JP3892294B2 - 光硬化性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性組成物に関する。詳しくは、光硬化されて得られる硬化物が易熱分解性を有する光硬化性組成物、及び、光硬化されて得られる無機粉体含有硬化物中の有機成分が易熱分解性を有する無機粉体含有光硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
無機物による成形体やそれにより形成されるパターンは、電子材料等の分野において有用なものであるが、このような成形体やパターンを形成する方法としては、従来より、金属粉体、金属酸化物粉体、蛍光粉体、ガラスフリット等の無機粉体をバインダー樹脂と混合してペースト状の組成物を調製し、この組成物から所定の形状やパターンを形成した後、焼成して有機物を熱分解することにより形成する方法が知られている。
【0003】
また緻密なパターンを得るために、バインダー樹脂として、光硬化性を有し、かつ、現像可能な樹脂を用いてペースト状の組成物を調製し、フォトリソグラフィー法により所定のパターンを形成した後、焼成して有機物を熱分解することにより、無機物によるパターンを形成する方法も知られている。
【0004】
光硬化性を有するバインダー樹脂を用いる技術としては、例えば、特開2000−298336号公報には、(A)無機粉末と、(B)セルロース系カルボン酸変性感光性バインダー樹脂と、(C)光反応性モノマーと、(D)光重合開始剤とを含有しているアルカリ現像性感光性ペースト組成物が開示されている。
また特開平10−306101号公報には、(a)変性セルロース化合物、(b)光重合開始剤、(c)エチレン性化合物、(d)無機及び/又は金属粉末を含有してなる光重合性樹脂組成物が開示されている。
【0005】
しかしながら、これらの技術においては、熱分解によってバインダー樹脂を完全に除去するためには、かなりの高温条件下で長時間かけて焼成を実施しなければならず、また、熱分解が不完全になりやすく、焼成して有機物を熱分解することにより形成される無機成形体や無機パターン中にバインダー樹脂由来の有機物が残存しやすいことから、この点において工夫の余地があった。更に、フォトリソグラフィー法によるパターン形成においては、これらバインダー樹脂の光硬化性が充分ではなく、パターンの解像度が充分でないことから、この点においても工夫の余地があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、充分な光硬化性を有し、フォトリソグラフィー法を用いた場合には、高解像度のパターンが得られ、しかも、焼成時の熱分解性に優れた光硬化性組成物及び無機粉体含有光硬化性組成物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、無機物による成形体やパターンを形成し得る組成物について種々検討した結果、光硬化性を有する化合物及び光重合開始剤を含有する光硬化性組成物が緻密なパターンを形成し得ることから有用であることに着目し、光硬化性を有する化合物としては、(メタ)アクリロイル基と−O−CHR−O−又は−O−CHR−O−CO−で表されるアセタール基又はヘミアセタールエステル基とを有する特定の基をもつ化合物が(メタ)アクリロイル基により充分な光硬化性を有し、また、−O−CHR−O−又は−O−CHR−O−CO−で表されるアセタール基又はヘミアセタールエステル基に起因して熱分解しやすいという特性が発揮されることから、焼成時の熱分解性に優れたものとなることを見いだした。また、このような特定の基とカルボキシル基とを併せもつ化合物を用いると、フォトリソグラフィー法を用いた場合にカルボキシル基に起因してアルカリ現像性に優れた性能を発揮し、溶剤現像を用いた場合と同様に高解像度のパターンが得られることも見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。更に、このような光硬化性組成物に、無機粉体を混合してなる無機粉体含有光硬化性組成物は、光硬化性組成物における性能を充分に発揮して無機物による成形体や緻密なパターンを形成することができることから、電子材料等の様々な用途に好適に適用することができることも見いだし、本発明に到達したものである。
【0008】
すなわち本発明は、(メタ)アクリロイル基を有する基をもつ化合物(A1)及び光重合開始剤(B)を含有する光硬化性組成物であって、上記(メタ)アクリロイル基を有する基は、下記一般式(1);
【0009】
【化6】
Figure 0003892294
【0010】
(式中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2は、有機残基を表す。R3は、水素原子又は有機残基を表す。)及び/又は下記一般式(2);
【0011】
【化7】
Figure 0003892294
【0012】
(式中、R4は、水素原子又はメチル基を表す。R5は、有機残基を表す。R6は、水素原子又は有機残基を表す。)で表される光硬化性組成物である。
【0013】
本発明はまた、(メタ)アクリロイル基を有する基とカルボキシル基とを併せもつ化合物(A2)及び光重合開始剤(B)を含有する光硬化性組成物であって、上記(メタ)アクリロイル基を有する基は、上記一般式(1)及び/又は上記一般式(2)で表される光硬化性組成物でもある。
【0014】
本発明は更に、上記光硬化性組成物に、無機粉体(C)を混合してなる無機粉体含有光硬化性組成物でもある。
以下に本発明を詳述する。
【0015】
本発明の光硬化性組成物は、(メタ)アクリロイル基を有する基をもつ化合物(A1)及び/又は(メタ)アクリロイル基を有する基とカルボキシル基とを併せもつ化合物(A2)、並びに、光重合開始剤(B)を含有するものである。
上記(メタ)アクリロイル基を有する基としては、上記一般式(1)及び/又は上記一般式(2)で表される。これらの基においては、(メタ)アクリロイル基と−O−CH(CH23)−O−又は−O−CH(CH26)−O−CO−で表されるアセタール基又はヘミアセタールエステル基とを有することになる。
【0016】
上記一般式(1)及び一般式(2)において、R2及びR5で表される有機残基としては、例えば、炭素数2〜18の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、炭素数2〜20のアルコキシアルキレン基、炭素数2〜8のハロゲン化(例えば塩素化、臭素化又はフッ素化)アルキレン基、末端水酸基を除くポリエチレングリコール骨格、末端水酸基を除くポリプロピレングリコール骨格、末端水酸基を除くポリブチレングリコール骨格、アリール基等が挙げられる。これらの中でも、重合度が1〜1万のポリエチレングリコール骨格、ポリプロピレングリコール骨格、ポリブチレングリコール骨格、炭素数1〜4のアルキル基が好適である。より好ましくは、重合度が1〜100のポリエチレングリコール骨格、ポリプロピレングリコール骨格、ポリブチレングリコール骨格、炭素数2のアルキレン基(−CH2CH2−)、炭素数3のアルキレン基(−CH2CH2CH2−)であり、更に好ましくは、重合度が1〜15のポリエチレングリコール骨格、ポリプロピレングリコール骨格、ポリブチレングリコール骨格である。
なお本明細書中において、有機残基とは、基や化合物を構成する基本構造に結合している有機基を意味する。
【0017】
またR3及びR6で表される有機残基としては、例えば、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜11の置換されていてもよい芳香族基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜2のアルキル基が好適である。なお上記化合物の1分子が(メタ)アクリロイル基を有する基を複数有する場合には、上記有機残基はそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
【0018】
上記(メタ)アクリロイル基を有する基は、(メタ)アクリロイル基とビニルエーテル基とを共に有する化合物(a)中のビニルエーテル基と、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物(b)中の水酸基及び/又はカルボキシル基とが付加反応することにより形成された基であることが好ましい。この場合、本発明における(メタ)アクリロイル基を有する基をもつ化合物(A1)及び/又は(メタ)アクリロイル基を有する基とカルボキシル基とを併せもつ化合物(A2)は、(メタ)アクリロイル基を有する基が、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物(b)により形成される有機残基に結合した構造を有することになる。
【0019】
上記(メタ)アクリロイル基を有する基の形成に(メタ)アクリロイル基とビニルエーテル基とを共に有する化合物(a)を用いると、化合物(a)中のビニルエーテル基と、化合物(b)中の水酸基及び/又はカルボキシル基との付加反応を穏やかな条件で行うことができるので、生成物が着色することなく、簡便に(メタ)アクリロイル基を有する基を形成することができる。
なお化合物(b)中の水酸基及び/又はカルボキシル基は、その全部が化合物(a)中のビニルエーテル基と付加反応してもよく、その一部が付加反応してもよい。また、これらの化合物はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】
上記一般式(1)及び/又は一般式(2)で表される(メタ)アクリロイル基を有する基の形成において、上記(メタ)アクリロイル基とビニルエーテル基とを共に有する化合物(a)と上記水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物(b)との反応モル比としては、本発明の光硬化性組成物の用途、所望する物性等により適宜設定すればよいが、例えば、化合物(b)における水酸基及び/又はカルボキシル基1モルに対して化合物(a)は、0.02モル以上が好ましい。より好ましくは0.1モル以上であり、更に好ましくは0.2モル以上である。また、10モル以下が好ましい。より好ましくは5モル以下であり、更に好ましくは1.5モル以下である。
【0021】
また化合物(a)と化合物(b)との付加反応の方法としては、例えば、付加反応させる際の添加方法としては、反応初期に一括して仕込んでもよく、どちらか又は両方を連続又は断続的に反応系中に添加してもよい。また、上記付加反応は、触媒の存在下に行なわれることが好ましい。
【0022】
上記(メタ)アクリロイル基とビニルエーテル基とを共に有する化合物(a)としては、例えば、下記一般式(3);
【0023】
【化8】
Figure 0003892294
【0024】
(式中、R7は、水素原子又はメチル基を表す。R8は、有機残基を表す。R9は、水素原子又は有機残基を表す。)で表される(メタ)アクリル酸エステル類であることが好ましい。
上記一般式(3)において、R8で表される有機残基としては、上記R2及び上記R5で表される有機残基と同様であり、R9で表される有機残基としては、上記R3及び上記R6で表される有機残基と同様である。
【0025】
上記一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル類としては、以下に例示する化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸o−ビニロキシメチルフェニルメチル。
【0026】
(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル。
【0027】
上記水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物(b)としては、低分子化合物やオリゴマー、重合体のいずれの形態であってもよく、例えば、以下の(1)〜(3)に記載する化合物等が挙げられる。また、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。(1)水酸基を有する化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等の一価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2−エチル−1,4−ブタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,4−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−ブタンジオール、4,5−ノナンジオール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコール類;ソルビトール、キシリトール、キシリロース、グルコース、フルクトース、マンニット等の糖類;不飽和ポリエステル、飽和ポリエステル、エポキシアクリレート等の水酸基含有重縮合体;水酸基を有する重合体;セルロース、でんぷん、デキストラン;フェノール、クレゾール、ビスフェノール等のフェノール化合物。
【0028】
(2)カルボキシル基を有する化合物;ぎ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グルタミン酸等の一価カルボン酸;アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸、ブタンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸;カルボキシル基を有するエポキシアクリレート、不飽和ポリエステル、飽和ポリエステル等のカルボキシル基含有重縮合体;カルボキシル基を有する重合体;カルボキシメチルセルロース。
(3)水酸基とカルボキシル基を共に有する化合物;ヒドロキシ酢酸、乳酸、グリセリン酸、酒石酸、クエン酸、ジメチロールプロピオン酸等のヒドロキシ酸類;ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸;不飽和ポリエステル、飽和ポリエステル等の水酸基とカルボキシル基を有する重縮合体;水酸基とカルボキシル基を有する重合体。
【0029】
上述した水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物(b)の中でも、1分子中に水酸基及び/又はカルボキシル基を2個以上含む化合物、エポキシアクリレート、カルボキシル基を有するエポキシアクリレート、不飽和ポリエステル、飽和ポリエステル等の水酸基及び/又はカルボキシル基を2個以上含む重縮合体、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する重合体が好適である。
【0030】
上記エポキシアクリレートは、1分子中に2個以上エポキシ基を有するエポキシ化合物と不飽和一塩基酸を開環付加反応させて得られる。この開環付加により水酸基が生成される。
【0031】
上記エポキシアクリレートの製造原料となるエポキシ化合物の例としては、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル化物;アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、アゼライン酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等の多価カルボン酸のグリシジルエステル化物;ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジシクロペンタジエンジオキサイド、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の脂環式エポキシ化合物;ビスフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0032】
また、これらのエポキシ樹脂の2分子以上を、多塩基酸、ポリフェノール化合物、多官能アミノ化合物、多価チオール等の鎖延長剤との反応によって結合して鎖延長したものも用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
上記エポキシアクリレートの製造原料となる不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、これらカルボン酸の誘導体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0034】
またエポキシアクリレートとしては、エポキシアクリレートが有するアルコール性水酸基を部分的に多価イソシアネート化合物と反応させて高分子量化したエポキシアクリレート、又は、エポキシアクリレートが有するアルコール性水酸基に部分的に酸無水物が付加して生成したカルボキシル基を多官能エポキシ化合物と反応させて高分子量化したエポキシアクリレート等も用いることができる。
【0035】
上記不飽和ポリエステルは、不飽和多塩基酸を主成分とする酸成分と、多価アルコール及び/又はエポキシ化合物を主成分とする多価アルコール成分とを縮重合して得られる重合体である。
【0036】
上記不飽和ポリエステルの製造原料となる酸成分は、必要に応じて、脂肪族飽和多塩基酸や芳香族飽和多塩基酸等の飽和多塩基酸を含んでいてもよく、又は、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、これらカルボン酸の誘導体等の不飽和一塩基酸や、飽和一塩基酸等の一塩基酸を含んでいてもよい。また、多価アルコール成分は、必要に応じて、ヒドロキシジシクロペンタジエン、ベンジルアルコール、アリルアルコール等の一価アルコールを含んでいてもよい。
【0037】
また不飽和ポリエステルとしては、不飽和ポリエステルの末端カルボキシル基にグリシジル(メタ)アクリレートを開環付加させて得られる(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステル等も用いることができる。
【0038】
上記酸成分の主成分である不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸等のα,β−不飽和多塩基酸;ジヒドロムコン酸等のβ,γ−不飽和多塩基酸等が挙げられる。また、不飽和多塩基酸の代わりに、不飽和多塩基酸の誘導体を用いることもできる。このような誘導体としては、例えば、上記不飽和多塩基酸の無水物;上記不飽和多塩基酸のハロゲン化物;上記不飽和多塩基酸のアルキルエステル等が挙げられる。これら不飽和多塩基酸や誘導体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0039】
上記飽和多塩基酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、ヘキシルコハク酸、グルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和多塩基酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族飽和多塩基酸;ヘット酸、1,2−テトラヒドロフタル酸、1,2−ヘキサヒドロフタル酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族飽和多塩基酸等が挙げられる。また、飽和多塩基酸の代わりに、飽和多塩基酸の誘導体を用いることもできる。このような誘導体としては、例えば、上記飽和多塩基酸の無水物;上記飽和多塩基酸のハロゲン化物;上記飽和多塩基酸のアルキルエステル等が挙げられる。これら飽和多塩基酸や誘導体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0040】
上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2−エチル−1,4−ブタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,4−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−ブタンジオール、4,5−ノナンジオール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0041】
上記エポキシ化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
上記飽和ポリエステルは、不飽和多塩基酸を用いない以外は、上述の不飽和ポリエステルと全く同様に得られる。
上記水酸基を有する重合体を得る方法としては、例えば、(1)水酸基を有する単量体を単独重合あるいは共重合する方法、(2)カルボキシル基を有する単量体を単独重合あるいは共重合した後、そのカルボキシル基にグリシジル基を有する化合物を付加反応して水酸基を生成させる方法、(3)グリシジル基を有する単量体を単独重合あるいは共重合した後、そのグリシジル基にカルボキシル基を有する化合物を付加反応して水酸基を生成させる方法、(4)酢酸ビニルのようなビニルエステル化合物の単独重合あるいは共重合により得られた重合体の全部あるいは部分ケン化する方法、(5)水酸基を有する重合開始剤又は連鎖移動剤を使用する方法等が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。これらの方法は単独で用いてもよいし、2つ以上の方法を組合せて用いることも可能である。
【0043】
上記カルボキシル基を有する重合体を得る方法としては、例えば、(1)カルボキシル基を有する単量体を単独重合あるいは共重合する方法、(2)酸無水物基を有する単量体を単独重合あるいは共重合した後、その酸無水物基に水酸基を有する化合物を付加反応してカルボキシル基を生成させる方法、(3)水酸基を有する単量体を単独重合あるいは共重合した後、その水酸基に酸無水物基を有する化合物を付加反応してカルボキシル基を生成させる方法、(4)カルボキシル基を有する重合開始剤又は連鎖移動剤を使用する方法等が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。これらの方法は単独で用いてもよいし、2つ以上の方法を組合せて用いることも可能である。
【0044】
上記の水酸基及びカルボキシル基を含有する重合体を得るには、例えば、上記の水酸基を有する重合体を得る方法とカルボキシル基を有する重合体を得る方法を、適宜組合せることによる方法がある。
上記の水酸基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、p−ヒドロキシスチレン、ブテン−2−ジオール−1,4等が挙げられる。また、カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものでない。
【0045】
更に、水酸基を有する単量体やカルボキシル基を有する単量体と共重合させる単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル等のような(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンのようなスチレン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルのようなビニルエステルモノマー類;N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタムのようなN−ビニル化合物類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルのようなビニルエーテル類;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなオレフイン類等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上の併用が可能である。
【0046】
上記(メタ)アクリロイル基とビニルエーテル基とを共に有する化合物(a)と水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物(b)との付加反応に用いられる触媒としては、酸が好適である。酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、ピルビン酸、グリコール酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マレイン酸、オキサロ酢酸、マロン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸等の脂肪族多価カルボン酸;安息香酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩、p−トルエンスルホン酸キノリニウム塩等の芳香族スルホン酸又はその塩;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ニッケル、硫酸銅、硫酸ジルコニウム等の硫酸塩;硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム等の硫酸水素塩;硫酸、塩酸、リン酸、ポリリン酸等の鉱酸;リンバ等のモリブデン酸、リンタングストモリブデン酸、ケイタングストモリブデン酸等のヘテロポリ酸;酸性ゼオライト;ベースレジンがフェノール系樹脂又はスチレン系樹脂であり、ゲル型、ポーラス型又はマクロポーラス型の何れかの形態を示し、かつ、スルホン酸基及びアルキルスルホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも一種のイオン交換基を有する酸性イオン交換樹脂等が挙げられる。これら触媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シュウ酸、マレイン酸、硫酸水素カリウム、塩酸が好ましい。他の酸触媒の場合、付加反応の触媒として作用するほか、ビニルエーテルのカチオン重合開始剤として作用することがある。したがって温度コントロールを厳密に行う必要があるが、なかでも塩酸の場合、カチオン重合開始剤としては作用せず、付加反応にのみ選択的に効くため、温度コントロール幅が広く、製造面で非常に有利であり、特に好ましい触媒である。
【0047】
上記触媒の使用量としては、付加反応に用いる化合物(a)や化合物(b)の種類や組み合わせ等により適宜設定すればよいが、収率、触蝶の安定性、生産性及び経済性の点から、例えば、化合物(a)100重量部に対して、0.0005重量部以上が好ましい。より好ましくは0.001重量部以上である。また、1重量部以下が好ましい。より好ましくは0.5重量部以下である。
【0048】
更に、(メタ)アクリロイル基を有する基とカルボキシル基を併せもつ化合物(A2)及び光重合開始剤(B)を含有する光硬化性組成物も本発明の1つである。
上記の(メタ)アクリロイル基を有する基とカルボキシル基を併せもつことにより、緻密なパターン形成に充分な光硬化性とアルカリ現像性を発現でき、優れたフォトリソグラフィー性を示し、しかも、焼成時には優れた易熱分解性を示すことが可能となる。
【0049】
上記(メタ)アクリロイル基を有する基とカルボキシル基を併せもつ化合物(A2)を得る方法としては、例えば(1)(メタ)アクリロイル基を有する基をもつ化合物(A1)を得る際に化合物(a)と化合物(b)の割合を水酸基が残存するように反応させ、残存した水酸基に酸無水物を開環付加させてカルボキシル基を導入する方法、(2)(メタ)アクリロイル基を有する基をもつ化合物(A1)を得る際に、化合物(a)と化合物(b)の割合をカルボキシル基が残存するように反応させ、カルボキシル基を残存させる方法等が挙げられるが、これらの方法に限定されないのは勿論のことである。
【0050】
上記(メタ)アクリロイル基を有する基とカルボキシル基を併せもつ化合物(A2)中のカルボキシル基濃度は、酸価として20〜200mgKOH/gの範囲が好ましく、より好ましくは、30〜150mgKOH/gの範囲である。酸価が20mgKOH/g以下であると、光照射後、未硬化部分が速やかにアルカリ現像液で除去できにくく、再現性よく高精度なパターン形成が困難になるおそれがあり、また、200mgKOH/g以上になると、光硬化した部分もアルカリ現像時に侵食され易くなり、同様に再現性よく高精度なパターン形成が困難になるおそれがある。
【0051】
上記(メタ)アクリロイル基を有する基をもつ化合物(A1)に含有される水酸基に開環付加させてカルボキシル基を導入するのに用いる酸無水物の例としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸等があり、これらを単独あるいは2種類以上混合して用いることができる。
【0052】
また、アルカリ現像に用いる現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、水酸化カルシウム等の金属アルカリ水溶液;アンモニア水溶液;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン等の水溶性有機アミン類の水溶液等が好適であり、これらの1種又は2種以上を混合して使用することができる。特に1.5重量%以下の濃度の希アルカリ水溶液が好適に用いられる。
【0053】
本発明の光硬化性組成物には、易熱分解性が損なわれない範囲内で、通常の光硬化性架橋剤を併用することができる。例えば、C1〜C18のアルキル(メタ)アクリレート、C1〜C8のアルコールエチレンオキサイド誘導体(メタ)アクリレート、C1〜C18の(アルキル)フェノールエチレンオキサイド誘導体(メタ)アクリレート、C2〜C9のジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド誘導体ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンエチレンオキサイド誘導体トリ(メタ)アクリレート等があり、これらを単独あるいは2種類以上混合して用いることができる。
【0054】
本発明における光重合開始剤(B)としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4′−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−イソアミル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0055】
上記光重合開始剤(B)の使用量としては、本発明の光硬化性組成物を100重量%とすると、0.1重量%以上が好ましく、また、25重量%以下が好ましい。0.1重量%未満では露光硬化不良を起こすおそれがあり、25重量%を超えると、塗膜性、露光硬化後の被膜の耐摩耗性や耐薬品性等が低下するおそれがある。より好ましくは、0.5重量%以上であり、また、15重量%以下である。
【0056】
本発明の光硬化性組成物に、無機粉体(C)を混合して得られる無機粉体含有光硬化性組成物は、本発明の光硬化性組成物における性能を充分に発揮して無機物による成形体や緻密なパターンを形成することができることから、電子材料等の様々な用途、例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)の隔壁、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス等の製造やLCD、有機EL素子、プリント回路基板、多層回路基板、マルチチップモジュ−ル及びLSI等を構成する電極パターンの製造、セラミック基板上の導体パターンの製造等に好適に適用することができる。このような無機粉体含有光硬化性組成物もまた、本発明の一つである。
【0057】
上記無機粉体(C)としては、例えば、PbO−SiO2系、PbO−B23−SiO2系、ZnO−SiO2系、ZnO−B23−SiO2系、BiO−SiO2系、BiO−B23−SiO2系のホウ珪酸鉛ガラス、ホウ珪酸亜鉛ガラス、ホウ珪酸ビスマスガラス等のガラスフリット;酸化コバルト、酸化鉄、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化マンガン、酸化ネオジウム、酸化バナジウム、酸化セリウムチペークイエロー、酸化カドミウム、アルミナ、シリカ、マクネシア、スピネル等Na、K、Mg、Ca、Ba、Ti、Zr、Al等の各酸化物;ZnO:Zn、Zn3(PO42:Mn、Y2SiO5:Ce、CaWO4:Pb、BaMgAl1423:Eu、ZnS:(Ag,Cd)、Y23:Eu、Y2SiO5:Eu、Y3Al512:Eu、YBO3:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、GdBO3:Eu、ScBO3:Eu、LuBO3:Eu、Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:Mn、SrAl1319:Mn、CaAl1219:Mn、YBO3:Tb、BaMgAl1423:Mn、LuBO3:Tb、GdBO3:Tb、ScBO3:Tb、Sr6Si33Cl4:Eu、ZnS:(Cu,Al)、ZnS:Ag、Y22S:Eu、ZnS:Zn、(Y,Cd)BO3:Eu、BaMgAl1223:Eu等の蛍光体粉体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、本発明である無機粉体含有光硬化性組成物を導電性パターン形成等に用いる場合には、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、銀、金等の導電性粒子を添加することにより、目的が達せられる。
【0058】
上記無機粉体(C)の使用量としては、本発明の無機粉体含有光硬化性組成物を100重量%とすると、30重量%以上が好ましく、また、95重量%以下が好ましい。30重量%未満では塗布性や印刷性の低下、焼成後のシュリンク等の問題が生じるおそれがあり、95重量%を超えると光硬化性が低下するおそれがある。
【0059】
本発明の無機粉体含有光硬化性組成物の使用方法としては、例えば、基材の全面又は一部に塗布したり、印刷等によってパターンを形成したり、所定の形状に成形したりした後、紫外線等の光を照射することで硬化させる方法あるいはフォトリソグラフィー法により、硬化パターンや形状を得た後、焼成することが好ましい。本発明の無機粉体含有光硬化性組成物を硬化させて焼成することにより、化合物(A1)や化合物(A2)等の有機成分は分解されて揮散し、無機粉体(C)同士は融着するので、無機粉体(C)等の無機成分による強固な塗膜、パターン等の成形体等を得ることができる。
【0060】
更に本発明の光硬化性組成物及び無機粉体含有光硬化性組成物は、塗布性や印刷性の改善のために以下に例示するような溶剤を用いてもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル。
【0061】
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート。
【0062】
アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルシソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、エチル−3−プロポキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート、イソプロピル−3−メトキシプロピオネート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸ブチル、乳酸アミル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、炭酸メチル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ベンジルメチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン。
【0063】
上記溶剤の使用量としては、光硬化性組成物又は無機粉体含有光硬化性組成物100重量部に対し、1000重量部以下、好ましくは500重量部以下含有させることができる。
【0064】
本発明では、更に必要に応じて増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、界面活性剤、湿潤剤、消泡剤、レベリング剤、その他の添加剤を用いてもよい。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0065】
本発明の光硬化性組成物は、充分な光硬化性を有し、フォトリソグラフィー法を用いた場合には、高解像度のパターンが得られ、しかも、焼成時の熱分解性に優れるものであり、また、本発明の無機粉体含有光硬化性組成物は、焼成時の有機成分の熱分解性に優れており、有機成分の残存が極めて少ない無機成形体や無機パターン等を得られるものであるので、印刷、フォトリソグラフィー法等により、プラズマディスプレイパネル(PDP)の隔壁、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス等の製造やLCD、有機EL素子、プリント回路基板、多層回路基板、マルチチップモジュール及びLSI等を構成する電極パターンの製造、セラミック基板上の導体パターンの製造等に好適に適用することができる。
【0066】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は、「重量部」を、「%」は、「重量%」を意味するものとする。
【0067】
合成例1
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた1リットルのフラスコに、トリメチロールプロパン134g(水酸基=3mol)とメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル(以下、「VEEM」と呼ぶ)600g(3mol)を入れて攪拌し、60℃に加熱して均一な混合液とした。続いてこれを25℃に冷却し、塩酸0.104g(35%水溶液、HCl成分として0.01mol)をビス(2−メトキシエチル)エーテル10gで希釈した溶液を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。発熱が緩やかになったところで60℃に昇温し、4時間反応を行った。このようにして得られた反応物(1)をIRにより分析したところ、水酸基に起因する3500cm-1付近のピークはほぼ消失していた。
【0068】
合成例2
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた1リットルのフラスコに、充分脱水したポリグリセリン(商品名:ポリグリセリン#750、阪本薬品工業社製)263g(水酸基=約3.5mol)とVEEM700g(3.5mol)を入れて攪拌し、25℃で、塩酸1.1g(35%水溶液、HCl成分として0.011mol)をビス(2−メトキシエチル)エーテル10gで希釈した溶液を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。発熱が緩やかになったところで60℃に昇温し、4時間反応を行った。このようにして得られた反応物(2)をIRにより分析したところ、水酸基に起因する3500cm-1付近のピークはほぼ消失していた。
【0069】
合成例3
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた1リットルのフラスコに、充分脱水したポリグリセリン(商品名:ポリグリセリン#750、阪本薬品工業社製)263g(水酸基=約3.5mol)、VEEM420g(2.1mol)、トリエチレングリコールジビニルエーテル141.6g(0.7mol)を入れて攪拌し、25℃で、塩酸1.1g(35%水溶液、HCl成分として0.011mol)をビス(2−メトキシエチル)エーテル10gで希釈した溶液を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。発熱が緩やかになったところで60℃に昇温し、4時間反応を行った。このようにして得られた反応物(3)をIRにより分析したところ、水酸基に起因する3500cm-1付近のピークはほぼ消失していた。
【0070】
合成例4
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.5リットルのフラスコに、メタクリル酸メチル50g(0.5mol)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル65.1g(0.5mol)とビス(2−メトキシエチル)エーテル173.5gを入れ、充分窒素置換した後、70℃に昇温した。続いてn−ドデシルメルカプタン0.61gを投入した後、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.58gをビス(2−メトキシエチル)エーテルに溶解して1時間かけて系内に投入し、70℃で5時間かけて重合を行った。得られたメタクリル系重合体とビス(2−メトキシエチル)エーテルの混合液289gに対して禁止剤としての4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル0.17gとVEEM50g(0.25mol)を入れて攪拌し、25℃で、塩酸0.078g(35%水溶液、HCl成分として7.5×10-4mol)をビス(2−メトキシエチル)エーテル10gで希釈した溶液を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。発熱が緩やかになったところで60℃に昇温し、6時間反応を行った。このようにして得られた硬化性樹脂溶液(4)をIRにより分析したところ、水酸基に起因する3500cm-1付近のピークの減少が確認された。
【0071】
合成例5
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.5リットルのフラスコに、メタクリル酸メチル60g(0.6mol)、メタクリル酸28.8g(0.4mol)とビス(2−メトキシエチル)エーテル134.1gを入れ、充分窒素置換した後、70℃に昇温した。続いてn−ドデシルメルカプタン0.61gを投入した後、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.45gをビス(2−メトキシエチル)エーテルに溶解して1時間かけて系内に投入し、70℃で5時間かけて重合を行った。得られたメタクリル系重合体とビス(2−メトキシエチル)エーテルの混合液224gに対して禁止剤としての4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル0.13gとVEEM40g(0.2mol)を入れて攪拌し、25℃で、塩酸0.063g(35%水溶液、HCl成分として6×10-4mol)をビス(2−メトキシエチル)エーテル10gで希釈した溶液を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。発熱が緩やかになったところで60℃に昇温し、3時間反応を行った。このようにして得られた硬化性樹脂溶液(5)の酸価を測定したところ、43mgKOH/gであった。
【0072】
合成例6
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.5リットルのフラスコに、合成例3で合成した重合体とビス(2−メトキシエチル)エーテルの混合液339g、テトラヒドロ無水フタル酸38g(0.25mol)とテトラフェニルホスホニウムブロミド1.51gを入れて、ミックスガス雰囲気下で100℃で4時間かけて水酸基への酸無水物付加反応を行った。このようにして得られた硬化性樹脂溶液(6)の酸価は37mgKOH/gであった。
【0073】
合成例7
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた1リットルのフラスコに、充分脱水したポリグリセリン(商品名:ポリグリセリン#750、阪本薬品工業社製)263g(水酸基=約3.5mol)とアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル(以下、「VEEA」と呼ぶ)651g(3.5mol)を入れて攪拌し、25℃で、塩酸1.1g(35%水溶液、HCl成分として0.011mol)をビス(2−メトキシエチル)エーテル10gで希釈した溶液を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。発熱が緩やかになったところで60℃に昇温し、4時間反応を行った。このようにして得られた反応物(7)をIRにより分析したところ、水酸基に起因する3500cm-1付近のピークはほぼ消失していた。
【0074】
合成例8
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.5リットルのフラスコに、メタクリル酸メチル50g(0.5mol)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル65.1g(0.5mol)とビス(2−メトキシエチル)エーテル173.5gを入れ、充分窒素置換した後、70℃に昇温した。続いてn−ドデシルメルカプタン0.61gを投入した後、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.58gをビス(2−メトキシエチル)エーテルに溶解して1時間かけて系内に投入し、70℃で5時間かけて重合を行った。得られたメタクリル系重合体とビス(2−メトキシエチル)エーテルの混合液289gに対して禁止剤としての4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル0.17gとVEEA46.5g(0.25mol)を入れて攪拌し、25℃で、塩酸0.078g(35%水溶液、HCl成分として7.5×10-4mol)をビス(2−メトキシエチル)エーテル10gで希釈した溶液を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。発熱が緩やかになったところで60℃に昇温し、6時間反応を行った。このようにして得られた硬化性樹脂溶液をIRにより分析したところ、水酸基に起因する3500cm-1付近のピークの減少が確認された。
得られた硬化性樹脂溶液に更にテトラヒドロ無水フタル酸38g(0.25mol)とテトラフェニルホスホニウムブロミド1.50gを入れて、ミックスガス雰囲気下で100℃で4時間かけて水酸基への酸無水物付加反応を行った。このようにして得られた硬化性樹脂溶液(8)の酸価は38mgKOH/gであった。
【0075】
合成例9
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.5リットルのフラスコに、メタクリル酸メチル60g(0.6mol)、メタクリル酸28.8g(0.4mol)とビス(2−メトキシエチル)エーテル134.1gを入れ、充分窒素置換した後、70℃に昇温した。続いてn−ドデシルメルカプタン0.61gを投入した後、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.45gをビス(2−メトキシエチル)エーテルに溶解して1時間かけて系内に投入し、70℃で5時間かけて重合を行った。得られたメタクリル系重合体とビス(2−メトキシエチル)エーテルの混合液224gに対して禁止剤としての4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル0.13g、エステル化触媒としてのテトラフェニルホスホニウムブロミド1.01gとメタクリル酸グリシジル28.4g(0.2mol)を入れて攪拌し、110℃で4時間反応を行った。このようにして得られた硬化性樹脂溶液(9)の酸価を測定したところ、45mgKOH/gであった。
【0076】
実施例1〜8及び比較例1〜2
得られた各反応物及び硬化性樹脂溶液を用い、表1に示す組成(重量部)に従って感光性樹脂組成物を調製し、以下の方法で、熱分解性、溶剤現像性、及び、アルカリ現像性の評価を行った。それらの結果を表2に示す。
【0077】
【表1】
Figure 0003892294
【0078】
表1において、「TMPTMA」は、トリメチロールプロパントリメタクリレートであり、「PMMA」は、ポリメチルメタクリレート(数平均分子量=35000、重量平均分子量=50000)である。
【0079】
【表2】
Figure 0003892294
【0080】
評価方法
〔熱分解性〕
各感光性樹脂組成物中の溶剤以外の成分100部に対して光重合開始剤であるイルガキュア907(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)5部を添加し、ガラス板上に20〜30μmの厚さに塗布した後、熱風循環式乾燥炉中において80℃で1時間乾燥させた。その上から透明なフィルムをかぶせて250Wの超高圧水銀灯で2000mJ/cmの光量を照射し、硬化塗膜を得た。この硬化塗膜の熱分解性をTGA(Thermal Gravity Analysis、Mac Science社製、TG−DTA2000)によって調べた。空気雰囲気下で20℃/分の昇温速度で25℃から500℃まで加熱し、重量減少率が98%となる温度を測定した。
【0081】
〔溶剤現像性〕
各感光性樹脂組成物を銅板上に20〜30μmの厚さに塗布した後、熱風循環式乾燥炉中において80℃で1時間乾燥させて塗膜を得た。次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを使用して、30℃で60秒間現像を行い、残存する塗膜を目視で評価し、完全に現像されているものを○、付着物がやや残るものを△、付着物が多く残るものを×とした。
【0082】
〔アルカリ現像性〕
各感光性樹脂組成物を銅板上に20〜30μmの厚さに塗布した後、熱風循環式乾燥炉中において80℃で1時間乾燥させて塗膜を得た。次いで、1%NaCO水溶液を使用して、30℃で60秒間現像を行い、残存する塗膜を目視で評価し、完全に現像されているものを○、付着物がやや残るものを△、付着物が多く残るものを×とした。
【0083】
実施例9〜16
表3に示す配合組成(重量部)に従って配合した組成物をセラミック3本ロールで混練し、感光性ペースト組成物を得た。これを銅板上に20〜30μmの厚さに塗布した後、熱風循環式乾燥炉中において80℃で1時間乾燥させて塗膜を得た。得られた塗膜の上にパターンフィルムをかぶせ、250Wの超高圧水銀灯で2000mJ/cmの光量を照射した。次いで、表3に示す現像液を使用して、各塗膜を30℃で60秒間現像を行った後、表3に示す焼成温度(600〜800℃)で10分間焼成して、得られたラインパターンを目視で評価した。評価は、露光部と未露光部のコントラストがはっきり識別され、断線、短絡線等がないものを○、露光部のエッチングが不充分なものを△、エッチングができない、又は全体が溶解しているものを×とした。結果をまとめて表3に示す。
【0084】
【表3】
Figure 0003892294
【0085】
表3において、「ガラスフリット」は、ZnO・PbO・B・SiO系ガラスフリットであり、「イルガキュア907」は、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製の光重合開始剤である。また、「現像液」の欄における「1」は、現像液1であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであり、「2」は、現像液2である1%NaCO水溶液である。
【0086】
【発明の効果】
本発明の光硬化性組成物及び無機粉体含有光硬化性組成物は、上述のような構成からなり、充分な光硬化性を有し、フォトリソグラフィー法を用いた場合には、高解像度のパターンが得られ、しかも、焼成時の熱分解性に優れるものである。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリロイル基を有する基をもつ化合物(A1)及び光重合開始剤(B)を含有する光硬化性組成物であって、
    該(メタ)アクリロイル基を有する基は、下記一般式(1);
    Figure 0003892294
    (式中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2は、有機残基を表す。R3は、水素原子又は有機残基を表す。)及び/又は下記一般式(2);
    Figure 0003892294
    (式中、R4は、水素原子又はメチル基を表す。R5は、有機残基を表す。R6は、水素原子又は有機残基を表す。)で表される
    ことを特徴とする光硬化性組成物。
  2. (メタ)アクリロイル基を有する基とカルボキシル基とを併せもつ化合物(A2)及び光重合開始剤(B)を含有する光硬化性組成物であって、該(メタ)アクリロイル基を有する基は、下記一般式(1);
    Figure 0003892294
    (式中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2は、有機残基を表す。R3は、水素原子又は有機残基を表す。)及び/又は下記一般式(2);
    Figure 0003892294
    (式中、R4は、水素原子又はメチル基を表す。R5は、有機残基を表す。R6は、水素原子又は有機残基を表す。)で表される
    ことを特徴とする光硬化性組成物。
  3. 前記(メタ)アクリロイル基を有する基は、(メタ)アクリロイル基とビニルエーテル基とを共に有する化合物(a)中のビニルエーテル基と、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物(b)中の水酸基及び/又はカルボキシル基とが付加反応することにより形成された基である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の光硬化性組成物。
  4. 前記(メタ)アクリロイル基とビニルエーテル基とを共に有する化合物(a)は、下記一般式(3);
    Figure 0003892294
    (式中、R7は、水素原子又はメチル基を表す。R8は、有機残基を表す。R9は、水素原子又は有機残基を表す。)で表される(メタ)アクリル酸エステル類である
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の光硬化性組成物。
  5. 請求項1、2、3又は4に記載の光硬化性組成物に、無機粉体(C)を混合してなる
    ことを特徴とする無機粉体含有光硬化性組成物。
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