JP3891866B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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    • F02M47/027Electrically actuated valves draining the chamber to release the closing pressure

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料噴射弁は、内燃機関等へ燃料を供給するために使用され、一般的に、燃料噴射弁本体内を軸線方向に移動可能な噴孔用弁体を具備している。噴孔用弁体は、噴孔を開閉するための先端部と、先端部の反対側に位置する基部とを有し、閉弁時にはこの基部へ圧力室内の高燃料圧力が作用している。
【0003】
噴孔用弁体によって噴孔を開弁させる際には、圧力室の燃料圧力を低下させる。それにより、噴孔用弁体の先端部には依然として高燃料圧力が作用するのに対して噴孔用弁体の基部に作用する圧力が低下するために、この圧力差により噴孔用弁体を閉弁方向に付勢する閉弁スプリングに逆らって噴孔用弁体は開弁方向に移動し、噴孔が開放される。
【0004】
噴孔用弁体によって噴孔を閉弁させる際には、圧力室内の燃料圧力を高めて、噴孔用弁体の先端部に作用する燃料圧力と基部に作用する燃料圧力との圧力差をなくせば、閉弁スプリングにより噴孔用弁体は閉弁方向に移動し、噴孔が閉鎖される。
【0005】
このように、一般的な燃料噴射弁において、噴孔用弁体を開閉させるために圧力室内の燃料圧力を制御する制御弁体が必要である。米国特許第5779149号には、この制御弁体を電歪アクチュエータにより作動させることが開示されている。この従来技術において、制御弁体は、電歪アクチュエータの伸張によって直接的に作動させられるのではなく、電歪アクチュエータ側に配置された大径ピストンと制御弁体側に配置された小径ピストンとの間に流体室を介在させ、電歪アクチュエータの伸張量を流体室において作動力としての押圧力に変換して制御弁体へ伝達するようになっている。
【0006】
ところで、このような燃料噴射弁をディーゼルエンジンに使用する場合において、噴孔用弁体のリフト速度を少なくとも二段階に変化させることができれば、燃料噴射に際しての噴射率を変化させることができ、運転状態に応じた適当な燃料噴射が実現可能となる。このためには、噴孔用弁体の開弁に際して圧力室内の圧力を二段階の速度で低下可能とすれば良い。このように圧力室内の圧力を低下させるためには、圧力室からの燃料流出通路を工夫することに加えて、制御弁体の変位量として、閉弁時の変位量と開弁時の二段階の変位量とを実現しなければならず、すなわち、制御弁体は三段階の変位量に制御されなければならない。
【0007】
これまでも実施されているように、制御弁体を対向する二つのシート部のそれぞれに当接させることにより、制御弁体を変位量ゼロと最大変位量の二段階に変位させることは容易である。それにより、制御弁体を二つのシート部のいずれにも当接しない中間変位量に保持することができれば、制御弁体の三段階の変位量が実現される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
電歪アクチュエータ又は電磁アクチュエータは、制御量を変化させることによって作動力を変化させることができる。しかしながら、温度条件等によって発生する作動力は容易に変化するために、アクチュエータにおける制御量の制御だけによって制御弁体を中間変位量に正確に制御することはできない。
【0009】
従って、本発明の目的は、制御弁体を意図する中間変位量に正確に制御可能な燃料噴射弁を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による請求項1に記載の燃料噴射弁は、噴孔用弁体に作用する圧力室内の圧力を制御するために変位させる制御弁体と、前記制御弁体を変位させるための作動力をもたらすアクチュエータと、前記作動力に抗して前記制御弁体を弾性支持する弾性支持手段とを具備し、前記アクチュエータは制御量を制御することにより前記作動力を可変とすることができるものであり、前記作動力の増加に伴って前記弾性支持手段は前記制御弁体と共に変位し、前記制御弁体は意図する中間変位量に変位した時に当接部材に当接し、前記当接部材は、前記弾性支持手段とは別の弾性部材によって自身変位以前において前記作動力とは反対方向に設定押圧力で押圧されており、前記当接部材は第一流体室内に配置され、前記第一流体室は、絞りを介することなく低圧燃料通路と連通して大気圧の燃料により満たされ、又は、絞りを介することなく高圧燃料通路と連通して高圧燃料により満たされ、前記制御弁体が位置する制御室と前記圧力室とは第一オリフィス及び第二オリフィスを介して連通し、前記制御弁体が変位量ゼロである時には前記制御室と低圧燃料通路との連通が遮断され、前記制御弁体が前記中間変位量に変位した時には前記制御室と前記低圧燃料通路とが連通され、前記制御弁体が最大変位量となる時には、前記制御室と前記低圧燃料通路とが連通されると共に、前記第二オリフィスを介する前記圧力室と前記制御室との連通が遮断されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明による請求項2に記載の燃料噴射弁は、請求項1に記載の燃料噴射弁において、前記アクチュエータは、電歪アクチュエータであり、前記制御弁体との間には、前記電歪アクチュエータの伸張量を前記作動力としての押圧力に変換するための第二流体室が設けられ、前記第二流体室と前記燃料噴射弁の高圧燃料通路とは連通路により連通され、前記連通路には、前記流体室への燃料流れのみを許容する逆止弁が配置されると共にピン部材が挿入され、前記高圧燃料通路内の高圧燃料は前記ピン部材の回りを通過する際に圧力低下して前記流体室へ供給され、前記ピン部材の周囲には周方向に延在する溝が形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明による請求項3に記載の燃料噴射弁は、請求項1に記載の燃料噴射弁において、前記アクチュエータは電歪アクチュエータであり、前記電歪アクチュエータの伸張量を前記作動力としての押圧力に変換するために前記電歪アクチュエータと前記制御弁体との間には第二流体室が設けられ、前記第一流体室と前記第二流体室とは互いに対向し、前記電歪アクチュエータの伸張量がゼロの時において、前記第一流体室及び前記第二流体室内の流体圧力は等しく、前記制御弁体の直接的又は間接的な前記第一流体室における受圧面積は、前記制御弁体の直接的又は間接的な前記第二流体室における受圧面積と等しくされていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による燃料噴射弁を示す断面図である。本燃料噴射弁は、例えば、ディーゼルエンジン又は筒内噴射式火花点火内燃機関の気筒内へ直接的に燃料を噴射するために、各気筒共通の蓄圧室において加圧された高圧燃料を噴射するものである。もちろん、本燃料噴射弁は気筒内以外の例えば吸気ポートへ燃料を噴射するのにも使用可能である。1は本燃料噴射弁の本体であり、内部に複数の燃料通路等を加工可能なように中心軸線に沿って五分割されている。
【0014】
最も先端側に位置する第一本体部分1aには、先端において噴孔2が形成されると共に噴孔2へ通じる高圧燃料通路3の一部が形成され、また、噴孔2を開閉するための噴孔用弁体4の基部に接して圧力室5が形成されている。噴孔用弁体4は、先端部により噴孔2の上流側において高圧燃料通路3を閉鎖可能となっている。圧力室5内には、噴孔用弁体4を閉弁方向に付勢する閉弁スプリング6が配置されている。それにより、圧力室5内の燃料圧力が高圧燃料通路3内の燃料圧力と同じになっていれば、噴孔用弁体4は閉弁スプリング6による付勢力によって閉弁され、噴孔2と高圧燃料通路3との連通が遮断されるために、燃料噴射は停止される。
【0015】
次いで先端側に位置する第二本体部分1bには、高圧燃料通路3の一部と、第一流体室7とが形成されている。次いで先端側に位置する第三本体部分1cには、高圧燃料通路3の一部と、第一流体室7に連通して同心状に形成された制御弁体8の摺動孔9とが形成されている。次いで先端側に位置する第四本体部分1dには、高圧燃料通路3の一部と、摺動孔9に連通して同心状に形成された制御室10と、制御室10に連通する低圧燃料通路11の一部とが形成されている。また、制御室10に連通して同心状に形成された小径ピストン12の摺動孔13が形成されている。
【0016】
最も基端側に位置する第五本体部分1eには、高圧燃料通路3の一部と、低圧燃料通路11の一部と、小径ピストン12の摺動孔13に連通して形成された大径ピストン14の摺動孔15とが形成されている。大径ピストン14の摺動孔15の一部と小径ピストン12の摺動孔13の一部とは、大径ピストン14と小径ピストン12との間に燃料により満たされた第二流体室16を形成する。大径ピストン14の基端側に当接して電歪アクチュエータ17が配置されている。第二流体室16内には、大径ピストン14を電歪アクチュエータ17側へ付勢する皿バネ18が配置されている。
【0017】
第五本体部分1eにおいて、高圧燃料通路3は、燃料噴射弁外部へ開口し、例えば、各気筒の燃料噴射弁に共通の蓄圧室へ接続され、蓄圧室内において高圧ポンプによって加圧された高圧燃料が供給される。一方、低圧燃料通路11も、燃料噴射弁外部へ開口し、例えば、燃料タンク等の大気圧部へ接続され、低圧燃料通路11内の燃料圧力を大気圧としている。これら五つの本体部分1a,1b,1c,1d,1eは、ケース19によって互いに油密に接合されている。
【0018】
制御室10内に配置された制御弁体8の中央は、先端側及び基端側へ向けて徐々に直径が小さくなる先端側弁体部8aと基端側弁体8bとを構成し、制御室10内には、この基端側弁体部8bのシート部となる弁シリンダ20が配置されている。また、この弁シリンダ20に当接して調整リング21が設けられている。図1に示すように、制御弁体8の基端側弁体部8bが弁シリンダ20のシート部に当接することにより、制御室10と低圧燃料通路11との連通は遮断される。制御弁体8は拡大摺動部によって弁シリンダ20の貫通孔内を摺動するようになっており、この拡大摺動部には軸線方向の切欠きが形成され、制御弁体8の基端側弁体部8bが弁シリンダ20から離間すると、この切欠きを介して制御室10内と低圧燃料通路11とが連通するようになっている。
【0019】
一方、制御弁体8の先端側弁体部8aは、第三本体部分1cに形成された制御弁体8の摺動孔9のシート部に当接して摺動孔9と制御室10との連通を遮断可能となっている。制御弁体8は、弁シリンダ20内を摺動するための拡大摺動部と、摺動孔9内を摺動するためのもう一つの拡大摺動部とを有し、弁シリンダ20及び摺動孔9内を同心的に摺動する。制御弁体8は、第二本体部分1bに形成された第一流体室7内へ突出する先端部8cと肩部8dとを有し、第一スプリング22による押圧力によって先端部8cを介して電歪アクチュエータ17側へ付勢されている。
【0020】
また、第一流体室7内には、制御弁体8の先端部8cが貫通する貫通孔を有して肩部8dの回りを取り囲む当接部材23が配置されている。この当接部材23は、制御弁体8の変位によって制御弁体8の肩部8dが当接する貫通孔回りの第一当接面23aと、第二スプリング24による押圧力によって第一流体室7の電歪アクチュエータ17側の内壁へ当接するための第二当接面23bとを有している。
【0021】
第二流体室16と高圧燃料通路3とは、連通路25により連通されており、この連通路25には、第二流体室16への燃料流れのみを許容する逆止弁26が配置されると共にピン部材27が挿入されている。高圧燃料通路3内の高圧燃料はピン部材27の回りを通過する際に圧力低下し、また、連通路25に配置されたオリフィス28を介してさらに圧力低下して第二流体室16へ供給される。また、こうして圧力低下した燃料は、分岐通路29によって第一流体室7へも供給される。
【0022】
ピン部材27の周囲には周方向に延在する溝27aが形成されている。それにより、蓄圧室から高圧燃料通路3へ供給された加圧燃料に微細な異物等が混入していても加圧燃料が連通路25内においてピン部材27回りを通過する際に、この異物は溝27aで捕集され、第一流体室7及び第二流体室16へ異物が流入することはなく、以下に説明する第一流体室7における当接部材23の動作や、第二流体室16における小径ピストン12及び大径ピストン14の動作が異物によって阻害されることはない。
【0023】
第一流体室7及び第二流体室16へ高圧燃料通路3内の加圧燃料を圧力低下させて供給する連通路25は、オリフィス30を介して低圧燃料通路11へ接続されており、このオリフィス30を介して低圧燃料通路11へ流出する燃料量によって第一流体室7及び第二流体室16へ供給する燃料圧力を大気圧以上の設定圧力に維持している。低圧燃料通路11は、大径ピストン14の摺動Oリング31回りへ潤滑のために低圧燃料を供給している。
【0024】
図2は、本燃料噴射弁において制御弁体8の変位制御を説明するための制御弁体8近傍の断面図である。図2(A)は、図1と同様に、制御弁体8の変位量ゼロを示している。この時において、電歪アクチュエータ17には電圧は印加されておらず、その伸張量はゼロであるために、第二流体室16内の燃料圧力は連通路25から供給された燃料圧力であり、第一流体室7内の燃料圧力とは等しい。また、制御弁体8は、第二流体室16における小径ピストン12を介しての間接的な受圧面積、すなわち、小径ピストン12の第二流体室16側の面積と、第一流体室7における直接的な受圧面積、すなわち、第三本体部分1cにおける摺動孔9に対する制御弁体8の拡大摺動部の断面積とが等しくされているために、この時に、制御弁体8が第一流体室7内の燃料及び第二流体室16内の燃料から受ける互いに反対方向の押圧力は等しくなる。
【0025】
制御弁体8は、こうして、第一流体室7内に配置された第一スプリング22の押圧力によって電歪アクチュエータ17側へ移動させられ、基部側弁体部8bが弁シリンダ20に当接することによって制御室10と低圧燃料通路11との連通が遮断される。この時においても制御弁体9には第一スプリング22による第一設定押圧力が作用するように第一スプリング22は圧縮変位している。高圧燃料通路3は、オリフィス32を介して制御室10に連通すると共に、オリフィス33を介して圧力室5に連通している。
【0026】
こうして、制御室10と低圧燃料通路11との連通が遮断されると、制御室10内及び圧力室5内は、格子で示すように、高圧燃料通路3内の高燃料圧力となる。噴孔用弁体4の先端側には、常に、高圧燃料通路3内の高燃料圧力が作用しているが、圧力室5内がこの高燃料圧力となれば、噴孔用弁体4の先端側及び基部側に作用する燃料圧力に伴う押圧力は互いに等しく、噴孔用弁体4は圧力室5内に配置された閉弁スプリング6によって閉弁され、高圧燃料通路3内の燃料が噴孔2を介して噴射されることはない。
【0027】
圧力室5は、オリフィス34を介して制御室10に連通され、また、オリフィス35を介して摺動孔9に連通されている。制御弁体8の変位量ゼロにおいて、摺動孔9と制御室10とは連通しており、この時において、格子で示すように、摺動孔9内も高圧燃料通路3内の高燃料圧力となっている。
【0028】
電圧を印加して電歪アクチュエータ17を伸張させると、第二流体室16内の燃料圧力が高まり、制御弁体8を第一スプリング22による押圧力に逆らって変位させる。印加電圧を上昇させて制御弁体8をさらに変位させると、図2(B)に示すように、制御弁体8の肩部8dが当接部材23の第一当接面23aへ当接するようになる。
【0029】
この時において、当接部材23には第二スプリング24に第二設定押圧力が作用するように第二スプリング24は圧縮変位している。さらに制御弁体8を変位させるためには、当接部材23を第二スプリング24による押圧力に逆らって変位させることが必要となる。それにより、印加電圧をさらに上昇させて第二流体室16内の燃料圧力をさらに高めて第二流体室16を介して制御弁体8に作用する押圧力を高めても、当接部材23の第二設定押圧力が相殺されるまでは、当接部材23は変位せず、すなわち、制御弁体8も変位しない。
【0030】
この間において制御弁体8は中間変位量に維持され、この中間変位量では、制御弁体8の基部側弁体部8bは弁シリンダ20から離間して制御室10と低圧燃料通路11とが連通されると共に、制御弁体8の先端側弁体部8aが摺動孔9を閉鎖することはない。こうして、制御室10内の燃料圧力は低圧燃料通路11内の大気圧まで低下する。この時、オリフィス34を介して一部の高圧燃料が制御室10内へ流出すると共に、オリフィス35を介してさらに一部の高圧燃料が摺動孔9から制御室10へ流出し、また、この一方で、高圧燃料通路3からはオリフィス33を介して高圧燃料が圧力室5内へ流入する。全体的な流出燃料流量は全体的な流入燃料流量より多く、圧力室5内の燃料圧力は、ドットで示す範囲において、全体的な流出燃料流量と全体的な流入燃料流量との差、すなわち、相対的な流出燃料流量に応じた速度で低下する。
【0031】
こうして、圧力室5内の燃料圧力が所定圧力まで低下して、噴孔用弁体4の全体的な閉弁方向の押圧力(閉弁スプリング6による押圧力を含む)が全体的な開弁方向の押圧力より僅かに小さくなった時に噴孔用弁体4は開弁し始め、高圧燃料供給通路3内の高圧燃料が噴孔2を介して噴射される。噴孔用弁体4の開弁に伴って圧力室5の容積は減少するために、噴孔用弁体4をさらに開弁させるには、圧力室5内の燃料圧力を少なくとも所定圧力に維持するように相対的に燃料が流出しなければならない。(厳密には、開弁と同時に噴孔用弁体4の先端側における高圧燃料の受圧面積が大きくなるために、開弁方向の押圧力が増加することにより、圧力室5内の燃料圧力は所定圧力より高い圧力でも開弁を持続させることができる。)こうして、噴孔用弁体4の開弁速度は、相対的な流出燃料流量が多いほど速くなる。
【0032】
電歪アクチュエータ17へ印加する電圧をさらに上昇させて第二流体室16内の圧力をさらに高めると、当接部材23の第二スプリング24による第二設定押圧力が相殺され、制御弁体8は当接部材23と共に変位を開始する。制御弁体8をさらに変位させて、図2(C)に示すように、先端側弁体部8aが摺動孔9に当接するまで変位させると、制御弁体8は最大変位量となる。
【0033】
この時において、基部側弁体部8bによって制御室10は低圧燃料通路11に連通しているが、先端側弁体部8aによって摺動孔9と制御室10との連通は遮断されており、すなわち、図2(B)に示す制御弁体8の中間変位量と比較して、圧力室5内の高圧燃料の一部がオリフィス35を介して摺動孔9から制御室10へ流出することはない。
【0034】
この時においても全体的な流出燃料流量は全体的な流入燃料流量より多く、圧力室5内の燃料圧力は、ドットで示す範囲において低下し、前述同様に、圧力室5内の燃料圧力が所定圧力まで低下すれば、噴孔用弁体4は開弁を開始する。しかしながら、制御弁体8の中間変位量に比較して、圧力室5からの相対的な流出燃料流量は少なくなるために、噴孔用弁体4の開弁速度は遅くなる。また、圧力室5内の燃料圧力が所定圧力まで低下する時間は長くなる。
【0035】
図3は、本燃料噴射弁において、電歪アクチュエータ17による第二流体室16を介しての押圧力と制御弁体8の変位量との関係を示すグラフである。このグラフを使用して、これまでの説明を要約すると、電歪アクチュエータ17へ電圧を印加していない時には、制御弁体8は、第一スプリング22による第一設定押圧力により基部側弁体部8bが弁シリンダ20に当接して変位量ゼロに維持される。この時において噴孔用弁体4は閉弁される。
【0036】
電歪アクチュエータ17への印加電圧を徐々に上昇させると、第二流体室16を介しての押圧力が徐々に高まり、第一スプリング22による第一設定押圧力が相殺されると、制御弁体8は、第二流体室16を介しての押圧力に抗して制御弁体8を弾性的に支持する第一スプリングと共に変位して、変位量が徐々に増大する。
【0037】
押圧力がP1へ高まると、制御弁体8は当接部材23に当接して、制御弁体8は中間変位量となる。その後、押圧力を高めてP2となるまでは、当接部材23の変位以前における第二スプリング24による第二設定押圧力が相殺されないために、制御弁体8は当接部材23と共に変位することはなく、中間変位量に維持される。
【0038】
押圧力がP2となって、第二スプリング24による第二設定押圧力が相殺されれば、制御弁体8は当接部材23と共に変位を開始する。この変位は、第一スプリング22を変位させると共に当接部材23を付勢する第二スプリング24をも変位させなければならず、押圧力の増加に伴う変位量の増大は中間変位量以前に比較して緩やかになる。
【0039】
押圧力がP3となれば、制御弁体8は、先端側弁体部8aが摺動孔9に当接するために、制御弁体は最大変位量となり、さらに押圧力が高まってもそれ以上変位することはない。こうして、本燃料噴射弁において、電歪アクチュエータ17に電圧を印加しなければ制御弁体8は確実に変位量ゼロとなり、電歪アクチュエータ17へ第二流体室16を介しての押圧力がP3以上となるように電圧を印加すれば制御弁体8は確実に最大変位量となる。また、電歪アクチュエータ17へ第二流体室16を介して押圧力がP1からP2となるように電圧を印加すれば制御弁体8は確実に意図する中間変位量となる。それにより、電歪アクチュエータ17によりもたらされる押圧力が標準的にP1とP2の間の値、好ましくは(P1+P2)/2となるような電圧を電歪アクチュエータ17へ印加すれば、種々の要因によって実際の押圧力が多少変化しても、これがP1を下回ったりP2を上回ったりすることはなく、制御弁体8を確実に意図する中間位置とすることができる。
【0040】
本燃料噴射弁において、第二流体室16は、電歪アクチュエータ17側の大径ピストン14と制御弁体8側の小径ピストン12との間に形成されているために、電歪アクチュエータ17の僅かな伸張量で第二流体室16内の圧力を大幅に高めることができる。本燃料噴射弁は、電歪アクチュエータ17を制御弁体8の作動に使用したが、電歪アクチュエータと流体室との組み合わせのように、電圧のような制御量を制御することにより制御弁体への作動力を変化させることができる他のアクチュエータ、例えば、ソレノイドアクチュエータを制御弁体の作動に使用することもできる。ソレノイドアクチュエータは、制御量としてやはり電圧を制御することにより、磁気吸引力又は磁気反発力のような制御弁体の作動力を直接的に発生することができるために、第二流体室を省略することも可能である。
【0041】
ところで、第二流体室16は、特に、制御弁体8を最大変位量から変位量ゼロにする際に、電歪アクチュエータ17が急激に収縮するために、皿バネ18によって容積が急増して圧力が急激に低下する。この時には、逆止弁26を介して大気圧より高い圧力の燃料が第二流体室16へ流入するようになっている。それにより、第二流体室16内が負圧となって燃料中に含まれる気体が析出することにより第二流体室16内に空間が形成されるようなことはない。もし、このような空間が形成されると、電歪アクチュエータ17が伸張しても第二流体室16内の圧力は十分に上昇せず、制御弁体8の正確な変位量制御が不可能となってしまう。
【0042】
図4は図1に示す燃料噴射弁の変形例を示している。図1との違いを説明するために必要な部材に関しては符号を付けて説明するが、その他の部材に関しては図1に示す燃料噴射弁と同様であるために説明を省略する。本燃料噴射弁において、第一流体室7は、低圧燃料通路11と連通することによって、大気圧の燃料により満たされている。
【0043】
図1に示す燃料噴射弁では、制御弁体8の変位に伴って第一流体室7の容積が減少するために、厳密には、大気圧力より高い設定圧力とされた分岐通路29を含めて第一流体室7内の圧力が僅かに上昇することとなり、これは、制御弁体8を変位させるのに必要な第二流体室16を介しての押圧力を高めることとなる。しかしながら、本燃料噴射弁のように、第一流体室7が低圧燃料通路11に連通されていれば、このような制御弁体8の変位に伴って第一流体室7の容積が減少しても第一流体室7内の圧力が上昇することはない。もちろん、本燃料噴射弁においても、図1の燃料噴射弁と同様に、制御弁体8を意図する中間変位量とするための電歪アクチュエータ17の制御を容易とすることができる。
【0044】
本燃料噴射弁において、第二流体室16へは、図1の燃料噴射弁と同様に、高圧燃料通路3からの高圧燃料がピン部材27及びオリフィス28によって圧力低下させられて供給されるために、第二流体室16内は常に大気圧より高い燃料圧力とされている。また、制御弁体8へ押圧力を伝達する小径ピストン12’は、図1の燃料噴射弁におけるより大きな直径を有している。こうして、電歪アクチュエータ17へ電圧を印加せずに制御弁体8が変位量ゼロとされる時においても、第一流体室7と第二流体室16との差圧によって制御弁体8には変位方向の押圧力が作用するために、第一流体室7内に配置された第一スプリング22’の第一設定押圧力を図1に示す燃料噴射弁におけるより大きくしている。
【0045】
図5は図1に示す燃料噴射弁のもう一つの変形例を示している。図1との違いを説明するために必要な部材に関しては符号を付けて説明するが、その他の部材に関しては図1に示す燃料噴射弁と同様であるために説明を省略する。本燃料噴射弁において、第一流体室7及び第二流体室16は、高圧燃料通路3と連通することによって高圧燃料により満たされている。こうして、第一流体室7が高圧燃料通路3に連通されていれば、図4に示す変形例と同様に、制御弁体8の変位に伴って第一流体室7の容積が減少しても第一流体室7内の圧力が上昇することはない。もちろん、本燃料噴射弁においても、図1の燃料噴射弁と同様に、制御弁体8を意図する中間変位量とするための電歪アクチュエータ17の制御を容易とすることができる。
【0046】
第二流体室16へは高圧燃料が供給されるために、もちろん、制御弁体8を変位量ゼロとする時に、第二流体室16内に空間が発生することはない。また、第一流体室7内及び第二流体室16内の燃料圧力は等しいために、第一流体室7内の第一スプリングの第一設定押圧力は、特に、図1に示す燃料噴射弁におけるより大きくする必要はない。
【0047】
前述した三つの燃料噴射弁において、第一流体室7及び第二流体室16へは燃料を供給するようにしたが、燃料以外の作動油を供給するようにしても良い。
【0048】
このようにして、本発明による燃料噴射弁によれば、噴射率を変化させた燃料噴射を容易に実現することができる。それにより、例えば、以下に説明するような燃料噴射方式が可能となる。
【0049】
図6は、一つの燃料噴射方式を示すタイムチャートであり、縦軸は燃料噴射率を示している。本燃料噴射方式は、パイロット燃料噴射と主燃料噴射との時期が比較的近接している場合であり、パイロット燃料噴射時には制御弁体8を中間変位量に保持して噴孔用弁体4のリフト速度を速くすると共に、主燃料噴射時には制御弁体8を最大変位量として噴孔用弁体4のリフト速度を比較的遅くしている。
【0050】
それにより、パイロット燃料噴射開始時には、燃料噴射弁内における噴孔近傍の燃料圧力が急激に上昇するために、少量のパイロット噴射燃料を高速度で噴射することが可能となる。高速で噴射されたパイロット噴射燃料は貫徹力が大きいために、少量であっても燃焼室外周部近傍まで到達してから燃焼するようになる。従って、主燃料噴射時に噴射された燃料は、燃焼室外周部近傍に形成されたパイロット燃料噴射による燃焼ガスに到達した部分から燃焼を開始するようになり、主噴射燃料は、燃焼室外周部から中心部へ向けて燃焼するようになる。これにより、主噴射燃料の燃焼温度は比較的低くなり、NOの生成が抑制される。
【0051】
また、主燃料噴射では噴孔用弁体4のリフト速度が比較的遅いために、主燃料噴射開始時の燃料噴射率は比較的低くなる。このために燃料噴射時期を進角させても燃焼状態の悪化が生じることはなく、燃料噴射を比較的早い時期に終了することができるようになり、燃焼室温度が低下する膨張行程で燃料が噴射されることによるスモーク増大の問題を抑制することが可能となる。
【0052】
図7は、もう一つの燃料噴射方式を示す図6と同様なタイムチャートである。本燃料噴射方式では、パイロット燃料噴射時には制御弁体8を中間変位量に保持して噴孔用弁体4のリフト速度を速くすると共に、主燃料噴射では噴射期間前半において制御弁体8を最大変位量として噴孔用弁体4のリフト速度を比較的遅くし、噴射期間後半において制御弁体8を中間変位量として噴孔用弁体4のリフト速度を速くしている。これにより、図6の燃料噴射方式と比較して、主燃料噴射の後半における噴射率が上昇して燃料噴射終了時期をさらに早めることができ、スモーク増大の問題をさらに確実に抑制することができる。
【0053】
図8は、もう一つの燃料噴射方式を示す図6と同様なタイムチャートである。本燃料噴射方式は、パイロット燃料噴射を圧縮行程の比較的早い時期に行う場合であり、パイロット燃料噴射時には制御弁体8を最大変位量として噴孔用弁体4のリフト速度を比較的遅くすると共に、主燃料噴射時にも制御弁体8を最大変位量として噴孔用弁体4のリフト速度を比較的遅くしている。圧縮行程の比較的早い時期では、燃焼室内の圧力及び温度が十分に上昇しておらず、また、ピストンも上死点から離れた位置にあるために、噴射燃料は液状のまま気筒内壁へ到達して付着し易く、この付着燃料は潤滑油の希釈をもたらすこととなる。
【0054】
本燃料噴射方式では、圧縮行程の比較的早い時期に実施されるパイロット燃料噴射において噴孔用弁体4のリフト速度が比較的遅くすることにより、燃料噴射弁内の噴孔近傍における燃料圧力の上昇を緩やかにして少量のパイロット燃料噴射を低速度で実施するようになっている。それにより、パイロット噴射燃料は、貫徹力の小さい噴霧となり気筒内壁への付着の問題は発生しない。
【0055】
図9は、もう一つの燃料噴射方式を示す図6と同様なタイムチャートである。本燃料噴射方式では、主燃料噴射の後に再度燃料を噴射するポスト燃料噴射が実施される。ポスト燃料噴射は、主燃料噴射が多量になった場合に燃料の不完全燃焼による排気スモークが発生することを防止するために行われるものである。この場合において、ポスト燃料噴射は膨張行程に実施されることとなり、燃焼室内の温度及び圧力が低下し、また、ピストンは上死点より離れた位置となっている。このために、早期パイロット燃料噴射と同様に、ポスト燃料噴射時には制御弁体8を最大変位量にして噴孔用弁体4のリフト速度を比較的遅くすることにより、ポスト噴射燃料の貫徹力を低下させて気筒内壁への付着を防止している。
【0056】
図10は、もう一つの燃料噴射方式を示す図6と同様なタイムチャートである。本燃料噴射方式では、主燃料噴射時において、制御弁体8を中間変位量として噴孔用弁体4がリフトを開始した時に、制御弁体8を最大変位量としている。主燃料噴射において、特に、燃料噴射初期は多量の燃料が一度に着火燃焼して大きな騒音が発生することを防止するために、燃料噴射率を比較的低くすることが好ましい。それにより、これまで説明した燃料噴射方式において、主燃料噴射時には制御弁体8を最大変位量として噴孔用弁体4のリフト速度を比較的遅くしている。
【0057】
しかしながら、これは、圧力室5内の燃料圧力の低下速度を遅くすることであるために、圧力室5内において、高燃料圧力から噴孔用弁体4が閉弁スプリング6に逆らってリフトを開始する圧力まで低下するのに比較的長い時間が必要となり、すなわち、燃料噴射指令から実際に燃料噴射が開始されるまでの遅れ時間が増大することとなる。この遅れ時間を短縮するために、本燃料噴射方式では、燃料噴射指令と同時に制御弁体8を中間変位量として圧力室5内の燃料圧力の低下速度を速めている。噴孔用弁体4がリフトを開始する圧力まで圧力室5内の燃料圧力が低下すれば、この時には制御弁体8を最大変位量として、それ以降の圧力室5内からの相対的な流出燃料流量を少なくして噴孔用弁体4のリフト速度を遅くし、実際の燃料噴射においては噴射率を低くしている。
【0058】
本燃料噴射方式において、噴孔用弁体4がリフトを開始したか否かは、圧力室5内の燃料圧力を監視したり、又は、噴孔用弁体4のリフトを直接的に監視したりすれば良く、高圧燃料通路3内の燃料圧力に応じた設定時間により判断しても良い。また、噴孔用弁体4が実際にリフトを開始する以前に噴孔用弁体4を最大変位量としても、中間変位量としたことによって、その分、遅れ時間を短縮することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明による燃料噴射弁は、噴孔用弁体に作用する圧力室内の圧力を制御するために変位させる制御弁体と、制御弁体を変位させるための作動力をもたらすアクチュエータと、作動力に抗して制御弁体を弾性支持する弾性支持手段とを具備し、アクチュエータは制御量を制御することにより作動力を可変とすることができるものであり、作動力の増加に伴って弾性支持手段は制御弁体と共に変位し、制御弁体は意図する中間変位量に変位した時に当接部材に当接し、当接部材は、弾性支持手段とは別の弾性部材によって自身変位以前において作動力とは反対方向に設定押圧力で押圧されている。
【0060】
それにより、制御弁体を中間変位量からさらに変位させるためには、弾性部材により当接部材に作用する押圧力を相殺して当接部材も変位させなければならず、すなわち、この押圧力が相殺されるまでは作動力が変化しても制御弁体は当接部材と共に中間変位量から変位することはない。これは、アクチュエータの作動力を、制御弁体が当接部材へ当接する作動力から前述の押圧力を相殺する作動力の範囲内とすれば、制御弁体を確実に意図する中間位置とすることができること意味する。制御量に対するアクチュエータの実際の作動力が多少変化しても、実際の作動力を前述の範囲内とすることは容易であり、こうして、アクチュエータの制御量の制御によって制御弁体を意図する中間変位量に正確に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料噴射弁の断面図である。
【図2】制御弁体及び噴孔用弁体の動作を説明するための図であり、(A)は制御弁体が変位量ゼロである時、(B)は制御弁体が中間変位量である時、(C)は制御弁体が最大変位量である時を示している。
【図3】作動力としての押圧力と制御弁体の変位量との関係を示すグラフである。
【図4】本発明による燃料噴射弁の変形例を示す断面図である。
【図5】本発明による燃料噴射弁のもう一つの変形例を示す断面図である。
【図6】本発明の燃料噴射弁による一つの燃料噴射方式を示すタイムチャートである。
【図7】本発明の燃料噴射弁によるもう一つの燃料噴射方式を示すタイムチャートである。
【図8】本発明の燃料噴射弁によるもう一つの燃料噴射方式を示すタイムチャートである。
【図9】本発明の燃料噴射弁によるもう一つの燃料噴射方式を示すタイムチャートである。
【図10】本発明の燃料噴射弁によるもう一つの燃料噴射方式を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…本体
2…噴孔
3…高圧燃料通路
4…噴孔用弁体
5…圧力室
7…第一流体室
8…制御弁体
10…制御室
11…低圧燃料通路
16…第二流体室
17…電歪アクチュエータ

Claims (3)

  1. 噴孔用弁体に作用する圧力室内の圧力を制御するために変位させる制御弁体と、前記制御弁体を変位させるための作動力をもたらすアクチュエータと、前記作動力に抗して前記制御弁体を弾性支持する弾性支持手段とを具備し、前記アクチュエータは制御量を制御することにより前記作動力を可変とすることができるものであり、前記作動力の増加に伴って前記弾性支持手段は前記制御弁体と共に変位し、前記制御弁体は意図する中間変位量に変位した時に当接部材に当接し、前記当接部材は、前記弾性支持手段とは別の弾性部材によって自身変位以前において前記作動力とは反対方向に設定押圧力で押圧されており、前記当接部材は第一流体室内に配置され、前記第一流体室は、絞りを介することなく低圧燃料通路と連通して大気圧の燃料により満たされ、又は、絞りを介することなく高圧燃料通路と連通して高圧燃料により満たされ、前記制御弁体が位置する制御室と前記圧力室とは第一オリフィス及び第二オリフィスを介して連通し、前記制御弁体が変位量ゼロである時には前記制御室と低圧燃料通路との連通が遮断され、前記制御弁体が前記中間変位量に変位した時には前記制御室と前記低圧燃料通路とが連通され、前記制御弁体が最大変位量となる時には、前記制御室と前記低圧燃料通路とが連通されると共に、前記第二オリフィスを介する前記圧力室と前記制御室との連通が遮断されることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記アクチュエータは、電歪アクチュエータであり、前記制御弁体との間には、前記電歪アクチュエータの伸張量を前記作動力としての押圧力に変換するための第二流体室が設けられ、前記第二流体室と前記燃料噴射弁の高圧燃料通路とは連通路により連通され、前記連通路には、前記流体室への燃料流れのみを許容する逆止弁が配置されると共にピン部材が挿入され、前記高圧燃料通路内の高圧燃料は前記ピン部材の回りを通過する際に圧力低下して前記流体室へ供給され、前記ピン部材の周囲には周方向に延在する溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 記アクチュエータは電歪アクチュエータであり、前記電歪アクチュエータの伸張量を前記作動力としての押圧力に変換するために前記電歪アクチュエータと前記制御弁体との間には第二流体室が設けられ、前記第一流体室と前記第二流体室とは互いに対向し、前記電歪アクチュエータの伸張量がゼロの時において、前記第一流体室及び前記第二流体室内の流体圧力は等しく、前記制御弁体の直接的又は間接的な前記第一流体室における受圧面積は、前記制御弁体の直接的又は間接的な前記第二流体室における受圧面積と等しくされていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
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