値が10〜25の範囲である塗装物、
に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下に詳細に説明する。
【0014】
アニオン電着塗料について
アニオン電着塗料用の樹脂としては、ビニル共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、弗素樹脂、ゴム系樹脂及びこれらの変性樹脂などが挙げられるが、耐候性の面からビニル共重合体樹脂が好ましい。水酸基含有不飽和モノマー(a)、カルボキシル基含有不飽和モノマー(b)、その他の不飽和モノマー(c)をラジカル共重合させて得られる水分散性のビニル共重合体樹脂(A)である。
【0015】
水酸基含有不飽和モノマ−(a)は、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、(ポリ)エチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、(ポリ)プロピレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシブチルビニルエ−テル、(メタ)アリルアルコ−ル、及び上記した水酸基含有不飽和モノマ−類とβ−プロピオラクトン、ジメチルプロピオラクトン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−ラウリロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトン等のラクトン類化合物との反応物等、商品名としては、プラクセルFM1(ダイセル化学社製、商品名、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類)、プラクセルFM2(同左)、プラクセルFM3(同左)、プラクセルFA1(同左)、プラクセルFA2(同左)、プラクセルFA3(同左)等。
【0016】
カルボキシル基含有不飽和モノマー(b)は、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、プラクセルFM1A(以下、ダイセル化学社製、カプロラクトン変性カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマ−、商品名)、プラクセルFM4A、プラクセルFM10A等が挙げられる。
【0017】
その他の不飽和モノマ−(c)は、例えば、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸のC1〜C18のアルキル又はシクロアルキルエステル類、スチレンなどの芳香族ビニルモノマ−類、(メタ)アクリル酸アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド及びその誘導体類、(メタ)アクリロニトリル化合物類等。
【0018】
他に、例えば、ポリエチレングリコ−ルモノアクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルモノメタクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモノアクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモノメタクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルモノメチルエ−テルモノアクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルモノメチルエ−テルモノメタクリレ−トなどのようなポリエ−テル変性アクリル系不飽和モノマーを挙げることができる。
【0019】
これらのモノマ−の配合割合は、水酸基含有不飽和モノマー(a)、カルボキシル基含有不飽和モノマー(b)、その他の不飽和モノマー(c)の固形分総合計量に対して、水酸基含有不飽和モノマ−が3〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、カルボキシル基含有不飽和モノマ−が2〜40重量%、好ましくは4〜30重量%、その他の不飽和モノマ−10〜90重量%、好ましくは20〜70重量%の範囲である。
【0020】
ビニル共重合体樹脂(A)の製造方法は、従来から公知の製造方法、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、エマルション重合法などで行なうことができるが、下記のような溶液重合法がよい。
【0021】
また、ラジカル共重合に用いる有機溶剤としては、例えば、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類等が好適に使用できる。
【0022】
また、これ以外にも必要に応じて、例えば、キシレン、トルエンなどの芳香族類、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル類も併用することができる。
【0023】
また、ラジカル共重合に用いるラジカル重合性開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ジt−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンザンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエ−ト、ラウリルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物、α,α´−アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
【0024】
溶液重合反応は、上記、有機溶剤中で、水酸基含有不飽和モノマー(a)、カルボキシル基含有不飽和モノマー(b)、その他の不飽和モノマー(c)などのモノマー類、ラジカル重合性開始剤の混合物を、例えば、約50〜200℃、好ましくは約60〜180℃の温度で、約1〜24時間、好ましくは約2〜10時間反応させることにより得ることができる。
【0025】
ここで得られたビニル重合体樹脂の水酸基価は30〜200mgKOH/gの範囲、好ましくは50〜180mgKOH/g、酸価は15〜150mgKOH/gの範囲、好ましくは20〜130mgKOH/g、数平均分子量は10,000〜100,000、好ましくは20,000〜60,000の範囲が好ましい。
【0026】
数平均分子量が10,000より小さいと塗膜性能が不十分であり、また数平均分子量が100,000を越えると水性樹脂が高粘度化して、水分散時に均一なエマルションを形成しにくくなることがある。
【0027】
架橋剤(B): 架橋剤(B)として用いるアミノ樹脂は、従来から公知のアミノ樹脂を使用することができる。アミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグラナミン、ステログタナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂があげられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等がある。
【0028】
また、このメチロール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したものも使用でき、エーテル化に用いられるアルコールの例としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。
【0029】
架橋剤(B)として用いるブロックポリイソシアネート化合物は、従来から公知のポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック化剤でブロックしたものを使用することができる。
【0030】
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートもしくはトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;。
【0031】
トリレンジイソシアネートもしくは4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類の如き有機ジイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ジイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各有機ジイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソシアネート・ビウレット体等が挙げられるが、それらの代表的な市販品の例としては「バーノックD−750、−800、DN−950、−970もしくは15−455」[以上、大日本インキ化学工業・製品]、「デスモジュールL、N、HL、ILもしくはN3390」[西ドイツ国バイエル社製品]、「タケネートD−102、−202、−110Nもしくは123N」[武田薬品工業・製品]、「コロネートL、HL、EHもしくは203」[日本ポリウレタン工業・製品]または「デュラネート24A−90CX」[旭化成工業・製品]等である)等が挙げられる。これらの中でも脂肪族ジイソシアネート類や環状脂肪族ジイソシアネート類が好ましい。
【0032】
ブロック化剤としては、ブロック剤としては、たとえばフェノール系、ラクタム系、活性メチレン系、アルコール系、メルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミン系、イミダゾール系、尿素系、カルバミン酸エステル系、イミン系、あるいは亜硫酸塩系などのブロック剤が使用される。
【0033】
本発明において、ビニル共重合体樹脂(A)、架橋剤(B)の配合割合は、ビニル共重合体樹脂(A)が30〜90重量%、架橋剤(B)が70〜10重量%、好ましくはビニル共重合体樹脂(A)が35〜80重量%、架橋剤(B)が65〜20重量%である。架橋剤(B)が10重量%を下回ると耐候性、耐擦り傷性、塗膜加工性等の塗膜性能が悪くなり、70重量%を上回ると耐候性、塗膜加工性等の塗膜性能が悪くなる。
【0034】
またビニル共重合体樹脂(A)、架橋剤(B)の溶解性パラメーターの差が0.5〜1.5であることによって、高級アルキルアリールスルホン酸類に塩基性化合物を添加してなる水溶液(II)に浸漬し、通電、水洗後、焼付け乾燥することによって、仕上がり性、ダイスマーク隠蔽性、塗膜性能、低温硬化性に優れる艶消し塗膜が得られることがわかった。なお溶解性パラメーター(solubility parameter)は、液体分子の分子間相互作用の尺度を表し、以下の式による。
【0035】
樹脂のSP値は、濁点滴定によって測定することができ、具体的には、下記のK.W.SUH、J.M.CORBETTの式(Journalof Applied Polymer Science,12,2359,1968)に準じて算出することができる。
【0036】
【数1】
(式中、VHはn−ヘキサンの容積分率、VDは脱イオン水の容積分率、δH はn−ヘキサンのSP値、δDは脱イオン水のSP値を示す)濁点滴定では、乾燥したビニル樹脂0.5g(固形分)をアセトン10mlに溶解した中に、n−ヘキサンを徐々に加え、濁点での滴定量H(ml)を読み、同様にアセトン溶液中に脱イオン水を加えての濁点における滴定量D(ml)を読んで、これらを下記式に適用しVH 、VD、δH、δDを算出する。
【0037】
なお、各溶剤のSP値はアセトン:9.75、n−ヘキサン:7.24、脱イオン水:23.43である。
VH=H/(10+H)VD=D/(10+D)、 δH=9.75×10/(10+H)+7.24×H/(10+H)、δD =9.75×10/(10+D)+23.43×D/(10+D)、またSP値の調整は、単量体の組成や比率などによって容易に行うことができる。
【0038】
ビニル共重合体樹脂(A)の中和に用いる塩基性化合物は、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノールなどの第1級モノアミン;ジエチルアミジエタノールアミン、ジ−n−またはジ−iso −プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどの第3級モノアミン;ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミンなどのポリアミントリエチルアミンなどがある。
【0039】
アニオン電着塗料(I)における、塩基性化合物の配合割合は、当量として0.1〜1.0当量の範囲が好ましく、ビニル共重合体樹脂(A)、架橋剤(B)の固形分の総合計量に対して塩基性化合物が0.01〜10重量%の範囲、好ましく0.05〜5重量%である。塩基性化合物が0.01重量%を下回ると水性エマルションの水分散性が劣り、10重量%を上回ると親水性が増すため塗膜性能が悪くなる。
【0040】
上記アニオン電着塗料(I)には、紫外線吸収剤、光安定剤を加えることができる。
【0041】
紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレ−ト、p−オクチルフェニルサリシレ−ト、4−t−ブチルフェニルサリシレ−トなどのサリチル酸誘導体;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2´−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2´−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレ−ト、2,2´−ジヒドロキシ−4,4´−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、ナトリウム2,2´−ジヒドロキシ−4,4´−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、レゾルシノ−ルモノベンゾエ−ト、2,4−ジベンゾイルレゾルシノ−ル、4,6−ジベンゾイルレゾルシノ−ル、ヒドロキシドデシルベンゾフェノン、2,2´−ジヒドロキシ−4(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系;2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ルなどのベンゾトリアゾ−ル系及びその他(シュウ酸アニリド、シアノアクリレ−トなど)の化合物などが挙げられる。
【0042】
混合系で使用される光安定剤としては、ヒンダ−ドアミン誘導体で、具体的にはビス−(2,2´,6,6´−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバテ−ト、4−ベンゾイルオキシ−2,2´,6,6´−テトラメチルピペリジンなどが挙げられ、これらは1種又は2種以上適宜選択して使用できる。
【0043】
アニオン電着塗料(I)のエマルションは、ビニル共重合体樹脂(A)、架橋剤(B)に塩基性化合物、脱イオン水を加え、デスパーなどで攪拌しながら作成する。
【0044】
アニオン電着塗料(I)は、必要に応じて、顔料、染料、硬化触媒、流動調整剤を加えて、pH調整を行い、脱イオン水を加えて固形分5重量%〜20重量%のアニオン電着塗料(I)を得ることができる。アニオン電着塗料(I)の被塗物としては、着色もしくは無着色陽極酸化アルミニウム材に電着塗装することが好ましい。
【0045】
該アニオン電着塗料を使用して塗膜を形成するには、上記で得られたアニオン電着塗料を浴(槽の中に入れ)とし、浴温10〜30℃、好ましくは15〜25℃の浴中に処理を施したアルミニウム合金を浸漬した後、乾燥膜厚が約5〜30μmになるようにアニオン電着塗装を行う。
【0046】
水溶液( II )について
アニオン電着塗装によって得られた塗膜を水洗後、未硬化まま、少なくとも1種の高級アルキルアリールスルホン酸類を1当量以上の塩基性化合物を添加してpHが7.1〜14の水溶液(II)に浸漬し、電圧50〜350Vで10〜240秒間を通電した後、水洗し、140〜200℃で10〜120分間焼付け乾燥することによって艶消し塗膜が得られる。
【0047】
このような高級アルキルアリールスルホン酸類としては、以下の一般式(1)〜(5)で示される化合物が挙げられる。
【0048】
【化1】
一般式(1)
(Rは、C3〜C18のアルキル基)
【0049】
【化2】
一般式(2)
(R1、R2は、C3〜C18のアルキル基)
【0050】
【化3】
一般式(3)
(Rは、C3〜C12のアルキル基)
【0051】
【化4】
一般式(4)
(R1、R2は、C3〜C12のアルキル基)
【0052】
【化5】
一般式(5)
(R1、R2は、C3〜C12のアルキル基)
高級アルキルアリールスルホン酸類の具体例としては、n−ブチルベンゼンスルホン酸、n−アミノベンゼンスルホン酸、n−オクチルスルホン酸、n−オクチルベンゼンスルホン酸、n−ドデシルベンゼンスルホン酸、n−オクタデシルベンゼンスルホン酸、n−ジブチルベンゼンスルホン酸、イソプロピルナフタリンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などが挙げられる。高級アルキルアリールスルホン酸類の濃度としては、0.1〜20重量%の範囲、好ましくは0.3〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜8重量%の範囲がよい。
【0053】
この中でもジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸が好ましい。これらの高級アルキルアリールスルホン酸類は、塩基性化合物として、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノールなどの第1級モノアミン;ジエチルアミジエタノールアミン、ジ−n−またはジ−iso −プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどの第3級モノアミン;ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミンなどのポリアミントリエチルアミンなどが挙げられる。
【0054】
本発明の艶消しアニオン電着塗膜形成方法を用いると、塗膜評価項目でL値が10〜25の範囲の意匠性を容易に得ることができ、また以下の塗装条件の変動によって艶消しの度合いを変動することができる。
【0055】
また水溶液(II)での通電条件は、10〜35℃の水温で、電圧10〜350V、好ましくは100〜250Vの範囲で、1〜300秒間通電することによって高級アルキルアリールスルホン酸類を未硬化の塗膜中に析出させることができる。
【0056】
また通電方法として、第1段目として10〜150Vの電圧を印加した後、第2段目として150〜300Vの電圧を印加する2段通電方法を用いると、最初の低電圧で高級アルキルアリールスルホン酸類を未硬化塗膜のより深部に浸透、次の高電圧で膜抵抗のある塗膜に容易に高級アルキルアリールスルホン酸類を析出させることができ、いっそう塗膜への移行を高め塗膜性能の向上に寄与することを見出せた。
【0057】
【発明の効果】
アルミニウム合金にアニオン型電着塗料(I)を電着塗装し、未硬化の塗膜のまま、少なくとも1種の高級アルキルアリールスルホン酸を1当量以上の塩基性化合物を添加してなるpHが7.1〜14の水溶液(II)に浸漬し、通電し、水洗、焼付け乾燥することによって、仕上がり性、ダイスマーク隠蔽性、塗膜性能、低温硬化性に優れる塗装品が得られる。
本発明のような効果が得られる理由は定かではないが、基体樹脂であるビニル共重合体樹脂と架橋剤のメラミン樹脂やブロック化イソシアネート化合物の樹脂の溶解性パラメーターが0.5〜1.5の違いが、pHが7.1〜14である水溶液(II)によって影響を受け艶消し塗膜が得られるものと思われる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。
【0059】
製造例1
反応容器中にイソプピルアルコールを280gを仕込み80℃に保持した中へ、スチレン40g、メチルメタクリレート96g、n−ブチルアクリレート40g、エチルアクリレート120g、2−ヒドロキシエチルアクリレート48g、アクリル酸28g、及びアゾビスジメチルバレロニトリル8gの混合物を3時間かけて滴下し、次いでアゾビスジメチルバレロニトリル4gを添加し、80℃で1時間保持して反応を行ってビニル共重合体樹脂を得た。
該ビニル共重合体樹脂は、重量平均分子量約25,000、酸価55mgKOH/g、水酸基価58mgKOH/gであった。
【0060】
製造例2 エマルションNo.1の製造例
製造例1で作成したビニル共重合体樹脂 70部(固形分)のカルボキシル基に対して0.4当量のトリエチルアミンを配合した後、混合分散し、次いでニカラックMX430(注1)30部を混合分散した後、攪拌を行いながら脱イオン水を徐々に滴下し、更にpHが7.5になるようにトリエチルアミンを添加し、固形分10%のエマルションNo.1を得た。
樹脂No.1とニカラックMX430の溶解性パラメーターの差は0.7であった。
【0061】
製造例3 エマルションNo.2の製造例
製造例1で作成したビニル共重合体樹脂No.1 70部(固形分)のカルボキシル基に対して0.4当量のトリエチルアミンを配合した後、混合分散し、次いでニカラックMX430(注1)20部、デュラネート24A−90CX(注2) 12.5部(固形分10部)を混合分散した、その後攪拌を行いながら脱イオン水を徐々に滴下し、更にpHが7.5になるようにトリエチルアミンを添加し、固形分10%のエマルションNo.2を得た。
ビニル共重合体樹脂とニカラックMX430/デュラネート24A−90CXの溶解性パラメーターの差は0.6であった。
【0062】
製造例4 エマルションNo.3の製造例
製造例1で作成したビニル共重合体樹脂No.1 70部(固形分)のカルボキシル基に対して0.4当量のトリエチルアミンを配合した後、混合分散し、次いでニカラックMX430(注1)10部、デュラネート24A−90CX(注2)25部(固形分20部)を混合分散した、その後攪拌を行いながら脱イオン水を徐々に滴下し、更にpHが7.5になるようにトリエチルアミンを添加し、固形分10%のエマルションNo.3を得た。
ビニル共重合体樹脂とニカラックMX430/デュラネート24A−90CXの溶解性パラメーターの差は0.3であった。
【0063】
(注1)ニカラックMX430:三和ケミカル株式会社製、商品名、ブトキシ化メラミン樹脂、固形分100%
(注2)デュラネート24A−90CX:旭化成工業株式会社製、商品名、ブロックポリイソシアネート、固形分80%。
【0064】
製造例5
上記10%のエマルションNo.1 3000部、さらにpHが8.5になるようにトリエチルアミンを添加し、アニオン電着塗料No.1を得た。
【0065】
製造例6
上記10%のエマルションNo.2 3000部、さらにpHが8.5になるようにトリエチルアミンを添加し、アニオン電着塗料No.2を得た。
【0066】
製造例7
上記10%のエマルションNo.3 3000部、さらにpHが8.5になるようにトリエチルアミンを添加し、アニオン電着塗料No.3を得た。
【0067】
製造例8
Taycacure AC−901(テイカ社製、商品名、ジノニルナフタレンスルホン酸)10部をイソプロピルアルコール90部に溶解させ、この溶液100部にトリエチルアミン0.28部(0.5当量に相当)を添加した。
さらに脱イオン水を加え、固形分1%の水溶液1000部を得た。この水溶液No.1のpHは9.0であった。
【0068】
製造例9
TaycacureAC−330(テイカ社製、商品名、ペンタデシルベンゼンスルホン酸)20部をイソプロピルアルコール80部に溶解させ、この溶液100部にトリエチルアミン 0.34部(0.5当量に相当)を添加した。
さらに脱イオン水を加え、固形分1%の水溶液1000部を得た。この水溶液No.2のpHは8.5であった。
【0069】
製造例10
Taycacure AC−430(テイカ社社製、商品名、ドデシルベンゼンスルホン酸)20部をイソプロピルアルコール80部に溶解させ、この溶液100部にトリエチルアミン0.37部(0.5当量に相当)を添加した。
さらに脱イオン水を加え、固形分1%の水溶液1000部を得た。この水溶液No.3のpHは10.0であった。
【0070】
製造例11
Taycacure AC−901(テイカ社製、商品名、ジノニルナフタレンスルホン酸)20部をイソプロピルアルコール80部に溶解させ、この溶液100部にトリエチルアミン0.25部(0.2当量に相当)を添加した。
さらに脱イオン水を加え、固形分1%の水溶液1000部を得た。この水溶液No.4のpHは3.5であった。
【0071】
製造例12
Taycacure AC−330(テイカ社製、商品名、ペンタデシルスルホン酸)20部をイソプロピルアルコール80部に溶解させ、この溶液100部にトリエチルアミン0.14部(0.2当量に相当)を添加した。
さらに脱イオン水を加え、固形分1%の水溶液1000部を得た。この水溶液No.5のpHは3.0であった。
【0072】
試験板の作成
アルミニウム合金(#5000)に2次電解処理(脱脂−エッチング−中和−陽極化成処理−封孔)を施し、被膜厚さ約10μmの陽極酸化処理を施した試験板(シルバー:大きさは150×70×0.5mm)を得た。
【0073】
実施例1
2枚の試験板を用いて、各々製造例1で得たアニオン電着塗料No.1に浸漬し、乾燥膜厚が18μmになるように電着塗装を行った。次に、製造例3で得た水溶液No.1を電圧150Vで1分間通電し、水洗後、160℃−30分間、及び180℃−30分間の2水準で焼き付けた。
【0074】
表1のような組み合わせで実施例2〜4、比較例1〜3のような結果を得た。
【0075】
【表1】
(注3)塗膜平滑性:塗膜表面(ユズ肌、凹凸等)を目視で評価した。焼き付けは180℃で行った塗板を用いた
◎は、良好、
○は、ほぼ良好、
△は、やや不良、
×は、不良を示す。
【0076】
(注4)ダイスマーク隠蔽性(目視評価):焼き付けは180℃で行った塗板を用いた
目視:
○:ダイスマーク隠蔽性が良好、
△:ダイスマーク隠蔽性が劣る、
×:ダイスマーク隠蔽性が著しく劣る。
【0077】
(注5)ダイスマーク隠蔽性(L値評価):焼き付けは、180℃で行った塗板を用い、変角分光光度計GCMS−4(村上色彩究所社製、商標名)を使用して入射角90度で測定した。本発明の塗膜形成方法によると、L値が10〜25の範囲の艶消し塗膜が容易に得られる。
【0078】
(注6)低温硬化性:アセトンをガーゼに染み込ませて塗面上で20往復行い、塗面状態をチェックした
○:問題なし
△:塗面が溶解し白く濁る
×:塗面の溶解が著しい。
【0079】
(注7)耐水性:試験板を40℃温水に240時間浸漬し、クロスカットを入れて粘着テープによる剥離試験を行った
◎:剥離なく問題なし
○:剥離はないが、カット部近傍にややふくれが見られる
△:クロスカット部から一部剥離がみられる
×:クロスカット部から全部剥離。
【図面の簡単な説明】
【図1】アニオン電着槽のモデル図である。
【符号の説明】
1.電着槽(1)
2.水洗槽(1)
3.電着槽(2)
4.水洗槽(2)
5.電極
6.水洗ノルズ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a matte anion electrodeposition coating film forming method excellent in finish, dice mark concealing property and coating film performance.
[0002]
[Prior art and its problems]
Conventionally, since aluminum has better workability at a higher temperature than many metals (such as steel), mold materials having various cross-sectional shapes can be obtained relatively easily by hot extrusion. Aluminum alloys are manufactured by mixing various metals with such aluminum.
[0003]
Such an aluminum alloy has been increasingly used as a material related to building materials, taking advantage of the excellent properties of the original aluminum such as being lightweight and easy to process and excellent in corrosion resistance.
[0004]
The hot extrusion method of the aluminum alloy is usually a method in which a cylindrical aluminum ingot is heated and melted, and then this melt is put into an extruder and pressed against a die having a hole with a predetermined cross-sectional shape. This is a method of obtaining a mold material having a predetermined shape by passing through a hole.
[0005]
In addition, the aluminum alloy itself is not easily corroded by corrosive substances such as salt water resistance, but is easily corroded by alkali resistance (such as mortar). In general, a matte clear coating film is coated with an electrodeposition paint or the like.
[0006]
As a conventional invention, a basic anionic electrodeposition coating material is applied, washed with water, uncured, and containing at least one higher alkylaryl sulfonic acid and having a basic compound added thereto, an aqueous solution having a pH of 1 to 7 There is a matte electrodeposition coating method (see Japanese Patent Application Laid-Open No. 59-229494) in which electricity is passed in, followed by washing with water and baking and hardening.
[0007]
However, according to this electrodeposition coating method, an aqueous solution of higher alkylaryl sulfonic acids having a pH of 1 to 7 can produce a matte coating, but the catalytic effect proceeds only on the surface of the coating. There are problems such as insufficient curability and a satisfactory value cannot be obtained at the L value, which is a standard for the degree of matting, in terms of design.
[0008]
In the above invention, when the pH exceeds 7, the matting effect becomes weak, but since the basic anion electrodeposition coating film is a basic solution, there is little shock due to immersion, and the aqueous solution penetrates into the gas holes generated by electrodeposition. Therefore, the finish, the coating film performance, and the low temperature curability were good.
[0009]
The anion electrodeposition coating line uses two electrodeposition tanks as shown in Fig. 1 and is coated with glossy anionic electrodeposition paint or matte anion electrodeposition paint depending on the purpose. As an invention relating to such a matte anion electrodeposition paint, for example, a matte anion type electrodeposition paint obtained by adjusting a resin solubility parameter and dispersing in water (JP 2001-131494 A). And the like).
[0010]
However, the matte anion electrodeposition paint has a fixed design property because the composition of the paint is fixed, and it is not easy to change the matte degree. Accordingly, there has been a demand for a matting anionic electrodeposition coating film forming method that is excellent in finish, dice mark concealing property, coating film performance, and low-temperature curability and can easily change the design.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have obtained by an electrodeposition coating of an anionic electrodeposition coating material in which the difference in solubility parameter of the resin is 0.5 to 1.5. The coated film is left uncured, immersed in an aqueous solution having a pH adjusted to 7.1 to 14 by adding one equivalent or more of a basic compound to at least one higher alkyl aryl sulfonic acid, and then washed with water. The present invention has been completed by a method for forming a coating film obtained by baking and drying.
[0012]
That is, the present invention
1. The following steps 1-4:
Step 1: vinyl polymer resin (A) having a difference in solubility parameter between vinyl polymer resin (A) and crosslinking agent (B) of 0.5 to 1.5, and water containing crosslinking agent (B) Applying an electrodeposition coating to the aluminum alloy with the dispersed anion electrodeposition coating (I);
Step 2: The uncured coating film obtained in
Step 3: A step of washing with pure water, industrial water, or a recovered liquid,as well as
Process 4: Baking and drying processThe aqueous solution ( II ) Is a two-stage energization method in which a voltage of 10 to 150 V is applied as the first stage and then a voltage of 150 to 300 V is applied as the second stage.Matting anion electrodeposition coating method,
2.A vinyl copolymer resin (A) is obtained by radical copolymerization of a hydroxyl group-containing unsaturated monomer (a), a carboxyl group-containing unsaturated monomer (b), and other radical polymerizable unsaturated monomers (c).Item 1The matte anion electrodeposition coating film forming method described in
3.The crosslinking agent (B) is an amino resin curing agent and / or a blocked
4).The higher alkyl aryl sulfonic acids are dinonyl naphthalene sulfonic acid and / or dinonyl naphthalene
5.
About.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described in detail below.
[0014]
About anionic electrodeposition paint
Examples of the resin for anionic electrodeposition coating include vinyl copolymer resins, polyester resins, fluorine resins, rubber resins, and modified resins thereof, and vinyl copolymer resins are preferred from the viewpoint of weather resistance. This is a water-dispersible vinyl copolymer resin (A) obtained by radical copolymerization of a hydroxyl group-containing unsaturated monomer (a), a carboxyl group-containing unsaturated monomer (b), and another unsaturated monomer (c).
[0015]
The hydroxyl group-containing unsaturated monomer (a) is, for example, hydroxyethyl (meth) acrylate, hydroxypropyl (meth) acrylate, hydroxybutyl (meth) acrylate, (poly) ethylene glycol monomer (meth). Acrylate, (poly) propylene glycol mono (meth) acrylate, hydroxybutyl vinyl ether, (meth) allyl alcohol, and hydroxyl group-containing unsaturated monomers and β-propiolactone, dimethyl As a product name, such as a reaction product with a lactone compound such as propiolactone, butyrolactone, γ-valerolactone, γ-caprolactone, γ-caprolactone, γ-lauryllactone, ε-caprolactone, δ-caprolactone, etc. PLACCEL FM1 (manufactured by Daicel Chemical Industries, trade name, caprolactone modified (meth) a) Acrylic acid hydroxy esters), PLACCEL FM2 (Same as left), PLACCEL FM3 (Same as left), PLACCEL FA1 (Same as left), PLACCEL FA2 (Same as left), PLACCEL FA3 (Same as left) or the like.
[0016]
The carboxyl group-containing unsaturated monomer (b) is, for example, (meth) acrylic acid, maleic acid, Plaxel FM1A (hereinafter, Daicel Chemical Industries, caprolactone-modified carboxyl group-containing (meth) acrylic monomer, trade name), Plaxel FM4A Plaxel FM10A and the like.
[0017]
Other unsaturated monomers (c) include, for example, methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, propyl (meth) acrylate, butyl (meth) acrylate, hexyl (meth) acrylate, C of (meth) acrylic acid such as octyl (meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate, cyclohexyl (meth) acrylate1~ C18(Meth) acrylamides such as alkyl or cycloalkyl esters, aromatic vinyl monomers such as styrene, (meth) acrylic acid amide, N-butoxymethyl (meth) acrylamide, N-methylol (meth) acrylamide and the like Derivatives, (meth) acrylonitrile compounds and the like.
[0018]
Other examples include polyethylene glycol monoacrylate, polyethylene glycol monomethacrylate, polypropylene glycol monoacrylate, polypropylene glycol monomethacrylate, polyethylene glycol monomethyl ether monoacrylate, polyethylene glycol monomethyl ester. -Polyether-modified acrylic unsaturated monomers such as termonomethacrylate.
[0019]
The blending ratio of these monomers is the hydroxyl group-containing unsaturated monomer with respect to the total solid content of the hydroxyl group-containing unsaturated monomer (a), carboxyl group-containing unsaturated monomer (b), and other unsaturated monomer (c). -Is 3 to 50% by weight, preferably 5 to 40% by weight, the carboxyl group-containing unsaturated monomer is 2 to 40% by weight, preferably 4 to 30% by weight, other unsaturated monomers-10 to 90% by weight, Preferably it is the range of 20 to 70 weight%.
[0020]
The vinyl copolymer resin (A) can be produced by a conventionally known production method, for example, a solution polymerization method, a suspension polymerization method, an emulsion polymerization method or the like. Good.
[0021]
Examples of the organic solvent used for radical copolymerization include alcohols such as n-propanol, isopropanol, n-butanol, t-butyl alcohol, and isobutyl alcohol, cellosolve, methyl cellosolve, butyl cellosolve, methyl carbitol, and 2-methoxy. Ethanol, 2-ethoxyethanol, 2-isopropoxyethanol, 2-butoxyethanol, diethylene glycol, diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, triethylene glycol monomethyl ether, 1-methoxy-2-propanol, 1-ethoxy- Ethers such as 2-propanol and dipropylene glycol monomethyl ether can be suitably used.
[0022]
In addition to this, if necessary, for example, aromatics such as xylene and toluene, acetone, methyl ethyl ketone, 2-pentanone, 2-hexanone, methyl isobutyl ketone, isophorone, cyclohexanone and other ketones, methyl acetate, acetic acid Esters such as ethyl, propyl acetate, butyl acetate, isobutyl acetate, pentyl acetate, 3-methoxybutyl acetate, 2-ethylhexyl acetate, benzyl acetate, cyclohexyl acetate, methyl propionate, and ethyl propionate can be used in combination.
[0023]
Examples of the radical polymerizable initiator used for radical copolymerization include benzoyl peroxide, di-t-butyl hydroperoxide, t-butyl hydroperoxide, cumyl peroxide, cumene hydroperoxide, and diisopropyl benzan hydroperoxide. Peroxides such as oxide, t-butylperoxybenzoate, lauryl peroxide, acetyl peroxide, t-butylperoxy-2-ethylhexanoate, α, α'-azobisisobutylnitrile, azobis Examples include azo compounds such as dimethylvaleronitrile and azobiscyclohexanecarbonitrile.
[0024]
In the above organic solvent, the solution polymerization reaction is carried out by using monomers such as a hydroxyl group-containing unsaturated monomer (a), a carboxyl group-containing unsaturated monomer (b), and other unsaturated monomers (c), radical polymerizable initiators. The mixture can be obtained, for example, by reacting at a temperature of about 50 to 200 ° C., preferably about 60 to 180 ° C., for about 1 to 24 hours, preferably about 2 to 10 hours.
[0025]
The vinyl polymer resin obtained here has a hydroxyl value in the range of 30 to 200 mg KOH / g, preferably 50 to 180 mg KOH / g, and an acid value in the range of 15 to 150 mg KOH / g, preferably 20 to 130 mg KOH / g, number average. The molecular weight is in the range of 10,000 to 100,000, preferably 20,000 to 60,000.
[0026]
When the number average molecular weight is less than 10,000, the coating film performance is insufficient, and when the number average molecular weight exceeds 100,000, the aqueous resin becomes highly viscous and it becomes difficult to form a uniform emulsion when dispersed in water. There is.
[0027]
Crosslinking agent (B): As the amino resin used as the crosslinking agent (B), conventionally known amino resins can be used. Examples of the amino resin include methylolated amino resins obtained by reacting an amino component such as melamine, urea, benzoguanamine, acetogranamamine, sterogtanamine, spiroguanamine, and dicyandiamide with an aldehyde. Examples of aldehydes include formaldehyde, paraformaldehyde, acetaldehyde, and benzaldehyde.
[0028]
In addition, those obtained by etherifying this methylolated amino resin with an appropriate alcohol can be used. Examples of alcohols used for etherification include methyl alcohol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, i-propyl alcohol, and n-butyl alcohol. I-butyl alcohol, 2-ethylbutanol, 2-ethylhexanol and the like.
[0029]
As the block polyisocyanate compound used as the cross-linking agent (B), those obtained by blocking the isocyanate group of a conventionally known polyisocyanate compound with a blocking agent can be used.
[0030]
Examples of the polyisocyanate compound include aliphatic diisocyanates such as hexamethylene diisocyanate or trimethylhexamethylene diisocyanate; cyclic aliphatic diisocyanates such as hydrogenated xylylene diisocyanate or isophorone diisocyanate;
[0031]
Organic diisocyanates per se, such as tolylene diisocyanate or aromatic diisocyanates such as 4,4'-diphenylmethane diisocyanate, or adducts of these organic diisocyanates with polyhydric alcohols, low molecular weight polyester resins or water, etc. Examples of such cyclized polymers of each organic diisocyanate, and isocyanate / biuret are examples of typical commercial products thereof, such as “Bernock D-750, -800, DN-950, -970 or 15-455 "[above, Dainippon Ink & Chemicals, Inc./Products]," Desmodur L, N, HL, IL or N3390 "[Products of Bayer AG, West Germany]," Takenate D-102, -202, -110N or 123N [Takeda Pharmaceutical Co., Ltd. Goods], "Coronate L, HL, EH or 203" [a Nippon Polyurethane Industry and products] or "Duranate 24A-90CX" [Asahi Chemical Industry and products], etc.) and the like. Among these, aliphatic diisocyanates and cycloaliphatic diisocyanates are preferable.
[0032]
As the blocking agent, for example, phenol, lactam, active methylene, alcohol, mercaptan, acid amide, imide, amine, imidazole, urea, carbamate, imine A blocking agent such as a sulfite type or a sulfite type is used.
[0033]
In the present invention, the blending ratio of the vinyl copolymer resin (A) and the crosslinking agent (B) is such that the vinyl copolymer resin (A) is 30 to 90% by weight, the crosslinking agent (B) is 70 to 10% by weight, The vinyl copolymer resin (A) is preferably 35 to 80% by weight, and the crosslinking agent (B) is preferably 65 to 20% by weight. When the crosslinking agent (B) is less than 10% by weight, the coating film performance such as weather resistance, scratch resistance, and coating film processability is deteriorated, and when it exceeds 70% by weight, the coating film performance such as weather resistance and coating film processability is deteriorated. Becomes worse.
[0034]
In addition, an aqueous solution in which a basic compound is added to higher alkylaryl sulfonic acids when the difference in solubility parameter between the vinyl copolymer resin (A) and the crosslinking agent (B) is 0.5 to 1.5 ( It was found that a matte coating film excellent in finish, dice mark concealing property, coating film performance, and low-temperature curability can be obtained by dipping in II), energizing, washing with water, and baking and drying. The solubility parameter is a measure of the intermolecular interaction of liquid molecules and is according to the following formula.
[0035]
The SP value of the resin can be measured by cloud point titration. W. SUH, J. et al. M.M. It can be calculated according to the CORBETT equation (Journalof Applied Polymer Science, 12, 2359, 1968).
[0036]
[Expression 1]
(Where VHIs the volume fraction of n-hexane, VDIs the volume fraction of deionized water, δH Is the SP value of n-hexane, δDShows the SP value of deionized water) In the cloud point titration, 0.5 g (solid content) of a dried vinyl resin was dissolved in 10 ml of acetone, n-hexane was gradually added, and the titration H (ml ), And read the titration amount D (ml) at the cloud point when deionized water is added to the acetone solution.H , VD, ΔH, ΔDIs calculated.
[0037]
In addition, SP value of each solvent is acetone: 9.75, n-hexane: 7.24, deionized water: 23.43.
VH= H / (10 + H) VD= D / (10 + D), δH= 9.75 × 10 / (10 + H) + 7.24 × H / (10 + H), δD = 9.75 × 10 / (10 + D) + 23.43 × D / (10 + D), and the SP value can be easily adjusted depending on the monomer composition and ratio.
[0038]
Basic compounds used for neutralization of the vinyl copolymer resin (A) are first amines such as ethylamine, propylamine, butylamine, benzylamine, monoethanolamine, neopentanolamine, 2-aminopropanol, and 3-aminopropanol. Secondary monoamines such as diethylamidiethanolamine, di-n- or di-iso-propanolamine, N-methylethanolamine, N-ethylethanolamine; dimethylethanolamine, trimethylamine, triethylamine, triisopropylamine, methyl Tertiary monoamines such as diethanolamine and dimethylaminoethanol; polyamines such as diethylenetriamine, hydroxyethylaminoethylamine, ethylaminoethylamine, and methylaminopropylamine And triethylamine.
[0039]
The blending ratio of the basic compound in the anionic electrodeposition paint (I) is preferably in the range of 0.1 to 1.0 equivalent as an equivalent, and the solid content of the vinyl copolymer resin (A) and the crosslinking agent (B). The basic compound is in the range of 0.01 to 10% by weight, preferably 0.05 to 5% by weight, based on the total weight. If the basic compound is less than 0.01% by weight, the water-dispersibility of the aqueous emulsion is poor, and if it exceeds 10% by weight, the hydrophilicity increases and the coating film performance is deteriorated.
[0040]
An ultraviolet absorber and a light stabilizer can be added to the anionic electrodeposition paint (I).
[0041]
Examples of ultraviolet absorbers include salicylic acid derivatives such as phenyl salicylate, p-octylphenyl salicylate, 4-t-butylphenyl salicylate; 2,4-dihydroxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone, 2,2'-dihydroxy-4-methoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxy-2'-carboxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxy-5-sulfobenzophenone trihydrate, 2,2'-dihydroxy- 4,4'-dimethoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-octoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-octadecyloxybenzophenone, sodium 2,2'-dihydroxy-4,4'-dimethoxy-5-sulfobenzophenone, 2, , 2 ', 4,4'-tetrahydro Xylbenzophenone, 4-dodecyloxy-2-hydroxybenzophenone, 5-chloro-2-hydroxybenzophenone, resorcinol monobenzoate, 2,4-dibenzoyl resorcinol, 4,6-dibenzoyl resorcinol, hydroxy Benzophenones such as dodecylbenzophenone and 2,2'-dihydroxy-4 (3-methacryloxy-2-hydroxypropoxy) benzophenone; benzotriazoles such as 2- (2'-hydroxy-5'-methylphenyl) benzotriazole And other compounds such as oxalic anilide and cyanoacrylate.
[0042]
The light stabilizer used in the mixed system is a hindered amine derivative, specifically, bis- (2,2 ′, 6,6′-tetramethyl-4-piperidinyl) sebate, 4-benzoyloxy. -2,2 ', 6,6'-tetramethylpiperidine and the like can be mentioned, and one or more of these can be appropriately selected and used.
[0043]
An anion electrodeposition paint (I) emulsion is prepared by adding a basic compound and deionized water to a vinyl copolymer resin (A) and a crosslinking agent (B) and stirring with a desper.
[0044]
The anionic electrodeposition paint (I) is an anion having a solid content of 5 to 20% by weight, if necessary, adding a pigment, a dye, a curing catalyst and a flow regulator to adjust the pH and adding deionized water. Electrodeposition paint (I) can be obtained. As an object to be coated with the anionic electrodeposition coating material (I), it is preferable to perform electrodeposition coating on a colored or non-colored anodized aluminum material.
[0045]
In order to form a coating film using the anion electrodeposition paint, the anion electrodeposition paint obtained above is used as a bath (in a tank), and the bath temperature is 10 to 30 ° C, preferably 15 to 25 ° C. After the treated aluminum alloy is immersed in this bath, anion electrodeposition coating is performed so that the dry film thickness is about 5 to 30 μm.
[0046]
Aqueous solution ( II )about
The coating film obtained by anionic electrodeposition coating is washed with water, and remains uncured, and at least one higher alkylaryl sulfonic acid is added to one equivalent or more basic compound to obtain an aqueous solution having a pH of 7.1 to 14 (II ), Energized for 10 to 240 seconds at a voltage of 50 to 350 V, washed with water, and baked and dried at 140 to 200 ° C. for 10 to 120 minutes to obtain a matte coating film.
[0047]
Examples of such higher alkylaryl sulfonic acids include compounds represented by the following general formulas (1) to (5).
[0048]
[Chemical 1]
General formula (1)
(R is C3~ C18Alkyl group)
[0049]
[Chemical formula 2]
General formula (2)
(R1, R2Is C3~ C18Alkyl group)
[0050]
[Chemical Formula 3]
General formula (3)
(R is C3~ C12Alkyl group)
[0051]
[Formula 4]
General formula (4)
(R1, R2Is C3~ C12Alkyl group)
[0052]
[Chemical formula 5]
General formula (5)
(R1, R2Is C3~ C12Alkyl group)
Specific examples of higher alkylaryl sulfonic acids include n-butylbenzene sulfonic acid, n-aminobenzene sulfonic acid, n-octyl sulfonic acid, n-octyl benzene sulfonic acid, n-dodecyl benzene sulfonic acid, n-octadecyl benzene sulfone. Examples thereof include acid, n-dibutylbenzenesulfonic acid, isopropylnaphthalenesulfonic acid, dodecylnaphthalenesulfonic acid, dinonylnaphthalenesulfonic acid, and dinonylnaphthalenedisulfonic acid. The concentration of the higher alkylaryl sulfonic acids is in the range of 0.1 to 20% by weight, preferably 0.3 to 10% by weight, and more preferably 0.5 to 8% by weight.
[0053]
Of these, dinonylnaphthalenesulfonic acid and dinonylnaphthalenedisulfonic acid are preferred. These higher alkyl aryl sulfonic acids are basic compounds such as primary monoamines such as ethylamine, propylamine, butylamine, benzylamine, monoethanolamine, neopentanolamine, 2-aminopropanol, and 3-aminopropanol. Secondary amines such as diethylamidiethanolamine, di-n- or di-iso-propanolamine, N-methylethanolamine, N-ethylethanolamine; dimethylethanolamine, trimethylamine, triethylamine, triisopropylamine, methyldiethanolamine, Tertiary monoamines such as dimethylaminoethanol; diethylenetriamine, hydroxyethylaminoethylamine, ethylaminoethylamine, methylaminopropylamine And polyamine triethylamine such as min.
[0054]
When the matting anion electrodeposition coating film forming method of the present invention is used, it is possible to easily obtain a design property having an L value in the range of 10 to 25 as a coating film evaluation item. The degree of can be varied.
[0055]
The energizing conditions in the aqueous solution (II) are as follows: the higher alkylaryl sulfonic acids are uncured by energizing for 1 to 300 seconds at a water temperature of 10 to 35 ° C. and a voltage of 10 to 350 V, preferably 100 to 250 V. It can be deposited in the coating.
[0056]
In addition, when a two-stage energization method in which a voltage of 10 to 150 V is applied as the first stage and a voltage of 150 to 300 V is applied as the second stage is used as the energization method, a higher alkyl aryl sulfone is produced at the first low voltage. Penetration of acids into deeper parts of uncured coatings, allowing higher alkylaryl sulfonic acids to be easily deposited on coatings with membrane resistance at the next high voltage, further increasing the transition to coatings and improving coating performance. It was found that it contributes to improvement.
[0057]
【The invention's effect】
An anionic electrodeposition paint (I) is electrodeposited on an aluminum alloy, and the pH is 7 by adding at least one equivalent of a basic compound of at least one higher alkylaryl sulfonic acid as an uncured coating. A coated product excellent in finish, dice mark concealing property, coating film performance, and low-temperature curability is obtained by immersing in aqueous solution (II) of 1 to 14, energizing, washing with water and baking and drying.
The reason why the effect of the present invention is obtained is not clear, but the solubility parameter of the vinyl copolymer resin as the base resin and the melamine resin as the crosslinking agent or the resin of the blocked isocyanate compound is 0.5 to 1.5. This difference is influenced by the aqueous solution (II) having a pH of 7.1 to 14, and a matte coating film is considered to be obtained.
[0058]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. The present invention is not limited thereby. “Parts” and “%” indicate “parts by weight” and “% by weight”.
[0059]
Production Example 1
Into a reaction vessel, 280 g of isopropyl alcohol was charged and maintained at 80 ° C., and then 40 g of styrene, 96 g of methyl methacrylate, 40 g of n-butyl acrylate, 120 g of ethyl acrylate, 48 g of 2-hydroxyethyl acrylate, 28 g of acrylic acid, and azobis A mixture of 8 g of dimethylvaleronitrile was added dropwise over 3 hours, then 4 g of azobisdimethylvaleronitrile was added, and the reaction was carried out at 80 ° C. for 1 hour to obtain a vinyl copolymer resin.
The vinyl copolymer resin had a weight average molecular weight of about 25,000, an acid value of 55 mgKOH / g, and a hydroxyl value of 58 mgKOH / g.
[0060]
Production Example 2 Emulsion No. Example 1
The vinyl copolymer resin prepared in Production Example 1 was mixed with 0.4 equivalent of triethylamine with respect to 70 parts (solid content) of the carboxyl group, and then mixed and dispersed, and then 30 parts of Nicalac MX430 (Note 1) was mixed and dispersed. After that, deionized water was gradually added dropwise with stirring, and triethylamine was further added so that the pH was 7.5. 1 was obtained.
Resin No. The difference in solubility parameter between 1 and Nicalac MX430 was 0.7.
[0061]
Production Example 3 Emulsion No. Example 2
The vinyl copolymer resin No. 1 prepared in Production Example 1 was used. 1 After mixing 0.4 equivalent of triethylamine with respect to 70 parts (solid content) of the carboxyl group, mixed and dispersed, then 20 parts of Nicalak MX430 (Note 1), Duranate 24A-90CX (Note 2) 12.5 parts (10 parts solid content) was mixed and dispersed, and then deionized water was gradually added dropwise with stirring, and triethylamine was further added so that the pH was 7.5. 2 was obtained.
The difference in solubility parameter between the vinyl copolymer resin and Nicalac MX430 / Duranate 24A-90CX was 0.6.
[0062]
Production Example 4 Emulsion No. Example 3
The vinyl copolymer resin No. 1 prepared in Production Example 1 was used. 1 After mixing 0.4 parts of triethylamine with respect to 70 parts (solid content) of carboxyl groups, mixed and dispersed, then 10 parts of Nicalak MX430 (Note 1), 25 parts of Duranate 24A-90CX (Note 2) (solid 20 parts) was mixed and dispersed, and then deionized water was gradually added dropwise with stirring, and triethylamine was further added to adjust the pH to 7.5. 3 was obtained.
The difference in solubility parameter between the vinyl copolymer resin and Nicalac MX430 / Duranate 24A-90CX was 0.3.
[0063]
(Note 1) Nikalac MX430: Sanwa Chemical Co., Ltd., trade name, butoxylated melamine resin, solid content 100%
(Note 2) Duranate 24A-90CX: manufactured by Asahi Kasei Corporation, trade name, block polyisocyanate, solid content 80%.
[0064]
Production Example 5
10% emulsion No. above. 1 3000 parts, triethylamine was further added so that the pH was 8.5. 1 was obtained.
[0065]
Production Example 6
10% emulsion No. above. 2 3000 parts, triethylamine was further added so that the pH was 8.5. 2 was obtained.
[0066]
Production Example 7
10% emulsion No. above. 3 3000 parts, triethylamine was further added so that the pH was 8.5. 3 was obtained.
[0067]
Production Example 8
10 parts of Tayacure AC-901 (trade name, dinonylnaphthalenesulfonic acid, manufactured by Taika Co., Ltd.) was dissolved in 90 parts of isopropyl alcohol, and 0.28 part of triethylamine (corresponding to 0.5 equivalent) was added to 100 parts of this solution. .
Further, deionized water was added to obtain 1000 parts of an aqueous solution having a solid content of 1%. This aqueous solution No. The pH of 1 was 9.0.
[0068]
Production Example 9
20 parts of Tayacure AC-330 (trade name, pentadecylbenzenesulfonic acid) manufactured by Taika Co., Ltd. was dissolved in 80 parts of isopropyl alcohol, and 0.34 part of triethylamine (corresponding to 0.5 equivalent) was added to 100 parts of this solution.
Further, deionized water was added to obtain 1000 parts of an aqueous solution having a solid content of 1%. This aqueous solution No. The pH of 2 was 8.5.
[0069]
Production Example 10
20 parts of Tayacure AC-430 (manufactured by Teica Co., Ltd., trade name, dodecylbenzenesulfonic acid) was dissolved in 80 parts of isopropyl alcohol, and 0.37 part of triethylamine (corresponding to 0.5 equivalent) was added to 100 parts of this solution. .
Further, deionized water was added to obtain 1000 parts of an aqueous solution having a solid content of 1%. This aqueous solution No. The pH of 3 was 10.0.
[0070]
Production Example 11
20 parts of Taicacure AC-901 (trade name, dinonylnaphthalene sulfonic acid, manufactured by Taika Co., Ltd.) was dissolved in 80 parts of isopropyl alcohol, and 0.25 part (corresponding to 0.2 equivalent) of triethylamine was added to 100 parts of this solution. .
Further, deionized water was added to obtain 1000 parts of an aqueous solution having a solid content of 1%. This aqueous solution No. The pH of 4 was 3.5.
[0071]
Production Example 12
20 parts of Tayacure AC-330 (trade name, pentadecylsulfonic acid, manufactured by Taika Co., Ltd.) was dissolved in 80 parts of isopropyl alcohol, and 0.14 part (corresponding to 0.2 equivalent) of triethylamine was added to 100 parts of this solution.
Further, deionized water was added to obtain 1000 parts of an aqueous solution having a solid content of 1%. This aqueous solution No. The pH of 5 was 3.0.
[0072]
Creating test plates
A test plate (silver: size is 150), which was subjected to secondary electrolytic treatment (degreasing-etching-neutralization-anodizing treatment-sealing) on an aluminum alloy (# 5000) and anodizing treatment with a film thickness of about 10 μm. × 70 × 0.5 mm).
[0073]
Example 1
Using two test plates, the anion electrodeposition paint No. obtained in Production Example 1 was used. 1 and electrodeposition coating was performed so that the dry film thickness was 18 μm. Next, the aqueous solution No. obtained in Production Example 3 was used. 1 was energized for 1 minute at a voltage of 150 V, washed with water, and baked at two levels of 160 ° C. for 30 minutes and 180 ° C. for 30 minutes.
[0074]
Results as in Examples 2 to 4 and Comparative Examples 1 to 3 were obtained in combinations as shown in Table 1.
[0075]
[Table 1]
(Note 3) Coating film smoothness: The coating film surface (skin skin, unevenness, etc.) was visually evaluated. Baking was performed using a coated plate performed at 180 ° C.
◎ is good,
○ is almost good,
△ is a little bad,
X shows a defect.
[0076]
(Note 4) Dice mark concealing property (visual evaluation): baking was performed at 180 ° C.
Visually:
○: Dice mark concealment is good,
Δ: Dice mark concealment is inferior,
X: Dice mark concealment is remarkably inferior.
[0077]
(Note 5) Dice mark concealment (L value evaluation): Baking is performed using a coating plate made at 180 ° C. and using a variable angle spectrophotometer GCMS-4 (trade name, manufactured by Murakami Color Research Co., Ltd.) Measurement was performed at an angle of 90 degrees. According to the coating film forming method of the present invention, a matte coating film having an L value in the range of 10 to 25 can be easily obtained.
[0078]
(Note 6) Low temperature curability: Acetone was soaked in gauze and performed 20 reciprocations on the coating surface to check the coating surface state.
Y: No problem
Δ: Painted surface dissolves and becomes white
X: The dissolution of the coating surface is remarkable.
[0079]
(Note 7) Water resistance: The test plate was immersed in warm water at 40 ° C. for 240 hours, and a cross-cut was made to perform a peel test using an adhesive tape.
A: No problem without peeling
○: There is no peeling, but some blistering is seen near the cut part
Δ: Partial peeling is observed from the crosscut portion
X: All peeled from the cross cut part.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a model diagram of an anion electrodeposition tank.
[Explanation of symbols]
1. Electrodeposition tank (1)
2. Flush tank (1)
3. Electrodeposition tank (2)
4). Flush tank (2)
5. electrode
6). Flushing Nords
Claims (5)
工程1:ビニル重合体樹脂(A)と架橋剤(B)の溶解性パラメーターの差が0.5〜1.5であるビニル重合体樹脂(A)、及び架橋剤(B)を含有し水分散してなるアニオン電着塗料(I)をアルミニウム合金に電着塗装を施す工程、
工程2:工程1による未硬化の塗膜を、少なくとも1種の高級アルキルアリールスルホン酸類を1当量以上の塩基性化合物を添加してなるpHが7.1〜14の水溶液(II)に浸漬して通電する工程、
工程3:純水、又は工業用水、又は回収液で水洗する工程、及び
工程4:焼付け乾燥する工程よりなり、該水溶液( II )での通電条件が、第1段目として10〜150Vの電圧を印加した後、第2段目として150〜300Vの電圧を印加する2段通電方法であることを特徴とする艶消しアニオン電着塗膜形成方法。The following steps 1 to 4 :
Step 1: vinyl polymer resin (A) having a difference in solubility parameter between vinyl polymer resin (A) and crosslinking agent (B) of 0.5 to 1.5, and water containing crosslinking agent (B) Applying an electrodeposition coating to the aluminum alloy with the dispersed anion electrodeposition coating (I);
Step 2: The uncured coating film obtained in Step 1 is immersed in an aqueous solution (II) having a pH of 7.1 to 14 obtained by adding at least one higher alkylarylsulfonic acid to one or more basic compounds. Energizing process,
Step 3: pure water, or industrial water, or a step of washing with recovered liquid, and Step 4: now the step of baking and drying, the energization conditions in aqueous solution (II) is, 10~150V voltage as a first stage A matte anion electrodeposition coating method, which is a two-stage energization method in which a voltage of 150 to 300 V is applied as the second stage after applying .
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