JP3892372B2 - 一体成形面ファスナーとその製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂を用い、平板状基材及び多数の係合素子を連続的に一体成形して得られる面ファスナーとその製造装置に関し、特に前記係合素子が微小寸法であっても倒伏しにくく、不織布などの微細なパイル片に確実に係合すると共に、所要の係合力、剥離力及び高係合率が確保され、更には数回の係脱操作にも十分に耐え得る、紙おしめ、医療用簡易衣料、ナプキン類、各種作業用簡易衣料、肌着類等に適用するに好適な一体成形面ファスナーとその連続製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、使い捨て紙おむつ、医療用簡易衣料、ナプキン類、各種作業用簡易衣料、肌着類等などの止具として、熱可塑性樹脂を連続射出により成形して得られる平板状基材に微小寸法の多数の係合素子を一体に有する面ファスナーが多用されるようになってきている。この種の一体成形タイプの面ファスナーの係合素子の形態は、当該分野において広く知られているように大きくはフックタイプとマッシュルームタイプとに分けられる。
【0003】
その典型的なフックタイプの一体成形面ファスナーが、例えば米国特許第4,984,339号明細書や米国特許第5,537,723号明細書に開示されている。これらの成形面ファスナーは、いずれもドラム内から湾曲して延び周面に開口する略J字状の多数のキャビティが形成された円筒ドラムの周面に溶融樹脂を供給し、その周面に沿った薄板状の基材を成形すると同時に、前記キャビティに溶融樹脂の一部を充填して、基材の背面側に逆J字状のフックを一体に成形し、冷却後にドラムの周面からその成形品を剥ぎ取るようにして製造している。
【0004】
また、前述のようなフックタイプの係合素子における変形形態をもつ一体成形面ファスナーも、例えば特開平2−5947号公報や特開平6−133808号公報に開示されている。ただし、これらの成形面ファスナーの製造は、水平方向に細長く延びるスリット上に多数の略2葉のパームツリー状やT字状に起立させた開口をもつ押出ダイから溶融樹脂を押出し、薄板状基材上の押出方向にパームツリーやT字状の断面形状をもつ多条のリブを連続して成形し、一次成形品を製造する。次いで、前記一次成形品の前記リブを長さ方向に所定の肉厚で順次カットしてパームツリーやT字状の係合素子を密着させて形成したのちに、前記基材を成形方向に延伸して各係合素子を所望のピッチに離間させて最終形態をもつ成形面ファスナーを製造する。
【0005】
更に最近では、上記フックタイプの係合素子形態を大きく変形させた全く新規なフック形態をもつ成形面ファスナーが開発されている。それらの成形面ファスナーは、例えば特開平9−322812号公報や特開平11−56413号公報に開示されている。これらの公報による係合素子は、基材表面から上方に起立する起立部と、同起立部の上端でV字間隙をおいて成形方向に分離する首部と、各首部から成形方向の前後に略水平に延設された係合頭部とを有している。更に、その係合頭部の下面は先端に向けて斜め上方に傾斜しており、その上面が平坦面とされ、更にその成形方向の正面視で上面部分の左右に所定の上下肉厚をもつ膨出部を膨出させている。
【0006】
その基本的な製造方法は、既述した円筒ドラムを使った一次成形技術が適用されている。ただし、その成形時の基材表面に成形される係合素子の形態を、最初からJ状に成形するのではなく、成形方向の側面視で、起立部の上端に2本のV字状又は4本の十字状の傾斜して上方に延びる分岐部をもつ一次係合素子材を予備的に成形して、基材上に多数の一次係合素子材を一体成形した予備成形面ファスナーを製造している。そして、その予備成形面ファスナーの前記一次係合素子材の分岐部を押圧加熱してその上部を軟化変形させることにより、上述の従来にない特異な形態をもつ係合素子を成形している。
【0007】
一方、マッシュルームタイプの成形面ファスナーも古くから知られており、例えば米国特許第3,192,589号明細書によれば、その基材表面に多数の柱部が起立する予備成形面ファスナーを成形したのち、同成形品の柱部の先端を加熱軟化して半球状の係合頭部を改めて成形して成形面ファスナーを製造する。また、例えば特表平8−508910号公報には前記マッシュルームタイプの成形面ファスナーの改良技術が開示されている。この公報に開示された成形面ファスナーでは、前記一次成形品の柱部先端を押圧加熱して軟化させ、前記半球状の係合頭部に代わる円板状の係合頭部を成形している。
【0008】
ところで、前述のマッシュルームタイプの係合素子は全方向に係合するため、係合が方向性をもつフックタイプの係合素子よりも係合強度及び剥離強度が高いことも広く知られている。しかしながら、マッシュルームタイプの係合素子に対するパイルの係合機構は、パイルが首部に巻き付いた状態で係合頭部と係合する、いわゆる首吊り状態で係合するため、パイルを係合頭部から離脱させようとするとき、首部において係合素子が切断するか、或いはパイル自体が切断する確率が高く、繰り返し使用に耐えられないことが多く、同時に係合強度及び剥離強度が過剰に高くなりやすい。
【0009】
前記特表平8−508910号公報に開示された成形面ファスナーは、こうしたマッシュルームタイプの長短を踏まえて改良されたものであり、係合頭部の形態を略円板状にして微小なパイルへの係合率を高めると共に、その剥離強度を適度なものにし、上述の使い捨ておむつなどに取り付けられる各種の不織布の微小パイルに対する止具としても採用できるようとしている。かかる止具の用途は、既述したとおり急激に拡大しており、更なる改良が、例えば国際公開第98/57565号パンフレットによっても引き続き提案されている。その改良は、前記円板状の係合頭部の上面に微小な凹凸を多数形成することにより、係合頭部の柔軟性を増加させようとしている。
【0010】
一方、上記フックタイプの係合素子の場合には、マッシュルームタイプの係合素子と比較すると、パイルに対して係合しやすく、更には適正な係合強度と剥離強度が得やすい上に、剥離時においても係合素子やパイルの切断がなく、繰り返しの使用によく耐えられる。フックタイプのこうした長所を生かして使い捨ておむつなどの止具に採用すべく、上記特開平6−133808号公報、特開平9−322812号公報に続いて、例えば本発明者等により特願2001−6440号として既に提案されている一体成形面ファスナーがある。
【0011】
この一体成形面ファスナーも、連続成形により基材と共に成形される熱可塑性樹脂からなる微小な寸法の係合素子を備えた成形面ファスナーであり、前記係合素子が、直角に交差して略十字状断面をもつ第1柱部及び第2柱部を有した単一の柱部からなり、同柱部の上端部を中心として前記第1柱部の第2柱部に対する交差方向に沿って、それぞれが反対方向に翼状に延びると共に、前記第2柱部の上端の幅寸法と略同等の幅寸法を有する薄板片の係合頭部を有している。
【0012】
かかる特異な頭部形態をもつ微小な係合素子を成形する場合には、微細に密生する繊維パイルにも確実に係合すると共に、個々の係合素子に適正な係合力、剪断力及び剥離力を確保させ、同時に面ファスナー表面の感触を良好にし、基材表面から突出する係合素子の高さを従来のものと比較して低くすることができる。一方、柱部の断面形態を上述のように十文字状に形成しているため、押圧力に対する係合素子の倒伏を防いで相手方のパイル片との高い係合率を確保しつつ、この種の止具に要求される耐久性を満足し、平板状基材の所望の柔軟性と引き裂き強度をも確保し得ると言うにある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、上記特開平6−133808号公報に開示されたフックタイプの成形面ファスナーの製造技術によれば、一次的に成形された予備成形面ファスナーの基材上に立設された多数のリブを所定のピッチをもって長さ方向に順次切断したのち、基材をその長さ方向(成形方向)に延伸して個々の係合素子を所定の間隔まで離間させている。従って、係合素子の成形方向の肉厚は切断ピッチで決まり、その剛性も使用樹脂の材質とその切断肉厚によって決まる。従って、例えばかかる製法により、例えば不織布表面のような微小な寸法のパイルと係脱するの係合素子を得ようとする場合に、その成形方向の肉厚も当然に極めて薄いものとなり、成形方向に撓屈しやすく、その肉厚を大きくしないかぎり剛性を向上させることができない。
【0014】
また、上記特開平9−322812号公報や特開平11−56413号公報によるフックタイプの係合素子を備えた成形面ファスナーにあっても、係合素子の特異な形態から、前述のごとき起立部の倒伏などが減少し係合率も確保されてはいるものの、微小化すればするほど、必要とする剥離強度が得にくく、特に上述のごとき使い捨ておむつ類等に対する剥離強度の増加が強く要望されている。特願2001−6440号は、前述の公報による係合素子と比較すると、押圧力に対する係合素子の倒伏を防いで相手方のパイル片との高い係合率を確保しつつ、この種の止具に要求される耐久性を満足し、平板状基材の所望の柔軟性と引き裂き強度をも確保し得るとはいうものの、その係合力と剥離強度の点では未だ十分なものとは言えない。
【0015】
一方、上記特表平8−508910号公報や国際公開第98/57565号パンフレットに開示されているマッシュルームタイプの係合素子を備えた成形面ファスナーにあっては、微小ではあっても、その撓屈を防止し所要の剛性を付与するために、任意の太さをもつ茎部を成形することは可能である。しかるに、茎部に所要の剛性をもたせようとすると、必然的に茎部の径を太くせざるを得ない。
【0016】
茎部の径が太くなると、たとえ茎部から全方向に延出する係合頭部の延出長さを微小にしたとしても、係合頭部の径も茎部の径の増加分だけ必然的に大きくなり、微細な係合素子を成形することができず、仮りに大きく成形した場合には当然にループとの係合がし難くなる。更には、微小に成形したとしてもマッシュルームに特有な形態から派生する、いわゆる首吊り状態は回避できず、容易に柱部と係合頭部との間で切断してしまい、或いは容易に相手方のパイルを切断させ、必要とする耐久性を確保することが難しい。
【0017】
すなわち、従来のこの種の一体成形面ファスナーにおける課題は、使い捨て紙おむつ、医療用簡易衣料、ナプキン類、各種作業用簡易衣料、肌着類等などの止具として使用しようとすれば、例えば通常の不織布やメリヤスなどの表面に露呈する極めて微小なパイルを係合相手としなければならないため、必然的に一体成形面ファスナーの係合素子自体の寸法も微小なものにしなければならず、特に幼児などの柔らかな肌に触れやすいことから、柔軟性に富むと同時に表面の肌触りも優しいものでなくてはならない。更に、使い捨てとはいえ、少なくとも2〜3回の繰り返し使用には十分に耐えられなければならず、同時に剥離強度もおむつなどが容易に外れない強さが要求される。
【0018】
しかるに、従来の一体成形面ファスナーにあっては、係合素子の微小化は可能であるが、例えばマッシュルームタイプの係合素子では、未だに剥離強度が強すぎて、剥離時に微細なパイルや係合素子自体を損傷しやすく、或いは例えばフックタイプの係合素子では、微細なパイルや係合素子自体を損傷させることはないが、要求される剥離強度が確保できないなどの課題を残しているのが現状である。
【0019】
本発明は、こうした多様な課題を解決すべくなされたものであり、その目的は特に不織布やメリヤスなどからなる微細に密生する繊維パイルにも全方向性をもって確実に係合すると共に、個々の係合素子に適正な係合力、剪断力及び剥離力を確保させ、同時に面ファスナー表面の感触を良好にし、同時に相手方のパイル片との高い係合率を確保しつつ、この種の止具に要求される耐久性を満足し、平板状基材の所望の柔軟性と引き裂き強度をも確保し得る微小で且つ更に特異な係合素子形態をもつ一体成形面ファスナーとその製造装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段と作用効果】
かかる目的は、本発明に係る成形面ファスナーの主要な構成である、平板状基材の表面に相手方のパイル片と係脱する係合素子が一体に成形されてなる合成樹脂製の一体成形面ファスナーであって、前記係合素子は所要の高さを有する柱部と、同柱部の上端から基材の表面に沿って直交する第1方向及び第2方向に延出する第1及び第2の係合部を有する係合頭部とを備え、前記第1及び第2の係合部が異なる形状を有してなり、前記柱部は互いに交差して一体化された断面矩形状の第1柱部と第2柱部とを有し、前記第1係合部は、前記第1柱部の上端から同第1柱部の長辺方向に延出する偏平な翼状薄板状を呈し、前記第2係合部は、前記第2柱部の上端から同第2柱部の長辺方向に延出するフック状を呈してなることを特徴とする一体成形面ファスナーにより達成される。
【0021】
この発明にあっては、前記柱部の上端に形成される係合頭部が、基材の表面に沿って第1方向及び第2方向に延出する第1及び第2の係合部を有している。すなわち、第1及び第2係合部を平面視で見ると、例えばL字状、十文字状、上下に延びる第1係合部に対し異なる方向に延びる2以上の第2係合部からなる形状を有している。しかも、本発明にあっては前記第1及び第2係合部の形状が異なっている。例えば、第1係合部が翼状薄板片からなり、第2係合部が通常のフック片からなる。勿論、この逆であってもよく、また前記フック片の形状が単なる逆J字状のフック片でなく、略V字状やT字状であってもよく、更には略V字状やT字状の上面が平坦面とされ、その延出方向と直交する側縁から膨出部が延出する形状であってもよい。
【0022】
ここで本発明にあって翼状薄板片とは1/2の長円形、或いは矩形状、先端が鋭角をなす三角形状などの薄板片を含む。また、本発明にあっては前記翼状薄板片は上記柱部の上端から一方向に延出し、フック形状をもつ第2係合部も前記翼状薄板片に直交させて柱部の上端から他方へと延出する平面視で略L字状を呈する場合や、翼状薄板片及び第2係合部が柱部の上端を挟んで、それぞれ反対方向に延出する略十字状となるように形成するこもができる。更には、2以上の第2係合部を翼状薄板片を横切るようにして平行に延出させることもできる。
【0023】
前記翼状薄板片の側面視における形状も単なる直線状でなく、その肉厚を基端から先端にかけて漸次減少させてもよく、特にその下面を先端に向けて上傾斜する傾斜面に形成することもできる。また、その延出長さや幅寸法も任意に決めることができるが、前記柱部の上端部分の幅寸法との関係により、また係合相手である不織布表面のパイルの大きさや形態によっても変更される。因みに、使い捨て紙おむつ類などのパイル係合部に使用される不織布やメリヤスの表面から飛び出ているパイルの高さは0.35〜1.1mm程度であって、極めて微小である。
【0024】
従って、出来るかぎり係合頭部の肉厚を薄く形成すると共に、その幅寸法も小さく設定すれば、前述のような微小なパイルに係合頭部を侵入させることができる。しかしながら、余りにも係合頭部の肉厚を薄くし、その幅寸法も小さくし過ぎると、所要の係合強度や剥離強度が得られなくなるため、その肉厚や幅寸法は任意に制御できることが極めて重要である。例えば、係合頭部の先端における上下肉厚を、その基端部よりも薄くすることもでき、この場合には相手方パイルに侵入しやすくなるばかりでなく、一旦パイルが係合すると、係合頭部の基端部寄りの上下肉厚が厚いため、係合力及び剥離力が増加する。因みに、本発明の形態を有する係合素子とパイルとの係合態様は、パイルが柱部を中心として双方に延出する一対の第1又は第2係合部に同時に絡まり、係合頭部の柱部寄りに引っ掛かることにより係合することが多い。しかして、特に翼状薄板片もフック片も柱部によって片持ち状に支持されているため、マッシュルームタイプと異なり、比較的容易にパイルから外れる。
【0025】
前記第1の係合部である翼状薄板片の先端を基材表面に向けて湾曲させて形成することもできる。この翼状薄板片の基本形態は水平な薄板状であるが、この発明では、その翼状薄板片の先端を下方に向けて湾曲させている。この湾曲により、一旦係合したパイルはその湾曲部分に引っ掛かるようになり、係合強度及び剥離強度も増加する。更に、第1及び第2係合部からなる係合頭部の上面中央部を、他の上面部よりも僅かに凹ませて形成することが好ましい。この凹み部分により、係合素子に係合するパイルを外そうとするとき、凹み部分と第1柱部から延出する係合頭部との境界で屈曲しやすくなり、例えば係合頭部の基端部分の上下肉厚が厚い場合にも、パイルを容易に係合頭部から外すことができるようになり、必要な剥離強度が得られる。
【0026】
前記柱部は前記第1及び第2の係合部と同一方向で交差する水平断面を有することが望ましい。また同柱部は、その基端から上端にかけて、断面積が漸次減少するように形成してもよい。本発明において、柱部断面が略十字状やL字状を呈する場合には、直交して交差するx方向及びy方向の剛性が増加するため、材料の使用量を少なくしても、撓屈のしにくさは前記第1及び第2柱部の幅寸法と同一寸法を一辺とする正方形断面や、同じく幅寸法と同一の直径をもつ円形断面の柱部と比較しても劣ることはない。
【0027】
しかして、前記柱部を単なる矩形状の柱部から構成する場合には、相手方パイルと係合させようとして上方から押圧したとき、或いは係合しているパイルを外そうとするとき、その根元で最も倒屈しやすい。そこで、好ましくは、前記柱部の断面積を、上記係合頭部に向けて漸減させて、基端部側の剛性を増して倒伏しにくいようにする。
【0028】
上記基材も単なる平板から構成せずに、前記基材の成形方向に隣接する前記柱部の間に凹陥部を形成することが望ましい。このように、前記係合素子を前記凹陥部の底面から上方に立ち上げる場合には、係合頭部の先端下面と柱部の起端(凹陥部の底面)との間の距離を従来と同一に設定しても、係合頭部の先端部下端と凹陥部以外の基材の表面との距離は柱部の基端からの実際の高さと凹陥部の深さとの差に等しくなり、基材から立設する係合素子の実際の高さが従来と同一寸法であるにも関わらず、基材表面に突出する見掛けの高さは凹陥部の底面深さを差し引いた短い寸法となる。また、基材表面に前記凹嵌部を形成すると、見掛けの厚さは従来と同様であっても基材の柔軟性が著しく改善されることになるばかりでなく、その成形にあたっても成形終了後の面ファスナーを成形型から引き剥がすときに、基材が無闇に延びたり、或いは引き裂かれることなく安定して引き剥がすことを可能にする。
【0029】
その結果、成形後の製品も基材が波打つようなことがなくなり、実用に十分耐え得る高品質の製品が得られる。そして、前記凹陥部の底面からの柱部の高さを、同底面から前記係合頭部の先端部頂点までの高さの略1/5〜4/5とする場合には、基材の凹陥部以外の表面から突出する柱部の部分が比較的低くなるため、それだけ柱部の倒伏がしにくくなり、係合時における形態を安定化させる。更に、前記凹陥部を相手方パイルが導入可能な幅を有している場合には、同パイルとの係合率が向上する。
【0030】
本発明において、好ましい係合素子の寸法形態は、特に前記係合頭部の先端部頂点と基材の表面との間の長さが0.1〜1.2mm、同係合頭部の柱部からの延出長さが0.2〜0.5mm、柱部の高さが基材表面から0.005〜1.0mmである。これらの数値範囲は本発明の係合対象である微細な形態を有するパイル片(パイル)に対する係合が確保されるに充分な基本的な数値範囲であり、しかも係脱時における剛直感のない範囲でもある。特に、それらの下限値は通常の不織布における最も微細な形態をもつ繊維パイルであっても確実な係合を可能にする値である。
【0031】
上述のごとき形態をもつ係合素子の基材上の配列は、前記第1及び第2係合部が前記基材の成形方向に直交して配され、第2係合部が前記基材の成形方向に平行に配される。しかし、前記第1係合部が前記基材の成形方向に平行に配され、第2係合部を前記基材の成形方向に直交して配すようにすることもできる。このように、成形方向又はそれと直交する方向の2つの異なる方向に係合頭部を向けるには、後述する製造方法に係る発明において、その第1及び第2係合部の成形用キャビティ部分の方向を90°転回させて形成することにより得ることができる。
【0032】
その結果、延出方向をそれぞれ90°変えた第1及び第2係合部が、基材の成形方向に混在して配されるようになる。このように、第1係合部と第2係合部とが、それぞれに成形方向とそれに直交する方向の2方向を向く係合素子を混在させることにより、相手方のパイルとの係合率が向上する。また、その配列の仕方は任意であり、基材表面にマトリックス状に交互に配することもでき、或いは千鳥状に配することもできる。
【0033】
こうした形状をもつ係合素子を備えた成形面ファスナーは、次のような連続製造方法により効率的に且つ容易に製造できる。すなわち、周面に開口すると共に所定の深さまで直線的に延びる主キャビティと、周面に開口せず前記主キャビティの途中から成形方向又はその横断方向に分岐して延びる第2係合部成形用キャビティとからなる多数の予備成形素子成形用キャビティを有する円筒ドラムを一方向に回転させること、前記円筒ドラムの周面に向けて溶融樹脂を連続射出して、その周面に沿って上記基材を成形すると同時に、同基材の背面側に多数の予備成形素子を起立させて成形すること、回転する前記円筒ドラムの周面に担持されて移動する基材上に前記予備成形素子を有する帯状の前記予備成形面ファスナーを前記円筒ドラムの周面から連続して引き剥がすこと、引き剥がされた前記予備成形面ファスナーを加熱押圧部に連続的に移送すること、及び移送される予備成形面ファスナーの基材表面から一体に起立する前記予備成形素子の少なくとも直線的に起立する予備成形部を前記加熱押圧部により押圧加熱して偏平な翼状薄板片に溶融変形させて、第1係合部を順次成形することを備えている。
【0034】
この製造方法にあって、円筒ドラムの周面に形成されたキャビティの形状と、同キャビティにより成形される係合素子の予備成形素子の形態にある。この予備成形素子の形態は、従来のマッシュルームタイプの成形時におけるごとく基材の背面側から単なる同一断面で起立する予備成形材を成形するものではなく、予備成形素子の基端部側に任意の断面を有する予備成形柱部と、その部分に連続して直線状に立ち上がる予備成形第1係合部と、前記予備成形柱部の上端から分岐して延出する予備成形第2係合部であるフック片とを有している。
【0035】
前記加熱押圧部の押圧加熱により予備成形第1係合部を偏平な翼状薄板片に溶融変形させると共に、前記予備成形第2係合部の上端をも同時に溶融変形することを含む場合がある。この場合には、予備成形第2係合部の形態は予備成形柱部から分岐するとき、始めから先端が下方に向くようにフック状に湾曲して成形してもよいが、斜め上方に直線的に立ち上げて分岐させることが好ましい。このような直線状の形態に成形すると、予備成形第2係合部の上端部が加熱押圧部により基端部を湾曲しながら押圧加熱され、その先端から中央にかけて上面が平坦なフック状に溶融変形する。かかる形態により、完全なフック状よりも小さくはなるが、相手方のパイルとの所要の係合力を得ることができる。
【0036】
一方、前記予備成形第2係合部の上端と基材表面との距離を、前記予備成形第1係合部の上端と基材表面との距離よりも短く設定することが好ましい。この予備成形第1係合部と予備成形第2係合部との基材から上端までの距離の差は、以降の成形により得られる第1係合部の柱部からの延出する長さ及びその幅寸法、肉厚などによって決められる。第1係合部の肉厚と延出長とは、その予備成形第1係合部の樹脂量と前記加熱押圧時の押圧による変形量とを制御することにより、制御することができる。また、第1係合部の向きも、柱部の断面を例えば矩形としたとき、その長辺の方向を成形方向又は成形方向と直交する方向に選択することにより、その延出方向の向きを任意に変更させることができる。
【0037】
この予備成形素子は、以降の押圧加熱して予備成形第1係合部を上記予備成形柱部の略上端まで溶融変形させることにより、本発明における上述の特異な形態を有する係合素子が成形されるものであり、前記予備成形柱部自体は格別に溶融変形することなく、そのままの形状を維持して後の係合素子の柱部となり、その上端から直線的に上方に延びる予備第1係合部が、後に加熱押圧されて溶融変形し略翼状薄板片からなる第1係合部を成形する。また、上記予備成形柱部の上端から側方に分岐して延出する予備第2係合部は、その成形形態により、上記押圧加熱による溶融変形がされる場合と、押圧加熱の影響を受けない場合とがある。
【0038】
かかる方法は本発明の一体成形面ファスナーの製造装置により、連続的に製造される。その製造装置は、周面に開口すると共に所定の深さまで直線的に延びる主キャビティと、主キャビティの途中から成形方向に分岐して延びる第2係合部成形用キャビティとからなる多数の予備成形素子成形用キャビティを有し、一方向に回転する円筒ドラムと、前記円筒ドラムの周面に向けて溶融樹脂を連続射出して、その周面に沿って上記基材を成形すると同時に、同基材の背面側に多数の予備成形素子を起立させて成形する連続射出装置と、回転する前記円筒ドラムの周面に担持されて移動する前記基材上に前記予備成形素子を有する帯状の予備成形面ファスナーを前記円筒ドラムの周面から連続して引き剥がすテークアップ手段と、引き剥がされた前記予備成形面ファスナーの基材表面から一体に起立する前記予備成形素子の少なくとも直線的に起立する予備成形部を押圧加熱して翼状薄板片に溶融変形させて、第1係合部を順次成形する加熱押圧部とを備えてなることを特徴としている。
【0039】
前記加熱押圧部は、前記予備成形面ファスナーの載置移送面を備えた内部加熱装置と、前記載置移送面に平行な上方の平面に含まれ前記予備成形面ファスナーの移送方向と直交する方向に延びる回転軸を有する押圧回転ロールを備えており、前記押圧回転ロールの下端位置と前記載置移送面との間の間隙は、前記基材及び上記柱部の上下方向の寸法和に、前記第1係合部の上下方向の設定寸法を加算した寸法と等しく設定されている。前記内部加熱装置とは、超音波加熱装置や高周波加熱装置のごとく、溶融対象となる樹脂材料に外部から加熱することなく、材料自体の分子の移動による内部発熱を伴う装置を言う。上述のごとき、連続射出装置と円筒ドラムとテークアップ手段と熱押圧部とを連続的に配設することにより、連続する基材上に上述の形態をもつ多数の係合素子が一体に成形される本発明の成形面ファスナーを効率的に且つ連続的に製造することができる。
【0040】
また本発明は、上記押圧回転ロールに変えて、前記載置移送面の上方に配され、その下面と同載置移送面との間隔がファスナー移送方向に漸減する傾斜面を有する加熱押圧部材を備えており、前記載置移送面と前記傾斜面との間の最も狭い部分の間隙が、前記基材及び上記柱部の上下方向の寸法和に、前記第2係合部の上下方向の設定寸法を加算した寸法に等しくしている。
【0041】
加熱押圧部の押圧面と基材表面との間の最小間隙を上述のごとく設定すると、回転ドラム上で成形された予備成形面ファスナーを前記加熱押圧部に導入し、通過させるだけで上記形態を有する係合頭部が連続して形成されることになる。ここで、押圧回転ロールの押圧面及び前記傾斜面部と基材表面との間の最小間隙は、通常、上記予備成形第1係合部を押圧変形したとき、丁度その上下肉厚が予め設定された第1係合部の肉厚と等しくなるように設定されるが、その間隙が僅かに大きいときは、前記予備成形第1及び第2係合部と予備成形柱部との境界領域が溶融変形せず、柱部と係合頭部との間に首部を有するようになる。
【0042】
このような首部が形成される場合も、本発明の技術的範囲に包含されることはいうまでもない。柱部と係合頭部との間に首部を成形する場合には、相手方のパイルが前記首部に巻き付けられるように係合したとき、これを外そうとすると、前記首部が揺動してパイルを剥離方向に傾動させ、首部が存在しないときと比較してパイルを更に外しやすくし、パイルの無用な切断を防止する。
【0043】
また、加熱押圧部の加熱温度を材料樹脂の融点に近くし、或いは予備成形面ファスナーの押圧加熱時間を長くすると、係合頭部の延出側端部の軟化が進み、自重により下方へと湾曲して垂れ下がるようになり、相手方との係合力を増加させることができる。
【0044】
更に、本発明に係る成形面ファスナーの前記製造において、予備成形面ファスナーの成形にあたって、例えば円筒ドラムに冷却手段を内蔵し、或いは円筒ドラムの予備成形面ファスナー随伴領域を冷却槽内に浸漬し、積極的に冷却させると共に、前記加熱押圧手段を通過した上記成形面ファスナーは格別の冷却手段によって積極的に冷却することをせず、常温で徐冷してから巻き取って製造を終了させることが好ましい。加熱されて軟化変形した係合頭部を徐冷固化することにより、同加熱部分における結晶化が進み、係合頭部は柱部に較べて剛性が高くなる。このときの加熱域、加熱時間及び加熱温度は、係合素子の寸法や変更形態に応じて適当に制御が可能である。
【0045】
このように、基材と予備成形素子の柱部とが結晶化が進まないままに急冷固化された一体成形面ファスナーにあっては、基材と柱部とが柔軟性を保持し、前記係合頭部は剛性が高くなるため、例えば係合素子が微小な寸法で極めて柔軟性の高い成形面ファスナーであっても、その係合頭部の剛性が確保されることになり、曲げ強さを向上させて、剪断方向の抗力は当然のこととして、所要の係合強度及び剥離強度をもつ本発明の成形面ファスナーが得られる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図示実施例に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の第1実施例である典型的な係合素子形態をもつ成形面ファスナーの一部平面図、図2は図1のII-II 線に沿った断面図、図3は同III-III 線に沿った断面図であり、図4は前記成形面ファスナーの一部を斜め上方から見た立体図である。
【0047】
本実施例による係合素子2は、平板状基材1の一表面に垂直に立ち上がる柱部21を有すると共に、その上端に、成形方向(y方向)と直交して、それぞれ反対方向を向いて翼状に延出する第1係合部22aと、成形方向にそれぞれが反対方向を向いて延出するフック状の第2係合部22bとからなる係合頭部22を有している。前記柱部21は、互いに直交して一体化された第1柱部21aと第2柱部21bとを有し、その基端から上端までの断面の全てが略十字状をなしている。しかして、柱部21の断面形状は、例えば円形、長円、単なる矩形、多角形など任意に決定し得る。
【0048】
本実施例にあっては、矩形断面をもつ前記第1柱部21aの第2柱部21bと交差する方向の寸法W1は上下にわたって略等しく設定され、前記第2柱部21bの第1柱部21aと交差する方向の寸法W2は、その下端部を成形方向に緩やかに湾曲して立ち上がり、その途中から上端にかけて漸減するように変化させている。このように前記柱部21の断面を十字状とすることにより、成形面ファスナー10の成形方向及び同成形方向に直交する方向の剛性を増すことができ、面ファスナー10の係合時の押圧に対して、或いは係合素子2の係合を外す剥離時においても倒伏しにいものとなる。更に、それらの第2柱部21bを上端から基端にかけて、成形方向に漸増させているため、単に上端から基端まで同一寸法とする場合と比較して、基端部における撓屈及び係合素子2の倒伏が回避できる。因みに、本実施例によれば、上記基材1の肉厚は0.1mm、第1柱部21aの上下方向の高さは0.40mm、前記第1柱部21aの成形方向と直交する方向の寸法W1は0.45mm、第2柱部21bの同じく成形方向と直交する方向の幅寸法W2は全て0.15mm、成形方向に隣接する係合素子2の間隔は1.2mm、成形方向に直交して隣接する係合素子2の間隔は1.25mmとされている。
【0049】
また、本実施例による柱部21の上端からは、成形方向と直交する方向に第1係合部22aが略水平に延出し、成形方向に沿って第2係合部22bがフック状に延出している。柱部21を中心として成形方向に直交して略水平に延びる一対の第1係合部22aの形態は、図1及び図2に示すごとく、上面が略平坦面とされ、その上下方向の肉厚をほぼ等しくした翼状薄板片からなる。この第1係合部22aの全体形状は、図1に示すように延出方向端縁が円弧状の略長円形を呈している。更に、前記第1係合部22aの成形方向の幅寸法W3は前記第1柱部21aの同方向における幅寸法よりも僅かに大きくなっている。因みに、本実施例では前記寸法W3は0.28mmであり、延出方向の全長は0.69mm、基材表面から上面までの高さは0.5mmである。
【0050】
一方、上記第2係合部22bは前記第1係合部22aよりも背が低く形成され、その上端の頂点の高さは前記第1係合部22aの下面と略等しいか、それよりも僅かに高く設定される。また、第2柱部21bの上端からフック状に湾曲する先端は、基材1の表面に向けられている。因みに、本実施例にあっては、前記第1係合部22aの基材1からの頂点高さは0.4mmであるのに対して、第2係合部22bの基材1からの頂点高さは0.35mmである。柱部21から反対方向に延びる一対の第2係合部22bの先端間の距離は0.92mmであり、上述のごとく第1係合部22aの上記寸法W3が0.28mmであることから、同第1係合部22aから突出する第2係合部22bの延出長さは、それぞれ0.32mmとなる。
【0051】
本実施例による係合素子2は以上の構成を備えるため、相手方の係合素子であるパイルに対して本来的に係合がしやすい形態である薄板形状の第1係合部22aとフック状の第2係合部22bとが、柱部を挟んで成形方向とこれを横断する方向との2方向に十字状に延出しているため、全方向性をもって相手方のパイルと係合することができるようになり、しかもその一部がフック状の係合部であるがため係合力も一段と増し、更には第1係合部22aと第2係合部22bとの間の高さに差を設けているため、高さの異なるパイルに対しても遍く係合が可能となるため、係合率も向上する。
【0052】
また、係合頭部22は第1柱部21a及び第2柱部21bにより、原則的には首部を介して十字状に支持されるため、その延出途中で簡単には屈曲することがなく、適度な剛性が付与される。更に加えて、本実施例によれば、後述する本発明による係合素子2の成形手法によって、前記係合頭部22が柱部21よりも結晶化が進むため、係合頭部22自体の剛性も柱部のそれより高くなっている。
【0053】
また、本実施例による係合頭部22の上面中央部22cは他の上面22bよりも僅かに凹んで形成されている。このように、係合頭部22の上面中央部22c’が、他の上面部分よりも僅かに凹んで形成されているため、その凹み部分により、係合素子2に係合するパイルを外そうとするとき、凹み部分と第1柱部21aから延出する係合頭部22との境界でその延出部分が屈曲しやすくなり、例えば係合頭部22の基端部分の上下肉厚が厚い場合にも、係合頭部22からパイルを容易に外すことができるようになり、しかも所要の剥離強度が得られる。
【0054】
更に上記実施例にあっては、柱部21の上端部を含む係合頭部22の全体が、既述したとおり、前記平板状基材1及び柱部21と比較してより高剛性に構成されると共に、剥離時の曲げやすい構造としているため、係合素子2の形態の安定性と相手方パイルに対する保持力とがより高まり、同時に剥離時には適度な強力を有するようにしている。なお、既述した係合素子2の各部の寸法は最も好適な例を示しているに過ぎず、その値は相手方のパイルとの関係において、本件特許請求の範囲に記載された技術的範囲において多様に変更し得るものであって、上記寸法に限定されないことは当然である。
【0055】
上記略矩形薄板状の係合頭部22は、従来の単純な倒立J字状、L字状或いはT字状の係合素子には期待できなかった以下の様々な有用な機能を生み出す。
その機能の一つに、係合頭部22の上面22bを既述したとおりほぼ平坦面とすることを可能にし、上面22bのチクチク感を改善させる機能を発揮する。その二は、柱部21の特異な形状により、従来の柱部における使用樹脂量より少ない樹脂量で、ほぼ同一の剛性が確保される。
【0056】
その機能の三として、係合頭部22に係合する相手方のパイルは、それとの係合時に、従来のフックタイプの係合頭部のようにフック状に湾曲し略同一の太さをもつフックに単に引っ掛けるだけの機能ではなく、柱部21の上端部に巻き付いた状態で反対方向に延出する一対の第1係合部22a又は第2係合部22bに同時に引っ掛かり、同係合頭部22から相手方パイルを外れ難くして、係合頭部22による係合力の大幅な向上を図っている。
【0057】
しかも、本実施例にあって柱部21から片持ちで支持されて延出する第1及び第2係合部22a,22bは、従来の柱部の上端から全方向に延出する傘状の係合頭部を有するマッシュルームタイプの係合素子と異なり、第1係合部22aも第2係合部22bも、柱部21から反対方向に延在する2葉状を呈するため、前述のようにパイルが係合頭部22の一対の延出部分の基端部下面から略直線上に下方に延びる各柱部21の上端部に巻付いた状態で引っ掛かったとしても、剥離方向に力が作用すると、第1係合部22aも第2係合部22bも、柱部21の上端を介して弾性的に起立変形すると同時に前記パイルが僅かな摩擦抵抗を受けながら係合頭部22の周縁を巡って円滑に移動して無理なく外れる。
【0058】
そのため、本実施例による係合素子2は、従来の単純なフック形状からなる上記係合頭部に対する離脱力より充分に大きく、且つマッシュルームタイプの係合頭部に較べて係合素子2及びパイルの双方に切損が発生せず、微小な寸法であるにも関わらず所要の係合力が確保される。
なお、上記実施例では同列の係合素子2と隣合う列に配される係合素子2とが真横にくるように配置しているが、列間の係合素子2の配列は、例えば千鳥状に配置することも可能であり、この場合には平板状基材1の係合素子列に直交する方向の亀裂も確実に防止される。
【0059】
また、上記実施例では成形方向に並ぶ係合素子2の柱部21から延出する第1係合部22aの延出方向を全て成形方向と直交する方向とし、第2係合部22bの延出方向を成形方向としているが、図5に示すように、その第1係合部22aの延出方向と第2係合部22bの延出方向を逆にすることも可能である。そのため、図5に示すように、第1係合部22aが成形方向と直交する方向に延出する係合素子2と、第1係合部22aが成形方向と平行に延出する係合素子2とを交互に配することができ、その全体の配置を、例えば図6に示すように、第1係合部22aの延出方向が同じである係合素子2を千鳥状に配置し、その中間に第1係合部22aが前記延出方向と直交して延出する係合素子2を配することも可能である。
【0060】
こうした構成を有する本発明の一体成形面ファスナー10は、上記特開平11−56413号公報に開示されている装置の一部の構成を変更することにより容易に且つ連続的に製造することが可能である。
図8は本発明の一体成形面ファスナーの連続製造装置とその製造手順の好適な実施例を概略で示している。
【0061】
図中の符号111は連続射出装置110の射出ノズルであり、該ノズル111の先端の曲面は後述する円筒ドラム100と略同一の曲率をもつ円弧面111aを有し、同射出ノズル111は前記円筒ドラム100の曲面に対して成形しようとする上記基材1の肉厚に相当する間隙を形成して対設されている。この射出ノズル111はT形ダイからなり、先端円弧面111aの中央部に形成された樹脂射出口111bからは所定の樹脂圧と一定の流量をもって溶融樹脂11が連続的に射出される。
【0062】
前記円筒ドラム100の基本構造は上記特開平11−56413号公報に開示されたドラム構造の一部を変更するだけで利用することができるため、ここではその構造については簡単な説明に止める。前記円筒ドラム100は内部冷却手段である水冷ジャケット100aを有する中空ドラム状をなしており、周面が成形面ファスナー10の一部成形面としての機能を有しており、上述のように上記射出ノズル111の先端円弧面111aとの間に上記間隙をもたせると共に、円筒ドラム100の軸線を前記射出口111bに平行に設置している。
【0063】
本発明にとって最も重要な構成部材は回転ドラム100にあり、特にその周面に形成される予備成形素子成形用キャビティ101の構造にある。本実施例における前記キャビティ101は、図9に示すように、回転ドラム100の周面に十文字状に開口すると共に所定の深さまで直線状に延びる主キャビティ101aが形成されており、その主キャビティ101aの1/3の位置から矩形断面の長辺部中央から成形方向に分岐して斜めに延びたのち湾曲し、その先端をドラム周面に向けた第2係合部成形用キャビティ101bが形成されている。ここで、前記主キャビティ101aの開口から1/3の位置から奥に向かっては断面が矩形とされ、その断面が奥に行くに従って漸次小さくなり、その終端は円弧面で終わっている。従って、この実施例による予備成形素子成形用キャビティ101の全体形状は、三叉の槍先の形状に類似する。
【0064】
かかるキャビティが周面に多数形成された円筒ドラム100を一方向に回転させると同時に、その周面に向けて上記射出ノズル111から溶融樹脂11を連続して射出することにより、ドラム周面に沿って上記基材1が成形されると同時に、前記キャビティ101に前記溶融樹脂の一部が充填し、前記基材1の背面側には基端部から1/3の位置にかけて直線的に延びる十文字断面を有する予備成形柱部21’と、同予備成形柱部21’から上端まで直線的に延びる予備成形第1係合部22a’と、予備成形柱部21’の上端から二股に分岐したフック状の第2係合部22bとからなる予備成形頭部22’をもつ予備成形素子2’が一体に成形され、回転する前記円筒ドラム100の周面に連続して帯状の予備成形面ファスナー10’を成形する。
【0065】
回転する円筒ドラム100の周面に担持されて移動する予備成形面ファスナー10’は、円筒ドラム100に内蔵された水冷ジャケット100aと円筒ドラム100の下半部が浸漬された冷却水槽102を通して積極的に冷却されたのち、テークアップ手段であるテークアップローラ103により円筒ドラム100の周面から引き剥がされる。剥がされた予備成形面ファスナー10’は上下のフィードローラ104a,104bにより次工程に配設された加熱押圧部150に移送される。
【0066】
図8Aによれば、前記加熱押圧部150は、前記予備成形面ファスナー10’の移送方向と直交する方向に延び、同予備成形面ファスナー10’を下方から支持する載置移送面150a’を有する超音波ホーン150aと、前記載置移送面150a’との間に所要の間隙G1をおいて配設される上部押圧ロール150bとを備えている。前記超音波ホーン150aと上部押圧ロール150bとの間の間隙G1は、完成品である本発明の成形面ファスナーの前記基材1及び上記柱部21の上下方向の寸法和に、前記係合頭部22の上下方向の設定寸法を加算した寸法よりも若干小さく設定される。
【0067】
なお、本発明における加熱押圧部150は、前記超音波ホーン150aと上部押圧ロール150bからなる以外にも、例えば図8Bに示すように上面を予備成形面ファスナー10’の載置移送面150c’とする下部支持部材150cと、その上部に予備成形面ファスナー10’の移送方向に下傾斜面150eを有する上部加熱押圧部材150dとを備えさせることもできる。この場合には、上部加熱押圧部材150dの前記載置移送面150c’と前記傾斜面150eとの間の最も狭い部分の間隙G2が、前記基材1及び上記柱部21の上下方向の寸法和に、前記係合頭部22の上下方向の設定寸法を加算した寸法よも若干小さくに設定される。
【0068】
図9は、本実施例における上記予備成形素子成形用キャビティ101の具体的な構造例を示している。この場合、前記円筒ドラム100は複数枚の薄いリング状円板100bを同心上に重ねて構成されている。図示例では3枚の第1〜第3のリング状円板100b−1〜100b−3により1個の予備成形素子成形用キャビティ101が形成される場合を示している。なお図9では、理解を助けるため切り欠きを大きく描いており、その大きさに較べて各リング状円板100b−1〜100b−3の板厚を薄く示しているが、実際にはその板厚は切り欠きの大きさよりも十分に厚いものである。
【0069】
同図において、3枚のリング状円板100b−1〜100b−3のうち中間に挟まれる第2リング状円板100b−2は、その周方向に所要の切欠き幅をもって僅かにその幅を減少させながら所要の長さ直線的に切り欠かれている。また、周面がわから略1/3の位置にて、左右に分岐して先端を円周側に向けた円弧状の切り欠きを形成している。一方、第2リング状円板100b−2を挟む2枚の第1及び第3のリング状円板100b−1,100b−3は、その周方向の当初の切欠き幅を第2リング状円板100b−2の当初の切欠き幅よりも略1/2程度短く設定され、第2リング状円板100b−2の前記円弧状の切り欠きを過ぎた部分から、第2リング状円板100b−2の直線的に切り欠き部分と同一幅をもち、同切り欠き部分と同一長さの直線的な切り欠きを形成している。
【0070】
これらの第1〜第3のリング状円板100b−1〜100b−3を順次重ね合わせると共に、切欠きのない同径のリング状円板100bを重ねると、図7にハッチで示す開口をもつ予備係合素子成形用キャビティ101が形成される。また、このキャビティ101は円筒ドラム100の回転方向に対して5〜15°傾斜させて形成する。こうすることにより、円筒ドラム100から予備成形面ファスナー10’を引き剥がしたとき、予備成形素子2’が基材1の表面上に直立した状態となる。
【0071】
しかして、図9に示すドラム構造は、上述のごとく複数枚のリング状円板100bを重ねて構成される場合の例を示しているが、例えば単一の材料から構成される円筒ドラムであっても、その周面に、例えば機械加工や放電加工、或いはエッチング加工により前述の孔構造を有するキャビティ101を一気に形成することも可能であることは理解できよう。なお、上記予備成形素子成形用キャビティ101の形状は上述の形状に限定されるものはなく、適宜変更することが可能である。
【0072】
こうした構成を備えた円筒ドラム100は、図示せぬ公知の駆動装置により図8Aに矢印で示す方向に駆動回転する。前記円筒ドラム100は、既述したとおり、内部に水冷ジャケット100aを備えており、また同ドラム100の下方に冷却水槽102が設置されており、前記円筒ドラム100の略下半部が同冷却水槽102の内部に浸漬されている。この冷却水槽102の上斜め前方には前後一対のテークアップローラ103が設置されると共に、成形される本発明の最終製品である成形面ファスナー10の素材をなす帯状の予備成形面ファスナー10’の耳部を切除するための切断手段を備えた図示せぬトリミング装置が設置されている。また、同トリミング装置の前方には、フィードローラ104a,104bを介して上記係合頭部22を形成するための上述したとおりの加熱押圧装置150が設置されている。
【0073】
本実施例によれば、前記加熱押圧装置150には、既述したとおり超音波の工具ホーン150aが適用されている。この超音波ホーン150aに代えて高周波の電極金型を使うこともできる。これらの内部加熱装置150によれば、上記押圧ロール150bにより押圧される樹脂成形部分の押圧部のみが樹脂の内部で局部的に急速加熱されて変形するため、その変形部分以外の部分には加熱による影響がなく、従って変形部分以外の樹脂成形部分の物性は初期と変わらない。従って、本発明によれば通常の外部加熱による変形時に発生する変形部分以外の加熱による影響を考慮する必要がない。
【0074】
前記加熱押圧装置150は、予備成形面ファスナー10’の移送路に作用面を配し、移送される予備成形面ファスナー10’を下方から支持するようにしている。前記作用面は、移送されてくる前記予備成形面ファスナー10’の基材1の下面の載置移送面150a’を構成する。また、前記押圧ロール150bの周面の下端は、前記予備成形面ファスナー10’の予備成形第1係合部22a’の先端が通過する平面より低い位置となるように配されている。このときの超音波ホーン150aと押圧ロール150bとの間隙設定は、製造される成形面ファスナー10の係合頭部22の上面と基材1の下面との間の間隔により決まる。一方、前記押圧ロール150bの下方に対向して配される超音波ホーン150aの上面は前記予備成形面ファスナー10’の基板1の下面が移動する平面上に位置して設置される。
【0075】
前記押圧ロール150bの軸支位置は図示せぬ高さ調整手段により調整が可能とされており、また前記加熱押圧装置150の加熱温度及び加熱速度は印加電力により容易に制御が可能である。しかも、従来の加熱ロールや加熱板による外部加熱と異なり、急速加熱が可能であるため、一次成形品の成形速度に同調させて二次成形が可能となる。また、加熱を局部的に集中させることができるため、押圧ロール150bなどの押圧部材も小型化でき、内部加熱装置と共に設置空間を大きく低減させることもできる。前記押圧ロール150bは成形品の移送速度に同調して積極的に駆動回転させる。
【0076】
以上の具体的構成を備えた成形面ファスナーの製造装置による本発明の成形面ファスナー10を製造する手順を、図8及び図9に基づいて具体的に説明する。射出ノズル111から所定の樹脂圧をもって連続的に射出される溶融樹脂11を一方向に回転する円筒ドラム100との間に形成された間隙に連続的に導入する。この導入により、前記溶融樹脂11の一部が前記間隙を充填させて基材1を成形すると同時に、円筒ドラム100の周面に形成された上記予備成形素子用の成形用キャビティ101に順次充填され、円筒ドラム100の回転と共に基材1の表面に多数の一次成形材である、図12に示すような特異な形態の予備成形素子2’を一体に成形しながら、前記予備成形面ファスナー10’を連続的に成形する。
【0077】
円筒ドラム100の周面を、本発明の面ファスナー10の一次形態を有する予備成形面ファスナー10’が円筒ドラム100の略半周面をテークアップローラ103により案内されて周回し、その間に予備成形面ファスナー10’は円筒ドラム100の内部から水冷ジャケット100aにより積極的に冷却されると同時に、低温(略15℃)の冷却水が循環する冷却水槽102の内部を通過して急激に冷却されて固化が促進される。この急激な冷却により、予備成形面ファスナー10’は結晶が進まない間に固化されるため、基材1及び予備成形素子2’の全体が柔軟性に富んだものとなる。
【0078】
この固化が終了した予備成形面ファスナー10’をテークアップローラ103を介して上下一対のフィードローラ104a,104bにより引き取るとき、図10〜図12に示す形態をもつ各予備成形素子2’が同キャビティ101から弾性変形しながらスムースに引き抜かれる。こうして成形される予備成形面ファスナー10’を前記円筒ドラム100から引き剥がすために、上述のごとく同調して反対方向に回転する上下一対のフィードローラ104a,104bが使われる。このフィードローラ104a,104bの周面は平滑面であってもよいが、その周面に前記予備成形素子2’を収容案内するため周方向に延びる複数条の案内溝を形成したり、或いは軟質ウレタンなどからなる図示せぬ弾性層を形成すれば予備成形素子2’を妄りに損傷させることがないため好都合である。
【0079】
円筒ドラム100の周面にて成形される予備成形面ファスナー10’は、基材1の一表面から略垂直に起立する多数の予備成形素子2’を備えている。本実施例によれば、図10〜図12に示すとおり、前記多数の予備成形素子2’は、その基端位置から略1/3の高さ位置までは十文字断面を有する予備成形柱部21’を有すると共に、その予備成形柱部21’の上端から同予備成形柱部21’と同一軸線をもって直線的に延びる成形方向と直交する方向に長い矩形断面をもつ予備成形第1係合部22a’と、前記予備成形柱部21’の上端から成形方向の前後に二股状に分岐する一対のフック状の予備成形第2係合部22b’とからなる予備成形頭部22’を有している。
【0080】
前記予備成形素子2’の成形にあたり、上記予備成形第1係合部22a’の基材1からの高さを予備成形第2係合部22b’の基材1からの高さよりも、予備成形第1係合部22a’の変形量を見込んで高く設定している。そして、以降の加熱押圧装置150により予備成形第1係合部22a’を上方から加熱押圧して、左右に翼を広げたような薄板状に変形させる。このとき、本実施例では加熱押圧装置150による押圧加熱を予備成形第1係合部22a’のみとして、予備成形第2係合部22b’には作用させないようにしている。したがって、予備成形柱部21’と予備成形第2係合部22b’は、それぞれがそのままの形態を維持して完成時の柱部21と第2係合部22bとになる。
【0081】
円筒ドラム100により成形された前記予備成形面ファスナー10’は、図示せぬトリミング装置により幅方向の左右に存在する耳部が切除されたのち、フィードローラ104a,104bを介して加熱押圧装置150の超音波ホーン150aと押圧ロール150bとの間に導入される。予備成形頭部22’が超音波ホーン150aと上部押圧ロール150bとの間を通過するとき、超音波ホーン150aの振動により押圧ロール150bにより押圧される予備成形第1係合部22a’の上端部で内部から発熱し、加熱押圧装置150を通過する間に、その上端から予備成形第2係合部22b’の上面まで溶融して変形し、上面が略平坦面Pで第1柱部21aの幅よりも僅かに大きく、第1柱部21aの長辺方向に延出する偏平な翼状薄板状の第1係合部22aが成形される。
【0082】
上述のごとく、超音波ホーン150aにより加熱軟化状態となり、押圧により略翼状薄板片に変形された第1係合部22aは、徐々に冷却固化されることにより同加熱部分における結晶化が進み、第1係合部22aの剛性が柱部21や基材1、或いはフック状の第2係合部22bのそれよりも高くなる。このことは、急冷固化により優れた柔軟性を備えた予備成形面ファスナー10’の基材1と係合素子2のうち、前記第1係合部22aだけが他の部分よりも剛性が高くなるため、例えば微小な寸法で極めて柔軟性の高い成形面ファスナー10の係合素子2であっても、その第1係合部22aの剛性が確保される一方で、形状的に係合力が高いフック状の第2係合部22bは柱部21と同等の柔軟性を有していることを意味し、いずれにしても相手方パイルに対する剥離方向の保持力が確保される。本発明のように柔軟性と微小な係合素子形態との両特性をもつ成形面ファスナー10にあっても、感触に優れ、所要の係合力も確保された極めて形態の安定したものとなり、しかも数回の繰り返し使用にも十分に耐え得る高品質の製品となる。
【0083】
このとき成形される係合頭部22の平面視の形状は、図1に示すごとく、先端縁部が円弧状となった矩形状の第1係合部22aとこれに直交して直線的に延びる短冊状の第2係合部とからなる十字状を呈している。結果的に、係合素子2の柱部21を構成する十字状断面を有する第1及び第2の柱部21a,21bからそれぞれ成形方向とこれに直交する方向との2方向に延出して形成されるが、これらの第1及び第2係合部22a,22bは、それぞれが柱部21により独立して片持ち状に支持されているため、実質的には4葉のフックタイプの係合頭部と同様の構造となり、マッシュルームタイプの係合素子のごとく必要以上の剥離強度やパイルによる首吊り状態などの既述した多様な問題は一切発生しない。
【0084】
以上は、本発明における第1係合部22aの柱部21からの延出方向を成形方向と直交させる方向とした例で説明したが、上記予備成形素子2’の成形用キャビティ101の主キャビティ101aを成形方向に長くなるように形成すると共に、フック状の第2係合部成形用キャビティ101bを成形方向と直交させて延出するように形成すれば、第1係合部22aと第2係合部22bとの延出方向を変更することができる。従って、図5に示すごとく、それらの方向を混在させて円筒ドラム100の周面にキャビティ101を形成することにより、図6に示すような、第1係合部22aと第2係合部22bとの延出方向が逆となる係合頭部22が混在する成形面ファスナー10を製造することもできる。
【0085】
図13は、上記実施例の変形例による成形面ファスナー10の形態を示している。同図によれば、上記第1実施例による上記第1係合部22aの先端部分を下方に向けて屈曲させていることが理解できる。つまり、本変形例にあっては、第1係合部22aを単なる平板状に成形せずに、その延出側の先端をフック状に下方に湾曲させて湾曲部22dを形成し、相手方のパイルとの係合強度及び剥離強度を要求される強度まで高めようとしている。係合頭部22の先端をフック状に下方に湾曲させるには、加熱押圧装置150によって、円筒ドラム100により成形された上記予備成形面ファスナー10’の予備成形素子2’を押圧して溶融変形させるとき、その超音波ホーンの周波数を、素子材料の内部加熱が通常よりも高くなるように設定し、或いは押圧ロール150bの径を大きくして、その押圧時間を長めに設定することにより、第1係合部22aの先端部の軟化を進ませて自重で湾曲させる。
【0086】
また、本発明にあっては、加熱押圧部150において、予備成形第1係合部22a’に対する押圧方向の変形量を大きくする場合も含んでいる。この場合、予備成形頭部22’の予備成形第2係合部22b’の上面部も押圧による溶融変形して、上面を平坦面とし、その平坦面から幅方向に水平にわずかに膨出する膨出部を形成する。その結果、第2係合部22bはフック状に加えて上面を平坦面とし、その幅方向の左右に膨出部が膨出しているため、相手方のパイルとの係合強度に加えて、剥離強度も増加する。
【0087】
図14〜図16は、本発明の第2実施例を示している。この実施例においては、図示は省略するが、予備成形の段階で、予備成形素子の構成部分である直線状に立ち上がる予備成形第1係合部を成形方向と直交する方向(左右)で1/2に二区分し、その各区分ごとの第1係合部からそれぞれ成形方向の反対側に平行にフック状の予備第2係合部を延出させて成形する。
【0088】
かかる形状の予備成形素子2’をもつ予備成形面ファスナーを、本成形部である図8に示す上記加熱押圧装置150を通して、図14〜図16に示す形態を備えた係合素子2を成形する。この係合素子2は、上記予備成形素子の予備成形第1係合部を上方から押圧加熱して溶融(或いは軟化)変形させて左右に広げた翼状の薄板片からなる第1係合部22aを成形する。本実施例にあっても、予備成形第2係合部は加熱押圧装置150による押圧変形を受けず、そのままの形態が維持されてフック状の第2係合部22bとなる。
【0089】
図17及び図18は、本発明の第3実施例を示している。この実施例による係合素子2の形状は、図からも理解できるように、一方向の前後に平行に延びる左右一対のフック状の第2係合部22bを形成すると共に、その左右一対の第2係合部22bを跨ぐようにして翼状薄板片からなる第1係合部22aを左右に延出させている。
【0090】
図19A及び図19Bは、上記第2実施例の更なる変形例を示している。この変形例によれば、上記翼状薄板片からなる第1係合部22aとフック片からなる第2係合部22bとが、平面視で互いに直交して配され、上面視では柱部21を基点にそれぞれ片側に延出して略L字型を呈している。この変形例の場合には、上述の第1実施例のごとく、第1係合部22aと第2係合部22bとが十字状に交差していないため、相手方のパイルとの係合率が減少することから、隣接する係合素子2間の間隔を第1実施例よりも小さくすることが望ましい。
【0091】
図20は上記第1実施例の更なる変形例を示している。この変形例では、係合素子2の予備成形の段階で、予備成形第2係合部22b’を先端が基材1の表面に向けて湾曲するフック状に成形せずに、第2柱部21bからの上端から斜め上方に緩やかな勾配をもって直線的に立ち上がるように成形する。そして、この成形された予備成形第2係合部22b’の上面を、上記予備成形第1係合部22a’と共に、所定量だけ押圧加熱して溶融(軟化)変形させる。その結果、第2係合部22bは、図20に示すように上面が平坦面となり、その平坦面から左右に水平に僅かに膨出する膨出部22b−1が形成される。この膨出部22b−1は、第2係合部22bの形態が直線的に延出するフック形態となって係合力が減少した分を補うものであり、所要の係合力を確保する。また、上記平坦面は面ファスナー表面のチクチク感を改善する。
【0092】
以上の第2及び第3実施例、並びに変形例にあっても、既述した上記第1実施例におけると同様の作用効果を奏するものである。なお、これらの実施例及び変形例は、本発明の代表的な例を挙げたものであり、当業者であれば多様な変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形面ファスナーの第1構造例を示す部分平面図である。
【図2】図1におけるII-II 線の矢視断面図である。
【図3】図1におけるIII-III 線の矢視断面図である。
【図4】同成形面ファスナーの一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】前記成形面ファスナーの変形例を示す部分斜視図である。
【図6】前記成形面ファスナーの係合素子の配列例を模式的に示す部分平面図である。
【図7】同係合素子の予備的な素子成形用キャビティの形態例を示す斜視図である。
【図8】前記成形面ファスナーの製造工程を概略で示す工程説明図である。
【図9】本発明の上記予備的な素子成形用キャビティの具体的構造例を示す部分斜視図である。
【図10】前記予備成形素子の形態例を示す平面図である。
【図11】同側面図である。
【図12】同正面図である。
【図13】第1実施例の変形例を示す構造説明図である。
【図14】本発明の第2実施例による成形面ファスナーの最終形態例を示す平面図である。
【図15】同成形面ファスナー側面図である。
【図16】同成形面ファスナー部分斜視図である。
【図17】本発明の第2実施例による成形面ファスナーの最終形態例を示す平面図である。
【図18】同成形面ファスナー部分斜視図である。
【図19】第2実施例の変形例を示す構造説明図である。
【図20】第1実施例の更なる変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
10 成形面ファスナー
10’ 予備成形面ファスナー
11 溶融樹脂
1 平板状基材
2 係合素子
2’ 予備成形素子
21 柱部
21a 第1柱部
21b 第2柱部
21’ 予備成形柱部
22 係合頭部
22a 第1係合部
22b 第2係合部
22b−1 膨出部
22’ 予備成形頭部
22a’ 予備成形第1係合部
22b’ 予備成形第2係合部
22c 上面中央部
22d 湾曲部
100 円筒ドラム
100a 水冷ジャケット
100b-1 〜100b-3 リング状円板
101 予備成形素子用キャビティ
101a 主キャビティ
101b 第2係合部成形用キャビティ
102 冷却水槽
103 テークアップローラ
104a,104b 上下フィードローラ
110 連続射出装置
111 射出ノズル
111a 先端円弧面
111b 射出口
150 加熱押圧装置(加熱押圧部)
150a 超音波ホーン
150a’,150c’載置移送面
150b 押圧ロール
150c 下部支持部材
150d 上部加熱押圧部材
150e 傾斜面

Claims (12)

  1. 平板状基材(1) の表面に相手方のパイル片と係脱する微小な多数の係合素子(2) が一体に成形されてなる合成樹脂製の一体成形面ファスナー(10)であって、
    前記係合素子(2) は所要の高さを有する柱部(21)と、同柱部(21)の上端から基材(1) の表面に沿って第1方向(x) と前記第1方向とは異なる第2方向(y) に延出する第1及び第2の係合部(22a,22b) を有する係合頭部(22)とを備え、
    前記第1及び第2の係合部(22a,22b) が異なる形状を有してなり、
    前記柱部 (21) は互いに交差して一体化された断面矩形状の第1柱部 (21a) と第2柱部 (21b) とを有し、
    前記第1係合部 (22a) は、前記第1柱部 (21a) の上端から同第1柱部 (21a) の長辺方向に延出する偏平な翼状薄板状を呈し、
    前記第2係合部 (22b) は、前記第2柱部 (21b) の上端から同第2柱部 (21b) の長辺方向に延出するフック状を呈してなる、
    ことを特徴とする一体成形面ファスナー。
  2. 前記第1係合部(22a) は、第2係合部と直交し、前記柱部(21)の上端を挟んで互いに反対方向に延びる一対の翼状薄板片から構成されてなる請求項1に記載の一体成形面ファスナー。
  3. 前記第1の係合部(22a) の先端が基材表面に向けて略垂れ下がってなる請求項2に記載の一体成形面ファスナー。
  4. 前記第2係合部(22b) は、前記柱部(21)の上端を挟んで前記第1係合部(21a) に略直交し、互いに反対方向に延びる一以上の係合片から構成されてなる請求項2に記載の一体成形面ファスナー。
  5. 前記第2の係合部(22b) は先端が基材(1) に向けて湾曲するフック片から構成されてなる請求項1又は2に記載の一体成形面ファスナー。
  6. 前記柱部(21)が前記第1及び第2の係合部(22a,22b) と同一方向で交差する水平断面を有してなる請求項1に記載の一体成形面ファスナー。
  7. 前記係合頭部(22)の上面(22c) の中央部が僅かに凹んでなる請求項1又は2に記載の一体成形面ファスナー。
  8. 前記基材(1) の表面から、前記第1の係合部(22a) の先端までの距離と前記第2の係合部(22b) の先端までの距離との間に差がある請求項1に記載の一体成形面ファスナー。
  9. 前記第1係合部(22a) が前記基材(1) の成形方向に直交して配され、第2係合部(22b) が前記基材(1) の成形方向に平行に配されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の一体成形面ファスナー。
  10. 請求項1記載の一体成形面ファスナーの連続製造装置であって、
    周面に開口すると共に所定の深さまで直線的に延びる主キャビティ(101a)と、主キャビティ(101a)の途中から成形方向に分岐して延びる第2係合部成形用キャビティ(101b)とからなる多数の予備成形素子成形用キャビティ(101) を有し、一方向に回転する円筒ドラム(100) と、
    前記円筒ドラム(100) の周面に向けて溶融樹脂(11)を連続射出して、その周面に沿って上記基材(1) を成形すると同時に、同基材(1) の背面側に多数の予備成形素子(2’) を起立させて成形する連続射出装置(110) と、
    回転する前記円筒ドラム(100) の周面に担持されて移動する前記基材(1) 上に前記予備成形素子(2’) を有する帯状の予備成形面ファスナー (10’) を前記円筒ドラム(100) の周面から連続して引き剥がすテークアップローラ(103) と、
    引き剥がされた前記予備成形面ファスナー (10’) の基材表面から一体に起立する前記予備成形素子(2’) の少なくとも直線的に起立する予備成形頭部 (22’) を押圧加熱して翼状薄板片に溶融変形させて、第1係合部(22a) を順次成形する加熱押圧部(150) と、
    を備えてなることを特徴とする一体成形面ファスナーの連続製造装置。
  11. 前記加熱押圧部(150) が、前記予備成形面ファスナー (10’) の載置移送面(150a ’) を備えた内部加熱装置と、前記載置移送面(150a ’) に平行な上方の平面に含まれ前記予備成形面ファスナー (10’) の移送方向と直交する方向に延びる回転軸を有する回転ロール(150b)を備えてなり、
    前記加熱回転ロール(150b)の下端位置と前記載置移送面(150a ’) との間の間隙(G1)は、前記基材(1) 及び上記柱部(21)の上下方向の寸法和に、前記係合頭部(22)の上下方向の設定寸法を加算した寸法より小さく設定されてなる、
    ことを特徴とする請求項12に記載の連続製造装置。
  12. 前記加熱押圧部(150) が、前記予備成形面ファスナー (10’) の載置移送面(150a ’) を有すると共に、前記載置移送面(150a ’) の上方に配され、その下面と同載置移送面(150a ’) との間隔が漸減する傾斜面 (150e) を有する加熱押圧部材(150d)を備えてなり、
    前記前記載置移送面(150a ’) と前記傾斜面 (150e) との間の最も狭い部分の間隙(G2)が、前記基材(1) 及び上記柱部(21)の上下方向の寸法和に、前記係合頭部(22)の上下方向の設定寸法を加算した寸法より小さい、
    ことを特徴とする請求項12に記載の連続製造装置。
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