JP3893296B2 - 食品成型装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、米飯をおにぎりへと成型する食品成型装置に関し、さらに詳しく言えば、装置構成をより簡素化し、おにぎりの具材を確実に中心に入れることができる食品成型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンビニエンスストアなどで販売されるおにぎりは、専用の食品成型装置を使って製造されている。一般に、この食品成型装置は炊きあげられた米飯が投入されるホッパー(供給部)と、同ホッパーから送り込まれた米飯を所定の厚さや幅に圧延する圧延部と、同圧延部から投入された米飯をおにぎり形状に成型する成型部とから主に構成されている。
【0003】
この食品成型装置では、成型部にて米飯をおにぎり形状に成型するのと同時に、具材を入れるための具穴を設けることができる。したがって、作業者は出来上がったおにぎりの具穴に具材を投入した後、海苔で巻いておにぎりが完成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この食品成型装置には、次のような解決すべき課題が残されていた。すなわち、従来の食品成型装置は、一度におにぎり1個分に相当する米飯を型に流し込み、1回のプレスでおにぎりに成型し、その際同時に具穴を所定深さに明け、その具穴内に具材を入れた後、具穴を塞ぐことなく海苔を巻くようにしているため、具材がおにぎりの中心から移動しやすかった。
【0005】
別の方法として、具穴を設けることなく具材をおにぎりの側面に強制的に押し込むことも行われているが、具材が片寄っており、また見栄えもよくないため、商品価値が低い。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、簡単な構成でありながら、おにぎり成型時に具材を確実に中央に収納することができ、また、具材なしのおにぎり成型にも対応することができるようにした食品成型装置を安価に提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明は、米飯を貯留するホッパから供給される米飯をおにぎりなどの所定の形状に成型する成型部を含む食品成型装置において、上記成型部は、装置本体上に垂直回転軸を介して回転可能に設けられたターンテーブルと、上記ターンテーブル上に設置され、その回転に伴って米飯供給ステージ,米飯プレス加工ステージおよび米飯成型体排出ステージへと順次搬送される少なくとも一つの成型ユニットと、上記米飯プレス加工ステージに設けられ、上記成型ユニット内の米飯をプレスして米飯成型体を形成するプレスヘッドを有するプレスユニットとを備え、上記成型ユニットは、上記ターンテーブルのテーブル面に沿って開閉可能に組み合わされ、上面側から米飯が供給される成型キャビティを形成する一対の成型メンバーを含み、上記装置本体側には、上記米飯成型体排出ステージに到来した上記成型ユニットを開閉する開閉手段が設けられているとともに、上記プレスユニットは、上記成型ユニット内への上記プレスヘッドの押し下げストロークを検知して、そのストローク情報を上記開閉手段に与える検知手段を備え、上記開閉手段は、上記プレスヘッドの押し下げストローク量が所定値以上である場合にのみ上記成型ユニットを開いて、その成型ユニット内の米飯成型体を取り出し可能とすることを特徴としている。
【0008】
これによれば、まず、おにぎり1個分の半分量に相当する米飯を成型部に投入し、プレスユニットでプレス成形した後、具材を投入し、その上から残りの半分量の米飯を投入して、再度プレスユニットでプレス成型することにより、おにぎりが完成体されるため、具材を確実に中央に収納することができる。
【0009】
本発明の好ましい態様によると、上記ターンテーブルには、上記成型ユニットを開閉するため上記各成型メンバーの基部側に挿通される一対の基軸が貫通されており、上記各基軸の上記ターンテーブル裏面側には互いに噛合して上記各成型メンバーを反対方向に回転させる開閉用ギアが設けられており、少なくともその一方の開閉用ギアが上記開閉手段によって駆動される。これによれば、基軸を介して開閉手段の駆動力が伝達され、各成型メンバーの開放端側が開閉される。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によると、上記開閉手段は、上記ターンテーブルと平行な面内で環状に形成されたガイド通路と、上記いずれか一方の開閉用ギアに連結され、上記ターンテーブルの回転に伴って上記ガイド通路内を移動するカムローラとを備え、上記ガイド通路は、上記ターンテーブルの垂直回転軸に対して同心状であって、上記各成型メンバーを閉状態に維持するように上記カムローラを移動させる第1ガイド通路と、上記米飯成型体排出ステージにおいて上記第1ガイド通路をバイパスするように形成され、上記各成型メンバーを閉状態から開状態そして閉状態となるように上記カムローラを移動させる第2ガイド通路とを含み、上記第1ガイド通路と上記第2ガイド通路の分岐部分には、上記カムローラの移動経路を上記いずれか一方のガイド通路に切り替えるセレクタレバーが設けられている。
【0011】
これによれば、カムローラが第1ガイド通路上を移動しているときは、常に成型メンバーは閉状態を維持し、第2ガイド通路を通行したときのみ成型メンバーを開状態にすることができ、それらがセレクタレバーを介して選択的に切り替えられる。
【0012】
すなわち、具材入りおにぎりの場合、第1回目のプレス成型時にはセレクタレバーは第1ガイド通路側を選択するため、排出ステージに移っても成型ユニットは閉じられたままである。これに対して、具材を入れて行う第2回目のプレス成形を終えた場合、セレクタレバーは第2ガイド通路側を選択する。したがって、排出ステージで成型ユニットが開かれる。
【0013】
作業効率を高める上で、上記ターンテーブル上に複数の上記成型ユニットが上記垂直回転軸を中心として同心かつ等間隔で配置されていることが好ましい。
【0014】
上記プレスユニットは、上記ターンテーブルに隣接して上記装置本体から垂直に立設されたガイド軸を有する基台を備え、上記ガイド軸に上記プレスヘッドを有するプレス本体がスライド可能に支持されているとともに、上記ガイド軸には上記プレス本体に当接して上記プレスヘッドの押し下げストローク量を段階的に規制し得るストッパ手段が設けられていることが好ましい。これによれば、プレス本体のストローク量を介しておにぎりの大きさ(厚さ)を簡単に調節することができ、品質の揃ったおにぎりが得られる。
【0015】
この場合、上記ストッパ手段が、上記ガイド軸に回転可能に嵌合され、上端面に複数の異なる高さの規制面が螺旋階段状に形成された円筒体からなり、上記プレス本体には上記規制面のいずれか一つに当接する当接部が定位置に設けられていることが好ましく、これによれば、上記ストッパ手段を回転させることによ、上記プレスヘッドの押し下げストローク量を簡単に変更することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る食品成型装置の内部を一部透視した平面図、正面図および側面図が示されている。
【0017】
この食品成型装置1は、炊きあげられた米飯が上部開口から投入されるホッパー2(供給部)と、同ホッパー2から供給された米飯を所定の幅および厚さに圧延する圧延部3と、圧延部3から送り込まれた米飯をおにぎり形状に成型する成型部4とを有し、それらがステンレス製の筐体10に一体的に組み込まれている。
【0018】
筐体10の側面には、各種操作ボタンや非常停止ボタン、パイロットランプ類、液晶表示装置などが設けられた操作パネル11が一体的に組み込まれており、作業者は、この操作パネルを介して食品成型装置1を操作する。
【0019】
ホッパー2は、内部の収納容積が下側に行くにつれて減少する、いわゆるすり鉢状に形成された容器本体21と、上記容器本体21の上部投入口に被せられる蓋22とを備え、これらが図示しない係止手段、例えばパチン錠を介して筐体10に着脱可能に係止されている。
【0020】
容器本体21の内部には、米飯を解すため櫛刃状の攪拌アームが多数突設された攪拌子(図示しない)が本体背面側(図1(c)では右側)から本体前面側(図1(c)では左側)にかけて回転可能に架け渡されており、その送り出し先には、下側の圧延部3に米飯を供給する供給口23が設けられている。
【0021】
なお、容器本体21および蓋21は、腐食し難いステンレス板によって形成し、その表面には、投入された米飯を下側へ流れやすくするとともに、付着を防止するためのフッ素樹脂加工を施すことが好ましい。
【0022】
本発明において、ホッパー2の構成はあくまで任意的な構成要素であり、具体的な構造や攪拌子の形状および数は適宜選択してよい。
【0023】
圧延部3は、メンテナンス性を考慮して筐体10の前面に設けられており、その前面が着脱可能な半透明の化粧板30によって覆い隠されている。図1(c)に示すように、化粧板30の裏側には、圧延ローラ31a,31bを含む圧延ローラ対31と、圧延ローラ32a,32bを含む圧延ローラ対32とが所定の間隔をもって設けられている。
【0024】
各圧延ローラ31a,31b,32a,32bは、その軸方向に沿って外周面に多数の凸部が設けられた合成樹脂製の円筒ローラからなり、上側の圧延ローラ対31の圧延間隔よりも下側の圧延ローラ対32の圧延間隔が狭くなるように配置されている。
【0025】
図1(c)に示すように、各圧延ローラ対31,32は筐体10の内部に設けられた可逆回転型のモータMにより、正面左側の圧延ローラ31a,32aがそれぞれ右回転、正面右側の圧延ローラ31b,32bがそれぞれ左回転するように駆動され、これによってローラ間に導入された米飯が上流から下流に向かって流れる。
【0026】
次に、図2を参照して各圧延ローラ対31,32と、それらを駆動するモータMとの接続関係を説明する。この実施形態において、モータMと各圧延ローラ対31、32との間には、各圧延ローラ31a,31b,32a,32bにモータMの回転力を伝達するとともに、下側の圧延ローラ対32を米飯切断手段として動作させる駆動力伝達手段5が設けられている。
【0027】
この駆動力伝達手段5は、それぞれが米飯送り出し方向の特定回転方向のときにのみ回転軸O1a,O1bに対して自由に回転し得る第1および第2ワンウェイクラッチギア52a、52bと、各一端側が第1および第2ワンウェイクラッチギア52a、52bの各回転軸O1a,O1bに固定された左右一対の支持板50a、50b(支持アーム)と、上記各支持アーム50a、50bの他端側を常時離反する方向に付勢する付勢手段57a,57bとを備えている。
【0028】
第1ワンウェイクラッチギア52aは、モータMの出力ギア51に噛合されており、各ワンウェイクラッチギア52a、52b同士は互いに噛合され、それぞれが相反する方向に回転するようになっている。
【0029】
この実施形態において、第1ワンウェイクラッチギア52aは、時計回り(米飯送り方向)に回転した場合は、回転軸O1aに対して回転フリーとされ、反時計回りに回転した場合には回転軸O1aに対して回転がロックされるように設定されている。
【0030】
逆に、他方の第2ワンウェイクラッチギア52bは、時計回りに回転した場合には回転軸O1bに対して回転がロックされ、反時計回り(米飯送り出し方向)に回転した場合は回転軸O1bに対して回転フリーとなるように設定されている。
【0031】
各ワンウェイクラッチギア52a,52bには、第1中間ギア55a、55bを介して上流側の圧延ローラ31a,31bに設けられた回転ギア53a、53bが噛合されており、これにより、圧延ローラ31a、31bは互いに相反する方向に回転する。
【0032】
各ワンウェイクラッチギア52a,52bにはさらに、第2中間ギア56a,56bを介して下流側の圧延ローラ32a,32bに設けられた回転ギア54a,54bに噛合されており、これにより圧延ローラ32a,32bも互いに相反する方向に回転する。
【0033】
圧延ローラ32a,32bおよび中間ギア55a,55bは、上述した一対の支持アーム50a,50bの他端側に回転可能に設けられている。
【0034】
支持アーム50a,50bは矩形状の板状片からなり、その各一端側が各ワンウェイクラッチギア52a,52bの各回転軸O1a,O1bに図示しない例えばスプライン嵌合手段を介して一体的に連結され、各回転軸O1a,O1bとともに回転する。
【0035】
この支持アーム50a,50bの圧延ローラ32a,32b寄りには、一端側が筐体10に固定された付勢手段(この例では引張バネ)57a,57bの他端側が係止されており、これにより、圧延ローラ32a,32bが常に離反する方向にバネ付勢されている。
【0036】
米飯送り出し時には、モータMを反時計回り(ここでは、これを正回転とする)に回転させる。これにより、各ワンウェイクラッチギア52a,52bがともに米飯送り出し方向(特定回転方向)に回転し、各中間ギア55,56を介して各圧延ローラ対31,32が米飯送り出し方向に回転し、米飯がローラ間に引き込まれ、上流側から下流側に流されながら圧延される。
【0037】
このとき、下流側の圧延ローラ32a,32bは、支持アーム50a,50bを介して引張バネ57a,57bの引張力によって、常に離反した状態を維持する。
【0038】
これに対して、米飯の送り出し停止時には、モータMを時計回りに回転(逆回転)させる。これにより、各ワンウェイクラッチギア52a,52bが特定回転方向とは反対方向に回転し、各ワンウェイクラッチギア52a,52bと、それらの回転軸O1a,O1bとが直結状態となる。
【0039】
したがって、各ワンウェイクラッチギア52a,52bは支持アーム50a,50bを伴って回転するため、引張バネ57a,57bの引張力に抗して圧延ローラ32a,32bが互いに当接するまで引き寄せられ、これにより、それらの間で米飯が切断される。
【0040】
再び図1を参照し、次に成型部4について説明する。成型部4は、装置本体に対して所定の垂直回転軸O2(図4参照)を介して回転可能に設けられたターンテーブル41と、同ターンテーブル41上に設置され、その回転に伴って米飯供給ステージ、米飯プレス加工ステージおよび米飯成形体排出ステージへと順次搬送される一対の成型ユニット42,43と、米飯プレス加工ステージに設けられ、各成型ユニット42,43内に投入された米飯をプレスするプレスユニット44とを備えている。
【0041】
なお、米飯供給ステージは圧延部3の直下に位置し、米飯プレス加工ステージは米飯供給ステージから時計回り90°の位置、また、米飯成型体排出ステージは米飯プレス加工ステージからさらに時計回り90°の位置に設定されている。
【0042】
成型ユニット42,43は、ターンテーブル41上に垂直回転軸O2を挟んで対称に配置されており、内部が三角おにぎり形状にくり抜かれた成型キャビティを有する三角筒状に形成されている。この成型ユニット42,43は、ターンテーブル41面に沿って互いに開閉可能な成型メンバー421,423;431,433から構成されている。
【0043】
この実施形態において、成型ユニット42,43は、生産効率を上げるため、2つ設けられているが、必ずしも2つ設ける必要はなく、少なくとも1つ設けられていればよい。
【0044】
各成型メンバー421,423,431,433は、成型ユニット42,43を三角おにぎり形状の頂点から底辺にかけてほぼ半分割したものからなり、内周面には上記米飯をプレス成形するための型面422,424;432,434がC字状に形成されている。
【0045】
この型面422,424;432,434が互いに向き合って組み合わされることにより、上面側から米飯が投入される成型キャビティが形成される。
【0046】
各成型メンバー421,423,431,433は、それぞれターンテーブル41に貫通された後述する基軸71,72;73,74に基部側が着脱自在に取り付けられる。
【0047】
ターンテーブル41は、筐体10の底部背面から前面にかけて延設されたステージ12上に回転可能に取り付けられており、上述した圧延部3の米飯流れ方向に沿って平行、すなわちテーブル面に対して垂直な垂直回転軸O2を備えている。
【0048】
この実施形態において、ターンテーブル41は、成型ユニット42,43が米飯供給ステージ、米飯プレス加工ステージ、米飯成型体排出ステージのそれぞれの位置で止まるように、図示しないクリック力発生手段にて90°間隔で間欠的に回転するようになされている。
【0049】
ターンテーブル41には、各成型ユニット42,43の基部側に差し込まれるそれぞれ一対の基軸71,72;73,74が突設されている。図4に示すように、各基軸71,72;73,74は、ターンテーブル41の裏面側まで貫通されており、その端部には、互いに噛合して各成型メンバー421,423;431,433の開放端側を開閉させる扇形の開閉用ギア711,721;731,741が設けられている。
【0050】
この実施形態において、それぞれ一方の開閉用ギア711,731には、後述するガイド通路6に沿って移動するカムローラ712,732がそれぞれ設けられており、このカムローラ712,732が上記ガイド通路6上に含まれている閉ガイド通路61もしくは開ガイド通路62を通過することにより、各開閉用ギア711,721;731,741を介して各成型メンバー421,423;431,433の開放端側が開閉される。
【0051】
図4および図5に示すように、本体10のステージ12側には、ガイド通路6が形成されている。ガイド通路6は、ターンテーブル41の垂直回転軸O2を中心として環状に形成されたいわゆる隙間溝からなり、このガイド通路6に沿って上述したカムローラ712,732が移動する。
【0052】
この実施形態において、ガイド通路6には、各成型メンバー421,423;431,433を常に閉状態を維持するようにカムローラ712,732を移動させる真円状の閉ガイド通路61(第1ガイド通路)と、閉ガイド通路61の一部分をバイパスし、成型メンバー421,423;431,433を閉状態から開状態、そして再び閉状態へと導くための開ガイド通路62(第2ガイド通路)とが含まれており、閉ガイド通路61と開ガイド通路62との分岐部分には通路選択用のセレクタレバー63が設けられている。
【0053】
セレクタレバー63は、一方の面が閉ガイド通路61と実質的に同じ曲率で描かれた凹曲面とされ、他方の面が開ガイド通路62と同じ曲率で描かれた凸曲面とされた三日月状の板片からなり、回転軸631を中心として回動する。
【0054】
バイパス状の開ガイド通路62は、図1(a)に示すように成型ユニット43が排出ステージと対向する位置に配置されており、排出ステージに到来した成型ユニット42,43を完全開状態とする。なお、開ガイド通路62を通過後、成型ユニット42,43は閉ガイド通路61に入り再び閉じられる。
【0055】
セレクタレバー63は、後述するプレスユニット44に隣接配置された制御スイッチSW(検知手段)からの信号を受けて動作する。
【0056】
再び図1を参照して、プレスユニット44は、ターンテーブル41に隣接して装置本体から垂直に立設されたガイド軸445を有する基台441と、ガイド軸445にスライド可能に支持され、成型ユニット42,43内に向けて出没されるプレスヘッド443を有するプレス本体442とを備えている。
【0057】
図1(a)に示すように、基台441は、下端がステージ12上に固定され、上端からプレス本体442がガイド軸445に沿ってスライド可能に取り付けられる円筒パイプ形状を有し、内部には図示しない圧縮バネが内蔵され、プレス本体442を常に上方へとバネ付勢している。
【0058】
基台441のガイド軸445には、プレス本体442の押し下げストロークを段階的に規制し得るストッパ手段444が設けられている。図3に示すように、このストッパ手段444は、ガイド軸445に回転可能に嵌合され、上端面に複数の異なる高さの規制面441a〜441eが螺旋階段状に形成された円筒体からなる。
【0059】
プレス本体442側には規制面441a〜441eのいずれか一つに当接する当接部(図示しない)が定位置に設けられており、上記ストッパ手段444を回転させることにより、上記プレスヘッドの押し下げストローク量が変更される。
【0060】
この実施形態において、規制面441a〜441eは、基台441の高さ方向に5mm間隔ずつずらされて螺旋階段状に形成されおり、おにぎりの厚さ(高さ)が15〜45mmの範囲で5mm刻みで調節できるようになっている。
【0061】
これによれば、おにぎりの厚さ(高さ)をプレス本体442の移動ストローク量に応じて簡単に調節することができる。
【0062】
次に、本発明の米飯成型装置の使用手順について説明する。成型を始める前に、使用者はまず炊あげられた米飯を上部開口からホッパー2内に投入し、図示しない操作パネルを操作しておにぎりの成型数などの各種条件を設定する。併せてストッパ手段444を所望の厚さになるよう回転した後、開始ボタンを押すことで成型がスタートする。
【0063】
開始ボタンが押されると、ホッパー2は、容器本体21内に収納された米飯を供給口23に向かって押し流し、米飯を圧延部3に向けて投下する(図1b参照)。
【0064】
このとき、モータMは正回転であって、供給口23より投下された米飯は、まず上流側の圧延ローラ31a,31bによって粗く圧延され、次に下流側の圧延ローラ32a、32bによってさらに圧延されながら、第1成型ユニット42内に投下される。
【0065】
この実施形態において、1回の圧延作業によって各成型ユニット42,43内に投入される米飯は、おにぎり1個分の半分量に相当する量が投入される。したがって、最終的に1個のおにぎりを成型するまでには、合計2回の米飯投入工程を要する。
【0066】
半分量の米飯が第1成型ユニット42内に投下されると、図示しない制御部は、モータMに対し流れ方向とは逆方向に回転するよう指令を出す。モータMが逆回転すると、各ワンウェイクラッチギア52a,52bがロックされ、支持アーム50a,50bが引張バネ57a,57bの引張力に抗して移動し、圧延ローラ対32a,32bが互いに当接するまでに引き寄せられ、それらのローラ間で米飯が切断される。
【0067】
この実施形態において、圧延部3は、ターンテーブル41内に設けられた回転位置検出手段(図示しない)によってON/OFF制御され、圧延部3の直下に各成型ユニット42,43が位置した場合にのみ、米飯の供給と切断の一連の動作を繰り返す。
【0068】
図5〜図11を参照して、成型部4の操作方法について具体的に説明する。米飯供給ステージにて圧延部3から第1成型ユニット42に米飯が投入された後、作業者は、手動でターンテーブル41を90°右回転させる。90°回転した状態が図5である。
【0069】
ターンテーブル41を90°回転させると、第1成型ユニット42は、プレスユニット44が配置された米飯プレス加工ステージに搬送される。そこで、図11に示すように、作業者はプレス本体442を手で第1成型ユニット42方向に押し込むことにより、プレスヘッド443によって内部に貯留された米飯がプレスされる。
【0070】
このとき、第1成型ユニット42内には、規定量の半分しか米飯が貯留されていないため、実際にはおにぎりの厚さの半分しかプレスされない。これにより、プレス本体442の下端が制御スイッチSWに接触して、制御スイッチSWがONされる。
【0071】
制御スイッチSWがONされると、制御部はON信号を受信し、セレクタレバー63を閉ガイド通路61方向に移動もしくは維持させる。これにより、セレクタレバー63は、カムローラ712が閉ガイド通路61側を通るように選択される(図6参照)。
【0072】
この状態において、ターンテーブル41がさらに90°右回転されると、第1成型ユニット41は閉じたままの状態でステージ12の最前方、すなわち米飯成型体排出ステージに運び込まれる。作業者は、この状態でおにぎりの具材をプレスされた米飯上に載せる(図7参照)。
【0073】
このとき、図7の状態において他方の第2成型ユニット43には、既に1回目の米飯投入→プレス成形→具材投入による半分量の米飯と具材とが投入されている。したがって、2回目の米飯投入から取出までの一連の作業は、第2成型ユニット43を用いて説明する。
【0074】
第2成型ユニット43を再び圧延部3の直下、すなわち米飯供給ステージに搬送すると、制御部は圧延部3を駆動し、残りの半分量に相当する米飯を第2成型ユニット43内に投入する。なお、圧延部3の米飯の送出と切断は、上述した1回目の投入と同じである。
【0075】
米飯投入後、作業者がターンテーブル41を90°右回転させることで、第2成型ユニット43は、再びプレスユニット44の米飯プレス加工ステージに運び込まれる。作業者は、1回目と同じくプレス本体442を押し込み、内部にある米飯をプレスする。
【0076】
このとき、プレス本体442は、1回目よりも米飯の量が多く、高さ方向に高い(厚い)ため、制御スイッチSWに接触せずにプレス工程を終える。これにより、制御スイッチSWはOFF状態のままであり、そのOFF信号を制御部に送る。
【0077】
制御部は、制御スイッチSWのOFF信号を受信すると、セレクタレバー63を開ガイド通路62側に移動させる(図8参照)。ターンテーブル41を介して、第2成型ユニット43を排出ステージに搬送すると、第2成型ユニット43を開閉させるカムローラ732は、閉ガイド通路61の軌道から外れて開ガイド通路62内に導き入れられる。これにより、カムローラ732が開ガイド通路62に沿って強制的に移動し、これに連動して第2成型ユニット43の自由端側が開き始める(図9参照)。
【0078】
さらに回転させることにより、図10に示すように、第2成型ユニット43は、完全に開いた状態でステージ12の最前方に運び込まれる。この状態において、作業者は、内部に成型されたおにぎりを取り出す。この一連の作業を繰り返すことにより、規定数に応じた数のおにぎりが成型される。
【0079】
この実施形態において、ターンテーブル41およびプレスユニット44は、手動で操作するようにしているが、これ以外に各種アクチュエータなどを使って自動で操作できるようにしてもよい。このような態様も本発明に含まれる。
【0080】
また、ターンテーブル41は、円盤状のものに一対の成型ユニット42,43を設けたものを使用しているが、例えば楕円に回転するコンベア方式として、より多くの成型ユニットを設けてもよい。
【0081】
さらには、この米飯成型装置1に用いられる成型ユニットは、おにぎりを成型するためのものではなく、例えばコロッケやハンバーグなどの各種食品を成型するものであってもよく、その成型対象物は、何も米飯に限定されるものではなく、例えばおからや各種小麦粉製品などに適用してもよいし、極端に言えば、食品模型などを作る合成樹脂を成型するのに使用してもよい。
【0082】
なお、この実施形態において、おにぎりは半分量を2回に分けて投入し、その中間で具材を投入した具材入りおにぎりの成型手順について例示したが、本発明の米飯成型装置は、1度におにぎり1回分の米飯を成型ユニットに投入してプレスユニットで成型し、そのまま成型ユニットを開いておにぎりを排出する、いわゆる具無しおにぎりを製造することも可能である。このような態様も本発明に含まれる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、まず、おにぎり1個分の半分量に相当する米飯を成型部に投入し、プレスユニットでプレス成形した後、具材を投入し、その上から残りの半分量の米飯を投入して、再度プレスユニットでプレス成型することにより、おにぎりが完成体されるため、具材を確実に中央に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る米飯成型装置の正面図、平面図および側面図。
【図2】圧延部の構造を説明するための説明図。
【図3】プレスユニットのストッパー構造を説明するための説明図。
【図4】成型ユニットの開閉機構を説明する説明図。
【図5】この米飯成型装置の使用手順を説明するための説明図。
【図6】この米飯成型装置の使用手順を説明するための説明図。
【図7】この米飯成型装置の使用手順を説明するための説明図。
【図8】この米飯成型装置の使用手順を説明するための説明図。
【図9】この米飯成型装置の使用手順を説明するための説明図。
【図10】この米飯成型装置の使用手順を説明するための説明図。
【図11】この米飯成型装置の使用手順を説明するための説明図。
【符号の説明】
1 米飯成型装置
10 筐体
11 操作パネル
12 ステージ
2 ホッパー(供給部)
3 圧延部
31,32 圧延ローラ対
4 成型部
41 ターンテーブル
42 第1成型ユニット
421,423 第1成型メンバー
43 第2成型ユニット
431,433 第2成型メンバー
44 プレスユニット
441 基台
441a〜441e 規定面
442 プレス本体
443 プレスヘッド
444 ストッパ手段
445 ガイド軸
5 米飯切断手段
51 出力ギア
52 クラッチギア
53,54 回転ギア
55,56 中間ギア
57 引張バネ
6 ガイド通路
61 閉ガイド通路
62 開ガイド通路
63 セレクタレバー
71〜74 基軸
712,732 カムローラ
M モータ
O1 水平回転軸
O2 回転軸
SW 制御スイッチ
Claims (6)
- 米飯を貯留するホッパから供給される米飯をおにぎりなどの所定の形状に成型する成型部を含む食品成型装置において、
上記成型部は、装置本体上に垂直回転軸を介して回転可能に設けられたターンテーブルと、上記ターンテーブル上に設置され、その回転に伴って米飯供給ステージ,米飯プレス加工ステージおよび米飯成型体排出ステージへと順次搬送される少なくとも一つの成型ユニットと、上記米飯プレス加工ステージに設けられ、上記成型ユニット内の米飯をプレスして米飯成型体を形成するプレスヘッドを有するプレスユニットとを備え、
上記成型ユニットは、上記ターンテーブルのテーブル面に沿って開閉可能に組み合わされ、上面側から米飯が供給される成型キャビティを形成する一対の成型メンバーを含み、上記装置本体側には、上記米飯成型体排出ステージに到来した上記成型ユニットを開閉する開閉手段が設けられているとともに、上記プレスユニットは、上記成型ユニット内への上記プレスヘッドの押し下げストロークを検知して、そのストローク情報を上記開閉手段に与える検知手段を備え、
上記開閉手段は、上記プレスヘッドの押し下げストローク量が所定値以上である場合にのみ上記成型ユニットを開いて、その成型ユニット内の米飯成型体を取り出し可能とすることを特徴とする食品成型装置。 - 上記ターンテーブルには、上記成型ユニットを開閉するため上記各成型メンバーの基部側に挿通される一対の基軸が貫通されており、上記各基軸の上記ターンテーブル裏面側には互いに噛合して上記各成型メンバーを反対方向に回転させる開閉用ギアが設けられており、少なくともその一方の開閉用ギアが上記開閉手段によって駆動されることを特徴とする請求項1に記載の食品成型装置。
- 上記開閉手段は、上記ターンテーブルと平行な面内で環状に形成されたガイド通路と、上記いずれか一方の開閉用ギアに連結され、上記ターンテーブルの回転に伴って上記ガイド通路内を移動するカムローラとを備え、
上記ガイド通路は、上記ターンテーブルの垂直回転軸に対して同心状であって、上記各成型メンバーを閉状態に維持するように上記カムローラを移動させる第1ガイド通路と、上記米飯成型体排出ステージにおいて上記第1ガイド通路をバイパスするように形成され、上記各成型メンバーを閉状態から開状態そして閉状態となるように上記カムローラを移動させる第2ガイド通路とを含み、上記第1ガイド通路と上記第2ガイド通路の分岐部分には、上記カムローラの移動経路を上記いずれか一方のガイド通路に切り替えるセレクタレバーが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の食品成型装置。 - 上記ターンテーブル上に複数の上記成型ユニットが上記垂直回転軸を中心として同心かつ等間隔で配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の食品成型装置。
- 上記プレスユニットは、上記ターンテーブルに隣接して上記装置本体から垂直に立設されたガイド軸を有する基台を備え、上記ガイド軸に上記プレスヘッドを有するプレス本体がスライド可能に支持されているとともに、上記ガイド軸には上記プレス本体に当接して上記プレスヘッドの押し下げストローク量を段階的に規制し得るストッパ手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の食品成型装置。
- 上記ストッパ手段が、上記ガイド軸に回転可能に嵌合され、上端面に複数の異なる高さの規制面が螺旋階段状に形成された円筒体からなり、上記プレス本体には上記規制面のいずれか一つに当接する当接部が定位置に設けられており、上記ストッパ手段を回転させることにより、上記プレスヘッドの押し下げストローク量が変更されることを特徴とする請求項5に記載の食品成型装置。
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